2023-01-24 23:50:55 更新

5当分のおっさん


とある男によって(ローによって)


おっさんと入れ替えられた花嫁たち


果たしてこれからどうなるのであろうか






ふータローピンポン


押し捲る


ニノが切れる


「ニノこそいい加減にしろ!もうすぐ期末なんだぞ!」

「え?」

「いいから開けろ、俺はここから意地でもうごかねぇぞ」

「あぅ、ええ」


ポチ


「ちょっとニノ!!何開けているのですか!」

「しょ、しょうがないじゃない!だって名前呼ばれたんだから!」

「でも変だよね、声質はおっさんのはずなのに」

「私たちもおっさんの声に聞こえるよね...」

「ふーたろーは...わかってくれるのかも」

「っは、おとぎ話じゃあるまいし、そんなわけないでしょ!」


ピンポン


「ひわわ!!きっと上杉さんです!!」

「わ、私は降りるわ! 部屋に籠る!!」

「そそそそっそんな!ずるいですニノ」

「ニノが招き入れたのに...」

「あはは、とりあえず砕けてみよっか」


「「「なんでイチカはそんな落ち着いているの!!!」」」


「まっていちか...本当に開けるの?」


ガチャ


「ん?誰だ、おっさん」

「あーーなんというかぁ、今あの子たちの留守を預かっていまして...」

「...」

(すごくみてくる...)


「本当か? おっさんあいつらとグルでテストサボりたいから嘘ついてんじゃねぇだろうな」


「うそなんかついてないよ!」


「???」


(やばい、今はおじさんの姿なんだった)


「おっさん...」


「...」


「物取りじゃないだろうな?」


「え?」


たしかにこのマンションのセキュリティーは高い、認める。俺も何度世話になったか」


(ふーたろ君それはどうなのかな)


「だがな、万が一ということがある。俺はイチカ、ニノ、ミク、ヨツバ、イツキの家庭教師だ。安全のため中を確認させてもらってもいいか?」


(おぉ、ふーたろー君カッコいい...)


「うん」


(あ、つい頷いちゃった)


「では失礼する」


「「「え?」」」


何で入ってくるの???


ごめんねみんな、つい入れちゃった(メンゴ)


イチカーーーーー!


「4人も留守番が必要なのか?」

「あ、それは、えっと」


(あわわわわふーたろーが怒ってる...)

(あんな顔見たことないです!)


「う、上杉さん!!」

「あ?」

「私はヨツバです!縁があっておっさんと入れ替わりましたぁぁ!!」


(言い切った!!!!)

そんなの信じるわけが


「そうか、ヨツバか、まぁそこに座れ」


「え、上杉さん...信じてくれるんですか?」


「ここにテストがある(ズバァん)解いてみろ」


「へ?」


「言っておくが小細工なんてもんは通じねぇ、俺がヨツバにどれだけ苦労させられたと思っている。俺はヨツバがどこでミスるか、どこがわからねぇか、どこで悩むかしっかりと記憶している。テストを解いてみろ、それが証明になる」


うおおおおおお!


「う、上杉さん!別に出来が悪いのは私だけじゃないじゃないですか!!」


(気になるとこそこなんだ)


「特に頭が悪いのはヨツバだ、部活もいいが少しは勉強にも力を入れて欲しいものだな」


「ぐぬぬぬ、わかりましたよ!」


すごい、相手は見た目おっさんなのに会話を自然にこなしている。


「ところでニノはどこだ?インターホンでは声がしたはずだが(ギロリ)」


「あ、ニノなら自室に...」


「悪いがお前は誰だ?」


「え? あぁ、私はイツキです」


「デミグラスといえば?」


「ハンバーグです!!」


(何今の?)


「そうかイツキか、気づいてやれなくて悪かっな...」


「いいえ...そんなことは」(なんとなく不服です...でも、気づいてもらえて嬉しい...)


「あーーー上杉さんイツキに対応が優しいです!!」


「ヨツバ、お前はいいからテストを解け」


「え、私をヨツバだって認めてくれるんですか!」


「理科が苦手なのは相変わらずだな、だが前間違えたところ...あっているじゃないか」


(名前もナチュラルに自分の名を書くし、字も完全に一致している)


「っ!!!はい!!頑張りました!」


(撫でてもらいます!)


「前当たっていたところもヨツバそのものだ。5択問題も悩んだ末に4番目を選んでいるし、これでヨツバじゃないのなら俺にはもう判断する材料がない。信じるしかないだろう」


「うぅ...上杉さんそんなに私のことを...」


「だがその問題は前も教えたはずだが、ヨツバ?」(クワッ)


「うぇ!そ、あぁあ!!」


「まだ鍛えられたいようだな...覚悟しておけ」


「ひえぇぇ上杉さん私の見た目がおっさんでも容赦ないですううう」


「さて、残るはイチカとミクか...」


「「!!」」


「イチカ、俺にあの日演じた役を今ここでやってみせろ」


「えぇぇ! あのって、ロータリーの??」


「あぁ、ロータリーのだ。もう今のでお前がイチカだと証明されたようなものだが、念のため演じてみせろ。女優を目指すならできるだろ」


「で、でも...お姉さん流石にみんなの前じゃ恥ずかしいかな...」


「つまりはその程度ということだ。俺は諦める他ない。それに今はお姉さんではなくおっさんだろ」


「ムっ! それならフータロー君も演技手伝ってよ」


「っえ? なんで俺が」


「協力関係でょ?」


「ぐぬぬ、覚えてねぇ」


「え?」


「嘘だ、そんな顔するな...言っとくが棒読みしかできないぞ」


「やった」


「じゃ、いくぞ」


「うん、お願い」


「そ、ソツギョウオメデトウ」


ーーーーーーー


「あれ、何かマズかった?」


「2回目だが、お前の声からその言葉が聞けるとは...」


「あはは、フータロー君慣れないねぇ。それに今はおじさんだよ...」


「いや、イチカだ」


「え?」


「その演技とセリフはイチカだ、それがお前の口から放たれたから感動している」


「フータロー君...」


「イチカの演技始めてみました!」


「そうですね...とても、感動しました」


「あはは、できればほんとうの姿で出来れば良かったんだけどね」


「...」


「ということはお前はミクだな」


「...」


「おいミク、どうした?」


「違う」


「私はミクじゃないです」


「???そんなことないだろ、だってヘットホンしてるし」


「!!!そんな安直な...物なら買えばどこにでもある...おじさんだって買える、これだけじゃ私がミクだって証明する証にはならない...」


「いやむしろこの部屋におっさんと入れ替わったイチカとニノとヨツバとイツキがいて、お前だけ本物のただのおっさんな方が不自然だろう」


「私はニノよ!」


「そうかニノ、俺の生徒手帳に何が挟まっているか知っているか?」


「え?え?」


「お前は少なくともニノじゃない」


「え、そ、そんな...」


「それにニノならここまで騒ぎ立てずに大人しくしていない、もっとギャーギャー喚いている筈だ」


「...」


「さぁミク、勉強を始めるぞ」


「嫌」


「...」


「私も...ちゃんと当ててほしい」


「ん?」


「ヘッドホンとか消去方じゃなくて...ちゃんと当てて欲しい(ウルウル)」


「...」


「あ、おじさんの顔で、泣かれても困る...よね」


「今なら念願の戦国武将のコスプレができるぞ」ボソ


「あ」


「ミク、お前は最初からミクだと分かっていた」


「え?」


「「「え?」」」


「だから後回しにしたんだ」


「え、でも、ヘッドホンじゃぁ」


「仕草だ」


「え?」


「教えはしないが、お前にはとある独特の仕草がある、それですぐに分かったんだ」


「仕草、独特の? なんか恥ずかしい///」


「どうしたミク、まだあるぞ」


「ま、まだあるの?」


3分ほどミクについて語る


「もぅ、もういい///」


「どうしたミク、まだあるぞ」


「もういいです、参りました(プシュー)」


「はっははそうか、勝ったぞ!」


「いいなぁミク、上杉さん私のことも語ってください!」


「姉妹の中でも一番成績が悪い」


「ぐはぁ!」


「一番運動神経がいい、人を助けるいいやつだ」


///


「上杉くん、別に羨ましい訳ではないですが、私の特徴は食べ物以外にないのですか?」


「意地っ張りで負けず嫌い」


「ム!」


「だからこそ人一倍努力家だ。よく知ってる」


///


「フータロー君私は?」


「さぁ勉強を始めるぞ」


「えー言ってよ」


「おっさんになろうが犬になろうがテストの日は変わらない。いいかお前ら、勉強を始めるぞ」


fin


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