2021-06-02 23:09:33 更新

概要

未来の見えない世界の続きです
艦娘が化け物になるのが嫌な方はお勧めいたしません


前書き


艦これ

提督(元憲兵)

元横須賀鎮守府の憲兵 元横須賀鎮守府提督がゾンビにやられて代わりに提督をすることになった男提督
憲兵だった頃もなかなかの腕を持っていて、元提督のお気に入りの人でもあった
戦闘に関しては艦娘と比べたら弱いが人間と比べたらかなり強い
【過去、殺人鬼で人を100を超える数を殺してきた大犯罪者 鈍器を武器にしていろんな人の頭を粉砕して殺していた残虐者】
武器は銃も使うがメインは鈍器


川内(秘書)

元横須賀鎮守府の第一艦隊指揮者
基本的に夜活動して朝は寝てることが多い
現在は一応提督の秘書をしてるが基本的に秘書としての仕事はしてない(することもない)
武器はハンドガンとキャラに合わせて忍者刀を使う




元横須賀鎮守府提督の嫁艦
姉妹艦である暁達を失って、さらに元横須賀鎮守府提督まで失い生きることが辛くなっている
違うとわかっているが今の提督を元提督と思い込ませて身を寄せている
基本的元気っ子だが夜になると元提督のことを思い出して元気をなくしては現在の提督の元に身を寄せている
武器はいつも持ってるイカリを使う


天龍

接近戦でなら最強と言える元横須賀鎮守府の第一艦隊副指揮者
雷の面倒をよく見ている目つきは悪いが仲間思いの良い面あり
武器はいつも持ってる槍?みたいなものを使う


金剛

元気が取得の第一艦隊戦力艦
姉妹艦である比叡達を失って後悔や憎しみを常に忘れずに持っていて、ゾンビと戦闘する時は人格が変わる
武器は毎回変わるが基本的にはバズーカーなどを扱う 弾薬不足の時は鈍器を使う


鳳翔

みんなの栄養管理をしている調理係
性格は温厚性で優しい みんなの体調管理や様子を見たりする医療班的存在
基本的に戦闘はしないが武器は弓矢 艦載機はボーキサイトがないため飛ばせない


青葉

情報収集ならお手の物…だが、現在ではあまり役に立てない第一艦隊戦力艦
常にラジオとカメラ、メモ帳を持ち歩いて情報を集めている情報収集係
時々一人で拠点から抜けてなにか情報がないかを確かめる癖を持っていて、毎度のように提督に怒られている
武器はスナイパーライフルと手榴弾


妖精

妖精の中で唯一の生存者…だが、腕はまだ未熟者だがある程度は作れる
過去、滅びた横須賀鎮守府の工房に身を潜めていたところを提督達に助けられる
よく武器の手入れや作成、修理をしている武器管理係
基本的に戦わないが武器はレンチ 拳銃は打った時の反動が強すぎて使えない上に刀や鈍器などは重すぎて使えないため戦力としての才能はなし



VOCALOID

結月ゆかり

別の生き残りの人たちと一緒にいた生存者
過去に何度も犯されそうになって弦巻マキと東北ずん子と一緒に逃げ出してきた
武器はマシンガンやバズーカーなどほぼオールマイティ…だが、鈍器は好かない


弦巻マキ

別の生き残りの人たちと一緒にいた生存者
過去に何度も犯されそうになって結月ゆかりと東北ずん子と一緒に逃げ出してきた
男に対しては強く警戒心を持っている
武器はスタンガン 一応銃も使えるがあまり得意ではない


東北ずん子

別の生き残りの人たちと一緒にいた生存者
何度も犯されそうになって結月ゆかりと弦巻マキと一緒に逃げ出してきた
提督の事は良く思っている
武器は弓矢と薙刀を扱う


バイオハザード(7days to die1部含む)

・ゾンビ
・ゾンビ犬
・ネメシス(電)
・タイラ〇ト(予定)
・テイ〇ス(予定)
・基本的7days to die推しなので上記のゾンビ以外なし


7days to die

・デブゾンビ(警官ゾンビではない太ったゾンビ)
・警官ゾンビ
・ナースゾンビ
・フェラルゾンビ
・スクリーマーゾンビ(通称 貞子)
・スパイダーゾンビ(通称 蜘蛛男)
・蜂
・ベアーゾンビ(通称 感染熊)


バイオハザードや7days to dieで出てくるアイテムなど


・銃火器銃弾各種(無限なし バイオ設定)
・救急キット(ハーブや救急スプレーなし バイオ設定)
・抗生物質(7days to dieに出る抗生物質のみ)
・地雷はなし(7days to die設定)
・レシピ本やスキル解放での物作りはなし(7days to die設定)





設定内容


・人間、動物問わず感染あり
・VOCALOIDは人間という設定
・艦娘が感染者に噛まれた場合、すぐにバケツを使えば感染を免れる(遅いと感染)
・艦娘に使われる燃料は人間で言うなら水 補給できなくなれば死ぬ
・海ではなく地上戦がメインになります
・艦娘の装備に使われる武器は一切使用しません(理由:弾薬不足)
・7days to dieの設定上
・救援配達はなし
・七日目の夜以外、ゾンビは走らない(一部除く)
・夜の設定は夜10時(22時)〜朝6時まで(七日目の夜以外、ゾンビは走らない設定なので七日目の夜のみとなる)












天龍 「ーっ…!!!!」///バクバクッ…


提督 「…? おーい?天龍 だいじょうぶか?顔真っ赤だが」


天龍 「ふぇっ!?あっあぁ!だだ、だいじょうぶだ!ぜ全然平気だぜ!」///ドキドキ


提督 「そうは見えないんだが…ちょっとごめんな?」スゥ…



コツンッ


天龍 「ーっ!!!!!!」///ボンッ!!!!


ずんこ 「あら!」


金剛 「oh…デコピタネ」


マキ 「」スッ… 腰にかけていた拳銃を抜いて構えようと…


ゆかり 「マキさん?」ギロッ


マキ 「ひぃっ!…っ」スッ… 再び腰に戻す


天龍 「はっはや…は……」///パクパク


提督 「んー…熱はないみたいだな でも顔が赤いな…」ウーン


提督 「天龍 今日はゆっくり休んでろ 無理されても困るからな」スゥ…


天龍 「ーっは はい……」///プシュー…


提督 「金剛 天龍を部屋まで運んであげてくれ 俺は鳳翔にたのんで消化のいい食べ物を用意してもらってくる」


金剛 「りょっ了解デース…」


提督 「ゆかり 天龍はたしかに強いが体調が悪いときはムリさせないでくれ もしなんか調子悪そうだなと思ったら休ませてくれ」


ゆかり 「っえ あっはい…わかりました」


提督 「あと もう少し静かにやってもらえるかな?騒ぎすぎると奴らに気づかれるから……」


ずんこ 「気をつけます」


提督 「…えっと、マキは……」


マキ 「話しかけるな!」キッ


提督 「……まぁ 俺意外とは仲良くやってくれ それじゃ」タッタッタッ…



ゆかり 「…」


金剛 「…天龍 だいじょうぶ?」


天龍 「……へっへいきだぜ!おぉ俺をだれだとおぉぉもって!!」///パニック


金剛 「ぜんぜん平気そうに見えないデース…」


マキ 「天龍さんだいじょうぶだった?あの男にデコピタされたけど」


天龍 「おっおう!ぜんぜんへいきだぜぇ!てっ提督にデコピタされたぐらいどうってこと……」///フニャフニャ


ずんこ 「ものすごくテンパってますが…」


マキ 「天龍さん もしなんだったら今すぐにでもあの男を殺してくるよ!天龍さんにへんなことする前にあの男を!!」ジャキッ 拳銃を抜いて撃ち殺しに行こうと…


天龍 「」ガシッ


マキ 「っ!?」グイッ!! 胸元を掴まれて上に持ち上げられる


金剛 「ちょっ!?天龍落ち着くネ!」


天龍 「…おいマキ てめぇ今なんつった?」ググッ…


天龍 「提督を殺すって言ったか?お前冗談でもそんなこと口にすんじゃねぇよ」ギロッ


マキ 「っ!!」ゾクッ!!


天龍 「お前が男を敵対してるのはわかってる だから提督を警戒してるのは理解してる」


天龍 「でもよぉ それで提督を殺すことにはならねぇだろ?まして俺にデコピタしたぐらいで殺すってどういうことだよ…あぁ!!」ギンッ!!


マキ 「ひぃっ!!」ビクッ!!



天龍の声はフロア全体に響き渡って反響した ものすごい怒鳴り声がマキたちの耳に響いて耳鳴りを起こした



金剛は天龍が本気で怒ったところを何度か見たことがある 昔、海域に出て駆逐艦が大破したときに敵艦隊に単身で突っ込んで倒したことがあった



憲兵が提督の悪口を言ってるのを聞いて暴れたこともあった 懲罰房に入れられてる時に話しを聞いたらそう言ってたから金剛は知ってる



そして今も提督を殺すなんてことを言ったからマキに対して本気で怒っている いつもとは比にならないくらいの目付きで胸ぐらを掴みながら睨んでいる



マキもまさかここまで怒るとは思わず、鋭い眼光で睨んでくる天龍に怯えていた まるで蛇に睨まれたような眼光で何も言い返せず、身動きも取れなかった



今ここでなにか言い返せば殺される…そう実感していた 天龍に限ってそんなことはしないとわかっているはずなのにそう思ってしまう そう思うくらい恐怖に堕ちていた



ずんこも止めに入ろうとしたが天龍の睨みに怯え 近づくことができなかった…一歩踏み出せば、なにか飛んでくるんじゃないかと思い込み 動くことも口を開けたまま閉ざすこともできなかった



…だが、そんな中でもゆかりは歩きだし 天龍たちの元に歩み寄って天龍の手を掴んだ



ゆかり 「…天龍さん さすがに胸ぐら掴んで眼光を光らせるのはやり過ぎです どうか落ち着きを」


天龍 「あぁ?お前には関係ねぇだろ 今俺はこいつと…」


ゆかり 「先ほどhead crusherさんに騒ぐなと言われたばかりではありませんか なのにまた騒ぐのですか?」


天龍 「っ…」ピクッ


ゆかり 「あなたの思う気持ちはわかります マキさんがhead crusherさんを殺すなんて言ったから怒っていることは今ここにいる皆さんが理解しています」


ゆかり 「ですが今ここで暴れたところでなんの意味がありますか?現にまだhead crusherさんに危害は加えられてません 言葉で言っただけでまだ行動にしてません」


ゆかり 「まだ手出しもされてないのに、それでマキさんに危害を加える気ですか?それでは天龍さんの一方的な犯行ではありませんか?」


天龍 「それは……」


ゆかり 「あなたの気持ちはわかります ですが、今は落ち着きを取り戻してください」


ゆかり 「マキさんには私から言っておきますのでなにとぞ手を引いてください おねがいします」


天龍 「………わかったよ」スゥ…


マキ 「あっ…」


天龍 「…次、おれの前で提督を殺すなんて言ったら許さねぇからな」


ゆかり 「承知しました 二度と言わないよう言っておき…」


天龍 「お前に言ってんじゃねぇ マキに言ってんだ!」


マキ 「っ!!」ビクッ


天龍 「いいな?マキ 次おれの前で提督を殺すなんて言ったら本気でぶっ飛ばすからな!覚えておけよ!」


マキ 「…はっはい わかり、ました……」ブルブル…


天龍 「っけ!」


タッタッタッ…



ずんこ 「……」


金剛 「…これはまたずいぶんと怒ってたネ まぁ提督のことだから仕方ないネ」


マキ 「…ごめんゆかりん 助けてもらって」


ゆかり 「構いませんよ それよりも次はこのようなことにならないよう気をつけてくださいね」


ゆかり 「私になら不満をぶつけて構いませんので次からは相手を考えて発言してください いいですね?」


マキ 「はい…」


金剛 「……組み手 次は私がやりますカ?ゆかりん」


ゆかり 「…そうですね そうしたいのは山々なんですがhead crusherのもとに行かなくてはいけないので後でもいいでしょうか」


マキ 「…なんで?」ギロッ


ゆかり 「マキさんが天龍さんを怒らせたのでその事を知らせに行くんです head crusherさんなら天龍さんの慰め方などを知ってると思うので」


マキ 「うっ…」


ゆかり 「それじゃ私は行ってくるのでマキさんはくれぐれも!次からは問題事を起こさないよう気をつけてくださいね」


マキ 「はい…」


タッタッタッ…



ずんこ 「…ゆかりさんもけっこう怒ってましたね まぁそうですよね マキさんのせいで天龍さんを怒らせてしまいましたからね」


マキ 「うっ…言わないで それに関してはすごく反省してるから……」


金剛 「まぁ明日になったら天龍も落ち着いてるネ!だからそこまで気にすることないデース!」


マキ 「それならいいんだけど…」













食堂



提督 「…」コトコト…


鳳翔 「…あっ提督 そこに少々お塩を足してください」


提督 「っん わかった」パッパッ


鳳翔 「あとは少し弱火で混ぜながら温めてください それで完成なので」


提督 「わかった」カチャカチャ…


鳳翔 「…それにしても天龍さんが風邪をひくなんて珍しいですね 前までは一年間一度も風邪をひかなかったのに」


提督 「誰でも風邪はひくからな 一年ひかなかっただけで次の一年もひかないという保証はない」


提督 「それにここ最近、天龍にはけっこう動いてもらってたしな 疲れがきたのかもしれない…もう少し休みを取らせてやればよかったな」


鳳翔 「そんなことありませんよ 休息はみんなちゃんと取れてたはずです 夜だって何事もなければみなさんちゃんと寝てるではありませんか」


鳳翔 「天龍さんの風邪は疲れからではなく風邪のウイルスが入ったものだと思いますよ」


提督 「…そうだといいんだが」



ゆかり 「head crusherさん」タッタッタッ…


提督 「っん ゆかりか どうした?」


ゆかり 「少しお時間いいでしょうか」


提督 「…すぐの方がいいか?」


ゆかり 「早めの方がいいです 遅くなってもこちらとしても都合が悪いので」


提督 「都合が悪い…?」


ゆかり 「広まらないうちに対処したいんです なのでお願いします」


提督 「…わかった」カタッ


提督 「鳳翔 わるいがおかゆ頼んでもいいかな?」


鳳翔 「はい わかりました」


提督 「それじゃ場所を移すか 屋上は…今雷たちが野菜に水やってるから無理だな」


提督 「…俺の部屋でもいいか?話聞かれたくないなら個室の方が聞かれる心配がないんだが」


ゆかり 「わかりました それじゃお願いします」


タッタッタッ…













提督の部屋



ガチャッ


提督 「適当に座ってくれ もてなせるものがないのがわるいが」


ゆかり 「構いません ただ知らせておきたいことを話すだけなので」


提督 「…っと」ストンッ


ゆかり 「…」スッ 座布団の上に正座して座る


提督 「…いや、楽にしていいぞ?べつに正座じゃなくても…」


ゆかり 「正座の方が座りやすく、安定するので気にしないでください」


提督 「…そうか まぁお前がそれでいいなら構わないが」


提督 「それで用件とは?」


ゆかり 「…さきほど、マキさんが天龍さんを怒らせてしまったんです 天龍さんもマキさんの胸ぐらを掴んで拳を作るところまで行動を取ってしまって…」


提督 「ちょとまて 天龍を怒らせた?あの天龍が怒ったのか?」


ゆかり 「はい 怒りました」


提督 「……なにしたんだ?天龍が怒るなんて、よっぽどなにかしでかさないと怒らないぞ」


ゆかり 「……まぁ 内容まではさすがに教えることはできませんが、マキさんの代わりに謝りに来ました」


ゆかり 「ほんとに申し訳ありません」スッ 手を床につかせて土下座をする


提督 「ちょっ!?まっまてゆかり!なんで俺に謝るんだ?謝る相手間違えてるし、なんで俺に言いに来たんだ?俺関係無くないか…?」


ゆかり 「head crusherさんは皆さんを仕切る海軍指揮官 今は陸ですが皆さんをまとめてることには違いありません」


ゆかり 「私の親友があなたの部下を怒らせてしまったので謝りに来たんです 今後、作戦に支障が出てしまう前に先に報告し、天龍さんの機嫌を治すことをしてもらおうと思い 私が報告しに来ました」


ゆかり 「マキさんではあなたに報告をするとは到底思えないですからね かといって、ずんこさんにお願いするわけにもいかないので私が来たということです」


提督 「…そっそうか まぁ理由はわかった」


提督 「それじゃなんで理由は話せないんだ?なにで怒らせたかの理由が聞きたいんだが」


ゆかり 「…」



理由…たしかに、なにで怒らせたかを言わなければ なんで怒っているかを理解できない



慰めるのだって怒らせた理由を知ってないと慰めることはできない 天龍さんを怒らせた理由を知らせる必要があった



…だが、これは教えていいものだろうか?おそらく、head crusherさんは天龍さんがあなたに恋心を抱いてることは知らないと見受ける



先程の様子からして、天龍さんに意識してるようには見えなかった 天龍さんがテンパったのも熱のせいだと言ってたからおそらくわかっていない



だとしたら、これは話していいのだろうか?マキさんがhead crusherさんを殺すと言ったから激怒したと伝えていいのか悩んだ



片思いで思いを伝えられずにいる方の邪魔をするのはもちろん 変に手助けを入れては余計なお節介になりかねない



……そう思ったが、head crusherさんがテンパった天龍さんを熱を引かしたと勘違いしていたあたり 変に勘違いすることもないだろうと思った



あの状況で熱でも引いたのかというのはおかしい…おそらくだが、head crusherさんは鈍感だと判断した



ゆかりは答えを見つけると迷うことなく、天龍が怒った理由を話した



提督 「…なるほどな マキが俺の悪口を言って天龍がキレたか」


提督 「…なんで?別に俺のことだし、天龍が怒る理由がわからん」


提督 「……もしかして、俺の事をそんなに尊敬してるのか?天龍のやつ」


ゆかり 「(やっぱりわかってないですね 正直に話して正解でした)」


提督 「まぁ理由はわかった あとで天龍には俺から言っとくから安心してくれ」


ゆかり 「すみませんがお願いします」




ジャラッ…



提督 「…っん?」


ゆかり 「……今、変な音しませんでしたか?」


提督 「あっあぁ…なんか鎖を引きずるような音が……」


ゆかり 「…外からでしょうか ちょっと確かめてみましょう」スクッ


提督 「そうだな」



…このとき、提督は見なければと思った 鎖を引きずる音…この音を確かめるために二人は窓から顔を出した



…その瞬間、提督の顔は真っ青になった……



提督 「ーっ…うそ、だろ……?」サー…


ゆかり 「ーっあ あれは!!」



? 「ヴヴゥゥゥ……」ジャラ…ジャラ…… 変な黄色い塊を胸あたりから顔まで付けて、両手を分厚い木の板と鎖の手錠を付け【黒い帽子に白い制服を着た黒髪の少女】が提督たちの拠点に近づいてくる




提督 「…あっあか……つき………?」


ゆかり 「…っえ」




リサ 「アァー…グゥゥ……」ジャラ…ジャラ…




提督 「まっまずい!あいつここに来てないか!?はっ早くなんとかしねぇと!」ダッ!!


ゆかり 「待ってください あの方を知ってるんですか?」ガシッ


提督 「……あぁ おそらくだが、あの服装からして 雷の姉…暁だと思う」


提督 「響に電が化け物になってたから もしかしたらと思ったが…やっぱり、あいつも化け物になってたか…!!」ググッ…


ゆかり 「…あの子が 雷さんの姉……」


提督 「雷に見つかる前に対処しないまずい!雷が見たら…今度こそ、精神崩壊するぞ!」


提督 「ゆかり 悪いが雷を安全で外の様子が見えない場所まで連れてってあげてくれ!」


ゆかり 「ちょっと待ってください もしかして…あのリサ・トレヴァーとやる気ですか?」


提督 「…リサ・トレヴァー……?」


ゆかり 「あっ!?…すっすみません 今のは……その………」


提督 「…いいよ 話せないなら別にいい」


提督 「それよりも知ってるなら奴の倒し方を知ってるのか?」


ゆかり 「…倒し方、というか あの化け物に関しては頭が弱点なので頭にダメージを与えれば倒せるかと思います」


ゆかり 「ですが他の化け物とは違って体力はあります ダメージを受け過ぎると触手を出して二次形態になります」


提督 「二次形態…その状態になると通常よりも厄介なのか?」


ゆかり 「そうですね 普通の状態は接近戦でしか攻撃してきませんがダメージを受け過ぎると触手を出して中距離まで攻撃範囲が広がってしまいます」


ゆかり 「さらに理性も飛んで 攻撃的になって暴れまわるので動きが読めなくなってしまいます」


提督 「なるほどな…なら二次形態になる前に倒せば問題ないわけか?」


ゆかり 「…っえ」


提督 「一撃でやつを倒せればいいんだよな?なら俺たちの最強兵器を使うまでだ!」


ゆかり 「…最強、兵器……?」


提督 「この中で使えるやつは俺と金剛しかいないんだが、それを使えばどんな相手でも粉砕できる!」ニヤッ


ゆかり 「粉砕……もしかして ロケランですか!?」


提督 「あぁそうだ!数は少ないが緊急事態の時のために作っておいたんだ 今その時が来たようだな」


提督 「俺と天龍でなんとかするからゆかりたちは雷たちを連れて外が見えない部屋まで避難してくれ!」


ゆかり 「待ってください わたしもリサの撃退に参加します」


提督 「…っえ」


ゆかり 「head crusherさんもわかってると思いますが私はかなり戦闘能力が高いです」


ゆかり 「それにリサの撃退方法も知ってますので私も参加した方が効率が良いかと思います どうでしょうか?」


提督 「…」



たしかにゆかりの言う通り、誰かひとりでも倒し方を知ってるものがいた方が効率が良くなる それにゆかりの戦闘能力も提督は認めていた



ずんことマキのふたりはまだまだな動きだが、ゆかりだけは圧倒的に他の常人よりもずば抜けていた なにか訓練を受けていないとあんな動きはできない



提督は参加してくれるなら是非とも頼むと言ってゆかりの参加を認めた 提督は先にロケランの置いてある部屋に行き、ゆかりはみんなの避難誘導に回った



リサ・トレヴァーもとい暁の歩く速度は遅く、提督たちが準備してる間も拠点に向かっているがまだたどり着かず 未だ歩いていた



準備のできた提督、天龍、ゆかりは外に出てゾンビ共を蹴散らしてリサ・トレヴァーの前に立ち塞がった



暁 「ヴァー…」ジャラ…ジャラ…



天龍 「…おいおい ウソだろ…?」


提督 「…あかつき……」


ゆかり 「…これはまた 面倒なことをしてくれましたね」


ゆかり 「(手錠が外れかかってる…あれが外れたらまずいですね 外れる前に何としてでも倒さなくては!)」



暁 「アァー…」ユラァ…ユラァ…



提督 「…天龍、ゆかり お前らにやつを引きつけるの任せていいか?スキが出来た瞬間 ロケランをぶち込む!」


天龍 「あぁ!任せとけ!」スチャッ


ゆかり 「わかりました ロケランは頼みました」スゥ…ギラッ サバイバルナイフを構えてギラつかせる


提督 「よし 頼むぞ!」スチャッ…ジャキッ ロケランを構えて狙いを定める



暁 「ガァァッ!!」ダッ!!


天龍 「行くぜゆかり!」ダンッ!!


ゆかり 「はい!」ダッ!!



暁 「ハァァッッ!!!!」ジャラァァァッ!!!! 腕に取り付けられている鎖付きの手錠の鎖部分をぶん回して天龍たちのもとに飛ばす


天龍 「おぉっと!そんな攻撃食らわないぜ?」タンタンッ…ガシャンガシャンッ!! 身軽な動きで暁の鎖攻撃を避ける


ゆかり 「っは っはぁ!やぁっ!!」ガキンガキンッ…ガシャンガシャンッ!! ナイフで飛んでくる鎖を弾いて勢いを地面に逃がす


暁 「ーっシャァァ!!」ジャラァァァッ!!!! 鎖を横にぶん回して攻撃範囲を広げて攻撃する


天龍 「よっと 横に振ってきやがったか」シュッ…ブォンッ!! しゃがんで振り回されてきた鎖を避ける


ゆかり 「そんな攻撃食らいません」ガキィン…ブォンッ!! ナイフで横に振り回されてきた鎖をぶつけて上に持っていき軌道を変えて避ける


暁 「ガァァッッ!!!!」ニュルニュル…ヒュンっ!! 体から触手を何本も出して天龍たちに襲いかかる


天龍 「おわっと!なっなんだこの変な触手は!?」ヒュンヒュン


ゆかり 「気をつけてください この触手に当たったら感染しますよ!」ザンザンッ!!ボトボト…


天龍 「うげっマジかよ…厄介だな」




提督 「…」チャキ… 狙いを定めてスキを伺っている


提督 「(…まだこっちに視線がむいてるな 今打っても避けられる可能性が高いな)」


提督 「(それに周りにいたゾンビ共を蹴散らしといたのにまた集まってきやがった…囲まれるのも時間の問題だな)」


提督 「(早く打ち込みたいがスキができねぇ 一瞬でもいいから油断してくれ!)」タラー…



周りにいるゾンビ共は徐々に提督たちの元に歩み寄っていく 化け物となった暁と戦闘してることなんかどうでもいいように徐々に徐々に、距離を詰めていった



囲まれるのも時間の問題で、なんとしてでも囲まれる前に打ち込みたかった 提督だけではなく、天龍とゆかりも同じ思いだった



このままではゆかりたちも動ける範囲が狭まってしまうため、そうなればリサ・トレヴァーこと暁を倒すのが困難になる もし一度でも暁の攻撃、もしくはゾンビの攻撃を食らったら……



はやく倒して避難したいが、そううまくはいかないことをゆかりは知っていた…なぜなら、リサ・トレヴァーのウイルスは特殊でネメシスやタイラントとはまた違うウイルスなのだ



しかもリサ・トレヴァーは不老不死とも言われるほどの再生能力を持っていて、どんなに攻撃を与えてもすぐ再生してしまう 重度のダメージを与えたら逃げて安全な場所で体を修復してしまうため非常にやっかいな特殊個体



宿主は違うが、もし同じ個体のものだったら…ほんとに、再生が追いつかないぐらいの速度、もしくはこっぱみじんになるくらいの破壊力で倒さなくてはならない



…早く倒さなくては……




暁 「【ーっ…ゲンベイ…ザン………】」



提督 「……っえ」


暁 「アァ……デ、デンリュウ……ザン……ミンナ………ゾゴニ…イルノ……?」


天龍 「……おい うそだろ?」


ゆかり 「…まさか、記憶が残ってるんですか!?」


暁 「ヴァァ…ダズゲデ……イダイヨ、グルジイヨォ……」


暁 「ゼンジンガ、アヅイ…ジズンダドギミダイニ……アヅイヨォォ……!!」


暁 「ゲンベイザン…デンリュウザン……ダズゲデェ………!!」


提督 「ーっ…あっあかつき…!!」ブルブル…


天龍 「ーっ…」カタカタ…


ゆかり 「(…記憶が残ってるなんて リサ・トレヴァーの時と同じ……この方、もしかしたら)」



ゾンビ 「アァー…」ノソ…ノソ…


ゾンビ 「グォォ…」スタ…スタ… ゾンビの群れが提督たちの近くまで寄ってきている



提督 「ーっち!天龍 ゆかり!お前たちは全速力で拠点にもどれ!あとは俺がやる!」ジャキッ


天龍 「バカ言ってんじゃねぇ!俺も残って手伝うぜ!」スチャッ


提督 「お前には荷が重すぎるだろ!無理はすんじゃねぇ!」ブルブル…


天龍 「それは提督も一緒だろ!提督だって暁を殺せねぇだろ!だったら俺がやる!!」カタカタ…


暁 「ヴヴヴ…アァァ……!!」フシュ-…


提督 「ーっ…」ブルブル…


提督 「(うっ撃てねぇ…撃てねぇよ!完全に記憶がないならやれたのに……記憶が残ってるのに、撃てるわけねぇよ!!)」


提督 「(しかも助けを求めてんのにそれを見捨てるなんてよけいにできねぇ!!どっどうすれば……!!)」カタカタ…


天龍 「ーっ…」カタカタ…


天龍 「(おっ俺がやらねぇと…俺が、暁を殺さねぇと…提督が殺すことになっちまう!)」


天龍 「(提督にそんなことさせられねぇ!提督の手を染めさせるわけにはいかねぇ…なんとしてでも俺がなんとかしないと!!)」ガタガタ…


ゆかり 「…ふたりとも下がってください わたしがやります」スゥ…ジャキッ 懐から先程とは違う拳銃を取り出して構える


提督 「…っえ」


天龍 「ムリするな お前には関係ないんだ?お前がやる必要はない」


ゆかり 「大丈夫ですよ それに殺すわけではありませんので安心してください」カチャ…


天龍 「…っえ?」



暁 「グォォ……」ジャラ…


ゆかり 「…これで、おとなしくなってください!」バシュンッ!!


暁 「ヴヴァァガァァイゥゥンン!!!!」ジャラララッッ!!!!



キィンッ


ゆかり 「…ちょっと 薬品入りの銃弾を弾かないでくださいよ?しかもこの拳銃 装弾数一発しか入らないうえに、装填するのに手間がかかるんですから」


提督 「…っえ 薬品入り…?」



暁 「ウガアァァァッッ!!!!」ジャララララッ!!!!


ゆかり 「よっと!」タンッ… 空中に飛び跳ねて一回転して…


ゆかり 「(次の弾を装填をっ!)」スッカチャカチャ…ジャキッ!! 回転中に弾の装填する


提督 「ーっな!?」


提督 「(嘘だろ!?回転しながら弾を装填した!?)」


提督 「(空中に回転しながら装填するなんて よほど練習しねぇとできねぇぞ!あいつ ほんとになにもんだ!?)」



ゆかり 「っと 喰らいなさい!」スチャッ


バァンッ!!!!



…バシュッ!!!


暁 「ガアァァァゥッ!!!!」ブシュー… 胸部分に特殊弾が打ち込まれて血が吹き出す


ゆかり 「よし 今度は当たりましたね」スゥ…


ゆかり 「head crusherさん 天龍さん 今のうちに逃げますよ!これ以上ここにいては危険です!」


提督 「…暁は放っておいて平気なのか?」


ゆかり 「今のところは平気です 詳しくは話せませんがもしかしたら…まだ希望があるかもしれません!」


提督 「希望…?」



ゾンビ 「ガァァっ!!」ガバッ!!


ゆかり 「はぁっ!!」ゲシィッ!!


ゾンビ 「」グキキキキッ!!!!…バタンッ 顔を横蹴りされて首が二回転して倒れる


ゆかり 「はやく!!」


天龍 「…わかった とりあえず今は逃げるぞ!提督」


提督 「わかった!」


タッタッタッ!!…




暁 「ガァァー!!!!アァァッ!!グオァァァァッッ!!!!」ガシャンッ!!ガシャンガシャンガシャンッ!!!! 鎖をがむしゃらにぶん回して至るところに打ち付けている


ゾンビの群れ 「「」」グシャグシャグシャァァッ!!!! 勢いよくぶん回されている鎖に巻き込まれてバラバラになって散らばっていく


暁 「アァァァァッ!!!!ウゥゥー…!!オォォ……!!」ジャララ…ジャララ……


暁 「……イィ…イカ……ズチィ………」フラァ…


バタンっ……


暁 「………」路面に倒れ込んで動かなくなる



ゾンビの群れ 「「アァー…」」ノソ…ノソ…… 倒れている暁に近寄っていく






? 「…あらぁ?やられちゃったの やっぱり不完全体はダメねぇ!」クスッ とある屋上から暁の様子を伺っている


? 「このままだとゾンビの餌になってしまうわ そんじゅそこらのゾンビの餌には上等すぎるわね?」


? 「…仕方ないわね 助けてあげましょうか!」タンッ




シュンシュンシュンシュン…タンッ とある屋上から数回転して音静かに着地する



暁 「っ………アァ…………」ムクッ…


? 「お目覚めかしら?暁ちゃん」


暁 「…アァ……た、たつ……た………さん………」グググッ…


龍田 「うふ!まだ私のことがわかるみたいでよかったわ 記憶はあるみたいで?」



ゾンビの群れ 「「アァー!!」」ガバッ!! ゾンビの群れは一斉に龍田を襲おうと……


龍田 「…汚らしい 触らないでくれるかしら?」スゥ…



ザンッ!!ザザザザザザァンッッ!!!!!!


龍田 「…」シュンッッ!!ヒュンヒュンッ 槍を思いっきり振って刃についた血を振り払う



ゾンビの群れ 「「」」ズル…ドサッ 無惨に切り刻まれてバラバラにされて崩れ落ちる


ゾンビの群れ 「「アァー…」」ノソ…ノソ…



龍田 「…全部相手してたらキリがないわね まぁ近くに寄ってきたやつだけ倒せばへいきね?」


龍田 「暁 運ぶからおとなしくしなさいね?暴れたら放り投げるから!」ニコッ


暁 「アァー…ワガッダ……」ブルブル…


龍田 「よいしょっと!」ズシッ


暁 「ヴゥゥ……」ピクピク…


龍田 「…重いわね もっと痩せなさいよ?」


暁 「ムリイワナイデ………」


龍田 「まぁいいわ このくらいの重量なら余裕で持てるからね?感謝しなさいよ」


龍田 「【…テイロス 変化】」カチッ 首筋に取り付けられているスイッチをoffからonにする



ベキッゴキゴキゴキゴキ!!!!!


龍田? 「ウゥーッ!!…」ベキベキベキベキッ!!!!… 姿かたちが変わっていき全体的に筋肉が盛り上がって化け物へと変化していく


ゾンビ共 「「ウゥー……」」ノソ…ノソ……ピタッ 龍田が姿かたちが変わっていくと同時に何かを察して動きを止める


龍田… 「グオォォォッ!!!!」バキバキバキバキッ!!!!!!


テイロス 「…フゥゥー」フシュー…


テイロス 「……フンッ!!」ダンッ!!


ドスンッ!!ドスドスドスドス… 周りに溜まっているゾンビの上を飛んでそのままどこかに向かって走っていく













拠点ー五階 商品売場



提督 「………」


天龍 「………」


ゆかり 「………」



3人は暁を対処して五階の広間で待機していた…いや、待機ではなく 提督と天龍はゆかりを疑っていた



先程話せないと言っていたがやはり気になる…薬品入りの銃弾 何の薬かはわからないが、それを使えばまだ希望があると言っていた



希望があるというのはどう意味だろうか もしかして、化け物化していた暁を戻せるという意味だったのか?だとしたらなぜその薬をゆかりが持っている?



しかも二人はゆかりがあの化け物のことを知っていたこともなんとなく予想がついていた 暁が暴れていた動きを予想してたかのような動きで、しかもナイフ一本で勢いよく振られたチェーンを全て弾いていた



動きがわからない相手にあそこまでキレのいい動きをすることは出来ない 現に天龍は全てしゃがんだり後ろに飛んで引いたりして避けていた



おそらくだが天龍とゆかりは同じぐらいの強さを持っている 同じ強さをもってここまで動きが違うとなると、やはり事前に知っていたからだと判断するのが妥当であった



疑いたくはないが疑わざる得ない…だが、敵だとは思っていない 敵だとは思っていないから複雑な気持ちであった



あまり聞きたくはなかったが提督は口を開いて聞いてみた…



提督 「…えっと、ゆかり さっきの…弾薬のことなんだが?」


ゆかり 「………」


提督 「…ゆかり 俺たちはお前たちを敵だとは思ってない だけどな?あの化け物のことを知ってたといい、薬品入りの弾薬を持ってたことが気になるんだ」


提督 「なんでさっきの暁が化け物になった名前を知ってた?なんで薬品入りの弾薬を持ってた?」


提督 「俺たち軍の人間でもそんなものは持ってない ゾンビの知識だって世間一般的に広まってる程度のものしか知らない」


提督 「さっきの暁もまだ希望があると言ってたが…どういう意味だ?もしかしてまた人間に戻れるということか?」


ゆかり 「……それは………」


天龍 「…ゆかり お前がなにを知ってるか分からないが 暁のことだけでも教えてくれないか?」


天龍 「さっきの弾薬を打ったことで希望があるってどういう意味だ?それだけでも説明してくれ」


ゆかり 「………」


提督 「………」


天龍 「……だめか?」


ゆかり 「……わかりました 薬や化け物の情報は言えませんが、暁さんのことだけはお話いたします」


ゆかり 「まずはじめに言っておきますが、暁さんは人間に戻ることはありません 一度感染した者は二度ともとに戻りません」


ゆかり 「ただし、元に戻ることはできなくとも ある条件を達せば【意識を保ったままウィルスに感染した状態で活動することはできます】」


提督 「ーっなに!?感染した状態で意識を!?」


天龍 「その条件ってのは?」


ゆかり 「いくつかありますが まず一つは元々、抗体を持っていた 体内に予め生成されていた抗体があれば意識を失わずに自我を保ちながら感染した状態で活動することができます」


ゆかり 「二つ目は抗生物質の投与 感染してからまもない間に投与、もしくは意識があるうちに投与すれば感染した状態で意識を失わずに保つことができます」


提督 「抗生物質…てことは、今回ゆかりが暁に打ったものは抗生物質ってことか?」


ゆかり 「近いですがちがいます 私が打った薬品弾薬は抗生物質よりさらに強い薬…とだけ答えておきます」


ゆかり 「先ほどの暁さんの状態で並の抗生物質を打ってもまず戻ることはありません 投与するだけ無駄です」


ゆかり 「…しかし、今回使ったものはちがいます あれは多少の意識さえあれば、どんな者であろうと適合者にさせることができる代物です!」


天龍 「なにっ!?どんな奴でも!?」


ゆかり 「はい …ですが100ではありません 相手の意識がないといけないのもありますが、なによりその化け物の血を含んだ個体の持ち主がどれだけ体に馴染んでいるのかにもよって変わります」


ゆかり 「先ほどの暁さんなんですが、あの個体は失敗作なんです」


提督 「…失敗作?」


ゆかり 「はい 本来はあのような化け物になる予定ではなかったはずなんです 化け物を作ったさいに発生してしまった失敗作……」


ゆかり 「元々の個体は処分したと報告が上がっていたらしいですが、その処分方法がずさんで とある森の中に放り捨てただけなんです」


ゆかり 「…っと 話せるのはここまでです これ以上はすみませんが話せません」


ゆかり 「いつか話す時がくるかもしれませんが、今はそのときではありません なので…」


提督 「…わかった とりあえずは聞かないでおくよ」


ゆかり 「ありがとうございます」


天龍 「…なぁゆかり ちょっと聞いていいか?」


ゆかり 「はい?なんでしょうか」


天龍 「その薬を持ってるってことは…万が一、俺たちがゾンビに噛まれて感染したとしてもなんとかなるってことか?」


ゆかり 「数に限りはありますがなります ただ…普通の人間ではいられなくなります」


天龍 「お前たちは感染してるのか?」


ゆかり 「いいえ わたしとずんこさん、マキさんは感染してません 普通の人間です」


天龍 「そうか ならよかった」


提督 「…ゆかり お前らの言うグラサンやろうってやつは死んだ人間、もしくは艦娘を化け物化して生き返らせてるんだよな?」


ゆかり 「そのようですね」


提督 「…てことは、電たちだけじゃなくて 他のやつらも…」


ゆかり 「十分に考えられます あの方の考えることなんてだいたいわかりますから?」


ゆかり 「自分の野望のためなら、あの方はなんでもします たとえ世界を敵に回したとしても…かならず、やり遂げようとします」


ゆかり 「【現にあの世界は滅びましたからね…】」ボソッ


提督 「…っえ?」


ゆかり 「っ! すっすみません なんでもありません」


ゆかり 「とりあえず他の方も化け物化されてる可能性は十分に高いので気をつけた方がいいです ここの拠点も割られていると思うので」


天龍 「あっあぁ そうだな(いま…あの世界は滅んだって言ってたよな?)」


提督 「(あの世界ってなんだ?マジでなにを言ってるんだ?ほんとにこいつら…何者だ?)」


ゆかり 「……えっえと なにかわたしの顔に付いてますか?ふたりして私を見て…」


提督 「…いや べつに(まぁ いつかは話すって言ってたから気長に待つとするか)」


天龍 「わるい ちょっと考え事してた(今聞いたとしても口に出さないだろうし また時間経ったら聞くか)」


ゆかり 「そうですか…」


提督 「それよりもふたりとも 今回の暁のことは俺たち以外、誰にも言うなよ?」


提督 「俺たちならまだいいが もしこの事が雷の耳に入ったら……」


天龍 「わかってるよ 何当たり前なこと言ってんだよ?」


ゆかり 「話したら雷さんの気がおかしくなってしまいます 話さないので安心してください」


提督 「そうか…ならよかった」


提督 「…とりあえず、みんなのところに行って安全が確保されたことを知らせに行こう」


天龍 「だな?なにがあったかは適当に言って誤魔化すか」


ゆかり 「わたしは今回のことをマキさんとずんこさんに話しを…っ!」ハッ


提督 「…安心しろ お前たちがなにか知ってるのはもうわかってるから?」


天龍 「聞いてもどうせ話せないんだろ?なら話せるときがくるまで聞かねぇよ」


ゆかり 「すっすみません ありがとうございます」
















? 「…そうか あの3人、やはりこの世界に来ていたか」


? 「そして君たちの提督と関わっていると…ふふふ!これはまたおもしろい」クククッ


響 「それでどうするんだい?今後の対策は」


? 「君たちの提督は好きにして構わない …だが、あの紫色の髪の女は殺さずに拉致しろ」


電 「殺さずに…ですか?」


? 「なにか不満でも?」


龍田 「いいえー?別にないわよー ただ、なんでその紫色の髪の毛の子だけは殺さないのかしら?一緒に殺した方が楽じゃない」


? 「くくくっ!なにもわかってないな君たちは?あの女がどれほどの価値があるか…」


全員 「「?」」


? 「まぁいい とにかくその女だけは殺すな いいな?」


全員 「「了解」」



ガーッ…


那珂 「はーい!艦隊のアイドル 那珂ちゃんだよー!!」キラーン!!


神通 「アルバート・ウェスカー様 ただいま戻りました」


ウェスカー 「戻ったか 報告しろ」


神通 「はい ウェスカー様が目をつけていた生存者、すべて始末しておきました」


ウェスカー 「そうか ご苦労だった 他に変わったことは?」


神通 「はい とくには…」


神通 「……いえ、ひとつあります」


ウェスカー 「なんだ」


神通 「始末した生存者の私物にこのようなものが」ガサ… ポケットからクシャクシャになった紙を取り出す


ウェスカー 「なんだそれは」


神通 「読み上げます」


神通 「…犯人、化学兵器を使うもの 特徴、サングラスをかけた黒いコートを来ている人物」


神通 「このものを見つけ次第殺せ 【…東北きりたん】」


ウェスカー 「っ!!」


神通 「…これはウェスカー様のことを言ってるように思えます しかも東北きりたんという方も東北ずんこの苗字と一緒だったので気になって取っておきました」


神通 「この名前にご存知おありで?」


ウェスカー 「…あぁ あるさ 多いにな?」


ウェスカー 「あのクソガキか…舐めたことをして どれだけ俺の邪魔をすれば気が済む」


神通 「どのような姿かたちをしてるんですか?見つけ次第排除致しますが」


ウェスカー 「子供だよ 小学生ぐらいの見た目で浴衣を着ている」


ウェスカー 「髪飾りに刃物みたいな形をしたものを付けてるから見ればわかる 見つけ次第………」


ウェスカー 「…捕獲しろ」


神通 「えっ…捕獲、ですか?」


ウェスカー 「あぁ そいつはずんこの妹だ 捕獲して利用する」


那珂 「りょうかーい!ちなみにその子強いの?いやそんなわけないっかー!小学生じゃ強いわけ……」


ウェスカー 「甘く見るなよ 見た目で判断すると痛い目に遭うぞ」


那珂 「……っえ」


龍田 「あらぁ?たかが小学生相手にビビってるんですか?ボスであるあなたがずいぶんと弱々しいこと…」



ドスゥッ!!!!


龍田 「ーっがはぁ!!」ブシャアァァッ!!!!!! 心臓部に黒いウネウネと黒美かせた触手が何本も刺さり盛大に血が吹きでる


響 「ーっな!?龍田さん!!」



ウェスカー 「…ずいぶんとこの私を舐めているな?龍田 貴様の分際で少々イタが過ぎるじゃないか?」ニュルニュル…シュルル 右腕から触手を出して龍田を刺した後、元の形に戻す


ウェスカー 「私なら余裕であのような小物など一瞬にして倒せる 本気を出すまでもない」


ウェスカー 「ただ貴様らに関してはどうだ?たかが小学生かのように見えるが戦闘技術に関しては…」


ウェスカー 「【結月ゆかりの次に並ぶ程の実力を持っている】」


全員 「「ーっ!!」」


ウェスカー 「お前たちには結月ゆかりの戦闘能力のデータを見せてるからわかっていると思うが…甘く見るな いいな?」


龍田 「ーっ…部下を粗末に扱っておいて甘く見るな?よくそんなこと言えるわね」グチュグチュ…


電 「龍田さん大丈夫なのですか?もしキツそうでしたら電のウイルスを分けるのです」


龍田 「だいじょうぶよ このくらいの傷ならすぐ治せるわ…っと」ムクッビチャビチャ…… 起き上がると同時にまだ塞がっていない傷口から血や臓器がこぼれ落ちる


電 「あぁ!?まだ完全に傷が塞がってないのです!!今起き上がっちゃ……」アワワワ


ウェスカー 「それでも軽めにやったんだがな やはり所詮はその程度のものか」フッ


龍田 「ーっ…イラつくわね もしあなたが弱ければ今頃ぶっ殺してたところね」ハァ…ハァ…


ウェスカー 「ははははっ!!残念だったな 私はお前よりもずっと強い 君たち全員でかかってきても私には敵わない」


ウェスカー 「では各場所に戻り仕事をしろ 君たちの役目は街にいる生存者の抹殺…一人残らずな」


全員 「「はいっ!!」」



タッタッタッ…ガーッピシャン


ウェスカー 「……あのガキ なぜ生きている?あのとき確かにトドメを指したはず…なぜ生きてる?」


ウェスカー 「普通の人間が首に私の手を刺されたら死ぬはず…しかも貫通もしていた 死なないわけがない」


ウェスカー 「……なにかウイルスに感染していたのか?だがあのガキが感染したという情報はない 殺したあの時も感染してるという情報もない」


ウェスカー 「【次元を超えて別のやつが来たか?可能性としてはゼロじゃないが】」


ウェスカー 「……加賀 赤城 聞こえるか」ジジッ 無線機を使って加賀たちに連絡を取る


無線機 「こちら加賀 隣に赤城さんもいます」


無線機 「なにかご用ですか?」


ウェスカー 「お前たちに捜索命令を出す 東北きりたんという小学生を見つけ出せ」


ウェスカー 「戦闘力は結月ゆかりの次に並ぶ実力を持ってる 油断はするな」


無線機 「わかりました 見つけ次第始末でよろしいですか?」


ウェスカー 「捕獲しろ 半殺しまでなら許す」


無線機 「了解しました!どこら辺にいるのかってわかりますか?」


ウェスカー 「まったくわからん だからくまなく探せ」


無線機 「はい!必ず見つけだします!」ブツッ


ウェスカー 「………」パサッ



一枚の書類 「」ウェスカーが手に取った紙にはhead crusherのことが多く書かれている


ウェスカー 「……head crusherか なかなかおもしろい人間だな」


ウェスカー 「殺さずに実験台にしてもいいかもしれないな 奴らに殺されたら所詮その程度だったということ 生きていたら利用するか」


ウェスカー 「ふふっ!楽しみだ」













拠点ー五階 ゆかりの部屋



ゆかり 「………」ジッ…



窓からゾンビの様子を伺っている。この前現れたリサ・トレヴァーもとい暁がどこに行ったのかも確かめている。



見た感じだとこの辺をうろついてる様子はない どこかに行ったのだろうか?だが、あの薬を投与してからかなり時間が経っている もう効果が出ててもおかしくない



あの薬を投与してから数時間で効果が現れ、効き始めると身動きが取れなくなってしまう



もう知性のないゾンビならそんなことも知らずにそのままところ構わず倒れてしまうがリサ・トレヴァーの場合は知性があった…知性があるならだんだん体がだるくなる感覚を感じるはず そうすれば安全なところでまで行って休む…はず



もしそうでなければその場で倒れてしまい、そこらにいるゾンビどもの餌になってしまう リサ・トレヴァーはそこらのゾンビとはウイルスが違い襲われてしまうため下手なところで倒れてしまうと食べられてしまう…



…だがもうひとつ心配がある。そう アルバート・ウェスカーの存在だ。



本来ならリサ・トレヴァーはこちらの世界にはいない こっちにいるということは誰からが連れてきたと考えるのが妥当。



一体誰が連れてきたか、そんなの簡単だ アルバート・ウェスカーが連れてきたとしか考えられない。



あいつが管理してるならリサ・トレヴァーをこの拠点近くに放ったのもあいつ おそらくこの拠点に私たちがいることがバレたのだろう 前のデパートで雷の妹、電が現れたときに把握されたと考えれば妥当であった。



…あの不完全体をここに攻め込ませたということはおそらく、見張りもいたはず リサ・トレヴァーはあれで不完全なため単体では攻め込ませないはず…となると私が放った薬弾も見られていた



化け物から適合者にするのは難しいが通常または適合者から感染者にすることは簡単…適合者なら多少のウイルスが入ったところでどうってことはないがアルバート・ウェスカーが直接手を下した場合には別だ



あいつのウイルスは完全体で濃厚すぎる あんなやつのウイルスを体内に入れられたらそこらにいるゾンビどもよりさらに強い個体が生まれてしまう…



量産されるのも厄介だが、これ以上艦娘を使った化け物を量産されるのが冗談抜きでまずい head crusherさんや天龍さん、雷や他の皆さんに一番効果的で躊躇いを見せてしまう…



艦娘の対処はわたしがなんとかしなくてはいけない ずんこさんやマキさんではおそらく勝てない…元々、あのふたりは戦闘班ではない マキさんは完全にサポートでずんこさんは遠距離攻撃特化…どちらも接近戦を得意としない



果たして私だけでなんとかいけるでしょうか?いくら武術や体術、ありとあらゆる拳法を学んでるとはいえ、相手が悪すぎる 生身の体じゃ限度がある



…手がないわけではない ただし、これをやればマキさんやずんこさんはもちろん、head crusherさんも激怒するでしょう



前にウェスカーの基地でくすねてきた薬を厳重に懐へ隠してある…これだけは絶対にバレてはいけない マキさんたちは知ってるが他のものは知らない 私がウロボロス・ウイルスを所持してるなんて!



これを使えば身体能力が上がり強くなる 抗生物質もあるから理性を保つことも可能…ただし、人間には戻れなくなる



……これはあくまでも最終手段 ほんとにどうしようもなくなったときに使おう 好んで使うようなものではない



とにかく今はマキさんたちの戦力を上げることを専念させましょう そうすれば艦娘の化け物が来ても私たちなら対処できる



私たちのせいでこうなってしまったから責任を取らなくてはならない 私たちがこの世界に来てなければ………



…コンコンっ


ゆかり 「っ! はい だれですか?」


鳳翔です 少しよろしいでしょうか?


ゆかり 「鳳翔さん?どうぞ」


ガチャッ


鳳翔 「失礼します」


ゆかり 「どうかしましたか?私の元に来るなんて珍しいですね」


鳳翔 「少しあなたとお話がしたくて参りました お時間いいでしょうか?」


後書き

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