理解できないであります。
あきつ丸「あなた方の行動は理解不能であります」
しっかり者のあきつ丸が着任したのは、ゆる~い提督が率いるゆる~い艦隊だった…
温かい目で読んでいただけると幸いです。
あきつ丸「自分、あきつ丸であります。陸軍将校殿からの命令でこの鎮守府に今日付けで着任したであります!」ビシ
提督「おう、こちらこそよろしく」アチィ…
あきつ丸「将校殿からの手紙であります」サッ
提督「はいはい………わかった。まぁ、見ての通りうちは小さい鎮守府だ。大規模な作戦がない限りそこまで動かない。まぁ、楽にしてくれ」
あきつ丸「む… 失礼ですが、提督殿は戦いに積極的に参加はしないのでありますか」
提督「しないね~。ここらの海域は敵海域からは程遠い。だから任務と言えば、警備と輸送の護衛とかだな。ドンパチ戦はめったにやらん」
あきつ丸「…………」
提督「しっかし暑いな~。いつまでもそう固くならず、楽にしていいからな」アチィ
あきつ丸「…………」
提督「あ、そうだ。君の部屋を教えてなかったな。案内させよう」
自分、あきつ丸は将校殿からの命令で、海軍へ編入することになりました。
自分は立派な帝国陸軍同様、圧倒的戦力をもつ帝国海軍への編入に期待で胸を膨らましていたのでありますが…
ここの提督殿は本当に上官なのでしょうか…
さっきからずっと団扇で自分をあおいでいますが、仮にも部下との会話の最中、上官としてはあるまじき行為であります。それに身なりもだらしない…
このような男が上官などとは、がっかりであります。
誇り高き帝国陸軍とは比べ物にもならないであります……
提督「どうした?具合でも悪いか?」
あきつ丸「っ! い、いえ!何もありません」ビシ
トントン
龍驤「提督~入るで~」
提督「おぉ、来たか」
龍驤「うわ…提督の部屋もエアコンついてないんか… こりゃたまらんわ…」ジリジリ
提督「すまんな。なんせ貧乏鎮守府だ。経費がそこまでまわってこんのよ」
龍驤「そりゃ、提督がもっと頑張って上に掛け合わな」
提督「やだね。あんな上層部とは必要以外に自分から出向くなんてまっぴらごめんだ」
龍驤「あんたそれでも提督かいな…」
提督「って、そうだ。龍驤、今日からうちに編入してきた陸軍のあきつ丸だ」
あきつ丸「あきつ丸であります!」ビシ
龍驤「おぉ… さすが陸軍というか、しっかりしてんな… うちの名前は龍驤。まぁ、仲良くしよな」ニカッ
あきつ丸「…………」
提督「で、さっそくだがあきつ丸を部屋まで案内してほしいんだ。来たばかりだから鎮守府のこともわからんだろうから、それも含めて案内してやってくれ」
龍驤「わかった、うちにまかせとき。さて、あきつ丸やっけ?さっそく行こか」
あきつ丸「は、はい…」
龍驤「ほな行ってくるさかい」
あきつ丸「し、失礼します」バッ
提督「楽しんどいで~」
バタン
………………………………………………
龍驤「えーと、まず今おる提督室は二階で、あんたの部屋は一階にあって~…」
あきつ丸「はい」
龍驤「一人一つ部屋があるから好きなように使ってええで~。じゃ、まずその部屋にいこか」
あきつ丸「はい」
龍驤「そうやな…ざっと鎮守府について話したら、まず食堂はいつでも空いてるけど、まぁ椅子と机と冷蔵庫とかがあるくらいで食堂って感じじゃないけど… 朝・昼・晩のご飯はまた別のところで食べるから」
あきつ丸「別のところですか?」
龍驤「まぁ、そっちがちゃんとした食堂ってとこやな。そこはまた別の場所にあるから案内するわ」
あきつ丸「はい」
龍驤「後、出撃は向こうの階段降りたとこで、医務室がそこ、トイレは向こうとあっこの2つで風呂場は部屋の近くにあるわ」
あきつ丸「はい」
龍驤「まぁ、こんなもんかな。後は慣れたらいいだけやな」
あきつ丸「は、はい…」
龍驤「………」
あきつ丸「…………」
龍驤「しっかし、なんで陸軍からわざわざこんなとこに来たん?」
あきつ丸「え、えと…それは…」
龍驤「なんや?答えにくいことなんか?」
あきつ丸「いえ。自分、揚陸艦でありまして将校殿が 海軍で訓練をうけてくるようにということであります」
龍驤「なんやその揚陸艦って?」
あきつ丸「おもに輸送や上陸戦を支援するのであります」
龍驤「ほぉ~。なんやようわからんけど変わってるな~。ちなみにうちは軽空母や」
あきつ丸「空母でありますか!?」
龍驤「まぁ、空母言うても軽がつくからな。そない大きいわけでもないで」
あきつ丸「しかしすごいであります!」
龍驤「そ、そんなに誉められたら照れるな…」
あきつ丸「そう言えば、他にも人員はいるのでありますか?」
龍驤「ん?まだ会ってないんか。まだ何人かおるけど、今哨戒任務に行ってるんちゃうかな。まぁ、そのうち会うよ」
あきつ丸「そうでありますか」
龍驤「さて、ついたで。ここがあんたの部屋や。一人部屋やから好きに使ってええよ。あ、でもあんまり汚いと怒られるからほどほどにな」
あきつ丸「はい」
龍驤「ほな。ちょっと用事があるからそれまで部屋でゆっくりしといて。また呼びにくるから」ホナ
あきつ丸「あ…行ってしまった…」シーン
ガチャ
あきつ丸「おぉ…広いでありますな。ベッドもちゃんとありますし」
あきつ丸「しかし疲れたであります…」ボフ
あきつ丸「ベッドはふかふかで気持ちいいでありますな……」フカフカ
あきつ丸「しかしここは大丈夫なのでしょうか…提督殿もそうでしたが、龍驤殿もなかなか気が緩みすぎているであります…これでは帝国軍の名前に傷がついてしまいます…」ウトウト
あきつ丸「しかし疲れたであります…少し眠り…zzz」
…………………………………………………
足柄「提督、帰ったわよ!」
提督「おぉ、お帰り」
鈴谷「うわ…この部屋まじで暑い~」ジリジリ
雪風「司令!今回も何もありませんでした!」
千歳「暑いわ…」パタパタ
提督「何も異常なしか。ご苦労だった。しっかり休んでくれ」
鈴谷「提督~。まじでエアコンつかないの?」ジリジリ
提督「それは難しい」
千歳「提督はそれで平気なの?」ジリジリ
提督「まぁ、慣れればどうってことない」
鈴谷「嘘だ… 提督どっかおかしいんじゃない?」
雪風「雪風は大丈夫ですよ司令!」
提督「雪風もこう言ってるんだし我慢だ我慢。慣れれば問題ないぞ?」
鈴谷「慣れって…」
千歳「大丈夫かしら…」
足柄「ちょっとだらしないわよ皆!」
鈴谷「足柄さんに言われたら…」ハァ
千歳「なぜかショックですね…」ハァ
足柄「む… それはどういうことかしら…」ピク
提督「まぁ、そうだな…」
足柄「提督ぅ?ちょ~っと後で話しましょうか?」ピキッ
提督「な、冗談だよ冗談」
鈴谷「とにかくエアコンどうにかしてよ」
提督「そこまで言うなら考えよう…」
千歳「本当ですか!?」
提督「善処します」
鈴谷「怪しい…」ジトー
提督「だから善処します」
千歳「よろしくお願いしますね♪」
雪風「雪風は喉が乾きました!」
足柄「私も疲れたわ。部屋に戻るね」
鈴谷「じゃあ鈴谷も~」
千歳「それじゃあ提督、失礼しますね」
ガチャン
提督「エアコンか…」
提督「あ、あきつ丸のこと言うの忘れた…」
提督「まぁ、いっか。龍驤が言ってくれているだろう」
………………………………………………
食堂
雪風「ぷはぁ!」
千歳「雪風ちゃん、牛乳おいしい?」
雪風「はい!これを飲んで大きくなるのです!」
千歳「ふふふ」ニコ
龍驤「はぁ…やっと終わった…。荷物運びはきついなぁ…」ヨイショト
雪風「こんにちは!龍驤さん!」
龍驤「おぉ、雪風もどってたんか。って、千歳あんた何昼から飲んでんねん!」
千歳「うふふ。任務後の一杯ですよ~」
龍驤「昼間から焼酎て…」
千歳「龍驤さんもどうですか?」
龍驤「いや、うちはええ…」
雪風「雪風が飲みたいです!」
千歳「雪風ちゃんにはまだはやいね~」
雪風「じゃあ、牛乳飲んで大きくなったら飲めますか!」
千歳「うふふ。大きくなったらね~」
雪風「じゃあ牛乳を飲みます!」ゴクゴク
龍驤「牛乳だけじゃ大きならんやろ…」
千歳「何言ってるんですか!大きくなりますよ?」
龍驤「いや、ならんやろ」
雪風「…………」チラ チラ
雪風「千歳さんは大きいです!龍驤さんは小さいです!」
龍驤「まぁ、身長はそりゃ千歳の方が…」
雪風「ここです!」胸
龍驤「……………………………………………」
千歳「あらら…」
雪風「雪風は千歳さんみたいになりたいです!」
千歳「あー……」チラ
龍驤「そやな。それがいい雪風……」遠い目
龍驤「初戦うちは断崖絶壁…」ハァ
千歳「この話はもうやめましょう雪風ちゃん」アセアセ
龍驤「ええよ千歳…これが現実や…」
雪風「???」
龍驤「あ、そういや あきつ丸に会ったか?」
千歳「あきつ丸?誰ですか?」
龍驤「なんや、会ってないんか。今日着任した新しい娘や。なんと陸軍から」
千歳「陸軍から!?また珍しいですね」
龍驤「せやろ?しかも本人めっちゃ固い。ザ・陸軍って感じや。まぁ、後で連れてくるわ」
千歳「なんだか少し緊張しますね」
雪風「その娘は雪風と同じですか!」
龍驤「いや、たしか…揚陸艦とか言うてたな… なんか、輸送とかが専門らしい」
千歳「? 聞いたことない艦ですね」
龍驤「なにからなにまで謎って感じやな~」
足柄「ビール♪ビール♪って、わっ!?」
龍驤「な、わっ!? ってなんや。おって悪かったな。って、あんたも昼から飲むんか…」
足柄「いいじゃない!任務も終わったことだし」
千歳「お先で~す」ニコニコ
足柄「な!千歳、あなたもう飲んでるの!?」
千歳「えぇ。あ、でも少しですよ?」
足柄「昼から焼酎って、あなた本当に大丈夫?」プシュ
龍驤「昼からビール開けてる人が言うかそれ…」
足柄「ゴクッ ゴクッ ゴクッ ゴクッ…」
足柄「プハァ! やっぱり出撃後のビールは最高ね!!!」ゴクゴク
千歳「そういう足柄さんだって、ビールいっきじゃないです」
足柄「ビールはいっきに流し込むものよ!」
龍驤「あんたらほんま好きやな…」ハァ
雪風「雪風も牛乳いきます!」
龍驤「あんたもう三本目やからやめとき…」サッ
雪風「雪風はまだ大丈夫です!」
龍驤「飲み過ぎは体に悪いで…」
雪風「飲み過ぎるとどうなるのですか?」
龍驤「………」チラ
足柄・千歳 ゲラゲラゲラ
龍驤「あんなんなる」
雪風「?」
提督「やっぱりここは涼しいな」
龍驤「なんや提督、仕事終わったんかいな」
提督「暑くてそれどころじゃない」ガチャ
龍驤「なんややっぱり暑いんかいな」
提督「当たり前だ。あんなとこに一時間いれば気が狂っちまうぞ」プシュ
足柄「あら?提督もビール?」
提督「足柄もか、飲んでなきゃやってられんからな」ゴクゴク
千歳「仲間が増えましたね」
提督「お前、昼から焼酎ってか…」ワァ…
千歳「大丈夫ですよ!少しですから」
提督「俺にはそのボトルが半分になってるように見えるが…」
龍驤「はぁ… 提督まで昼から… 大丈夫かいな」
提督「大丈夫だ」ゴクゴク
龍驤「お上が見たらなんて言うか…」ハハ…
提督「あ、そだ龍驤。あきつ丸はどうした?」
龍驤「あぁ、今部屋で休んでんちゃうかな」
足柄「誰?あきつ丸って?」
千歳「今日から新しく着任した陸軍の娘らしいです」
足柄「陸軍!?またどうして」
提督「ま、いろいろあってだな。って、まだ会ってなかったのか」
龍驤「多分、うちと提督以外にまだ誰ともあってないんちゃうかな」
提督「そうか。まぁ、疲れているだろうしもう少し休ませてやろう」ゴクゴク
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
数時間後
あきつ丸「……はっ!」ガバッ
あきつ丸「自分としたことが、寝てしまったであります」アワワワワ
あきつ丸「龍驤殿は戻ってくるとおっしゃっていましたが…」
~~~~~~~~
バタン
廊下 シーン
あきつ丸「外に出てみたでありますが、誰もいないでありますな…」
ワイワイガヤガヤ
あきつ丸「む… 向こうの方からなにやら賑やかな声が聞こえるのであります」
ワイワイガヤガヤ
あきつ丸「他の方達でしょうか。これはあいさつに行かないと…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
食堂
提督「ぐがぁぁ…ぐがぁぁ…」zzz
足柄「ぐぅ…ぐぅ…」zzz
千歳「あらら?提督達、寝てしまいましたね」
龍驤「はぁ…何が一本やねん… 冷蔵庫のビール全部飲んでしもうたやないか」ヤレヤレ
鈴谷「ち~す。って、わ!? なんで提督と足柄さんが寝てんの!?って何この空き缶の数」
龍驤「馬鹿二人が昼から飲み散らかしとんや…」
鈴谷「わぁ…こりゃヤバイね…」
龍驤「鎮守府の一番のお偉いさんがこんなことしてたら、あきつ丸もがっかりやで… 」
鈴谷「 ? 誰、そのあきつ丸って?」
龍驤「今日着任した新しい娘や」
鈴谷「まじ!まだ会ってないんだけど!ちょ~楽しみ!」
龍驤「陸軍からきたんやと」
鈴谷「げ、陸軍?じゃあ、めっちゃがちがちなんじゃ…」
龍驤「ごもっともや 」
鈴谷「ありゃ、それはまた…」
龍驤「って、そや忘れてた!あきつ丸連れてこなあかんかったんや!」ヤバ
龍驤「ほなちょっと連れてくるわ!鈴谷はそこの二人起こしといて!!」ダッ
鈴谷「え!?ちょ!……」
提督・足柄「ぐがぁぁ~…」zzz
鈴谷「えぇ……」
千歳「うふふ。私も手伝いますね」ヨイショ
鈴谷「ほら~提督~。起きな~」ユサユサ
提督「ぐがぁぁ~…」zzz
鈴谷「足柄さ~ん。起きてー」ユサユサ
足柄「…………もう飲めないウヘヘ……」zzz
鈴谷「駄目だこりゃ…」ハァ
千歳「ここはまかせて下さい♪」
鈴谷「お願いします」ウッス
千歳「ちゃんちゃちゃ~ん!強力酔い覚まし秘伝薬~」
鈴谷「うわ…なんですかその茶色い泥みたいなものは…」ウェ
千歳「私が作った酔いが一瞬で飛ぶ薬よ。効果抜群だからきっと二人も目覚めるわ」ヨシ
鈴谷「うぇ…すごい匂い……生ゴミが腐った匂いよりヤバイかも……」
千歳「じゃあ、私は提督に飲ませるから鈴谷ちゃんは足柄にお願いね♪」
鈴谷「はい…うえ…」クサ
千歳「じゃあいくわよ~。よいしょ」
提督・足柄 ゴク
…………………………………………………
龍驤「あれ~?おかしいな~。あきつ丸どこ行ったんやろ…」
うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
龍驤 ビクッ!?
龍驤「な、なんや!?幽霊でも出たんか!?」
龍驤「まぁ、どうせ提督がやられたんやろあれに」
……………………………………
あきつ丸「ひぃっ!?」ビク
あきつ丸「な、ななななんでありますか今の断末魔は!?」ビクビク
あきつ丸「は、はやく龍驤殿と合流するであります…」ビクビク
………………………………………
龍驤「あきつ丸~!おーい!どこいったんや~」
龍驤「お~い!」
あきつ丸「は!?龍驤殿ー!」
龍驤「お、こんなとこにおったんかいな。どうしたんや?」
あきつ丸「実は道に迷ってしまいまして…」
龍驤「そうやったんか。ごめんな。はやく戻れんくて」
あきつ丸「いえ!大丈夫であります」ビクビク
龍驤「 ? なんや震えてるけどなんかあったんか?」
あきつ丸「は!い、いえ!何でもないであります!」サッ
龍驤「そうか?ならええんやけど。ほな、皆そろってるから行こか」
あきつ丸「は、はい!」サササ
龍驤「…………」
あきつ丸「……りゅ、龍驤殿」
龍驤「ん?なんや?」
あきつ丸「おかしな質問なのですが…この鎮守府には…ゆ、幽霊なるものがいるのでありますか……」
龍驤「幽霊?まぁ、うちは見たことないけど…なんで?」
あきつ丸「さ、先ほど奇妙な叫び声が聞こえたので…」ビクビク
龍驤「あぁ、あれか。多分提督やから心配せんでええで」
あきつ丸「え?提督殿がですか?」???
龍驤「まぁ、すぐわかるよ。どうせ千歳のあれ飲まされたんやろ」ウェ…
あきつ丸「???」
………………………………………………
提督「はぁ…はぁ …はぁ …」ウエッ…
足柄「ゲホゲホ …」オエッ…
千歳「効果抜群です♪」
鈴谷「だ、大丈夫二人とも…」
提督「死んだおばあちゃんが見えた…」オエッ…
足柄「私もなぜか迫り来る潜水艦が見えたわ…」ゲホ…
鈴谷「わぁ…」
千歳「しばらく体がだるいと思いますが、じきにすっきりしてくるはずですのでそれまで耐えてください」
提督「うぅ… わかった…」
足柄「頭がガンガンするわ…」
千歳「あれ?そう言えば雪風ちゃんは?」
鈴谷「え?鈴谷がきた時にはいなかったけど」
千歳「あれれ?どこへ行ったのかしら」
龍驤「お~い、大丈夫か~」
千歳「あ、龍驤さん。遅かったですね?」
龍驤「まぁいろいろあってな」
鈴谷「しっかりしなって提督」ユサユサ
提督「うぁ~…すまん鈴谷、水くれ…」
足柄「私もお願い…」イガイガ
鈴谷「はいはい…」
雪風「はい司令 !水です!」
提督「ありがと…」ゴクゴク
足柄 ゴクゴク
千歳「あれ?雪風ちゃんどこ行ってたの?」
雪風「トイレです!」大声
鈴谷「もうちょい声小さくしようね…」
雪風「はい!わかりました!」
あきつ丸「あの~」
龍驤「あ、そやそや」
龍驤「この娘があきつ丸や」
あきつ丸「あきつ丸であります!陸軍からこの度着任いたしました!未熟者でありますゆえ、ご指導ご伝達の程よろしくお願い致します!」サッ
シーン
鈴谷「わぁ…」(固い…)
千歳「ふふ…」(迫力が…)
足柄「ヒュ~」(さすが陸軍ね…)
龍驤(あはは…さすがしっかりしてるな…)
シーン
提督「そうだ、鎮守府はだいたいわかったか?」
あきつ丸「はい。龍驤殿に案内していただきましたので」
提督「ならよかった…」
シーン
鈴谷(何喋ればいいんだろ…)
千歳(お酒はいけるのかしら?)
足柄(頭がまだガンガンするわ…)
龍驤(何この空気…)
提督(頭がガンガン鳴ってやがる…)
あきつ丸「…………………」
シーン
鈴谷(え!?誰もしゃべらないの!?)
千歳(焼酎?いや、日本酒かな?)
龍驤(しかし綺麗な気をつけやな…)
足柄(うぅ… ガンガン)
提督(ガンガン)
あきつ丸「…………………」
シーン
雪風「こちらこそ!よろしくお願いします!!!」大声
全員「え!?」バッ
あきつ丸「!?」パアッ
あきつ丸「はい!よろしくお願い致します!」サッ
雪風「質問ですがあきつ丸さんは牛乳を飲みますか!!」
鈴谷「ぶっ…」
千歳「へ!?」
足柄 ククク……
提督「ゆ、雪風!?」
龍驤 「くっくっくっくっ……」
あきつ丸「ぎゅ、牛乳でありますか!?そ、そうでありますな…飲まないことはないでありますが…」
雪風「じゃあ飲んでるんですね!」
あきつ丸「は、はい…」???
雪風「やっぱりそうです!あきつ丸さんは大きい人なので!雪風は間違っていませんでした!!」
提督「な、なんの話をしてるんだ雪風!?」
千歳「可愛いい……」www
鈴谷「え?え?」ポカーン
足柄「さすが雪風ね」ククク…
龍驤「あ…ほんまや…大きい……」チラッ
あきつ丸「???」
提督「え、えぇと…そうだ!皆自己紹介しよう」
鈴谷「重巡洋艦の鈴谷でぇーす」
足柄「同じく重巡洋艦の足柄よ!」
千歳「水上機母艦の千歳です!」
雪風「駆逐艦の雪風です!!」
龍驤「軽空母の龍驤や、って知ってるか」
あきつ丸「よ、よろしくお願い致します!」
提督「うちの鎮守府の戦力はこの面子だけだ。後、衣食住ともにする仲間だからよろしくな」
あきつ丸「は、はい!」
足柄「じゃあ歓迎会と言うことだから…」ニヤニヤ
鈴谷「お!提督~」ニヤニヤ
千歳「やっちゃいますか提督~」ニヤニヤ
龍驤「提督~」ニヤニヤ
提督「…もちろん!今日は行くぞー!!!」
全員「やったー!!」ワーイ
あきつ丸「???」ポカーン
足柄「じゃあさっそく行きましょ!」
鈴谷「久しぶりだね~」
千歳「そうですね」
あきつ丸「提督殿、これからいったい何処へ向かうのでありますか?」
提督「それはお楽しみだ」ニッ
あきつ丸「え??」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
提督「えぇ~。あきつ丸の着任を祝いまして…」
提督「カンパーイ!!!!!」
全員「カンパーイ!!!」
あきつ丸「………………」ポカーン
提督「がぁぁぁうまい!!!」ゴクゴク
足柄「プハァ!やっぱりちゃんとしたビールは美味しいわね!!」ゴクゴク
龍驤「さっきまでべろんべろんに倒れとったのによう飲めるなあんたら…」
千歳「また倒れたらまかせて下さいね♪」クイッ
鈴谷「ほんと、提督と足柄さんって懲りないよね~」
あきつ丸「え、えっと……」ポカーン
龍驤「なんやあきつ丸?飲まれへんのか?」
あきつ丸「え?い、いや…えぇ」
提督「どうしたんだ?具合でも悪いか?」
あきつ丸「い、いえ!けしてそうではなくて…」
提督「遠慮しなくていいぞ!今日はあきつ丸の歓迎会だから好きなだけ飲んで食べていいぞ!」ゴクゴク
足柄「今日はもちろん提督の奢りよね?」
提督「もちろん!」
鈴谷「おー。珍しく太っ腹じゃん」
提督「鎮守府の経費から落とす!」ゴクゴク
あきつ丸「な!?」
龍驤「あかんやろさすがに…」
提督「何言ってんだ!明日から俺たちの食事はお茶漬けだぞ!!」
龍驤「そなアホな!?」
ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ ドンチャカドンチャカ
あきつ丸(な、なんということなのでしょう…)
ゴト
あきつ丸「は!」バッ
鳳翔「あなたが新しく着任した娘ですね。元気がないようですが大丈夫ですか?」
あきつ丸「い、いえ!その…」
グ~
あきつ丸「な!?」カァァ///
鳳翔「ふふふ… お腹が空いたのですね。もう少しで出来上がりますからもう少し待ってて下さいね」
あきつ丸「は、はい…デアリマス…」カァァ///
鈴谷「鳳翔さ~ん!ジュースおかわり下さ~い!」
雪風「雪風もオレンジジュースをお願いします!!」
提督「鳳翔さん!ビール追加お願いしまーす!」
鳳翔「ふふふ。はいはい、わかりました」ニコ
あきつ丸「あ、あの龍驤殿」
龍驤「ん?なんや?」
あきつ丸「あの方はいったい…」
龍驤「あぁ~。鳳翔言うて、前は艦娘でバリバリ戦場に出てたけど今はここでうちらの世話をしてくれてる人や。で、ちなみに今日は特別な日やから鳳翔がいつも作ってくれてる経費にそった日々の献立外に好きなものを食べれるってことや。だからお金が必要なんや」
あきつ丸「そ、そうなのでありますか」
あきつ丸(ますますおかしくなってきたであります……)
あきつ丸「しかし……」
ドンチャカドンチャカヤンヤヤンヤ
あきつ丸「……………」
あきつ丸(限界であります…)ハァ
あきつ丸「提督殿、申し訳ないでありますが部屋に戻ってもよろしいでありますか?少し体調が優れないでありまして…」
提督「おぅ!しっかり休みな~おやすみ~」グダ
あきつ丸「……………はい」
ガラガラガラ
鳳翔「お料理お待たせしました」ドン
鈴谷「待ってましたー!」ワーイ
千歳「すごく美味しそうですね!」クイッ
提督「よっしゃ!食べるぞ!!」
鳳翔「あれ?」
龍驤「どないしたんや?」
鳳翔「さっきまでいた子が…」キョロキョロ
龍驤「あぁ、あきつ丸ならなんかしんどい言うて先に戻ったわ」
鳳翔「まぁ… 大丈夫かしら…」
龍驤「大丈夫やろ。なんせ陸軍なんやから」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あきつ丸「はぁ…疲れたであります…」ボフ
あきつ丸「まったくここはどうかしているであります!仮にもここは海軍ではないですか!昼からお酒を飲んでぐーたらして、あげくのはてには大切な軍の経費で飲むとはどういうことでありますか!!」ウガー
あきつ丸「自分はもう限界です!やっていけないであります!!!」
あきつ丸「明日は提督殿に掛け合ってみるであります!」
……
あきつ丸「誇り高き陸軍に戻りたいであります…」グズッ…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日
提督「あぁ…体がだるい…」グダ
龍驤「そりゃあんだけ昨日飲んだらそうなるにきまってるわ」ヤレヤレ
提督「昨日結局どうだった?」
龍驤「覚えてないんか!?まぁ、そうやな~。飲んで飲んで飲みまくって…」
提督「いや、あきつ丸だ」
龍驤「?」
提督「いや、昨日すぐに部屋に戻ってたような気がするから」
龍驤「あぁ、しんどい言うて戻ってからもう来てなかったで?」
提督「そうか…。そういや朝は食堂にいたのか?」
龍驤「おったよ。でもあんまし元気なさそうやったな…」
提督「まぁ、慣れない環境だからな… しっかり頼むぞ」
龍驤「新人教育ならうちにまかせとき!」
コンコン
提督「誰かきた。 どうぞー」
ガチャ
あきつ丸「失礼するであります!」ビシ
提督「おぉ、あきつ丸か。おはよう」
あきつ丸「今日は提督殿にお願いがあってまいりました」
提督「お願い?いったい何だ?」
あきつ丸「はい。自分を陸軍へ戻してもらえないでしょうか」
提督「え!?」
龍驤「どどどどないことや!?」
あきつ丸「自分を陸軍へ戻れるようにしていただきたいのであります」
提督「そんな、まだ昨日来たばかりだぞ!?いったいどうしたんだ…」
あきつ丸「…………」
龍驤「あんた海軍で訓練受けるんちゃうんか!?」
あきつ丸「気が変わったであります。自分は陸軍へ戻るであります」
提督「気が変わったって、陸軍将校さんからの命令じゃないのか?だって昨日あきつ丸が預かってきたこの手紙にもそう書いてあるぞ」
あきつ丸「理由が理由です。将校殿には自分から説明するであります」
提督「そう言われてもな……」ハァ
龍驤「あんた気が変わったからってそんな理由で許されるわけないやろ!」
あきつ丸「将校殿には自分が説明するであります」
龍驤「違うやろ!ここの上官は提督やろ!」
あきつ丸「…………」
龍驤「何黙ってんや!」
提督「気が変わったって、何か理由があるんだろ?話してくれ」
……………………
執務室外
ひそひそひそ…
千歳「龍驤さんの怒ってる声が聞こえたけれどどうかしたの?」
鈴谷「あ、千歳さん。どうやら昨日きた新人と龍驤さんが喧嘩してるっぽい」
千歳「喧嘩?」
足柄「どうやら昨日の子、陸軍に戻してほしいって言ってるわよ」
千歳「えぇ!?昨日きたばかりじゃないですか!?」
足柄「だから龍驤が怒ってるのよ。理由をちゃんと説明しないからってね」
千歳「どうしてなんでしょうか… まだ実戦にも参加していないですし…」
足柄「まぁいいんじゃない。私はなんだかあまり気にくわない感じだし」
鈴谷「鈴谷もなんだか気が合わない感じだし…」
千歳「う~んそうね~。昨日もすぐに帰っちゃいましたしね~。でも悪い娘でもなさそうですし…」
…………………………………
龍驤「いいかげんにはっきり理由言ったらどうや!」
提督「何か気にくわなかったんだろ?言ってくれ」
あきつ丸「…………気が変わっただけであります」
龍驤「このアホが!」ガチャン
あきつ丸「!?」グイッ
龍驤「陸軍なんやったらハッキリ言ったらどうやいつもみたいに!」
提督「龍驤!あきつ丸を離せ」
龍驤「でもこいつがなんも言わんから…」
あきつ丸「うんざりしたからであります」
龍驤「は?」
あきつ丸「ここにうんざりしたからであります」
提督「どういう…ことだ?」
あきつ丸「自分はここへ来るまではとても楽しみでありました。誇り高き陸軍同様、あの海軍へいけると。しかしここへ来て大変がっかりしたであります」
龍驤「なんやて…」ムッ
あきつ丸「ここは本当に海軍でありますか!?司令官はだらしないでありますし、お昼間からお酒を飲んでは大事な鎮守府の経費までも飲酒に使うなど、軍人としてはあるまじき行為であります!自分はあなた達を理解できないであります!!」グワッ
提督「…………………」
龍驤「…………………」
あきつ丸「陸軍へ戻った際には、将校殿へ報告するであります。ここの鎮守府は海軍の恥さらしでありますと」
龍驤「なんやて!」バッ
提督「やめろ龍驤!」
龍驤「こいつうちらのことを恥さらし言うたで!!」
提督「だからと言って暴力はいけない」
龍驤「……チッ」
提督「…………わかった。将校に掛け合ってみるよ。すまなかったな」
あきつ丸「ありがとうございます」
提督「下がれ」
あきつ丸「失礼しました」
ガチャン
……………………
あきつ丸 ガチャン
鈴谷「…………………」ジ
足柄「お堅い陸軍さんはさっさと帰りなさい」シッ
千歳「……………………」
あきつ丸「……………失礼するであります」
~~~~~~~~~~~~~~~~
龍驤「なんやねんあいつは!」イライラ
提督「まぁ落ち着け龍驤。環境の問題だ」
龍驤「環境言うたって、恥さらしは頭にくるわ!」
提督「まぁまぁまぁ。でもなぁ~。俺達はドンパチやるよりはまったり任務が多いし仕方ないのかもな」
龍驤「でもうちらはしっかり任務やっとるで!」
足柄「そうよ!あんな娘やめさせたらいいんじゃない?」
鈴谷「さすがに鈴谷もイラッときた」
千歳「皆さん少し落ちつきましょうよね?」
提督「そう言われてもなぁ… まぁ陸軍はドンパチだし… あきつ丸の想像を裏切ったのは本当だしなぁ…」
足柄「私達だって戦う時は戦うじゃない!」
提督「まぁそうだが、めったにないじゃないか」
足柄「それはそうだけれど…」
提督「とにかく陸軍さんに報告と…」デンワ
鈴谷「陸軍はみんなあんな感じなのかな?」
龍驤「そうちゃん。なになにであります!とかお堅いお堅いとこやろ」
足柄「そんなとこだと仕事もしにくいわね」
鈴谷「艦娘でよかった~」
提督「静かにしてくれ」シー
ーーーーー
電話
提督「もしもし、将校殿でありますか?あぁ!久しぶりでございますな!えぇ…はい…いやぁ~、ぼちぼちって感じですかね。ははは!」
ーーーーー
鈴谷「提督って陸軍の人と仲いい感じなの?」ヒソヒソ
龍驤「う、うちも今初めて知った…」
千歳「でも将校さんとの会話にしては軽くないですか!?」
ーーーーー
提督「いや~、そうですな!また今度ご一緒したいですなー!」
ーーーーー
足柄「何か頻繁に会ってる感じね…」
龍驤「てか、陸軍のお偉いさんと話してるように見えへん…」
ーーーーー
提督「で、お願いがあるのですが…はい…はい……あきつ丸ですか?…そうですね………はい……ええ……具合!?……えぇ…………元気ですね!はい!」
ーーーーー
足柄(嘘ついた…)
龍驤(嘘や…)
鈴谷(嘘ついた…)
千歳(嘘ですね…)
ーーーーー
提督「で、お願いが……え、……えっ………は、はい……あきつ丸をですか?……ええ……え?は、はい~………それなのですが……えぇ~………!?……本当ですか!あっ……」
ーーーーー
龍驤「一体何の話してるんかさっぱりつかまれへん…」
足柄「電話の相手が陸軍の将校だけど、私達の前にいる男も一応海軍の司令官なのよね…だからあんな電話できるのよね…」ポカーン
鈴谷「そういやそうだね…提督はあんなんでも偉い人だもんね…忘れてた」
千歳「日頃の生活でもオーラがないですもんね…」
ーーーーー
提督「しかし………はい……あきつ丸は……ええ……うぅ……」
ーーーーー
龍驤「上手いこといってんのか?」
足柄「何か押されぎみね…」
鈴谷「提督頑張れ」
千歳「ちょっと泣いてる?」
ーーーーー
提督「でも本人がですね………はい………はぃ……そう…ですか………えぇ………はい……わかりました………善処します……はい……では失礼します……はい」
ガチャ
龍驤「どうやった?」
提督「………………」ズーン
龍驤「なんかその様子やとあかんかったっぽいな…」
提督「あきつ丸を任せたって……もう無理じゃん……」ズーン
鈴谷「何て言われたの?」
提督「あきつ丸は元気か?誇り高き海軍魂をあきつ丸に見せてやってくれ。立派になって陸軍に帰ってくることを期待している…って」ズーン
足柄「あらら?」
龍驤「え?じゃあ……」
提督「引き受けちゃったよぉぉぉぉぉ」ウワァァン
四人「はぁぁぁぁぁ!?!?」
提督「だって断れなかったんだもん!あんな弾んだ声で頼まれたら断れないじゃん!」逆ギレ
龍驤「でもあきつ丸はその気じゃないんやで!?」
提督「どぉぉぉすればいぃぃぃぃんだよぉぉぉ!!!」ガンガンガン!
千歳「提督!?床にそんなに頭を打ち付けたら大変なことに……」
龍驤「ほんまに…あんた普通でも阿保やのに頭打ったらもっと阿保になるで……」
提督「うぅ………」ズキズキ
足柄「もう一度電話して断ればいいじゃない」
提督「無理だ…」
鈴谷「なんで?」
提督「経費……」ボソ
龍驤「え??」
提督「昨日の歓迎会の経費…全部陸軍からの契約金……」
四人「はぁぁぁぁぁぁ!?!?」
龍驤「どないこっちゃ!?」
足柄「それってもしかして……」
提督「使ったからあきつ丸を引き受けたことになる…」
足柄「え!?」
龍驤「って待てーーーい!!じゃあ最初から無理やったってわかってたやんか!!!あんたそれやのに電話したんか!?」
提督「いや電話するまで忘れてた。電話中に経費はあきつ丸の教育に使ってくれって言ってたのを聞いて思い出した」ズーン
千歳「だから途中から押されてたのね」
龍驤「じゃあ昨日の歓迎会はあきつ丸の金でやったってことになるんか…」
提督「俺はなんて馬鹿なんだ~」ウギャャャ
龍驤「なんか道理で昨日はいさぎええなとは思ったけどまさか人の金やったとは……」
鈴谷「……あ!ヤバ…」ハッ
龍驤「どうしたんや?」
鈴谷「昨日の歓迎会がそのお金なんだったらさ…鈴谷達も共犯だよね……」
足柄「………………」←ビール飲んだし食べた
龍驤「………………」←ビール飲んだし食べた
千歳「………………」←日本酒飲んだし食べた
鈴谷「………………」←ジュース飲んだし食べた
雪風「………………」←ジュース飲んだし食べた
提督「貴様らも同罪だぁぁ!はっ!はっ!はっ!はっ!はぁ!」wwwwww
足柄「腹立つわね……」ムカムカ
千歳「私達はむしろ被害者なのでは~…」
鈴谷「はぁ……」
龍驤「油断してた…」ムカムカ
足柄「だいたい鎮守府の経費はどうしたのよ!」
龍驤「まさか一人でしょうもないことに使った言わんやろな!!」
提督「……………静かに!」
四人「おぉ………」
提督「俺が鎮守府の経費を自分だけで使うような非情なダメ人間に見えるか!」
足柄「見えるわ」
鈴谷「うん」
千歳「何とも言えないわね~…」
龍驤「て、提督あんた酒を大量に箱買いしてなくなった前科あるやん…」
提督「あれは…送料があんなにかかるとは思ってなかったんだ…でもお前達も飲んだじゃないか!」
鈴谷「で、結局経費はどこにいったの?」
提督「ふふん!聞いて驚くなよ!なんと!」
四人「なんと?」
提督「エアコンを買ったのだぁ!」パッパラー
四人「おぉぉぉぉぉ!!!!」パチパチ
提督「どうだ?」
鈴谷「まさかそうくるとは……」
龍驤「まさかこんな言葉が聞けるなんて…」
千歳「やっとです!」
足柄「提督!あなたを見直したわ!!」
提督「ふふん!部下の不満を解消し、よりよい職場を作るのが上司のやくめだからな!」
龍驤「提督、あんた成長したな…」ウル
提督「ってことです。あきつ丸をどうにか説得しましょう。さもなければエアコンどころか職を失うことになります」
龍驤「しゃーない!エアコンの望みを叶えてくれた提督や!うちらも頑張って協力しよ!」
三人「おーー!!!」
雪風「雪風も頑張ります!!」ヒョコ
龍驤「うわぁ!?なんや雪風か…あんたいつのまにか消えて突然出てくるよな」ハァ
雪風「不沈艦の名は伊達ではありません!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
波止場
あきつ丸「あれでよかったのでありましょうか…」
あきつ丸「少し言いすぎたかもしれないであります…少しカッとなってしまったのが悪かったであります…」
あきつ丸「自分はいったいどうなるのでありましょう…」
龍驤「おーい!」
あきつ丸「ん?あれは…龍驤殿でありますな」
龍驤「おーい!」タタタタタ
あきつ丸「…………」
龍驤「あんた…こんなとこにおったんか…」ハァハァハァ
あきつ丸「何の用でありますか…」
龍驤「さっきの話やけど…」
あきつ丸「あれは自分が悪かったであります。ついカッとなってしまって……申し訳なかったであります」
龍驤「……でも、ホンマに思ってたことやったんやろ」
あきつ丸「…………………」
龍驤「まぁ、冷静に考えたらあんたの気持ちもわかるわ。あん時はうちもカチンときてつい手出してしもうたけど、うちこそごめんな」
あきつ丸「いえ……大丈夫であります……」
龍驤「……まぁ、うちらの鎮守府は他んとこより小さいし、戦闘っちゅう戦闘もないからついああやってぐうたらしてしまうねん…… 演習とか訓練も弾薬とか資材使ってまうからあんましやれへんし…」
あきつ丸「どうして資材が足りないのでありますか?戦闘をしないのであれば、資材はあまるはずでは…」
龍驤「上のおっきい鎮守府が根こそぎ全部持っていくねん。ほんまあいつら鎮守府が大きいからって何でもしやがって…」チッ
あきつ丸「それでは拒否すればいいのでは?」
龍驤「アカンアカン。あっちにはお偉いさんがついとるから。さすがに提督も逆らえんらしいわ」
あきつ丸「それはひどいでありますな……」
龍驤「まぁ、おんなじ海軍やから仕方ないっちゃ仕方ないんやけど、さすがに酷いで…」
あきつ丸「…………龍驤殿はずっとここにいるのでありますか?」
龍驤「いや、前はもうちょいおっきい鎮守府におったよ。でもまぁ、そこも上からの圧力でパンクして提督が自殺しよったんや。それから移動してきたんや……」
あきつ丸「な!?それはひどすぎるであります!!」
龍驤「そやな…ちなみに足柄と鈴谷もいっしょやで」
あきつ丸「では千歳殿と雪風殿は…」
龍驤「確か千歳は前の鎮守府でこっそり酒飲んでたのがバレて移動。雪風はここが初めてちゃうかな」
あきつ丸「千歳殿……」
龍驤「あぁ見えて一番エグいのは千歳やで?」ニヤ
あきつ丸「そうでありますな」クス
龍驤「よっしゃ、提督が呼んでたから行こか」
あきつ丸「あ………そうでありますな……自分は無茶を言ってしまったであります……龍驤殿、短い間でしたがありがとうございました」
龍驤 ギクッ
龍驤「え、え~とな……言いにくいんやけど…実は……」
あきつ丸「はい?」コク
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
執務室
あきつ丸「なんですとぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
提督「すまん!できる限りのことはしたのだが…」
あきつ丸「で、ではあきつ丸は帰れないでありますか!?」バン!
提督「そうだ……本当にすまん!」バッ
鈴谷「あきつ丸の教育費を全部使ってしまったなんて口が裂けても言えないね…」ヒソヒソ
足柄「墓場まで持っていきなさい」ヒソヒソ
あきつ丸「そんな!あきつ丸は!あきつ丸は!」オロオロ
提督「将校さんと直接話したのだが駄目だった…本当にすまん!」
龍驤「あきつ丸の教育費使ったから断れないって言ったらどうなんのかな」ヒソヒソ
千歳「多分私達は全員首を落とされるのじゃないでしょうか」ヒソヒソ
あきつ丸「どうしたらいいのでありますか…」ポロポロ
提督「あぁ…泣かないでくれ…俺もできることは全てしたんだ…」
足柄「提督の演技には圧巻ね……」ヒソヒソ
鈴谷「てかあの娘、軽いホームシックになってない?」ヒソヒソ
あきつ丸「無茶なお願いをした自分が悪いであります…ですから提督殿は何も悪くないであります……」ポロポロ
提督「本当にすまない!この通りだ!」土下座
龍驤「提督に土下座されたらどう思う?」ヒソヒソ
千歳「特に何とも思わないですね。しかし、あきつ丸さんが少し可哀想ね…」ヒソヒソ
あきつ丸「そんな提督殿!頭を上げてくださいであります!!」オロオロ
提督「いや!俺はあきつ丸が泣き止むまで頭を上げない!!!」
鈴谷「なんで提督って海軍に入ったんだろ…」ヒソヒソ
足柄「あれならハリウッドスターにでもなれるわよね……」ヒソヒソ
あきつ丸「お願いです!頭を上げてください!でないとあきつ丸は…あきつ丸は…」ポロポロ
提督「………………」土下座
龍驤「あきつ丸可哀想やな……」ヒソヒソ
千歳「そろそろ止めませんか…」ヒソヒソ
足柄「確かにあの娘、崩れ落ちちゃってるわよ」ヒソヒソ
鈴谷「なんだか可哀想……」ヒソヒソ
あきつ丸「お願いであります……これ以上あきつ丸を責めないで下さい……」ウッ…ウッ ポロポロ
提督「………………」
龍驤「はいはい!提督、あきつ丸もこんだけ言ってるんやから頭上げたらどうや」
提督「………………」ノソリ
龍驤「あきつ丸、大丈夫か?」
千歳「はい。これで鼻をかんで下さい」ティシュ
あきつ丸「かたじけないであります……」ズルズルズル
鈴谷「大丈夫?」
あきつ丸「はい…」ズルズルズル
提督「あきつ丸…そう言うことだ。すまんが引き続きここに居てもらう。もちろん君への待遇はこれまで以上に手厚く……」
あきつ丸「いえ、もともとは訓練のために来たのであります。ですから引き続きここでの生活をまっとうするであります」
提督「あきつ丸…」
あきつ丸「皆さん。ご迷惑をお掛けしたであります。そして先程は酷い発言をしてしまい申し訳ありませんでした。あの時は…」
足柄「大丈夫よ。もう気にしてないわ」
鈴谷「ちょっとイラッときたけど、悪気があったわけじゃないんだし大丈夫だよ~」
龍驤「やからもう大丈夫やで!」
千歳「ふふふ。これからもよろしくね」
あきつ丸「皆さん…」ウルウルウル
あきつ丸「あきつ丸は…あきつ丸は…まっこと申し訳ないことを…」グズッ
足柄「あぁあぁぁ!ほら泣かない!陸軍なんでしょ!」
鈴谷「陸軍の娘が泣いてたらカッコ悪いよ~」
あきつ丸「はい…」グズッ
提督「本当にすまん。あきつ丸。引き続きここで生活をしてくれ」
あきつ丸「はい!改めて、よろしくお願いするであります!」バッ
~~~~~~~~~~~~~~~~
その夜 食堂
足柄「提督、あなた俳優にでもなったらどう?」プシュ
提督「どうしたんだいきなり」プシュ
足柄「今日の演技、情けなかったけどすごかったわよ」ゴクゴク
提督「ははははは!そうか、すごかったか!
」
足柄「彼女が可哀想だったわ」
提督「ま、あれが全部嘘ってわけじゃない。あきつ丸には申し訳ないことをした」
足柄「まぁ、育った環境が私達とは違うのですもんね」ゴクゴク
提督「これからどう溶け込んでくれるかが心配だ」
足柄「まかせなさい!そこはしっかり私達がサポートするわ」
提督「頼りにしてるぞ」ゴクゴク
足柄「しかし提督の演技はすごかったわ」
提督「そんなにか?いや~、そこまで言われたら照れるな」ハハハハ
足柄「どこであんなの習得したの?」
提督「前の職場」ゴクゴク
足柄「え?なになに?提督の前の職場って興味あるのだけれど」ニヤニヤ
提督「………気が向いたら話してやる」ゴクゴク
足柄「なによ~勿体ぶって」ウリウリ
提督「ビールがなくなった…」ガチャン
足柄「もう、ケチね~。いつか絶対に聞いてやるんだから」ゴクゴク
提督「………」プシュ ゴクゴク
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌朝 5:00
ドォン!! ドォン!!
あきつ丸「!? 何事でありますか!?」ガバッ
あきつ丸「まだ朝の5時でありますぞ!まさか敵襲!?」
バァン
タタタタタ
…………………
バァン!!バァン!!
足柄「駄目ね。身体がなまってるわ…」
提督「そんなことないぞ~?的には当たってる」
足柄「ただ当たっただけじゃ駄目なの。ちゃんとど真ん中に命中させないと」
バァン!バァン!
鈴谷「あちゃ~、鈴谷も駄目だわ」
提督「まずは的に当てよう」
タタタタタ
あきつ丸「提督殿!何事でありますか!?」ハァハァハァ
提督「おぉあきつ丸。まだ寝てていいんだぞ」
あきつ丸「いえ!爆音が聞こえたので」
提督「あぁ、それはすまない。見ての通り早朝演習だ」
あきつ丸「……はい?」
提督「実弾でこうやって射撃の練習だ。一週間に一回程度でやっている。自由参加だが」
あきつ丸「朝の5時にでありますか?」
提督「だって昼間にしたらみんな来ちゃって、弾薬を大量消費しちゃうじゃん。だからこんな朝早くにしたらみんな寝てるからあんまり練習に来ないから弾薬もおさえれるってわけだ」
あきつ丸「なる…ほど…」
提督「で、こんな朝早くに起きてきた猛者が足柄と鈴谷なわけ」
バァン!バァン!
あきつ丸「……」ポカーン
提督「どうだあきつ丸。お前もやっていくか?まぁ寝たいなら戻ってもいいし」
あきつ丸「いいのでありますか!?」バッ
提督「あぁ」
あきつ丸「是非!」キラキラキラ
………………
鈴谷「あれ?あきつ丸じゃん。どうしたのこんな早くに」
あきつ丸「大砲の音で目が覚めたであります」
足柄「その格好。あなたもやるのね!いいわ!あなたの実力を見せてちょうだい!」
あきつ丸「はい!」ガチャ
足柄「あら?主砲はそれ?」
あきつ丸「はい…恥ずかしながら自分、輸送船ゆえ…あまり大きな物は装備できないであります」
鈴谷「いいじゃん!それじゃあいってみよー!」
あきつ丸「…………」ジッ
バァン!
足柄「おぉ、いい腕じゃない」
鈴谷「ホントだ、ど真ん中」オォ
あきつ丸「……」
バァン!バァン!
鈴谷「おぉおぉ!」
足柄「なかなか良いわね」オォ
あきつ丸「ふー」ホッ
鈴谷「なかなかやるじゃん!」
足柄「ホントに大したものよ!」
あきつ丸「いえ、自分はただ陸軍で教わった通りにしただけでありますゆえ…」ヨシ
鈴谷「私も陸軍いったら上手くなるのかな~」
あきつ丸「ではいっしょに来るでありますか?」
鈴谷「え!?」
足柄「だって。あなた陸軍に言ったらその格好で怒鳴りちらされるわね」
あきつ丸「そうでありますな~。陸軍では黒髪が規則でありますからな~」
鈴谷「えぇ!?じゃあ無理ー!」アワワワ
あきつ丸「すぐに慣れるでありますよ?」
足柄「鈴谷、あなた入る設定になってるわよ」クス
鈴谷「ぜぇぇぇったいやだぁぁぁぁ!!!」
ハハハハハ!!
提督「仲良くやってそうだな。安心だ」
~~~~~~~~~~~~~~~~
食堂
龍驤「え!?あんた朝練に行ったんかいな!?」ガツガツガツ
千歳「よく起きれましたね」スゴーイ
あきつ丸「いや…大砲の音で目が覚めたであります」
龍驤「あぁ、あれは慣れるまではうるさいな」
雪風「鳳翔さん!牛乳はありますか!」
鳳翔「ありますよ」ニコ
千歳「私も最初来た時はびっくりしたわ。思わず敵が来たのかと思って飛び起きたのを覚えているわ」パクパク
龍驤「で、あんたはそのまま酒瓶もって走ってきたな」ハハハハ
千歳「もう!それは言わないで下さいよー!本当にびっくりしたんですから!」モー
足柄「しかしあなた、さすがに酒瓶もって走ってくるなんておかしいわ」ククククク
千歳「だって!あれはとっても珍しいお酒でして、なんとしても守ろうと思ったんです!」プンスカ
鈴谷「提督も足柄さんもかなりお酒飲むけどやっぱり千歳さんが一番だね~」イシシシ
提督「千歳にはかなわないよ」ハハハハ
千歳「もう!皆してからかわないで下さい!」
ハハハハハ!!
あきつ丸(この鎮守府は不思議な感じがするであります。今までこんなにも賑やかな朝食がありましたでしょうか… 陸軍では誰もしゃべらずにさっさと食べて自分の持ち場へ行くのに対して、ここはこんなにも…)
鳳翔「どうしましたかあきつ丸さん?お口に合わなかったですか?」
あきつ丸「ハッ!い、いえ!とても美味しいであります!」ガツガツガツ
鳳翔「うふふ。それはよかったです。じゃあ私の腕は陸軍さんにも通用するのね」ヤッタァ
提督「何言ってるんですか!鳳翔さんの料理は世界中何処にいっても通用しますよ!」
鳳翔「まぁ提督ったら~」ウフフ
龍驤「そういや陸軍ってどんなご飯があるん?」
鈴谷「あ、それ気になる~」
あきつ丸「陸軍ですか?そうでありますな…」
あきつ丸「これと言って特別なものはないと思うでありますが、とにかく白米をたくさん食べることができたであります」
提督「さすが陸地だな~」
足柄「食べた分だけ減っていくうちとは正反対ね」
雪風「だからあきつ丸さんは白いのですか!!」
あきつ丸「え!?い、いや…それは……」
龍驤「関係ないやろ…さすがに……」アハハ…
雪風「そうなのですか…失礼しました!」
あきつ丸「は、はい。こちらこそ何か申し訳ないであります…」
提督「白飯食べ放題か~… 裏で田んぼでもしようかな…」
龍驤「そりゃ自分の仕事をきっちり終わらすことができてからゆうてくれ」
鈴谷「昨日もサボったっしょ?」
提督「うぅ…よく見てるな…」
千歳「秘書艦になったらわかりますよね」
龍驤「ほんまに…秘書艦なっても仕事いっこもせえへんから心配なるわ…」
あきつ丸「秘書艦とは何でありますか?」
提督「え? あぁ、そうか説明してなかったな」
龍驤「うちらの中から一日ずつ交代で提督の秘書をするんや」
鈴谷「まぁ秘書って言っても、提督は仕事しないからゴロゴロするだけだけどね~」
あきつ丸「???」
龍驤「そうや、今日の秘書艦をあきつ丸にしたらどうや提督?」
提督「そうだな。その方が色々説明するより手っ取り早い。じゃあ今日はあきつ丸が秘書艦だから後で執務室まで来てくれ」
あきつ丸「は、はい」
龍驤「ほんまに暇やで~」
足柄「陸軍式で提督をしごいてもいいのよ?」
提督「うお…それはキツいな…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
執務室
コンコン
あきつ丸「失礼するであります!」
提督「どうぞ~」
あきつ丸「えぇと…」
提督「そうだな~。まぁ、秘書艦ってのはおもにその鎮守府の司令官の身の回りの世話とか仕事の手伝いとかする係みたいなもんだ。陸軍にはこういうのなかったのか?」
あきつ丸「はい」
提督「そうなのか。陸と海って色々と違うもんなんだな~。まぁまずは提督の手伝いをしてもらうと言うことで…」
ドサァ
提督「この山積みの書類を全部やって…」
ガツーン
龍驤「アホ。何、自分の残した書類をやらそうとしとんねん!自分でやれい!!」
提督「すいません…」イタタタタ…
あきつ丸「あ、あの自分は…」オロオロ
龍驤「そうやな。このど阿呆が仕事サボらんか見張ってたらええよ。もしどっか逃げようとしたら容赦なく撃ってええから」
提督「んな!?」
あきつ丸「了解したであります!」ビシ
提督「そんな~…」
龍驤「さっさと終わらしや」ソレジャ
………………
提督「……………」カキカキ
あきつ丸「……………」ジー
提督「…………」カキカキ
あきつ丸「……………」ジー
提督「…………………」カキカキ
あきつ丸「……………」ジー
提督「………………あきつ丸…」
あきつ丸「何でありますか?」ジー
提督「そんなにも見られたらやりにくいんだが…」
あきつ丸「それは失礼したであります!」ハッ
提督「逃げないからもうちょっと肩の力を抜いたらどうだ…見ていてなんだか暑苦しい」
あきつ丸「了解したであります」ピシ
提督「まぁ………うん……変わってないけどそれがいいならいいけど…」
あきつ丸「提督殿、何か手伝うことはないでありますか?」ソワソワ
提督「そうだな~…特に大丈夫かな」
あきつ丸「そうでありますか…」ショボーン
提督「…………………」カキカキ
提督「…………………」カキカキ
あきつ丸「……………」ジー
提督「…………………」カキカキ
あきつ丸「……………」ソワソワ
提督「…………………」カキカキ
あきつ丸「……………」ソワソワ
提督「……………」ハァ…
提督「あぁ!わかったわかった!この書類手伝ってくれるか!!」ハイ
あきつ丸「はい!お任せ下さい!!」パァ
………
鈴谷「帰って来たよ提督~」
提督「おかえり。今日も海は異常なしか?」
鈴谷「いつもと変わらずおだやかだったよ~。って、提督まさか仕事押し付けたんじゃ…」
提督「違うぞ!あきつ丸が手伝いたいって言うからだな…」
鈴谷「怪しい…」ジトー
あきつ丸「本当であります!何もしていないのは落ち着かないでありますゆえ」
提督「な?」
鈴谷「おぉ…さすが…」
提督「まったくだ。ちっとは鈴谷も見習ってほしいものだ」ウム
鈴谷「それはできないな~」
提督「即答かい…」
鈴谷「じゃあ鈴谷はシャワー浴びてきまーす」
バタン
提督「はぁ…」カキカキ
あきつ丸「鈴谷殿はいつもあんな感じなのでありますか?」
提督「え、あんな感じ?」
あきつ丸「その…気だるい感じの口調なのでありますか?」
提督「そうだな。最初からあんなんだ」
あきつ丸「最初からでありますか!?」
提督「あぁ。最初は上官に向かってなんて口の聞き方だ!って思ってたけど、もう慣れた」
あきつ丸「慣れたでありますか…」
提督「陸にはあんなのはいない?」
あきつ丸「もちろんであります!皆、上官に対しては敬礼・敬語が当たり前であります!」
提督「まぁそうだよな。海軍だって大きいとこいけばそうだしな。だいたいうちがおかしなだけだ」
足柄「入るわよ~」ガチャ
提督「おぉ、終わったか?」
足柄「はいこれ。資材は順調に貯まってきてるわ」
提督「それは了解と」
あきつ丸「…足柄殿はいったい何をしておられたのでありますか?」
足柄「私?私は倉庫にある資材がどれくらいあるか調べてきたのよ」
提督「普通ならこういうのは違う人にやらせるのだが、圧倒的人手不足のうちは自分らでやってるのさ」
足柄「そ、提督がもうちょっと頑張ってくれればここも大きくはなるのにね」
提督「冗談はよしてくれ。あんな腐敗上層部に掛け合うのはまっぴらだ。ここでひっそりしているのが一番だ」
足柄「でも久しぶりに痺れるような刺激的な戦闘がしたいわ」
提督「じゃあ頑張って敵さんを見つけましょう」
足柄「はいはい。私達はひっそりとただ海をまわってますよ~」
提督「敵の一つや二つはいるだろ?」
足柄「まったくいないわ!」
提督「前は二回に一回は接触してたじゃないか」
足柄「ある時からぴたりといなくなったわ。私達が倒し尽くしたのかしら」
提督「ふ。そうかもな」
足柄「じゃあ私は部屋に戻るわ」バタン
あきつ丸「……敵とは深海…なんとかと言うものでありますか?」
提督「あぁ、深海棲艦だ。本物は見たことないのか?」
あきつ丸「はい…写真では何度か見たことがあるのでありますが…」
提督「じゃあ実際会ったら腰抜かすかもな」
あきつ丸「な!?このあきつ丸、敵の前でそのようなことは決してありません!」バッ
提督「おぉ…すまん。落ち着いてくれ」オォ
あきつ丸「は!?も、申し訳ないであります…」カァァ
提督「まぁ、実際に会ったらわかるさ。あの恐ろしい怪物は思い出すだけでゾッとする…」
あきつ丸「…………」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
食堂
あきつ丸「…………」
龍驤「なんやあきつ丸、暗い顔してどっか具合でも悪いんか?」ヨイショ
あきつ丸「あ、龍驤殿…」ペコリ
龍驤「全然カレー減ってないけど美味しなかったか?」
あきつ丸「い、いえ!とても美味しいであります!」ガツガツ
龍驤「鳳翔の作るカレーは世界一やからな~」ウム
あきつ丸「…………」
あきつ丸「あの…龍驤殿」
龍驤「なんや?」モグモグ
あきつ丸「少し相談が……」
…………
龍驤「はぁぁぁぁ!?深海棲艦に会いたいやてぇぇぇぇ!?!?」ガシャン!
あきつ丸「は、はい……」
龍驤「アホか!!あんた自分が何言っとるんかわかっとんか!?」
あきつ丸「アホ……」ムッ
龍驤「いいかあきつ丸… あんなもんに会ったってええことなんか一つもないで。なんで会いたいんや」
あきつ丸「……先程、提督殿が深海棲艦は恐ろしい怪物だとおっしゃっていたので、自分の力がどこまで通用するか試してみたいであります」
龍驤「やめときわめとき。あんた言うたってまだ着任してから一週間もたってないんやで?おまけに出撃なんか一回もしてないし。だから無理やって」ハァ
あきつ丸「むっ… やってみなくてはわからなのではありませんか!」バン
龍驤「ろくに出撃もしとらんのに倒せるわけないやろ!」バン
提督「おぉおぉどうしたんだ、もめ事かぁ?」
あきつ丸「提督殿!?」スッ
龍驤「いつのまに!?」
提督「飯の時ぐらいは仲良くしようぜ…じゃないと不味くなる」ガツガツ
あきつ丸「すみません……」
龍驤「……………」
提督「で、何でもめてたんだ?」
龍驤「あきつ丸が深海棲艦に会いたいって…」
提督「おぉ、またどうして」
あきつ丸「自分の実力がどこまで通用するか試してみたいであります」
提督「なるほど」
龍驤「あきつ丸はまだ着任したてやし、出撃もしてないからやめときって言ってるんやけど…」
提督「いいんじゃないか?次の哨戒任務に連れてってやったら」
龍驤「えぇ!?」
あきつ丸「本当でありますか!」パァ
提督「いずれ任務には加わってもらうわけだし、早い方がすぐなれるだろ」
龍驤「でもやで!あきつ丸はまだ戦ったことないんやし、もし敵にあったら…」グッ
提督「多分大丈夫だろ。俺が見る限りではあきつ丸はなかなか良い腕だしな」
あきつ丸「ありがとうございます…」///
龍驤「なっ……」
提督「多分、足柄と鈴谷も俺と同じこと言うと思うぞ」ガツガツ
あきつ丸「ありがとうございます!提督殿!」
龍驤「はぁ…それやったら次の任務、一緒に行こか」ヤレヤレ
あきつ丸「はい!」
提督「ま、望み通りやつらが見れるかは別だがな」ガツガツ
龍驤「そやな。最近はおらんなったから多分見られへんちゃうかな」
あきつ丸「あ……は、はい……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
任務当日
提督「ということで、今日はあきつ丸に入ってもらいま~す」
あきつ丸「よろしくお願いします!」
千歳「私は非番でーす!」
鈴谷「えー、なんで千歳さんなの~」ウダウダ
提督「バランス的に考えて」
鈴谷「そんなんだったら千歳さんの方が飛行機あるし哨戒任務にむいてるじゃーん!」ウダウダ
提督「お前だってあるだろ…」
鈴谷「嫌だー!鈴谷が休みたいー!」ウダウダ
足柄「はいはいわかったから暴れない…」ズルズル
足柄「いってくるわねー」ズルズル
鈴谷「呪ってやるー!」ウガァァ
あきつ丸「あ、えぇと… 行ってくるであります!」ペコリ
龍驤「ほな、うちも…」ヨイショ
提督「あ、今日はいいぞ」
龍驤「ほえ?なんでーな。三人やったらさすがに厳しいやろ」
提督「いや、今日は雪風に行ってもらう」
龍驤「雪風?」
雪風「はい!しっかり見張ってきます!!」
提督「うむ。気よつけてな」
バタン
千歳「どうして雪風ちゃんなのですか?」
龍驤「ほんまに。うちの方が飛行機やから見張りやすいで?」
提督「運」
千歳・龍驤「運?」
提督「大丈夫と言ったって、あきつ丸にとっちゃ初戦だからな。何事もないよう幸運の持ち主に同行してもらったわけだ」
千歳「あぁ~」ポン
龍驤「提督、あんた… 頼りなさげに見えんのに中身は部下思いなんやな…見直したで!」ウム
千歳「でも、そういうことでしたら私と龍驤さんも一緒に行けばもっと安全ではないのですか?」
提督「………資材が足らん」
千歳「あ……」
龍驤「なるほど…雪風を連れてったのは…」ヤレヤレ
~~~~~~~
海上
足柄「ついてこれてる?」
雪風「はい!雪風は大丈夫です!」
鈴谷「問題ないよ~」フワァー
あきつ丸「大丈夫であります!」オット…
足柄「大丈夫そうね」
鈴谷「ねぇ足柄さん」ヒソヒソ
足柄「どうしたの」
鈴谷「この編成で大丈夫なのかな?索敵できるようなメンバーじゃないけど…」
足柄「……まぁ大丈夫なんじゃない?敵が来ても十分な火力はあるみたいだし。雪風がいるから潜水艦にも対処できるわ」
鈴谷「でもあの子、大丈夫かな」
足柄「大丈夫でしょ。少なくともあなたよりは射撃の腕は良いんだし」
鈴谷「うっ……」グヌヌ
あきつ丸(やはり慣れない海上は大変であります…)ハァハァ
雪風「大丈夫ですか?」
あきつ丸「あ、あぁ雪風殿…… 大丈夫でありますよ」ニコ ハァハァハァハァ
雪風「前に鳳翔さんが言っていたのですが、疲れた時は"りらっくす"すればいいと言っていました!」
あきつ丸「リラックスでありますか…」ハァハァ
足柄「あら?息があがっているようだけど大丈夫?」
あきつ丸「!? 大丈夫であります!」ハァハァ
鈴谷「少し休む?」
あきつ丸「そんな!大丈夫であります!任務を続けましょう…」
足柄「でもあなたヘトヘトじゃない。急ぐ任務でもないですし速度を落としましょう」
あきつ丸「………申し訳ないであります…」ウッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
提督「あきつ丸は大丈夫かな…」
千歳「提督、さっきからずっと言ってますね」
龍驤「どんだけ心配やねん」
提督「そりゃ心配だよ~。だって、初戦は何があるかわからないし、本人だって緊張してるだろうし…」
龍驤「そういや雪風の時もそんなんやったな」アハハハ
千歳「そうでしたね。でもあの時は今よりも凄かったですね」クスクス
……
雪風「雪風!出撃します!」
提督「いや、やっぱり今日はやめよう」キッパリ
龍驤「何言うてんねん。今日て言ったん提督やろ」
提督「いやでもさぁ!今日に限ってやつらが攻撃してくるかもしれないし…」
足柄「大丈夫よ。そん時は私達がいるんだから」
提督「でももし、戦艦級とかだったら?もっと強かったら?あぁぁぁあ!雪風!今日の出撃は中止だ!」
……
千歳「結局あの後、鳳翔さんに説得されて出撃命令を出したんでしたよね」クスクス
龍驤「あん時提督泣いてたしな」ハハハハ
提督「そりゃ、我が子を戦場に出すのはつらいことだからな…」
龍驤「雪風はあんたの子ちゃうやろ」ペシッ
提督「ま、それぐらい心配なんだよ」
千歳「提督って意外とそういうところは女々しいですよね」
龍驤「ほんま。いつもはぐーたらしとんのに、どれがほんまの提督の姿かわからんわ」ヤレヤレ
提督「あきつ丸大丈夫かな…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海上
鈴谷「大丈夫?」
あきつ丸「はい。もう大丈夫であります!先に行きましょう」
足柄「慌てない慌てない。まだ慣れていないんだからゆっくり行かないと」
あきつ丸「し、しかし!それでは任務が!」
鈴谷「鈴谷達の任務はパトロールだから速くても駄目なんだよ~」
足柄「それにだいたい観測機が見張っているから、私達はもしもの時に備えて行動するだけよ」
あきつ丸「そうなのでありますか」
雪風「!? 何か発見しました!」
足柄「何ですって!?」バッ
鈴谷「まさか!?」バッ
あきつ丸「敵襲でありますか!?」バッ
………
浮き プカプカ…
雪風「ゴミでした!」
足柄「ゴミね…」
鈴谷「ゴミ…」
あきつ丸「敵襲ではなくて安心したであります…」ホッ
足柄 チッ
あきつ丸「え?」
鈴谷「なーんだ」ハァ
あきつ丸「え!?」
足柄「せっかく久しぶりに暴れられると思ったのに」ガチャン
鈴谷「つまんな~い」
あきつ丸「え、え!?」
雪風「は! また向こうに何か見えます!」
あきつ丸「本当でありま…」
足柄・鈴谷「敵か!待ってやがれっ!」ビュン!
シーン
あきつ丸「あっ……あ……」ポカーン
雪風「あきつ丸さん行きましょう!」
あきつ丸「あ、あの雪風殿… いつもあのお二方はあんな感じなのでありますか…」
雪風「はい!いつも"****" とか "****" とか "*******" って言っています!意味はわかりませんが」
あきつ丸「な!? そんな汚い言葉を!?しかもこんな子供の前で!」グヌヌ
雪風「あきつ丸さん、ふぁ** ってどういう意味で…」
あきつ丸「雪風殿!それは絶対に口にしてはならないであります!」バッ
雪風「わかりました!」
あきつ丸「あのお二方には後で注意しなければ…」ハァ
雪風「あ、あとこんな風に真ん中の指だけを開いて ふぁ**…」
あきつ丸「雪風殿ぉぉぉぉ!!!」ウギャァァ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夕方
提督「お、お帰り…ってどうしたんだお前ら!?」
足柄「…………」中破
鈴谷「…………」中破
あきつ丸「無事帰還したであります!」ビシ
"
雪風「今回も"しんかいせいかん"はいなかったです!」
提督「え!?お、おぉ… え!? なんで?」
足柄「…………」中破
鈴谷「…………」中破
あきつ丸 キラキラ
雪風 キラキラ
提督「え?お、…え?え?敵はいなかったんだよな?」
雪風「はい!全部ゴミでした!」
提督「え、ゴミ!?お前らひょっとしてゴミに…」
ガチャ
龍驤「倉庫整理終わったで~……って、どないしたんや!?」ギョ
…………………………
提督「なるほど…それで、汚い言葉を連呼してた二人に天誅を下したと…」クックック…
龍驤「で、二人とも見事にクリティカルきめられたんや…」クックック…
足柄「…………」シュー
鈴谷「…………」シュー
あきつ丸「申し訳ありません。自分も少しやりすぎてしまったのであります…」ペコリ
提督「いや、あきつ丸はよくやった。こいつらにはそれぐらいやらんと効かないからな。二人ともさっさと入渠してこい」wwwwww
二人「はい……………」コク
バタン
提督「クックック…」
龍驤「クックック…」
二人「はっはっはははははは!!!」wwwww
あきつ丸「!? ど、どうしたのでありますか!?」アセアセ
提督「いやw…つい面白くてなww…まさかあの二人をあんだけボロボロにしたとはなw!」ハッハッハッ
龍驤「ほんまw あんた最高やでww」ハッハッハッ
あきつ丸「え、えっと…」
提督「いやはや。よくやってくれたよw あきつ丸はww」ハッハッハッ
龍驤「ほんまにw あの二人を中破にしたところをおがみたかったわwww」ハッハッハッ
あきつ丸「し、しかし!あのお二方は雪風殿の前で卑劣な発言を…」
提督「いや、あきつ丸を責めてるわけじゃないんだ。むしろよくやってくれたよ。雪風があんなのになってしまったら大変だからな」
龍驤「うんうん。ほんまあの二人の汚い言葉はヤバいからな。そろそろ止めさせよう思っとったんやけど、その心配もなさそうや!」
提督「改めてお疲れさん。ゆっくり休んでくれ」
あきつ丸「は、はい!そ、それでは失礼します…」
ガチャ
千歳「あら、あきつ丸さん」
あきつ丸「こ、これは千歳殿!失礼したであります!」
千歳「そんな大丈夫よ。任務お疲れ様。ゆっくり休んでね」ニコ
あきつ丸「はい!ありがとうございます!では失礼します」
バタン
あきつ丸(提督殿と龍驤殿はいったい何がおかしかったのでしょうか…)ウゥム
………
千歳「さっき、ボロボロの足柄さんと鈴谷さんが通っていったのですが何があったのですか?」
提督「それがな千歳…」クックック…
龍驤「爆笑もんやで…」クックック…
……………
あきつ丸(いったいあきつ丸の何が…)ウゥム
あはははははははは!wwwwww
あきつ丸 ビクッ!
あきつ丸「こ、この声は…まさか千歳殿もでありますか!?」
あきつ丸「ますますわからないであります…」ウゥム
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
食堂
鳳翔「あらあら?随分と今日はお疲れのようですね?」
足柄「うぅぅぅ…」ズーン
鈴谷「うぅぅぅ…」ズーン
龍驤「ほらほら二人とも、そんなに凹んでらんではよ食べなご飯冷めてまうで」
鈴谷「食欲ないよ…」ズーン
千歳「相当きてますね…」グビ
龍驤「まぁ、そりゃ入ったばっかりの新人にここまで占められたら気持ちもわからんこともないけどな…」
提督「ほら、飯食わんと」
足柄「私もあんまり…」ズーン
あきつ丸「申し訳ありません…」シュン
龍驤「いや、あきつ丸はなんも悪くないんやで…」
足柄「ちょっと私、部屋に戻るわ…」ズーン
鈴谷「私も…」ズーン
提督「ちょ、お前ら…飯は…」
バタン
提督「ったく… 勿体ない…」ガツガツ
雪風「提督!足柄さんの残したコロッケ食べていいですか!」
龍驤「ええよ。全部食べ」
雪風「やったぁ!」パァァ
千歳「しかしそこまで凹みますかね…」グビ
龍驤「元々が元々やからな。プライドが高い分、ショックなんやろ」ガツガツ
提督「これを気に、慎んでもらう」ガツガツ
鳳翔「では、提督にもあんな風にしたら慎んでくれるのですかね?」ニコニコ
提督・千歳・龍驤「え?」
鳳翔「いや、もしも提督をあんな風に一度すれば、野菜の食べ残しもなくなるかな~なんて」ウフフ
提督 ゾワァァ
龍驤「提督、あんた…」ジトー
提督「残さずきちんと食べます…」グヌヌ
鳳翔「うふふふ♪野菜もしっかりとって下さいね」ニコ
龍驤「提督、あんた小学生か…」ハァ
千歳「雪風ちゃんでもきちんと食べていますよ」グビ
提督「はい。しっかり食べます」ガツガツ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
深夜 食堂
提督 プシュ ゴクゴクゴク
提督「ぷはぁ!やっぱ風呂上がりの一杯の為だけに生きてるって感じだなぁ!」クハァァ
提督 ゴクゴクゴク
ペタペタペタ
提督「ん?おぉ、足柄か。どうしたんだこんな夜中に」
足柄「アルコールが足りない…」ボソ
提督「お前なぁ…」
…………………
足柄 ゴクゴクゴク
提督「………………」
足柄 ゴクゴクゴクゴクゴクゴク
提督「………………」
足柄 ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク
提督「……………飲むなぁ」
足柄「うわぁったり前でしょぉう!」グラグラ
提督「はぁ… そんなにショックか」ゴクゴクゴク
足柄「ぇえ!!きたぶぁっかりの新じぃんに…ぶぅぉっこぼこにやられたなんて…ヒック …やぁってられないわよぉ!」ゴクゴクゴク
提督「お前、そっちは壁だぞ。誰に向かって話してんだ…」ゴクゴクゴク
足柄「ぬぁぁにぃ?」フラフラ
提督「みんな寝てんだからもうちょい静かに…」シー
足柄「しぃい!ずぅう!かぁぁにぃ!」フラフラ
提督「はぁ……」ダメダコリャ
ギュ
提督「なっ!?」
足柄「提督…」ギュウ
提督「ど、どうした。いきなり後ろから抱きつくとは……」
足柄「提督…」ギュウ
提督「ちょ……足柄…」
足柄「…………」ギュウ
提督「足柄…」
足柄「提督…………」ギュウウウ
提督「 !? ぐわぁぁぁぁギブギブギブギブ!!」バンバンバン!
足柄「提督ぅ…………」ギュウウウウウウ
提督「うぉぉぉぉ!足柄ぁぁぁ!首がぁぁぁぁぁぁ!!!」ギチギチギチ
足柄「とぅえいとぉくぅ……」ギュウウウゥウウウウウウ
提督「無理無理無理無理無理無理!!ギブギブギブギブギブギブギブ!!死ぬ死ぬ…」ギチチチチ
足柄「あすなろ抱きいぃ~」ヨレヨレ
提督「羽交い締めぇぇぇぇぇぇぇ!!」ギチチチチチチチ
足柄「提督ぅ…………………」ギュウウウウウウウウウ
提督「 」
足柄 ギュウウウウウウウウウウウウウウウ
提督「 」
千歳「アルコールが足りない~♪」ルンルン
千歳「って!?提督ぅぅぅぅぅぅ!?!?」ギャァァァ
………………………
千歳「提督!しっかり!!」ユサユサ
提督「………………ゴホッ」ビク
千歳「よかったぁ…生きてる…」
提督「………………」ビク ピク
千歳「痙攣してるけれど大丈夫かしら…」
足柄「ぐへぇらぁ~」
千歳「足柄さん、提督を殺害しようなんてまさか…」
足柄「とぅえいとくぅ~」
千歳「これはあの秘伝薬の出番ね」キラーン
うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
…………………
あきつ丸 部屋
あきつ丸 ビクッ!
あきつ丸「て、敵襲でありますか!?」アセアセ
バタン!
………………
食堂
あきつ丸「提督殿!!」ハァハァハァ
千歳「あら?どうしたのこんな夜中に」
あきつ丸「た、たった今 悲鳴のような声が聞こえてきたので、敵襲かと…」ハァハァハァ
千歳「あぁ、それなら心配いらないわ」
あきつ丸「え?」
提督 グッタリ
あきつ丸「!? て、提督殿!!」サササ
あきつ丸「提督殿!提督殿!」ユサユサユサ
提督「ぐぁ………」グッタリ
あきつ丸「千歳殿!これはいったい…」
足柄 グッタリ
あきつ丸「な!? 足柄殿まで!」
千歳「もう…仕方ないわね…」ハァ
あきつ丸「ち、千歳殿……」
千歳「私がやったのよ」
あきつ丸「な!?…ど、どういうことでありますか!!」
千歳「どうって、私がこれを飲ませて…」カラン
あきつ丸「な、それは毒薬!?それで二人を……まさか千歳殿がスパイであったなんて…」クッ…
千歳「ス、スパイ!?」アワアワ
あきつ丸「失望したであります!提督殿と足柄殿の敵討ち……覚悟しろ!」グワ
千歳「え、えぇ!?ちょ、ちょっと落ち着きましょう!」アワアワアワ
あきつ丸「このあきつ丸、陸軍で鍛えた近接戦は得意であります」スッ
千歳「ちょっとあきつ丸ちゃ…」アワアワアワ
あきつ丸「覚悟ぉ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌朝 食堂
あきつ丸「本当に申し訳ございませんでした!!」土下座
千歳「い、いいのよ!もう頭を上げて!」アセアセ
あきつ丸「いいえ!このあきつ丸、今回の失態は許されまじき行為。ここでしっかりケジメをつけようと…」スッ
千歳「あ、待って!待って!待って!」アワアワアワ
龍驤「早まるなあきつ丸!こんなとこで腹かっさばいたら食堂が血の海になる!!」アワアワアワ
あきつ丸「いえ、自分はもう決めたであります」スチャ
千歳「待って待って待って待って!」ギュウ
龍驤「命を大事にせぇな!」ギュウ
あきつ丸「離すであります!あきつ丸は!あきつ丸は!もう決めたのであります!」ウガァァ
千歳「たんこぶができただけなのだから、そんなことしなくていいわ!」ギュウ
龍驤「そやそや!千歳も怒ってないからもうやめような?」ギュウ
あきつ丸「いえ!それでは自分が納得できないであります!ここは一つ、切腹致します…」グヌヌ
千歳「誰か!助けて下さい!!」アワアワアワ
鈴谷「おはよう~。朝から騒がしい~ねぇ…」フワァ
鈴谷「って!何してるの!?」エェ!?
龍驤「ええから、はよあきつ丸を止めんの手伝ってくれ…腹切る言うて聞かんねん…」グヌヌ
あきつ丸「手を離すであります!」グヌヌ
鈴谷「と、とりあえず提督呼んでくる!」タッタッタ
………………
バタン!
鈴谷「提督!大変!!」ハァハァハァ
シーン
鈴谷「提督!提督!!どこ!!!」
シーン
提督寝室
バタン!
鈴谷「提督!まだ寝てるの!!大変なんだよって…」ヒィ
提督「 」
鈴谷「提督、どうしたのその首の痣!!まるで何かで縛られたような…」
提督「 」
鈴谷「ちょっと提督!起きてってば!」ユサユサ
提督「 」
鈴谷「て、提督?」ガタガタ
鈴谷「生きてるよね…返事してよ…」
提督「 」←深~い眠りについている
鈴谷「提督!提督ってば…」ユサユサ
鈴谷「まさか……殺人!?」ハッ
鈴谷「その首の痣はもしかして…」
…………………
龍驤「なんやて!?提督が死んでる!?」ハァ?
あきつ丸「そ、それは誠でありますか!!」
鈴谷「首に痣が!と、とにかくみんな来て!」
千歳(まさか……)
……………
龍驤「提督!提督!」ユッサユッサユッサ
提督「 」
あきつ丸「提督殿!提督殿!!」
千歳(痣ってまさかやっぱり…)
鈴谷「提督ぅ!提督ぅ!!」ポロポロ
龍驤「冗談が過ぎるで!なぁ!」ポロポロ
あきつ丸「ま、まさか…」クラァ…
千歳「あ、あの~…」
龍驤「なんや千歳…」ポロポロ
千歳「多分、生きてると思うのですが…」
鈴谷「でもこの首の痣!こんなに紫になってるからもう誰かが提督を殺したんだよ!」ポロポロ
千歳「ま、まぁ…絞めてたのは事実ですが…ただ提督は寝てるだけであって…」
龍驤「なんや千歳!あんた提督が殺されてるところみたんか!!」バッ
あきつ丸「誰でありますか!!」バッ
鈴谷「教えてよ千歳さん!!犯人は!」ポロポロ
千歳「え、えぇ……困りました…」アワワ
龍驤「誰が提督を絞めてたんや!」グワ
千歳「し、絞めてたのは足柄さんでしたが…命に別状は…」ボソボソ
龍驤「なんやて!?」
あきつ丸「ま、まさか!?」
鈴谷「嘘でしょ!?」
千歳「い、いえ…嘘ではないのですが、提督はまだ死んで…」アワアワアワ
あきつ丸「許さないであります…」ギロ
龍驤「まさか足柄が犯人やったとはな…」ギロ
鈴谷「……………ショックだけど許せない」ギロ
千歳「ちょ、ちょっと皆さん!?最後まで話を…」アワアワアワ
あきつ丸「行きましょう!龍驤殿!」グッ
鈴谷「うん!」グッ
龍驤「悲しいけど仕方ない……ほないくで!」
あきつ丸・鈴谷「はい!」
三人「「「裏切り者には死を!!」」」ドタドタドタ
千歳「ちょ、ちょっと皆さん~!最後まで話を~」アーレー …
ーーーーーーーーーーーーーーーー
提督「ん………」クワァァ
提督「はぁ…よく寝たって感じだな… 体が重い…」ハァァ
提督「って!こんな時間か!?ヤバいヤバい…」ササササ
……………
龍驤「待てぇぇ!足柄ぁぁぁ!!」ダッシュ
あきつ丸「止まるであります!」ダッシュ
鈴谷「この人殺しぃぃ!」ダッシュ
足柄「な、なんの話よぉぉぉぉぉ!!」ダッシュ
龍驤「あんたが提督を殺ったんわかっとんやからなぁぁぁ!」ダッシュ
足柄「だから何もしてないってばぁぁ!」ダッシュ
あきつ丸「逃げるのをやめるであります!観念しておとなしく軍法会議にかけられるであります!!」ダッシュ
足柄「だから何で!」ダッシュ
鈴谷「許さない…」包丁シャキン
足柄「あんたが一番怖いわよぉぉ!!」ヒィ
三人「待てぇぇ!」ダッシュ
足柄「ひぃ!誰か助けてぇぇ!」ダッシュ
…………
提督「みんなはもうとっくに起きてるよな… 早くいかんと怒られる」セッセ
助けてぇぇ
提督「おう?後ろから声がしたような…」ヒョイ
足柄「助けてぇぇぇぇ!!」ダッシュ
提督「おぉ!足柄!朝から元気だな!でもランニングするなら外で…」
足柄「助けてぇぇぇぇ!」涙目 ダッシュ
提督「ん?」
三人「待てぇぇ!」ダッシュ
提督「ふぁっ!?いったいどうしたんだ!?」
鈴谷「待てぇぇ!」包丁シャキン
提督「す、鈴谷ぁ!?」
足柄「提督!助けて!」ハァハァハァ
提督「どうしたんだいったい…」
三人「て、提督ぅ!?」キィィィ
龍驤「い、生きとったんか!?」
提督「はぁ?」
あきつ丸「ま、まさか幽霊なのでは…」
提督「はぁ??」
鈴谷「提督、今敵討ちを…その背中の女を渡して」スチャ
提督「危ない!こっち向けるな!」
提督「いったいどうなってんだ足柄…」
足柄「私もわからないわよ!」ハァハァハァ
千歳「待ってくださぁぁぁい」ゼェゼェゼェ
提督「どうした千歳、そんな汗かいて」
千歳「よかったです。目が覚めたのですね…」ゼェゼェゼェ
提督「???」
千歳「皆さん話を最後まで聞いて下さい!提督はこの通り死んでませんから!!昨日、酔っ払ったまま寝ちゃったんです!!」ゼェゼェゼェ
龍驤「な……」
あきつ丸「え…………」
鈴谷「うそ…………」カチャン
千歳「まったく皆さんはもう少し人の話を聞いて下さい!!」グワァ
龍驤「あははは…うちらの勘違いやったんか…」///
あきつ丸「誠に恥ずかしいであります…」///
鈴谷「恥ずい……」 ///
千歳「もう、今度からは気をつけて下さいね!もぅ」プンスカ
三人「すみませんでした…」ペコリ
足柄「はぁ…ただの勘違いだったようね…」ホッ
提督「俺、死んでたの?」
足柄「らしいわ。で、私がその犯人扱い」
提督「え?なんで」
龍驤「提督、あんた鏡みとらんのか」
提督「え?」
鈴谷「はい鏡」スッ
提督「??? どれどれ…な!?」
龍驤「な?すごいやろ?」
あきつ丸「気の毒であります…」
鈴谷「まだ首だからよかったじゃん」
提督「く、首が……俺の首が……」アワアワアワ
足柄「わ!?気づかなかったわ…」ウワァ
提督「紫になっとるだとぉぉぉぉ!?」ヒェェェ
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
執務室
提督 ドヨーン
龍驤「まぁそない落ち込まんでも痣は徐々に消えていくらしいから…」アハハハ
あきつ丸「そ、そうであります!例え首が紫であっても提督殿は提督殿であります!」
提督「これじゃあ他所にいけないよ…」ショボーン
龍驤「あんた緊急の会議とかあったらどうすんねん…」ハァ
提督「そん時は休む」
あきつ丸「さすがにそれはまずいであります…」
提督「じゃあそん時はあきつ丸が代わりにお願い」ショボーン
あきつ丸「な!?しょ、正気でありますか!?」
龍驤「あほぉ、アカンに決まっとるやろ」ベシン
提督「絶対こういう時に限って電話とかくるんだよなぁ…」ジー
龍驤「まさかぁ、そない電話見つめても何も…」
チリリリリリ…
あきつ丸「電話であります!」
提督「ほら」
龍驤「う、嘘やん!?」
チリリリリリ
あきつ丸「取らないでありますか!?」
提督「嫌だ…」
龍驤「いや、電話でな…大事な用やったら大変やで」ハァ
提督「じゃあ、代わりにあきつ丸が出て」
あきつ丸「じ、自分でありますか!?」
提督「もし、海軍のお偉いさんやったら提督は他の用件で席を外しているって言って。それ以外ならそのまま俺に変わって」
あきつ丸「え、えぇ…しかし…」オドオド
チリリリリリ
提督「早く出ないと切れちゃう!」
あきつ丸「ええっ!は、はい!」ガチャン
龍驤「あんた…クズやな…」ジトー
提督「嫌なんだもん…」
あきつ丸「も、もしもし…は、はい!自分は陸軍……ではなく、海軍のあきつ丸であります!……はい……はい……提督殿でありますか?」チラ
提督「誰?」
あきつ丸「女性の方です。おそらく海軍の大将殿ではなさそうであります」
提督「何!?女性だとぉ!よし出る!」バッ
龍驤「はぁ……」ヤレヤレ
提督「もしもし!ただいま変わりました!本鎮守府の提督であります!……………………あ……はい…………………………………………え、…………………………」
龍驤「あきらかにおかしい…」
あきつ丸「急に暗くなったであります」
提督「………………はい……………わかりました……いえ、しかし!………………………わかりました…」
ガチャ
龍驤「えらい電話出た時とは態度が違うけど誰やったんや?」
提督 チッ
あきつ丸「て、提督殿?」
提督「あきつ丸…ありゃ海軍だ……」
あきつ丸「そ、そうなのでありますか!?綺麗な声でしたので思わず提督殿の…」
龍驤「いや、提督は独身やからそれはない」
あきつ丸「あ……」
提督「相手はあきつ丸といっしょの艦娘だ」ハァ
あきつ丸「そ、そうなのでありますか!?」
提督「ただ、普通の艦娘じゃない…」
あきつ丸「どういうことでありますか?」
提督「彼女は実践よりも内務を担当している…しかも、大将クラスの仕事。言うなれば秘書艦のトップだ…」
あきつ丸「な…そんなすごい方とは…」
龍驤「提督ぅ~。さっきは女の声やってわくわくしてたのにな~。お目当ての人やったか~」ニヤニヤ
提督「くそっ… あいつには一番会いたくなかった……よりによって何で電話なんか…」チッ
龍驤「はは~ん。あの女か~」ニヤニヤニヤ
提督「そうだよ……」ハァ…
提督「大淀だ…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その晩 食堂
足柄「で?用件はなんだったの?」ゴクゴクゴク
提督「資材をわけろと」チッ
足柄「またぁ!?私達もなめられたものね」ハァ
提督「今度こそ阻止しないとな… これ以上とられたら、俺たちの生活が厳しくなる」ゴクゴクゴク
足柄「はぁ… 私達が死に物狂いで集めたっていうのにね…」
提督「すまない…」
足柄「で、いつとりにくるの?」
提督「来週だとさ。それともう一つ…」
足柄「?」
提督「また一人うちに流れてくる」ゴクゴクゴク
足柄「へぇ~。うちに流れてくるってことは相当やらかしたやつね」ハハハハ
提督「本当だな。しっかし、人が増えるってのに資材は持っていくなんてどんな脳ミソしてんだっつーの」ゴクゴクゴク
足柄「本当ね」ゴクゴクゴク
千歳「あら、提督と足柄さん。もう飲んでらしたんですか」
提督「あぁ」
千歳「今夜はほどほどにして下さいよ?足柄さん」キュ キュ キュ
足柄「はいはい。わかってますよ~」
千歳「そう言えば最近、お二人でいることが多いですね」コポコポコポ
提督「そういや…そうだな」
足柄「そうね~。でも、夜中にここにくるのって私と提督とあなたぐらいじゃない」
千歳「まぁ、確かにそうですね」グビッ
提督「まぁ、足柄と酒を飲みながら話すのはおもしろいしな」ゴクゴク
足柄「あら、嬉しいこと言ってくれるわね」
千歳「昨日は足柄さんが提督を抱き締めてましたもんね」グビッ
足柄「え!?」カァァ///
提督「どういうこっちゃ!?」ブハァ
千歳「えぇ。でも最後に提督は泡吹いて倒れましたが」
提督「ちょっと待て。まさかこの首の痣って…」
千歳「私、龍驤さん達に言ってませんでしたっけ?」アレ?
提督「聞いてない」
足柄「そ、そんな…」///
千歳「べろんべろんに酔った足柄さんが提督を後ろからハグ(羽交い締め)してましたよ」グビッ
提督「犯人はお前だったのか…」ハァ…
足柄「そ、そんな!私ったら……全然記憶にないわ!」オロオロ
千歳「足柄さん、とても幸せそうな顔でしたよ?」ニヤニヤ
足柄「きゃぁぁぁ!これ以上言わないでぇぇ!!」カァァ///
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日
あきつ丸「一日よろしくお願いします!」ビシ
提督「相変わらずきっちりだね…」ハハハハ…
あきつ丸「しっかりとケジメをつけないとであります」
提督「流石だな… ま、秘書艦よろしく~」
あきつ丸「では、何をすればよろしいでありますか」
提督「そうだな~…」ウゥン
提督「書類整理とかはだいたい片付いてるしなぁ…はっきり言ってやることないんだよな~」
あきつ丸「そんな…………」ガーン
提督「あ、じゃあ将棋しよっか」
あきつ丸「しょ、将棋でありますか!?仕事中でありますぞ!?」エェ!?
提督「することないしやろーぜ。ルールとかはわかるか?」ジャラジャラ
あきつ丸「え、えぇ…陸軍でも何度かしたことがありますので…」オドオド
提督「よし!じゃあさっそく。よろしくお願いします」ペコリ
あきつ丸「よ、よろしくお願いします」ペコリ
…………30分後
あきつ丸「王手であります」ピシャ
提督「な!?」
あきつ丸「次は提督殿の番であります」
提督「う、うぅむ… 」ピシャ
あきつ丸「また王手であります」ピシャ
提督「ぬあっ!?」
あきつ丸「提督殿の番であります」
提督(う、嘘だろ……どこに逃げても確実に殺られる!!)
提督「ま、参りました」ペコリ
あきつ丸「ふぅ… ありがとうございました」ペコリ
提督「なかなか強いな」
あきつ丸「いえいえ!たまたまでありますよ~!」
提督(嘘だ。絶対嘘だ)
提督「もう一度お願いしてもいいか?」
あきつ丸「はい。大丈夫であります!」
……………20分後
あきつ丸「王手であります」ピシャ
提督「ぬあっっっ!?」
あきつ丸「提督殿の番であります」
提督(まただ……)ヒック…
提督「参りました…」ペコリ
あきつ丸「ふぅ……ありがとうございました」ペコリ
提督(なぜだ……)グヌヌ
提督「すまん。もう一度お願いしてもいいか?」
あきつ丸「はい!」
……………10分後
あきつ丸「王手であります」ピシャ
提督「まただぁぁぁぁぁぁ!」ドヨーン
ーーーーーーーーーー
龍驤「提督~、任務完了やで~…」
雪風「ただいま戻りました!」
千歳「今回も異常なしね」
提督「そ、そうか。お疲れさん…」ゲッソリ
龍驤「どないしたんや… って、将棋してたんかいな。自分の部下が戦場で頑張ってるっちゅうのに…」ヤレヤレ
提督「戦場って、そんなたいそうなものじゃないだろ…」
千歳「確かにそうですね~」
龍驤「で?あきつ丸とやったんやろ。提督強いやろ~」
あきつ丸「え!?え、えっと……」モジモジ
龍驤「なんやなんや恥ずかしがらんでもええで!うちもぼろ負けやったから!」ハハハハハ…
あきつ丸「え、えぇ…その……」アワワワ
龍驤「どうした?」
提督「俺の完敗だ…」ガク
龍驤「え…」
あきつ丸「じょ、上官に勝利するなど失礼きまわりないでありますよね!つ、つい 夢中になってしまったであります…」カァァ///
龍驤「はぁ~…」オォー
あきつ丸「申し訳…」
龍驤「そうかそうか!さすがあきつ丸や!」ガハハハハ
あきつ丸「え…」
千歳「そうですよ~!提督より強いなんてプロじゃないですか!」
雪風「かっこいいです!」
あきつ丸「い、いえ…それほどでも…」///
龍驤「提督、これで不敗神話は終わったな!」
提督「まったくだ…予期せぬ刺客だった…」ハァ
龍驤「ほな、うちらは戻るわ~」
千歳「失礼しました」
雪風「失礼しました!」
バタン
提督「将棋のやり方が将校殿と似ていたような気がしたけど、いっしょにやってたのか?」
あきつ丸「はい。将校殿は将棋が好きな方でありますので」
提督「確かにな。俺が将棋覚えたのもあの人からだもんな~」
あきつ丸「そうなのでありますか!?」
提督「あぁ。俺がまだあっちに……まぁ、まだ若い時だ。将校殿が俺を見つけて 将棋やらないか!? ってきたけど、やり方なんか知らないから できません って言ったら、そのあとみっちり六時間ぐらい教え込まれたよ」ハハハハ
あきつ丸「将校殿らしいであります」クスクス
提督「………」ジー
あきつ丸「ど、どうされたでありますか?」
提督「いや、最近笑うようになってきたな~ってな」
あきつ丸「そ、そんなこと!」///
提督「着任してから比べたら結構緩くなってきてるぞ。なんせ最初が最初だったからな…」
あきつ丸「で、では以後気をつけて…」
提督「いやいやいや!別に笑うなってわけじゃないんだ!むしろ笑ってる方が楽しいしいいだろ?」
あきつ丸「しかし…」
提督「あいつらなんか、腹抱えて暴れまわるぐらい爆笑してんだ。もっとあきつ丸ものびのびしていいんだぞ?」
あきつ丸「そうでありますか…」モジモジ
提督「ま、慣れたらああなるから安心しな。あ、でも足柄みたいにだらしないのはやめときな!もっとおしとやかに鳳翔さんみたいな感じがいい」ウンウン
あきつ丸「なっ……て、提督殿……」ガクガクブルブル
提督「ん?どうした?」
あきつ丸「う、後ろであります!」ガクガクブルブル
提督「後ろ?」ヒョイ
足柄「誰がだらしないですって………」グルルルル
提督「あ、足柄!?」ヤバ!
足柄「人が親切にお茶を入れてあげたと思えば…あなたは……」ピキッピキッ
提督「す、すまん!この通りだ!」土下座
足柄「覚悟しなさい……」グルルルル…
提督「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!…」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
食堂
鳳翔「あら!どうなさったのですかその顔の傷は!?」
提督「あ、これですか…」ズキズキ
龍驤「執務室で何したらそないなんねん…」
千歳「痣だらけじゃないですか…」
鈴谷「痛そう」
提督「まぁな…」
足柄「ホント、情けないわね」フン
あきつ丸「あははは……」
鈴谷「何かすごい怒ってない?」ヒソヒソ
千歳「足柄さんと何かあったのでしょうか」ヒソヒソ
龍驤「さぁ~。でもなんかいつもと雰囲気ちゃうな」ヒソヒソ
提督「そういや雪風はどこいった?」アレ?
千歳「雪風ちゃんなら、先に寝ました。どうやら今日は疲れたみたいで」
提督「おぉ、そうか。まぁ、寝るこは育つからいいことだ」
鳳翔「しかし提督、とてもつらそうですね…私が湿布を張り替えましょうか?」
提督「いや、大丈夫です!さっき貼ったばかりなんで」
鳳翔「しかし…」
足柄「別にいいんじゃない?本人も大丈夫っていってるんだし」ムス
龍驤「やっぱり何かあったな」ヒソヒソ
千歳「ですね」ヒソヒソ
鈴谷「喧嘩?」ヒソヒソ
足柄「…………」
シーン
龍驤(やば。この空気はあかん)
千歳(誰か…)
鈴谷(やばい…重い……)
あきつ丸「し、しかし。今日の夕食はまっこと美味しいでありますな!」アセアセ
龍驤(ナイスあきつ丸!)
龍驤「お、おぉ。そうやな!鳳翔、なんか変えたんか?」アセアセ
鳳翔「へ? あ… えぇ!少し味を変えてみたのですよ!」アセアセ
鈴谷「やっぱり!いつもより美味しいな~って思ってたんだ~」アセアセ
千歳「に、日本酒がすすみますね!」アセアセ
提督「そうか?いつもと変わらない味だと思うぞ?……」ウーン
全員 ジトー
提督「な、なんだよ皆して…」
あきつ丸「提督殿……」
龍驤「ほんまに提督は…」ハァ…
鈴谷「そういうのが残念だよね…」ヤレヤレ
提督「な、なんの話だ!?」
足柄「ご馳走さまでした!」バン
鳳翔「あ、は、はい!」アセアセ
足柄「私は部屋に戻るわ」ノシノシノシ
……
龍驤「なぁ提督。足柄と何かあったんか?」ガツガツ
提督「な、お前なんでそれを!?」ブハッ
鈴谷「だって足柄さんの態度がおかしかったもん」
鳳翔「喧嘩ですか?」
あきつ丸「提督殿。正直に言った方が…」
提督「えぇ… まぁ、そうだな……」
カクカクシカジカ…
鈴谷「そりゃ怒るよ!」ハァ…
龍驤「タイミングが悪かったな」ヤレヤレ
千歳「もっと回りを見ましょうよ…」
鳳翔 カァァ///
提督「まさか本人がいたとは思ってなかったからな… 悪いことをした…」
あきつ丸「自分ももう少し気をつけていれば……」
龍驤「いや、あきつ丸は関係ないやろ」
鈴谷「うん。落ち込まなくても…」
千歳「足柄さんには誤ったのですか?」
提督「あぁ、何度も誤ったんだがな…」ショボーン
龍驤「こりゃ時間の問題やな…」
鈴谷「許してくれるまで待たないと」
提督「そうか……」ハァ…
鳳翔「あ、あの…提督…」///
提督「どうしたのですか?」
鳳翔「提督は私をそのように思われていたのですか?…」カァァ///
提督「え?あぁ… はい。鳳翔さんみたいに気品のある方は美しいと思いますので」サラ
鳳翔「まぁ!」ドキューン!
龍驤「あんた… そないことは平気で言うんやな…」
鈴谷「鳳翔さんが!倒れた!!」アワワワ
千歳「大丈夫ですか鳳翔さん!」ユサユサ
あきつ丸「鳳翔殿!!」
鳳翔「幸せ……」トローン
提督「だ、大丈夫ですか!?」
龍驤「やれやれ」ハァ…
ーーーーーーーーーーーーーー
深夜 食堂
提督 プシュ
提督 ゴクゴクゴク
提督「がはぁ!うまい!!」
千歳「提督はいつもビールですね」グビッ
提督「まぁな。一番うまいし手っ取り早く飲める」ゴクゴクゴク
千歳「日本酒とか他のお酒は飲まないのですか?」グビッ
提督「う~ん。ビールで満足だから今のところはないな~。そう言う千歳だって日本酒しか飲んでないんじゃないか?」
千歳「私はビールじゃアルコールを満たせませんので」グビッ
提督「お、おぉ……そうか……」ワァ…
千歳「それにしても足柄さん。あんなに怒るのは初めてですね」
提督「そうか?」ゴクゴクゴク
千歳「はい。いつもは軽く流すぐらいなのに、今日はやけにねに持ってる感じでした…」グビッ
提督「そう言われてみればそうだな…あんなに怒られたのは初めてだ…」
千歳「きっと深い理由があるんでしょうね…」グビッ
提督「そうかな…」ゴクゴクゴク
あきつ丸「あ、提督殿」ビシ
提督「おぉ、珍しいなこんな夜中に… あ、いちいち敬礼はいいから」
あきつ丸「は!癖でついやってしまうのであります…」
提督「そ、そうか。まぁ仕方ない」
千歳「何をしにきたの?」
あきつ丸「特に理由はないのでありますが… ただ喋り声が聞こえたので…」
提督「なんだそう言うことか。じゃああきつ丸も飲むか?」
あきつ丸「い、いえ!自分は…」
千歳「いいじゃない!今は勤務外なんだし~」ハイ
あきつ丸「そ、それでは…失礼します…」
提督「あきつ丸は日本酒派か~」ホー
あきつ丸「たまにですが、将校殿も飲んでおられたので」グビッ
千歳「いい飲みっぷりね~」グビッ
提督「なんか意外だな」
……
あきつ丸「提督殿~」ダラーン
提督「なんだどうした……」
あきつ丸「自分はもううんざりであります~」ベロベロ
提督「何がだ?」ハァ
あきつ丸「も~っと出撃したいでありま~す!」ベロベロ
千歳「あららぁ…」
提督「まさかとは思ったが…あきつ丸はそっちの方だったのか…」ガク
千歳「もう普段の感じが嘘のようね…」アハハ…
あきつ丸「聞いてますか提督殿~!」グビッ
提督「はいはい聞いてます聞いてます」
あきつ丸「自分あきつ丸はも~っと戦果を ヒック あげたいで~ありま~す」ベロベロ
提督「わかった。じゃあ明日からそうするから… そろそろ飲むのやめないか?」
あきつ丸「何を言うでありますか!誘ったのは提督殿でありますよ~」ヒック
提督「そうだが…酔いすぎだぞ。まるで足柄みたいだ…」ヤレヤレ
あきつ丸「足柄殿でありますか~?」ヒック
提督「あぁそうだ。あいつも飲んだらお前みたいになる」
千歳「提督もたまにそんな感じになりますよ?徹夜明けのやけ酒とかで」
提督「まじか…何かすまんな…」
千歳「いいえ~♪」ウフフ
あきつ丸「あきつ丸は……だんだん……眠くなってきたであります……」ウトウト
提督「え…ちょいちょい!ここで寝るな!!」
あきつ丸「おやすみなさいであります…」zzz
提督「ちょい!あきつ丸!!起きろ!!!」ユサユサ
あきつ丸 スピーzzz
千歳「ありゃ~、これは完全に寝てますね」アラアラ
提督「まったく…」ハァ
千歳「でも本当に意外ですね。まさかあのあきつ丸ちゃんがこんなになるなんて」
提督「確かに意外だ。まぁ、日頃あんなにしっかりしてたら疲れるんだろう。さて、こいつをどうする」
千歳「部屋に送ったらどうですか?」
提督「千歳お願いできるか?」
千歳「えぇ~。私は女の子なんですから、ここは力持ちの提督でしょ~」グビッ
提督「俺が?しかしだなぁ、部屋に男が入って大丈夫なのか?」
千歳「いいでしょ。だって仕方がないのですから。それに夜中なんですから、みんなに見られることもありませんし」
提督「そうかい…わかったよ…」ハァ
ヨイショ
あきつ丸 スピーzzz
提督「本当に起きないな」
千歳「お姫様抱っこですか。提督もやりますね~」ウフフ
提督「はぁ?寝てたらおぶれないだろ。んじゃ、行くわ」
千歳「お気をつけて~」グビッ
……………
足柄「アルコールが足りないわ…」ハァ
足柄「それにしても、少し提督にはやりすぎたかしら…」ハァ
足柄「でも悪いのは提督なんだし、私は別に悪くなんか」イガイガ
足柄「はぁ…どうしよう…」
………………
提督「あきつ丸の部屋はどこだったかな」エート
あきつ丸 スピーzzz
提督「しかし本当に起きないな…」
あきつ丸 スピーzzz
提督「はぁ…部屋の場所さえはっきりわかればすぐなのになぁ…」ドコダ…
あきつ丸「ムニャ…」
提督「おう?」
あきつ丸「将校殿…自分は海軍で立派になって…必ず戻るであります……ムニャ」zzz
提督「寝言か。しかし、大したものだ。寝言でも敬語だ」
提督「あ、この部屋か。おーいあきつ丸、ついたぞー」ユサユサ
あきつ丸 スピーzzz
提督「まったく……入るからな」ガチャ
足柄「提督?……」
提督「うわぁぁぁ!?!?」ビク
足柄「な、何よ!?」ビク
提督「急に話かけるな!心臓が止まるかと思っただろ!!」ハァハァハァハァ…
足柄「な…私はただ話かけただけじゃない!って、それよりあなた。何こんなところでこそこそと……な!?」
あきつ丸 スピーzzz
足柄「そ、その子!?なんで!?」
提督「あぁ、あきつ丸か。さっき飲んでたんだけど、ベロンベロンに酔ってぶっ倒れたから、俺が部屋まで送り届けてる」
足柄「な、なるほど…」
あきつ丸 スピーzzz
足柄「それにしてもその子も、こんな一面があるとはねぇ… 意外だわ」
提督「そうだよな。全てがきっちりしてると思っていたが、まさかこんな一面があるとはな」
足柄(お姫様抱っこ…)ムッ
提督「この部屋はあきつ丸のであってるか?」
足柄「羨ましくなんか……」ムス
提督「はい?」
足柄「はっ!?私ったら」カァァ///
足柄「えぇ、あってるわよ」
提督「そうか。そんじゃお邪魔しまーす」
ガチャ
提督「さすが、部屋は片付いてるな」
あきつ丸 スピーzzz
提督「ほれ。自分のベッドだ。ここで寝ろ」ドサ
あきつ丸 スピーzzz
提督「本当に起きないな…ま、無事届けれたことだし。おやすみ~」
バタン
提督「さて、俺もそろそろ寝るかな~」フワァ~
足柄「ちょっと…」
提督「ん?どうしたの?」
足柄「ちょっと私の飲みに付き合いなさいよ」
提督「えぇ!?今から!?もうこんな時間だし明日に…」
足柄「私とは飲めないって言うの?」ツン
提督「あぁ……わかったよ…一杯だけな…」ハァ
足柄「そうこなくっちゃね!」
………………
翌朝
鈴谷「で、提督がそんなにもしんどそうなわけなんだ…」ヤレヤレ
提督「ぐぅ…頭がガンガンなってやがる…」イテテテ
鈴谷「でもさ~、足柄さんと仲直りできてよかったじゃん」
提督「まぁな… 本人も許してくれてそうだったし…すまん、水くれないか」イテテテ
鈴谷「はいはい」ヨイショ
ダダダダダダ
千歳「提督大変です!!」バタン!
鈴谷「わっ!?びっくりした…」ドキ
提督「うぅ…すまんがあまり大きな音を出さないでくれ……」イテテテ
千歳「す、すみません!」ゼェゼェゼェ
鈴谷「で、何が大変なの?」
千歳「そうでした!提督!あきつ丸ちゃんが!……」
提督「あきつ丸が???」
…………………
あきつ丸「自分は!今度こそ覚悟をきめて腹を!」シュキーン
龍驤「待て待て待て!!!早まるなあきつ丸!!」オロオロ
鳳翔「そ、そうよ!そんなことしちゃ…」オロオロ
あきつ丸「自分は決めたのであります!昨夜の失態を改めるためにも自分は!」グヌヌ
鳳翔「は、早まらないで!」グッ
あきつ丸「鳳翔殿!その手を離すであります!!!」グヌヌ
龍驤「そのドスをいったん置かんか!」グヌヌ
あきつ丸「龍驤殿も手を離すであります!これはもう決めたことであります!」グヌヌ
ドタドタドタ
提督「どうした!?」
鳳翔「提督!!ちょうどいいところに!」グヌヌ
龍驤「また腹を切ろうとしとるんや!止めてくれ!」グヌヌ
あきつ丸「離すであります」グヌヌヌヌ
提督「待て待て待て待て!!どうして切腹なんか」
あきつ丸「昨夜の提督殿への失態であります!」
提督「………はい?」
あきつ丸「自分は気のゆるみで泥酔してしまい、提督殿にご迷惑を… ですので、腹を!」グヌヌヌヌ
提督「いやちょい待て。そんな理由?」
あきつ丸「はい!情けない理由であります!ですが軍人たる者、司令官殿の前で泥酔、それに司令官殿に部屋まで運ばれたなどと…決してあってはならないことであります!それにこれはもはや軍人としての片隅にもおけないも同然であります!よって自分は切腹を!」
千歳「提督…恥ずかしくないですか?」ヒソヒソ
提督「恥ずかしい…」///
鈴谷「さっきまで飲みすぎたどうのこうのって言ってたしね~…」ヒソヒソ
千歳「提督もいっしょに切腹します?」ヒソヒソ
提督「ぬ……そんな勇気ない…」///
鈴谷「やれやれ…」ハァ
龍驤「ちょいあんたら!そこで突っ立っとらんで止めるの手伝ってーな!!」グヌヌ
千歳「あ、はい!」ハッ
提督「あきつ丸…」ギュ
あきつ丸「なっ!?」ドクン
千歳「へ!?」ワッ
鈴谷「うわ…」ポカーン
鳳翔「まぁ!?」キャ
龍驤「あ、あんた何して……」ポカーン
提督「あきつ丸…すまない………」ギュウ
あきつ丸「て、提督殿!?……」アワワワ
提督「申し訳ない……俺がもっとしっかりしていれば……」ギュウ
あきつ丸「て、提督殿!?そ、そんな…」アワワワ
提督「全部俺が悪い……」ギュウ
あきつ丸「いえ、そんな…自分はただ……」ポロポロ
提督「すまない……」
鈴谷「抱きしめちゃったよ…」ヒソヒソ
千歳「まさかびっくりです…」ポカーン
龍驤「見てるこっちが恥ずかしいわ」
あきつ丸「提督殿…もう…やめて下さい……」ポロポロ
提督「すまなかった。本当にすまなかった…」
あきつ丸「提督殿……」ポロポロ
龍驤「ちょい待ち、なんか前もこんなんなかったか?」アッ
千歳「あ、そう言われてみれば…」
鈴谷「確か、帰れなくなった時だったっけ?」
千歳「あぁ~、ありましたね~」ポン
龍驤「せや。何か提督の言うてること、そん時とほとんどおんなじような気がすんやけど…」
千歳「………あ!確かに!!」ポン
鈴谷「言われてみれば…」
龍驤「まさかこいつ…」
あきつ丸「も、もういいです…提督殿……」ポロポロ
提督「駄目だ。俺はあきつ丸が泣き止むまでこのままでいる」
あきつ丸「そ、そんな…でないと…自分は……自分は…………」ポロポロ
鈴谷「膝から崩れちゃったよ…」
千歳「いっしょですね…」
龍驤「やろ?土下座がハグに変わっただけや…」ハァ
鈴谷「何か可哀想…」
鳳翔「…………」ジー
龍驤「なんや鳳翔?そんな怖い顔して 」
鳳翔「まだ私は提督に一度もしてもらってないのに…」ボソボソ
龍驤「? 」
千歳「何だか可哀想なので止めましょうか…」
鈴谷「そだね」
……………………
あきつ丸「ご迷惑をおかけしました」バッ
千歳「大丈夫よ。気にしていないから」ニコ
龍驤「でも、今度からはもうやめてや…」ハァ
提督「そうだぞ。金輪際、ことあるごとに切腹しようとするのは禁止だからな」
あきつ丸「はい…」シュン
提督「よし」
龍驤「ちょい、今一瞬あきつ丸がなんか残念そうな顔してなかったか?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
太平洋上空
パイロット「到着まで後4時間です。と言っても燃料補給の中継地なんで、実際にはそこで数日はすごしてもらいますね。どうやら台風ができたみたいなんで飛べそうにないです」
???「oh…まだまだありまーす…」
???「我慢して下さい」
???「お尻が痛くなってきたねー…」
???「ハテナ…必要ですかね……」
???「何がですかー?」
???「喋りが独特すぎて、隠せていないです」
???「問題ナッシング!!!」yeh!
~~~~~~~~~~~~~~~
提督「ハアクション!!」ズビィ
足柄「あら?風邪?」
あきつ丸「大丈夫でありますか?」
提督「さぁな… 何か嫌な予感がする…」ブルブル
あきつ丸「提督殿、今度新しく着任する艦娘はどうやら海外出身のようであります」ペラ
足柄「あら本当ね。私、英語できないわ」
提督「俺も皆無」ズビビ
あきつ丸「自分もであります…」アハハ…
提督「嵐の予感だ…」ブルブル
~
~~~~~~~~~~~~
あきつ丸「提督殿、いったい何処へ行くのでありますか?」ヨイショ
提督「まぁちょっとそこまで」ヨイショ
龍驤「なんでうちらも一緒やねん…」ハァ
鈴谷「ぎゃあ!?」ビク
千歳「どうしましたか鈴谷さん!?」
鈴谷「むむむむ虫!!虫!!!頭に!」アワワワ…
足柄「あら本当ね。じっとしてなさい」ポイ
千歳「足柄さんは虫が平気なんですね」
足柄「まぁね。部屋によくゴキブリもいるから慣れっこよ」
雪風「蝶々です!司令!!」キラキラ
提督「くそ…草が多いな…」バサッバサッ
あきつ丸「随分と森の奥に来たようでありますが…」ヨイショ
龍驤「なんで海の艦娘がジャージ着て森を歩いてんねん…」ハァ
千歳「なんだか陸軍みたいですね」ヨイショ
あきつ丸「確かに訓練と似ているであります」
鈴谷「げっ!?こんなに虫がいるのに!?鈴谷もう帰りたーい」泣
足柄「ほら、だらしないわよ鈴谷」
鈴谷「鎮守府に戻りたいよー」泣
提督「もうそろそろのはずだが…」バサッバサッ
あきつ丸「開けてきたであります」
鈴谷「鎮守府に帰ってきた!?」
ガラーン
足柄「いや、ここは……」
千歳「何にもありませんよ?」
提督「ついたー!!」ウゥーン
龍驤「え?着いたって、ただの広い雑草まみれの空き地やん」
千歳「結構広いですね」オー
雪風「この草、雪風と同じ背の高さです!」
鈴谷「まだ帰れないの~…」ウワーン
足柄「提督、ここがどうかしたの?」
提督「よし!皆各自これを持て!」バサ
あきつ丸「? 手袋と…円匙でありますか?」
足柄「私もスコップ?」
千歳「私は……鎌?」
雪風「雪風もスコップです!」
鈴谷「帰りたい…」グズ
龍驤「鎌や…提督、まさかやけど……」
提督「今からここの草を掃除する!!」ドドン!
全員「「はいぃぃぃぃぃぃ!?!?」」
龍驤「こ、ここ全部か!?」
提督「そうだ」ウム
足柄「何言ってるの!?こんな小さいスコップと鎌でこんな広い範囲の草を刈れって言うの!?」
提督「そうだ」ウム
千歳「ブルドーザーとか重機類は…」
提督「うちのどこにそんなものがある!」
龍驤「アホな!?全部手作業!?」
提督「そうだ」ウム
足柄「はぁ…頭がおかしくなってきた…」
千歳「私も目眩が…」ウゥ
提督「サボったら晩飯抜きな」
足柄 チッ
千歳「はぁ……」ヨイショ
あきつ丸 セッセ セッセ セッセ
雪風 セッセ セッセ セッセ「あ!バッタです!」
提督「お前ら!あきつ丸と雪風を見ろ!もう黙々と作業を初めているぞ!お前らも見習え!!」
足柄「いや、そこの二人は…ね?」
龍驤「まぁ…特殊って言うか…」
千歳「でもすごい真剣…」
鈴谷「帰りたいよ~」ウゥーン
提督「ここ終わらせないと帰れないぞ」
鈴谷「そんなぁ!なんでよ!なんでこんなことするの!!」泣
龍驤「ほんまに…何でこんな鎮守府から離れた空き地を掃除しなあかんねん…」ハァ
提督「そりゃここを使うからだ」
足柄「新しい宿舎ができるのかしら?」
提督「違う。 滑走路だ」
全員「「滑走路??」」
提督「あぁ」ウム
千歳「確かに言われてみれば…」
龍驤「やたら地面が真っ直ぐのような…」
足柄「滑走路なんか作って、誰が使うのよ」
提督「そりゃぁ…まぁ色々だ」
龍驤「なんやそれ…」ズコ
提督「俺だってこんなことしたかねぇよ!でも…」
千歳「でも?」
提督「お上が滑走路を綺麗にしとけって命令が…」ハァ
足柄「上層部からなのね…」
龍驤「んでまた、滑走路作れ言う割には重機とかの支援もないんかいな」
提督「あるわけないだろあいつらにそんな優しさ」
足柄「本当にどうかしてるわ…」ハァ
千歳「ではやるしかないですね…」ヨイショ
提督「ほんと…どうにかならないかな」ザク ザク
あきつ丸 セッセ セッセ セッセ セッセ
雪風「蛙がいました!」キラキラ
提督「まったく…急に言われても困るってのに…」ザク ザクザク
…………
ザクザクザクザクザクザク
提督「はぁ…」ザクザク
龍驤「んなアホな…」ザクザク
足柄「腰が痛くなってきたわ…」ウーン!
千歳「どれくらい刈りました?」ヨイショ
提督「そうだな……1/100ってとこか?」ハァハァハァハァ
鈴谷「えぇ!?まだそんだけぇ!?」ハァハァハァハァ
龍驤「これじゃうちらはおばさんになってまうで…」
あきつ丸「ふぅ…提督殿、何か方法を考えないとであります」ハァハァハァハァ
提督「そうは言われてもなぁ…」ウーン…
足柄「手作業じゃ絶対無理よ」ハァハァハァハァ
千歳「草刈り機とかありませんでしたっけ?」
龍驤「うちは見たことないなぁ」ウーン
提督「そうだな……」ウーン
提督「あ。 爆撃でもするか?」
千歳「それいいですね!一気にさっぱりしますよ!」
龍驤「いや、絶対あかんやろ。滑走路がボコボコになって再起不能やで」
千歳「あ…確かに…」
提督「方法……」ウーン
あきつ丸「除草剤をまいてはどうでありますか?」
足柄「なるほどね!それなら地面を傷つけずに一気に片付くわね」ポン
千歳「いいじゃないですか!」
龍驤「確かにいい考えやな」ウンウン
提督「で、どこに除草剤なんかあるんだ?」
全員「「………………………」」
あきつ丸「そうでありました……」シュン
龍驤「今すぐ準備できへんのかいな?」
提督「離島だからすぐには届かんだろうな。それに……」
足柄「それに?」
提督「こんな広大な面積にまく除草剤を買い占めたらいくらになるんだか…」ハァ
千歳「た、たしかにそうですね…」アラァ…
龍驤「じゃあどないするんや!」ウワァー
全員「「ウーン………………」」
~~~~~~~~~~~~~~
中継地
金剛「oh~…さすがに疲れたですネー…」ウーン
大淀「台風が過ぎるまでは待機だそうです」
金剛「それならゆっくりできるネー!」ヤッター
大淀「気を抜いはいけません。ここら辺の台風は本土より勢力が桁違いなんですから!」
金剛「oh そんなにすごいのですカー?」
大淀「はい」キッパリ
金剛「それは楽しみデース!!」yeh!
大淀「え?……えぇ……え? え? え?」ハイ?
~~~~~~~~~~~~~~~
滑走路 建設現場
龍驤『こっちは準備できたでー!』ザザ
千歳『こちら千歳も完了です!』ザザ
雪風『雪風もできました!』ザザ
提督『よーし。了解』ザザ ピッ
足柄「まさか全部燃やすなんて…中々大胆なことを考えるわね」
あきつ丸「確かに地面を傷つけずに一気に掃除はできるのでありますが…」
提督「まぁ、これぐらいしか方法はないだろう。古くなった重油もあったことだし」
足柄「まぁ確かに楽ではあるわね」
鈴谷「早く帰りたいよ~」グダー
ヒュュュ…
あきつ丸「少し風が出てきたでありますな…」
提督「なんか台風が新しくできたらしいな」
鈴谷「えぇ!?またぁ!?」
足柄「今度も避けてくれればありがたいわね」
提督「そうだな。まだ今年は一度もあたってないからな」
足柄「去年みたいになるのはこりごりだわ」ヤレヤレ
あきつ丸「そんなにもひどかったのでありますか?」
足柄「ひどいってもんじゃないわよ!危うく鎮守府まるごとぶっ飛ぶところだったのよ」
あきつ丸「そ、そんなにもでありますか!?」ギョッ
提督「去年は窓ガラスとかがほぼ全部やられた。その他もろもろとか屋根だって一部吹っ飛んだんだぞ?」
あきつ丸「恐ろしいでありますな…」
提督「だから早くこの草をどうにかして刈らないと台風がきたら作業ができなくなる」
鈴谷「あ、雪風ちゃん達が戻ってきた」
………………
提督「しっかりまいてきたか?」
千歳「はい!」
雪風「しっかりとまきました!」
龍驤「めっちゃ燃えると思うで」ウム
提督「んじゃ、後は点火だけだな」サッ
シュ ボッ!
提督「んじゃ、火つけるからな~」スッ
ボワッ!!
雪風「わっ!いきなり火が大きくなりました!」
龍驤「おぉ…さすがよう燃えるなぁ」
足柄「これならすぐに燃え尽きそうね」
提督「後は待つだけだ」ヨイショ
鈴谷「暑い…」フー
あきつ丸「提督殿、他にすることはないでありますか?」
提督「あぁ、ないな。俺はこの火が燃えすぎないように見張るけど」
鈴谷「じゃあ、鈴谷は戻っていい?」
提督「あぁ、別にかまわん」
鈴谷「やったぁ!じゃあ戻りま~す!」ササッ
龍驤「速……」
雪風「雪風も帰ります!」
提督「おぉ~す。気をつけてな」
千歳「じゃあ私も一旦…」
龍驤「うちも戻るわ」
提督「オッケ~」グダー
千歳「じゃあ雪風ちゃん、いっしょに行きましょうか」
雪風「はい!」
提督「お前らは戻らんのか?」
足柄「私は別に戻っても特にやることはないしね。それに、もしもの時に提督一人じゃ大変でしょ」
提督「お、おす…」
あきつ丸「自分も残るであります。人数が多い方がいざという時でも対処しやすいでありますので」
提督「おう。助かる」
………………………………
一時間後
足柄「半分くらいは燃えたかしら」
提督「そうだな~」
あきつ丸「さすが早いでありますな」
提督「古い重油の奇跡だな」
ヒュュュュ~……
足柄「それにしても風が少し強くなってきたわね」
提督「だな。強風になる前にはどうにか燃え尽きてほしいのだが」
あきつ丸「少し心配でありますな」
足柄「でも大丈夫でしょ。後半分くらいなんだから」
提督「そう願おう」
足柄「…………………」
足柄「それにしても…」
提督「どうした?」
足柄「ビールが飲みたいわね」
提督 ズコッ
提督「お前な~……」ハァ
足柄「だって一仕事したんだし、火を眺めるだけなのもつまらないでしょ?あなたもそう思わない?」
あきつ丸「え!?自分でありますか!?じ、自分は…その~…」アタフタ
提督「さすがに見張りが飲んだらいけんだろ」
足柄「そう?まぁ、そこまで言うなら」ムー
あきつ丸「足柄殿は、ビールが本当にお好きでありますな」
提督「だよな~。こんなんだから誰にも嫁に……」
ガツーーーン!!!
提督「がはぁ!!」
足柄「今何て言った提督ぅ?」バキッバキッ
あきつ丸「て、提督殿……」ブルブルブル
提督「すみません…」イテテテ…
足柄「まったく…余計なお世話よ」フン
あきつ丸「提督殿、頭に大きなたんこぶが…」
提督「大丈夫だ…」ジンジン
足柄「いいのよほっときなさい。そんなクズ提督なんか」フン
提督「いや、本当にすまなかった」ジンジン
足柄「次言ったら殺すわよ」ギロ
提督「うっ……は、はいぃ…」ゾワッ
あきつ丸「恐ろしいであります…」ゾワッ
…………
龍驤「どない感じや~…って、結構燃えたな」オォ…
あきつ丸「龍驤殿。戻ってきたでありますか」
龍驤「ちょっと様子見にな。って、提督どないしたんやそのたんこぶ…」
提督「ん?あぁ、これはさっき転んだ」
龍驤「こ、転んだ…」エ?
足柄「ほんと、情けないわね~」ムス
龍驤「あ…そないことか…」察し
あきつ丸「ところで何を持ってるのでありますか?」
龍驤「あ、そやそや。鳳翔からの差し入れで昼御飯のおにぎりやと」ハイ
提督「おぉ!これは助かる」
足柄「さすが鳳翔さんね」
あきつ丸「ありがたいであります」
龍驤「火はうちが見張ってるさかい、三人は食べや」ヨイショ
提督「おう!まかせた!」モグモグ
龍驤「て、もう食べとるんかい」ヤレヤレ
…………………
提督「はぁ~、美味しかった!」完食
あきつ丸「鳳翔殿の作る料理はどれも絶品でありますな!」
足柄「おにぎりで大げさね~」
龍驤「提督、そろそろ全部燃えたんちゃうかな」
提督「ん?そうだな。やっぱり風があるから燃えるのも早いな」
あきつ丸「どうするのでありますか?」
提督「いや、もうちょっとおいておこう。まだ端までは完全に燃えてないだろうから。……ふわぁ~、食ったら眠たくなってきた… 俺はちょっと寝るわ」
龍驤「えぇ…仕事中やろ…」
提督「いいぐらいになったら起こしてくれ…」zzz
あきつ丸「寝てしまったであります…」…
足柄「まったくしょうがないわね…」ハァ
提督 zzz
……………………
千歳「どんな感じですか~」
龍驤「おう、千歳もきたんかいな」
千歳「はい!って、提督寝てるじゃないですか!?」エッ
足柄「ホント情けないんだからこの男は」ヤレヤレ
あきつ丸「しかしよく眠っているでありますな~」
龍驤「どうせ昨日も夜遅くまで飲んどったんやろ」
千歳「あぁー、飲んでましたね~」
足柄「ほどほどにしないからこうやって仕事中に寝むたくなるのよ」ツンツン
提督 zzz
千歳「つついても起きませんね。よっぽど眠かったんでしょうね」ツンツン
龍驤「あんたらつつくのもほどほどにしときや…」
足柄「いつも迷惑かけられてる仕返しよ」ツンツン
あきつ丸「その辺にしないと…」アワワワ
千歳「大丈夫よ。ぐっすり眠っているから」
あきつ丸「いや…そういう問題では…」
足柄「この男は昔からこんな感じなのかしら」
千歳「そう言えばそうですね。でも一応、海軍の司令官の一人ですし、それなりの経歴はあると思いますけど…」ツンツン
龍驤「たしかにそうやな~。ここくる前の話なんかしらんわ」
足柄「提督事態話さないですもんね」
千歳「確かに昔の話は頑なにしないですもんね」
あきつ丸「何かあったのでしょうか」
龍驤「さぁな~」
提督 zzz
……………………
千歳「提督!提督!起きて下さい!」ユサユサ
提督「んぁ……おぉ千歳か…」フワァァ
龍驤「もうええんちゃうかな」
提督「ん。そうだな」ヨイショ
提督「おぉ… やっぱりこう綺麗さっぱりと平地になったら広いな~」
足柄「私達はこれを手作業で刈ろうとしてたのね…」ウワァ…
提督「さてと。後は火の始末して帰りますか」ウーン!
龍驤「じゃあうちはむこうから見てくるわ」スタスタスタ
あきつ丸「自分はあっちに行くであります」スタスタスタ
提督「おぉ~す。頼んだ~」
千歳「じゃあ私達はこっち側ですね」
足柄「まぁでも、最初に燃え尽きちゃってるから大丈夫そうね」
提督「日が沈む前に終わってよかったよ」
千歳「本当ですね」
ビュゥゥゥゥゥ
足柄「風が強くなってきたわね」ウッ
提督「ホントだな」メニスナガ…
千歳「あ、龍驤さん達も大丈夫なようです」
提督「んじゃ帰りますか」
~~~~~~~~~~
中継地点
ビュゥゥゥゥゥ
金剛「風が強くなってきたネー」
大淀「今日の夜が一番強くなるらしいです…それにしても…」
ガタガタガタガタガタガタガタガタ
大淀「この建物は大丈夫なのでしょうか…」
金剛「ちょっと心配ネー…」アハハ…
~~~~~~~~~~
鎮守府
ビュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!
提督「食堂の窓の固定完了!」ヨシ
足柄「本格的になってきたわね」
提督「今回のはだいぶと強そうだからな」
鳳翔「外の物は全部しまったり固定したりしたのでご安心下さい!」
提督「わざわざありがとうございます。助かります」ペコリ
鳳翔「いえいえ!これも私の仕事ですから!」ウフフ♪
龍驤「窓ガラスにテープ貼り終わったで~」
雪風「雪風も貼り終わりました!!
鈴谷「こっちも終わったよ~」
あきつ丸「二階も終わったであります!」
提督「お~。四人ともご苦労さ~ん」
龍驤「あれ?一人おらんくないか?」
足柄「あぁ、千歳なら。自分の"コレクション"をしまいにいったわ」
鈴谷「去年は全滅して、千歳さん一週間部屋から出てこなかったもんね~」
提督「倉庫からベニヤ板と金槌もってったから工事でもしてるんじゃないか」
あきつ丸「それならお手伝いに…」
龍驤「あ~…千歳は部屋に人入れへんからあかんと思うで?」
あきつ丸「どうしてでありますか?」
足柄「本人曰く、とても見せられないらしいわ」
あきつ丸「そ、そうなのでありますか…」
ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!
提督「停電覚悟でありったけの懐中電灯とロウソクもあつめた、食料も念のためにあるし…これぐらいか?」
龍驤「そんぐらいあったらええんちゃう?」
鳳翔「お水も準備しておきました!」
足柄「さすが鳳翔さん、ぬかりがないわね」
鳳翔「防災の本をこの間読んだばかりなので」エッヘン
提督「それならもう安心ですね」
鈴谷「じゃあ鳳翔さんが隊長だね~」
鳳翔「そ、そんな!隊長だなんて」///
雪風「鳳翔さんが隊長です!」
鳳翔「もう、雪風ちゃんったら」ウフフ///
千歳「ふぅ… 何だか楽しそうですね」
龍驤「おう、千歳終わったんか?」
千歳「はい!今年はこれで絶対に大丈夫です!」グッ
足柄「あら?千歳、指から血が出てるわ」
千歳「あ、本当ですね。釘うったときに怪我しちゃったのかな?」
提督「どれ、見せてみろ」
千歳「大丈夫ですよ!これくらい!」アハハ
提督「ま、一応絆創膏だけでもな」ピタ
千歳「あ、ありがとうございます…」///
鳳翔「む…」
足柄「……」
……………………
びゅぉぉぉぉぉぉぉ!!!!ガタガタガタガタ
提督「すごいな…」
龍驤「こりゃ、去年よりもえぐいんちゃう?」
千歳「大丈夫よ雪風ちゃん」ナデナデ
雪風「うぅ…怖いですぅ…」ビク
提督「ここがぶっ飛ばないように祈らないとな」
龍驤「ほんまにやわ~」
ガッシャァァァァン!!!!
鳳翔「きゃっ!?」ビクッ
あきつ丸「何事でありますか!?」ビクッ
提督「嘘だろ…」
龍驤「言ってるそばから」アハハ…
足柄「何かしら。私が見てくるわ」ヨイショ
提督「あぁ、俺も行こう」ハァア…
鈴谷「ほい、懐中電灯」
…………
足柄「どこかしら?」
提督「反対側の一階ぐらいじゃないか」
ガタガタガタガタ
足柄「それにしてもすごいわね…建物が地震みたいに揺れてるわ」
提督「とんでもないことになってなかったらいいが…」
カチッ ピカッ
提督「電気はつくな 」ヨシ
足柄「懐中電灯いらなかったわね」
提督「ま、念のためだ」
足柄「それにしてもすごい音だったわね」
提督「あぁ…しかしこれ以上の修理費はないぞ…」
………………
びゅぉぉぉぉぉぉぉ!!
足柄「ひどいわね…」ウワァ…
提督「経費が…」ショック
足柄「落ち込むよりも片付けないと」
提督「無理だ。だって丸太が壁を貫通してるんだぞ…」
足柄「たしかにそうね…しかしこんな丸太、どこから飛んできたのかしら」
提督「滑走路近くの森ぐらいからだろ…はぁ…壁の修理費いくらだろ…」ガーン
足柄「雨も貫通したせいで振り込んできてるわね」
提督「とりあえず箪笥か何かで塞いでおくか…」
………………
鈴谷「おかえり~。どうだった?」
提督「最悪だ…」ガーン
足柄「丸太が壁を貫通して、壁の一部が崩れているわ」
あきつ丸「それは大変でありますな…」
龍驤「どないすんねん」
提督「とりあえず近くにあった箪笥で塞げるだけふさいだが、近づかない方がいいだろう」ハァ
千歳「大変ね」アララ
提督「これ以上、経費を崩したくはないんだがなぁ…神様はそうはさせてくれないらしい…」
龍驤「まぁどないかなるやろ」ハハ…
あきつ丸「皆さんは今夜はずっとここにいるのでありますか?」
提督「また何かあるかもしれないしな…俺はずっといるよ」
足柄「私もいるわ。もしもの時に提督一人じゃ大変だろうし」
龍驤「うちも」
鈴谷「私も~」
千歳「私もいますよ…後、雪風ちゃんも」ナデナデ
鳳翔「私もいます」ビクッ
全員((本当は怖いからなんて言えない…))
あきつ丸「そうでありますか」
提督「あきつ丸はどうするんだ?別に部屋に戻ってもいいんだぞ?」
あきつ丸「自分は…」エェト…
あきつ丸「恥ずかしながら、こうのにはあまり慣れていないゆえ少し不安でありまして……その…皆さんと同じ部屋にいようかと思うのであります…」/// ポリポリ
龍驤(以外と正直!?)
足柄(てっきり部屋に戻るかと)
提督「意外だな… まぁ好きにすればいいよ。まぁあんな丸太が飛んでくるんだから何があるかわからんから、皆一ヶ所にかたまってるほうが安全っちゃ安全か」
鈴谷「じゃあ結局皆ここにいるんだね」
提督「そういうことだな」
足柄「じゃあ景気ずけにビールでもどう!」
提督「そうだな。ここには飲み物と食料はあるんだし皆で…」
バチッ!!
提督「ぬわっ!」
鳳翔「きゃ!真っ暗!」ビクッ
龍驤「停電や」
あきつ丸「何か明かりを」
足柄「大変。懐中電灯はと…」ゴソゴソ
鈴谷「あれ?懐中電灯どこやったっけ…」ゴソゴソ
雪風「ま、真っ暗です……」ビクビク
千歳「ただの停電だから大丈夫よ」ナデナデ
提督「どこやった…」ゴソゴソ
鈴谷「さっき二人に渡したじゃん?」
足柄「あ!!向こうに置いてきちゃったわ!」
提督「しまった俺もだ…」
龍驤「何やっとんねん!」エェ!?
提督「箪笥を移動させる時に置いたのを忘れてきた…」シマッター
足柄「私もだわ…」アチャー
鳳翔「どうしましょう…」
龍驤「どっかにロウソクがあったはずや」
あきつ丸「しかし暗くて見えないであります…」
提督「皆でロウソクを探すぞ!」ゴソゴソ
鈴谷「何も見えないよ~」ゴソゴソ
提督「痛っ!」
鳳翔「きゃ!ごめんなさい提督!!足、大丈夫ですか?」アセアセ
提督「鳳翔さんでしたか。びっくりしただけなんで大丈夫ですよ」
龍驤「ぐはっ!!」
足柄「ごめんなさい!誰かぶつかったわ!」
龍驤「大丈夫やで~」イタタタ…
鈴谷「ちょっと!?誰!私のお尻触ったの!提督!」ウガー
提督「はぁ?俺じゃない!」ブンブン
あきつ丸「申し訳ありません鈴谷殿。誤って自分がぶつかってしまったであります」
鈴谷「あ、大丈夫。気にしないで~」
あきつ丸「申し訳ないであります」
提督「人を疑うのはよくないぞ」
鈴谷「ごめん提督。なんか提督ならやりそうだから」
提督「んなわけあるか」
龍驤「ちょ、喧嘩せんでロウソクか懐中電灯探してや」ゴソゴソ
鳳翔「あ!ありました!」
龍驤「ほんまか!」
足柄「本当にロウソクですか?」
鳳翔「はい!この感触はロウソクです!」
あきつ丸「しかし火がないであります」アワワ
提督「ん、ライターならあるぞ」ゴソゴソ
龍驤「ライター持ってたんかい!先言いや!」ペシ
提督「あ、確かに… まぁ今思い出したから」カチ
ボッ
鳳翔「ロウソクを…」
スゥ…
龍驤「おぉ!着いた!」
あきつ丸「一安心であります」ホッ
提督「でもこれじゃまだ明るいとは言えないな…」
千歳「もう少し探してみますか?」
龍驤「それやったらこのロウソク持って懐中電灯とりにいったらええんちゃう?」
鈴谷「たしかに」ウム
提督「え~、これじゃ心細いな…」
足柄「私も?」
龍驤「そりゃあんたらが置いてきたんやから」
提督「んな…じゃあ、じゃんけんで決めようぜ!」
足柄「そうね。その方がおもしろそうじゃない!」
鳳翔「えぇ!?私は暗いところは苦手でして…」
提督「肝試しですよ肝試し!」
龍驤「はぁ…まぁええか」ハイ
鈴谷「肝試し~」
千歳「おもしろそうですね」ウフフ
提督「雪風はさすがにやめようか」
雪風「はい…」コク
あきつ丸「負けたらでありますか?」
足柄「そうね。この中から二人負けたら行ってもらいましょ」ヨシ
鳳翔「勝ちますように」グッ
提督「よし!準備できたな?いくぞ!」
全員「「じゃんけん!!……」」
…………………
提督「なんで俺なんだよ……」トボトボ
あきつ丸「仕方ないであります」アハハ…
提督「こんなロウソクとライターじゃなんの意味もないな」マックラ
あきつ丸「しかし目がだんだんとなれてきたであります」テクテク
提督「さすが若いっていいな…」
あきつ丸「提督殿もまだ若いじゃないでありますか」
提督「まぁ…そう言われればそうか?」
あきつ丸「将校殿に比べれば全然…」
提督「いや、そりゃな。俺の親父よりも年上だからな」
あきつ丸「そうなのでありますか!?では将校殿は何歳なのでありますか?」
提督「え、知らないのか?」
あきつ丸「はい!」
提督「そうだな…確か……」
ピカッ!バリバリバリバリ!!!!
提督「ぬわっ!?なんだ雷か…驚かすなよ」ビクッ
あきつ丸「 」
提督「おう、あきつ丸大丈夫か」
あきつ丸「 」
提督「あきつ丸? ……あきつ丸!?大丈夫か!」ユサユサ
あきつ丸「 は!?」ビクッ
提督「おぉ…よかった…」
あきつ丸「私はいったい…」キョロキョロ
提督「雷が鳴っただけだ」
あきつ丸「そ、そうでありましたか」ビクッ
提督「………大丈夫か?」
あきつ丸「は、はい!大丈夫であります!」ビシ
提督「ならいいが…」
あきつ丸「先を急ぎましょう!早く戻らないと皆さんが待っているであります」スタスタスタ
提督「あ、はい」
提督(さっきより歩くスピードが速くなった…)
……………
提督「お、あった」
あきつ丸「これはひどいでありますな…」
提督「だろ?壁の修理いくらかかんのかな…」ハァ
あきつ丸「ここに誰もいなくてよかったでありますな」
提督「そうだな。それを考えればまぁ、ラッキーだったってことだな。さ、戻るか」
ピカッ!バリバリバリバリ!!!
提督「ぬわ!?まったく…びっくりさせやがって…」ハァ
あきつ丸「 」
提督「あきつ丸!あきつ丸~!!」ユサユサ
あきつ丸「 は!?」ビクッ
提督「…………雷が怖いんだな?」
あきつ丸「何を!?そ、そんな怖いなどと!このあきつ丸にそのようなことはありません!」ビシ
提督「そう?」ニヤニヤ
あきつ丸「本当であります提督殿!」モー///
提督「わかったわかった」ハイハイ
あきつ丸「早く戻るであります!」クル
提督「………………」
あきつ丸「どうしたでありますか?早く戻りましょう!」ウズウズ
提督「ん?そうだな」
提督「………………」
あきつ丸「???」
提督 ダッシュ!!! ビュン
あきつ丸「なっ!?提督殿!?」アワワワ
提督 ダッシュ
あきつ丸「待つであります提督殿!提督殿!!」ハァハァ
提督 ダッシュ
あきつ丸「提督殿!置いていかないでほしいであります!」ハァハァハァ
提督 ダッシュ
あきつ丸「提督殿!提督殿!!少し待ってほしいであります!」ハァハァハァハァ
提督「後からゆっくり来ていいんだぞ!」ダッシュ
あきつ丸「こわ……待つであります!提督殿!!」涙目
提督「あいつらのために早く戻らないとな!」ダッシュ
あきつ丸「あ!提督殿!提督殿!!おいていかないでぇぇぇぇ!!」涙目
提督「………………」ピタ
提督「あきつ丸…」
あきつ丸「何でありますか…」グズ
提督「本当は怖いんだな」ニヤニヤ
あきつ丸「んな!!………」ムカッ
パシーーン!!
……………
あきつ丸「ただいま戻ったであります」
龍驤「おぉ、早かったな~」
足柄「懐中電灯はあった?」
あきつ丸「はい!」カチッ
ピカァ
鈴谷「やっと明るくなった!」ヤッター
鳳翔「よかったです」ホッ
龍驤「これで大丈夫やな」
提督「……………………」
龍驤「おぉ提督……ってどないしたんや!?」ギョ
鈴谷「あはははは!!提督、顔に赤い手のひらがついてる!」爆笑
足柄「本当だわ。いったいどうしたのww」爆笑
提督「まぁ…色々…」ヒリヒリ
龍驤「まさかあきつ丸がやったんかww?」
あきつ丸「いえ、自分は何も」ツーン
鳳翔「大丈夫ですか?」アワワ
提督「大丈夫です…自業自得ですから…」ヒリヒリ
龍驤「提督、何やったんや……」ヤレヤレ
~~~~~~~~~~~~
中継地
びゅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
バァンバァンバァン!!!ガタガタガタガタ
金剛「oh!No!!!雨漏りしてるネー!!!」アセアセ
大淀「そんなことより屋根の状態が!」
ガタガタガタガタ
金剛「これは大丈夫じゃないネ……」
ガタガタガタガタ
大淀「ひぃぃ!?」ブルブル
金剛「おさまるまで飛んでいかないように祈るでありマース…」oh…
大淀「どうか耐えて下さい!」ブルブル
びゅぉぉぉぉぉぉぉ!!!
~~~~~~~~~~~~~
翌朝 鎮守府
提督「はぁ…… やっとおさまったか…」ホッ
足柄「さっきまであれだけ荒れていたのに、嘘のように静かね…」
龍驤「でも外はぐちゃぐちゃなんやろなぁ…」
提督「んじゃ、被害を見に行きますか」
………………
千歳「これはどこの部分かしら?」グシャ
龍驤「向こうから飛んできた葉っぱと枝まみれや…」ウワァ…
足柄「ここも窓ガラス割れてるわね…」
提督「修理費が……」ショボーン
あきつ丸「しかしこれはひどいでありますな……」
提督「経費がなくなっていく…」
足柄「屋根も何枚か剥がれてるわね…」
提督「屋根も……だと……」ガビーン
千歳「提督、こっちの窓ガラスが何枚か亀裂が入ってたりしてます」
提督「窓ガラス……も……」ガビーン
雪風「司令!二階が水溜まりだらけです!」
提督「雨…漏り……だと……」ガビーン
鈴谷「こっちの方の窓も何枚か壊れてるよー」
提督「何………」ガビーン ザサ…
あきつ丸「て、提督殿!お気をたしかに!!」ユサユサ
提督「あきつ丸……俺の代わりに……鎮守府を頼んだ…………」ガク
龍驤「って、何しとんねん」ベシ
提督「痛…」
龍驤「災害やからしゃーないやろ…」ハァ
提督「ぐぬぬ………」ハァ…
~~~~~~~~~~~~~~
中継地
金剛「ようやくおさまったネー」アハハ…ビショビショ
大淀「……………」ビショビショ
金剛「まさかこんなになるなんて思ってもいなかったデース… へクシュ!」ズル
大淀「帰りたい……」ビショビショ
金剛「気分が下がるネー…」
大淀「帰りたい……」ビショビショ
パイロット「大丈夫でしたか?って、わぁ…… あの、すみませんが一時間後に出発しますので準備をよろしくお願いします…」オダイジニ
金剛「oh,はやく着替えるデース!」アセアセ
大淀「帰りたい……」グスッ…
~~~~~~~~~~~~~~~~~
鎮守府
提督「どう計算しても足りない…」ハァ…
龍驤「こっちもや… できるだけ頑張っても修理費が足りんわ」
足柄「やっぱりあそこの丸太の壁だけでも半分はかかるわ」
提督「まさか足りないとくるか……どうすっかなー」アァア~
龍驤「上に交渉したらどうなんや?」
足柄「そうよ。今回は自然災害なのだから経費はでるでしょう?」
提督「まぁなぁ… だが、ここ以外にも被害が出てる鎮守府も多いからなぁ…」
龍驤「そんなにひどいんか?」
提督「なんかあっちの鎮守府とかは再建不可能とかもあるらしい」
足柄「それは大変ね…」
提督「だから重要拠点から修復するだろうから、うちは後回しだろう… それに…」
龍驤「それに?」
提督「海軍全体の費用を災害だけに集中して使うわけにはいかんだろうからな、各鎮守府に支給される経費も気持ち程度だろ…」フワァ~
足柄「そうね…」
龍驤「うちらだけじゃないんやったらしゃあないか…」
提督「しっかしどうすっかな~。壊れたまんまってわけにもいかんしな」
足柄「自分達で直せるところは直していくしかないわね」
提督「ま、それしかないか」ハァ…
龍驤「じゃ、うちは倉庫になんか使えそうなもんがないか見てくるわ」ヨイショ
チリリリリリ…
足柄「電話よ提督」
提督「誰だこんな時に……はい」ガチャ
足柄「それじゃ私は工具の用意でもしておくわ…」ヨイショ
提督「なにぃぃぃぃぃ!?」ガタン!
足柄「わっ!?」ビクッ
……………
提督「足柄!すぐに皆を召集だ!」
足柄「何よいきなり。びっくりしたじゃない」モー
コンコン
あきつ丸「あきつ丸です!入りま…』
提督「いいとこに来たあきつ丸!お前も今すぐにジャージに着替えろ!」
あきつ丸「え!?……あ、……え!?」オドオド
提督「足柄!お前も着替えろ!」ヌギヌギ
足柄「え?私も!? って、ちょっと!何ここで着替えようとしてるのよ!」///
提督「事は一刻を争う!あきつ丸!皆に伝えてくれ!五分後に集合だ!」ヌギヌギ
あきつ丸「り、了解したであります!」ダッ
足柄「いったいなんなのよ!」
提督「二時間後に客が来る…」
足柄「客!?」
………………
提督「全員駆け足で出発!!」ピッピ
鈴谷「え~、どこいくのさ~」ウダウダ
龍驤「急にどないしたんや…」
千歳「何があったんですか?」???
雪風「いっちに、いっちに!」
……………
滑走路
龍驤「ありゃぁ……」
足柄「これは酷いわね……」
千歳「これはすごいですね…」
グシャ
提督「やっぱり…昨日の台風のせいで、瓦礫とか枝とかが散乱してやがる…」
あきつ丸「これでは飛行機は着陸できないであります…」
提督「よし全員聞け!今から俺達でここを綺麗にする!」
龍驤「なんやて!?」
千歳「これ全部ですか!?」
鈴谷「無理だよー!」ウガー
あきつ丸「どうして今すぐなのでありますか?」
提督「二時間後にここに飛行機が着陸する!つまり客がくる!」
五人「「えぇぇぇぇぇ!?」」
龍驤「このタイミングでか!?」
鈴谷「まじKYじゃん!」ムカッ
千歳「どうしてまたこんな急に」
足柄「さっき電話があったのよ」
あきつ丸「どなたが来られるのでありますか?」
提督「まぁ色々疑問はあるだろうが、説明してる暇がない。とにかく今から一時間半でここを飛行機が着陸できるくらいにするぞ!」
龍驤「一時間半て無茶な…」
千歳「鎮守府の方はどうするんですか?」
提督「鎮守府の方は鳳翔さんがやってくれている!だから我々はこの広大な滑走路を綺麗にする!」
足柄「さ!やりましょ!」ヨイショ
龍驤「はぁ…ほんまどないなっとんねん…」
雪風「ヨイショ…ヨイショ…」
龍驤「相変わらず雪風は働き者やな…」
~~~~~~~~~~~~
上空
ガタガタガタガタ
金剛「結構揺れるネー…」アワワワ
パイロット「がははは!この辺りはそういう空域やからしゃーない!お嬢さん達辛抱しいや!ま、わしはプロやからまかしとき」ガハハハハ
金剛「no problemネー…」
大淀「…………ウッ…」
金剛「大淀?大丈夫デスカー?顔色が悪いデスヨー?」
大淀「ダイジョウブデス………ウッ……」
ガタガタガタガタ
~~~~~~~~~~~~~~~
滑走路
龍驤「はぁ… これじゃ間に合わんかもな…」ウンショ
提督「とにかく大きい物優勢だ!」ヨイショ
足柄「中々の…重労働ね……」ハァハァハァハァ…
あきつ丸「後どのくらいで飛行機は着陸するでありますか?」
提督「後……一時間だ!」ヤバイ
千歳「まだ半分も片付いていないですよ!」
龍驤「何か方法はないんか」
提督「………………」ウーン
鈴谷「もぅ疲れた~」グワァ~
足柄「喋ってないでやるわよ!」テキパキ
提督「案がない。このまま急ピッチでやるしかない」ヨイショ
龍驤「まじか…まぁ仕方ないか…」ヨイショ
千歳「でも間に合いますかね…」ヨイショ
龍驤「そん時はパイロットさんの腕を信じるしかないな」
…………
提督「まずい!残り三十分だ!」アセアセ
龍驤「なんやて!?」ハァハァハァハァ…
あきつ丸「半分…終わったぐらいであります……」ハァハァハァハァ…
足柄「提督、あなたそんな格好じゃまずいんじゃない?」ハァハァハァハァ…
千歳「確かにそんなに泥々じゃ提督としてはマズイですね。ジャージですし」
提督「確かに着替えないとな…」
鈴谷「提督だけ先に鎮守府で準備したら?」
龍驤「ほんまや。こっちはうちらがしてるさかい、提督はしたくしてきぃや」
提督「いいのか? まだ半分ぐらい残ってるぞ?」
足柄「私達にまかせなさい」
あきつ丸「そうであります!」
龍驤「うちらの鎮守府の提督が汚かったら評判にも困るしな」
提督「すまない。ここはまかせた」ダッ
~~~~~~~
上空
ガタガタガタガタ
パイロット「後、三十分くらいで到着や!もうちょいの辛抱やで!」ガハハハハ
金剛「やっと着陸ですカ……」ウゥゥ…
大淀「 」………
金剛「大淀…しっかりするネ…ウッ…」ユサユサ
大淀「ウッ………ユラサナイデクダサイ……」
~~~~~~~~~~
滑走路
龍驤「はぁ…後もうちょいやな…」ハァハァハァハァ…
あきつ丸「後もう少し頑張るであります」ハァハァ
雪風「はぁはぁ…少し疲れました…」ハァハァ
千歳「雪風ちゃん、ずっと働いてたもんね。休んでいいのよ?」
雪風「いえ!最後まできちんとやります!」
足柄「なんて良い子なの…」ヨイショ
あきつ丸「きっと将来は優秀な軍人になるでありましょうな~」ヨイショ
龍驤「うちらも見習わなな」ヨイショ
提督「おーい!」ダッ
鈴谷「提督が戻ってきた」オーイ
提督「かなり片付いたようだな」ハァハァ…
龍驤「あともうちょいや」
足柄「それにしてもそんな正装してるところ久しぶりに見たわ」
千歳「やっぱりカッコいいですね」
提督「まぁ、こんなものよっぽどがない限り着ないからな」
あきつ丸「ほわぁ…」キラキラキラ///
龍驤「どうしたんやあきつ丸?」
あきつ丸「とても…立派であります…」キラキラキラ
提督「そうか?そう言ってもらえると嬉しいな」
あきつ丸「最近は意識が無くなってきていたでありますが、やはりここは海軍であったのでありますな…」キラキラキラ
提督「ん?う、うん…」???
鈴谷「何か軽くディスってない?」ヒソヒソ
龍驤「たしかに…」ヒソヒソ
足柄「さ、残りもやりましょ」ヨイショ
提督「いや、ここは俺がやっておくからお前らもしたくしてこい」
千歳「え?私達もですか?」
足柄「私達は別に…」
提督「泥々はさすがにな… それにジャージってのも失礼だ。だから着替えてこい」
龍驤「そ、そう?そない言うなら」
鈴谷「何か珍しいね提督がそんなこと言うの」
提督「まぁな。特別だ」
足柄「それなら、ここは頼んだわ。あ、でもその白い軍服は汚しちゃだめよ」
提督「もちろん。最善の注意を払う」
龍驤「ほな、すぐ戻ってくるわ」
………………
提督「何とか…間に合ったか…」フゥ…
雪風「提督!」ダッ
提督「おぉ、もう終わったのか」
雪風「はい!新しいのに着替えて来ました!」
提督「よし」
足柄「あら、終わったの?」
提督「何とかな」
龍驤「奇跡やな」
提督「全員の協力のおかげだ」
あきつ丸「それしても、何故ゆえこのような身なりなのでありますか?」
提督「まぁ、久々の面会だからな。しっかりしないとうちの評判が下がったら困るしな」
あきつ丸「なるほど」
千歳「雪風ちゃん何か見える?」
雪風 ジー 双眼鏡
雪風「! 飛行機が見えました!」
提督「ぴったりだな」
龍驤「後はパイロットの腕がどうかやな」
~~~~~~~~
上空
パイロット「よっしゃ!見えた!今から着陸するから心構えはええか~?」
金剛「o…k…ネー……」
大淀「ゥ……」
パイロット「ほな行くで~!」
~~~~~~~~~~~
龍驤「降りてきた」
ブーン ユラユラ
提督「何かめっちゃ揺れてないか?」
足柄「大丈夫かしら?」
ブーン ユラユラユラ
鈴谷「これ離れた方がよくない?」
ブーン ユラユラユラユラユラユラ
あきつ丸「こ、こっちに来るであります!」アワワワ
ブーン ユラユラユラユラユラユラ
提督「みんな逃げろぉぉぉぉぉ!!!」ギャァ
ズザザザザザザザザザザ…………
……
提督「はぁはぁはぁ…みんな大丈夫か!?」
足柄「何とか…」ゲホゲホ
鈴谷「よかった生きてる」ゲホゲホ
あきつ丸「死ぬかと思ったであります」
龍驤「どないなっとんねんパイロットは!」
千歳「なかなかの腕ですね」イライラ
提督「泥が散ってせっかくの服が汚れちまった…」ガク
雪風「あ!誰か出てきます!」
全員「「ゴクリ………」」
ガチャ
バン!
金剛「mo××er f××ker!!!!」ドタドタ
大淀「ウグ……」ドタドタ
金剛・大淀 オロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…キラキラキラ
全員「「わぁ……………」」
提督「可哀想に……」
龍驤「こりゃ……気の毒に……」
………
大淀「お見苦しいところをお見せしたことは反省しています…」ペコリ
金剛「sorryネー…」アハハハ…
提督「いえ、大変でしたね…」
金剛「危うくheavenに行くとこでしたネー」
大淀「先程までのことは忘れて、やるべきことをやりましょう」カチャ
提督「は、はい」
大淀「自己紹介が遅れました。大本営から総帥殿の代わりとしてきました軽巡洋艦 大淀です」ビシ
あきつ丸「ぬわっ!?」ズキューーン!!
龍驤「ど、どうしたあきつ丸!」オット
あきつ丸「これです!自分が求めていたものはこれであります!これこそが誇り高き海軍であります。はぁ~…」トロ~ン
足柄「あなた何言ってるの…」?
大淀「あの、そちらの方は」
提督「あぁ、陸軍から特別に着任したあきつ丸です」
あきつ丸「元陸軍、現海軍であります、揚陸艦 あきつ丸であります!」ビシッ!
大淀「あなたがあきつ丸さんですか。話は聞いています。お目にかかれて光栄です」スッ
あきつ丸「こちらこそ。大淀殿の話は提督殿から聞いております。こちらこそお会いできて光栄であります!」グッ
龍驤「めっちゃあきつ丸きらきらしてるな」ヒソヒソ
足柄「陸軍の性格とあの海軍最高秘書の接し方、気があうんじゃない?」ヒソヒソ
千歳「ガッチリと握手してますね」ヒソヒソ
鈴谷「なんか感無量!って顔してるね」ヒソヒソ
提督「そちらが新しく入る娘ですか?」
金剛「イエーース! 金剛型一番艦の金剛デース!!これからよろしくお願いしマース!!」yeh!
龍驤「また偉いのがきたな…」ヤレヤレ
足柄「ホント… また大変ね」ハァ
千歳「うふふ。とても楽しそうな人ですね♪」
雪風「外国の人でしょうか?」
提督「私がここの鎮守府の提督だ。こちらこそよろしく。困ったことがあったらいつでも言ってくれ」ニコ
金剛「oh!と、とても紳士な提督ネ~」モジモジ
足柄「誰よ、あの紳士な男性は」ジトー
龍驤「普段とまったくちゃうやん。てかあれ誰や!」
鈴谷「いつもあんなんだったらカッコいいのにね~」
千歳「相変わらず演技が上手ですね」
大淀「提督殿、服が汚れていますが」
提督「失礼。これは先程の着陸のさいに泥が跳び散ったものです。このような格好で申し訳ありません」
パイロット「ごめんな兄ちゃん!がははは!」
龍驤「なぁ提督、こんなとこじゃなくて鎮守府に案内したら?」
提督「そうだな。では案内します」スッ
大淀「お願いします」
金剛「oh!!」ガツッ
鈴谷「あ!危ない!!」
ドサ
金剛「………」プルブルプル
提督「間に合った…大丈夫ですか?」ガシ
金剛「へ!?え、えぇと……」///
提督「道が悪いので足元に気をつけて」ニコ
金剛「あ、ありがとうございマース……」カァァ///
六人「「やっぱお前誰だ!!!」」
……………
鎮守府 ボロボロ
大淀「これはまた随分と…」
金剛「ひどいですネー…」
提督「昨日の台風でやられましてね… こんなとこで申し訳ない…」
大淀「仕方ありません。気になさらないで下さい」
金剛「No problemデース!」
鈴谷「私らはどうしたらいいの?」
提督「そうだなぁ… 足柄と龍驤は俺といっしょに来い。後は掃除を引き続きしてもらってもいいか?」
千歳「わかりました」
鈴谷「え~、これ掃除するのー」ウダァ
あきつ丸「あの…自分は…」
提督「あきつ丸も掃除頼んだ。鳳翔さんが食堂片付けてるようだから手伝ってくれないか?」
あきつ丸「了解であります!」
金剛「私も手伝うネー!」
提督「え?いいのか?」
金剛「はい!人が多い方がすぐに終わりマース!!」
提督「それならお願いする」
金剛「はぁい!」yeh
提督「それじゃ行きましょう」
……………
執務室
提督「どうぞおかけ下さい」スッ
大淀「失礼します」
ピカーン!
龍驤「な…そなアホな…」ポカーン
足柄「あの汚い執務室がこんなにも見違える姿になっているだなんて…」ポカーン
提督「どうした?お前らも座れよ?」
龍驤「は、はぁ」
足柄「失礼します…」
大淀「では資源の件からですが、先日お伝えした通り、こちらに引き渡して…」
提督「その話ですが、我々は却下します」
大淀「……はい?」
龍驤「あんたらんとこに大切な資材渡して、うちら大変なんや」
足柄「それに私達が死に物狂いで集めた資源をただで引き渡すのも気にくわないわ」
大淀「…………」
提督「と、言うことです。俺達は資源収集隊じゃないんだ。れっきとした海軍戦闘員と言うことをお忘れなく」
提督(さぁどうする…)
龍驤 ゴクッ…
足柄 ゴクッ…
提督 ゴクッ…
大淀「……………」
大淀「………ど、どうしましょう…」アセアセ
龍驤「え?」
大淀「これでは私は帰ることができません…」アセアセ
足柄「ど、どういうこと?」
大淀「実は資源を回収しないと帰ってはいけないと言われまして…」アセアセ
提督「ん?」
足柄「はい?」
龍驤「ど、どないこっちゃ!?」
大淀「実は上層の方々が資源は全て小規模の鎮守府から押収すると決まりまして…」
足柄「何よその考え!」ムカッ
大淀「もちろん私達の鎮守府は反対しましたが… 上層の話でしたので…」
龍驤「意見はきかれへんかったんか」
足柄「ひどい話ねまったく…」
提督「しかし、そちらの提督は元帥殿では…」
大淀「いつの話ですか?提督は三ヶ月前に退役なされました」
提督「え?」…
龍驤「まさか提督…」ジトー
提督「いや~、そんな話聞いてなかったけどなぁ…」アレ?
大淀「手紙は送ったはずなのですが…」
提督「ん~…」
足柄「どうせ読まずに捨てたんでしょ」ヤレヤレ
龍驤「待てよ…ほな今あんたは最高秘書官なんか?」
大淀「いいえ。新しい娘が新しい元帥と就任しましたので私はただの艦娘です」
龍驤「あらら…」
提督「待てよ… 話がわからんくなってきたぁ…」ウーン
足柄「私も今一整理できなくなってきたわ…」
龍驤「それじゃあ、あんたに鎮守に帰ったらあかんって誰から言われてるんや?」
大淀「その新しい元帥です」
足柄「何かわかってきたわ…」
提督「ん~… つまり、あなたはもう最高秘書官ではなくただの艦娘で、元帥殿は退役されて新しい人が就任して…」
龍驤「そんでその新しい元帥に 資源回収命令を出されて…」
足柄「あなたは渋々ここにきたと?」
大淀「はい」
三人「なるほど…」ポン
龍驤「あれ?じゃああの金剛ってのは…」
大淀「私と同じで新しい元帥におわれた身です。元帥は元からいた私達を次々に自分の鎮守府から追い出しているので…」
足柄「ひどいわね」
提督「それに就任の連絡を寄越さないのも納得しないな」
大淀「いえ?元帥は一応手紙を送ったそうですが…」
提督「え?そうなの?」
龍驤「あんた…」ジトー
足柄「仮にも提督なんだかもうちょっと責任を感じなさいよ…提督に命を預けてる私達の身にもなってほしいわ…」ヤレヤレ
提督「すまん…」
大淀「ですのでそういうわけです」
龍驤「何か大変やな…」
足柄「何だか私達きついこと言ってしまったわね…」
大淀「いえ、気になさらないで下さい」
提督「しかしそういうことなら資材の半分とはいかないが少しだけなら分けてもいいが…」
大淀「いえ、その必要はありません」
龍驤「え?なんでや?そんじゃないとあんた帰られへんのやろ」
大淀「提督殿!折り入ってお話があります!」グイッ
提督「おぉ…なんだ…」チカイチカイ…
足柄「ちょっとあなた提督に近づきすぎよ!」
大淀「提督殿!私を!」
……………
食堂
提督「と、いうことで新しく入った仲間の登場で~す。はいみんな拍手」パチパチパチ
金剛「高速戦艦の金剛デース!よろしくお願いしマース!!」yeh
パチパチパチパチパチパチ
大淀「軽巡洋艦の大淀です。よろしくお願い致します」スッ
ザワザワザワザワ
千歳「ど、どういうことですか…」
提督「色々ありまして大淀も新しく着任することになった。うん」
鈴谷「まぁいいじゃん♪」
あきつ丸「大淀殿!」パァァァ
提督「それじゃあみんな仲良くね」
……
龍驤「ほんまによかったんか提督」ヒソヒソ
足柄「そうよ!あの娘はこれで元帥を裏切ったことになるのよ!」
提督「そう…なる…かぁ…」タシカニ
龍驤「可哀想やけど、これじゃうちらまでマズイで」
足柄「裏切った艦娘をかくまっているなんて知られたら私達おしまいよ!」
提督「軍法会議もんだな」ウンウン
龍驤「あきつ丸もおるんやしさすがに巻き添えはあかんやろ…」
提督「しかしなぁ…」
足柄「何かあの娘とあるの?」
提督「まぁな。昔の話だが…困っているんだったら助けてやるしかない。すまんがいいか?」
龍驤「…………はぁ… 確かに話聞いてたら可哀想やしな…」
足柄「私は気にくわないわ…」
提督「そこをなんとか頼む!」
足柄「………………」
提督「あきつ丸のことなら心配ない。実は一昨日陸軍から手紙がきて、あきつ丸をそろそろ陸軍に戻すとのことだ」
龍驤「え!そ、そうなんか!?」
提督「あぁ… だからあきつ丸は大丈夫だ」
足柄「………………」
提督「それでも駄目か?」
足柄「………………わかったわ」ハァ
提督「すまない。君達の安全は必ず保証する」
~~~~~~~~~
足柄「あんなこと言われたら断れないわ…」プシュ
龍驤「あははは…確かにそうやな」プシュ
足柄「でも提督とあの大淀ってどんな関係があるのかしら…」ゴクゴクゴク
龍驤「なんや気になるんか?」ニヤニヤ
足柄「やめてよその笑い方… ただちょっと気になっただけよ」
龍驤「まぁ、確かに」ゴクゴクゴク
足柄「何だかこれから大変なことが起きるような気がするわ…」ゴクゴクゴク
~~~~~~~~~~~~~~"
翌日
あきつ丸「おはようございます!」ビシッ
提督「おはようさん。悪いな朝から呼び出して」
あきつ丸「いえ!いつでも準備はできているであります!」
提督「さすがだな。それで早速だが…この前将校殿から手紙がきてな」
あきつ丸「将校殿からでありますか!」キラーン
提督「あぁ、ちょっと台風やらで忙しくて伝えるのが遅くなったが…」
あきつ丸「久しぶりでありますな~。いったいどんな内容なのでありますか!?」ワクワク
提督「近々陸軍へ戻ってもらう」
あきつ丸「………………え…」
提督「ここへ来てもうじき三ヶ月くらいだ。まぁ、深海悽艦どもには会えなかったが、出撃とか射撃とかの腕は身に付いただろ?だから陸軍に戻って本来の仕事を…」
あきつ丸 ポロポロポロ
提督「あきつ丸!?大丈夫か!」
あきつ丸「は!」ゴシゴシ
あきつ丸「自分としたことが…取り乱してしまい申し訳ありません… 」
提督「いや……まぁ…そういうことだ。また詳細は後日送ってくるそうだからそれまで待っていてくれ」
あきつ丸「了解であります… 失礼します…」
バタン
提督「………意外な反応だな…」
………………
あきつ丸「……………………」
あきつ丸「自分としたことが……」ハァ…
あきつ丸(しかし何なのでありましょうか…この複雑な胸が苦しいような嬉しいような気持ちは…)
………………
金剛「へーい!今日は私が秘書艦ネー!!」
提督「…………」ウルサイ
金剛「なんでも私に言って下さいね提督ぅー!」
提督「あ、あぁ…」
金剛(はぁ~、提督とても紳士的でカッコいいネ~)
提督(もうちょっと静かにしてくれないかな)
コンコン
千歳「失礼しま~す」
大淀「失礼します提督。倉庫の整理書類が出来上がりましたのでお届けにまいりました」
提督「お、おぉ…もう終わったのか?」
千歳「それが聞いて下さい提督!大淀さんったら電卓よりも計算が早いのですよ!」ウキウキ
大淀「向こうでは経費などの会計をおもにしていたので」ドヤ
提督「さすが…昔から変わってないな」ヨシ
金剛「おぅ?提督、昔からって大淀を知っているのですカー?」
提督「え?」
千歳「何だか知っているような言い方ですね」
提督「え?…い、いやぁ~?ほら、大本営とかに行った時に見かけることがあったから!」アセアセ
金剛「なるほど。そうだったのですカー」
千歳「確かに電話とかもやり取りしてますしね。それに元帥さんの秘書でしたらやっぱりエリートで有名人ですもんねー♪」
大淀「え、えぇ…まぁ…」チラ
提督「…………」
……………………………
龍驤「ただいま~」
提督「おぉ、おかえり。今回も異常なしか?」
雪風「はい!何もありませんでした!」
足柄「でもゴミがひどかったわ…」
提督「ゴミ?」
龍驤「この前の台風で飛んできたゴミやら葉っぱやらが浮いてて汚かったわ」
提督「そうか…」
足柄「ま、敵は今回もいなかったし任務は終了ね。はぁー!じゃ、私は部屋に戻るわね~」
龍驤「うちも~」
雪風「失礼しました!」
提督「おう、お疲れさ~ん」
バタン
金剛「いつもあんな感じなのですカ?」
提督「あぁ、ゆる~いだろ?」
金剛「はい。ちょっとびっくりしたデス。でも何だか新鮮で楽しそうデース!」
提督「まぁ、すぐに慣れるさ」
…………………
食堂
あきつ丸「はぁ………」ボンヤリ
あきつ丸「…………………」
足柄「ビール♪ビール♪」ルンルン
あきつ丸「あ、足柄殿。帰ってきたのでありますね」
足柄「あらあきつ丸じゃない!珍しいわね昼からこんなところに一人なんて」ガチャ
あきつ丸「…………………」
足柄「どうしたの?何かあった?」ブシュ
あきつ丸「まぁ……はい……」
足柄「大丈夫?なんだか元気ないわね」ゴクゴクゴク
あきつ丸「足柄殿…少しお話が…」
足柄「 ? 」
…………………
あきつ丸「ということであります…」
足柄「うん。実は提督から聞いたわ」
あきつ丸「そうなのでありますか!?」
足柄「えぇ。でも今改めて思うともうそんな時期なのね…」
あきつ丸「はい…………」
足柄「でもよかったじゃない!あなたも陸軍に戻れて嬉しいんじゃないの?」
あきつ丸「そうなのでありますが…少し寂しく感じるであります…」
足柄「あら、最初は陸軍に戻せ!って言っていたのに」ゴクゴクゴク
あきつ丸「あははは…そういうこともあったでありますな…」
足柄「ホント、最初は 何この娘 ってみんな思ったんだから」
あきつ丸「あの時は自分もショックでありましたので」
足柄「今となってはすっかり馴染んだわね。最初なんか笑いもしなかったのに」ゴクゴクゴク
あきつ丸「慣れとは怖いものでありますな~」アハハ
足柄「この状態で陸軍に戻ったらきっと上官から大目玉をくらうわね」フフフ
あきつ丸「きっとそうでありますな!」アハハハハ
足柄「でも…少し寂しくはなるかもね…」
あきつ丸「…………はい…」
足柄「でもまだ決まった訳じゃないですし、残りもしっかりとしなきゃね」ゴクゴクゴク
あきつ丸「はい!」
~~~~~~~~~~~~~~~~
執務室
千歳「もう三ヶ月ですか!早いですね~」
提督「まぁまだ正式な日にちは決まった訳じゃないが、近々陸軍に戻るかもしれん」
鈴谷「少し寂しくなるね…」
雪風「…………」
龍驤「ま、その代わりに新しい娘もきたんやし。うちらはうちらで頑張らんと」
千歳「そうですね。でもやっぱり少し寂しいですね…」
提督「まぁな。三ヶ月か… あっという間だな」
雪風「雪風も寂しいです…」
コンコン
金剛「失礼しまーす提督ぅ!って、みなさんどうかしたのですカー?」
提督「あぁ、あきつ丸が陸軍に戻るって話だが…まぁ金剛はつい最近きたばかりだしな」
金剛「あの黒の軍服をきた娘ですか?oh…それは残念デース…せっかく良いフレンドになれると思ったのに……」ショボン
提督「まぁまぁ皆そんな気を落とすな!別に今日すぐ去るってわけじゃないんだ。それに俺達が暗かったらあきつ丸も不安になるだろ?だからいつも通りにいこうぜ」ハイハイ
龍驤「せや。提督の言うとおりや」ウムウム
千歳「そうですね!これからもっといっしょにお酒を飲みたいですし♪」
雪風「雪風もいっぱい陸軍について教えてもらいたいです!」
鈴谷「提督たまには良いこと言うじゃん」ウリウリ
提督「たまにはって…… そうだ。金剛、何か用事か?」
金剛「ohそうでした!提督に小包が届いてたネー」ハイ
提督「またか…重っ…」ズッシリ
龍驤「台風が過ぎたから、たまってた手紙が一気に運ばれてくるんやろ」
千歳「しかし大きくて分厚い封筒ですね」
鈴谷「なになに~?何が入ってるの~?」ウキウキ
提督「なんだろ…… 」ビリビリ
ゴソゴソ…
提督「まずは…手紙だ」ヒョイ
龍驤「誰からや?」
提督「書いて……ない」
千歳「差出人がわからないのですか!?」
提督「あぁ…どこにも…」
鈴谷「何か気持ち悪いね…」ウゥ
提督「ま、中身を見ればわかるだろ」ピラ
真っ白
提督「…………?」
龍驤「何も……書いとらんよな?」
千歳「本当ですね。真っ白です」
金剛「what?」
提督「いたずらか?」
龍驤「ははは…そうみたいやな」
鈴谷「何にも書いてないもんね…」アハハ…
金剛「いたずらでしたカ~…」アハハ…
提督「まったく…こういう時に限ってややこしいなぁ…」ヤレヤレ
雪風「まだ封筒に中に入ってますよ司令!」
提督「どうせ紙の束とかなんかのいたずらだろ…」ヨイショ
ガサガサガサ
提督「わ!?しまった」アララ
ザザザザザザザサァ
鈴谷「わっ、何か封筒からいっぱい出てきた!」
龍驤「あぁあぁ… また散らかった…」ハァ
金剛「みんなで拾うネー」ヨイショ
雪風「ヨイショ…ヨイショ…」
鈴谷「ん?提督これ、何かの写真じゃない?」ハイ
提督「ん?どれだ?」ドレドレ
提督「何の写真だ?」
鈴谷「建物?だね」
提督「ど~っかで見たような…」ン~
龍驤「こっちのも全部写真や。でもなんか滲んでてようわからんわ…」
千歳「雨のせいでしょうか。こちらも写真のようですが滲んでてよくわかりません」
提督「いったい何だってんだ???」
ガチャ
足柄「入るわよ……って、あなた達何やってるの…」ジトー
あきつ丸「わっ…これはまた散らかってますな…」
提督「おぉ、足柄とあきつ丸か。ちょっとこれ拾うの手伝ってくれ」
足柄「え、えぇ…」
あきつ丸「ヨイショ …写真でありますか?」
龍驤「そうなんやけどな… 雨のせいかなんかで滲んでてはっきりわからへんねん」
あきつ丸「本当でありますな…… 海?でありますか?…」ウーン
雪風「司令!こんなにも集めました!」ドサ
提督「おぉ…すごい量だな…後で捨てるから とりあえずあそこの箱に入れといてくれ」
雪風「はい!」
金剛「どれもみんな滲んでるネ…」ヨイショ
鈴谷「ぬはぁぁ!腰が!」ウーーン ゴキゴキ…
龍驤「鈴谷…あんたおじさんか…」
鈴谷「な!失礼な!私はまだまだピチピチのJKだよぉ!」
雪風「じぇーけーとは何ですか?」
金剛「yes!それはズバリ!自宅警備員の略デース!」yeh!
鈴谷「ちがぁぁぁぁう!私は引きこもってなんかないですぅ!」プンスカ
金剛「oh…それは失礼しました」
千歳「そうだ、確か有名なハ◯ーポ◯ターの著者でしたよね?」
鈴谷「そうだけどちがぁぁう!」プンスカ
龍驤「あ、自衛官か!」ピコン
鈴谷「ちがぁぁぁぁう!って、自衛官って何!」プンスカ
龍驤「あはは…いや~、何かふと頭に出てきたんや。何かはわからんけど」アハハ
足柄「確か…どこかの国の大統領じゃなかった?」
鈴谷「多分それは F がつく!!」プンスカ
あきつ丸「あ!確かお笑い芸人でいなかったでありますか!?」ピコン
鈴谷「お前に食わせるタンメンはねぇ!」
全員「お~」パチパチパチ
鈴谷「どうも……って、何言わせるのさ!」/// プンスカ
提督「何言ってんだお前ら… JKて言ったら…」
鈴谷「さすがに提督はわかるよね~」
提督「ジェダイだろ?」
鈴谷「フォースとともにあらんことを… ってちがぁぁぁぁぁぁう!誰も騎士じゃないよ!」プンスカ
提督「あれ?そうだったのか」
鈴谷「そうだったのか! じゃないよ!うわ~ん!みんなして鈴谷をいじめるんだぁ!」
ガチャ
大淀「失礼します提督……ってどうしたんですか…」
提督「おぉ!いいところに来た!大淀も拾うの手伝ってくれ」
大淀「は、はぁ…」???
鈴谷「うわ~ん!聞いてよ大淀さん!みんなして鈴谷をいじめてくる!」
大淀「ど、どうしたのですか?」アセアセ
鈴谷「大淀さんはJKってわかりますよね?」グズ
大淀「あら、そんなことですか?もちろん知っていますよ」ニコ
鈴谷「やっぱりそうだよね!」
大淀「はい」ニコ
大淀「ジャンムー・カシミール州ですよね?」ニコ
鈴谷「はい?」エ…
大淀「はい。インドのジャンムー・カシミール州の略ですよね」ニコ
全員 クククククク…
鈴谷「…………………」
大淀「あら?何か間違いましたか?」
鈴谷「もういやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
~~~~~~~~~~~
食堂
鳳翔「あら?今日は鈴谷さんたくさん食べられますね」
鈴谷「はい!」プンスカ
提督「ごめんよ~。冗談で遊んだだけじゃん」アハハ
鈴谷「……………」モグモグ
大淀「私も少し悪ふざけがすぎました…ごめんなさい」
鈴谷「大淀さんは全然いいよ~!」ニコ
提督「えぇ!?なんでさ!」
鈴谷「何提督。うるさいんだけど」ギロ
提督「あ……はい……」スミマセン
龍驤「何か自分らも悪かったな…ごめん」
鈴谷「別に冗談なら全然気にしてないよ」ニコ
提督「いやいやいやいや!おかしいだろ!」ガバ
鈴谷「うるさい提督!まじうざいんだけど」ギロ
提督「えぇ…いや……うぅ…」
あきつ丸「鈴谷殿…その…提督殿も許してあげてはどうでありますか?…」
鈴谷「とっくに許してるから心配しないでいいよ~」ニコ
提督「なんだ、そうだったのか」ホッ
鈴谷「あぁん?何か言った?」ギロ
提督「ひぃ…ごめんなさい…」ブルブル
あきつ丸「あはは…………」
金剛「それにしてもとてもご飯が美味しいネー!」キラキラキラ
鳳翔「うふふふ。ありがとうございます」ペコ
足柄「そりゃ当たり前でしょ!」
千歳「鳳翔さんが作る料理は世界一ですから♪」
雪風 モグモグ
金剛「毎日美味しい料理が食べれるなんて夢みたいデース」キラキラキラ
提督「前の鎮守府の飯は美味くなかったのか?」
金剛「イェース……とっても不味かったネー……」ドヨーン
大淀「はい…とても美味しいなんて言えませんでした……」ドヨーン
足柄「それは気の毒ね。でも、そんなんじゃ士気にも影響するんじゃないの?」
大淀「わざと私達を追い出すためだったと思います…」
鈴谷「うわっ…ひど…」
龍驤「なんやねんその提督は…指揮官失格やで」
あきつ丸「まことに酷いものでありますな…」
提督「大変だったな…」
金剛「でもそのおかげで私はここに来れたデース!」yeh
大淀「そうですね」ニコ
鳳翔「じゃあ、どんどん食べて下さいね!張り切って作りますから!」
金剛「はぁい!」
~~~~~~~~~~~~~~~
深夜 執務室
提督 ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク
提督「ぐはぁ~!やっぱこれだぁ!」プハァ
提督「寝る前の一杯…最高だ…」ゴクゴクゴク
コンコン
大淀「提督…まだ起きてますか…」
提督「ん?大淀か?何のようだ」
大淀「少しお話が… 入りますね」
ガチャ
大淀「な!?………」
提督「どした?そんなびっくりすることでもあったか?」ゴクゴクゴク
大淀「提督!何飲んでるんですか!!」
提督「何って…ビール?」チャプン
大淀「こ、ここは執務室ですよ!」アワワワ
提督「そうだ。執務室だよ……何か?」
大淀「え、いや……執務室ですよ!?」
提督「うん……え?」ゴクゴクゴク
大淀「て、提督ぅ………」
コンコン
あきつ丸「失礼するであります」ガチャ
提督「おぉ、あきつ丸か。こんな夜中にどうしたんだ?」
あきつ丸「明日の哨戒任務についてですが、詳しく確認を…」
大淀「あきつ丸さん!見て下さい!提督が執務室で飲酒していますよ!」ガバ
あきつ丸「ぬぉ…いったいどうしたのでありますか大淀殿」
大淀「見てくださいあれ!執務室で飲酒を!」アレ
提督 ゴクゴクゴク ←アレ
あきつ丸「??? どこかおかしいでありますか?」
大淀「え、えぇ!?」
あきつ丸「提督殿はいたっていつもと同じでありますが…」
大淀「あれ?私がおかしいの?」アワワワ
提督「大丈夫か大淀? 今日は休んだ方がいいんじゃないか」ヨシヨシ
あきつ丸「体調が悪いのであれば、自分が部屋まで送るであります」
大淀「いえ!そう言うわけではなくてですね…」アワアワアワ
提督「どういうことだ???」
大淀「その…仮にも海軍の司令室でありまして…仕事場と言いますか…そのような大事な場所で飲酒はいかがなものかと思いまして…」
提督「???」
あきつ丸「???」
大淀「その反応だと私が間違っているようですね……あはは…忘れて下さい…」アハハ…
あきつ丸「大淀殿。たしかにここに来てからは少し環境に上手く馴染めなく憂鬱になることもあるとは思いますが、そこは我慢していればいずれ慣れてくるでありますよ。ですので、無理をせずに慣れていくであります!そうしたら、自分がおかしいと思っていたことがいつの間にからか当たり前に思えてくるであります!」ニコ
大淀「え、えぇ……」???
提督「さすが先輩の言葉だ」ゴクゴクゴク
あきつ丸「自分も最初は大変でありましたが、慣れてしまえばとても楽しいものであります!」
大淀「は、はい!勉強になります!…?」
提督「うむ。無理をしてはいけないか…。よし!今日はもう夜遅いからみんな寝るぞ!おやすみ!」
あきつ丸「はい!おやすみなさいであります!」
大淀「は、はい!おやすみなさい …???」
バタン
あきつ丸「あ」
大淀「どうされましたか?」
あきつ丸「提督殿に明日のことについて聞くのを忘れてしまったであります」
大淀「それは大変です!今すぐ聞きにいきましょう!」アセアセ
あきつ丸「いえ。明日にするであります!では大淀殿、おやすみなさいであります」
大淀「へ!?あ、はい!おやすみなさいあきつ丸さん」…
大淀(私がおかしいのかしら????)
~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日
ザァァァァァァァァァァ
提督「今日は雨か」
大淀「先ほど出撃された方々が心配なのですか?」
提督「ははは。まさかな。あいつらは雨ごときでくたばるような連中じゃないさ」
金剛「私は出撃しなくてよかったデスカ?」ウー
提督「すまんが資源がかつかつでな。金剛をはりきって出撃させるにはもう少しかかる」スマン
金剛「それなら仕方ないネー。気にしないで下サーイ」
大淀「それにしても鈴谷さんと千歳さんは何処へいったのでしょう…お二人は編成には入っていなかったはずなのですが…」
提督「あぁ、それならさっき鳳翔さんとこで料理してたぞ。教わるとかなんとかで」
大淀「え… 今は任務待機中なのでは…」
提督「別にどおってことないから好きにすごしても問題ない。それに、もしもの時は何があっても二分以内に出撃できるように訓練と工夫はしてある」
金剛「それはすごいですネー」オォ~
大淀「抜け目だらけなのか、抜け目がないのか…」
ザァァァァァァァァァァ
提督「しかし雨が強くなってきたな…」
~~~~~~~~
海上
ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
龍驤「みんなぁ!ついてきとるかぁ!」
足柄「えぇ!」ウッ
あきつ丸「大丈夫であります…」ウッ
雪風「何も見えません!」ビシ
足柄「それにしてもすごい雨… 雨具ももう意味がないわ…」ウッ
あきつ丸「視界も悪いであります…」ウッ
龍驤「これじゃ索敵どころやないで… 飛行機も飛ばされへんし…」
雪風「何も見えません!」ニカイメ
龍驤「しゃあない。一旦引き上げよか!」
足柄「これじゃあ仕方ないわね」
あきつ丸「了解であります」ウッ
雪風「何も見えません!!」サンカイメ
ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
~~~~~~~~~~~
鎮守府
ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
金剛「どんどん酷くなるネー…」ウゥ
提督「この前の台風の後だってのに… 雨漏りパレードだこりゃ…」ハァ
大淀「それ大丈夫なんですか!?」
提督「バケツがどれだけあっても足りんから、もう諦めた。今ごろ二階は洪水だろう」
大淀「えぇ………」
金剛「少し龍驤達が心配デース…」
提督「まぁ、そろそろ引き上げてくるだろ」
ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
~~~~~~~~~~~~~~~~~
海上
ザァァァァァァァァァァザァァァァァァァァァァザァァァァァァァァァァ
龍驤「うぅ……風も出てきたな…」
足柄「前がまったく見えないわ」ウゥ
あきつ丸「雪風殿!大丈夫でありますか!」
雪風「はい!大丈夫です!……」ウゥ
龍驤「もうちょいの辛抱やからみんな頑張りや!!」ウゥ
あきつ丸「ん?………」ピタ
足柄「どうしたのよこんなところで止まって」ウゥ
あきつ丸「今、向こうの方になにやら赤い光のようなものが見えたような気がするであります…」
足柄「光?でもこの雨で遠くまでは見えないはずよ?」
龍驤「どないしたんや」
足柄「何か赤い光が見えたとかで」ウゥ
龍驤「光ぃ?こんな荒れた海に誰かおるんか?」
雪風「雪風の双眼鏡では見えません!」
龍驤「気のせいやったんちゃん?
あきつ丸「う~む。そうでありますな。ただの見間違えかもしれないであります」
ザァァァァァァァァァァザァァァァァァァァァァザァァァァァァァァァァ
足柄「また酷くなってきたわね…」ウゥ
龍驤「まぁ念のため光の方からまわって戻ろ
か」
あきつ丸「了解であります」ウッ
ザァァァァァァァァァァザァァァァァァァァァァザァァァァァァァァァァ
…………………
龍驤「ここら辺か?」
あきつ丸「はい。この辺りで赤い光を見たであります」
足柄「視界が悪いからなんとも言えないけれど、特に何かあるわけでもなさそうね」
雪風「どこにもありません」
あきつ丸「やはり気のせいであったのでしょうか」
足柄「雪風の電探も何もないようね」
雪風「はい!反応ありません」
龍驤「ほな気のせいか。そんじゃ戻ろ……」
ドォン!ドォン!ドォン!
足柄「何!?」ビク
あきつ丸「敵襲でありますか!?」ビク
~~~~~~~~~~~~~
鎮守府
ザァァァァァァァァァァザァァァァァァァァァァザァァァァァァァァァァ
提督「…………遅いな」チクタクチクタク
大淀「何かあったのでしょうか…」
金剛「心配デース…」
提督「大淀。千歳と鈴谷を呼んできてくれ。念のため出撃準備をしといてくれと」
大淀「はい。わかりました」ビシ
バタン
提督「何だか嫌な気分だ…まったく…」
金剛「大丈夫デスカ?」
提督「あぁ… 金剛、もしかすると君も出撃になるかもしれない。念のため心構えはしておいてくれ…」
金剛「了解ネー…」
提督「何もないことを祈ろう…」
~~~~~~~~~~~~~
海上
ザァァァァァァァァァァザァァァァァァァァァァザァァァァァァァァァァ
龍驤「どっからや今の音は!!」
足柄「わからないわ…」
あきつ丸「しかし、それほど遠くではなかったであります!」
龍驤「どうや雪風!何か反応はないか!」
雪風「何もないです!」
足柄「いったいどっからなのよ…」イライラ
あきつ丸「敵は自分達をもう発見しているのでしょうか」
龍驤「わからん…ただおびき寄せるための射撃かもしれん…とにかく周囲を警戒するんや!」
足柄「私は提督に連絡するわ」ツツツツ
~~~~~~~~~~~~
鎮守府
信号機・キュージジジジ
提督「!? きたか」ガチャ
ツツツツジジジジツツツツ
金剛「どうしたのデスカ?」
提督「……どうやら敵らしきものと遭遇したらしい」
金剛「それは大変デース!!すぐに出撃を…」
提督「いやまだだ。それが本当に敵かはまだわかっていない。千歳達を出撃させるのはぎりぎりまで粘ってからだ」
……………
ドック
ザァァァァァァァァァァザァァァァァァァァァァ
千歳「外、すごい雨ですねー」ウゥン…
鈴谷「まさか出撃準備とは…何かあったのかな?」
千歳「まさか~、龍驤さん達ですから大丈夫ですよ♪」
鈴谷「ま、そうだよね~」
~~~~~~~~~~~~~~~
海上
足柄「連絡したわ」
龍驤「よし。でもこっちは全然見つからへん」ドコヤ…
あきつ丸「…………」ジー
バァン!バァン!
龍驤「砲撃や!!みんな注意しや!」キリ
バシャン!バシャン!
雪風「きゃっ!!」
あきつ丸「雪風殿!!」
足柄「近い… 」キリ
龍驤「大丈夫か雪風!!」
雪風「大丈夫です!」フー
あきつ丸「よかったであります…」ホッ
雪風「幸運艦の名は伊達ではありません!」
足柄「油断してる暇はないわよ!周囲を警戒しなさい!」
あきつ丸「敵は自分達をとらえているようでありますな…」
龍驤「さっきのは完全に狙ってきた。後数メートルずれてたら雪風に直撃やったで」
足柄「まったく!雨で何も見えないじゃないの!」イライラ
龍驤「しゃあない…あんまり意味ないかもしれんけど…」スッ
龍驤「あんたら行ってこい!」ボワ
ブゥーーン!
あきつ丸「な!あれは!」
龍驤「うちの艦載機達や。こんな天気やから意味はほぼないやろうけど…気休め程度にはなるやろ」
足柄「敵の位置さえわかれば私達のものなのだけれど…」
雪風「何も見えないです」キョロキョロ
足柄「逆にこっちから撃ってみない?」
龍驤「いや、そないことしたらバレてまうやろ」
足柄「とっくに敵にはバレてるわ。だからこそおびき寄せるのはどう?」
あきつ丸「なるほど。自分は賛成であります」
龍驤「まぁ確かに…」ウゥン…
足柄「いいわね?じゃあ同じく三発撃つわね。それからすばやくここから少し移動しましょ」
あきつ丸「了解であります!砲撃は任せてほしいであります」スッ
足柄「勿論私もやるわよ」スッ
雪風「雪風もやります!」ヨイショ
龍驤「よっしゃ、ほな行こか」
あきつ丸「いくでありますよ足柄殿、雪風殿!射撃用意…てぇ!」
ドォン!ドォン!ドォン!
龍驤「よっしゃ!早く離れるで!」サッ
~~~~~~~~~~~~~
鎮守府
大淀「どうなさいますか提督」
提督「う~む…別にSOSってわけじゃないしな…」
金剛「でももし何かあったら…」
提督「あ、そうだ。いいこと思い付いた」ピコン
大淀・金剛「???」
………………
ドック
千歳「この天気ですからあまり期待しない方が…」
提督「まぁまぁまぁ。せっかくなんで頼むよ」
千歳「わかりました。では…発進!」
バァン ブゥーーン!!
鈴谷「お~、もう飛んでっちゃった」
千歳「零式偵察機を三機飛ばしましたが…この雨ですからね…」
ザァァァァァァァァァァザァァァァァァァァァァザァァァァァァァァァァ
提督「いや、ちょっとでも何か見つかればいいんだ。何か見つけたら報告してくれ」
千歳「わかりました」
鈴谷「まだ私達は出撃しないの?」
提督「まぁな。鈴谷らが出撃するとなったら、あまりよくない方向に進んだと思ってくれ」
鈴谷「おぉ…それは大変じゃん…」
提督「金剛もいっしょにならもっと大変と思ってくれ」
千歳「それはもう大変とかのレベルじゃなさそうですね」
金剛「でも私はいつでも出撃準備はできてるネー!」ウズウズ
提督「まぁ、龍驤達がうまいことやるさ。念のため準備だけはしといてくれ」
鈴谷「わかった~」ハーイ
~~~~~~~~~~~~~~~~
海上
龍驤「どうや?来てないか?」
雪風「何もいません…」ジー
あきつ丸「バレたのでしょうか…」
足柄「敵は私達をお見通しってわけ?」
龍驤「いや…絶対確認しにくるはずや。もうちょい待ってみよ」ジー
あきつ丸「……………」ジー
雪風「あ!何か見えました!」
龍驤「なんやて!」バッ
足柄「私も見えたわ!射程範囲内ね」ガチャ
龍驤「おぉおぉ…いけるんかこんなとこから」
足柄「私の腕はそんのそこらの小娘と同じにしてほしくないわ。……いくわよ」ガチャ
ドォン!
龍驤「どうや!?」
バァン!!
???「ウガァァァァ!!」
雪風「当たりました!!」
あきつ丸「すごいであります!」
足柄「ふふっ。こんなもんよ」キラキラキラ
龍驤「雪風!標的は大破したんか!?」
雪風「うぅん… 雨と波ではっきり見えないです」
足柄「私が確認しにいくわ」
あきつ丸「自分も行くであります!」
龍驤「よっしゃわかった。うちと雪風はここで見張っとくわ。気いつけてな」
……………
イ級 シュー…………
あきつ丸「こ、これが…深海棲艦で……ありますか……」ウッ…
足柄「そう言えば見るのは初めてだったわね。これはまだまだ小さい方のやつよ。私達はイ級って名前で呼んでるわ」
あきつ丸「なんとも…恐ろしいでありますな……」
足柄「これなんてまだまだよ。もっとえげつない奴なんてわんさかいるんだから。でもよかったじゃない。念願の深海棲艦に会えて」
あきつ丸「……………はい……」ウッ
龍驤「どないやー?」サー
足柄「もう死んでるわ」
龍驤「おぉ、イ級か。 他におらんかったか?」
足柄「探したけど、見当たらないわ。こいつ一匹かもね」
雪風「どこにもいません」ジー
龍驤「ほなこれ一匹か。飛ばしてる艦載機からも確認の連絡はきてないし」
足柄「それじゃ、これで終わりね」ウーーン!
あきつ丸「……………」
龍驤「ほな、鎮守府に戻ろか」
雪風「どうしたのですか?あきつ丸さん?」
あきつ丸「は!!い、いえ!何もありません。戻るであります」オドオド
雪風「はい!」ニコ
あきつ丸「……………」ジー
イ級 プカプカプカ
~~~~~~~~~~~~~~~~~・
鎮守府
提督「はぁ~。無事で何よりだ」ヨイショ
龍驤「何か心配かけてしもうたな」アハハ…
大淀「かなり心配していましたので…」ホッ
足柄「提督も?」
提督「まぁな」
金剛「提督はもしものために千歳達を待機させてたデース。それに偵察機も…」
提督「いらんことは言わんでいい」
龍驤「お!?なんやそんなに心配してくれてたんか」オォ
足柄「意外ね」ニヤニヤ
提督「部下の身を案じて何が悪い…」ハァ
龍驤「ほなうちは着替えるわ~」
足柄「そうね。私も雨でびちゃびちゃよ…」
雪風「お腹が空いたので鳳翔さんのところに行きます!」グー
提督「うむ。ご苦労だった。しっかり休んでくれ」
バタン
あきつ丸「……………」
提督「どうしたあきつ丸?お前はいかないのか?」
あきつ丸「はっ!…はい!失礼しました」アセアセ
バタン
提督「どうしたんだ???」
大淀「何だか暗い顔でしたね」
金剛「きっと疲れるんじゃないデスカ?」
提督「まぁそうだな。こんな天気の中、よくやってくれたよ」
大淀「そうですね。しかし久しぶりの深海棲艦だったのですか?」
提督「そうだな~。ここ最近すっかり見なくなってたからな~。超久しぶりだな」
金剛「でもイ級だけなんて珍しいネー」
提督「そうか?ここいらじゃ小物ばっかりだからそんな珍しいことじゃないぞ」
大淀「確かに前からここの報告書は何度か目を通しましたが、イ級とかロ級ばかりでした」
提督「敵にとってもここは重要地点ではないらしい…」トホホ
~~~~~~~~~~~
全員「いただきます!」
ガツガツ
提督「そういや昼飯食ってなかったからな~。めっちゃくちゃ美味い」モグモグ
大淀「そう言えばそうでしたね」
龍驤「今日はいつもより働いたからな~」ガツガツ
足柄「いつもより人一倍美味しく感じるわ」ガツガツ
雪風「ほうふぉうふぁん!おはわりくだふぁい!」モグモグモグモグ
金剛「私もお願いしマース!」hey!
提督「俺もお願いします!」ガツガツ
鳳翔「そんなに急いで食べると体に悪いですよ?」アセアセ
千歳「私達はいつも通りでしたね」
鈴谷「鈴谷も久しぶりに戦いたかったな~」
龍驤「でも今日は天気が天気やったから…」
足柄「確かに酷かったわね」ウンウン
提督「ま、無事でなによりだ」モグモグ
ガヤガヤ
あきつ丸「………………」
鳳翔「あら?あきつ丸さん、今日はあまり食べていないようですね。美味しくありませんでしたか?」
あきつ丸「はっ。 い、いえ!とても美味しいであります!」ガツガツ
あきつ丸「ぐふっ!? ゲホゲホ…」
鳳翔「あらあら!慌てずに食べて下さいね!」トントン
あきつ丸「申し訳ないであります…」ゲホゲホ
あきつ丸「………………」
~~~~~~~~~~~~~~
足柄 ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク
足柄「ぷはぁ~~~!!!生きてる!」yeh!
提督「そんな大袈裟な…ゴクゴク って、ホンマや!」
千歳「それ、誰でしたっけ?」グビ
金剛「確か…オータムソードフィッシュね!」
足柄「何か色々違うくない???」
提督「まぁ、別に何でもいいだろ」ゴクゴクゴク
千歳「それにしても金剛さんも飲むんですね」グビ
金剛「イエース!のんべえネ!!」グッ
足柄「何かまたすごい言葉ね…」
提督「そういやあきつ丸とかはどうしたんだ?」プシュ
千歳「今日は疲れていたので先に部屋に戻りましたよ」グビ
提督「そうか…」
足柄「どうしたの?あきつ丸が心配?」ゴクゴク
提督「まぁな。帰ってきてからずっと暗い顔してたからな」ゴクゴクゴク
千歳「そんなにも疲れていたんですね」
足柄「いや、多分。見たからじゃないかしら」
金剛「what?」ゴクゴクゴク
足柄「あの娘、イ級見てからずっとあんな感じよ。初めて生で見てショックだったんじゃないかしら」ゴクゴクゴク
提督「そうか…そういうことだったのか…」
千歳「もうすぐで陸軍に帰れるという時に…災難でしたね…」
提督「しかし、本人はあんなに見たい見たいって言ってたのにな。何か意外だな」ゴクゴクゴク
足柄「写真とかでいけると思ったんでしょ。実際に会ってみて自分の想像とは違うかったんでしょうね」ゴクゴクゴク
千歳「確かに本物は気持ち悪いですもんね」グビ
金剛「最初見た時は私もショックだったネ…」
提督「ま、初見は厳しいからな。誰でもそうなるだろ。俺が士官学校の頃なんか、研究室の標本見ただけで目を回してぶっ倒れたやつなんかいっぱいいたぞ?」ゴクゴクゴク
足柄「あははは!それはおもしろいわね」
提督「中にはチビったやつなんかもいた」ハハハ
千歳「それ、大丈夫なんですか」アハハハハハ
提督「ま、そいつらも今はしっかり司令官になってるからな。あきつ丸も慣れたら問題ないだろう」ゴクゴクゴク
足柄「経験ね。場数をふむのが一番よ」ゴクゴクゴク
千歳「でも、もう会えないかもですね」グビ
提督「確かに。いつものペースなら次出くわすのはまだまだだな」ゴクゴクゴク
金剛「あきつ丸も大変でしたネー」ゴクゴクゴク
足柄「今日は奇跡ね。でも、いい土産話が出来たんじゃない?」
提督「そうだな。陸軍の連中に話したらおもしろそうだな」ゴクゴクゴク
千歳「確かにそうですね」グビ
金剛「それこそみんな腰を抜かすネー!」
提督「ははははは!そうかもな!」ゴクゴクゴク
ワイワイガヤガヤ
~~~~~~~~~~~
翌日
提督「頭痛ぇ……」ガンガンガン
龍驤「まぁた遅くまで飲んでたんやろ…」ヤレヤレ
提督「水くれ…」ウゥ
龍驤「はいはい」ハァ
コンコン
大淀「おはようございます提……って、どうしたんですか…」
提督「おはようさん…」ウゥ
龍驤「日課の二日酔いや。ほんまだらしない…」ハイ
大淀「何ですかその 日課の二日酔い ってパワーワードは…」
提督「ありがと…ゴクゴクゴク」
龍驤「で、どうしたんや?見ての通り提督は今、メンテナンス中や」
大淀「あぁいえ!封筒が届いていたので届けにきただけです」ドウゾ
提督「ん…ありがと…そこおいといてくれ…」ガンガンガン
大淀「あ、はい……では…お大事に。失礼しました」
バタン
龍驤「そんじゃうちもやらなあかんことあるから行くな」
バタン
提督「…………………」ガンガンガン
提督「封筒って誰だ…」ゴソゴソ
ペラ
提督「………あぁ、将校殿から……」ジー
提督「……………ぬぁ!?」
………
あきつ丸「そうでありますか…」
提督「あぁ。一週間後に陸軍に戻れとのことだ」
足柄「一週間なんて急ぐわね」
提督「向こうにも事情があるんだろ。なんせ今は海も陸も人手不足だからな」
龍驤「後一週間か…」
あきつ丸「そうでありますな…」ガク
提督「どうした!?喜ばないのか?」
あきつ丸「嬉しいのでありますが…寂しいであります…」
提督「………」
千歳「そうね…いざ言われたら寂しくなるわね」
提督「まぁ、最初から決まってたことだ。それに二度と会えなくなるわけじゃないんだし」
鈴谷「それはそうだけどさ~」
雪風「雪風も寂しいです…」
提督「あぁもう!しょんぼりするな!昼間だってのに…これから忙しくなるぞあきつ丸!荷造りと掃除とかやらなきゃいけないからな」
あきつ丸「は、はい!」
大淀「一週間ですからあっという間ですね」
金剛「私達も手伝いマース!」グッ
あきつ丸「ありがとございます」ペコリ
提督「じゃ、そういうことだ。はい、戻ってよし」
ガチャ バタン
提督「もうこの封筒は捨てとくか」ポイ
提督 ギュルルルル
提督「うぉ…腹が……トイレ……」ダッ
………
コンコン
大淀「失礼します提督、忘れものを…ってあら?誰もいないのかしら」
シーン
大淀「おかしいですね…いったいどこへ行ってしまわれたのでしょう」
大淀「あら?ゴミ箱に封筒が…机から落ちてしまったのでしょうか」ヨイショ
大淀「あ、封は開いてますね。中は確認済みで………」
ペラ ヒラヒラ
大淀「あら、中にまだ入って…って…」
『鎮守府の解体と異動について』
大淀「こ、これは!?………」ガクガクガク
~~~~~~~~~~~~~
夜
全員「いただきます!」
提督「いつ食べても鳳翔さんの料理は美味い!」ガツガツ
鳳翔「提督ったら…誉めてもなにもありませんよ♪」ウフフ
足柄「そういえば龍驤、今日は何してたの?」モグモグ
龍驤「こないだの台風で飛んできたあの丸太を妖精らと撤去しとった」
千歳「雪風ちゃんよく噛まないと体に悪いわよ?」
雪風「ふぁい!ふぁはりました!」モグモグ
大淀「…………………」
金剛「んん?どうしたですか大淀?食欲がないデスカ?」モグモグ
大淀「あ…いえ……」パク
金剛「???」モグモグ
提督「そういやもう大丈夫なのかあきつ丸?」
あきつ丸「はい。昨日は少し気分がすぐれなかったので…でも今日は少し気分がよくなったであります」モグモグ
足柄「ま、慣れるのが一番ね」
あきつ丸「残り一週間だけでありますが、もっと腕を磨きたいと思うであります!」
龍驤「相変わらずさすがやな~。この素晴らしい精神を是非ともうちの提督にも見習ってもらいたいわ」ジー
提督「失礼な…」
足柄「今度は提督が陸軍に行ったらいいんじゃない?」ニヤニヤ
提督「ぜぇぇったいやだ!」
あきつ丸「陸軍もすばらしいところでありますよ?」
提督「誰が何を言おうとぜぇぇったい行かない!」モグモグ
鈴谷「急に異動とかになったらおもしろそうだね」
大淀 ビクッ
金剛「???」
提督「陸軍なんかに異動になったら俺はこの職から足を洗ってかたぎに戻る!」
龍驤「いや、やくざやないんやし」ビシ
ゲラゲラゲラ
大淀「……………………」
~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日
あきつ丸「鎮守府の修繕を手伝えなくて申し訳ないであります…」
龍驤「まぁしゃあない。まずは自分の部屋を片付けなあかんからな。この荷物はここでええか?」ヨイショ
あきつ丸「あ、はい!しかし龍驤殿もわざわざ手伝っていただいてありがとうございます」
龍驤「一人でやるより二人の方がはよ終わるやろ?」
あきつ丸「はい!…ここに来てからずっと龍驤殿に助けてもらっているでありますな…」ヨイショ
龍驤「そう言われてみればそうやな…なんやかんやうちもあきつ丸と喋ってたからな~」ヨイショ
あきつ丸「当分、話せなくなってしまうのが少し寂しいであります…」
龍驤「あははは…そうやな… まぁでも、提督の言うとおり二度と会われへんなるわけやないしな。何かあったらまた戻ってきたらええよ」ニカ
あきつ丸「龍驤殿…」ウルウル
龍驤「ほらほら、まだまだ荷物はあるんやから手止めたあかんで」ヨイショ
あきつ丸「はい!」ゴシゴシ
………
提督「どうだ?」オジャマシマース
あきつ丸「あ、提督殿!龍驤殿に手伝っていただいたので早く終わったのであります!」
提督「おぉ、綺麗さっぱり元通りだな」オー
ピカピカ
龍驤「まぁ、部屋事態が全然汚れてなかったからすぐに終わったわ。さすがあきつ丸」
あきつ丸「部屋を清潔に使うのは当たり前でありますゆえ」
提督「だってよ龍驤」
龍驤「いや、提督だって人のこと言えんやろ」ジトー
提督「そんじゃ大きい荷物は先に送っておくぞ?」
あきつ丸「はい!よろしくお願いします」
龍驤「そんじゃ鳳翔んとこに昼飯でも食べに行きますか」
あきつ丸「はい!」
~~~~~~~~~~~~~~~~
鎮守府修復隊 窓ガラス交換係
足柄「こんなにも窓ガラスが割れていたなんて…」フゥ
千歳「でもよかったじゃないですか。新しい窓ガラスが予定より早く届いて」
足柄「ついでに替えてくれたらもっといいのだけれどね」ヨイショ
千歳「そうですね~」ヨイショ
大淀「………………」ボー
足柄「大淀、新しいの取って」
大淀「………………」ボー
足柄「大淀!」
大淀「は、はい!」ビク
足柄「あなた大丈夫?さっきからぼーっとしているわよ?」
千歳「確かに今日はなんだか元気がないですね?」
大淀「そ、そうですか!?い、いや…私はいつも通りですよ?」アハハ
足柄「そう?」
千歳「どこか体調が優れないのであれば休んでもいいんですよ?」
大淀「大丈夫です!さ、作業を続けましょう!」ドウゾ
足柄「大丈夫ならいいのだけれど…」
~~~~~~~~~~~~~~
鎮守府修復隊 掃除係
鈴谷「はぁ~、なんでこんなにもゴミがあるかな~」
雪風「鈴谷さんずっと手が止まってます!」
鈴谷「あははは…ごめん」サッサッサ
金剛「雪風は厳しいネー」
雪風「提督に鈴谷さんがサボっていたら注意してと頼まれました!」
金剛「そういうことでしたカー」ハハハハ
鈴谷「ぐっ…提督め…」グヌヌ
雪風 サッサッサ
金剛「oh!そう言えば最近提督に何かあったデスカー?」
鈴谷「え?特にないと思うけど…なんで?」
金剛「昨日から大淀の様子が変ネー」
鈴谷「大淀さんが?」
金剛「イエース。なんだかぼーとしてるネ」
鈴谷「何かあったのかな?」
金剛「私もわかりまセーン」ウゥ…
雪風「鈴谷さん!また手が止まってます!」ピピー
鈴谷「あ、はい!ごめんなさーい!って、金剛さんもいっしょに…」サッサッサ
雪風「提督は鈴谷さんだけと言っていたので」
鈴谷「なっ……」ガーン
金剛「厳しいネ…」アハハ
~~~~~~~~~~~~~~~
その夜 堤防
プシュ
大淀 ゴクゴクゴクゴクゴクゴク
大淀「…………………………」ハァ
大淀(手紙のこと、提督に言わなければならないとはわかっているのに…私ったら…)
大淀「私の馬鹿ぁ…」ボソ
あきつ丸「どうしたのでありますか大淀殿?て、大淀殿!?お酒など飲んでどうされたのでありますか!?」
大淀「ひぇ!?あ、あああきつ丸さん!?いつからそこに!」ビク
あきつ丸「す、少し散歩していただけであります…大淀殿はここでいったい何を…」
大淀「え、えぇとですね…」アセアセ
あきつ丸「何か悩み事でありますか?もし何か力になれることであれば、自分が協力するでありますよ?」
大淀「え、あぁ…お気持ちは嬉しいのですが…」
あきつ丸「何を遠慮しているのでありますか!同じ鎮守府の同士ではないですか!それにお酒で解決はよくないであります!」グイ
大淀「えぇ…」ウゥ
大淀「そ、そこまで言われると断れない…」ボソ
あきつ丸「さぁ!」グイ
カクカクシカジカ…
あきつ丸「なっ………」ショック
大淀「提督は多分その手紙に気づいていないと思います…」ハァ
あきつ丸「そ、それは…大変であります!」アワアワ
大淀「やはり伝えた方がいいですよね…」
あきつ丸「もちろんであります!これは一大事でありますよ!?」
大淀「そうですよね~…」ガク
大淀 ゴクゴクゴクゴクゴクゴク
あきつ丸「……何か言いにくいことでもあるのでありますか?」
大淀「えぇ…まぁ…。せっかく提督が、一から作った鎮守府を奪うなんてもうしたくありません…」ヒック ///
あきつ丸「奪う…でありますか?」
大淀 ゴクゴクゴクゴクゴクゴク ヒック
大淀「はい。以前も提督は別の鎮守府で勤務していたのですが、上層部の司令で提督が指揮した艦隊が大損害をおってしまいまして…元はと言えば、成功するはずもない無理やりな作戦を実行した上層部が悪いんです。それに提督の艦隊は囮のような役割でした。提督は最後まで作戦に反対したのですが、結局従うしかなくなってしまって…」ヒック
あきつ丸「な……………」
大淀「さらに提督はその後、作戦の失敗の責任をとらされて、保有艦隊の解体と異動が命じられたんです。それから提督は海軍から居場所がなくなってしまい、一人陸軍にいったんです。たしか将校さんと親しい仲だったそうで」ヒック
あきつ丸「り、陸軍でありますか!?」ギョ
大淀「それから三年ぐらいしてから以前の私の元帥が提督の事情を知って海軍に引き戻したんです。しかしそれが前の上層部に知られてしまい、元帥は仕方なく提督をこの離れた島に配属せざるを得なくなったのです。もちろん艦隊なんてありませんし、最初は提督一人でした」ヒック
あきつ丸「そんな…」
大淀「元帥はなんとかして提督を援助しようとしました。最初は資材などを密かに届けたり、他の鎮守府で問題を起こした艦娘を引き取って提督の鎮守府へ着任させたりもしました。それが今の足柄さんとかですね。それで何とかここも鎮守府として機能できるようになったのですが…その元帥も海軍の上層部によって辞任させられました…」ヒック
あきつ丸「ひどいであります…」
大淀「それなのにまだ海軍は提督の居場所を奪おうと…提督はあぁ見えてきっと精神はズタズタなはずです…」ポロポロ ヒック
あきつ丸「大淀殿………」
大淀「私はその昔の鎮守府で提督と勤務していました…提督は本当に強い人です…」ポロポロ
あきつ丸「まさかそのようなことがあったとは…」
龍驤「……………そうやったんか…」スッ
あきつ丸「っ!? り、龍驤殿!?いつからそこにいたでありますか!?」
龍驤「大淀とあきつ丸がおるのが見えたからな。ちょっと気になって来てみれば…なんやえらいこと聞いてもうたわ…」
あきつ丸「提督殿にそのような過去があったとは…」
龍驤「ほんまにや…いつもだらだらしたあの提督がまさかそんなことがあったなんてなぁ…想像もつかんわ…多分、提督はあんまりこの話を話したらうちらが嫌な気分になったり提督に気を使ったりするのが嫌やったから話さんかったんやろな…」
大淀「……………」zzz
あきつ丸「どうするでありますか龍驤殿…」
龍驤「提督には言った方がええと思うで。もし伝えらんとほってたら、上層部が命令無視とかでもっと酷いことを提督にするかもしれんしな」
あきつ丸「そうでありますよね…」
龍驤「ま、どちらにせよ。大淀と金剛がここにおるから違反なんやけどな。まぁ、なにかしらそれに関して手紙がないっちゅうことは、大淀も金剛も海軍から見放されたっちゅうことや。今の話によったらここにおる全員が海軍から見放されたってわけらしいけどな」
あきつ丸「……………」
龍驤「ま、あきつ丸はそない考える事ちゃうよ。もうすぐ帰るんやしな。これはうちらの問題やさかい、あきつ丸は気にせんでええよ」
あきつ丸「そうでありますが…………」
大淀「……………テイトク…」zzz
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日
提督「……………………………」
龍驤「話は大淀から聞いた。まぁ、それに関してはあんまり深く追及はせんけど異動の件はどないかせな」
提督「……………………はぁ」
提督「聞いちまったか~…」アァァ…
龍驤「なんや?なんか問題でもあるんか?」
提督「怒ってないのか?自分が海軍から必要とされていないってことだぞ?」
龍驤「あははは!何を今さら!うちはとっくにやらかしてんやからそう思っとるよ」ハハハ
提督「そうか…」
龍驤「それに、そんなうちを提督はちゃんと艦娘として扱ってくれてるからな。うちはそれだけで十分や」ウム
提督「そう言ってくれると助かる…ありがとう…」
龍驤「なんや急にありがとうなんて。寒気するわ…ほら、しっかりしいや!」バン
提督「痛っ!」ヒリヒリ
龍驤「これぐらいやっとかな目は覚めんやろ」ニヤニヤ
提督「………そうだな」ハハハ
龍驤「で、どうするんや?」
提督「そうだな~… まずは真偽を確かめないとな」カシャ ジジジジ
龍驤「誰に電話するんや?」
提督「そうだな…恩人」プー
龍驤「???」
提督「あ!もしもし!お久しぶりです!」
ガチャ
千歳「失礼します提…おっと、電話中でしたか」オロオロ
龍驤「なんや恩人と話してるらしい」
千歳「恩人?ですか?」
龍驤「うちもようわからん」
提督「一つお願いしたいことが……はい……うちの鎮守府について何かありませんでしたか?
…………はい……!?…そうでありますか…」
千歳「鎮守府って、何かあったのですか?」
龍驤「まぁ色々ピンチや。話せば長くなる」
千歳「???」
提督「そうですか…いや、ありがとうございます!…はい……それではまた…はい……失礼します」ガチャン
龍驤「誰やったん?」
提督「元帥殿だ。まぁ元か…」
千歳「えぇ!?そんなすごい人となんで提督が!?」オドロキ
提督「まぁ色々あるのさ。さて、龍驤。これから忙しくなるぞ」
龍驤「なんや、何すんや?」
提督「まずは全員集合だ。大規模作戦会議を始めよう」
千歳「え!新しい作戦にとうとう私達も参加できるのですか!」キラキラ
提督「非公式だ」
千歳「そうですか…」ガーン
龍驤「なんや何が始まるんや…」
提督「これからのお楽しみだ」ニヤニヤ
~~~~~~~~~~~~~~~
提督「あー…テステス」キーン
全員「ぎゃあ…」ウッ
あきつ丸「耳が…」
龍驤「別に拡声器使わんでもええやろ…」
千歳「いったい何の話ですか?」
足柄「急に集合なんて、こっちもやることがあるんだから早くしてほしいわ」
鳳翔「あの~…私も必要なのでしょうか…」
提督「大切な話なので、全員必要です」
雪風「大淀さんがまだ来ていません!」
金剛「どこへ行ったデスカ?」
提督「まぁもうじきくるだろ」
ガチャ
大淀「す、すすすすみません!遅れてしまいました!」アセアセ
全員 ポカーン
大淀「ど、どうされたのですか?私の顔に何か?」アワアワ
全員 アハハハハハハ!www
大淀「えぇ?」
龍驤「なんやその髪の毛は!」www
足柄「あなた…すごい髪よ!」www
大淀「か、髪の毛ですか!?」
千歳「はいw鏡ですww」ドウゾ
大淀 ドレドレ
大淀 ボサーー
大淀「んな!?」キャー
鈴谷「まじwちょーうけるんですけど」アハハw
あきつ丸「すごい髪型であります」クスクス
金剛「ライオンみたいデース」アハハww
大淀「うぅ…」カァァ///
提督「急ぐのもいいが、身だしなみも確認しないとな」ハハハww
大淀「恥ずかしい…」シュー
鳳翔「私が直して差し上げますね」ヨイショ
大淀「え!?いえ!自分で…」
鳳翔「うふふ。大丈夫ですよ」サラサラ
大淀「ありがとうございます…」///
提督「よし、全員揃ったな」
雪風「はい!」
提督「それじゃ大切な話をする」
全員 ゴクリ
提督「えー、これからのことだが…この鎮守府を解体すると連絡がきた」
全員 ザワザワザワ
大淀「っ!?」ドキッ
足柄「ど、どういうことよ!」
龍驤「海軍のお上からやと」
千歳「わけがわからないですよ」
提督「まぁ、俺もびっくりした」
鈴谷「そんなひどいよ」
提督「まぁ、俺はこれについて解体する気はさらさらない」キッパリ
金剛「よかったデース」ホッ
足柄「でも、それじゃ提督は命令違反になるのじゃないの?」
提督「まぁ、そうだな。今までのことを考えたら……まぁまず強制的に辞職はさせられるだろうな。それから禁固とかあるいは死……」
千歳「そ、それじゃ私達も…」
龍驤「そうやな」
鈴谷「え!?じゃあどうするの!」
あきつ丸「…………」
大淀「提督…」
提督「そうだな…俺が考えてるのは…」
足柄「考えてるのは?」
提督「クーデター」サラ
全員「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
龍驤「ど、どないこっちゃ!?」
大淀「何をいってるんですか!」
足柄「あなた、意味わかってるの!?…」
提督「まぁまぁ落ち着いてくれ。まず、現在の海軍の上層部なのだが…」
カクカクシカジカ
足柄「まぁだいたいわかったわ。とりあえず上層部はろくでなしのクズって言うことは」
千歳「ひどいですね」
鈴谷「そんなのまじでヤバいじゃん」
提督「だろ?」
龍驤「で。そいつらを提督は辞めさせたいと?」
提督「あぁそうだ」
足柄「はぁ…」
千歳「お気持ちはわかりますが…」
金剛「相手が悪いネー…」
提督「あ、言い忘れたが、自分らだけでやろうってわけじゃないぞ?」
大淀「え?」
龍驤「なんや?誰かおるんか?」
提督「あぁ。もんげー同士がな」
千歳「いったい誰なのですか?」
提督「んー。まだあんまり言えない」
鈴谷「気になる」
提督「まぁ、すぐわかる。それじゃあそういうことだ」
足柄「問題が大きすぎてうまく処理できないわ…」
龍驤「うちもや…」
鳳翔「私は提督の言うとおりにします」フフ
提督「あ、後あきつ丸」
あきつ丸「は、はい!」
提督「帰る日は延期だ」
あきつ丸「え?」
提督「まぁこんなわけだから。帰る日を延期してほしい。もちろん将校殿にも伝えている」
あきつ丸「は、はい!了解であります!」
提督「それじゃ、解散」
足柄「本当に大変なことになってしまったわね…」
千歳「はい…何かある前に先に秘蔵コレクションを消費しておこうかしら…」トホホ
~~~~~~~~~~~~~~
その夜 食堂
プシュ!
提督 ゴクゴクゴクゴクゴクゴク
足柄 ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク
提督・足柄「ぷはぁぁ!!」
足柄「で、提督。わかってるわね?」
提督「まぁな。さんざん今から飲まされて尋問されるんだろ」
足柄「えぇ」ゴクゴクゴク
提督「すまんな。いきなりあんなこと言って」
足柄「本当よ!まったく、何の前置きもなしに。びっくりしたわ!」
提督「今朝決めたことだからな」
足柄「……で、具体的な戦略はどんな感じなの?直接本部に殴り込むわけ?」ゴクゴクゴク
提督「ははは、まさかぁ」
足柄「どうするの?」
提督「とりあえずまずは情報収集だ。上層部の悪行を洗いざらいにしなくちゃな」
足柄「私達だけで?」
提督「いや、それは協力な同士がやっている」
足柄「その誰なのよ同士って」ゴクゴクゴク
提督「元帥殿」
足柄「ごほっ!げ、元帥!?」
提督「元な」
足柄「なんでそんな大物が!」
提督「ざっと言えば、俺達と同じぐらい上層部が嫌いだ」
足柄「元帥ともあろう方がまたそんな…」
提督「まぁいろいろあったんだ」ゴクゴクゴク
足柄「それで?他には?」ゴクゴクゴク
提督「陸軍」
足柄「ブハァ!り、陸軍!?」
提督「あぁ」
足柄「え?何なの!ホント何なの!?」
提督「同じ思いを持つ同士…」
足柄「ちょっと待って!同じ思いを持つ同士じゃないわよ!陸軍よ!人じゃないのよ!」
提督「いや、わかっとるわ。まぁ、陸軍と海軍は昔から犬猿の仲だからな。陸軍にとっちゃ美味しい出来事なんだろう」
足柄「酔えなくなってきた…」
提督「そうか?まだまだいけるぞ?」
足柄「陸軍で思いだしたけど…あの娘はどうするのよ」
提督「あきつ丸か?あきつ丸もここにいてもらう。大丈夫、後からその理由がわかる」
足柄「ちゃんと考えているのならいいのだけれど…」
提督「あきつ丸には申し訳ないが、今が一番のチャンスなんだ。やるなら今しかない」
足柄「あの娘も大変ね。まさかちょっとの研修がこんなことに巻き込まれるなんて」
提督「どちみちあきつ丸も陸軍だから、巻き込まれる」ゴクゴクゴク
足柄「それもそうだけれど…」ゴクゴクゴク
………………
千歳の部屋
あきつ丸「失礼するであります…」
ガチャ
千歳 グビ
あきつ丸「あ…えっと…」オロオロ
千歳「あら!こんな夜遅くにどうしたの?」
あきつ丸「え、え~と……」
龍驤「なんやどないしたんや?」
あきつ丸「りゅ、龍驤殿!?どうしてここに」
龍驤「千歳に呼ばれてな。一緒に飲んどったんや」
千歳「あきつ丸ちゃんもどう?」
あきつ丸「え、えーと…」
龍驤「千歳の秘蔵コレクションやからレア酒ばっかりやで~」グビ
あきつ丸「そ、それではいただくであります…」ジュル
千歳「うふふふ。どうぞ♪」ハイ
……数分後
あきつ丸「まったく…どぉ~して自分は帰れないのでありますかぁ!」ベロベロ ///
龍驤「そ、それは…」アララ
千歳(あきつ丸ちゃん…こっちだったんだ…)
龍驤(めっちゃ意外…)
あきつ丸「龍驤殿ぉ!どうしてでありますかぁぁ~!どうしてでありますかぁぁ~!!!ヒック」ユサユサユサ
千歳「わ、私は千歳ですよ~」ユサユサユサ
あきつ丸「あぁれぃ?違いましたかぁ~」ヒック
龍驤「まぁ、なんや。それに関してはうちも同情するで…あんだけ帰る準備してたんやしな」グビ
あきつ丸「そうでありますよ!自分はずぅ~~~っと前から陸軍に帰りたいとおもっとったでありまぁす!ヒック それなのに…ポロポロ」ヒック///
千歳「あぁあぁ…泣かないで…」アララ
あきつ丸「グス…自分は…ヒッグ…陸軍に…見放されたであります…ヒッグ…」ウワァァ
龍驤「ほらほらほら。泣かんで…な?大丈夫やから」トントン
あきつ丸「自分は帰りたいでありますよぉぉぉぉぉ」ウワァァァァン
千歳「よしよし…」アララ
龍驤「今までのあきつ丸のイメージが一気に崩れたわ」ハァ
~~~~~~~~~~~~~~~~
翌朝
ドタドタドタ!!
バタン!
雪風「司令!!起きてください!!」ユサユサユサ
提督「ん…… まだ五時だぞ…寝かしてく…zzz」
雪風「司令!司令!!起ーきーてーください!!」ユサユサユサユサユサユサ
提督「後一時間…」zzz
雪風「飛行機が見えました!!司令!!」
提督「飛行機ぐらい飛んでるさ…寝かせろ…zzz」
雪風「こっちに向かってきています!」ユサユサユサ
提督「…………なに?」ピク
雪風「とにかく来て下さい!!」
……………
提督「ふわぁ~」ボサァ
龍驤 ボサァ
龍驤「なんや…提督も起こされたんか…」フワァ~
提督「その様子だとお前もか」フワァ~
雪風「司令!龍驤さん!あれです!」ビシ
提督・龍驤「………………」ボヤァ
提督「駄目だ…目が開かない…」ゴシゴシ
龍驤「………なんも見えんで…」
雪風「あそこにいます!」ビシ
提督「どこだぁ…………」ゴシゴシ
龍驤「あかん……うちもぅ限界…」フワァ~
雪風「これで見てみて下さい!」双眼鏡
提督「ん…………」
龍驤「zzz………」
提督「……………z」
雪風「司令!!」
提督「はっ!……………どこだ」
雪風「あそこです!」
提督「あそこ……あそこ……!! あぁ、あれか」
雪風「見えましたか!」
提督「ありゃ、零式水上観測機だな。どっかの鎮守府が張り切って飛ばしてるんだろ……じゃ、俺は寝…」
雪風「司令!こっちに向かってきます!」グイ
提督「うぅ…雪風、そんな訳ないだろ。いい加減に……」
ブゥゥゥゥゥゥゥン……
龍驤「zzz……はっ!!何の音や!?」
雪風「こっちに来ます…」
提督「ど、どういうことだ…」
ブゥゥゥゥゥゥゥン
…………
バタン!
あきつ丸「て、敵襲でありますか!!」ボサァ
提督「うぉ、あきつ丸か。すごい髪型だぞ…」
あきつ丸「急いで起きたので…それより何か音がしたであります」
提督「あぁ…それが飛行機がこっちに向かって飛んできてる」
あきつ丸「な… て、敵でありますか!?」
提督「いぃやぁ…多分違うと思うけど…一応警戒はしておこう」
バタン!
大淀「何の音ですか!!」
龍驤「大淀もか」
大淀「みなさんお揃いで…何かあったのですか?」
龍驤「それが飛行機が……」
雪風「どんどん低くなってきました!」
提督「着水する気か!?」
龍驤「何か緊急の連絡入ってないんか!?」
提督「入ってないし届いてもないし聞いてないぞ!」
あきつ丸「ど、どうするでありますか!?」
提督「とりあえず着替えて確認しに行く!」
ドタドタドタ
…………………………
提督「メタモルフォーゼ!」キラーン
龍驤「一応、うちらも着替えたけど…」
提督「着水して、機体が停止したら離れておけ」
大淀「わかりました」
ブゥゥゥゥゥゥゥ
バサァァァァァァァァァァァ
龍驤「綺麗に着水するな…」
提督「いったいどこの機体だ…」
ババッ…ババババッ……ババッ…ババッ…バッ………
あきつ丸「止まったであります!」
提督「よし…みんなここにいろ…」カチャ
大淀「お気をつけて…」ゴク
提督(弾はよし…使いたくはないが念のため…)ガチャ
…………………
提督 ソー
提督「私はこの鎮守府の司令官だ!事前に着陸要請の連絡は受けていない!おとなしくゆっくりとコックピットから降りてこい!もし抵抗したならば容赦なく発砲する!!」スチャ
コックピット …………
提督「聞こえてるか!!」スッ
コックピット ガサッ
提督「む…」スッ
???「よいしょ……ぐはぁ!疲れたぁ~」
提督「貴様!聞いていたのか!」カチャ
???「むむ。おぉ!これはこれは!久しいのー!」
提督「おとなしく降りてこい!」
???「なんじゃ?気づいておらんのか!?」
提督「これ以上無駄口をたたけば発砲する!」スッ
???「むむ!?なんじゃ!?わからんのか!わしじゃよわし!」バサ
提督「わし?…………あぁ!!」
元帥「わしじゃ!元帥じゃ!元だけど」
提督「げ、元帥殿!?」サッ
元帥「元気にしておるようだな」
~~~~~~~~~~~~~
執務室
龍驤・千歳・足柄・鈴谷 ガチガチガチ
雪風「???」
大淀「元帥殿、お久しぶりです」
元帥「おぉ!大淀ではないか!久しぶりじゃの~。元気にしとったか?」
大淀「はい。お陰さまで。元帥殿もお元気そうで何よりです」
バタン!
金剛「oh!!提督ぅ!!」
元帥「おぉ!金剛もいたのか。久しいぶりじゃの~」
金剛「提督に会えなくて寂しかったデース」
元帥「ははは。しかし、新しい提督がここにいるじゃろ?」
金剛「イエース!今の提督は提督と同じくらいカッコいいネー!!」
元帥「そりゃそうじゃ。わしが育てたのじゃからな」ガハハハハ
足柄(昨日の夜の話は本当だったのね!?…しかし、どうしてこの人達はこんなにも平気なの!?)
龍驤(あかん!何か元帥って思っただけで、緊張してまう)
鈴谷(このお爺ちゃんが海軍の元ドン…)
千歳(久しぶりに飲みすぎたわ…)ガンガン
提督「あ、あの…色々聞きたいことがあるのですが…まず、拳銃を向けたことは申し訳ありませんでした」
元帥「あぁ、なぁに。わしが何の連絡もなしに着たのが悪かったんじゃ。お前のやった事は正しい」
提督「そうですか…」
鈴谷(めっちゃ提督がペコペコしてる!レアじゃん!)
元帥「それに、情報が漏れるのは避けたかったんじゃ。だから急な訪問になった」
提督「わかっています。元帥殿がいつか来られることは薄々気づいていましたので」
大淀「あの…どうしてこちらへ?」
元帥「それはだな……えぇ~…」チラッ
提督「大丈夫です。鎮守府の皆には話しましたので」
元帥「そうか。じゃあ話は早い。つまりわしは協力するためにここへ来たのじゃ。遠いところよりかは同じ場所で戦う方が何かと便利であるからな」
大淀「な、なるほど」
龍驤「つ、つまりクーデターのってことか?」
提督「あぁ、そう言うことだ」
龍驤「ひぇぇ…大変なことになってもうてた…」ハァ
元帥「そう言えば、あの男はどうなった…」
提督「心配いりません。今のところは問題なく順調だそうです」
元帥「うむ。それならよかった。昔から陸は嫌いであったが、あの男だけは信用できる」
あきつ丸「???」
元帥「うん?君はみない制服を着ているね」
あきつ丸「は、はい!自分は陸軍より研修のため着任しました!」バッ
元帥「なるほど。口調、姿勢すべてがあの男と似ている。やつもおもしろいことを考える…陸軍の兵を海軍にか…」フム
あきつ丸「…………」
~~~~~~~~~~~~~~
食堂
足柄「提督はどうしたの?」
龍驤「なんや元帥と難しい話しとるわ」
千歳「まさかこうも大物が参戦なんて思ってもいませんでした…」
鈴谷「何か思ってたより大事だね」
龍驤「そりゃそうやろ。なんせうちらは反乱起こそういうんや。もし失敗したら解体やで…」ハァ
鈴谷「うげぇ…」
足柄「なんだかここまでなると、気が重いわね…」
あきつ丸「むっ。どうしたのでありますか。いつもの威勢は…」
龍驤「いつもなら やったるでー! ぐらいなんやけどな…」ダラーン
千歳「相手が相手ですもんね…」
足柄「なんだか心配だわ…」ハァ
あきつ丸「もう!どうしたのでありますか!皆さんだらしないでありますよ!!」ダッ
鈴谷「だって考えてみなよ。私達とあの元帥さんだけじゃ勝てるわけないじゃん」
あきつ丸「そうじゃないでありますよ!最初から諦めては作戦は成功しないであります!!」
龍驤「ごめんやけど、そない気持ちに今はなられへんわ…」ダラーン
足柄「いっそのこと逃げちゃおうかしら…」ダラーン
千歳「それもありですね~」
あきつ丸「むっ。今回ばかりは自分も呆れたであります!」ガタン
鈴谷「あれ?どこ行くの?」
あきつ丸「部屋に戻るであります!」ムッ
鈴谷「行っちゃった……」
足柄「あの娘すごいわね…」
千歳「さすがです。こんな時でもしっかりしてますよね」
龍驤「はぁ…ホンマ…どうしたらええんや…」
~~~~~~~~~~~
あきつ丸の部屋
バタン!
あきつ丸 イライライラ
あきつ丸「まったく!あの人達はどうしてあんなにやる気がないでありますか!いつもはばか騒ぎしているはずであります!それなのにどうして!…」ボフ
あきつ丸「………………」
あきつ丸「将校殿…自分はいったいどうしたらいいでありますか…龍驤殿の言ったように、もし失敗すれば…」ビクビク
あきつ丸「はぁ…本当に理解できないであります…」
『続・理解できないであります』に続く
この度は作品を読んでいただきありがとうございます。
おもに艦これのssを書いております 熊村こう と申します。 気に入っていただけましたら、どうぞ他作品もお読み下さい。
話は随時更新していきますのでよろしくお願いします。だいたい深夜更新です。
よろしければ評価・コメントもよろしくお願いします。
いよいよ最終章であります。
長ったらしい話ですが、どうぞ最後までよろしくお願いします!
当初の予定より大幅に字数が足りなくなってしまうという事態が発生しました。
これにより、次回より続きは『続・理解できないであります』で更新していきます。
どうぞ最後までよろしくお願いいたします!
固い、陸軍と緩い鎮守府の提督とみんな、
これからどんな展開になっていくのかたのしみです!
と、言うことでこのコメント見たら毎秒投稿して、どうぞ
誰かと思ったらオークションの人か!そりゃおもしろいわけだ!
待ってた(血涙)
完結するまで眠れません。
俺得過ぎるので頑張って下さい
目を瞑りながら、待ってます。