2022-11-04 05:29:51 更新

概要

こちらの作品は【もしも、覚醒したときに風鳴翼と出会わなかったら…】の続きです。
第二章になりますので第一章からお読みになられてからお読みください。


前書き

立花 響

リディアン学院に通う高校一年生 過去にツヴァイウィングのライブ会場でノイズの襲撃に合い、心臓に聖遺物の破片が刺さり重症を負う

その時に助けてもらった風鳴翼が本人だったかを確かめるためにリディアン学院に入った…が、………


小日向 未来

リディアン学院に通う高校一年生 響の日だまり、響とってかけがえのない存在、未来にとっても響はかけがえのない存在

響のことを一番理解してるものでもあり、響を大切に思っている存在でもある保護者的存在

響が翼に狙われているのに不満を抱き、響を絶対的に守っている


風鳴 翼

リディアン学院に通う高校三年生 シンフォギア奏者【アメノハバキリ】を扱う防人 アイドルとしての一面もあり、世界では人気度の高い人物

響が元奏のシンフォギア装備【ガングニール】奏者だと知り、響のことを二課まで連れていこうとしている



















第二章ー逃走、お互いの手を取りながら











数日後、立花響は退院して私立リディアン音楽院にいつも通り登校していた。ケガもなく、体力も元通りになって元気に未来と学校生活を送っていた



今の友達の安藤創世、寺島詩織、板場弓美の三人も私が元気に登校してきて安心して声をかけてきてくれた 未来以外にもこの三人とは仲が良い 未来と同じで私のことを気にかけてくれる



…でも、未来と内緒にしてることは話せない もちろん疑っているわけではない この三人になら話してもいいとは思っている



でも未来と約束をしている 私たち二人だけの秘密を破るわけにはいかない それに…もし守れなかったときのことを考えると怖かったから言えなかった



信じてないわけじゃない もし守れなかったとしても私のせいにしてくるなんて思ってない……でも、怖かったから言えなかった



仲間を疑うなんて最低だ 言わないとわかっているのに万が一のことを考えるなんて…そんなことを思ってる自分が嫌になってきた



そんなことを思いながら授業に取り組み、ボーッとしてるところを教師に目をつけられ叱られた



授業にも集中できないまま午前が終わりお昼時間になった 響と未来はリディアン音楽院の敷地内に植えられている木の下でお弁当を広げてふたりで食べた



未来も響の様子がおかしいのに勘づいて、あえて今日はふたりで食べることにした 元気ないままで他の人たちも一緒に食べたら心配かけてしまう 変に心配をかけさせたくなかった



…それに響の性格上、隠し事はしたくないから話す可能性もあったから尚のこと 今の状態で一緒に食べさせたくなかった 由美はアニメじゃないんだからとかと言って冗談を言ってくれるかもしれないが他のふたりはどう反応するか分からない



もちろん未来自身も疑っていない あの三人は他の人たちと比べてかなり仲がいい 話したところで誰かに言いふらされたりする心配はないと思っている



…だが、もしあの三人の中でひとりでも欠けたら?響がノイズと戦えることを知って もし守れなかったら?今まで通り仲良くやっていける?



響もそんなことを考えてるのかもしれない なんとなくわかる 響は優しい性格と裏腹に心が打たれ弱い



誰かに責められたり、仲間はずれなんてされたら一気に心が折れてしまう 自分がライブの唯一の生存者だから、自分以外に失った命の分まで生きて 困ってる人がいたら助けると強く決めたからなんとか保っている



今は周りからなにも言われてないがまた言われたら………



響 「…」モグモグ…


未来 「…ひびき だいじょうぶ?やっぱりみんなに話せないのがいや?」


響 「……うん 疑ってるわけじゃないんだけど、もし話して 誰かひとりでも助けられなかったらと思うと………」ブル…


未来 「…怖いんだね」


響 「うん……」


未来 「…心配なら話さないほうがいいよ 隠し事をしたくないのはわかるけど」


未来 「不安ならいつでもわたしを頼ってね 力になるから!」


響 「みく……うん ありがと!」



未来の言葉に響は心を落ち着かせた やっぱり未来は私の陽だまり…私にとって未来は特別な存在 唯一、心を許せる存在



もしノイズが出てきたら最優先で未来を守らなければならない 未来だけは絶対に失ってはいけない もし失ったら…私はどうなるかわからない



未来の為にも私は頑張らなくてはいけない 女子だったから力とかあまり付けることはしていなかったがこの機会に付けることを決めた



少しでもノイズと戦えるように力をつけて、武術とかも動画を見ながら見様見真似で覚えようとした プロみたいになれなくとも、真似さえできればそれでいい 響は早速、帰ってからすぐ実行しようと思った



……そんなことを思っていると背後からなにやら視線を感じた 響を見てるような…または未来を見てるような そんな感じがふたりを襲った



ふたりは気になって後ろを振り向くがだれもこちらを見ているものはいなかった 辺りを見渡すがベンチに座ってご飯を食べてる女子高生、またはレジャーシートを敷いてお弁当を食べ終わって話している女子高生…だれひとりとしてこちらに目線を向けていない



ふたりは気のせいかなと思い、残りのお弁当を食べながら話した やはり未来の作ったご飯はなんでも美味しい よくお弁当を作ってくれるが一番美味しいものはなんといってもごはん!!



おかずよりご飯の方が好きな響はいつも美味しいご飯を使ってくれている未来には感謝している もちろん自分でも作れるがやっぱり未来が作ってくれたご飯の方が美味しい!



未来と幸せな時間を過ごしていると背後から、今度は視線を感じさせないように響たちを見ている人物がもの陰に隠れながら覗いていた



その者はリディアン音楽院三年、アイドルとして活躍している風鳴翼だった 翼は響たちを観察して何かを調べていた



数日前、ガングニール奏者と一緒にいた少女から情報を得てふたりを偵察するよう特異災害機動部二課の司令官、風鳴弦十郎に頼まれていた




…数日前 ガングニール奏者と一緒にいた少女の自宅に行き、裏作業をする緒川慎次は警察の事情聴取だと偽り 少女からガングニール奏者のことを聞いた



だが少女は頑としてガングニール奏者のことを話さなかった どうしてと聞くとお姉ちゃんから話しちゃいけないと言われたからと言われた



話しちゃいけないと言われたということは自分の身につけていたガングニールのことを理解していたのかと思ったが、素人同然の動きをしていた映像を見た限り、それはないだろうと判断した



となるとなぜ話しちゃいけないと言われたのだろうか なにもわからない状態でガングニールを身にまとったのだ むしろ知りたくていろんな人に聞きたがるはず



さすがに少女から聞こうとはしないだろうが話しちゃいけないとは言わないはず、となると他に理由があるはず



緒川はなんで話しちゃいけないと言われたのかを聞くと白い大きなリボンを付けたお姉ちゃんに言われたと答えた



白い大きなリボンを付けたお姉ちゃん…話しちゃいけないと言った人物はその人 となるとガングニールを身にまとった人は別の人?



白い大きなリボンを付けたお姉ちゃんに言われたということを元にして、君(少女)を助けてくれた人とは別の人?と聞くとうんと頷いた これで関係者が二人いることが判明した



ガングニールを身にまとった奏者と白い大きなリボンを付けた子…ガングニール奏者のことは話しちゃいけないと言われたらしいがどうやら白い大きなリボンを付けた子の方は言われてないようだ ならもう少し情報を集められると思い、さらに追求した



懐から風鳴翼の制服姿が映された写真を見せて服装はこんな感じだったかを聞いた 少女は再びうんと頷いた



探す範囲が絞られた 服装はリディアン音楽院の制服で白い大きなリボンを付けた高校生…その子がガングニール奏者の子を匿っていることが判明した



緒川はすぐにその情報をまとめ少女と別れた 貴重な情報を司令官である弦十郎に通達し、すぐにリディアン音楽院の生徒を全員調べた



白い大きなリボンを付けた子…生徒の名簿表はみんな髪飾りをつけた状態で撮っているため、もしその時にも付けていればすぐに見つけることができる



調べていくと何名か浮かび上がって来たがその中でも一番可能性があると思う人物が出てきた 白い大きなリボンを付けた髪飾り…たしかに他の生徒が付けてるリボンより一際大きいサイズのリボンをつけていた



浮かび上がった人物はリディアン音楽院一年、小日向未来 今年入学してきた生徒だった



成績はなかなか優秀で中学の頃は陸上部をしていた記録が残っている 記録の方もなかなかのものだった



だがそれとは別になにやら奇妙な記録も書かれていた 過去に虐められていた立花響を匿っていたと記録されている



普通こんなことを書くだろうかと思ったがその立花響と言う人物、どこかで聞いたことがある名前だった 一応その人物も調べてみるとリディアン音楽院生徒一年、立花響だと判明した



その瞬間、その場にいた職員は全員その人物のことを思い出した



そうだ…この子、ツヴァイウィングのライブ会場で唯一生き残った人物だと!!




二年前…ツヴァイウィングのライブで唯一生き残り、重症を負ったがなんとか一命を取り留めた 天羽奏が命を賭して守った子…



この子の胸には天羽奏のシンフォギア ガングニールの破片が刺さって重傷を負った その破片は全て取り除くことができず、中にまだ残っていると医師は話していた…



口止めした子がその子と一緒…まさか 小日向未来という子は立花響という子がノイズと対抗できることを知って それが国のために利用されると判断して隠したのか?



筋としては通ってる しかも立花響は過去に虐められていて、小日向未来が匿っていたと言う情報もある為、その可能性が多いに高かった



…そこまでして守りたい者なのか 下手したらお国を敵に回すことになろうというのに……



弦十郎はすぐに翼に連絡を入れ、今後小日向未来と立花響のふたりを監視するように頼んだ



もし立花響がガングニール奏者なら人類のために役に立ってもらいたい 翼ひとりでは負担が大きすぎる あまり強制はしたくないがそうも言ってられない



ノイズが発生したらおそらく変身するはず 一度奏者になって倒してるならもう一度なる可能性は高い その瞬間に奏者かどうかを調べて判断する



緒川にも学校が休みのときに調べるよう頼んだ これで一日通しで調べることができる あとはいつボロを出すかだけ…



……だがひとつ、問題がある そう小日向未来の存在だ



この子はどうすればいい?説得してもおそらく聞かないだろう 説得されて聞くような子なら立花響のことを隠さないだろう



二課の存在を知ったところで、クラスメイトや家族に話したとしても信じてもらえないだろうが必ず立花響を庇いに来るはず そうなった場合にはどうすればいい?



無理に引き離すとなにしてくるかわからない 一般人に手を出すわけにはいかない いくら国を敵に回してるとはいえ、まして子供相手にそのようなことはできない!!



ならスキをついて立花響がひとりになったところを連れ去り、シンフォギアのことを話して協力してもらうか 少女を連れて避難所まで連れていったなら正義感ある子には違いないだろう ノイズが出てきたらまず自分の命を優先するのに、この子は少女を助けようとした



そういう思いがあるなら話せば協力してもらえるはず あとは小日向未来から離せればいいのだが……



翼 「………」


翼 「(…あの子が奏のシンフォギアを……あのライブ会場で、奏が助けた子に破片が飛んで身についた……)」


翼 「(……やっぱり信じられない 体内に聖遺物が刺さったことによって奏者になれるなんて聞いたことがない しかもリンカーなしでなれるなんて)」


翼 「(奏でさえリンカーを使ってギアをまとったのに、あんな素人当然の子がなれるわけがない!!きっと何かの間違いだ)」



現にまだあの子が奏者と決まったわけではない ギアをまとったあの子の姿は捉えられてないのだ ガングニールを身にまとった者は捉えられたが顔までは見えていなかった



でも姿形は奏ではなかった それだけは確実だった…もしあの子が奏者じゃなくても奏が生きていることはない



……やめよう もう過去の私は捨てたんだ 奏のことは考えないようにしなくては



翼は邪念を捨て響たちの監視を再開した あいも変わらずふたり仲良く昼食を取っている



監視自体あまり得意ではないが学校内では仕方ない カメラで確かめるぐらいならまだいいが、流石に緒川さんや司令がするわけにはいかない まして女子校だから尚のこと……



昼食が終わり、ふたりが教室に戻る姿を確認してから翼も自分の教室に戻った 見張りとはいえ、他の教室まで追いかけて行くわけにはいかない



ただでさえアイドルとして顔が広いのに他の教室に行ったら関係ないものたちが集まってしまう もしそうなったら、あの白いリボンの髪飾りを付けた子にバレる恐れがある



私が組織の一員ということは向こうは知らないはず 多少は怪しまれずには済むが私が監視してるとバレたらまずい なるべく怪しまれずには監視しなければ……









放課後ー教室



響 「んー…!やっと終わったー みく疲れたよー」( ˵>ㅿ<˵ )


未来 「なに言ってるの 授業ほとんど寝てたのになにに疲れてるの」ハァ…


響 「んー…精神的に?」


未来 「はいはいおバカなこと言ってないで 早く帰る支度して帰るよ」


響 「はーい!」ゴソゴソ…


未来 「…」チラッ



帰り支度してる響に対して未来は辺りを見渡した 周りには生徒がだべっていたり教室から出る姿が映っていた…とくに怪しい人物はいない 響を見てるような人はいないと判断した



もし学園内に響の存在を知ってる者がいたら確実にこちらを見てるはず バレてるかもわからないが常に警戒して損はしない 響は私が守らなくちゃいけない!!



今日安藤さんたちは用事があるとの事で先に帰ってしまった 由美はアニメのグッズ買いに行くー!!と言って走り去ってしまった ほんとにアニメが好きなんだね……



響は支度が終わると未来に声をかけて一緒に教室を出た 教室から出たとき、廊下を歩いてるとき、校舎から出たとき ずっと警戒していたが誰もこちらを見てる様子はない とりあえずは平気だと心の中で思った



そんな気が張り詰めている未来の様子に響は感づき、心配してだいじょうぶか話しかけた 未来は当たり前だが大丈夫だよと笑顔で響に返した



…やっぱり未来に相談するべきではなかったかもしれない 隠し事をしたくないとはいえ、迷惑をかけることは確実だった



今未来は辺りを警戒してわたしの存在を知ってる人がいないかを確かめていると即座にわかった もしバレていたらどうするかまではわからないがどうにかしようとは思ってるはず



未来を悪者にしたくないが今の未来になにを言っても聞かないだろう 未来は昔から一度決めたことは曲げない性格で私のときも関わらなくていいと言ったのにずっと関わってきた…



未来のことをよく知ってるのは私だから言っても無駄だとわかっていた …でも、誰かを傷つけるような真似はしないでほしい それだけは絶対させたくない!



だから響は真剣な顔をして【守ってくれるのは嬉しい…でも、誰かを傷つけるようなことはしないでね】と未来に答えた



未来はクスッとわらい響のおでこに軽くデコピンした 痛くないのになぜか口で痛っと出してしまった…そして未来の返答は



未来 「さすがの私でもそんなことまではしないから安心して?誰かを傷つけるようなことはしない 約束する!」


響 「…みく……」



…どうやら心配しすぎたようだ そうだよね 未来がそんなことするなんてありえない さすがに傷つけてまで止めないよね



大丈夫だとわかると安心した 不安で落ち着かなかった心が落ち着いて表情が明るくなった



今日から未来に迷惑をかけるから、その対価としていつものお好み焼きを食べに行こうと誘おうと……



ウゥー…!!!!



サイレンの音が街全体に鳴り響いた 警報…ノイズが発生した!!



すぐにシェルターへ向かおうと未来は響の手を掴んで連れていこうとしたが響は動かないで胸に手を当て、前にまとった装備を付けて戦ったことを思い出し 人助けをしようと思った!



未来に困ってる人を助けたいから行きたいとお願いしたが却下された バレたらまずいと言ってシェルターに逃げることを進められた



だが今ノイズが出てきている 自衛隊たちだけでは対抗できない ならノイズと戦える私が行かなくてはいろんな人の命が…!!



真剣な顔をして【困ってる人を助けたい だから行かせて!】と気迫で押す感じで未来に強い口調でお願いした



…押された未来はその気迫に負け、条件付きで許可を出した その条件とは未来も連れていくことだった



人助けをしてるとき誰かに見られてはまずいからその見張りをして警戒したいと響に答えた もちろん危険だからダメと返されたが未来も負けじと言わんばかりに気迫で押して強引に許可させた



変身姿を見られるわけにはいかないので二人は学校の裏に回り、誰もいないことを確認して姿を隠した



響 「(…感じる またあの感じだ 頭の中になにかが流れてくる)」


響 「(またあの装備を身にまとえる…ノイズから人々を助けたい だからおねがい 力を貸して!)」グッ


響 「Balwisyall nescell gungnir tron…」キィンッ!!


未来 「っ!!」



目の前で見ていた未来は輝き出す響から顔を隠し光を遮った あまりにも眩しくて凝視することができなかった



光が収まり、目を開けるとそこにはロボットみたいな装備を身につけた響の姿があった 響の言っていたことは本当だった…



首元には白いマフラーがなびいて伸びていた…未来はそれを見てすかさず良いことを思いついた



響 「…やった また身につけられた!これでノイズと戦える!」パァァ


響 「それじゃみく 今からノイズを倒しに行くからついてきて!危なかったら私を呼んでね!」


未来 「まって!」スゥ…


響 「えっちょ、みく!?なななにをはぷ!!」グルグルッ


未来 「…うん!最低限は顔隠せるね そのマフラーで口物だけでも隠して」


未来 「私が危なくなっても呼ぶかもしれないけど、もし誰かが来ても呼ぶからね その時はちゃんと来てよ?」ビシッ


響 「…うん わかった!」グッ



口元に巻かれたマフラーを手直しして隠し、誰にも見られないように裏から出て未来とノイズが発生したと思われる場所に足を向けた













商店街



ワーワーキャーキャー!!


民間人 「たっ助けてくれーっ!!」


民間人 「死にたくない!!だれかー!!」


民間人 「いやーっ!!」



ノイズ 「…」ピョコピョコピョコッ


ノイズ 「…」ピョコピョコ…ビュンッ!! 身体を拗らせて民間人に突っ込んでいく



ドスゥッ!!


民間人 「がぁぁっ!!」シュゥゥ… 背後から貫かれて灰化する


民間人 「ひぃぃっ!!いっいやだ 死にたくな……」


ノイズ 「…」ピョコピョコ…ドズゥッ!!


民間人 「ごほぉ……」シュゥゥ… 溝部分にノイズの腕を刺されて灰化する



民間人 「やっやぁぁ…いや やめて!来ないで!!」ガクガク…


ノイズ 「…」ピョコピョコ… 民間人に近づいて腕を刺そうと…


民間人 「いやーっ!!」



はぁぁーっ!!


ゴスンッ!!


ノイズ 「っ」シュゥゥ… 何者かに殴られて灰化する


民間人 「……っえ」



響 「…だいじょうぶですか?ケガしてませんか」グイッ ずれ落ちそうになったマフラーを上げて口元を隠す


民間人 「…っえ あ、あなた っえ?ノイズは……?」


響 「早く逃げてください シェルターまで急いで!」


民間人 「っ! はっはい!」スクッ


響 「あっ!私のことは誰にも言わないでくださいね お願いします!」ダッ!!



民間人 「(あっあの子 今目の前にいたノイズをやっつけた?いやまさか でも目の前にいたノイズが消えてた…)」タッタッタッ!!…


民間人 「(とっとにかく 今は逃げないと!!)」



民間人は驚きを隠せなかったが今は逃げることに専念した ノイズを倒したと思われる少女から誰にも話さないでと言葉をかけられたが今はそんなことを聞いてる場合ではなかった



聞こえてはいたが早くシェルターに行きたい一心だった 早く安全な所へ行かないと!!



民間人 「はぁっ…はあっ…!!」タッタッタッ!!…



未来 「…そこの人 ちょっといい?」物陰に隠れて制服の上に上着を羽織ってどこの学校の者かを隠している


民間人 「…っえ あっあなたここでなにやってるの!?早くシェルターに逃げるわよ!」ガシッ 未来の手をつかんで連れていこうと…


未来 「わたしは大丈夫です それよりもあの子のことは誰にも言わないでくださいね?」パシッ


民間人 「…あの子?」


未来 「わたしの親友です 先ほどあなたを助けたい人です」


未来 「あの子のことは他言無用でお願いします もしバラされたら…あの子、殺されてしまうので」


民間人 「……っえ」



響 「とりゃあーっ!!」ゴスンゴスンッ!!バキベキベキベキッ!!!!


ノイズ 「っ」シュゥゥ…


ノイズ 「っ」シュゥゥ…


ノイズ 「…」グルグル…シュンっ!! 体を拗らせて突っ込んでいく


響 「くらうかーっ!!」ガァンッ!!


ノイズ 「っ」シュゥゥ… 突っ込んだノイズは響の拳で殴られ灰化する


響 「はぁぁーっ!!」ガンガンッ!!バキベキボキバキッ!!!!



民間人 「……あの子、ノイズを倒してる!?な、なんで………」


未来 「…なにも見なかったことにして下さい そしてなにも聞かないでください」


未来 「誰かに話したら殺されてしまうので言わないでくださいね お願いします」


未来 「私は親友を見守ってるのであなたは早く安全な所へ」


民間人 「…わかったわ あなたも気をつけるのよ?」


民間人 「あの子にお礼を言っておいて 助けてくれてありがとうって あなたとの約束も守るわ」


未来 「ありがとうございます 気をつけて」


タッタッタッ…


未来 「…」チラッ



響 「オラァーっ!!」ガンゴンゲシゴスッ!!!!


ノイズ 「っ」シュゥゥ…


ノイズ 「っ」シュゥゥ…



響はノイズに拳を当てて何体も倒しているのを見て改めて驚いた 体中に付いたメカメカしいものもそうだが響の手でノイズを倒してる姿を見て凄いと思った



ただやはり拳の振り方や動きなんかは素人丸出しである それもそのはず、響は体力があるだけで武術なんかは習ってない 殴り合いだってしたことないのにノイズを倒すために映画やアニメで見た動きを見様見真似でやってるだけ



動きはひどくてもノイズは響に触れた瞬間に消滅するから、おそらく力加減は関係ないのだと思った



もちろん全部がぜんぶそうだとは限らない 映像でしか見たことないが今響と戦ってるノイズは大人の人間サイズだが、これよりさらに大きいサイズのノイズも存在する



その大きいノイズは一撃で倒せるかわからない 幸いにも今は出てきてないから心配することはないだろうが、もし出てきたら無理させないで引き上げさせなくてはならない



民間人の避難はまだ完全には完了してない…それなのに響は目の前の人を助けたいと言って出ていってしまった 早くも私との約束を破った…まぁ仕方ないことだ 響の性格上、目の前に困ってる人がいたら助けずにはいられないのだから



顔を隠すことはちゃんとしてるからおそらくバレないとは思う 姿は見られるかもしれないが最低限隠してるため、あの人に似てるなー程度で済むだろう もし知らない人から声かけられたら全力で睨んだりして追い返す 響を守るために!



そうこうしていると遠くからエンジン音が聞こえてきた まだかなり遠いと思う…でも近づいてきてる しかもこっちに!



ノイズが発生してるところに近づいてきてると言うことは自衛隊やノイズを対策する部隊が来てるということ 民間人が向かってきてる可能性は絶対にない このままだと響の存在がバレてしまう!



民間人の避難はまだ終わってないがここら辺の人達は避難したと思う…未来は急いで響を呼び戻した



まだ避難できてない人達がいるかもしれないとせがまれたがバレるわけにはいかないと言い聞かせて撤退させた…納得してるような顔ではなかったが仕方ない バレたら響が死んじゃうかもしれない



それだけは絶対にさせない 本当なら響には戦って欲しくない いくら戦えたとしてもわたしと一緒に逃げて欲しい…



言っても無駄なことはわかってる だからあえて言わない そんなモヤモヤした感情を抑えて避難所へ向かった…







…数十秒後、ノイズが発生した現地にバイクを走らせた女性がやってきた 風鳴翼だ 特異災害機動部二家から連絡を受けてノイズの対処にしやってきた



翼はすぐにシンフォギアをまとってノイズに立ち向かった…だが、ノイズと戦う前に辺りを見渡した



辺りには灰化した人間のチリが風でばら撒かれていたがそれ以外にも何者かが戦ったような跡があった 路面や住宅に打撃跡や踏み込んだような跡が残っていた



見るからに拳や蹴りでノイズを倒してるのだろう 奏は槍を使って倒していた…やはり奏ではないことが判明した



やはり期待は捨てきれない…どうしても奏が生きてることを期待してしまう まだ奏じゃないと決まったわけじゃないと思ってしまう



ガングニールを身にまとった奏者がまだ完全に誰なのかわかっていないから変に期待してしまう まだあの子だと決まったわけではない もしかしたら、本当は生きてる可能性だって………



……ほんとに、こんなことばかりずっと考えてしまう 目の前で灰になった奏を見届けたというのに、生きてるわけがないのに………



そんなことを思いながらノイズに刀を向けて立ち向かった はやくノイズを殲滅してガングニール奏者を探さなくては…









…一方、特異災害機動部二課ではノイズの発生源と数を調べていた 今風鳴翼がノイズを討伐しているため段々と数が減っていっている



…翼を向かわせる前に学園内からアウフヴァッヘン波形が探知された 前回同様、ガングニール反応だった



学園の裏から探知されすぐに監視カメラを回したがカメラの範囲外だった…奏者になる瞬間は捉えることは出来なかった まさか監視カメラが取り付けられている場所を全て熟知されていた!?



だが学園の裏に回るものたちの姿は捉えられていた やはりあのふたり、立花響と小日向未来だ



カメラが使えないのでは肉眼で確かめるしかない すぐに緒川にたのんで向かわせたが時すでに遅し、ノイズが発生した場所に向かっていた



さすがに普通の人間である緒川にノイズの発生場所に向かわせるわけにはいかない 避難誘導なら向かわせたかもしれないが確認のためにわざわざ危険を冒してまで行かせられない 確認なら衛星でも可能だ



翼が対処する前に向かっていたとなれば衛星カメラに映っているはず ノイズが発生した場所に向けていた衛星カメラを確認すると案の定、前回と同じ人物が映し出されていた



…今回は顔も映っていて人物が特定できる…と思ったが、向こうが一枚上手だった 口元にマフラーを巻かれて誰かわからないように隠されていた



もちろん口元だけなら特定するのに造作もないが確定させることができない 顔だけで人物を特定したとしてもこの世界には同じような顔の人は何十人もいる 学院の生徒であることは間違いないが確定させたい



近くに小日向未来の姿が見えない…さすがにノイズが近くにいるため、安全なところにいるのかと思ったがそんなことはなかった



立花響と思われる人物が民間人を助け逃げるよう伝えると避難所がある場所に向かったがすぐに立ち止まって誰かと話している 衛星カメラからでは物陰の下にいるため誰がいるのかまではわからなかったが十中八九、小日向未来で間違いないだろう 立花響から距離はそう離れていない おそらくひとりにさせない為であろう



…まさかノイズと戦っている立花響の近くにいるとは思わなかった ただの民間人…及び人類では歯が立たないのに、大切な友人を守るためにそこまで命を張るとは……



立ち去った後も確認できたがガングニール奏者は口元にマフラーを付けたまま、小日向未来と思われる人物も口元にマスクを付けて制服ではなく普段着の上着を着ていた 自分たちの通っている学校や顔をバレないようしている辺り、もはや素人ではないと思うほど手際がよかった


その場から離れ向かった先はシェルターがある方へと走っていった ふたりはシェルターに着く前に路地裏に入り、出てきたときには上着を着てマスクをつけた少女の姿が捉えられていた 衛星でも捉えられない場所でギアを解き、予め用意していた上着とマスクを付けたようだ



…ほんとに、素人か?用意周到すぎる



シェルター近くなら緒川を向かわせ、会わせてもいいが会って話したところではぶらかされるのが目に見えていた



証拠の映像を見せても顔が隠れているため本人かと追求されたらそれまでだ 無理に動けば小日向未来がなにをするかわからない



今は二人だけの秘密にしてるだろうがこれが広まったらどうなる?これ以上守りを固められては困るうえ、なにより表に公表してない組織 特異災害機動部二課の存在がバレる可能性もある



無理に立花響を連れて行き、誰にも口出ししないよう言ったところで確実に小日向未来に話すだろう 今の立花響にとって小日向未来は大事な存在 一番信用して助けてくれる人物なのだから頼らないわけがない



そうなると無理強いはできない 無理しないで小日向未来から離れた隙を突いて攫うしかない…または説得しかない



説得に応じるかはわからないがボロを出さない限りそれしかない 表に公表されてない組織が痛手になった



また日を改めるしかない……














数日後…



リディアン音楽院ー教室



響 「はー…やっと授業終わったー 先生にすごく怒られたよ」ハァー…


未来 「それは響が授業中に寝てたからでしょ ちゃんと起きてれば怒られずに済んだのに」


響 「だって眠くなるんだもん 先生の話し聞いてると睡魔が襲ってきて…」


未来 「ほら おバカなこと言ってないで早く帰るよ?今日は家で映画観るんでしょ」


響 「うん もっと強くなるために格闘系の映画を見て学ばないとね!見る映画全部戦い方が違うから覚えるの大変だよ」


響 「ごめんね?未来まで巻き込んじゃって」


未来 「別にいいよ 響が学んでるときに私はストーリーを見て楽しんでるから」


未来 「それに響ひとりじゃわからないところもあるでしょ?私も素人だけど、わかる範囲でなら教えられるから見てた方がいいしね」


響 「未来…!」ジーン



弓美 「なになに?アニメの話し!?」

:・'(*°∇°*)'・*:


詩織 「なにやら楽しそうなお話をしてるようですね」


創世 「なんか最近ふたりでなにか見てるみたいだね なに見てるの?」


響 「みんな!いやぁ 最近格闘系の映画にハマっちゃってねー」アハハ!!


弓美 「格闘系?それってアニメのやつ?」


未来 「ううん 実写版の方」


弓美 「がーん!!あっアニメじゃなかった……!!」

_| ̄|○ il||li


創世 「めずらしいね ふたりが格闘系の映画にハマるなんて」


詩織 「…まさか、響さん格闘家になるんですの?」


響 「っえ あーいや、格闘家まではならないけど 護身術で覚えとこうかなーと思って!」


創世 「見様見真似でできるもんなの?ちゃんとした人に指導してもらった方がよくない?」


未来 「それだと維持費がね」


創世 「あー…なるほど たしかに」


弓美 「アニメの格闘系が見たくなったらいつでも言ってね!オススメいっぱいあるから!」


響 「うん!その時はおねがいね」


未来 「それじゃ行くよ」


響 「はーい!」








レンタルショップ



ウィーン…


響 「よーし!今日のおすすめゲットー!思い切って二本借りちゃったー」


未来 「期限も一週間にしたからゆっくり見れるね」


響 「うん!はやく帰って見よ……」



弦十郎 「ふんふふーん♪今日のオススメはなんだろうな 楽しみだな!!」ザッザッザッ…


響 「っ…」(°д° )



響は今歩いてこちらに向かってくる人に目を大きく開かせて驚いた 体格がよくてムキムキ、どれだけトレーニングをしていればあそこまで筋肉がつくのかわからない



未来もあそこまでガタイのいい人はなかなか見ないため、響と同様おどろいていた 完全に武闘派の人だと判断した



映画を借りるためにレンタルショップに来た弦十郎はここの店長とは仲が良く、オススメなどをよく借りている



今日は新作が入ったのとオススメが更新された情報が入ってきたため楽しみにしていた お国の仕事に休暇はなかなか取れないため、取れるときに取って見る これが俺の楽しみ方だ!



ルンルン気分でレンタルショップの出入口付近まで来ると目の前に女子高生がふたりいるのに気づいた 立ち尽くしてこちらを見ていた



その時、弦十郎は目の前にいる女子高生が立花響と小日向未来だとすぐ理解した まさかターゲットが今目の前にいるのだ 誰でもおどろく



だが弦十郎はそんな戸惑いを見せないためにすぐ表情を元に戻した 一瞬驚いたがおそらくバレていないだろう もしバレたら不審者だと思われる



…未来は相手がほんの一瞬、驚いた表情を見せたのを見逃さなかった 今の驚き方は完全に獲物を狩るような目…決して目の前に人がいてびっくりしたような目つきではなかった



おそらくこの人は響のことを知ってる。そう確信した でなければあんな目つきにはならない



弦十郎は目の前に立ち尽くしているふたりに「どうした?なにか俺にようかな」と問いかけた 相手が弦十郎を見ていたのは確実でなるべく怪しまれないように声をかけた



すると響が口を開こうとした瞬間、未来はすかさず口を手で塞ぎよけいなことを話させないようした。



響は驚き未来を見ると眉間にしわを寄せて相手を睨みつけていた…



弦十郎は未来の睨みつけに押されていた 相手は子供…まして女性相手 隣の子に手を出したら本気で許さないという眼光でこちらを睨みつけていた



一歩でも足を女子高生の方へ進めたら殺しにかかってきそうな眼光…これは冗談ではなく、本気でそう思った。



一瞬戸惑いを見せたのがバレたのか…ほんの一瞬しか出していなかったのに この子はやはり侮れない!



未来はこの場にいても響が心配するだけだと感じ、響の手を取り弦十郎を横から追い越すように歩き出した



弦十郎はここで声をかければ騒がれる可能性がある 騒がれてはさらに警戒心を高めてしまうため、あえてなにも言わず行かせた



ただ顔は見られてしまった。次からは俺では話しが出来なくなってしまった…完全に油断していた せっかくのチャンスを無駄にしてしまった



ルンルン気分から一気にどん底へ落ちてしまった…せっかく楽しみにしていたのに気分が変わってしまった



だがせっかくここまで来たんだ。借りていくだけ借りて見るかはまた後で決めればいい とりあえず中に入って…



……待てよ あの子たちがなにを借りたのかが気になる 映画でなにかを取り入れようとしている可能性がある。



弦十郎も映画でいろいろ取り入れてきたから、もしかしたら初心者なりに調べて学ぼうとしているのかもしれない!



そう判断すると入るとすぐに店長に話しをした。



店長 「いらっしゃい!待っていましたよ 今日入ってきた新作なんですが…」


弦十郎 「その前に先程、女子高生二人が借りたものを知りたい 教えてもらえないだろうか」


店長 「っえ …えっと、他のお客さんのプライバシーに侵害するようなことはさすがに」


弦十郎 「これで聞かせてもらえるか?」スッ


店長 「……っ!」ハッ


店長 「(公務員身分証明書…この人、国の人だったのか!)」


弦十郎 「事件とかそういうことではないんだが、彼女たちの情報を調べている わるいが教えてくれないか」


店長 「……今日の新作の格闘映画とジャッキー・〇ェンの映画を借りていきました」


弦十郎 「なに?格闘系の映画だと」



弦十郎はこの前の映像を見て思い出した。この前見たガングニール奏者の戦い方はすべて拳…奏みたいに槍は使っていなかった



格闘系の映画を借りたということは体術などを学ぼうとしていると判断した。本来なら道場などで習った方がいいのだが、学生だからそこまで出費を出したくないのだろう 学生身分では支払いはかなり厳しい



学ぼうとしてるということはやはりノイズを倒して人助けをしてるということは確実だろう 自らノイズに突っ込むくらいだ かなりの正義感があるとみて良さそうだ



しかし、やはりやっかいなのは小日向未来だ かなり鋭いうえ警戒心が強い、あの状態では立花響に話しかけることはほぼ不可能だろう



ガタイのいい俺でも怯まずに睨みつけていたほどだ 相手が誰であろうと立ち向かうだろう…



レンタルショップの店長に情報提供してもらったことを感謝してDVDを借りた。店長にはこのことは内密にすることとあの子たちが来店したとしても普通のお客として迎え入れるよう頼んだ べつに犯罪者ではないからわざわざ協力してもらう必要もない 変に誤解されないうちに解いとかなくては



店から出ると街中で人々が歩いてる様子が目に映った 世間話をしてる年寄りも入れば仕事の話をしてるサラリーマン、飲み物を飲みながらだべっている学生たちがなんともなく至るところで歩き回っている



ノイズがいなければ皆は普通に生活ができる ノイズさえいなければ、人は死なずに済むのに……



……なんとしてでもノイズを倒さなくてはならない どうにかしてノイズに打ち勝たなくてはならない



そのためにはまずノイズと戦うことができる者を集めなくてはならない あまりにも人材不足すぎて対処しきれない



なんとかしなくては……














学生寮ー響&未来の部屋



響 「ただいまーっと!」ガチャッ


未来 「それじゃ私は夕飯の支度するから響はお風呂とかお願いね」


響 「了解っ!任せといて まずはDVDをテーブルの上に置いといて!」タッタッタッ…ストン


未来 「今日のご飯はなににしようかな ごはんと合うハンバーグにでもしようかな…」ブツブツ…


響 「……ねぇ未来 ちょっと聞いていい?」


未来 「なーに?」カパッ 冷蔵庫を開けて材料を確かめる


響 「さっきの人のことなんだけど…」


未来 「………」



未来は黙った。いや 正確に言えば口ずさんだ。と言った方が正解かもしれない



先程のことと言うのはおそらく武闘派と思われる人のことだろう 響が話しかけようとした瞬間に口を塞いだからそれを気にしてるとしか考えようがない



…これはさすがに答えてもいいかもしれない 教えとかないとあの武闘派だと思う人が響に声掛けたときに必ず話を聞いてしまう



それで響が協力するなんて決めたらもう私にはどうにもできない 同意しちゃったら国相手にどんなに反発しても一般市民である私では勝てない



だから私はあの武闘派から話をかけられた時は無視するよう伝えた あと知らない人からでも同様に受け流すか聞かないことを念押しに言った



響の性格上、困ってたりしたらすぐ助けるくせがあるからいくら知らない人でも少しは警戒してほしい とくに国で動いてる人達相手には…



響もわかったと返事して頷いた これで話しかけられても平気であろう あとはノイズが襲撃に来たときに顔をバレないようして倒していき、響ひとりにさせないようしないといけない



顔を隠していてもだいたい把握されたら必ず国の関係者たちが伺ってくるはず 私がついていれば国の情報がバレるのを恐れて話さない可能性が高い



ひとりだと私の目の届かない場所で協力要請されるからほぼ毎日一緒にいなくてはならない さすがに女子校までは来ないと思うけど…



……ある人物を除いては、



とりあえず話すことは話したのでご飯の準備を再開した 響もテレビをつけてDVDをセットしてすぐ再生できるようにし、終えると未来の手伝いに参加した



やっぱり未来の隣にいるとすごく落ち着く 最近いろいろあったけど未来が居ればすぐ落ち着けて冷静な判断が出せる



ノイズが来たら最優先で未来を助けないといけない 未来がいなくなったら私は……



…そんなくらいことを考えるのはやめよう 未来は絶対に守る!それだけは絶対に!



ご飯を食べ終えてふたりで格闘映画を見ながらくつろぎ、明日に影響しないために早めに寝た



明日も平和に過ごせたらいいなと思う反面、ノイズが出てきたらまた人助けをしないといけない 誰かを助けるためならこの力、ノイズに対抗する手段は持ってる私がしなくてはいけない



この力がどんなものかなのかを知りたいが誰に聞いてもおそらくわからない ノイズに対抗することができるなんて聞いたことがない…あの時見た翼さんと奏さんが戦っていたこと以外は



ほんとは翼さんに聞けたらいいのだがおそらく話さないであろう もしノイズに対抗する手段があることを公表されてれば情報があるはず それがないということは秘密にされてる



秘密にされてるなら聞いたところで話すはずがない それどころか国で動いてるのなら私も使えることを話したらなにされるか分からない ただ協力するだけならともかく、人体実験や検査なんかされたらいやだ



それに未来も必ず関わってくるはず 未来には迷惑かけたくない 巻き込むくらいならなにも知らないでこの力を使うことにしよう



…今後ずっと、これで続けられればいいけど














あれなら数週間後⋯今だ特異災害起動部二課は立花響に接触できていない


隙を見ては話しかけようとするが常に小日向未来がいる。どこを出かけるにしても必ずいるため声をかけることができない


学校でも風鳴翼に頼み接触を試みているがうまくいかない むしろ翼まで警戒されている気がする


翼からバレるような動きを見せていないはずだが接触しようとすると睨まれて響を連れてどこかに向かっていくらしい


⋯なぜバレた?こまめに監視はしてたがバレないようにしていたはず なのになぜ?


どこでバレたかはわからないがこうなってしまってはより一層話しかけることができなくなってしまった 唯一頼みである翼が出来なくなってしまい このままではなんの進展も得られなくなってしまう


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