2015-03-28 23:46:38 更新

ダレカタスケテ-!!


凛「あ!かよちんの声!行かなきゃ!!」


絵里「行ってはだめよ、凛」


凛「なんで?!かよちんが困ってるのに見捨てるなんてできないよ!」


海未「凛、このままで花陽の為になると思いますか?」


凛「な…かよちんが困ってるんだから助けてあげる方がいいに決まってるよ!」


ことり「あのね凛ちゃん。それは花陽ちゃんを甘やかしてるだけなんだよ?」


希「凛ちゃん、このまま凛ちゃんが助けていたら花陽ちゃんは大人になってからどうするの?」


凛「凛が助けてあげればいいじゃん!」


にこ「あんたねぇ…いつまでも花陽と一緒にいるつもり?」


凛「そうにゃ!」


穂乃果「凛ちゃん、花陽ちゃんもいつかは旦那さんができるんだよ?凛ちゃんも、ね。」


凛「で…でも…かよちんを見捨てるなんて…凛、嫌だよ」ポロポロ


真姫「私達だって…花陽を見捨てたいわけじゃないのよ!」ウルウル


凛「…!わ、わかった…みんな、ごめんね…」


希「ええんよ、凛ちゃん」ニコッ


そうだよね…凛のせいでかよちんが成長できないなんて…嫌だもん。

…かよちん…ごめんね…

嫌いになったわけじゃ、ないんだよ?

凛はかよちんのこと大好きだよ。

それだけは、ぜーったいに変わらないにゃーっ!

かよちん、がんばれ!!凛は応援してるにゃ!





花陽「ダレカタスケテ-!!」


シ-ン


花陽「…凛ちゃん…」グスグス


花陽「来てくれない…いつもならすぐに来てくれるのに…」


花陽「もしかして、花陽…嫌われちゃったかな…?」


花陽「そうだよね…ずっと守ってもらってばっかだったし…凛ちゃん、本当はめんどくさかったんだよね…」


ごめんね、凛ちゃん。

ずっとずっと守ってもらって。

私はなんもできなくて。

あぁ、本当だめだな、私。

凛ちゃんがいないと…なにもできない。


花陽「こんなんだから凛ちゃんに嫌われちゃうんだよ…?」ポロポロ


私はわざと口に出して自分を卑下する。

こんな顔誰にも見られたくないなぁ…えへへ…ごめんね、みんな。花陽はダメな子だから…やっぱりあの頃から変わってないんだな…



男子【おい小泉、これどう?】


花陽【あうっ!えっと…】


男子【…はぁ】


花陽【っ!】ビクッ


男子【なぁ、星空はどう?】


凛【んーそれもいいと思うけど、こっちの方がいいと思うよ!ね、かよちん!】


花陽【う…うん!】


男子【あー確かに。サンキュー】



えへへ…花陽、やっぱりダメな子だなぁ…

…もうやだなぁ。私も、凛ちゃんみたいになれたら…なぁ…




絵里「練習よ!!」


希「えりち、キャラブレブレやで」


海未「絵里…少しは落ち着いてくださいよ…」


ことり「でも元気なのはいいことだよー」


凛「遅れたにゃー」


海未「…?凛、花陽は…?」


凛「今日はお休みだよ…熱あるんだって…」ショボン


穂乃果「じゃあさじゃあさ!みんなでお見舞い行こうよ!」


真姫「練習は?」


海未「今日はお休みにしますか。心配ですし…」


凛「凛についてくるにゃ!」


絵里「凛は元気ねぇ」クスクス


希「いや、えりちもね?」




ピンポ-ン

凛「かよちーん!お見舞いきたよー!!」


ガチャ


絵里「花陽?!大丈夫なの?」


花陽「…うん。」


希「…無理しちゃあかんで?」


凛「かよちん明日は来れる?」


花陽「…っ!」


希「…」


凛「…?かよちん?」


花陽「ご、ごめんね凛ちゃん。明日は行けるよ!」


凛「楽しみにしてるにゃーっ」


花陽「…うん」


希「…」ウ-ン


花陽「…?希ちゃんどうかしたの?」


希「いや、なんでもないよ」


なんでみんな来てくれたんだろ?

本当は私のこと嫌いなんじゃないの?

あぁ、そうか。

皆は優しいから嫌いな私にも優しくしてくれるんだね。

私とは違って皆すごいなぁ…

…あれ?いつから私はこんなに悪い子になったんだろ…




希「…花陽ちゃん?」


花陽「…な、なに?」


希「2人で話したいことあるんやけど、いいかな?」


花陽「うんいいよ〜。…じゃあ皆、また明日ね」


にこ「なによ、2人で話したいことって…もしかして告白かなー?」


真姫「に、にこちゃん…」


にこ「嘘よ、希が好きなのは―― 」


希「ちょちょ、にこっち?!」アセアセ


にこ「希、どうしたニコー?にこはまだなにも言ってないニコよー」ニヤニヤ


希「も、もー!にこっち!」


にこ「じゃあ…また明日、ね」


にこ「…うまくやりなさいよ…?」ボソッ


希「当たり前やん、ウチに任しとき」ボソッ




花陽「じゃあ、希ちゃんどうぞ」


希「お邪魔しまーす」


花陽「お茶用意してくるからまっててねー」


希「はーい」


希(やっぱり花陽ちゃんいつもとなんか違う…なんでやろ?)


花陽「お待たせー」


希「ありがとさんっ」


花陽「それで…話って?」


希「あぁ…それなぁ…」


花陽「…?」ニコニコ


希「花陽ちゃん?」


花陽「どうしたの?希ちゃん。」ニコニコ


希「無理して笑わないで」


花陽「…っ」ピクッ


花陽「無理してなんかないよー?」


希「嘘、顔泣きそうだよ?」


花陽「え…?」


希「なにがあったん?」


花陽「別になにも…」


希「じゃあなんで泣きそうなん?ウチができることならなんでもするよ」


花陽「だから、なんでもないって…」


希「なんでもなくないやろ?」


花陽「なんでもないって…言ってるでしょ?!」


希「?!」


花陽「希ちゃんはなんなの!さっきから!!花陽の何を知っててそんなこと言ってるの?」


希「花陽…ちゃん…?」


花陽「もう…嫌なの…」ポロッ


希「…!」


花陽「お願い…もうやめて…」ポロポロ


希「…ごめんな、花陽ちゃん。ウチ最低やわ。花陽ちゃんのこと気付いてあげられんかった。」


花陽「希ちゃんは…悪く、ない。」


希「ええんよ。…ウチもう行くね?」


花陽「…」コクッ


希「じゃあ、お邪魔、しました。」




最低なのは花陽だよ。

希ちゃんに、八つ当たりして…本当、悪い子だなぁ…。

もう希ちゃん許してくれないだろうなぁ…。

なんだか胸がモヤッとするよ…なんだろう?




凛「かーよちん!起きてるー?」


花陽「凛…ちゃん…」


凛「学校行くにゃー!」


花陽「ちょっと待ってね…今行くよ…」


本当は行きたくないけど昨日行くって言っちゃったから行かなきゃ…


凛「かよちん遅いよ!…まだ具合悪いの…?」


花陽「ううん!ちょっと寝坊…しただけ…えへへ」


凛「かよちんらしいにゃー」


花陽「ごめんね!」


嘘。本当はちゃんと起きてたよ。

…寝れなかったから、ね。

どうして凛ちゃんは今日も来てくれたのかな?私のこと嫌いなんでしょ?

…凛ちゃん。


凛「かよちん?ぼーっとしてると置いて行っちゃうよー?」


花陽「あっ…!ごめんね、凛ちゃん!」


凛「もーかよちん。ご飯のことでも考えてたのー?」ニコニコ


花陽「あ…あぁ、うん!そんな感じかなー」


凛「さすがかよちんにゃー」


嘘だよ。今はご飯のことなんて考えてられない。凛ちゃん、嘘ついてごめんね。

…でも…もう嫌われちゃってるなら…いっそ…ううん、花陽。馬鹿なこと考えちゃだめだよ?


凛「かよちーん学校着いたよー?」


花陽「あ、ほんとだーいつの間に…」エヘヘ


凛「…」ムムム


花陽「…?」


凛ちゃん、なにか考え事?

…花陽の、ことかな…

きっと凛ちゃんはいい子だから私をなるべく傷つけないように伝えようとしてるのかな。…もう、遅いけど。

私が気付いてることに凛ちゃんは気付いていない。…? また、胸がモヤモヤする…




凛「かーよちんっ!」


花陽「モウホウカゴナノォ!?!?」


凛「かよちんどうしたんだにゃー」クスクス


花陽「…えへへ…なんでもないよぉ」

なんて、ね。

本当はストレス発散。

花陽にだってストレスはたまるんです。

このことは絶対に口には出さないよ。

…どうせ、誰も助けてくれないだろうし…

花陽はみんなに頼りすぎたんだから、仕方ないか…


凛「かよちん?また考え事ー?」


花陽「そんなことないよ?」


凛「嘘だにゃー!」


花陽「夜ご飯のこと…考えてたの。えへへ…」


凛「またご飯のことー?」


もちろん、嘘。

もう花陽は嘘を簡単についちゃって悪い子だなぁ…

だから、凛ちゃんに、嫌われちゃうんだ…



凛「こんにちはーっ」


花陽「こんにちはー」


希「…っ」フイッ


あ…希ちゃんに顔そらされちゃった。

やっぱり昨日のこともあるもんね。

…花陽は、μ'sにいちゃダメ…だよね。

みんなの足をひっぱるだけだもん。


花陽「あ、あの…みんな!」


海未「? 花陽、どうしましたか?」


花陽「…私、μ'sやめるね」


凛「かよちん?!」


にこ「ちょ…!」


穂乃果「なんで?!」


ことり「嫌だよ…!」


真姫「何言ってんのよ花陽!」


海未「そうですよ、考え直してください!」


絵里「一旦落ち着きなさい、花陽!」アセアセ


希「いや…えりちも落ち着こうな?」


絵里「大体、何があったって言うのよ!」


花陽「私にも、いろいろ、あるんです」


絵里「それじゃあわかんないわよ!」


花陽「わからなくていいんです」


真姫「イミワカンナイ!」


穂乃果「花陽ちゃん…?本当に何があったの?」


花陽「だから…いろいろあるって…」


穂乃果「いろいろって、なに? 私達に言えないようなことなの?」


海未「穂乃果…?」


穂乃果「何もわかんないまま、花陽ちゃんがいなくなるなんて穂乃果、納得できない。」


花陽「納得できなくてもいいんじゃないですか」


穂乃果「何がいいの?!言ってみてよ!!」


花陽「うるさい…です。世の中には知らなくていいこともあるんですよ」


穂乃果「知らなくていいことでも知りたいんだよ!」


花陽「穂乃果さんが知りたくても私は話したくないんです。」


穂乃果「穂乃果…さん…?花陽ちゃん、ふざけてるなら怒るよ?」


花陽「ふざけてなんかないです。怒りたいなら怒ればいいじゃないですか?」


海未「…花陽!」


花陽「…はい?」


海未「花陽、一体どうしたんですか。あなたはそんな子ではなかったはずです。」


花陽「へぇ…そんな子じゃないって…」クスクス


海未「…何がおかしいのですか」


花陽「いやぁ…海未ちゃんは私の何を知ってるのかなぁ?…ってね。」


海未「…っ!」


絵里「もうやだエリチカおうち帰る…」グスグス


希「えりち、キャラ定まってないよ」


凛「…かーよーちーん!!!」


花陽「…なに。うるさいよ…」


凛「かよちんはいつからそんなこと言うような子になったんだにゃ!凛の知ってるかよちんはみんなをいつも思いやっててニコニコ笑顔なかよちんだにゃ!!」


花陽「凛ちゃんの知ってる私は、でしよ?凛ちゃんの知らない私だっているんだよ?」


凛「凛は…凛は…今のかよちんをかよちんだなんて…認めないよ!」


花陽「…そうなんだ。困るなぁ…私自体を…否定されても…やっぱり凛ちゃんは私のこと嫌いだもんね…嫌いなんだからわざわざ話しかけてくれなくてもいいのに。凛ちゃんがそうやって優しくしてくれるから花陽が甘えちゃうんだよ。花陽は、花陽は、凛ちゃんが、花陽…」ポロポロ


凛「…かよちん?何言ってるのか凛、よくわかんないよ…」


花陽「そうやって花陽に優しくしてくれる凛ちゃんが嫌いなんだよ。…花陽は、花陽のことを嫌いな凛ちゃんのことが大ッ嫌いなの」


海未「花陽…?」


花陽「凛ちゃんなんて、大ッ嫌いだよ」


凛「かよ…ちん…なんで…?」グスッ


言っちゃった。花陽何してんだろう。

花陽はこんなに悪い子だったんだね。

凛ちゃんを傷つけて最低だよ。

もう、何も…考えたくない…



そうして私は逃げ出した。

心に濃い不安が影を落とす。

胸がえぐられたように痛い。

胸にあった黒いモヤモヤとしたものがこみ上げてきて…やがて、それは嗚咽へと変わった。

周りからは何も聞こえず、私の嗚咽だけが響く。

もうこの世界には私以外いないのではないかと思うほど静かだ。


花陽「凛…ちゃん…本当は…本当は…!」


誰に言うわけでもなく私は呟いた。

そうでもしないと心が壊れてしまいそうだったからだ。

…いや、もう壊れてしまっているのかもしれない。


花陽「ああ…あああ!!」


私は泣き崩れた。

まるで生まれたての赤ちゃんのように。

きっとまた来てくれないだろう、凛ちゃんは。

それでもいい。来てくれないとしても。

もう、いいんだ。…もう。

なのに、涙はとまらない。

本当は強がってるだけで、もういいだなんて心からは思ってない。


花陽「あ…あ゛あ゛あ゛!!!!」


澄んだ青空の下、私の号哭だけがこだました。


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4件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2015-03-29 10:32:25 ID: oh6-mAGW

かよちんがひどい役ばかり、嫌いなの?楽しい?

2: こんにゃく 2015-04-10 23:21:52 ID: Sd3AHKlx

>>1

いえ、むしろ好きですよ。

個人的な趣味で病み花陽が好きなもので…。

お目汚し、失礼致しました。

3: SS好きの名無しさん 2015-06-13 00:20:44 ID: aCBWNCVm

俺はこのSS凄くいいと思います

4: SS好きの名無しさん 2016-02-14 18:04:38 ID: naah4xgJ

ハッピーエンドでおわってくださいよ(泣)μ'sのメンバーが悲しむのは見たくないです(泣)


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