茄子「茄子ですよー」スッ
珠美「P殿ー!P殿ー!」
P「どした珠美。敵襲?」
珠美「ちひろさんから連絡がありまして、今日佐賀入り予定だった茄子さんの収録が押したらしく飛行機に乗り損ねたと!」
P「え、マジ?」
珠美「マジです」
P「たしかその仕事って今夜の夜ロケから始まるヤツだよな…え、今何時?」
珠美「14時です」
P「えっと…うわ、代替便ねぇな。今から新幹線に変えたとしても…うん、間に合わん。じゃあプライベートジェットで俺が迎えに…ああ、ダメだ、この後幸子載せて返す予定なんだった」
珠美「何か物凄い事が聞こえた気がしましたがとりあえずどうしましょう?」アワアワ
P「んー…しょうがない、ディレクターに頼んで、番組構成を変えてもらうしか…」
ガチャ
芳乃「只今戻りましたー」
P「ああ芳乃おかえり」
珠美「芳乃殿、お疲れ様です」
芳乃「…」キョロキョロ
芳乃「どうかいたしましてー?」
P「ん?…ああ、実はかくかく」
芳乃「ほー、それはお困りでしょうー」
P「そうだなぁ、なんとか間に合う手があればいいんだが」
芳乃「それでしたらー、ひとつだけー」
珠美「え、何か方法があるのですか!?」
芳乃「ふふふー」
芳乃「そなたー、少々耳をお貸し下さいませー」
P「ん?なになにあらくすぐったい」コショコショ
P「うん…」
P「ん…えっ、それ?」
芳乃「これでばっちりでしてー」
P「…マ?」
芳乃「ま、でございますー」
珠美「?」
P「でもなぁ…」
珠美「P殿、一体何を教わったのですか?」
P「ん?…んー、それがなぁ…」
芳乃「論より証拠ですー。早速お試し下さればー」
P「んー…」
珠美「…?」
芳乃「…」ニッコリ
P「…」
珠美「…」
芳乃「…」
P「…」
珠美「…」
芳乃「…」
P「…ナスさーん」ボソッ
茄子「カコですよー」スッ
P「わっほい!」
珠美「うわぁ!」
芳乃「ふふふー」
茄子「お久しぶりですプロデューサー」
P「え、あ、おう、久しぶり」
珠美「…よ、芳乃殿、これは一体…ってもう居ない!?」
茄子「間に合ってよかったですー」
P「あ、おう、えがったえがった…」
珠美「茄子さん…あのぉ…何処からここに?」
茄子「? 東京ですよー?」
珠美「あ、いえそうではなく…ど、どうやってここに?」
茄子「さて、そろそろバスに乗らなきゃ間に合いませんねー」
P「あ、ああせやな…待っとけ、今車出すから」
珠美「茄子さん!?」
P「珠美、諦めと受容も時には大切だぞ…」
珠美「P殿!?」
P「ほら、車で佐賀までひとっ走りするから2人とも表で待っとけー」
茄子「はーい」
珠美「もう、しょうがありません…P殿の車、速いんですよね…」ハァ
珠美「…」
珠美「あれ、何か忘れてるような?」
ー10分後
幸子「Pさーん、カワイイボクがロケを済ませて来ましたよー!」バァン
幸子「…何故でしょう、人の気配がありません」
ー1時間後・佐賀県ロケ現場
P「着いたぞー、はよ着替えに行きなー」
茄子「はーい」
珠美「はぁい…」ゲッソリ
P「どぉしたぁ珠美」
珠美「小倉ー伊万里間を1時間で走った人のせいでクラクラします」
P「そりゃ大変だな、危ない人には気をつけないと」
珠美「どこの誰だと!」ガオー
P「ほらはよ着替えんばロケ始まるぞ」
珠美「ガオー!」テクテクトコトコ
P「ん…あれ?茄子さんもう更衣室かな…?」
ー同時刻・東京のスーパー
ほたる「今日の晩御飯…何にしよう…」
ほたる「あ、お野菜が安い…」
ほたる「うーむ…蓮根さん…ピーマンさん…ゴボウさん…ネギさん…」ナギデス
ほたる「…ニンジンさん…ナスさん…」
茄子「カコですよー」スッ
ほたる「ぴゃあ!」ビクッ
ー佐賀
珠美「P殿ー、着替えましたぞー」
P「おかえりー…あれ、茄子さんは?」
珠美「へ?P殿と一緒ではないのですか?」
P「えっ」
珠美「えっ」
ー福岡
幸子「うぅむ、この事務所もぬけの殻ですねぇ」
幸子「…まったく、カワイイボクを放ったらかしてどこ行ってるんですかあの人は」
幸子「何か机にイタズラしてやりましょうか」
幸子「よっこいしょっと」ガシ
乃々「あぅ」
幸子「!?」ビクッ
ー東京
茄子「晩御飯なににしたんですかー?」
ほたる「夏野菜カレーにしました」
茄子「なるほどー、いいですねー」
ほたる「付け合せのらっきょうを忘れないようにしなきゃ…あ、実家から送られてきたのがあったかも…でも一応買っとこうかな…あれ、鳥取産がない…?」
ほたる「か、茄子さん、普段らっきょうって…」チラ
ほたる「…?」
ほたる「茄子さん…?」
ほたる「…消えた?」
ー佐賀
P「車にも居なかったなぁ」
珠美「ど、どうするんですか、もしかしたら道中で振り落としちゃったんじゃ…」アワアワ
P「落ち着け、着いた時は居ただろ」
珠美「で、でもじゃあどうすれば」
P「んー…出来ることはひとつだよなぁ」
珠美「…と、言いますと?」
P「…」
P「スぅー…」
P「ナスさーん」
茄子「カコですよー」スッ
珠美「うぉう」ビク
P「茄子さんどこ行ってたんよ」
茄子「すみません、ちょっとそこまで」
P「それじゃ早めに着替えちゃってください」
茄子「はーい」トテトテ
ー東京
ほたる「どうしよう、茄子さん消えちゃった…私のせいかな」
ほたる「か、茄子さーん…茄子さーん?」
ほたる「…ナスさーん」ボソッ
茄子「カコですよー」スッ
ほたる「わあっ」
茄子「探しましたかー?」
ほたる「そ、そりゃもう消えちゃったのかと…」
茄子「ここにいますよー」
ほたる「はい…では、お会計してきますね」
茄子「あ、ほたるちゃん。私これからお仕事なので、1度失礼しますね」
ほたる「そうでしたか。引き止めてすいません。良ければ今夜はご馳走しますよ」
茄子「あら、いいんですかー?」
ほたる「はい、是非お仕事で一緒の方とかも」
茄子「本当ですか?ほたるちゃんのカレー楽しみにしときますね」
ほたる「はい、それではまた」
茄子「はいー、お疲れ様ですー」
ー佐賀
茄子「お待たせしましたー」
珠美「…妙に長くなかったですか?」
茄子「気のせいですよー」
珠美「そ、そうですか…ではロケに向かいましょう」
P「そろそろだぞー、急げー」
ーロケ終了後
珠美「お疲れ様でした!」
茄子「お疲れ様ですー」
P「おつかれー、いやぁよかった」
珠美「よかったですか?!」
P「本当によかった。ロケ中に茄子さん消えなくて」
珠美「た、確かに…!」
珠美「それはそうと、今日のロケよかったですよね!」
P「ああ、ハラハラはしたけど内容はすごく良かったぞ。ディレクターさんにも褒められたぞ」
珠美「えへへ、明日も頑張りますよ!ね、茄子さ…」
P「…あれ」
珠美「…」
P「…」
P珠美「「居ねぇ!」」
ー福岡
幸子「なるほど、じゃあそのドタバタでボクは忘れられたわけですね。まったく、カワイイボクを忘れるなんて、なにか罰ゲームが必要ですね!」
乃々「うぅ…話したので、もうほっといて下さい…」
輝子「フヒ…罰ゲーム…キノコの早食い、とか…フヒヒ」
幸子「しかし、そうなるとボクはどうやって東京に帰ればいいんでしょう」
乃々「あ、それなら…」ゴソゴソ
幸子「ん?メモ帳に何を書いてるんですか?」
乃々「こ、これを読んでみて下さい…」
幸子「なんですかこれ…な…ナス、さん?」
茄子「カコですよー」スッ
幸子「びゃあああ!」ビクゥ
茄子「あらあら」
幸子「な、え、ビックリしたァ」ドキドキ
茄子「カコですよー?」
幸子「知ってますよ、てかえ?なんでここに居るんですか?佐賀でロケですよね!?」
茄子「まあまあ」ギュ
幸子「え、ちょなんで手握るんですか?」
茄子「まあまあまあ」
幸子「え、え、怖いんですけど、ちょた、助けて下さい!」ギュ
乃々「ひいぃっ!あ、足首掴まないで欲しいんですけど!?」
茄子「はい、そろそろですよー」
幸子「何の話ですか!?怖い怖い!助けてPさん!」
乃々「ちょ、足首離して下さいぃ!嫌です無理ですもりくぼはまだ帰りたくな」
輝子「…」
輝子「…おー」
輝子「そして、だれも居なくなった…フヒ」
乃々「…終わりです」
ほたる「カレーできましたよー」
乃々「お肉多めでお願いします…」
幸子「ボクはお野菜多めで」
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