整備士と鎮守府の物語 4
整備士のいる鎮守府の物語…
今回は、『大型建造出来た艦娘は 2』などをお送りします。吹雪と提督は結ばれましたが、整備士が結ばれる日は来るのか!そして、整備士最大の危機の前兆が表れます。
お待たせしました。整備士と鎮守府の物語 3の続きになります。
整備士と鎮守府の物語 1・2・3の続きです。
整備士と鎮守府の物語 1.2・3を読んでない方はそちらから読んでいただくと話が分かりやすいかと思います。もちろんこの回からの読みはじめでもOK!
[大型建造出来た艦娘は 2(続き)]
ー大型建造でできた艦娘は大鳳だった。
大鳳「整備士さんね。これからよろしく。」
整備士「ああ。よろしくな。とりあえず大鳳ついてきてくれ。」
ーそう言って整備士は大鳳を工廠に連れてきた。
[工廠]
大鳳「へぇ~。なんか面白いものがたくさんありますね!」
整備士「大鳳とりあえず脱げ。」
大鳳「………はい!?」
整備士「だから脱げ。」
大鳳「(服を)脱げってなんですか!」
整備士「いや、(艤装を)脱がないと奥まで見れんだろう…」
大鳳「(裸を)見るって何を見るんですか!(奥を見る!?)」
整備士「いや、そりゃ(新しい艤装の)奥まで色々見なきゃ…そうでないと出撃もできないし。(そんなに艤装を見られるのが恥ずかしいのかこいつ。)」
大鳳「嫌です。(裸を見せるなんて)絶対に嫌です。あなた変態ですか!てか脱がないと出撃できないんですか!?(最低!会っていきなり服を脱げなんてこの人は何を考えてるのかしら。)」
整備士「いやここに来た子、全員脱いで一通りチェックしてんだけど…(ここまで拒絶されえるとはな…想定外だ。)」
大鳳「全員の(裸)を見てる!?てか、変態は否定しないんですね!?(この鎮守府絶対おかしい!)」
整備士「そりゃ、俺は変態だよ。じゃないとこんなことしてないし。(変態…か。)」
大鳳「あなたって最低な人ね!」
ガチャ
ーそう話していると工廠の扉があき、ある艦娘が入ってきた。
不知火「整備士さん。」
整備士「お。不知火か。大鳳少しすまん。」
大鳳「あ。はい…」
整備士「で、訓練場での試射はどうだった?」
不知火「そうね…まあまあね。」
整備士「まじか~!今回の整備はうまくいったと思ったのにな~。」
大鳳「………………」
整備士「次こそは、『すごくよかった。』って言わせてやるからな!」
不知火「えぇ。楽しみにしてるわ。」
整備士「じゃあ脱いでおいて、軽いメンテするし。」
大鳳「!」
不知火「わかりました」
大鳳「!?(私がいる前で服を脱ぐの!?この子!)」
不知火「よいしょ」ゴン カチャ
大鳳「(え?)」
不知火「では、整備士さんメンテナンスをよろしくお願いします。」ガチャ バタン
整備士「おう!」
整備士「さて大鳳。俺が見るのがいやだったら、明石に頼んでみるけど。」
大鳳「」
整備士「大鳳?」
大鳳(脱ぐ 整備士さん 見る 出撃 整備 メンテ 明石さん… はっ!)
整備士「おーい大鳳?」フリフリ
大鳳(私ったらなんて勘違いを!)カァ//////
整備士「大鳳!」ガシッ!
大鳳「ふぇ!?」
整備士「どうしたんだ黙って。顔も赤いし、一回医務妖精さんに見てもらった方が…」
大鳳「なっなっなっ! なんでありません!」ダダダダダーー
ー大鳳は逃げるように工廠を出ていった。
整備士「あ!おい大鳳!艤装は置いて行ってくれ~!」
整備士「どうしたんだよあいつ…」
ーーー
夕張「なんか、見ない顔の子が工廠から出ていったんだけど…」ガチャ
整備士「お。夕張か。いや建造で出来た子の艤装を見してもらおうとしたら、変態呼ばわりされて逃げられた。」
夕張「ふ~ん。ちなみにどんな子?なんていったの?」
整備士「大鳳だよ。んでいつものように、脱いでっていたけど?」
夕張「」
整備士「夕張?」
夕張「あのねぇ~。整備士さんあなたは無意識かもしれないけど、面識のない人にいきなり脱いでって言われたらそりゃ別の意味になるわよ。」
整備士「別の意味?」
夕張「整備士さんの悪いとこだよホント…」ハァ~
夕張「私たちはいつも整備士さんのお世話になってるから、脱ぐ=艤装 ってなるけど整備士さんのことをよく知らない人は、脱ぐ=服 ってなるの。」
整備士「脱ぐ=服……(脱ぐ 服 触る 奥まで見る 変態…やべえやつだ…)」
整備士「あー。やっちゃたな…だからあんなに拒絶してたのか…」ポリポリ
夕張「いつもは提督や明石が迎えに行くから、整備士に会う時にはその子も状況が理解できるけど、今回は整備士さんだけが出迎えだったから、大鳳さんも状況判断ができなかったんじゃない?」
整備士「なるほどな…やっちまったな…どうしよ…」
夕張「さぁ~ね?まあ、吹雪ちゃんと提督をくっつけた整備士さんだし~何とかなるんじゃない?」
整備士「なんだよ。その含みのある言い方は…」
夕張「別に~ 整備士さんは自分のことはまるっきり駄目なんだな~と思って。」
整備士「うるせぇ!」
夕張「じゃあ、私は『整備艤装試験場』に行ってくるから!」
整備士「夕張。」
夕張「はい?」
整備士「ありがとな。」
夕張「いえいえ。それでは!」バタン
ポツ…………ポツ………… ザァー
整備士「ん?雨か…」
整備士「………………仕方ねぇな、ったく。」
ーーー
夕張「………」
夕張「整備士さんはやっぱり、私のこと気に留めてないみたいね…」
夕張「……さて!『整備艤装試験場』の完成に向けて頑張らないと!」
ーーー
ーとある草むらに艤装をつけたままの艦娘がいた。
大鳳「あれから走って逃げてきたけどどうしよう。でも、戻らないと… でも、整備士さんと顔合わせづらいし…」
ーポツ………ポツ……… ザァー
大鳳「あ… 雨が………」
整備士「おい。こんなとこで何やってんだよ。風邪ひくぞ。まあ、艤装をつけてたら暖かいけどな。」
大鳳「あ…整備士さん。」
整備士「ほれ。」
ー整備士は大鳳に持ってきた傘を渡す。
整備士「行くぞ。」
大鳳「はい…」
ーーー
[工廠]
整備士「艤装を脱いで、そこに置いとけ。それと、俺の私室に風呂があるから体冷える前に入っとけ。」
大鳳「はい…」
整備士「服は洗濯機入れて回しとけ。乾燥モードあるから2時間もすりゃ乾く。」
大鳳「はい…」
整備士「気にすんな。俺の言い方も悪かった。はよ風呂入れよ。」
大鳳「はい…失礼します。」
ーそう言って大鳳は工廠につながっている整備士の部屋に入り、シャワーを浴びるのだった。
整備士「さてと、大鳳の艤装にセンサーをつけますかね~。」
整備士「それにしても初めてだな、ボーガン型射出機・装甲甲板。構造を理解しないとな…」
整備士「ハリケーン・バウか…ん?ここは…」
大鳳「整備士さん。」
整備士「お。大鳳出た……………… !?」
大鳳(モジモジ///)バスタオルマキー
整備士「ど、どうしたんです大鳳さんそんな姿でそこに立って…」
大鳳「いや、いくら呼んでも整備士さんの反応がなくて…」
整備士「あ~。俺の部屋防音だからな……で、なんでその姿…」
大鳳「着替える服がなくて…それで、服を借りようと思って///」
整備士「あー。(そのことすっかり忘れてたな…)うん。俺の服出してくるよ。ちょと待っといて。」
大鳳「はい///」
ーーー
大鳳「///」セイビシノジャージ
整備士「とりあえず、服が乾くまでそれで我慢してね。コーヒー飲む?」
大鳳「はい///」
整備士「(不覚にも、ドッキっとしてしまった。)はいどーぞ。ブラックでよかった?」カチャカチャ
大鳳「はい。ありがとうございます。(今日初めてあった人と、その人の部屋に入ってお風呂まで…///)」
整備士「大鳳。聞きたいことがあるんだけど。この航空機用燃料庫の空間ってもしかして…」
大鳳「あ………………。」
大鳳「……ええ……それが原因で艦の私は沈んだの。」
ー第二次世界大戦の空母大鳳は、日本初の装甲空母であり当時最新鋭だった。しかし、就航約3か月で沈没した。その原因が、魚雷被弾による航空機用燃料庫の損傷であった。船体への損傷は軽微だったが、被弾により漏れ出た航空機用燃料が気化し艦内に充満。決死の換気作業も及ばず、被弾から4時間後に大爆発を起こし沈没した。大鳳は消火設備なども装備していたようだが、うまく作動せずまた密閉型の格納庫が爆風を逃がすことが出来なかった。また熟練工の不足により未熟工が建造の大部分を行ったが、溶接不良も多く品質が粗悪だった。このような様々な不幸が重なり、大鳳は沈没した。
整備士「そうか…すまん。つらい思い出だったな。」
大鳳「いえ…昔の話です。」
大鳳「でも…時々怖くなります。私を守るために落ちていった彗星や未帰還機。また被弾したら誘爆するかもって思うと…」
整備士「絶対とは言えないが。大丈夫だ。」
大鳳「え?」
整備士「建造妖精さんたちの力を信じろ。昔のように沈ませないさ。未帰還機でも、妖精さんは助けるから大丈夫だ。」
整備士「そして、それをするために俺はいる。誰も悲しませやしない。命に代えてでも俺はここの艦娘を守り抜くよ。」
大鳳「なんか、提督みたいなこと言いますね。」フフフ
整備士「そりゃ、艦娘の命を預かる艤装を整備してるんだ。それなりの覚悟は必要だよ。」
整備士「まあ、この空間には緩衝材料を入れておこう。もしもの為にだ。」
大鳳「ええ。そうしてください。」
ーーー
整備士「………………」カチャカチャ
大鳳(ジー)
整備士「ん?あぁ。こうなってんのか…」カキカキ カチカチ
大鳳(ジー)
整備士「ボーガンの射出速度はっと……」バシュン ピピ
大鳳(ジー)
整備士「大鳳……」
大鳳「はい?(あ!気づいた!)」
整備士「そんなに見てて面白いか?(さっきからガン見してたけど…)」
大鳳「そうですね…」
大鳳「面白いというより、興味がありますね。色々触られて、図面も書いてるみたいですし…」
整備士「まぁ、整備するうえでは構造は理解しとかないとな。(色々触られてって…)」カチャカチ
整備士「どこが壊れやすいとか、消耗しやすいのもわかるし。」カキカキ
大鳳「これってここにいる艦娘すべての艤装図面もあるんですか?」
整備士「全てってわけじゃないけど、大半の子のはあるよ。同型艦とか艤装の構造がよく似ている子は省いたり、その図面だけ書いてる。」カチャカチ
大鳳「それってかなりの量じゃ…どこにあるんです?」
整備士「あのパソコンの中にデータベースとしてあるよ。検索すればすぐにその子の図面が出てくる。」フゥー
大鳳「へぇ~!すごいですね!」
整備士「そうかね~。整備に必要なことをしてるだけなんだけど…」
整備士「はい。終わり。これでセンサーの取り付けと、艤装の図面化は出来た。」
ー整備士は時計を見ると、時間は20時を回っていた。
整備士「大鳳。晩飯でも食いに行こう。」
大鳳「はい!あっ……でも私お金が………」
整備士「奢るよそのくらい。今日のこともあるしな。」
大鳳「あ///。」
整備士「その前に服を着替えてきな。」
大鳳「あ!そうですねこのままじゃいけませんもんね!」///
大鳳「………覗かないでくださいよ?」///
整備士「覗くかバカ。早く着替えてこい。」
大鳳「はい!」
整備士「ったっく。」
ー整備士は着替えた大鳳と 居酒屋 鳳翔 へと向かった。
ーーーーーー
[居酒屋 鳳翔での出来事 2]
整備士「この時間だったら、提督もいるはずだしついでに顔合わせしとこうか。」テクテク
大鳳「はい! 提督ってどんな人ですか?」テクテク
整備士「一言で言うとサボり魔。」テクテク
大鳳「サボり魔?」
整備士「まぁ。あって聞く方が早いよ。」
整備士「失礼します。」ガラガラ
鳳翔「あら。整備士さんいらっしゃい。」
提督「おう!整備士さん!」
整備士「やっぱりいましたね。それに吹雪までいるじゃないですか。」
吹雪「あ…。整備士さん…この前は」
整備士「いいって。いいって。いつもの吹雪が俺はいいんだよ。そうかしこまるな。」
吹雪「…………。はい!」
整備士「で、提督。紹介したい人がいます。先日の大型建造の子です。」
大鳳「提督初めまして。大鳳です。」
提督「お!大鳳が出たのか!これからよろしくな!」
鳳翔「大鳳ちゃん!よしくね!」
整備士「さて、顔合わせも済んだことですし。提督、4人で一緒にどうです?」クイクイ
提督「お!いいね!鳳翔さん!テーブル席に行くわ!」
鳳翔「はい。」
ーこうして、提督 吹雪 整備士 大鳳の食事会がスタートした。
大鳳「提督ってサボり魔なんですか?」モグモグ
提督「サボり魔って…整備士さんあんたか…」ナマチュウグビー
整備士「事実を言ったまでです。な?吹雪。」モグモグ
吹雪「はい!ここの司令官はサボり魔です。日々の執務をどうサボるかしか考えてません!」モグモグ
提督「なんだよ…ここには俺の味方はいないのかよ…」ホウショウサンオカワリ
吹雪「でも最近は真面目に執務してますよ!」
整備士「おぉ~!愛のなせる業ですかねぇ~」
大鳳「愛?」
整備士「あ。大鳳は知らないんだったな。この二人、コンヤクしてんだよ。んで、ゆくゆくはガチ結婚するんだと。」
提督・吹雪「////」
大鳳「へぇ~!おめでとうございます!」
提督「おいおい、まだ式は挙げてないんだからな。それにカッコカリした後のガチ結婚だ。」ナマチュウグビー
吹雪「先は長いですけどね!」///
整備士「まあ、いつでもここのみんなは見守ってますよ。」モグモグ
大鳳「で、2人はどうやって結ばれたんですか?」
提督「まぁ。整備士さんのおかげかな?」ホウショウサンオカワリ
ー提督は吹雪とコンヤクするまでの一連の流れを話した。
大鳳「へぇ~!そうだったんですか!」
吹雪「そういえば、整備士さんはなんであんな冷たい反応を私にしたんですか?」
整備士「ん?それはだな…吹雪に元気を出してもらうには、提督とのいつもの喧嘩が必要だと思ったからだ。」
吹雪「?」
整備士「つまり、あの時吹雪は元気がなかったよな?それで俺に相談を持ち掛けたわけだが、そのとき代わりの秘書官を非番の初雪に頼んだ。」
整備士「んで、サボり魔の提督は高確率で初雪と執務なんかせずに、ゲームなんかをすると思った。」
整備士「そうなると、いつも提督がしているみたいに吹雪をわざと怒らせてイライラした感情を持たせたらいいと考えたわけだ。」
整備士「吹雪は絶対に他の子やモノに当たらない子だとわかってたから、いつものように怒りの矛先が提督に行くことは簡単に想像ができる。」
整備士「んで、いつものように喧嘩をすれば吹雪は元通り、提督も決心がついて告白すると思ったんだよ。」
整備士「まあ、こんなに上手くいくとは思ってなかったけどね。」モグモグ
提督「なんだか、整備士さんの手のひらで踊らされたような感じだな~」
整備士「そう言わず、提督も吹雪と仲直り出来て結ばれて良かったでしょ?」
提督「まあな!愛すべき人が出来たのは整備士さんのおかげだ!」
吹雪「///」
大鳳「じゃあ、そのうちお子さんの顔も見れるかもですね!」
提督「ブッ!」ゲホゲホ
提督「大鳳…いきなり何を言うんだ。そりゃ、子供も欲しいけどまだ先の話だし…」
吹雪「子供ですか!私は4人欲しいです!」
整備士「ブッ!」ゲホゲホ
整備士「吹雪…何真面目に答えてんだよ…」
大鳳「ちなみに男女何人ですか?」
吹雪「男・女・男・女 ですかね~」
大鳳「おぉ~!賑やかな家庭になりそうですね!提督も頑張らないとですね!」
提督「あ。はい。」
整備士「提督頑張ってください。」
提督「はい…」
ーーー
提督「そういえば、整備士さんは見つかったのかい?好きな人?」イモジョウチュウグビー
大鳳「!!!」
吹雪「あ!私もそれ気になります!整備士さんって謎ですからね~!」
整備士「そう簡単に見つかるわけないでしょう…」モグモグ
大鳳(ホッ)
吹雪「そうなんですか~。」
整備士「でも、気になる子ならいますよ。」
大鳳「!!!」
吹雪「え!誰ですか!?」
整備士「言うわけないだろ恥ずかしい。」
提督「その子は好きではないんだ。」ホウショウサンオカワリ
整備士「まあ、その子のことをよく知らないですしね。趣味とかプライベートのこととか…」
整備士「ある程度のことを知ってから多分好きになると思います。」
吹雪「整備士さんの恋バナ楽しみに待ってますね!」
整備士「あぁ。」
大鳳「」ブツブツブツブツ
提督「んあ?どーしたよ大鳳。下向いてブツブツいって。」イモジョウチュウグビー
大鳳「あ。いえ…」
提督「あ!わかったぞー。」
大鳳「え?」
提督「龍驤や瑞鶴みたいに、胸がないこと気にしてんだろ!」ケラケラ
大鳳「な! 何言ってるんですか!」
整備士・吹雪(酔ってるな~ これは…)
提督「大丈夫だ!大丈夫だ! 胸のない女の子もたくさんいるんだし!」ケラケラ
大鳳「それ、胸のない子全員に喧嘩売ってますよ!」
提督「www」ケラケラ
提督「お!もういい時間だ!帰るぞ吹雪~」フラフラ~
吹雪「あ!待ってくださいよ司令官!フラフラじゃないですか!」
提督「大丈夫だ!」フラフラ~
整備士「提督。帰り道はくれぐれも気を付けて。」
提督「あーい。じゃーな!」ガラガラ
吹雪「失礼します!鳳翔さんこれお代です。では!」ガラガラ
整備士「………………」
整備士「そろそろだな。」
大鳳「?」
ーーー
オイフブキー ナンデオレノマワリニ99カンバクドンデンダー
ヒュー ヒュー ヒュー バス!
ナンカオチテ……
ドガァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!
イャーーーーーーー!
ーーー
大鳳「」
整備士「あいつらは胸の話になるとすぐ艦爆飛ばすからな…」ヤレヤレ
整備士「まあ、大鳳気にするな。みんな違ってみんないいだ。」
大鳳「それ、勇気づけになってないような気がします…」
整備士「そうか…」
ーーーーーー
[提督 出張に出る]
テテテ テテテ ガチャ
提督「はい。こちら鎮守府提督。……はい………はい………わかりました。はい。失礼します。」ガチャン
吹雪「どうしたんですか司令官?」
提督「大本営支部から。明日支部に来いだって。」
吹雪「急ですね。」
ー基本、大本営もしくは支部からの連絡は遅くても1週間前に来る。明日来いというのは早急な事案でない限りめったにない。提督は嫌な予感がしていた。
提督「まあ、明日行ってみるよ。」
ーーー
ー翌日。
[大本営支部]
幹部「来たか。まあ座りたまえ。」
提督「失礼します。」
幹部「実はどっからか情報が入ってきてね。君の鎮守府には整備士という男がいると。」
ー提督の嫌な予感は当たっていた。最近、鎮守府周辺を飛行する飛行機が頻繁に飛んでいたからだ。
提督「やはり、飛行機を飛ばしていたのはあなたたちでしたか。」
幹部「おや、気づいていたなら話が早い。」
幹部「今回呼び出したのは、その整備士とかいう男をこちらによこしてほしいからだ。」
提督「なぜです?大本営の支部が整備士を必要とするんです?」
幹部「支部間の争いに勝つためだよ。」
ーこのほかにもいくつかの大本営支部が存在する。大本営からは予算の割り当てが支部に伝わり支部から各鎮守府に流れる形だ。もちろん優秀な戦果や技術のある鎮守府の支部は、その分支部の基本予算におまけ予算がつく。そのおまけをめぐって、各支部が争っている形だ。
幹部「2式大艇救命隊 のおかげで我が支部も大本営からかなりのおまけを頂いた。ただ、我々の管轄内の鎮守府は戦果が乏しい。これでは次に来る予算が基本予算に戻る可能性がある。それを何とか阻止したいんだよ。」
幹部「整備士は優秀なんだろ?だったらそんな優秀な人材をもっと大きなところで活躍させてもいいんじゃないかね?」
幹部「君ならわかってくれるよね?」
提督「………………」
提督「いえ。わかりません。」
幹部「なんだと!うちの支部予算のおまけが無くなったら困るのは、君たちなんだぞ!」パン!
提督「お言葉ですが。2式大艇救命隊のおまけ予算は、なんで発案者の整備士がいるうちに入っていないんですか?」
ー提督が責任を持っている鎮守府では2式大艇救命隊発足後、支部による予算の増額が行われていなかった。お金が入ってきたのは支部からの予算ではなく、各鎮守府の2式大艇救命隊の改造費からなる利益だけだった。
幹部「それは………………」
提督「それに、その2式大艇救命隊のおまけ予算の話もさっき初めて聞きましたし、おまけ予算はどこに行ったんですかね?」
提督「そういえば、最近うちの支部の幹部が結構遊んでるって噂で聞きましたけど、そのお金はどこから出てきたんですかね?」
提督「おまけがなくともうちは今の予算でやっていけてますし、本当に困るのは実はあなたたち幹部の方じゃないですか?」
幹部「貴様………………!」ギリ!
提督「あなた達の自己満足の為に、うちの鎮守府の大切な整備士を渡すわけにはいきません。私はこれで失礼します。」バタン
ーーー
提督「ってな感じだ整備士さん。」(スマホ通話中)
整備士『すみません。私のわがままをきいていただいて。』
提督「いいんだよ。仲間を守るのも俺の仕事だ。じゃあな切るぞ。」ツー ツー ツー
ーーー
幹部「おい。」
幹部秘書「はい。」
幹部「ちょうど余って手の焼いてる艦娘が3人いたよな。あいつらをあの鎮守府に入れろ。」
幹部秘書「………………了解しました。手配しておきます。」
幹部「せいぜい苦しめ。支部をないがしろにした罰だ。」
幹部秘書「………………」
ーーー
[鎮守府 執務室]
提督「へっくしゅ! あー。風邪ひいたかも…」ズル ズル
吹雪「司令官がお財布を落とすからですよ!」
ー大本営支部の用事を終えた提督は、財布を落としてしまい徒歩で帰宅した。その日は肌寒く帰ってくる途中に雨が降るなど、提督にとっては厄日だった。
吹雪「だいたい、携帯でなんで連絡しなかったんですか!」
提督「充電切れた。」
吹雪「あほですか!」
提督「そこまで言わんでも………」
ーと、吹雪とたわいもない会話をしていると、大本営支部から提督あてにメールが届いた。
提督「ん?大本営からメールだ。また呼び出しか?」パソコンポチポチ
提督「………………」
吹雪「司令官どうしたんですか?」
提督「なんか、新しい艦娘が3人うちに来るらしい。」
吹雪「そうなんですか。でも、いつものことじゃないですか?」
提督「でも、配属日が明後日なんだよ。急すぎないか?なんで師走の忙しい時期にここに配属させるんだ。年明けの方がキリがいいだろ。」
提督「なんか、腑に落ちねぇー。へっくしゅ!」
吹雪「考えるのはいいですけど、まず風邪を治してくださいね。」
提督「へい。」ズル ズル
ーーーーーー
[問題艦娘がやってきた]
ー12月…師走の時期に3人の艦娘がある鎮守府へ向かっていた。
?「なんたってこんな微妙な時期に配属させんのよ。あのクソ支部は。」テクテク
?「本当よ。死ねばいいのに。」テクテク
?「ーーさんはいるのかな~。」テクテク
整備士「やあ。ようこそ我が鎮守府へ。」
曙「あんたがここのクソ提督なの。」
整備士「いや。違うぞ。(クソ提督?)」
霞「じゃあ、なんなのよこのクズは。」
整備士「俺は整備士だ。(クズ?)」
大井「整備士…そういえば支部の連中が言ってたわね。配属先の鎮守府には艤装を整備する整備士って男がいるって。」
整備士「そう。それが俺だ。」
曙「はぁ!?艦娘の艤装を整備するですって!そんなのこいつに出来るわけないじゃない!」
霞「私たちの命を預ける艤装を人間が整備するなんて、どんな頭してんのよこの鎮守府は!」
大井「そういえば、提督は?」
整備士「提督は風邪ひいて、高熱出して寝込んでる。だから俺が代わりに来た。」
大井「そうなんですね。魚雷打ちますよ?」
整備士「なぜそうなる…(この3人は口が悪いな~)」
大井「だって私たちの命がこの汚らわしい、男に掛かってるなんて死んでもごめんだわ。」
整備士「そう言うなよ。まあ寒い外話でもなんですし、中に案内するよ。ついてきて。」
ーーーーーー
整備士と鎮守府の物語 5に続く
さて皆さん。いかがでしょうか?
出来れば評価・応援やコメントしていただければありがたいです。
さて次回ですが、作品の投稿は年明け1月を予定しています!主な内容は、『問題艦娘がやってきた 2』『整備士の過去』などをお送りします。
年末はゆっくりしたので!皆さんも風邪などに気を付けて、元気に年を明けましょう!
それでは皆さん!よいお年を!
霞、曙、大井…この時点でどんな未来が待ち受けているのが分かる。
無事だと良いね。