2022-06-02 22:23:50 更新

概要

ボブまなの妄想雑書き


「うそ…」

「ごめん」

彼が謝ってくる。やめて、悪いのは甘奈なのに

甘奈が…失敗しちゃったからなのに

悪いのは甘奈なのに

いつものメークに、いつもの衣装に、いつもの衣装。

普通に考えれば失敗なんてしないはずなのに

でも、甘奈が失敗しちゃったから、甘奈のせいで…

「でも、これは次に…」

そんなことを言ってくる。

分かってるよ…このオーディションは甘奈にとっても、

彼にとっても大切だったはずなのに

オーディションの前の日から、毎日事務所に泊まって


甘奈。”彼”のこと、ちゃーんと見てたもん

普通のオーディションじゃないんだって、そうは言ってないけど

普通じゃないこと、わかってたから、だから…

「甘奈?」

「っ…ごめん」

「…今日は帰るか?」

「うん…ごめんね」

「また明日からめーっちゃ頑張るから…」

少し無理して、そう言った。


数日後


「にへへ…」

「甜花…うれしいっ」

「よくやったな」

「えへへっ」


彼が私の姉を全力で褒める

私の時よりも当人みたいに喜んでいて…

こないだよりもうれしそうで…

「っ…」

ギイイイイ…バタン

「?」

「プロデューサーさん…?」

「ん?」

「どうした…の?」

「いや、なんでもない」

(風か…?)


「っ…あっ…」

苦しい、息ができない

プロデューサーさん…甜花ちゃんのこと…

好きなんだ…

甘奈よりも…

甘奈が失敗しちゃったから、甘奈が…甘奈がっ…

「はぁ…はぁ…」

ある程度走ってようやく落ち着いてくる

よく見ると事務所の近くの公園にいた

「はぁ……」

「甘奈、失恋しちゃったんだ…」

彼が私にどう思っていたかは知らないけれど

甘奈は…好きだったな

甘奈より年上で…時々可愛いところもあって…

でも…優しくて…頼れて…

「甘奈の、恋人だった人…」


「…」


二日後


「おはよう、甘奈ちゃん」

「おはよう、千雪さん!」

「あら…?髪切ったの?」

「うん!たまにはねー」

「とっても可愛い…」

「えへへ~ありがとっ☆」


これは…甘奈なりのけじめ

プロデューサーさん、甘奈の髪好きだったもんね…



このSSへの評価

このSSへの応援

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください