ビアンキの30回目の誕生日
童話。
頭を空っぽにしてみてください。
ビアンキは幼少期の頃お父さんから宝箱を渡されました。
その時にお父さんからこう言われました。
「いいかいビアンキ、この箱は30歳になってから開けるんだよ」
ビアンキは当時ものすごい元気よく頷いておりました。
そしてビアンキがあれから22回目の誕生日を迎えた時でした。
彼は会社員で毎日くたくたでした。
「そうか、父さんはこんな立派な毎日を過ごしていたんだな」
ビアンキは感動しました。
そんな時に、ふと父の言っていたことを思い出したのです。
「あ、そういえば父から30歳になったらあけろと言われていた箱があったな」
キッチンの棚の上、奥の奥底にそれはありました。
何が入っているんだろう、ビアンキはワクワクしました。
「この未来を見据えてマッサージ機とかだったら笑う」
ビアンキは苦笑いました。
ワクワクと
しかし、
恐る恐ると、
色々な思いを抱きながらビアンキは箱を開けました
きしむ箱の音。広がる埃っぽい匂い。
柄にもなくプレゼントを開けることに胸を高ぶらせながら。
「おや?」
しかし箱の中には何も入っていませんでした。
その代わりに、箱の底にはペンで書かれた文字が。
メッセージかな?
そこに記載されていたのはとても不可解な言葉でした。
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なぜもっと早く開けなかった?
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ビアンキはその言葉を見て考えこみました。
「お父さんが30歳に開けろっていったんじゃないか」
人生には理不尽なこともある。
だがこれほどにまで不可解な理不尽は初めてだ。
結局プレゼントも何も入っていやしない。
どうしろというんだ。
ビアンキにはその意味が、
さっぱり分かりませんでした。
ビアンキという名前はチャリンコからつけました。
殺すぞ ByTKD