提督「艦娘に媚薬を盛って反応を確かめてみた」
・キャラ崩壊あり
・設定が色々とおかしい
↑以上の点を含みます。それでも大丈夫な方は読んでいってください。
似たような作品があると思うけど書きたかったので書いたシリーズ
完全な自己満作品になります。
大淀「クズですね」
提督「おいおい、開口一番がそれかよ」
大淀「そのまんまの意味ですよ。全く…艦娘をなんだと思っているんですか?」
提督「俺は普通の女の子……すなわち、部下として扱っているつもりだが」
大淀「……そうですか」
提督「と、言うわけで早速ここに明石印の特製媚薬がある」ヒョイッ
大淀「明石は何やってるんですか」
提督「いや、説明したら了承してくれた」
大淀「何が起こるかわかりませんよ。最悪暴走するかも……」
提督「はは、お前は明石の発明品を信用してないんだな。今までで、明石が失敗したことなんてあったか?」
大淀(失敗だらけですよ、なにもかも)
提督「まあ、いい。まずはお茶に仕込むとしよう」ポタッ
大淀「……色は凄いのに、混ぜると分からなくなるんですね」
提督「明石が作ったからな」
大淀「で、そのお茶。提督が飲むんですか?」
提督「バカか。自分で仕掛けた罠にハマる奴がどこにいる」
大淀「……では、どの娘に?」
提督「海風だ」
大淀「……その、媚薬の継続時間は?」
提督「そんなに長くないって明石が言ってた。……行動次第で艦娘が普段からどれだけ溜めてるのかわかるからな」
大淀「……(間違って飲まないようにしないと)」
提督「海風を呼んでくれ」
大淀「……先が思いやられますね」
海風「提督?海風をお呼びでしょうか?」
提督「やぁ、海風。調子はどうだ?」
海風「体調ですか?本日も優れてます!」
提督「そうかそうか、それは良かった」
海風「それで、ご用はなんでしょうか?」
提督「あ、あぁ。そのことだがな。海風と茶をしたくてな」
海風「海風と、ですか?」
提督「海風も普段から貢献してくれているだろう?だから、少しで礼をしたくてな」
海風「いえ、海風は当たり前のことをしただけで……」
提督「それとも、俺と飲むのは嫌か?なら仕方ない……」
海風「ち、違います!飲みます、飲ませてください!」
提督「そうか。じゃあ、座っててくれ。今淹れてくる」
提督「……冷めてないよな?」
提督「よし、まだ温かい……これは海風のだから、間違って飲まないように」
提督「待たせたな」
海風「わざわざ注いでもらってすみません……」
提督「いや、海風はお客さんだからな。さあ、飲んでくれ」
海風「いただきます……!」ゴクゴク
提督「……(さあ、どうでてくるか)」
海風「っ!……」
提督「? どうした、海風?」
海風「い、いえ!なんでもないれす!」ガタンッ
提督「お、おい?舌でも火傷したか!?」
海風「大丈夫、大丈夫れすから!」アセアセ
海風(な、なんか……身体が……熱くて……なに、これ……)ハァハァ
提督「息が荒いぞ?熱でもあったか?」
海風「そ、そんな……こと……」ハァハァ
提督(効果は絶大だ……効いてる効いてる……さて、海風はこのあとどうする?)
海風(なんか……がまん、できない……)チョコン
提督「……海風?」
海風「……ごめんなさい、もうすこし、このままで……」ギュッ
提督(……なるほど、我慢できなくなって抱きついて抑えるか。なんとも海風らしい)
海風(うぅ……収まって……!)ギュッ
提督「……かわいいな」ヨシヨシ
海風「ひゃっ!?提督!?」ビクッ
海風(触らないで……へんになっちゃう……)
提督「……」
海風「あ、あの……提督……」ハァハァ
提督「む?どうした?」
海風「……わたし、……いま、すごく変で……」ハァハァ
提督「……俺のお茶が、美味しすぎたのかもな」ハハッ
海風「……てーとく……」
提督「今度はな──っ!?」チュ
海風「……えへっ」
提督「お、おま!?」
海風「……がまんできなくて、……つい」
提督「……その原因ならわかるぞ」
海風「ふぇ?」
海風「そ、そんな事が……へぇ〜」
提督「あれ?覚えてないの?」
海風「海風は、お茶を飲んでただけで……そこからの記憶は……」
提督「……なるほど、記憶は残らないタイプなのか。便利だな」
海風「……提督」
提督「なんだ?」
海風「……ううん、なんでもないです!」
提督「なんだよー、この!」ナデナデ
海風「て、ていとく……そういうのは……///」
提督「海風はかわいいなー」
海風「もぅ……海風はここら辺で失礼しますね……っ///」
提督「もう帰るのか?もっと居てもいいのだが」
海風「こ、これ以上提督に迷惑をかける訳には……!」
提督「まぁ、海風にも用事はあるもんな。また飲みに来てくれ」
海風「はい!では、失礼しました!」パタンッ
海風「……」
海風「……///」
提督「海風の意外な一面を見れた。この媚薬は、我慢してることをするようにできてるのか?謎だな、さすが明石」
明石『謎とか言わないでください!依頼したのは提督ですよね?』
提督「明石か。聞えていたのか」
明石『早速、使ったんですね。どうでしたか?』
提督「素晴らしいな。これでよく艦娘のことを知れる気がしてきた」
明石『データを取れればそれで大丈夫です。また、報告をお待ちしてます』
提督「いい戦果を待ってろよ」
大淀「……」
提督「……」カリカリ
大淀「……」
提督「……」カリカリ
大淀「……あの」
提督「なんだ」
大淀「……なんでもないです」ムスッ
提督「……変なやつ」カリカリ
コンコン
提督「む、客か。入れ」
響「失礼するよ」
提督「響か」
響「司令官にちょっと聞きたいことがあって」
大淀「急用を思い出しました」
提督「お、珍しいな。なんでも聞いてくれ」
響「セッ〇スとはどういう意味なんだい?」
提督「ぶほぁぁっ!!」
響「雷と暁が話しているのを聞いたんだ。電に聞いてみたんだが、はぐらかされてしまって」
提督「電は言葉の意味を知っているのか……?この艦隊の風紀は乱れすぎている!」
響「それで、どういう意味?」
提督「え、えっーとだな……男と女っていうか……」
響「……良かったら、体で教えてくれないか??」
提督「は?」
響「……私を、襲わないのかい」
提督「何を言ってる。俺にそんな趣味は……」
響「……せっかく、飲んできたのに」ピラッ
提督「なに……を!??」
提督「お前!なんでそれを!!」
響「さっき、海風が顔を赤くしながら走って行ってね。明石さんとの会話、聞いてたのさ」
提督「ちくしょ……軽い用事でも常に鍵を閉めておかなきゃな」
響「もう、体が熱くて堪らないんだ。……司令官、私を……」グイッ
提督「だ、ダメだ……落ち着け、響。俺は決してお前とシたいわけじゃないんだ」
響「……じゃあ、なぜ媚薬を?」
提督「普段、おまえ達がどれだけ性欲を溜めてるか検証したくてな」
響「……限界だ。ヤろう」グイッ
提督「ちょっ人の話を最後まで聞k……ってか力強いな!やめろ!」
響「駆逐艦と言えど、本気を出せば司令官くらい、簡単に……」
提督「うおっ!?」ドサッ
響「……押し倒せるんだよ?」
提督「わ、わかったから……落ち着け、響。今こんなことをしても、お前は恥ずかしさに悶えて……ん?待てよ?お前、さっきなんて言った?」
響「限界だ、ヤろう」
提督「違う。もっと前だ!海風のところ!」
響「海風が顔を赤くしながら走って行って」
提督「……まさか、これ……記憶、消えないのか……!?」
響「そんなことはどうでもいいんだよ、司令官」
提督「や、やめろ!」
響「……男なら、もっと覚悟を決めて欲しいものだね」
提督「こんなのに覚悟なんて決めたくない……」
響「早くしないと次の遠征隊が帰ってきてしまうよ。こんな姿、見られたら司令官のお先真っ暗だね」ハァハァ
提督「シてるところの方がやばいだろ。ほら、早くどけ」
響「……効き目がきれてしまったね。一気に冷めたよ」
提督「ふぅ、助かった。効果時間が長かったら俺は今頃……」
響「……夜、部屋に行ってもいいかい?」
提督「断る」
響「……」ムスッ
提督「…………何もしないならな」
響「Спасибо。それじゃあ、夜行くよ」パタンッ
提督「……海風に、謝っておくか……」
提督「……なあ大淀」
大淀「なんでしょうか」
提督「……艦娘ってめっちゃ溜めるんだな」
大淀「……」
提督「無視するなよ」
大淀「そんなどうでもいいことより、早く執務をしたらどうですか??そんなんだから毎回大本営から叱られるんですよ?くだらない企画やってる暇あったら手を動かしてください」
提督「……ッス」
大淀「……私も手伝いますから」
提督「……すまない、助かる」
秋雲「……やばい」カキカキ
秋雲「ほんとにやばいー。終わらない……間に合わないー」カキカキ
秋雲「眠いー寝たいよー……でも、寝たら死ぬ……寝たら死ぬ……」ウトウト
風雲「失礼しま──」ガチャ
秋雲「風雲おおおおお」ガバッ
風雲「うわぁぁぁあ何!?」
秋雲「助けて……もう時間が無い……」アセアセ
風雲「ちょ、ちょっと大丈夫?うわっ、隈すごい……」
秋雲「最近いつ寝たっけー。あるぇ〜?」フラフラ
風雲「フラついてるじゃない。もう、それじゃあ完成する前に轟沈するわよ」
秋雲「……明石さんとこいってくる」
風雲「……またエナジードリンク?飲みすぎても危険なんだから、程々にね」
秋雲「うん……」
風雲「……ほんとに大丈夫かな」
巻雲「ねえ風雲?秋雲がフラフラしながらどっかいったけど?」ガチャ
風雲「あ、巻雲姉。秋雲なら、明石さんのところに」
巻雲「むーっ。せっかく夕雲姉さんがご飯を作ってくれたのにぃ」
風雲「秋雲は落ち着くまでもう少し時間かかるから……行こ、巻雲姉」
秋雲「……」ポケー
明石「相当キてますね。少し、休むことをオススメします」
秋雲「休んでなんか……いられないのよ……」ウトウト
明石「ですが、これ以上机に向かってると本当に危ないですよ!」
秋雲「超効く薬を……ください……」
明石「超効く薬?……あぁ、はい。わかりました!今からお持ちしますね!」
秋雲「……」ポケー
明石「お待たせしました!どうぞ」スッ
秋雲「……ありがとうございました」スタスタ
明石「……やっぱり、実践も必要ですよね〜」ニヤニヤ
「ごめんくださーい」
明石「はい!今行きます〜」
秋雲「……あれ、風雲ぉ?かえった?」ガチャッ
秋雲「……あれ、ご飯?巻雲からだ〜。……それより原稿進めないと……」チョコン
秋雲「……ふぅ、よし!気合い、入れて!」ゴクゴク
秋雲「っ!??」
秋雲「ゲホッ!ゴホッ!……なんじゃこれ!」ゲホゲホ
秋雲「〜〜っ!!」
秋雲「あ……やっばい……」ムラムラ
秋雲「……超効く薬って……これじゃないよぉぉ!」ムラムラ
秋雲「あ゛ぁ゛〜……もう……今それどころじゃ……」ムラムラ
秋雲「…………」プツッ
秋雲「……」ガタッ
提督「大淀、この部分だが……」
大淀「あー、誤植ですね。後で直しておきましょう」カキカキ
提督「やっぱりな、道理でおかしいと思って。大淀がいて助かるよ」
大淀「秘書艦として当然のことをしてるだけです」フンスッ
提督「ははっ、頼もしいな」カキカキ
提督「むっ……ヒトキュウマルマルか。少し、休憩に入ろう」
大淀「わかりました。では先程の艤装の設計図、明石のところに持っていきますね」トントン
提督「頼んだ。俺はトイレに行ってくる」
大淀「鍵、閉めるの忘れないでくださいね?また何が起こるかわかりませんから」
提督「スペアキーも俺が持っておく。それじゃあ、また後でな」
提督「はーなーのーいーろーはーいーたーずーらーにー♪」ルンルン
提督「あーせーてーきーえさるけどー」ジーッ
提督「あーしたーさえ、あーれば!」チョロチョロ
提督「ふぅ、スッキリスッキr──」バタンッッッ
提督「うぇ!?な、なんだ!?敵襲か!?」
秋雲「よっ……ていとくー」
提督「秋雲か……ってその隈どうした!?」
秋雲「いや〜、色々あってね〜……」
提督「大丈夫か?明石のとこ、行ったか?」
秋雲「行った行った。エナジードリンク頼んだつもりたったんだけど〜……」ギュッ
提督「およよぉ!?」
秋雲「……なんかの手違いで、媚薬飲んじゃって。だから、その……」モジモジ
提督「っ……」
秋雲「……秋雲さんでさぁ、遊んで、みない?」ピラッ
提督「ちょ、見えそ……」
秋雲「見せてんだよー、……すこしくらい、いいじゃん。いつもセクハラしてるんだし」ムラムラ
提督「それはそうだが……」
秋雲「なに〜?もしかして提督、押されるのに弱いのぉ?あはは〜これはいいネタになるねぇ〜」ムラムラ
提督「……すっごいな」
秋雲「ほんとに明石さんとこの媚薬は強力だよね〜。もうろれつまわんないし、体、あっついし……すごく、えっちしたいし……」ブツブツ
秋雲「いっつも薄い本かいてるけどさー、秋雲さん、経験ないのよお。わかる?」
提督「あったら大問題だろ」
秋雲「でさー、いつも捏造してたけどね〜。……実践も、大事かと思って〜」スリスリ
提督「待て、落ち着け」
秋雲「あついからさぁ、脱いでいい?」
提督「ポーラみたいなことするな!やめろ!ここ男子トイレだぞ!他が来たらどうする!」
秋雲「ほかぁ?何いってんの〜?鎮守府に男なんて……ていとく、一人だけじゃ〜ん?」ヌギヌギ
提督「そ、そっか……って納得してる場合じゃねえ!俺は帰るぞ、脱ぐなりなんなり好きにしろ!」ガチャッ
秋雲「いま逃げたら〜、秋雲さん叫んじゃうよ〜?「提督におそわれました〜」って。ていとく、この鎮守府にいられなくなるよ〜?いいのぉ?」
提督「この野郎……目的はなんだ?」
秋雲「もくてきなんて〜。秋雲さんはただシたいだけだよ?」ムラムラ
提督「……断る」
秋雲「ドウテーじゃないんでしょぉ?ならいいじゃーん、減るもんじゃないし」
提督「そういう問題じゃない」
秋雲「あ、けんぺいさん?大丈夫だいじょーぶ、シてくれたら内緒にしておくから〜。だから、ね?」ムラムラ
提督「断る」
秋雲「……おうじょうぎわわるいねえ」
提督「早く水を飲め。明石特製なら、水で収まるはずだ」
提督「それに、お前はいま原稿描いてるんだろ?こんなことしてる場合じゃないはずだ」
秋雲「あ〜、げんこーね。もういいや〜」
提督「はぁ!?」
秋雲「いまはシたいの〜。ね?ヤろ?」グイッ
提督「ズボンを引っ張るなぁ!ほら!水!飲め!」
秋雲「みずって……てーとくのせいえき〜?うわー、セクハラだよ〜?」
提督「うるせぇ!!……必殺、アクアスプラッシュ!くらえー!!」ジャバジャバ
秋雲「冷たっ!?なに!?……あれ?秋雲なにやってんだろ?ここ、トイレ?」キョロキョロ
秋雲「ん……?て、提督!?なにやってんの!?」
提督「はぁ……はぁ……」
秋雲「な、なんで疲れてんのさ。てか、しまえって……///」
提督「やっと戻ったか……原稿用に模写する?」
秋雲「しないっ!!///」
提督「もしかして、覚えてないのか?お前、明石特製媚薬飲んで暴走してたぞ」
秋雲「……なきゃ」ボソッ
提督「ん?」カチャカチャ
秋雲「描かなきゃ!!このままじゃ本当におわんないよぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!バタンッ タッタッタッ
提督「……修羅場mode突入か」ジャーッ キュッ
大淀「……」
提督「あっ」
大淀「……提督、少しお話いいですか?」ゴゴゴ
提督「……弁解する時間をください」
大淀「ほんとに、気をつけてください」
提督「はい」
大淀「……提督も人を選んでください。盛ったらヤバそうな子はダメです」
提督「はい」
大淀「……ほんとにわかってますか??」
提督「はい」
荒潮「艦隊が戻ってきまぁ〜す」ガチャッ
提督「っっ!!!」ビクッ
荒潮「……あらあらぁ」
提督「……報告書か?」
荒潮「うふふふ。荒潮、見ちゃいましたぁ」
提督「……な、なにをだ?」
荒潮「……どうしようかな〜?言っても、いいんですかぁ?」
提督「……」ドキドキ
荒潮「さっきぃ、持ってたやつ。……媚薬、ですよねぇ〜?一体誰に使うんですか〜??」
提督「……」
荒潮「あらぁ。無言ですかぁ?言わないなら……」ヌギヌギ
提督「……おい、何してんだおまえぇ!?」
荒潮「言わないなら……脱いで叫ぼうかと。うふふふ♪」
提督「い、言うから!……艦娘に、使うんだよ」
荒潮「あらぁ。素直に答えるんですねぇ〜」
提督「言わなきゃお前がアブナイことするからな」
荒潮「……それでぇ、艦娘の誰に使うんですかぁ?」
提督「そこまでは、……言えん」
荒潮「……」ムッ
提督「と、とりあえず報告書を貰おう。さ、寄越したまえ」
荒潮「……」スタスタ
提督「……おい?荒潮?」
荒潮「……」ピッ
提督「あ!おい!返せ!まさか霞に見せるのか!?ヤメロォ!俺が何言われるかわかったもんじゃない!」
荒潮「……」キュポン
提督「……おい」
荒潮「……いただきまぁす♡」ゴクゴク
提督「おい!おいおいおい!!荒潮!!」
荒潮「っ〜〜〜」プハァ
提督「…………」
荒潮「……あらぁ」
提督(……効いてない、か……まぁ、あの荒潮だ……耐性くらいはついて──)
荒潮「……これぇ、けっこう、強いわねぇ……うふふふ……もう、立ってるのも辛いわぁ……」フラフラ
提督「お、おい……」ガシッ
荒潮「……ねえ、ていとくぅ?」トローン
提督「……水を飲め」
荒潮「これぇ、朝潮ねえさんに、使うよていだったのぉ?」
提督「違う……お前らに使おうなんて」
荒潮「……わたしぃ、ずぅ〜と待ってたんですよォ?ていとくがふりむいてくれるように、ずっと、ずぅ〜と……もう、我慢の限界ねぇ……」
提督「……寄るな」
荒潮「……荒潮のこと、きらいですかぁ?」
提督「少なくとも、いまのお前は好きじゃない……いいから、水を飲んでこい」
荒潮「せっかく手にしたこのチャンスをぉ、のがすわけにはいかないわよねぇ?」
提督「頼むよ……俺は、お前を……傷つけたくない……」
荒潮「……あらァ、弱気ですねぇ。なにか、なやみごとかしらぁ?」
提督「不安なんだよ」
荒潮「ぐちぃ?聞いてあげてもいいけれど〜、私がもつかしらぁ??」ハァハァ
提督「……一昔前、とある鎮守府で起きた、艦娘強姦事件……お前も知っているだろう?」
荒潮「……そうねぇ、そんな事件、あったわね〜」ハァハァ
提督「あの後、処分がどうなったかわかるよな?」
荒潮「……かいたいしょぶん……」ハァハァ
提督「だろ?お前も、解体されたくないだろ?」
荒潮「……されたくないわぁ」
提督「だろ?だから、ほら、水飲んでこい」
荒潮「……」ポロッ
提督「あ、荒潮?どうした!?」
荒潮「……どうして」
荒潮「どうしてぇ、ていとくはぁ、そうやって……そうやって!」グイッ
提督「!?」
荒潮「……こうでもしなきゃ……あなたにこんなこと、できないからッ!……」ポロポロ
提督「……荒潮……」
荒潮「……好きよ」
提督「……離れろ」
荒潮「嫌」
提督「上官命令だ、離れろ。荒潮」
荒潮「嫌ぁ……!」ポロポロ
提督「……」
荒潮「やっと、改装されたのに……ていとくは、なにもしてこない。あんなに誘ってるのに」
提督「……」
荒潮「どうしてぇ?ねえ?どうしてなのぉ?荒潮に、みりょくがないの?」
提督「……」
荒潮「……もう限界だわぁ」チュ
提督「っ……」
荒潮「っ……きせいじじつ、って知ってるわよねェ?」
提督「既成事実、か……」
提督「……荒潮」
荒潮「?」
提督「……今夜は、寝かさない」
荒潮「……うふふふ、ねるつもり、ないから」
提督「……目、閉じろ」
荒潮「うふふふ……優しく、してね?♡」
提督「……さよなら」ガチャッ パタンッ
荒潮「あっ……」
荒潮「あらあらぁ……素敵なことするのねぇ♡」
提督「ヤバイヤバイ!!荒潮やばい!!」タッタッタッ
大潮「あっ!司令官!お疲れさまです!」ビシッ
提督「お、大潮!助けてくれぇ!」ダキィッ!
大潮「し、司令官!?大丈夫ですか!?」アセアセ
提督「荒潮が……荒潮がぁっ!!」
大潮「あ、荒潮ちゃんが?どうかしたんですか?」
提督「うぅ……」ビクビク
大潮「……司令官」
提督「ん?」
大潮「この部屋で熱が冷めるまで、やり過ごしましょ?」ガチャ
提督「大潮……」
大潮「困った時は、いつでも大潮を頼ってください!」
大潮「必ず、お護りしますから!」ニコッ
提督「あぁ……おねえちゃんや……」
大潮「司令官」ナデナデ
提督「大潮……大潮ぉ……」グスグス
大潮「大丈夫ですよ、大潮はここにいます。……いっぱい甘えてください!」
提督「……柔らかい……」スリスリ
大潮「んっ……しれい、かん……」
??「て〜い〜と〜く〜?うふふふふ♡」コンコン
提督「っ!?」
大潮「っ! 司令官、こっちへ!」コソコソ
提督「うおぉ!?」
荒潮「失礼しまぁ〜す♡ていとくはぁ、いませんかぁ?」
大潮「あ、荒潮ちゃん……」
荒潮「……あらぁ、大潮姉さん?こんな薄暗い倉庫でなにしてるのぉ?」
大潮「え?あははは……ちょっと捜し物を……」
荒潮「……もしかしてぇ〜」
大潮「……?」
荒潮「……こんどーむぅ?」
大潮「こんど……えっ?」
荒潮「私のも、取ってくれるぅ?いちおう、ひにんはしないとねぇ?うふふふふ♡」
大潮「……荒潮ちゃん?」
荒潮「ないわねえ〜。どこに置いたのかしらぁ?」ガサゴソ
大潮「……」
荒潮「姉さん、しらなぁい?♡」
大潮「し、知らないなぁ……大潮は知らない……」アハハ
荒潮「……なんかぁ、ていとくのにおいがするわぁ……」クンクン
大潮「っ!」ギクッ
荒潮「……」スンスン
大潮「さ、さっきね!司令官が入ってたから、その匂いかな!!」
荒潮「……姉さん、嘘は良くないわよ〜?」
大潮「嘘なんて……」
荒潮「……まぁ、いいわぁ。見つけたらおしえてよ?じゃ・あ・ね?♡」パタンッ
大潮「……もういいですよ、司令官」
提督「……すまないな……こんなこと頼ってしまって……」
大潮「気にしないでください。司令官を護るのが、大潮の役目ですから!」エッヘン
提督「……しばらく、ここに潜んでおくか……」
大潮「そういえば司令官、夕餉は済ませましたか?」
提督「むっ……そういえばまだだったな」
大潮「そう……でしたら!大潮がお持ちして来ます!」
提督「……荒潮には気をつけてくれ」
大潮「アゲアゲで!行きますね!!」パタンッ
提督「……大潮、ありがとう……」ポロポロ
〜共用台所〜
大潮「荒潮ちゃんは、いないね……よし」チラッ
大潮「朝潮姉さんから教えてもらったレシピを……」ジーッ
大潮「なるほど、麦飯、魚の甘辛煮つけ、具沢山お味噌、そして沢庵と沢庵ですね!」
大潮「大潮、アゲアゲで作ります!司令官のために!」ガサゴソ
大潮「まずはお米を炊きましょう!えっと──」
比叡「あれ?先客?」
大潮「あ、比叡さん!こんばんは!」
比叡「こんばんはー。何してるの?」
大潮「司令官に、ご飯を作ってます!朝潮姉さん特性の!」
比叡「……大潮が作るのに朝潮特性なんだ……」アハハ
比叡「ところで、司令はどこにいるのかな?執務室にいなかったら……」
大潮「司令官なら、今は使われてない二階の第八号室にいます!なんか、荒潮ちゃんから逃げ回っているらしくて」
比叡「……なにしたんだろ」
大潮「それで、ご飯をまだ食べていないということで!持って行ってあげるんです!」
比叡「いい娘だね〜。司令も喜ぶと思うよ?」
大潮「はい!」カチカチ
「……」スタスタ
提督「うぅ……ここは寒いなぁ……長年使われていなかったからか?それにしてもすごい埃……少し掃除を──」
??「司令官!夕餉を持ちしました!開けてください!」
提督「む?やけに早いな……今日は間宮さんとこ空いてたっ──」ガチャッ
荒潮「……」
提督「……」
荒潮「……うふふふ♡やぁっと見つけたわぁ♡」
提督「あ、荒潮!?」
荒潮「ダメよ〜、提督。正体が分からないのに開けちゃ〜」ウフフフ
提督「さ、さっきまで大潮がいただろ!」
荒潮「……私ぃ、大潮姉さんと姉妹なんだけどぉ?」
提督「? それは知ってるが……それとどう関係が……」
荒潮「……声、似てるわよねぇ?」
提督「はっ!……そうか、姉妹だから声真似ができるのか……」
荒潮「でも〜、さすがに朝雲ちゃんや山雲ちゃんは無理ね〜」
提督「……」
荒潮「……入・れ・て?♡」キュルーン
提督「……ッ!!!」バタンッッ!
「うふふふ♡逃げられないって言ったでしょぉ〜??」ドンドン
提督「どこまで追ってくるんだ!媚薬の効果は切れたはずだろ!?」
「知らないわね〜?もう、どうでもいいわぁ」ドンドンドンドン
提督「吹っ切れんな!いいから手を離せ!ドアが壊れる!」
「壊そうとしてるのよォ?わからないぃ?」ドンドンドンドンドンドン
提督「ダメだっ……!古いから壊れる……!」
「見た目が幼いからってえ、侮ったぁ?仮にも私たちぃ、艦娘ですよぉ?」メキメキ
提督「お、大潮!助けてくれ!大潮!」
「大潮姉さんなら来ませんよォ?今頃、提督のために奮発してご飯を作ってますからぁ〜」メキメキメキメキ
提督(クソっ!なんかいい手はないか!?隠れるのも無駄!正面突破も無駄!あとは、あとは!)キョロキョロ
提督(あそこに窓が……でも、小さい!暁ぐらいしか通れないであろう窓が……ええい!何とかしろ!!)ドカァァァン!
荒潮「……あらあら大変。結構壊しちゃった。ま、いいわよねぇ。お邪魔しま〜す」
荒潮「……隠れても無駄よ〜?どこかしら〜」
荒潮「……出てこないならァ、主砲で吹っ飛ばしますよ〜?いいですか〜?」スチャッ
荒潮「……ほんと〜にやるわよぉ??」ヒューヒュー
荒潮「? ……窓が空いて──ッ!!」
荒潮「……粋なことするじゃない?」ギリギリ
荒潮「どこまでも私をおちょくる悪い提督は〜、お・仕・置・き♡しないとね〜?」ハイライトオフ
提督「……うっ……死ぬかと、思った……いてて……」ダラダラ
提督「二階だったのが不幸中の幸いか……しかし、腹に枝が刺さったのは予想外……」
提督「はぁ……夜風が気持ちいいな……」
提督「……大潮のとこ、行かなきゃ……」
提督「ふぅ……ふぅ……」ズリズリ
「……あらぁ?」
提督「っ!? ま、まさか……荒潮か!?や、やめてくれ……殺さないで……!」
陸奥「ちょ、ちょっと落ち着いてよ。殺したりなんかしないわ」
提督「えっ……なんだ、陸奥か……よかった……」
陸奥「それどういう意味……って、酷いケガじゃない!?どうしたのよ?」
提督「あ〜、ちょっと色々あってな(言えるわけない……)」
陸奥「立てる?私の部屋に来て、治療してあげる」
提督「助かる……でもまず、大潮のところに行かせてくれ」
陸奥「大潮……?」
提督「お礼が言いたいんだ。俺を守ってくれて……おまけに夕飯まで作ってくれて」
陸奥「……どこにいるか、わかるの?」
提督「分からない……けど、恐らく共用台所……だと思う」
陸奥「肩、貸すわよ?」
提督「いや、手を引いてくれるだけでいい……」
陸奥「ほんとに平気なの?出血がひどいし……最悪死ぬかもよ?」
提督「……悔いはない。さぁ、連れてってくれ」
陸奥「……バカな提督」ボソッ
長門「む……提督か。執務をサボって何をしているのだ」
提督「長門……いや、その……あはは」
陸奥「ちょっと色々あったのよ、ね?」
長門「……酷いケガではないか。敵襲か?演習の流れ弾か?」
提督「いや、ほんとになんでもないから……」
長門「ちょっと見せてはくれないか?」
提督「み、見たところで対して……」ダラダラ
長門「……すり傷でも無ければ切り傷でもないな。なにか、刺さったな?……包丁?」
陸奥「うそ……もしかして提督、誰かに殺されかけてる?」
提督「そんなはずは!」
長門「このまま野放しにしておくと危険だ。もし、提督の身に何かが起きたら……この艦隊は、無事ではいられなくなる」
陸奥「どうしてそれを早く言ってくれないよ?ほら、おいで」ガシッ
提督「あっ、ちょ!力強い!おい、ビッグセブン!力緩めて!ねえ!」ジダバタ
荒潮「……」チッ
〜長門型の部屋〜
長門「それで、主犯は誰だ?軽巡か?駆逐か?……戦艦か?」
提督「いや、そのですね……」
陸奥「まさか潜水艦の娘たち?それとも空母?」
提督「艦種は……その……」
長門「なぁ、提督よ。もう少しはっきりとしてくれないか?情報が足らなすぎて、特定できないぞ」
陸奥「別に、犯人探しをするつもりではないの。今後の艦隊運営に支障をきたさないようにするだけよ」
提督「本当に……何もないって……」
長門「……そろそろ、本気の尋問をせねばならないようだ──」
「すみませ〜ん。朝潮型駆逐艦の〜、荒潮です〜」コンコン
提督「ひっ……」ビクッ
陸奥「……?」
長門「……こんな時に来客か。すまない、少し待──」
陸奥「……って、長門」ボソッ
長門「ん?どうした」
陸奥「提督の様子がおかしいわ。何かに怯えてるような……」チラッ
長門「……」チラッ
提督「……」ガタガタ
長門「……」
陸奥「もしかして、荒潮に原因があるんじゃない?ここは、追い払った方がいいと思うのだけれど」
長門「……一理あるな。よし、私に任せておけ」ガチャッ
荒潮「こんな夜分に申し訳ないです〜」
長門「なんのようだ」
荒潮「対した用事ではないんですけど〜、提督に用事があってぇ」
長門「……生憎、提督は私たちと雑談中だ。暇潰しなら、ほかをあたって欲しいものだな」
荒潮「……そうですかぁ。なるほど〜」
長門「……」
荒潮「……提督に伝言、いいですかぁ?」
長門「……聞くだけ聞いておこう。なんだ」
荒潮「あ・と・で〜、お・ぼ・え・て・ろ♡って、伝えてください〜。それじゃあ、失礼しました」パタンッ
長門「……」
陸奥「……大丈夫だった?」
長門「……提督よ、一体あなたは荒潮に何をしたのだ?」
提督「……俺は何もしてない……あいつが……勝手に……」
陸奥「勝手に?」
提督「……机上の媚薬を飲んだ。それで暴走した」
長門「…………」
陸奥「…………」
提督「……おい、黙るなよ」
長門「その、なんというのだ。なぜ、そのようなものが提督の手元にあったのかは謎だが、何となく理由は分かったぞ」
陸奥「……提督、もう一つ質問。……それ、他の娘たちに盛ってないわよね?」
提督「……(自分で盛ったのは)海風だけだ……あとは、勝手に……」
長門「……この艦隊の風紀は、相当乱れてるな。これじゃあいざって時に出撃できないだろう」
陸奥「提督がこんなんだから、割と甘いのかもねえ」
提督「……明石印の特製媚薬、効果はほんの数分だが強力すぎるが故に、度々暴走する艦娘大勢……特に、自分で飲んできた艦娘はすごいことになってる。
……この傷も、荒潮から逃げるために飛び降りたら枝が刺さってな。別に、包丁で刺されたとかそんなんじゃないから安心してくれ」
長門「またあの工作艦か……少し、制裁してやらねばな」ヤレヤレ
陸奥「もしかして、それ。私たちにも盛る予定だったの?」
提督「……どうだろうな。もはや、目的を忘れたさ」
長門「効果はほんの数分と言ったな。じゃあなぜ荒潮はあのままなんだ?」
提督「それが分からないから苦労してるんだ……秋雲は正気を保ったあとすぐ原稿描きに戻ったし、響は押し倒したりしておいて知らんぷりで帰るし……海風は……かわいかった」
長門「全く……提督とあろうものが」
提督「すみません……反省しま──」
「司令官!大潮です!なんか色々とあったらしいですが、大丈夫ですか!?」ドンドン
長門「今度は大潮か」
陸奥「提督?大潮にお礼を言うとかなんとか言ってた気がするのだけど?」
提督「罠かもしれない……また、開けたら荒潮が来るとか……」ビクビク
長門「……お前は、大潮だと証明できるか?」
「え?お、大潮は大潮ですよ!」
長門「ふむ、質問に答えられてないな。つまり、お前は荒潮だ!」
「えぇ〜!!?」
「長門さん!この娘は本当に大潮ちゃんですよ!私が証明します!」
提督「む?比叡……?開けてくれ」
長門「しかしだ、提督。比叡もグルだと考えるべきでは……」
提督「……上官命令だ。開けろ」
長門「……どうなっても、知らないぞ」ガチャッ
大潮「司令官!荒潮ちゃんから聞きました!大丈夫ですか?」ガバッ
提督「はは……大潮……すまないな……折角、夕飯作ってもらってたのに……」
大潮「気にしないでください……大潮は、司令官が無事ならそれで大丈夫ですから!」
提督「……いい娘だな、大潮は……」ナデナデ
大潮「し、司令官///」テレテレ
比叡「……長門さん」
長門「どうした」
比叡「……少し、お話があります。外でよろしいですか?」
長門「わかった。……陸奥、提督の護衛を頼む」
陸奥「護衛?それ、駆逐艦の役目じゃないの?……まぁ、いいけどね」
提督「あれ?護衛なんかお願いしたっけ」
陸奥「一応よ、い・ち・お・う。また、荒潮に襲われたら困るでしょ?」
提督「……今度こそ、本当に刺されそうだからな」
陸奥「任せといて。命にかえても、提督を護るわ」
提督「……頼もしい」
大潮「司令官、早く安全なところに逃げた方が……」
提督「いや、執務に戻るよ。陸奥、今から秘書艦を頼めないか?」
陸奥「あら。私が?」
提督「護って、くれるんだろ?」
陸奥「……そうね。行きましょ」
提督「大潮、後で夕飯持ってきてくれ。……そうだな、入る時の暗号が必要だな。荒潮にわからないような……」
大潮「……アゲアゲでどうでしょう!」
提督「それじゃあバレるだろ。……そうだな、大好きな司令官へ、でどうだ」
陸奥「」ゴチンッ
提督「いてっ!なにすんだよ!」
陸奥「調子に乗らないの」
大潮「分かりました!では、暗号は『大好きな司令官!』でいいんですね!」
提督「えっ……あー、うん、それでいいよ」
大潮「それでは、お先に失礼します!」
提督「……さて、陸奥」
陸奥「わかってる、ここから執務室への最短ルートよね」
提督「話が早くて助かる。どこから行けば荒潮にバレずに行ける?」
陸奥「……あの娘、多分この辺りに張り付いているからバレずには無理よね……強行突破しか」
提督「お前は脳筋か」
陸奥「言ったでしょう?提督(あなた)を護るって」
提督「……絶対だな?」
陸奥「絶対よ」
提督「よし……じゃあ、最短ルートのここを突き抜ける。走れるか?」
陸奥「私はいいけど、提督は?その傷で、大丈夫なの?」
提督「だいぶ治まって来たさ……俺は提督だぞ?」
陸奥「それもそうね。……さぁ、行きましょ」
長門「む?提督よ、どこにいくのだ?」
提督「話は済んだのか?」
長門「比叡からの伝達だ。『荒潮は執務室前で張り込んでる』だとさ」
提督「なんだと……まさか俺の服に盗聴器がついてるんじゃないだろうな?」
陸奥「……そこまでして、執務する意味あるの?」
提督「……今日はやめだ。だが……」
長門「だが?」
提督「……寝る場所……」
陸奥「……ここで寝かす訳にも……」
長門「……私は構わないが、憲兵が黙ってないだろうな」
陸奥「かと言って、廊下で寝かすのも危険ね。荒潮にとっては格好の餌だわ」
金剛「話は聞かせてもらいマシター!!」バタンッッ!
長門「金剛。ドアを開ける時はノックをしろとあれほど」
金剛「テートク!寝床がないなら、ウチに来るネー!」ギュッ!
榛名「榛名は大丈夫です!」
比叡「私は構いませんけど、お姉さまの隣は譲れません!」
長門「ダメだこいつら」
提督「こ、金剛……気持ちは嬉しいが、その、お前のアプローチだと……」
金剛「大丈夫ネー!ワタシはいつでもwelcome!」
提督「……」チラッ
長門「……」プイッ
提督「……仕方ない、今夜はお世話になるよ……」ハァ
金剛「そうと決まれば、早速オフロに入るヨー!テートクも一緒に入るデース!」グイグイ
提督「え?ちょ、それはダメな気が!」
金剛「問題nothing♪ sister達も賛同してくれるネー!」
榛名「えぇ、榛名もご一緒します!」
霧島「では、私が背中を流しましょう」
比叡「司令!金剛お姉さまの隣は私ですからねぇ!?聞いてます!?」
長門「……騒がしいのが帰ったな」
陸奥「……あの娘たちに任せて、本当に大丈夫?」
長門「他に当てがないだろう……提督にはすまないが人数が多い分、私らより確実に護られるだろう」
金剛「……私が、護り抜くよ。テートク」
提督「こ、金剛……?」
金剛「駆逐艦から追われてるって聞いたデース」
提督「もう話入ってるのか……」
金剛「守ると護る、違いがわかりマス?」
提督「え、漢字じゃないのか?」
霧島「……こういう時の場合、外から敵を寄せ付けない。即ち保護する、という意味合いに使われます」
金剛「さすがは霧島!自慢の妹デース!」
霧島「艦隊の頭脳ですから」スチャッ
提督「お前達に頼って、良かったかな……」
金剛「今更何を言ってるんデスカ。テートクは私たちが身を挺して護るって決めたんダカラ!!」
霧島「私たちの……金剛型四姉妹の護衛対象……それは、司令なんですよ。何かあったらなんなりお申し付けください」
金剛「それじゃあ、ワタシと霧島はオフロに行ってきマース。テートク、お覗きはNoなんだからネ?」
霧島「時間制で、四人のうちの誰かが必ずお供します。……大丈夫、一人にはさせませんから」パタンッ
提督「……なぜ、こんなことになってしまったのか……」
提督「……考えても無駄だ。まずは明日からの行動を計画しなくちゃな」
比叡「失礼しま〜す、司令。金剛お姉さまと霧島に代わり、この比叡と榛名、司令の護衛を務めさせていただきます!」
榛名「私たちが自由の効かない提督の身の回りを、きちんとお世話をします!」
提督「あー、まぁ護衛と言っても、側にいてくれるだけでいいから。楽にしてくれ。第一、ここは君たちの所有部屋だろう?」
比叡「ですが、SPたるもの、心の緩みは護衛対象の死を意味するだとか」
榛名「ご好意は嬉しいのですが、提督がいなくなってしまっては困るので」
提督「……すまないな。君たちの自由な時間を、俺なんかに」
比叡「いえいえ。あんまりすることもありませんし、たまにはこういうのもいいかと」
榛名「提督、何か飲みたいものはありますか?……紅茶しかありませんが」
提督「いや、そろそろ夜も遅いだろ?俺は寝かせてもらうよ……布団、ない?」
比叡「あれ?霧島から聞きませんでした?」
提督「なにを?」
比叡「あちゃ〜、伝達不足でしたか。ええっーと、簡単に言うとですね、司令には四人のうちの誰かのベッドで寝てもらいます」
提督「ん?じゃあそのベッドの持ち主はどうするんだ?俺が寝てる間も護衛か?」
比叡「一緒に寝てもらいます」
提督「」
榛名「さぁ、提督。決めてください!」
比叡「決められないのであれば、私たちが決めちゃいますけど」
提督「……それで頼む」
比叡「わかりました!では、ちょっとお姉さまに確認を取ってきます!」パタンッ
提督「……」
榛名「……提督」
提督「ん?」
榛名「大変なことに、なりましたね」
提督「まぁ、な……駆逐艦一人に対して警戒が強過ぎないか?」
榛名「駆逐艦娘たちは自我が強いですからね。……荒潮ちゃんも、例外じゃないので。安全を兼ねて、私たちと一緒に行動です」
提督「そうなんだが……」
榛名「……何か、ご不満ですか?榛名で良ければ、お聞きしますよ」
提督「いや、まぁ……不満っていうか……女の子四人に囲まれると……その、あの……」
榛名「……大丈夫ですよ、何かあったら、榛名をお使いください」
提督「んん?」
榛名「その、提督も殿方なので……わかります。では!」
提督「……なに、してんの?」
榛名「……少し、榛名が癒してあげましょう。癒しになるかは分かりませんが……」
提督「……ありがとう」パフッ
金剛「さーて」
比叡「……」
榛名「……」
霧島「……」
金剛「テートクと一緒に一夜を明かすのは、誰にするネ〜?」
提督「おい、言い方。別に二人っきりって訳じゃないだろ。他にもいるだろ」
比叡「あ、司令。部屋割りはもちろん知ってますよね?」
提督「部屋割り?金剛と榛名、比叡と霧島だろ?そして今いるこの部屋は、金剛達が使ってる……倉庫?」
榛名「簡単に言うと更衣室です。そして、あそこに一つのベッドがあります」
提督「……待て、さっきと話が違くないか?」
比叡「姉妹で話し合いましたから。少し、内容が変わってます」
金剛「そんなことはどうでもいいのヨ!さぁ、提督。誰と、寝たいデース?」ニヤニヤ
提督「そ、そっちが決めてくれるって……」
霧島「私たちで決めてしまうと、司令にストレスが溜まるんじゃないかと思いまして。司令ご自身が、お決めになってください。誰も、文句は言いませんから」
金剛「そういうことデース」
提督「……じゃ、じゃあ……」
金比榛霧「……」ゴクリッ
提督「……榛名……」ボソッ
榛名「榛名ですか!?」
比叡「本人が一番驚いちゃってるよ」
金剛「うー。絶対ワタシだと思ったのにー」
霧島「まぁまぁ、お姉さま。また明日もありますし。それに、一夜を共にすると言っても、ただの護衛ですから」
金剛「それもそうデスネー」
霧島「じゃあ榛名、しっかり提督を護衛してよね」
榛名「榛名、頑張ります!」
比叡「では司令、お休みなさ〜い」
金剛「明日も早いヨー!」パタンッ
提督「……」
榛名「……提督。なぜ、榛名を?」
提督「……さっきの続き、してもいいか?」
榛名「……すみません、榛名じゃ癒しきれませんでしたか?」
提督「……嫌なこと、忘れたくてな。嫌か?」
榛名「嫌なはずはないですっ!……さぁ、どうぞ」
提督「……」ギュッ
榛名「……」
提督「……榛名……」ギュッ
榛名「なんですか?」
提督「……すまん」
榛名「そんな深刻な顔をしないでください。せっかくのお顔が台無しですよ?」
提督「……榛名は、優しいな」
榛名「提督のためなら、榛名はなんでも大丈夫です」モニュ
提督「は、榛名……」
榛名「……榛名も、提督とずっとこうしていたかったんですよ?」
提督「……」
榛名「一番がいい、なんてわがままは言いません。二番でも、三番でも。榛名は……」
提督「…………」
榛名「……すみません。変な空気にしてしまって。さぁ、寝ましょう?」ノソリ
提督「──」ガシッ
榛名「て、提督?」
提督「……抱き枕にしてもいい?」
榛名「……て、提督がそうしたいのであれば……榛名は大丈夫ですっ///」
提督「……おやすみ、榛名」
榛名「……おやすみなさい、提督」
「……とく、起きて」
「てい……てください」
提督「んぁ?……榛名……?」
「やっと起きましたか。おはようございます」
提督「あれ……?」
大淀「昨夜から姿を眩ませていたので、心配したんですよ?」
提督「大淀か……榛名は?」
大淀「榛名さんなら演習に向かいました。代わりに私が指揮しておきましたよ」
提督「すまんな……いま、何時だ?」
大淀「ヒトマルマルマルです」
提督「……そういえば荒潮は?」
大淀「……」
提督「俺が一人になったらすぐさま来ると思ったが……ていうか、一人にしないって言われてたのだが」
大淀「……」
提督「あ、もしかして大淀が付きっきりだったのか?なんか、病人みたいだな」ハハッ
大淀「…………」
提督「……おい、さっきからなんで黙ってるんだよ?」
大淀「……その、言いづらいのですが」
提督「……何があった?」
大淀「……」
提督「言ってくれ。それとも、俺に言えないことか?」
大淀「……いいますね」
提督「あぁ」
大淀「……轟沈しました」
提督「……は??」
大淀「朝、執務室へ行ったら荒潮さん直筆の遺書がありまして……イタズラかと思い、総動員で探しましたが……見つからず」
大淀「おまけに、波止場に艤装が置いてありまして……もう、確定としか」
提督「今すぐ、潜水艦を出動させろ。海底を調査してくれ。まだ助かるかもしれない」
大淀「提督……」
大淀「海に沈んだ艦娘は……もう、助かりません」
提督「……科学的に解明されてないだろ。そもそも、艦娘の存在すら未だに謎なのに」
大淀「……諦めてください。どっちにしろ、もう荒潮さんは……」
提督「っ……俺の、せいだ」
大淀「……遺書、読みます?」
提督「……いい。捨ててくれ」
大淀「……了解しました」
提督「八駆のみんなはどうしてる?」
大淀「……特に、何もありませんよ」
提督「……少し休ませてくれ。……一週間くらい、俺の代わりを頼む」
大淀「……はい」
朝潮「朝潮、推参しました」
提督「……何か、俺に言うことはあるか?」
朝潮「? いえ、特にないですが」
提督「……あるだろ」
朝潮「あ、あの……司令官……私には、何を言ってるかさっぱり……」
提督「……責めろよ……俺を、責めてくれよ……!」
朝潮「し、司令官!……荒潮のこと、ですよね?」
提督「俺のせいで……!荒潮は……」
朝潮「司令官のせいではありません。……大潮から聞きました。何やら、暴走してたみたいですね……すみません、妹の異変に気づかず」グッ
提督「いいんだ、俺があんなもの机に置かなければ……」
朝潮「司令官……気を重くしないでください。朝潮は大丈夫ですから……」
提督「……」
朝潮「それより司令官。朝食は済ませましたか?もしまだなのであれば、この朝潮、お作りいたします!」
提督「…………すまん。とても入る気がしない」
朝潮「……泣かないでください、司令官」
提督「泣いてなんか……」
朝潮「本当に大丈夫です。司令官が気に病むことはありません。さぁ、元気だしてください」
提督「……」
朝潮「……大潮を、呼んできます。恐らく、私には話せないことでしょう。失礼しました」
大潮「……司令官……」
提督「すまない、大潮……謝って許される問題ではないが、本当にすまん」
大潮「朝潮姉さんも言ってましたよ。大潮たちは本当に大丈夫です。……」
提督「俺は……お前達になんて詫びたら……」
大潮「……司令官は、被害者じゃないですか。謝る必要なんてありません」
提督「俺があの時、逃げたりしなければ……」
大潮「……朝ごはん、食べましょう?大潮、作ってきたんです!」サッ
提督「…………ありがとう……」ポロポロ
満潮「……」
提督「俺は……お前らに謝ることしかできない……」
満潮「泣いてんじゃないわよ、だらしないったら」
提督「……」グスン
満潮「いつまでもウダウダしてんじゃないわよ!シャキッとしなさいな」
提督「怒って……ないのか?」
満潮「はぁ?なんで私が司令官に怒らなきゃいけないのよ」
提督「だって……荒潮は……」
満潮「……気にしなくていいわよ。大潮と朝潮にも言われたでしょう?私たちは大丈夫って」
提督「……」
満潮「……これからも司令官の采配、期待してるわ」
提督「……八駆のみんなはいい娘だな」
大淀「なんだかんだ言って、みんな提督のこと好きですからね」
提督「ははっ、冗談は辞めてくれよ」
大淀「……私も、好きですよ」
提督「……ありがとう。俺も好きだ」
大淀「なんでも、一人で抱え込まないでください……みんなで、分かち合いましょう?」
提督「……そう、だな」
大淀「……さて、提督。本日も沢山任務があります。如何なさいますか??」
提督「……あぁ、やるか」
明石「あれ?秋雲さんと何も無かったんですか?」
提督「……やっぱりお前の仕業か。大変だったんだぞ」
明石「いやー、あの娘、超効く薬をって言ったから、てっきり実戦をするのかと思いまして。……ですから、少し強力なのを……」
提督「強力すぎるんだよ、お前のは。おかげで荒潮は錯乱して海の底に沈むし……俺が何日間休んだことか……」
明石「あ、そうそう。先日の建造で、新しい艦が着任しましたよ」
提督「む。早速通してくれ」
明石「……本当に、いいんですか?」
提督「……? どうした、何を隠してる?」
明石「いえ……では、入ってください」キーッ
提督「……っ!?」
「……」
提督「あっ……ぁ……」
「あら。自己紹介まだでしたかー。私、荒潮です」
提督「…………」
荒潮「? どうしたんですか〜?もしかしてぇ、私に会いたかったのぉ?うふふふ♡」
提督「……同一人物じゃないよな?」ボソッ
明石「見た目は同じでも全くの別人ですよ。一人目の荒潮さんとは全くの無関係です」コソコソ
荒潮「……私の前でコソコソ話はぁ、やめて欲しいわね〜」
提督「っ……よ、よろしくな、荒潮。早速、八駆のみんなの部屋へ案内しよう」
荒潮「あらぁ。楽しみですねぇ〜」
明石「……ふぅ」
大淀「……明石」
明石「あ、大淀!……作戦、成功したわね」
大淀「……提督を騙すなんて……ちょっと気が気でないけど……」
明石「荒潮さんも、暴走から覚めたらすごく羞恥に溢れてたからね。このままじゃあ提督に顔合わせできないなんて言うし……仕方ないから、八駆と提督には轟沈ということで出しておいたけど……」
大淀「……しかし、本当に大掛かりなドッキリね」
明石「……間宮行かない?」
大淀「……もちろん、明石の奢りだよね?」
明石「ちょっと開発費にお金かけすぎちゃって……割り勘じゃダメ?」
大淀「……今日だけよ?」スタスタ
明石「ありがとう!」スタスタ
「……これ、ね。噂の超効く明石さん特製の媚薬……♪」
「こんな簡単に貰えるなんて思ってなかったよ〜」
「ながながに盛ったらどういう反応するんだろ……」
「あ!ながながお帰り〜!一緒にお茶しない?コーヒー、作っておくよ!」ポトッ
「さて、早速獲物が来たよ。……あっ、司令官にも今度やってみよう!えへへっ」
〜了〜
とりあえず終わりました
なんか当初の目的と違うのができたけど、満足です〜。
このコメントは削除されました
期待
この話意外と好き
この荒潮絶対闇堕ちするゾ