2015-05-15 20:59:19 更新

概要

続編です。咲はまだ出てきません。百合成分薄め。照ポンコツです。


憧「えっうそ、清澄の部長!?」


菫「どうした、そんなに興奮して。」


憧「だってあの人結構な有名人よ。対局相手で気に入った娘は100%口説き落とすプレイガールとして」


一同「マジか・・・」ドン引き


久「いやいや、だから人聞きの悪いこと言わないでよ。」


美穂子「そうよ、上埜さんはそんな人じゃないわ。」ギリ


憧「うっ。えーと、悪ノリだったわ、ごめんなちゃい(こわすぎでしょ)」ガクブル


久「そういえば何で私が呼ばれたのか理由をまだ聞いてなかったけど。」


菫「生徒議会長で麻雀部部長。君のようなカリスマ性があり人望が厚い人物はそうそういない。」


久「そんなことないわよ。麻雀部だって3年私一人しかいないし。美穂子のほうがよっぽど慕われてると思うわ。」


美穂子「えっ!?私なんか上埜さんに比べたら大したことないです。」ポッ///


霞「あら、さすがね。」


菫「いや、単に部キャプ補正がかかってるだけだ。しかし、彼女にかかればあの五人もイチコロだろう。」


霞「そういえば、春ちゃんも竹井さんとはすぐに打ち解けていたわねぇ。」


透華「一も竹井さんのこと面白い人だってしきりに話しかけてきますのよ。いいかげん疲れましたわ。」


菫「その流れで行くと、うちの渋谷も時間の問題だろう。もちろん新子、お前もな。」


憧「ちょ、ちょっと待ってよ。私はシズ一筋だから。確かに竹井さんは魅力的だと思うけど・・。」


久「あら、光栄ね。今度二人で食事でもどう?憧。」


憧「何さらっと呼び捨てしてんのよ、・・・まぁ奈良まで来てくれるんなら観光案内もしないこともないわよ。」


久「ふふ、それはOKってことでいいのかしら?」


憧「もう!からかってるでしょ!」


ヒソヒソ(タメ口になってる。)(新子さんもまんざらじゃないみたいね。)(上埜さんは渡さないゴゴゴ)


菫「竹井、そろそろ。」


久「そうね。ねぇあの子は呼んでくれた?」


菫「あぁ、隣の部屋で待機してもらっているから、迎えにいってくれ。」


久「ありがとう、じゃあ行ってくるわね。」


一同「行ってらっしゃい」


憧「ねぇ、あの子って?」


菫「見てのお楽しみだ。」


憧「??フーン」


―――――――――――――――――


~会場~


ガラガラッ

久「はーい、皆さんこんにちは。」


「・・ちは」

「・・ども」

「・・ん」

「・・はい」

「・・よろ」


久「・・この挨拶が洋榎のプログラムの成果かしら?」


一同「///」コクリ


久「うん、あなたたちにとっては大いなる一歩ってわけね、把握したわ。」


久「何人か知ってる人もいるけど、自己紹介するわね。長野の清澄高校麻雀部部長竹井久です。宜しくお願いします。」


一同「ペコリ」


久「えーと、前置き長くすると私の心が折れそうだから、早速本題に入るわね。」


久「私のプログラムはズバリ!」


黒板にカキカキ、バン!


久「愛しのあの子のハートをズキュン!ドキドキワクワクデートで告白大作戦!」


一同「ポカーン」


久「私調べによるとあなたたちにはそれぞれ想い人がいるみたいじゃない?」


一同(ギクッ!)


久「ふふ、その反応だと図星ってところね。この作戦ではその想い人とデートしてもらい、最後に告白しちゃおうって作戦です!」


一同(そんな活き活きと言われても・・)


久「我ながらナイスアイディアでしょ。今のあなたたちにぴったりだわ。」


照「はい」挙手


久「どうしたの?宮永さん。」


照「あの、だいぶ段階飛ばしてるような・・。」


灼「コミュ障じゃなくてもきつ・・。」


久「うん、でもこれくらいのリスクを負ったほうが、見返りは大きいわ。それにうまくいけばコミュ障は治るし、恋人はできるしで一石二鳥!最高じゃない。」


一同「ゴクリ」


久「ふふ、みんなやる気になったみたいね。でもさすがに今の状態でデートに誘えなんて言わないわ。今のままだと碌に会話もできないまま相手に気を遣わせちゃって申し訳ないし。」


一同「シュン」


久「落ち込まない落ち込まない。私は恋愛では悪待ちをしない主義なの。だから皆さんにも必勝パターンを授けたい、そのためには基礎力をもう少し上げてもらいたいの。」


一同「コクコク」


久「なので私の前にある講師の指導を受けてもらいます。呼んでくるから待ってて。」イソイソ


ダレダロウ?ヒソヒソ


「しつれいしまーーーす!!」


一同「ビクッ!」


穏乃「みなさんこんにちは!奈良から来ました高鴨穏乃です、阿知賀女子麻雀部では大将やってます。宜しくおねがいしますっ!」ペコリ


オォー パチパチパチ


久「さすが高鴨さん、ハキハキしてて良い挨拶ね。」


穏乃「いやぁー、改めて言われると照れますね。」テレテレ


灼「・・穏乃も知ってたの?」


穏乃「すみません灼さん。口止めされてたんで。」ウェヒヒ


――――――――――――――――――

モニタールーム


憧「ちょっと!何でシズが居るの!?」


菫「竹井から頼まれてな。今回の企画にどうしても必要な人材だからと。」


美穂子「確かに高鴨さんのコミュニケーション能力はすごいわね。人付き合いの苦手な私でもすぐに打ち解けることができたわ。」


透華「私も練習試合以来、ちょくちょく連絡を取りあってますの。この前も屋敷まで遊びに来て楽しいひと時を過ごさせてもらいましたわ。」


憧「いつの間に!?というか何で私に黙ってるし。(知ってたら全力で止めたのに。ライバルが増えたらどうすんのよ!)」


菫「まぁサプライズというやつだ。(新子にばれたら絶対阻止されてたからな)」


憧「ふーん。」


菫「続きを見よう。」アセアセ



―――――――――――――――――――

会場


久「じゃあ高鴨さん、プログラムを紹介してくれる?」


穏乃「はい!私のプログラムのテーマは「山登り」です!」


一同「山登り?」


穏乃「そうです。山には色々な試練が待っています。それをみんなで協力して乗り越えてほしいんです。」


智紀「体力的に無理。」


純代「体型的に無理。」


穏乃「大丈夫です。初心者向けの山ですし、助け合えばどうってことはありません。」


久「それじゃ私はモニタールームのほうに行くから後はよろしくね。」


穏乃「はい!任せてください。」


ジャネー


穏乃「これからのスケジュールですが、今日はこのまま山登りの心得について講義しますんで、実際山に登るのは明日の早朝です。」


照「えっ、泊まり?着がえとか持ってきてないし、そもそもどこに泊まるの?」


穏乃「宿泊場所や着がえはすべてこちらで手配しています。ちなみに竹井さんのデート大作戦は3日目になります。2泊してもらうことになりますが、各学校の代表の方々には許可を得てますので。」


春「私たちの意思はどこに・・。」


穏乃「では講義を始めます。早速ですが山登りで大切なことってなんだと思いますか?」


シーーーン


穏乃「えっと、じゃあ一人一個ずつ答えてください。」


シーーーン


穏乃「・・・灼さんからお願いします。」


灼「服装、装備。」


穏乃「そうですね。動きやすい靴、虫に刺されないよう長袖長ズボン、両手が使えるようリュックを用意すると良いですね。次沢村さんお願いします。」


智紀「水分補給。」


穏乃「はい、こまめに水分を取らないと脱水症状を起こしてしまうかもしれないんで気を付けてください。宮永さんお願いします。」


照「本」


穏乃「それは駄目です。山登りで本なんか読んでる暇ないですし、余計な荷物を持っていくとすぐ疲れちゃいますよ。」


照「本は私のエネルギー。」


穏乃「じゃあ今日中に読み込んでエネルギー溜めといてください。深堀さんはどうですか?」


純代「コンパス」


穏乃「方位を確認しながら登るのも大切ですね。最後に滝見さんどうぞ。」


春「お祓い。」


穏乃「うーん、必要っちゃ必要かもしれないですね・・。出発前にやってもらっていいですか?」


春「コクリ。」ポリポリ


穏乃「ありがとうございます。皆さんも良い答えだったんですが、もうひとつ大事なことがあります。それは『声を掛け合い、励まし合うこと』です。」


穏乃「明日登る山は険しくはないですが、普段体を動かしていない人からするとやはりきついです。必ず限界がやってきます。そんなときは我慢せず弱音を吐いてください。そして周りの人は元気づけてあげてください。そうやって声を掛け合うことで絆が生まれ、自然と互いを気遣えるようになれます。」


一同(へぇー)


穏乃(やりづらい・・)「皆さん、ちなみに運動習慣あります?」


照「ない。」


智紀「ゼロ」


純代「ないです。」


灼「ボウリングをたまに。」


春「お祓い。」


穏乃「えっ、そんなに激しいんですか?」


春「一種のスポーツ。」


穏乃「(護摩業的なやつかな?)そうなんですね、でも本格的に運動している方はいないみたいなんで、ここは協力してがんばってください!」


一同(顔を見合わせてアイコンタクト)


穏乃「えーっと、それじゃあ今日はこれで解散しましょう。外にバスを待たせているので、それに乗ってホテルに向かってください。お疲れ様でした!」


オツカレサマデシタ・・



――――――――――――――――――――

バスの車内



智紀(メアドとかLINE交換したほうがいいのかな・・、まぁ今じゃなくていいか。)


純代(声を発するタイミングも失った、とりあえず寝たふりしとこう・・。)


照(明日大丈夫かな・・、本読んどけばイケる!と思ってたけど、先生に没収されちゃったし・・。)


灼(まぁ、穏乃がいるからしゃべらなくても平気かも・・。)


春(山を登ることに集中しよう・・)


全員(そうしよう・・)


―――――――――――――――――――――

モニタールーム(移動車)


憧「誰もしゃべんないねー、というかシズまじさいこー、まじかわいい。」


菫「愛宕先生の講義で何を学んだのか。」


洋榎「何かすまんな、めげるわ。」


久「洋榎も来たんだ、帰ったと思った。」


洋榎「あの子らの成長見届けよ思うてな。」


霞「今日泊まるホテルのバイキング目当てかと思ったわ。」


洋榎「まぁ、ついでにな。」


美穂子「龍門渕さんありがとう、何から何まで手配してもらって。」


透華「いえいえ、たいしたことないですわ。」


菫「それにしてもこんな調子で明日明後日のプログラムはうまくいくのか?」


久「大丈夫よ。ねぇ高鴨さん?」


穏乃「はい!明日はとっておきの秘策を考えてるので、それで急速に距離が縮まるはずです(なんか憧こええ)。」


菫「まぁ後は二人に任せるよ。」



―――――――――――――――――――――


次の日 ホテルのロビー


穏乃「昨日言い忘れてましたが、私は付いていかないので、皆さんたちだけで登ってください!」


一同(マジで!?)


穏乃「山登りに必要な道具はこちらで準備しているのでご安心を。各々自分の名前が書かれたリュックサックを持っていってください。」


一同「?」


穏乃「実は中身は全部違います。カテゴリー毎に分類してあり、例えば飲み物は深堀さんと灼さんのリュックにまとめてあります。」


純代「重そう・・。」


穏乃「1人当たり3Lですけど、毎日ボウリングで鍛えてる灼さんと安定感のある深堀さんなら大丈夫です。」キリッ


灼(いまいち納得できない・・)


純代(失礼なこと言われた気が・・)


穏乃「宮永さんは食糧係、滝見さんは食糧係&タオル係、沢村さんはお菓子係です。」


照(お菓子!!)


春「・・タオル係って何を?」


穏乃「メンバーが汗をかいてたらフキフキしてあげてください。」


春「はぁ(タオルぐらい一人ひとり持てばいいのでは?)」


穏乃「宮永さんは最年長なんで先導役もお願いします。登山用地図とGPS機能付き地図アプリの入ったスマホ渡しときます。不測の事態が起きたらこれで連絡ください。」


照「コク」


穏乃「あとカメラも。場所を変えて最低10枚は撮ってください。」


照(私やること多くない?)


穏乃「あとの細々とした備品は共通でみなさんのリュックに入れてあります。出発前に確認しておいてくださいね。」


一同「はい」


穏乃「順調にいけば昼食をはさんで3~4時間てところでしょうか。皆さん頑張ってください!」


一同「はい」


穏乃「(不安だなぁ・・。でも山がみんなを変えてくれるはず!)では出発地点までバスで向かいましょう!」



―――――――――――――――――――――


~モニタールーム(改造車内)~


菫「持ち物を分け、役割も持たせることにより嫌でもコミュニケーションをとらせる作戦だ。」


憧「シズにしては良いアイディアね。」


菫「野外講習なので、少し心配だが、私たちもこうして山のふもとでスタンバイしているし、龍門渕さんの私設警備隊がこっそり尾行してくれている。」


透華「龍門渕グループの全面バックアップにより、登山中の様子もすべてモニターで見れるようにしてますわ。」


美穂子「万が一のことがあっても安心ね。」


憧「ホント金持ちってチートよね。」


久「宮永さんが地図係なのね。咲はものすごい方向音痴だけど、お姉さんはそうじゃないのかしら?」


菫「いや、あいつも方向音痴だ。」


久「えっ?!そんな人に先導任せて大丈夫なの??」


菫「まぁ、誰か異変に気づいてサポートしてくれるだろう。」


久「不安だわ。」


洋榎「なんとかなるんちゃう?」モグモグ


霞「お茶入れてくるわねぇ~」


美穂子「私も行きます。」


久「みんな呑気ね・・。あっ、ブラックサンダーあるじゃない、いただき!」


ワイワイガヤガヤ


穏乃「皆さんただいま戻りました!」


憧「シズ!」ガタッ


菫「はいはい、落ち着いて。準備は終わったのか?」


穏乃「はい、もうスタートしてるはずですけど。(アコこえぇ)」


透華「チャンネル変えるの忘れてましたわ。」ピッピッ


洋榎「おっ、映ったで。」


憧「こっちのモニターで、山のどの辺りにいるかレーダーで確認できるのね。」


霞「スタート地点でまごまごしてるみたいだけど、何かあったのかしら?」


菫「多分、照が出発の合図を出せてないのだろう。」


洋榎「そっから!?」


―――――――――――――――――――――


~スタート地点~


照(やべー、先生いなくなってから10分経つけど、どうすればいいの?みんな何も言わないし、とりあえず・・)


照「えっと、それじゃ・・のぼりょうか。」


純代「はい(かんだ)」


智紀「はい(チャンピオンが)」


照「のぼろうか」


灼「はい(言い直した)」


春「はい(かわいい)」


・・・


黙々


・・・


~一時間経過~


灼(おかしい、この景色さっきも見たような気が)


純代(この木見覚えがあるし何より)


灼、純代、智紀、春(下ってる気がする)


灼「(ここは部長でもある私が)あの、宮永さん」


照「何?(やっと話しかけてくれた!)」


灼「ちょっと休憩して今の状況確認しませんか?」


照「・・そうだな(助かった~(^^;))」


春 ササッ フキフキ


純代「あ、ありがとう」


灼「//ども」


智紀「ありがとう・・//」


照「ありがと(照)」


春(タオル係なかなか楽しいかも♪)


灼「コップ配りますね。」


智紀「お菓子も。」


照「さてと、今いる位置は・・どこだ?」


純代「スタート地点から200mのところですね。」


春「少し目をこらせばスタート地点見える。」ポリポリ


灼「失礼ですが、方向音痴なんですか?」


照「少し」


灼「そうですか(少しってレベルじゃ・・)じゃあ私が地図見てサポートします。」


照「ホント!?助かる!」テヲニギニギ


灼「いえいえ(ぽんこつかわいい・・)」ドキドキ


智紀(照灼もアリっと)カキカキ


春「・・灼、のどかわいた、おかわり。」


灼「う、うん(呼び捨て!?)」


智紀(照→灼←春か。まさにアラタな境地、なんちゃって)プフッ


純代(何笑ってんの?!)


純代「あの、皆さんのど乾いたら遠慮なく声かけてくださいね。たいぶ我慢してたみたいですし。」


智紀「お菓子もエネルギー補給で大事だから、もっと積極的に配る。」


春「汗もこまめに拭いてあげる。」ポリポリ


灼「(なぜこっちを見ながら)そろそろ行きましょうか?」


照「あぁ、出発しよう。できるなら山頂でご飯食べたいし、遅れを取り戻そう。」


―――――――――――――――――――――


~モニタールーム~


菫「うむ、主導権を見事に奪われているな。さすがポンコツチャンピオンだ。」


憧「でも灼がフォローするとは思わなかった、くさっても部長ね。」


久「散々な言われようね・・。」


美穂子「でも一時間も歩いてまだ200mしか進んでないなんて大丈夫かしら。」


洋榎「異変に気づいて口に出すまでが長かったからなぁ。うちやったらソッコーどついとるわ。」


憧「宮永さんが3年生で指摘しづらかったってのもあるかもね。上下関係ってそこらへんが難しいのよね~。」


3年生一同(絶対気にしたことないだろ・・)


霞「でもこんな調子で下山までできるのかしら。これも計算のうちなの?穏乃ちゃん。」


憧「そうそう、精神的にもくるでしょ、これ。(なに名前呼びしてんのよこのおっぱいオバケ!)」ギリギリ


穏乃「大丈夫です。内気な人ってなるべく人に頼らないように生きてるんで我慢強いんです。だから下手すりゃ無言のままクリアしちゃう可能性も考慮しました。」アココエー


菫「たしかにやりかねんな。」


穏乃「そこで方向音痴の照さんに先導してもらうことで、体力を削ってもらい、いやでも話し合わないといけない状況を作ろうと思ったんです。」


洋榎「でも体力に余裕無くなるとピリピリして険悪ムードになるんとちゃう?」


穏乃「内気な人は基本的に温厚ですからね。それにここでは頼れる人物がいないんで、自分がしっかりしなくてはという責任感も生まれてきてますよ。」


透華「たしかに休憩が終わってからは、声を掛け合ってるみたいですわね。」


菫「分かれ道を悉く反対に行こうとする照を鷺森さんがうまく誘導しているな、ほんと申し訳ない。」


美穂子「深堀さんもみんなの様子を窺いながら水を配ってるみたいだわ。これなら安心してキャプテン任せられそう。」


久「あら?次のキャプテンて池田さんじゃないの?」


美穂子「うちは雀力だけじゃなくて学力も考慮するから・・。」


久「あっ、そゆこと(察し)」


―――――――――――――――――――――


照「鷺森さん、次の道はこっちかな?」


灼「いえ、こっちです(2択なのに全部はずすのって逆にすごいな)」


春「灼、汗ふくからこっち向いて。」


灼「あぁありがとう。」


純代(明らかに鷺森さんの汗をふく回数が多い。)


智紀(はかどるなぁ)wktk


照「滝見さん、私も拭いてもらえるかな。」


春「はい。」フキフキ


照「ありがとう(ちょっと力強い、というか雑。)」


純代「汗をかいたらその分水分補給しましょう、どうぞ。」


智紀「塩分も。はい、塩キャラメルと塩こんぶ。」


照、灼、純代、春(気持ち悪い組み合わせだな・・。)


純代「それにしてもだいぶ登ってきたのでは?」


灼「そうだね、今8合目あたりだと思う。」


照「へぇー(全然地図の見方が分からん)」


春「お昼には山頂に着けそう。」


純代「でももう少しだと思うと急に足が重くなってきた・・・。」


照「何か話して気を紛らそう。テーマは“咲‐saki-で妹にしたいキャラといえば?にしよう。私は咲に一票。」


灼「(実の妹じゃん)一応聞きますがなぜですか?」


照「しょうもない理由で無視し続ける姉と仲直りしたくて、嫌いな麻雀で全国大会まで会いにきてくれるなんて最高の妹キャラじゃないか!」


灼、純代、智紀(どんな理由なんだ!?気になる、でも聞きづらい・・)


春「何で仲違いしたの?」


灼、純代、智紀(good job!)


照「少し長くなるけど良い?」


灼、純代、智紀、春「どうぞどうぞ」


照「それでは。実は小学校までは咲より私のほうが友達が多かった。でも中学に上がって、右手が疼く・・、とか、照魔境が・・、とかやってたらいつの間にか周りと距離ができてた。」


灼「あっ、私も包帯巻いてエターナルフォースブリザード繰り出してたら孤立してました。」


純代「自分もコードネームFJとして闇組織グロリアと戦ってたら孤立してました。」


智紀「政府公認の天才ハッカー、イーグルとして教室でパソコンカタカタやってたら孤立してました。」


春「自分の中には五つの神様が共生していて日替わりで神様出していたら孤立してた。」


照「皆それぞれ傷を持ってるんだな。さすがに高校生になったら口に出すのはやめたが。」


灼(いまだにやってるとは言えない)グローブをさりげなく隠す


照「逆に咲は中学生になるとドジっ子キャラを確立して友達をたくさん作っていった。当時私は姉より優れた妹などいないと思っていたから現実を受け入れることができず、咲のことを無視するしかなかった。」


純代(ひどい姉だなぁ)


照「急に冷たくなった私に咲は何度も理由を聞いてきた。答えに困った私はとっさにこう言った。『本当に分からないの?自分の心に聞いてみるのね』と。そのまま本当の理由を言うこと無く東京に引っ越してしまった。」


智紀(クズすぎる)


春(悪霊でもとりついてるのかな?)


照「あの頃の私は子供だった。いや今も。でもこの講習を通して変われる気がする。だから全てが終わったら咲に本当のことを言おうと思う。」


灼(姉妹関係が終わりを迎える気がする)


照「で他のみんなの妹にしたいキャラは?」


灼、純代、春(続いてたんだそのテーマ)


智紀「私は衣。実際は衣のほうが誕生日早いけど。」


照「何で?生意気だし、何言ってるか分かんないし、めんどくさくない?」


智紀「(この人衣嫌いだった)強がってるけどホントは甘えん坊で友達想いですごく可愛い。」


照「ふーん、鷺森さんは?」


灼「私は穏乃です。私より身長低いし、人懐っこくて、話すの苦手な私でもいっぱい話しかけてくれてうれしい。それにすごく慕ってくれるし。」


照「高鴨先生か。あの子は礼儀正しくて好き。阿知賀編の主人公だけど本編で出しゃばってこないし、咲をちゃんと立ててるところが良い。咲とのカップリングも許せるかも。咲みたいな弱虫系な子は元気系な子にひっぱってもらわないと。」


灼(妹キャラと関係ないような・・)


純代「私は緋菜ちゃん、菜沙ちゃん、城菜ちゃんですかね。」


照「あぁ、池田さんの妹で咲日和で大活躍の三つ子ちゃんね。」


純代「はい、説明ありがとうございます。」


春「三つ子の妹って大変そう。」


純代「まぁ、やんちゃだけど、本読んであげたりすると大人しく聞いてくれるし、だっこしたりおんぶしてあげるとすごい喜んでくれるんすよ。」


灼(姉妹というより親子って感じがする・・)


照「滝見さんは他己紹介のとき、薄墨さんて言ってたよね。」


春「うん、はっちゃんは年上だけどすぐ泣くし、姉として守ってあげたくなる存在。」


照「じゃあ姉としてまずはあのはだけた服を直してあげようか。咲の幼少時代みたいな顔してあんなことされると私の理性が吹っ飛ぶから。」


春「分かった。努力する。」


灼「ちょっ、それ私の台詞」


春「夫婦は似る」


灼「な、なに急にふうふなんて言ってるの!?」


照「ひゅーひゅー」


灼「///えっと、あっ山頂見えてきましたよ!」


純代「ほんとだ、やっと着いた。」


智紀「お腹ぺこぺこ」


―――――――――――――――――――――


~モニタールーム~


美穂子「山頂に到着したみたいね。それにしても・・」


憧「・・宮永さんが色々とやばかったわね(穏咲とかねーよjk)


穏乃「咲さん可哀そう(それにしても灼さんと照さんの私への評価が高かったのは嬉しかったなぁ、というかあここえー)


透華「妹さんは天真爛漫な良い子ですのに、姉はどうしてあんなにこじらせちゃってるのかしら。」


霞「お祓いする必要があるかもね。」


久「咲って時々意味深な顔をするんだけど、多分咲の中で想像が膨らみ過ぎてとんでもないトラウマになってるわよ、あれ。」


菫「照のせいで咲ちゃんには辛い目に遭わせてしまっている。この講習が終わったら一刻も早く照から咲ちゃんの誤解を解いてもらいたいと思っている。」


一同「激しく同意」


―――――――――――――――――――――


照「そういえば昼食何が入ってるんだろう、結構重かったけど。」ヨッコラショ


春「重箱が入ってる、あと水筒に豚汁も。」


照「ほんとだ。しかしとても素人が作ったと思えないが一体誰が?」


純代「これはうちのキャプテンが作ったものですね。合宿で何回か食べたことあるんで。」


灼「あの美人なお姉さんか。期待できるかも。」


春「・・・」キッ


灼「和食なら春ちゃんのほうが上だろうけどね。」


春「♪」


智紀(扱いに慣れてきてる)


照「よし、配膳したし食べようか。」


一同「いただきます。」


照「ぱくぱく。うん、すごくおいしい。」


純代「疲れが吹っ飛びますね。」


智紀「五臓六腑に沁み渡る。」


春「なかなかやる。」モグモグ


灼「山頂は風が冷たいけど、豚汁で温まるね。」


照「それにしても一時はどうなるかとおもったけど、何とかなるもんだね。」


智紀「皆無口だから会話成立しないと思ってた。」


灼「皆受け身だからね。だから余計に話しかけられるのを待ってちゃいけないんだよね。」


純代「大事なのは最初の一声で後は相手が話を膨らませてくれるし、そうじゃなければ自分が膨らませればいいんすよね。まぁ後者はまだハードル高いすけど。」


春「相手を知ろうとすることが大事。」


照「少なくともこの五人はけっこうお互いのこと分かってきたよね。」


灼、智紀、純代、春「そうですね(あなたのことは特に)」


灼「でも他のメンバーは知ってて自分だけ知らない話題だと質問しづらいんだよね。」


智紀「今更それ聞く?的な。」


一同「あるある。」


純代「話に出てくる登場人物全員知らねーよ的な。」


一同「あるある。」


照「複数人いるのに、前の人とか隣の人と二人だけの話題で盛り上がるみたいな。」


一同「あるある。」


春「遊んでたら急に場所移動するのとか。えっ?次カラオケ行くって言って無かったっけ?みたいな。」


一同「あるある。」


照「そもそも私たちだけが悪いわけじゃないと思う。うちはチーム虎姫なんて言ってるけど、麻雀とったらみんな趣味ばらばらで共通の話題がない。学年もばらばらで気を遣うし、お菓子で場を和やかにしようと努力してるけど菫があの仏頂面でそのムードをぶち壊してる。」


灼「確かに白糸台のメンバーって我が強いですよね、協調性ないっていうか。」


照「そう、あと皆思い思いの中二病ワールドを展開してるけど、私が稼いだ点棒使い果たすのやめてほしい。もう少しで負けるとこだったし咲に会えないと思うと胃に穴開きそうだった。」


智紀「うちもばらばら。透華は衣のことしか考えてないし、一は透華のことしか考えてないし、衣は宮永咲のことしか考えてないし、純は男だし。そもそも次鋒の扱いが雑だと思う。」


純代「うちも未春さん→華菜さん→キャプテンの構図なんであぶれちゃうんですよね。後輩の文堂さんが気遣って話しかけてくれるんすけど、申し訳なくて・・」


灼「うちなんて憧と穏乃と玄は幼馴染だし、宥さんは玄のお姉さんだから実質私だけがアウェイで居づらい。昔の話とかされると消えたくなる。」


智紀「それは気の毒。」


春「うちはみんな上級生だし、話題がばば臭くてついてけない。」


照「そうか。この中でも一年は一人だが大丈夫?」


春「ここのみんなは話しやすくて話題も面白いから心地良い。」にこっ


上級生(///)ズキューン


照「さ、さて、食べ終わったし一通り景色を楽しんで下山するか。」


純代「そういえば照さんは写真を撮る役目もありませんでしたか?」


照「!そうだった、忘れてた・・。とりあえず山頂で5枚くらい撮ろう。」


智紀「景色を変えてって言ってたけど。」


照「向き変えれば背景変わるし、それでいいと思う。」


灼(適当だなぁ)


照「セルフタイマーにしてと。みんな、一枚目はウィッシュのポーズね。」


純代(古っ)


照「よし。向きを変えて。次はトゥースのポーズね。」


智紀(全然世相を反映してない。)


その後景色を楽しみつついくつか写真を撮って・・


照「よし、後は下山のときに登ってるっぽい写真も撮っとけば大丈夫。では下山するか。」


灼「そうですね。」


純代「下りも意外に足の負担大きいんで気をつけましょう。」


春「帰りも話しながらがいい」


智紀「そうだね。」


一同 談笑


―――――――――――――――――――――

モニタールーム


霞「春ちゃん、帰ったらおしおきが必要ね。」ゴゴゴ


菫「石戸さん落ち着いて。それにしてもこっちにも落ち度があるみたいだな。」


憧「まぁ確かに灼が入りづらい話題ばっかりしてて悪かったと思うわ。」


穏乃「そうですね。これからは灼さんと共有の思い出をたくさん作っていきたいです。」


憧「語弊があるかも分かんないから一応確認しとくけど、阿知賀五人での共有の思い出よね?」


穏乃「当り前じゃん、何言ってんの憧?」


憧「ううん、私の中で大事なことだったから確認しただけ。」


穏乃「?」


美穂子「深堀さんにひどいことしてたのね。でもどうしたらいいのかしら。」


久「とりあえず名字じゃなくて名前で呼んでみたらどうかしら?池田さんみたいに。」


美穂子「それはいいですね!でもいきなり呼び捨てだとびっくりさせちゃうから純代ちゃんて呼んでみます。」


久「ばっちりよ。(純代ちゃんて柄じゃないけど)」


透華「私はどう接したら良いと思います?竹井さん。」


久「そうねぇ。とりあえず龍門渕さん付きのメイドを国広さんから沢村さんにチェンジしてみたらどうかしら?」


透華「なるほど、それなら私と智紀の関係が密接になって智紀があぶれなくなりますわ。」


久(国広さんには気の毒だけどね。)


菫「照なりに場を和ませようとしてたとは気付かなかった。確かに私はいつもピリピリしてて空気を悪くしていたかもしれん。もう少し笑う努力をしよう。」


霞「私たちも神様の話ばかりして若い春ちゃんには退屈な思いさせてたのかも。」


洋榎「そうやで。」


久「洋榎いたんだ。」


洋榎「ずっとおったわ!でもうちは関係者やないから話入れず空気になってしもた。あいつらの気持ちが分かった気がするわ。」モグモグ


久「ただ単に食べるのに夢中だっただけでしょ。」


洋榎「まぁ細かいことは気にするなや。それにしてもあいつら行きと全く表情が違うな。」


久「ほんとね。無表情に近い暗い表情だったのが、今は活き活きして楽しそう。」


菫「照の予想以上のポンコツぶりが良い潤滑油になったみたいだな。話も振ってたし、一応三年としての自覚があったみたいで安心した。」



時間は経ち・・・



穏乃「そろそろ下山してくるころなので迎えにいってきますね。」


一同「いってらっしゃーい」


―――――――――――――――――――――


照「やっと着いた・・」ゼエゼエ


灼「やり遂げた・・」


純代「気持ちいいっすね・・」


智紀「爽快・・」


春「叫びたい・・」ポリポリ


穏乃「みなさん、お疲れ様でした!」


一同「先生!」ダキツキ


穏乃「うわっ、朝とテンションが全然違う!?むしろキャラが違うような・・。」


照「なんか私たち一皮むけた気がします!」


灼「なんてちっぽけなことで悩んでたんだろうって目が覚めました!」


純代「色んな人としゃべりたくてうずうずしてます!」


智紀「ニコ動で顔出し実況できる自信がつきました!」


春「今なら霞ちゃんに面と向かってBBAって言える気がする!」


穏乃「えっと、ランナーズハイってやつですかね?でもすごいですよ皆さん、ここまで変われるなんて!」


一同「ありがとうございます!」


もう私から言うことはありません。ホテルでゆっくり休んで明日の最終プログラムに向けて英気を養ってください!」


一同「おぉーーーー!」



体育会系と化した五人。果たして最終日はうまくいくのか?


続く


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