Lies Are Medicins
大規模作戦が成功してから数か月がたったある日・・・
前のパソコンが壊れてしまい、修理に出しているので、このアカウントでの投稿となります。
??「時間でありますよ。元帥殿。」
??「お前に元帥とか言われると調子狂うなぁ。というかまだ元帥ではないんですけど。」
??「すぐに元帥になるのであります。しかも、あなたが望んだことでありましょう。」
??「そうなんだけどさ。」
??「お人好しすぎるんですよ元帥殿は。」
??「別にお人好しってわけでもないけどな。」
??「あなたがお人好しじゃなかったら、死ぬのももっと後になったはずであります。」
??「いや、結局俺は消されてたさ。お前は知りすぎた。みたいな感じでな。」
??「そうとは思えないのでありますが。」
??「それくらい人は簡単に死ぬって話さ。君たちとは違ってな。」
??「人生最後の無駄話は楽しかったでありますか?」
??「まあまあ、それなりに楽しかったよ。ありがとうな、あきつ丸。」
あきつ丸「どういたしましてであります。あっちの世界でもよろしくやっとくであります。」
ー洋野鎮守府 食堂ー
私たちは、ヒトゴーゴーマルに「五分後食堂に全員集合。」という指示を放送で聞いて、すぐに集まった。最近は出撃はおろか遠征すらなかった。提督は、先の大規模作戦の功績が認められ、大本営に呼ばれていて、一週間前にこの鎮守府から出て行った。
チャリン
鳳翔さんが席に着くように言ってくる。私たちは、席に着き、次の指示を待っていると、鳳翔さんは、テレビのリモコンを取り出し、テレビを無言でつけた。なんだか険しい表情をしていた。
ヒトニーマルマル、処刑が始まった。三人が手錠をつけられたまま処刑台へ連行される。タオルのようなものをかけられていて捕まったばかりで警察署に連行される犯人みたいな感じだった。
内閣総理大臣、という風に声を掛けられる。すると、タオルのようなものを外され、顔があらわになる。勿論、今までの首相だ。
深海棲艦、という風に声を掛けられる。すると、さっきと同様にタオルのようなものを外されて、顔が見えるようになった。多分姫級だろう。オーラが出ている。
海軍元帥、という風に声を掛けられる。すると、タオルを外されると、そこには私たちの提督がいた。
みんなが顔を見合わせる。私たちの提督は、出世を嫌がって少尉から一階級も昇級していないはずだった。それなのに、なぜ急に元帥になっているのか全く意味が分からなかった。驚きのあまり立ち上がった者も少なくなかった。
チャリン
テレビの中では、その三人を透明な盾を持った特殊部隊の隊員が取り囲んだ。そして、憲兵たちが四角い箱を持って三人に近づく。
憲兵たちは、三人の手錠を外し、四角い箱の中のものを渡した。そして耳打ちをする。
チャリン
深海棲艦は首相を、首相は提督を、提督は深海棲艦に銃口を向けた。
人はしっかりとお互いの心臓を狙っていた。
そして大きなサイレンが鳴り響き、三人はお互いを撃って倒れた。
死亡が確認されたようで、三人は棺に入れられ、運ばれていった。
チャリン
皆は呆然としていた。それもそうだ。今まで一緒に戦ってきた提督が死刑になって死んでしまったのだから。
静寂が食堂を包み込む。時計の秒針が時を刻んだ行くのが聞こえるほど静かだった。
その静寂を破ったのがあきつ丸だった。
あきつ丸は、さっきまで出張していて、みんなが食堂に集まって、提督が死んだところを見ていたなんてことは知らなかったようで、明るい声で、「ただいま、あきつ丸帰還しました!」などと大きな声を出してしまったのだろう。
しかし、提督を失って情緒が不安定になってしまった艦娘にとっては、殴りかかるには十分な行動だったのだった。
金剛が拳を振り上げながらあきつ丸に駆け寄り、拳を振り下ろした。
あきつ丸は驚きながらも、金剛の拳を受け止め、「どうしたのでありますか?」などと聞いた。
金剛「どうしたもこうしたもナイデース!なんで提督が死んでしまったのにそんな元気でいられるんデ―スカ?」
あきつ丸「提督殿が死んでしまったのでありますか?」
金剛「ソウデース。さっきテレビでやっていまシタ。」
あきつ丸「皆さんご覧になられた、というわけですな。」
金剛「あきつ丸は知っていたのデスカ?」
あきつ丸「もちろんであります。提督殿の最後の言葉と伝言を伝えるためのこんな腐った海軍の防衛拠点に来たわけでありますから。」
再度殴り掛かりそうな金剛を三人がかりで抑えて、あきつ丸に話を続けるように促す。
あきつ丸「発情した犬かなんかでありますかな?怖い怖いであります。」
鳳翔「早く話してください。」
あきつ丸「わかりました、わかりましたから、艤装をしまってほしいのであります。」
鳳翔「早く話してください。」
あきつ丸「はぁ、結局艤装はしまわないのでありますね。まあいいであります。あの提督殿は、自分の意志で死ぬことを決めたということを先に言っておきます。」
摩耶「はぁ?テメェ、ふざけたことぬか「続けろ。」
摩耶があきつ丸に歩み寄るが、武蔵はそれを制止して、
武蔵「話を続けろって言ってんだ。あと摩耶、横槍を入れるな。お前の悪い癖だ。」
摩耶「すいません。」
あきつ丸「武蔵さん、きちんと躾はしておいてほしいであります。」
武蔵「早く続けろ。私も鳳翔もそう長くは我慢できないぞ。」
あきつ丸「了解であります。」
あきつ丸「提督殿からこんな言葉を聞いたことはありませんか?『部下より先に俺が死ぬ。』という言葉を。」
あきつ丸「昔の元帥は、ここの提督殿に任命されて海軍のトップとして働いておりました。旧元帥は、提督殿の部下というわけであります。」
あきつ丸「彼は、私に二つの終戦の方法を教えてくれました。一つ目は今回の上層部が処刑されて新しい政府を作り出す『革命方式』、
もう一つは、深海棲艦の殲滅『完全勝利方式』であります。」
あきつ丸「彼は、前者を選んで終戦させました。」
あきつ丸「彼の身勝手な願望をすべて叶えられるのが、前者だったというわけであります。」
あきつ丸「これが陸軍視点の推測であります。」
チャリン
龍田「陸軍が何でそんな機密を知っているのかは置いておくけど、それ以上に知っていることはないのかしらぁー?」
あきつ丸「ぷっ、あははは!!実に滑稽であります!!」
翔鶴「な、なにが可笑しいのですか?」
あきつ丸「提督殿を殺そうとしたあなたがこんなにも敵意を向けてくるとは思わなかったので。」
武蔵「それ以上、馬鹿にしてみろ。お前の頭が吹き飛ぶぞ。」
あきつ丸「そういうところであります。すぐにかっとなる癖はやめたほうがいいでありますよ。『怪物』」
あきつ丸「何の為に提督殿が死んだかわからないのであります!!」
あきつ丸「艦娘たちは、人類にとってどういう認識だと思われていますか?鳳翔さん。」
鳳翔「艤装を使って戦う女性かしら。」
あきつ丸「頭の中お花畑でありますね。作者とおんなじくらいお花畑であります。」
あきつ丸「まずそんなことを言っているのはごく一部の提督のみであります。」
あきつ丸「一般人からしてみれば、人間の姿かたちをしている怪物でありますし、お偉いさんなんかは、深海棲艦という標的がいなくなったから次は人類に牙をむくかもしれないと、怯えて毎日祈りながら寝ていますし、外国特に艦娘を持たない国なんかは、核を撃つ準備までするくらい怖い存在なのであります。」
あきつ丸「提督殿が深海棲艦を殲滅していたら、日本は核でなくなっていたかもしれないということもあるのでありますが。」
あきつ丸「実際、艦娘を兵器として扱っている鎮守府のほうが多いのであります。人間として個人を尊重して、殺されでもしたらたまらないであります。それより、兵器として洗脳して命令違反をしないようにすれば、危険性がない最強の兵器として使いやすいのであります。」
あきつ丸「人間はおろかなのであります。すべて自分の利益が優先。他人を蹴落としても自分さえよければそれでいい。そんな生き物であります。」
あきつ丸「ある日、簡単に人を殺せるような力を持った家畜が急に言葉を話せるようになって、人権を求めてきたようなものであります。」
あきつ丸「提督殿は、今までの作戦行動は全て提督殿が指示しただから、艦娘は提督殿の言いなりになっていて、艦娘の意思ではないと、裁判の時におっしゃっておりました。そう発言することにより、艦娘が生きやすいようにしてくださったのであります。多分、今調印式が行われていると思いますが、提督殿が書いた条約がそのまま調印されると思われるのであります。」
あきつ丸「その条約は、艦娘は勿論、深海棲艦にまで人権を一時的に与えるというものでありました。」
あきつ丸「私たちがやってきたことを、提督殿が処刑されることのよって、一度取り消していただいたのであります。だのに、そんなけんか腰で人間に接していたら、提督殿の死を無駄にすることになるのであります。」
あきつ丸「海軍の風紀は悪いのはわかっているのでありますが、どうか、提督殿の死を軽んじて行動してほしくないのであります。」
あきつ丸「お祝いの日に提督殿の処刑で、気がたつのは仕方がないとは思いますが。」
あきつ丸「それでは、私はやることがあるので。」
あきつ丸「そうでした。最後に重要なことを。『一年後、ここにいるほとんどの人が喜ぶプレゼントを持って子の鎮守府に帰ってくるのであります。」
そう言って、鎮守府を後にした。
??「計画道理でありますな。来年が楽しみであります。」
Lies Are Medicins編終了です。rtLAMはroad to Lies Are Medicinsの略です。結構伏線を張っているので、じっくり読んでみるのもいいかもしれません。一年後の話を書く前に、少しだけみんなの生活を書こうかなと思います。早く修理が終わってほしいなと思いつつ書いています。早く舞鶴鎮守府の非日常を終わらせたいです。
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