【0章】捨てて欲しかった鎮守府と捨てられたかった提督
捨てられた鎮守府はこの場所にあった
そして確かにその場所には笑顔があった
戻れない時を思い少し休むのもまた一つの生きた方なのかもしれない
だが、時は止まる事はない
前のアカウントのポテ神提督の、捨てられた鎮守府と捨てられた提督を先に見ていく事をオススメします
ある程度見たらこちらを見ても大丈夫です!見なくても大丈夫かもですが
これはおんぼろ鎮守府が出来る前の先代の話しである
例により気に入らない方は戻るボタンをどうぞ〜〜
これは提督の父親である提督父の物語である。
とある町に鎮守府が建てられた
その場所には今まで鎮守府はなかったが深海棲艦はどんどん海域を支配していき危険区域に入ってしまったからだ
数年前に海に突如現れた怪物
後に深海棲艦と名付けられた
海軍は勿論陸軍も空軍も彼奴らには敵わず被害ばかりが増える
人類はこのまま海を黙って奪われるのを待つしかなかった
だが、艦娘と言う存在が現れ人類に戦う力が手に入った
人は艦娘を信じ
艦娘は人を信じ
それが大きな力を起こした
壊滅寸前まで追い詰めるが人間は強欲な生き物であり
余裕の出てしまった事で人は艦娘の所有権で争いだしたのだ
それが駄目だった
艦娘達は人を信じられなくなり人も艦娘を信じられなくなった
本来の力を発揮出来なくなった
改ニという力はその時からなくなってしまった
そして、深海棲艦は増えてたちまち海域をまた支配してしまった
人と人が争ってしまった事で終わりかけた戦いは終わりが見えなくなってしまった
それから数十年後
とある二人がその町の鎮守府へと来ていた
青年「遂に来たな幼馴染」
幼馴染「そうね長かった・・」
二人は今日からこの鎮守府に着任する事になっていた
青年が提督であり幼馴染は秘書官になるのだ
青年「だが、汚いなボロボロだし」
幼馴染「でもそれが!」
青年「良い!」
幼馴染「なんか此処から成り上がりが始まると思うとドキがムネムネだよ!」
青年「あぁ!初期艦すら居らずに支援も受けられずに俺達は」
幼馴染「絶望の底に落とされるんですね!」
青年→提督「さぁ!此処から俺達の成り上がり物語の始まりだ!」
幼馴染→秘書「これはどん底に落とされた二人で後に提督王と呼ばれる成り上がり物語である!」
提督「ぷっ!提督王ってなんだよ」
秘書「さぁ?なんか強そうじゃない?とにかく入るよ!いっちばーん!」ダッ
提督「あ、待てって!たく・・・」
提督「・・・・・・」鎮守府見上げ
提督「よしっ!行くか」
これはとある提督の鎮守府での数十年間を記録した物語である
後にこの鎮守府はおんぼろ鎮守府と呼ばれる事になる事を二人は知らない
絶句した・・・・
鎮守府へ入ると絶望を体現させたような顔の秘書が居た
俺も入った瞬間にそんな顔をしていると思う
外から見たボロい鎮守府とは違い中は綺麗で艦娘達が俺達を出迎えてくれた
5人くらい居ると思うが目が霞んでよく見えない
秘書「こ、こんな事って・・・」ガクリ
提督「大丈夫か・・」
秘書「大丈夫に見える?ぐふっ!」
力なく倒れる秘書を抱えて艦娘達に部屋へ待機を命じて執務室へ行った
ー執務室ー
提督「なんて豪華なんだ・・・」
養成学校を首席1位と2位で卒業した俺達はそれから大きな鎮守府を任されている提督の元で数年間勉強した
それとなく役に立ったりして此処に残ってくれと言われたがそれを蹴って自分達の鎮守府を夢見て頑張った
何度となく妨害にあったがそれを跳ね除けて遂に俺も幼馴染も23歳と言う若さで着任出来た
たくさんの人達が期待をしている中で選んだ場所は主要な町とは程遠い町の港に出来た数年間人が入ってない鎮守府
ボロい事を期待したのに
立派な机に高そうな椅子
秘書専用の机も高そうだ
電話や冷蔵庫にソファーまである
豪華過ぎる
秘書「お、お願い・・部屋の外の廊下に寝させて・・ま、眩し過ぎる」
提督「あぁ・・・」
秘書を廊下の真ん中に放置して怒りをこらえて電話をした
数コール鳴って出たのは元帥ではなく元帥の秘書であり俺の上官になる人だ
養成学校時代に最初は10人くらい居た練習生達もその上官の厳しさに負けてやめてしまい俺と秘書だけになった
そして卒業と同時にそのまま部下となった
秘書の上官はまた別なので直々の部下は俺だけになっている
まぁ、クソ野郎だ
提督「おいこら!これはどう言うつもりだ!」
上官『その声は提督か?どうだ気に入ったか俺からの着任祝いだ』
提督「ふざけんなよ!俺の期待を返せ!こんな最初から設備や人員が整っていたらつまらないだろうが!」
上官『はぁ?何を言ってる本当なら秘書艦を一人付けて頑張れよってなるのを俺が元帥にお願いして此処までしてやったのに!』
提督「お前の所為か!ハゲ!」
上官『禿げてねぇ!ぶっ殺すぞ!』
提督「秘書が寝込んでしまっただろうが!俺だって今立ってるのがやっとなんだぞ!」
上官『どうすれば良かったんだ!お前はどうすれば満足出来た!』
提督「あ?まずは見た目は良い感じだった。これから起こる困難を思わせているからな」
上官『あれも数日後に修理を依頼してんだが・・』
提督「キャンセルしておけ!来たら犬小屋造らせて帰らせるからな!勿論お前の家な!」
上官『お前な・・上官に向いてのその口の利き方はって・・言っても仕方ないか・・はぁ、人の気も知らないで・・このアホは』
提督「だが、良かったのはそれだけ!中は綺麗だし艦娘達も一人ならまだしも5人も居た。見た感じ先鋭揃いだろ?」
上官『見る目はやはり無駄にあるようだな。そうだ先鋭を集めている』
提督「アホか!最初から強いとかチートだろうが!敵もえ?それあり?って聞いてくるぞ?」
提督「中もボロボロで艦娘はゼロだ!そして支援を一切しない!」
上官『お前という奴は・・・』
提督『執務室もなんだこれは豪華過ぎるだろうが!電話もあるし冷蔵庫?最新型のパソまであるじゃねえか!新人提督舐めんなよ!』
上官『じゃあ!お前は何か?ボロボロの鎮守府に艦娘はゼロで資材もなにもなく支援もしないって言うのが望みなのか?』
提督『そうだハゲやるじゃん』
上官『正気か?頭をやられてしまったのか?』
提督「正気だ!良いか?今すぐ艦娘達を他の鎮守府へ異動させるんだ。ついでにこの高そうなパソ類も回収してくれ」
上官『出来るか!無理を言って用意してもらったものを要らないなんて言ったら俺のキャリアに響くだろうが!ただでさえ少し響いてんだぞ!』
提督「じゃあ、どうすんだよ!」
上官『そのままだ!艦娘先鋭5名はそのままだ!』
提督「そんな・・・・・」
上官『安心しろ・・次があったらお前の通りにしてやるよ。じゃあな』
無情に切られる電話
提督「次って何時だよ!!」
一人執務室で叫ぶ提督だった
そしてその場に提督も力なく倒れた
数分後仕方がないので起きた
《絶望は時に希望へと繋がるが希望は確実に絶望へと近づいていく。絶望スパイラルです!》
by秘書
まだ絶望する時ではない!
とりあえず彼女達を集めて自己紹介でもしておくか
きっと何かあると信じて
廊下で寝てる秘書はどうするか
秘書「うぅ・・塵一つない・・」
提督「仕方ないな・・・」抱きかかえ
執務室へ集合をかける
これで1人くらい反抗してくれれば良いと思ったけど
艦娘達「「「っ!」」」ビシッ
全員すぐに集合してしまった本当に待機していたようだ
提督「改めて自己紹介をする今日からこの鎮守府での司令官を任された提督だ。そして」
秘書「」提督に抱えられ
提督「こいつは俺の秘書官をしてもらう秘書だ。彼女は秘書ではあるがお前らよりは上だし俺の右腕だと思ってもらって良い。彼女の発言は俺の発言と思え良いな?」
艦娘達「「「はい!」」」
随分と素直だな。先鋭と言えばエリートという事だ
エリートは叩き売り市場もビックリの安いプライドを持ってる筈だ
その安いプライドを揺さぶるように言ってみたがどうだろうか反応する奴はいるか?
提督「・・・・・・・」
艦娘達「「「・・・・・・」」」待機姿勢
静寂が執務室を包む
なんだこの空気は
提督「・・・・・・」ゴクリ
秘書「・・・・汗臭い」
秘書が指摘してくれなかったら分からなかったが俺は今凄く汗をかいているようだ
動揺しているのか・・・こんな感覚は久しぶりだ
何故だ・・何故何も言わない
一言くらい何か言ってくれよ!本当にあんたで大丈夫なの?とか小童が!とか精々私達に気後れしないように頑張るんだなとか言って全員で笑い貶すとかはないのか!
いや、貶すどころか彼女達から期待の眼差しを感じる
好感度は最初は最低だって決まってんだろうが!
いや!まだだ!
提督「な、何か言う事はないか?発言を許可する」
これで喋らないといけないぞ!さあ!貶せ!笑え!なんなら唾吐きくらいなら甘んじて受けよう
俺も最初から上手くいくなんて思っていない
たくさんの苦楽を共にする事で初めて信頼と明るい鎮守府生活を手に入れられる
何事も苦なくしては得るものはない!俺の座右の銘だ
俺も秘書も泥水の中を歩く覚悟はしている!
さぁ!
漣「では、僭越ながら自己紹介をさせてもらいます。綾波型駆逐艦の漣です!ご主人様の残した様々な伝説をたくさん聞いています。こうしてご主人様達のような優秀な方と共に戦える事を嬉しく思います」
無難に自己紹介か・・・
だが、伝説?何を言ってるんだ?
提督「そ、そうか・・それで俺に何か言いた事はないか?ほら、最初から言いたい事を我慢するのは良くないだろ?ここは最初に全て吐き出してもらおうと思ってな遠慮はするな怒ったりしないから」
漣「ご主人様の為のこの身朽ちるまで戦う所存です!そしてご主人様と新たな伝説を残したいです!それもたくさん!」
いや、無理じゃね?伝説って死んでから伝えられる物だし
そう何個も残せるわけがない一つ残せるならそれだけでも凄い
提督「・・・・・・・」
他の娘達もそれに続いて頷く
嘘だろ・・・・・・
こんなの馬鹿でも分かるぞ全員が似たような自己紹介しかしないと
そして自らの身を朽ちはてさせたり削ったり賭けたりとか同じような意味合いの事しか言ってくれないだろうこれ
本当・・・・なんなんだよ
提督「はぁ・・・・」
神通「では、次に私が軽巡洋艦の神通です。漣同様この身を賭けて最後まで戦うのでよろしくお願い致します」
みんなが自己紹介をする流れになっているけど正直聞く意味はない
だって先に書類で見てるもん・・俺が見たかったのは彼女達の抱える闇や苦悩そして個が持つ負の癖
提督「っ!」
そうだ!本来の彼女なら!
提督「神通!」秘書ポイッ
漣「あ!秘書さんが!」
秘書「ふっ!」受け身
神通「はい!」
提督「少し触るけど良いかい?いや!触る!嫌なら・・抵抗しろよ?」ワキワキ
神通は確か人とのコミュニケーションが苦手だと調べは付いてる
そしてたくさんの提督達がそれに手を焼いているらしい
歴戦の提督達の中にはそれで提督人生を終えた者も居たらしい
俺は終えるつもりはないがな!
触るぞ!ペタペタ触るぞ!
提督「ほいほい!」ペタペタペタペタ
神通「提督・・・」
秘書「胸触れよ!ヘタレ!」
さぁ!怒れ!もうこれは殴られても文句言えないぞ!
コミュ症からの下手をすれば男性恐怖症も併発とかになればどんなに好感度があろうと意味を成さない
心に身体が追いついていないからだ
そんな自分に焦り苛立ち本来の力を発揮出来ない
戦場では格好の的になる
これはかなり時間をかけてではないと治らない
さぁ!俺の溢れ出る男性オーラーに恐怖しろ!
神通「その・・こういうのは二人きりの時に」ポッ
まじか・・・・・心も身体もバッチリ同期してますぜってか
俺も心と身体が動悸しそうだ
提督「・・・・悪かった一応武器を隠してないか確かめただけだ。すまない疑うような真似をして」
とりあえず自分を落ち着けるためにさっき放り投げた秘書をまた抱える
秘書「次は投げないでね」
提督「あぁ、善処しよう」
神通「あ、そうだったんですか・・いえ、仲間であろうと油断しないその心意気ご立派です!なんなら隅々まで見てください!」
あれ?・・俺の知ってる神通じゃない・・
お世話になった提督の鎮守府で会った神通は!目が合おうものなら逸らされて声を掛けても逃げられる
常に目に涙を溜めていて常に瞼が決壊したダムみたいなそんな人だ!
最初こそ泣きそうになったが神通はこういうものだと教えられたのでその時は泣かずに済んだ
まぁ、最終的にストーカーと化したけど
逃げ切るのにたくさんの犠牲を出したな
矢島、喜久、山瀬、寺岡、ボブ、庭師、そして那珂・・・
お前らの事は絶対忘れないからな
提督「いや、もう確認は済んだから」
神通「そうですか・・・でも!もしかしたら持ってるかもしれませんよ!さあ!」
武器?確かにそこに男を魅了してしまう二つの山もとい武器ならあるが・・・それは安易に見せるものではない!
それの本来の使い道は好きな人の心を撃ち抜く時だけだ
使い過ぎれば威力は落ちる
だからその時まで使って欲しくない
提督「と、とにかく!もう良いと言ってるだろ!お前を信用する」
神通「提督・・はい!ありがとうございます!これから末永くよろしくお願いします!」
ああ・・・トラウマが・・・
提督「あぁ・・・よろしくね・・・」
もう、駄目なのか!みんなこんな感じなのか!いや、まだ話していない娘はいるし希望を捨てるのは早い
だが・・・・
漣「ご主人様!それなら漣も調べて欲しいです!その・・隅々まで!」
見たら分かるっての!武器も胸もないだろうが!
なんでこいつは終わった話しを掘り返すかな?馬鹿なの?このピンクは!
漣「さぁ!恥ずかしがらずに!さあ!さあ!」
提督「あぁ?ねぇよ!てか、空気読めよ!」
漣「え?」
提督「大体お前はご主人様ご主人様ってなんだよメイドのつもりか?そんな利もなければ害もない個性に用はないんだよ!それとも誘ってんのか?メイドプレーがお望みなのか?あぁ?」
提督「メイド服を着てから出直せ!」
漣「あ、あの・・それは」
提督「ん?まさか本当にビッチなのか!狂乱ピンクなのか!それなら・・・・良いんだが」
ビッチとか害しかない!これは充分試練となる個性だ
性欲を自制させるのは中々難しいし時間も掛かる
戦いにも必ず影響は出るし治してやらなければ
そこから純情な心へと導きいつかは
漣「えっと・・それは漣に夜戦のお誘いですか?そ、そんな会ったばかりなのに・・・でも、ご主人様がどうしてもって言うなら漣としては・・悪くないと思いますです」ポッ
提督「なっ!」
秘書「ふっ、私の見立てでは99%の確率で処女ね」
提督「なんだと!」
秘書の勘は結構当たる
大体99%としか言わないけど間違っても1%はもしもの時の言いわけの為に残す逃げ道なのだ
だから外れても1%は確率があったと喚く
まぁ、秘書を信じるけど
て事は・・・・最初から純情じゃねえか!ビッチのビの字もないぞ!
漣め!期待させるような事をさせやがって俺をもて遊んで馬鹿にしてんだな!
なら、こっちも容赦せず言ってやる!
提督「ねぇーーよ!お子様体型に興味ねぇから!」
秘書「私はあるよーー!漣ちゃん!」
どうやら秘書は漣がお気に入りのようだ。くれてやるか?
漣「っ!ご主人様!いくらご主人様でもお子様体型とは聞きずてなりません!これでも少しはあるんです!需要だってあるんです!発言を撤回してください!」
これは長くなりそうだな。てか、需要あるってやばくないか?
海軍の闇を見たか・・・・
これ以上知るのは怖い・・・
提督「するかっての!もういい行け!」パッ
だから秘書を放った
秘書「漣ちゃーーん!」ガバッ
漣「ぎゃぁあああ!」
漣といい神通といい何故こんなに好感度が高いんだ
おかし過ぎる
秘書「ねぇ、良いこと教えてあげよっか?」
まさか、さっき言ってた伝説とかってのが関係あるのか?でも、身に覚えはないし
漣「な、なんですか」
たくっ!俺はまだ死んでないんだから!伝説なんてあってたまるか!
秘書「私・・惚れやすいんだ!女の子には・・ね」ニヤリ
伝説の事を聞いてみるか
でも、俺の伝説を説明してくれなんてどれだけ自分大好きなんだか・・・いや、嫌いじゃないけど
普通の奴が言うセリフではないよな
漣「ひ、ひぃいいい!」
考えてる暇はないなどうせならまだ話してない娘に
提督「えっと君は・・」
この娘は確か・・・えっと似たようなのが居るからどっちだ
姉か妹か
彼女は不幸に定評のある娘だからどっちを選んでもきっと不正解になるだろう
運が自己的に堂々と逃げていくから基本不幸な事しか起こらないとか
提督「君は扶桑かな?」
扶桑「はい、そうです。扶桑型超弩級戦艦、姉の扶桑です。妹はまだ着任していませんが尊敬する提督の元で精一杯頑張るのでこれからよろしくお願いしますね」
あ、合ってた
てか、なんで尊敬されてんだよ・・・伝説か!伝説の所為なのか!
伝説って伝染病か何かなのか?
提督「あ、あぁ、よろしく」
扶桑「はい!」キラキラ
提督「っ!」
キラ付けだと!扶桑と言えば不幸艦で有名でおっとりした性格からのネガティブ発言に弱々しい態度
提督の為にある提督ルールブック
提督が如くにも書かれている
扶桑は特に不幸艦でも極めて不幸であり夏バテや五月病に加えて季節の移り変わりなどの風邪は大抵お手の物で併発もやってのける不幸のスペシャリスト
五月病の時期にはリスカに注意せよ
SNSをやっている場合は彼女の投稿記事を入念にチェックすること
いいね、は絶対にすること
妹がいる場合は必ず同じ部屋にすること
偶に外に出して日の光を浴びさせないといざという時に艤装展開で骨折する可能性あり
と書かれているくらい不幸でありキラ付けなんてしようものならキラキラに扶桑を付けているようなものだ
そんな事をすれば戦闘終わりにキラ付けが消えるのと同じ様に扶桑が消える
残るのは枠のキラキラだけ
そんな扶桑が・・・・
扶桑「今日はなんて良い日なんでしょうか」
なんか違う!
俺がお世話になった鎮守府では、何時も死にそうな顔をしていた笑顔なんて見る事はなかった。妹が忙しく引きこもり状態だったというのもあり笑顔を見たいという好奇心もあり偶にお世話をしていたら完全に俺なしでは生きていけない状態になった
どうにか最初の状態(孤独万歳)に戻すのにたくさんの犠牲を出した
山城、神宮、二神、澤田、滝川、用務員のおっちゃん、そして那珂・・・
お前らの事は絶対忘れないからな
提督「そ、その聞いて良いかな?」
扶桑「はい何でもどうぞ」キラキラ
提督「ぐっ!ま、眩しい」
扶桑にこんな可能性があったなんて
喜ぶべきか悲しむべきか悩む
いや、今はこんな好感度を上げてしまった元凶の伝説の事を聞こう
きっと何かの間違いなんだ!
提督「あのさ伝説ってー」サングラス装着
扶桑「そのサングラス似合ってますね!」
提督「え?あぁ、ありがとう、それで伝説についてー」
扶桑「提督、実は私もサングラス持ってるんですよ似合います?」サングラス装着
提督「え?あぁ、似合ってるよ。それで伝説ー」
扶桑「私達サングラス仲間ですね、ふふふ」
提督「その伝せー」
扶桑「提督、後で一緒に外を散歩しませんか?良い天気なんで気持ち良いですよ」
提督「伝ー」
扶桑「それともお茶でも淹れましょうか?私お茶には少し自信があるんですよ」
提督「・・・・・・」
扶桑「・・・・・・」
よし!会話が終わったか今だ
提督「でー」
扶桑「あ、それとも紅茶が良いですか?紅茶でも良いですよ!私紅茶大好きですから!」
提督「・・・・・・」
扶桑「まさか・・・コーヒーですか?コーヒーなら自販機まで走ってきますよ・・」ハイライトオフ
コーヒーだけは缶かよ!ドリップしろよ!てか、コーヒーで何があったんだ!
提督「あ、うん、ちょっと黙っててもらって良いかな?」
扶桑「はい!提督って照れ屋さんなんですね」
もう回復したのかよ
提督「あ、うん・・・」
扶桑「あ、紅茶なんですけど淹れ方一つでも香りが全然違うんですよ」
提督「で?コーヒーは」
扶桑「泥水・・・・・」ハイライトオフ
提督「コーヒーの話しをするのと黙ってるのどっちが良い?」
扶桑「・・・・・・・」
提督「だろうな」
ようやく黙ってくれた
扶桑と話して分かったが
扶桑はあまり人の話しを聞かないタイプだ
それに自分の嫌いな話題を出されると感情の上下が激しくなるようだ
全体的に場の空気を読むのが苦手なのかもしれない
ある意味では扶桑の本来の特性を残していると言える
でも、本来の特性から来てるなら個性ではあるんだが・・これは治せない
根が深すぎて多分無意識下の個性に入ってる
無意識下での個性はその人がその人である為の言わば基礎であって
それを治したり変えてしまうのはよろしくない
ビッチやコミュ症とはわけが違う
俺はただ苦を感じたいドMではない
俺が望んでんのは苦を通じて大きな絆を作る事であり相手の個を壊すのが良いのではない
これは壊せない・・・壊しちゃいけない守るべき個なんだ
だが、この感じからするとヤンデレ化もあり得る
背後からザクッなんてのもあり得る
これは・・・非常にやばい!
例えるなら底なし沼を底あり沼にする様なものだ
底がないのに底が出来るか!
ちなみに底なし沼ってのは存在しないらしい
そりゃあそうだ
提督「・・・・・・」チラッ
扶桑「・・・・・」ニコニコ
ハイライトさん忙しいな出勤してすぐに帰ってる
提督「・・・・・」チラッ
秘書「そのお堅い口調をペロペロ」
漣「ひぃいやぁああ!ご主人様ヘルプミーー!!漣の初めて取られちゃうよ!良いの?ねぇ!」
神通「す、凄い・・・・・」ゴクリ
秘書の教育も順調の様だ
何時の間にか漣の口調も軽くなってる感じがするな
秘書に任せれば数日でみんな本来の口調になるだろう
口が堅いのは好かない
扶桑には伝説の事は聞けないから次の娘だ
次の娘を見ると
提督「む?携帯をいじってるな」
これは上官である俺への挑戦状か!お前の指揮下になどならない
従わせられるならやってみろと?
そうだ!俺はこう言うのを待っていたんだ!教育しがいがある!
扶桑「そろそろお茶にしまー」
提督「コーヒー!」
扶桑「・・・・・・」ハイライトオフ
邪魔をしようとしても無駄だ
提督「ふふふ、おい、何携帯をいじってんだ?」
提督「最上型3番艦重巡洋艦である鈴谷」
鈴谷「っ!」ビクッ
提督「今は大事な話しの途中なんだが?そんな事が許されるのか?ん?周りを見ろ浮いてるぜ?お前だけ」
秘書「さぁて!第二ラウンドよ!」
漣「も、もう勘弁して〜!」
神通「・・・・・」ムフー!
扶桑「・・・・・」ニコニコ
提督「・・・・う、浮いてるぞ!お前だけ!」
鈴谷「す、すみません!熊野からメールが来て反射的に見てしまい・・・はは」
提督「何がおかしい俺の話しより熊野か・・そうか」
熊野・・・口の悪いお嬢様キャラの娘か
鈴谷「っ!」
鈴谷「私は提督に全てを捧げるつもりで来ました!く、熊野よりも提督です!本当です」
伝説の野郎・・こいつもなのか!違うよな?
提督「ふっ、言い訳はやめておけ。はっきり言え今なら何を言っても怒らないし此処だけの事としよう」
さぁ!本性を見せろ!鈴谷は軍人とは程遠い性格をしておりそれは最近の女子高生を彷彿とさせる
女子高生が校長先生の話しを真剣に聞くなんてことはない
もし、校長先生が言いた事を言ってみよなんて言えばたちまち罵倒の嵐だろう
校長先生は一瞬で禿げる!
提督「俺はうざいか?」
鈴谷「・・・・・・・」
しゅんってなってるな良い傾向だ。このまま感情を爆発させて本音を聞く
提督「こんな新人司令官の鎮守府にエリートと呼ばれる自分が何故着任しなきゃいけないのか・・・不満を持ってないか?」
鈴谷「ち・が・・う」
提督「今だってなんでこんなヒヨッコに説教されてんだって思ってるんだろ?」
鈴谷「ちがう・・・」
提督「秘書は変態だって思ってんだろ!」
鈴谷「・・・・・はい」
提督「プライドがもうズタズタなんだろうが!」
鈴谷「っ!違う私は!」
提督「そんな嘘が通るか!本音を言えと言ってるだろうが!さぁ答えろ!俺の事をどう思ってる!」
さぁ!言え!こんなクソ司令官の部下になるなんてまっぴらごめんだと!
提督「さぁ!さぁ!さぁ!」
ちょっとうざったく顔を近づけ煽る
殴っても良いぞ!俺が鈴谷なら殴ってる
鈴谷「もう!」
チュッ
提督「さっー、んむっ!」
不意に近寄って来たと思ったら口を塞がれていた鈴谷の口で
俗に言うキスをしている状態だ
秘書「ん?!!」
漣「うわぁお〜やるね」
神通「ふふふ・・・」
扶桑「・・・・・・」ハイライトオフ
鈴谷「ん・・・」
吹雪「な、何やってんですか!」←5人目
提督「・・・・・・」
長い・・・・
突き離すのもなんか違う気がするしどうするか
でも、息が出来ないしな・・・
それにしても本当に長いな
舌を入れて来ないってところを見るとビッチではないかキスもぎこちない感じだし
寧ろ微笑ましく感じるくらいだ
だが・俺も男だからな・・あまりこう言うことされるとその気になってしまう
父が女から迫ってきたら恥をかかさず受け入れてやれと言っていたし良いんだよな?
いや〜本当に長いな・・なんか頭がクラクラして来た
これ以上は舌入れるぞ?押し倒すぞ?
良いのか?いきなりはいかんな数えるぞ?
心の中でだけど
さ〜ん
に〜い
い〜っ
秘書「なにやっとんじゃぁああ!」ドスッ
もう俺の提督が肉薄宣言をしようとした瞬間に俺と鈴谷の間に無理矢理入り込みの腹パン
相変わらず腰の入った良い腹パンだ
あと数十分早かったら今朝食べたカキフライが出ていた
朝からカキフライってどうかと思う?良いじゃん好きなんだから
提督「ぶはっ!」片膝を突く
そして鈴谷は
鈴谷「〜〜〜〜っ!」
真っ赤な顔に声にならない悲鳴をあげて執務室を出て行こうとしたが
鈴谷「っ!」ピタッ
やめて、部屋の隅で顔を隠すように座り込んだ
大事な話し中と言うこともあり許可なく退出してはいけないと思ったのだろう
流石エリートさん
秘書「提督・・何しようとしてた?」
提督「恥をかかすものではないと父から教えられていたからな押し倒すつもりだった!そしてSEー」
ゴスッ!
提督「っ!!」
振り上げられた拳が頭に直撃した
床に叩きつけられたと言った方がしっくり来るだろう
そこから俺の意識がなくなった・・
秘書「今日はこれまで!また何かあったら呼ぶからそれまでは自由にしている事!では以上解散!」
吹雪「あの、私の紹介が・・」
秘書「誰に?」
吹雪「司令官に・・・」
秘書「してみる?意味ないけど」
提督「」チーーン
吹雪「あ、じゃあ秘書さんに」
秘書「吹雪型1番艦駆逐艦の吹雪だよね?真面目で大きな作戦でも活躍して旗艦も務めたと聞いたけど」
秘書「なにか司令官の喜ぶようなスキルある?」
吹雪「え、えっと・・・」
秘書「司令官の命を狙ってるとか?」
吹雪「そんな事絶対にないです!だって司令官は私達にとって憧れであり命の恩人なんです」
秘書「ん〜それなんだよね・・提督がさっきから警戒してるって言うか怪しんでる」
吹雪「え?」
秘書「貴女達みんな無理矢理此処に着任させられたわけじゃないのよね?」
吹雪「はい、私達は自分達の意思で着任しました。本当は他にも居たんですがあまり多いとダメと言われて5人に絞りました」
漣「この5人に入るのに血を見ましたよ・・・・」
漣ちゃんが何か言ってるけど聞かないからね
秘書「そこが分からないのよ。提督が何したの?自覚ないよ?提督」
吹雪「本当ですか・・・」
秘書「伝説とか言ってたけど何があるの?」
吹雪「えっと、例えば提督が研修生の時に研修先の鎮守府の悪事を暴き研修期間中に悪徳提督を捕まえてたくさんの艦娘達を救ったとか」
秘書「研修?提督は途中で研修が終わってラッキーしか言ってなかったけど人違いじゃない?」
吹雪「いえ、そんな事はありません!絶対に提督でした!ねぇ、みんな」
漣「間違いないです!」
神通「この目で見ました」
扶桑「かっこ良かったです」
鈴谷「・・・・うん、凄く」ポッ
秘書「まさか・・・貴女達」
吹雪「はい、私達はその時助けられたんです。地下の牢獄に囚われていて死を霞む程の苦痛を与えられて・・」
漣「実験か何かで私達のような使えない艦娘達を裏で引き取って使っていたんです」
神通「私達は元は落ちこぼれでしたから」
扶桑「だけど助けられた時に彼の役に立ちたいと思って頑張ったんです」
鈴谷「そして気が付いたらエリートなんて呼ばれるようになったけど」
漣「愛の力です!」ドヤァ!
そのドヤァ顔可愛い
鼻血が出そうなのをどうにか抑える
秘書「まじか・・・・」
吹雪「他には有名な鎮守府から来てくれと懇願されたとか、艦娘達から告白を何回もされたとか」
秘書「ふぁ?」
漣「私達艦娘は自分達が兵器だと分かっています・・だから恋心なんて無縁だと思っていました。それに持っても告白なんてしませんし出来ません相手に迷惑が掛かりますから好きな人の為に自分の心に鍵を掛けるんです」
神通「でも、そんな心をも壊してしまったんですよ提督は」
秘書「全く知らなかった・・・そう言えば養成学校なのにやけに艦娘を多く見かける事はあったけど・・まさか」
吹雪「実は私も何回か見に行ってました」
漣「私も!」
神通「私もです」
鈴谷「無理だった・・・恥ずかしくて」
秘書「へぇ・・」
恋する乙女の典型的な形ね男受けは良いんだろうけど女受けはあまり良くない
でも、私はオーケー!抱きしめたい!
扶桑「ふふふ・・・」
扶桑はどうして不気味に笑ってるのか
もっと綺麗に笑おうよ
吹雪「まだまだありますよ」
秘書「もういいから・・うん、貴女達が提督が大好きなのは分かったけど・・だけど」
伝説と言うほどなのか?多分かなり提督に対して補正が入ってる
恋する乙女は怖いね
でも忠告しておかないと提督は私の・・・
艦娘達「「「・・・・・」」」ポッ
秘書「うぅ・・・・」
言えない・・・そんな乙女全開な顔をされた言えないよ
寧ろこっちが襲いたいくらい
秘書「・・・・はぁ、くれぐれも無理矢理襲う事だけはやめてよ?」
私のヘタレ・・・
艦娘達「「「はい!」」」
秘書「はい、解散〜帰れ〜」
キュン死する前に早く出て行ってもらおう
そしてみんなが退室した
執務室には私と提督だけになった
秘書「はぁ・・なんて事だ・・」
提督「」
秘書「提督喜べ・・・あの娘達」
秘書「普通じゃないから!」
艦娘の本来の姿から大きく逸脱してる提督の好きそうなタイプ
そう、彼女達が努力してなったんだろうな・・
どうやら私達の道は茨の道を5つの爆弾を抱えて歩かないといけないようで
きっとこれからも増えていくんだろうな
秘書「はぁ・・・」
茨の道なんて生優し過ぎるかもしれない地雷だらけの茨の道とでも言おう
凄く不安・・・・
なのに何でだろう
秘書「ふっ・・・・」
これからが凄く楽しみだったりする
きっと彼がいるからなんだろうな
秘書「頑張ろうね・・提督」ナデナデ
提督「あぁ・・頑張ろうな秘書」
秘書「っ!」
秘書「起きてたなら言ってよ!」
提督「ははは!女子会に興味があったからな!」
秘書「この変態が!」
提督「ははは!当たらんぞ!」
秘書「待てー!」
こうして艦娘5人から始まる鎮守府生活が始まったのだった
秘書「それで?何処から聞いてたの」
提督「頑張ろうねのあたりからだな」
秘書「最後じゃん!」
《当たり前を感じてしまえばそれ以上前へ進む事はない。しかし、それを負と感じるか感じないかで人は大きく変わる》
《要は考え方で大抵の事はどうにかなる》
by提督
なんと言うか今思えばあっという間と言うか俺いらないんじゃないか?って言うくらいに幾多(途中で数えるのをやめた)の海域を初期艦達だけで制覇して
一週間もせずに鎮守府近海は敵なしになり被害が大幅に減った。てか、なくなった
日時さえ守れば潮干狩り程度なら浜が解放されるくらいだった
町のみんなからも喜ばれた
演習を組まれようものなら相手側の艦娘達が可哀相に思える程の圧倒的差を見せつける
敵の艦載機なんて見向きもしない
気付いたら落ちてるくらいだ
空母達は全員チキンバードアタックしかしてこなかった
そんな演習区域ギリギリまで逃げなくても・・・結果は変わらないのに
資材もたくさん送られてくるので遠征に行かす必要もなく
偶に警護の依頼が来て二人くらい呼ばれる程度だった
ほぼ彼女達だけでこの鎮守府が動いていると言っても過言ではない
だから、人員もこれ以上増やす必要もないかな?と思い
ドロップ艦達は他の鎮守府へ異動させた
此処に居たいと言った娘も居たが初期艦達の無言の睨みに耐えられずに異動を余儀なくされた
一人耐えた娘が居たが悪いが異動してもらった
彼女に此処は勿体無いと思ったからだ
装備も最新や試作品などが無駄に送られてくるので開発組の妖精さんも趣味が昼寝になってしまっている
多分猫より寝てんじゃないか?最近は猫じゃらしに反応するようになったし
でも・・その所為で肝心な時に動いてくれなかったりする
そしてなんやかんやで一年も経っていたわけだ
今日は太陽が嫌がらせの如く煌めいている晴天なわけで
溜まった書類は秘書に押し付けて
提督「秘書よ書類があるんだが」
秘書「っ!く、くれよ!早く書類をくれよ!こいつがないとお、俺は・・」
秘書は仕事さえ与えておけば大人しくなる・・・
秘書「書類・・・書類・・うひひひ・・ひゃはははは!」
提督「・・・・・・・」
わけもなく・・・・
毎回思うが秘書の上司は一体秘書に何を教えたのだろうか・・
実は一度も会った事がなかったりする
気になったりはしたのだが秘書が会わせない様に動くので今の今まで会えずにいる
一度聞いた話しでは記者だとか聞いたがよくは分かっていない
そしてよく言う言葉が『チャンスがなければ作れば良い』らしい
つまり、ゴリ押し主義という事かな?
とにかく普通の奴ではないという事は分かる
だが、この秘書を此処まで洗脳?調教?した奴だ
しかも秘書は師匠と呼んでいるし
只者ではない事は確かだ
やはり会ってみたいが・・秘書が本気で嫌がっているようだし諦めている
俺の知らない秘書の姿があっても良いだろう
あいつも・・もう大人なんだから
秘書「書類さいこーーー!!」カキカキ
提督「・・・・・・・・」
大人なんだよな?
こうなった秘書はほって置くのが一番だ
触らなぬ神に祟りなしとも言うしな
頼んだぞ秘書
窓の外では漣が楽しそうに犬小屋(上司の家)を拭いていた
結局あの後二日後くらいに修理の人が来たのでとりあえず犬小屋を造らせて帰らせた
多額の予算と数十人からなる最高の犬小屋が出来た
職人達も満足そうだった
そして、監査で来た上司が壊そうとして漣がそれを止めた
漣と上司の無言の睨み合いは一時間に及んだ末に上司が諦めた
漣はこの犬小屋に御執心のようで毎日掃除をしている
ちなみにその睨み合いから上司は漣を気に入ってしまっている
事あるごとに勧誘に来る
本当に禿げてしまえ
漣「〜〜〜♪」犬小屋掃除中
提督「ははは、やってるな」
おかげで今日も特に誰か住んでるわけでもない使用用途のない犬小屋(上司の家)が輝いている
その光景を見て今日が始まるのだ
メイド服を着て今日も走り回るのだろう
扶桑は相変わらずコーヒーの話しをすると目から光が消えてしまう(何故かは聞けずにいる)
だが、面倒見は良く毎朝必ず紅茶を用意してくれるので今では扶桑の紅茶を飲まないと朝という感じがしない
勿論おやつの時間もありその時はお茶を出されるが毎回茶葉が違がっており苦かったり甘かったりとお茶は深いと感じる
今日の茶葉は何かな?楽しみだ
神通は常に俺の近くにいる
いない時も呼ぶと何処からか現れる
最近では忍者ではないか?と本気で思ったりする
だけど何処にでも着いてくるのは勘弁して欲しい
風呂では視線を感じトイレとかはトイレットペーパーを持って先回りからの待機していた時は腰を抜かしてしまったくらいだ
ドアを開けたらどうぞって便座を指差して言うんだぞ?え?出ないよ?ってなるよな!
え?出るの?あ、そう・・・・
お陰で最初の頃は便秘気味だったな・・慣れた今は大丈夫だけど
鈴谷は真面目だ
何かと俺の役に立とうと動いてくるし引き際をわきまえている
恥と言うのも歳相応と言うより見た目相応であり微笑ましく思える事が多々ある
ただ・・・夜這い回数が一番多い
夜になると変わっちゃうタイプだった
と言っても鈴谷だけではない
週休二日(偶に週休なし)のペースで来る。毎日違う娘が
よくダブルブッキングしないなと感心していたりする
今では鍵のボロボロ具合で誰が来たか分かる
今朝は鈴谷だな。鍵が後少しで外れていた。よく頑張ってくれたな鍵よ
新しいのに交換しないとな・・もっと複雑で頑丈なやつを
ちなみに先に言っておくが一度も夜這いを成功させた事はない!
吹雪?
普通・・・・・うん、普通だな
普通に強くて普通に役に立てて普通な性格で普通に世話を焼いてくれる
普通に朝は俺の布団の中にパジャマ姿でいる(鍵は無傷)
普通が似合う女の子だ。普通だらけでつまらん!
あ、でも吹雪の作るお菓子は美味い。言うと調子に乗るから言わないが毎日食べたいと思うくらいだ
何処ぞの幼馴染の方とは大違いだ
まぁそんな初期艦達の性格も最初こそは色んな意味で苦労した(求めていた苦労とは違うが)
一年も経てば多少なり仲間としての意識も芽生えて来てるわけで苦ではない
形は違えどこう言う上がり方も悪くないと思えた
だが・・・問題点はまだまだたくさんある
こうして休みの日になるとそれをどうにかする為に考えて解決するよう努力をする
こう言う事が出来る余裕があるのもあいつらが頑張ってくれてるお陰でもあるし感謝しないとな
近いうちに一周年記念で何かするのも良いな
パーティーだ!パーティーが良い
吹雪にはたくさんお菓子を作ってもらおう。俺が食いたいわけではないからな!そこは勘違いさせないように頼まないとな
『べ、別にあんたのお菓子が食べたいわけじゃないんだからね!』これで決まりだな
扶桑には紅茶をバンバン注いでもらって、なんならお茶もジャバジャバ淹れてもらおう
その日は自販機メーカーと話し合いコーヒーのボタンを押せないようにしておくのも忘れないようにしないとな
うっかりコーヒーなんて買われたらハイライトさんが帰宅して場の雰囲気にも関わる(すぐ帰ってくるけど)
常にキラ付き状態を維持させよう(割と簡単)
鈴谷にはバニガールの格好とかさせてみるのも面白い。恥ずかしがるだろうな。鈴谷はからかうと面白い
ただし夜にさせるのは危険だからそこだけは気をつけよう(ウサギが猛獣化してしまう)
漣には・・そうだな。あいつは意外に裁縫が得意だからなみんなの衣装を用意してもらおう
なんならみんなでコスプレパーティーとかいうのをやるのも良いな
海軍のコスプレとか?
神通には物資の調達を頼もう。何処から調達してくるかは分からないが格安で良い食材や酒を持ってきてくれる
前に1000円で松坂牛一頭持って帰った事もあったしな神通は買い物上手だ
その後は漣による牛の解体ショーがあったが二度と生きたままの食材は持って来ないようにしようと決めた
え?どうやって安くしてるかって?良いかい?世の中には知らなくて良いこともあるんだ。良いね?
秘書には書類でパーティー代やその他諸々を経費として落としてもらう為に頑張ってもらおう
書類での誤魔化しなら秘書の右に出る者はいないと呼ばれるくらいだ
まぁ、詳しい事はまた今度考えていくか
今回は別の議題があるから今度の議題だな
会議室もとい執務室で会議が始まる
提督「第153回提督会議を始める!」
参加者は俺だけだ!
だから会議でもなんでもないわけだが・・会議というものに憧れがあったりして一人でも成立すると自分に言い聞かせて153回目を迎える
提督「忙しいところ集まってもらってすまない」
提督「気にするなよ提督さんの会議には大きな未来があるんだからな」
提督「そうですよ!僕達がその会議に参加させてもらえる事が名誉になる程ですから」
提督「そう、俺達はあんたに選ばれた人間なんだぜ?」
提督「信頼してますぜ!大将!」
提督「きゃー!提督さーん!」
提督「お前達・・・俺はこんな出来た部下を持って幸せだ・・新人!」
提督「はい!」
提督「頼んだ資料は出来てるか?」
提督「はい!此処に」
提督「流石だ!お前には期待してるぞ」
提督「提督さん・・・・はい!ありがとうございます」
提督「ふっ、提督さんに期待されるとは羨ましいぜ新人」
提督「あぁ、心からそう思う」
提督「何言ってんだお前達にも期待してるに決まってるだろ?さぁ!会議を始めよう我等の未来の為に」
提督「はい!」
と言う独り言から始まる
提督「・・・・・・・・・・」
別に寂しくなんかないんだからね
提督「グスッ・・・・」
神通「呼ばれてませんが失礼します!」シュタッ
神通が何処からともなくやって来た
呼んでないのに来るのは珍しいな
提督「どうした何か問題でもあったか?漣のネットでの書き込みは名無しのウサちゃんで通すなら問題ないと言う事で終わった筈だが?またコテハンしたのか?」
炎上して危うく特定されかけたのは良い思い出だ
特定厨はやばい
スレを消すのに弁護士が必要だとは思わなかった
提督「それとも扶桑が紅茶と間違ってコーヒーを買って発狂したか?買い直せと言っておけば良いコーヒーは俺にくれ」
そろそろ自販機メーカーと話し合ってコーヒーをなしにしてもらうか?でも、コーヒー好きだしな・・
提督「それとも・・鈴谷が夜の事を思い出して悶えてる?ほっておけばそのうち治る」
最初から夜這いなんてやらなければ良いのにな・・
普通は逆だしな
提督「まさか吹雪か?普通過ぎて嘆いてるとか?髪にリボンでも付けていろと言っておけば良い」
リボンの色は勿論赤で!
提督「もしや!秘書か?間違って食事当番にしたとかか!秘書は台所に立たせるなよ!あの日の地獄はもう見たくないだろ!当番から外しておけ!」
みんなで初めての社員旅行が病院だったのは良い思い出だ
病院名物脱水症状と点滴をたっぷりと堪能したぜ
神通「いえ、その事ではありませんし今言われた事は全てやっていますから大丈夫です。はい、コーヒーです」 缶コーヒー
提督「流石神通だな。何時も助かってるぞ」
ストーカー行為をやめてくれたら嬉しいけど
神通「いえ、これくらいはなんとも」
提督「そう謙遜するな。それで?用はなんだ?」
神通「もう・・限界なんです」
提督「限界?」
何が?性欲?夜這いならず昼這いしちゃうのか?
やばいな・・・床では身体を痛めてしまう
確かに提督の為の提督本【提督が如く2〜夜戦の王〜】を読んだから多分大丈夫ではあると思うが・・
その中に【夜戦王の気位《マグロ》】と言う体現技があり、それなら出来そうな気がする
実践はした事ないけど
解説も付いていて分かりやすい
【夜戦王の気位《マグロ》】
【相手に夜戦の全てを委ねて市場で競りにかけられるマグロの如く微動だに動かない隙だらけの状態であえて相手の土俵に乗る夜戦王の器のデカさと余裕を見せつける。これを更に極めると【夜戦王の気位《本マグロ》】となる。相手に己が人生までも委ねるくらいの余裕を見せつける事が出来る。相手からの大きな信頼や忠誠心それに自身の器の大きさが限界まで試される極意である。その堂々とした姿は太平洋を縦横無尽に泳ぐクロマグロの様でありまさに夜戦王と呼ぶに相応しい極意である】
提督「うん、やっぱりなんか無理そう・・」
それ以前に30歳まで童貞をキープして魔法使いの称号を得る俺の計画がパーになってしまう
でも、神通相手に抵抗するのもな・・
本気出されたらマグロどころか干物にされる
神通「もう、提督の一人芝居を見てるのは辛くて・・・」
提督「あ、そっちか」
神通「え?」
提督「あ、続けてくれ」
神通「あ、はい」
どうやら俺の計画はまだ続けられそうだ
嬉しいか微妙だが・・やはり俺も男なんだな
神通「毎回一人で会議をされている姿を神通は心の痛む思いで見ていました・・邪魔しないようにしてましたが・・もう限界です!私も会議に参加させてください!」
提督「神通・・・・・」
俺が声をかければ皆参加はしてくれるだろう
だが、俺が求めているのは自分から進んで会議に参加してくれる人だ
勿論会議をする日はしきりに皆の前で
提督『あ〜会議したい気分だ〜』
とその後に時間も場所言っている
しかし、誰も来なかった
いや、来ていたんだ
神通が
提督「神通・・君の参加を認めよう」
神通「はい!ありがとうございます!提督の為に頑張ります。それで?議題はなんですか?」
提督「あぁ、それは・・・っ!」
あ、駄目だ・・これは艦娘達には話せない
何故なら今回は艦娘達の入渠についてだ
問題が艦娘達にあり
それを直接言うのは良くない
モチベーションを下げてしまうからだ
提督「悪いが一人にしてくれないか?覗きもなしだ。いいな?」
神通「っ・・・はい、分かりました」
神通「失礼しました!」ダッ
バリーーン!
提督「ドアから出ろよ・・それじゃなかったら窓開けてから出てくれよ・・」
神通は無駄な事は聞かない。俺の命令には従順だ
こうやって一人にしてくれと言ったら理由も聞かず出て行ってくれる
出て行き方は数通りあるが
今日は窓から飛び降りた
強化ガラスがいとも容易く簡単に割れてるし・・・・怪我してないと良いが
まぁ、神通だし大丈夫だろう
提督「さて・・・」
会議の続きだ
この問題は元を辿ると恵まれているが故に起こった問題なのだ
うちの鎮守府には捨てる程バケツ(高速修復材)がある
いろんな所から送られてくるのだ
だから使い放題ではあり基本中破以上なら使う事を許可してる
小破は我慢して入渠してね
それでもどんどん溜まっていく
でも、多くて困る事はないのだが
問題は彼女達の要望でバケツを使う時は俺が塗ってあげないといけないのだ
そう・・手で
そうしないと傷のあるままで出撃をしようとするのだ
それでも普通に帰っては来るのだが万が一もあるから出撃の時は万全の状態で行ってもらいたい
それが俺の方針だ
常に万全の状態で出撃する。慢心は許さない
だから仕方なくやっているのだが勿論日焼けオイルを塗る感じでやっているので触っちゃいけないところは触ってないし見てもない
水着着用は必須だ(紐は禁止)
彼女達は不満そうにするが俺が唯一通せた妥協点だ
まぁ、何が問題かと言うと・・
俺の理性がやばい!!
妙に色っぽい声を出すし・・熱い眼差しで見てくる
確実に誘ってるのだ。相手が俺に好意を持ってるのが分かってるので何かの拍子で夜戦王の道に進んでしまう可能性がある
早急に解決しないと時期に俺は30歳を待たず入渠ドッグで初めてを迎えてしまう
それだけは避けたい!
やめさせるのは諦めている。35回の会議の末に不可能と出たからだ
でも、どうにかしたい!
提督「う〜〜ん」
そう言えばもうすぐ入渠ドッグの点検だな
妖精さんは不定期に動くから頼んでも期日までに間に合うか分からない
期日が過ぎると上から文句が来るし
上司が煩い
妖精さんにはジャパニーズ社畜達を見習って欲しいものだ
彼等はどんな時だろうと必ず仕事をやり遂げる
そう、何時でも使える
提督「何時でも使える・・・っ!」
その時!提督に電流が走る!
解決方法を思いついたのだ
提督「こうしてはいられない!」
電話を持ち色んな所へかけた
勿論我らが上司にもかけた
しかし、駄目だった
ついでに上司にはアホと言われた
だから禿げるおまじないをかけてやった禿げろ
提督「仕方ないこうなれば直接探すか!」
秘書に司令官権限を一時的に押し付けて私服に着替えて鎮守府から駆け出した
秘書「ふひひ、とりあえず司令官権限で何をしてやろうか」
艦娘達「「「ひっ!」」」
途中尾行されていないかも気をつけないとな主に神通に
街中へと足を運んだ
まず必要なのは人だ
機械関係に詳しくて艦娘に対して人と同じように接する事が出来て尚且つ時に無情になれる人でありホモである事
そして趣味がバケツ関連だと尚良い
知り合いの提督達に聞いてみたがそんな人はいなかった
だから、此処で直接探すしかない
そう、俺の考えた解決方は
入渠ドッグの管理人になってくれる人を探せば良いんだ
そうすればああいう事(修復材ぬりぬり)はそいつに任せれば良いし点検だって任せられるし五つもある入渠ドッグの掃除も任せられるしもうなんか色々任せちゃう!
ホモなら間違っても襲う事はないし時に無情にバケツをぶっかける事の出来るそんな奴がいれば・・
提督『っ!』バケツをぶっかけようとする
艦娘達『『『・・・・』』』ウルウル
提督『無理だ・・・・』
こうはならずに済む
そしてこの問題は解決する!
つまりスカウト大作戦だ!
ー街中ー
提督「此処ぐらいで良いかな?さて、始めるか!」ダッ
周りを見渡して見る
出来たら若い奴が良いな重労働になると思うし
提督「ねぇねぇ!ちょっと聞きたい事があるんだけど良いかな?」
若者「はい?」
いきなり全部聞くのは失礼だ。とりあえず最も重要な事から聞きそれから喫茶店なりで話し合おう
勿論割り勘な
そして一番重要な事・・それは!
機械に詳しいのは助かるが分からないなら教えれば良い。俺は無理だから勿論ツテを使ってな
艦娘に人として接する事が出来るか
これはそんなに重要ではない
時間は掛かるだろうが同じ釜の飯を食って苦楽を共にする事できっとそう見てくれるようになると思うからだ
寧ろばりばりに嫌ってる方が良いな!親の仇くらいに
その方がやりがいがあるし出来る絆は大きい
無情になれるかどうかも気持ちの問題でどうにでもなる
趣味はどうでも良いや。鼻クソでも食ってろ
一番重要なのはホモである事だ。正確に言えば女性に対して性的反応をしない人だ
もし、そいつが我慢出来ずに襲ってしまったら返り討ちには出来るだろう
でも、彼女達は艦娘である前に女の子なんだ
どんなに強くても心は脆い・・・壊れてしまえばあっという間に駄目にしてしまう
仲間に襲われるのは辛い。信じていれば尚更だ
彼女達は一度自分達の提督に裏切られどん底に突き落とされている
信じる事に不安を持っている筈だ
心の傷は測りきれないだろう今も疼いているし苦しんでいる筈だ
間違っても彼女達の心に更に傷を刻むような真似はいけない
もう底に落ちないように支えてやりたい
あくまで支えるだけだがな
彼女達の隠してるつもりで隠れていない闇を見続け
この一年間で俺はそう思えるようになった
だからこそホモなら安心して彼女達を任せられる
目の前の若者に期待を込めて怖がられないように笑顔で
提督「君は・・ホモだったりするかな?」ニヤリ
若者「え・・いや、あの・・すみませんでしたぁあああ!!」ダッ
提督「あ・・・・・」
諦めるかよ
それから三時間後
ー公園ー
提督「はぁ・・」ベンチに座っている
三時間たっぷりと声をかけまくったが逃げられるのが大半で殴られたのが少しでごく稀にトイレに連れて行かれそうになった
連れションかな?と思ったら大きな墓穴を掘ってしまった
掘ってはないからな
最終的には警察を呼ばれたので逃げた
今の日本は奴等に対抗出来る唯一の手段を持っている海軍が支えている海軍国家なのだ
でもまだ完全ではない故に今海軍は凄く微妙な位置に居て結構厄介な事になっている
主に警察などの奴等からあまり良い様には思われていないし地位的には五分五分状態
いや、まだ向こうが優勢だ
だからもし海軍の奴が警察に捕まるなんて事になれば凄く面倒な事になる
下手をすればない罪まで被せられ茶番の裁判へかけられる
勿論有罪確定だ
まだ今の海軍ではそうなると手を出せない
時期に変わるとは思うけど
だから、基本は外に出る時は海軍だという事は隠しているわけだ
守っている立場なのに肩身が狭い事で
提督「はぁ・・・・」
男「はぁ・・・・・」
提督「あ?」
気づくと隣に誰か座っていた
多分俺より若いと思われる男だ
しかもかなり気弱そうと言うか弱そうと言うか
ザ、無害と言った感じだ
無害か・・・・・・
提督「おい、おまえ」
男「はぁ・・はぁ・・はぁ・・」
ため息連発し過ぎて危ない奴に見えるな
提督「なぁちょっと良いか?」
男「はぁ・はぁ・はぁ・・うっ、はぁはぁはぁはぁはぁ」汗びっしょり
なんか様子が変だ
提督「お、おい、大丈夫か」
男「はぁ!はぁ!はぁ!うぇ、はぁ!はぁ!さ、酸素が・・」顔色悪い
海から地上に上げられた魚の如く口をパクパクさせている
提督「ため息じゃなくて過呼吸じゃないか!」
誰だため息なんて言ったのは!あ、俺だ
そんな事言ってる場合じゃない!
相手の正面に立ち両肩を持って真っ直ぐ相手を見つめる
提督「おい!こっちを見ろ!とりあえず呼吸を整えるんだ。落ち着いてゆっくり、俺に合わせて、すぅーーはぁーーすぅーーはぁー」
相手は驚きつつも俺の呼吸に合わせようとする
でも、中々合わない
でも、根気よく相手が落ち着く様に声をかけながら呼吸に合わせて両肩を上下にゆっくりと揺らす
そうする事で呼吸を合わせやすくなる
提督「ゆっくり大きく吸って吐くんだ」
男「はぁ、すぅーー、はぁーー」
段々落ち着いて来たようだ呼吸が合ってきた
提督「そうだ俺だけを見て焦るなゆっくり、すぅーーはぁーー」
男「すぅーーはぁーーすぅーーはぁーー」
汗も引いてきたし顔色も良くなった
もう大丈夫だろ
提督「よし、よく頑張ったな」
それから念のためにもう少しだけこのままでいた
提督「ほら、水だ飲んでおけ」
男「ありがとうございます・・あ、お代を」
提督「いらん、少しは金に余裕もあるからな奢りだ」
男「え、ですが・・」
提督「まぁ遠慮するわなそう言うタイプに見えるし」
男「え?」
提督「なら、教えてくれるか?どうしてあんな事になったんだ?」
男「そんなので良いんですか?助けてももらってるのに」
提督「人のプライベートに好奇心で踏み込むんだぞ?水なんかじゃ安いくらいだ。まぁ無理にとは言わんが」
男「貴方は優しいですね」
提督「そうか?会ってちょっとだぞ?普通なら図々しいと思うがな」
男「はは、そうですね。でも、聞いてくれますか?えっと・・」
提督「図々しい男の提督だ」
男「あ、提督さんですね。僕は男と言います。よろしくお願いします」
提督「おう、よろしく」
それから男の話を聞いた
どうやら男は海軍養成学校の四年生らしいのだが数回の留年により退学になってしまったらしい
四年生と言えば最後の年であり着任先の鎮守府が決まらないと卒業させてもらえない
男は鎮守府の司令官を目指しているのだが才能がないらしく模擬演習では実際に艦娘達に指示を出すのだが全艦全て轟沈判定を出すと言う神業を見せつけ自分の鎮守府など任されるわけもなく、てか、いきなり任される事はまずない。そう言う才能がある人は何処の鎮守府で数年間勉強して上から認めてもらう事で司令官になれる
大抵の奴は鎮守府の雑用人員か事務関連の方へ行く
この男は鎮守府の人員としてもひょろひょろで弱そうな見た目の所為で面接すらさせてもらえず
事務関連の方もパソコンを使えないという事でいらないと言われた
現場関連での仕事は力仕事が主流でまず見た目が重要だ
男はそれに引っかかり
事務関連は即戦力が求められるパソコンが使える事が必須項目である
男は当然ボツ
そしてそれが数年続き退学
数年間諦めなかった根性は認めるけど
此処まで人には絶対的に向いていない仕事があると言える人物を俺は始めて見た
ある意味で凄い
そして実家にはもう鎮守府を任された司令官だと嘘の手紙を送ってしまっているらしく無口の父親が大喜びして叫んだそうだ。そして警察に捕まったとか
馬鹿だろう(親子共に)・・と思うがそうする事でなにがなんとしても司令官になってやると言う感じで自ら追い詰めてやる気を出す
嫌いじゃない
だが、自分の力量そして現状を考えずの行動はアホの極みと言える
住んでいた寮も追い出されもう実家に帰るしかなくなり帰った後の事を考えていたら過呼吸になったってところかな?
手紙を送ってから数年
年単位での嘘なのだ
荒れるだろうな
提督「まぁ、誠心誠意謝れば許してくれるだろう」
親父さんからの数発は覚悟しておいた方が良いだろうけど
男「でも僕は・・まだ諦めていません、」
提督「あ?」
男「この街に来たのは目的があったんです。正直実家の事も頭から離れずに怖くなってあんな事になりましたが、提督さんに話したら勇気が出ました」
提督「なにをする気なんだ?まさか!自暴自棄になるな!良い事だってきっとあるからな?水もう一つ奢るから!なんなら扶桑の買った缶コーヒーやるよ!ぬるいけど」
男「なにをすると思ってんですか!悪い事はしませんから・・それに扶桑って誰ですか・・ん?扶桑?」
提督「扶桑がどうした?」
男「不幸艦と言えば?扶桑と」
提督「山城だな。不幸の化身と聞いたが、あ・・」
やば!安易に海軍の人間だとばらすのはいけない!
男「まさか・・貴方は海軍の人間では!」
提督「ち、違うぞ?俺はバリバリ工場勤務の来週から丸ごとバナナのバナナを乗せるラインに異動になる予定だ。でも、来週で三ヶ月経つから辞めさせられるけどな!正社員にしろこの野郎!」
提督「人それを派遣と呼ぶ!」
男「あ、そうなんですか・・頑張ってくださいね。そうですよね・・海軍の人間がこんな昼間っから公園になんていませんよね」
提督「せやな」イラッ
どうにか誤魔化せたようだ
男「よし!」
唐突に決心をしたように立ち上がる男
提督「もう行くのか」
男「はい、今しかないと思いますから行ってきます」
去って行く男の背中を見てふと聞いた
提督「何処へ行くんだ?」
男は振り返り笑って言った
男「この町の鎮守府です。自分から売り込みに行くしかもう手はないですから」
提督「へ?」
そう言ってまた歩き出して行った
それって・・うちの鎮守府だよな
応援はしたいが・・正直来てもらっても困るだけだ
でも、止められなかった・・・
てか、学校を退学させられた奴が行っても普通なら相手にされないと思うがそれを覚悟で行ってるのか?
まぁ、あれなら途中で帰るだろう
いや、でももしかすると・・・いや、ないな
提督「スカウトを続行するか」
グゥ〜
提督「ん?・・昼か・・」
ースパゲティ屋ー
提督「・・・・・・」ズルズル
提督「・・・・・・」もぐもぐ
神通「・・・・・・」もそもそ
提督「げふっ・・・」
神通「・・・・・」提督の口元ふきふき
提督「よしっ!行くか」
神通「はい」
提督「え?」
神通「っ!」サッ
提督「俺一人だよな?気の所為か」
何故か2人前の料金を払わされたが俺は器が大きいからなそのまま何も言わず払ってやった新人かな?
昼食を終えてスカウト昼の部が始まった
もう少しレベルを下げて声をかけてみよう
例えば
提督「なぁ、男に対して何かを感じないか?」
まだ、無自覚な奴とか
つまり自分がまだホモだと気付いていない奴を探して自覚させる
青年「はい?」
提督「まぁまぁ、言いたい事は分かるよ。いきなり言われて戸惑っているんだろ?分かるよ」
青年「は、はぁ・・」
提督「此処に二つの雑誌がある!一つは俺の秘蔵の水着お宝本でかなりレアな奴だ」
青年「そ、それは!思春期男性なら誰もが喉から手が出る程の!名も知られていないその本だけにしか出てこない娘が居て何故かすぐに販売中止になって少ししか出回ってない伝説の!」
提督「よく知ってるな」
知らない娘だってのも無理はない。とある艦娘が自分から売り出しに行って出てるからな
まぁ、すぐに海軍が気付いて発売中止にされたけど
青年「み、見せてくれ!少しで良い!」
提督「ふふふ、そう焦るな。もう一つの雑誌の方がお前は興味ある筈だ」
青年「それより凄いのがあるのか!なんなんだ!」
提督「選りすぐりの提督達の筋肉本だ!欲しいだろ?欲しいって言え!お前は興味ある筈だ!あって欲しい!自分に素直になれ!」
青年「ねぇーよ。それよりお宝本を見せてくれ」
失敗した奴はノーマルだった
提督「くっ・・・くそ・・」
青年「早くしてくれよ!」
提督「分かった・・一緒に見よう」
それから青年→同士と友達になった
それから一時間同士と本を堪能した
同士からもお宝本を見せてもらい更に一時間掛かった
何て事だ・・こんなお宝本がまだ眠っていたとは
同士「じゃあ、次の定例会で」
提督「あぁ、楽しみにしてる」
二時間も時間を掛けたがまだまだ時間はある
それからも声をかけていくが駄目だった
その度にランクを下げていく
そして三時間が経った今では
とにかく誰でも良いから人手が欲しいという状況だった
そう、とりあえず無害そうな奴なら年齢も関係ない!
提督「なぁ・・俺の鎮守府来ないか?飴あげるからさ」
幼女「飴くれるの!行く行く!」
提督「そうか!なら一緒にいー」
ガシッ
提督「っ!」
警察「そこまでだ不審者」
母親「うちの娘を離して!」
幼女「ママ〜!」
提督「え?あ、違うんだこれは」
警察「問答無用だ!逮捕だ!」
ブチッ
こうしてその日話題になっていた誰にでも声を掛ける不審者は無事逮捕されたのだった
身元もばれて上司が呼ばれ怒られた
警察に謝って
秘書が迎えに来て
提督「ヒグッ・・グスッ・・ずみまぜんでじだ・・」ポロポロ
上司「アホな部下が迷惑を掛けてすまなかった・・次はこんな事がないようにしっかり指導するので」
警察「え、ええ、もう分かりましたから許してやってください。そんなに殴ったら彼死んじゃいますよ」
上司「こいつは頑丈だから大丈夫だ。それより本当にすみませんでした」ゴツン
提督「ひゃあ!」
警察「はは、次からは気をつけてくださいよ。今回は相手が被害届けを出さないって言ってるんで良かったですよ」
上司「はい、では失礼します」
上司「行くぞアホが!」
提督「はい・・・」
上司「・・・・・・・」
提督「・・・・・グスッ」鼻水たら〜
上司「まぁ・・その、なんだ鼻水を拭け少し言い過ぎたとは思ってるしラーメンでも食いに連れて行ってやー」ハンカチ
秘書「提督!」ダッ
提督「秘書〜!」ダッ
上司「・・・一人で食って帰りますよ・・」
ブチッ
上司「あれ?頭がスースーするような?気の所為か」
神通「・・・・・・」髪の毛
提督「怖かったよ〜〜」
秘書「この子は馬鹿!」バシッ
提督「ふぎゃあ!」
秘書「このこのそんなになるまでどうして黙ってたのよ!」
秘書「幼女に手を出すなら!まだ艦娘に出しなさいよ!」ドゴッ
提督「ぐふっ!」
秘書「それか!・・わ、わた・・私に・・言えるか!!」ドゴォオン!
提督「うわぁああ!」ズザァアア!
秘書「たく・・心配させないでよ」ガシッ
秘書「帰ろ」
提督「はい・・・」ズルズル
そして鎮守府へ帰ると
提督「で?誰?」
なんか金髪の男がいるんだが・・まさか秘書の彼氏?
とりあえず殴っておくか?
秘書「とりあえず構えるのはやめようか」
提督「ちっ・・はいよ」
???「はは、どーも、まさか提督さんだとは」
提督「俺を知ってる?」
秘書「新人くんだよ」
???「公園で会ったじゃないですか過呼吸の」
提督「え?あ、なんで金髪になってんだ?」
男→金髪「気合いを入れる為と昔の自分とおさらばする為に染めました!」
秘書「今の自分を変えたいって言うから染めてあげたの似合うでしょ?」
提督「なんかな・・・てか、新人くんって・・もしかして」
秘書「聞くも涙語るも涙だったのよ」
提督「雇う気か?正気か?いや、元々正気ではないか」
秘書「うん、そうだけど?あ、文句は受け付けないからね今は私が司令官なんだから」
秘書「今日が終わるまでは私の筈だよ。後、泊まり込みだから部屋を用意してあげてね」
提督「あのな・・コンビニとかとは違うんだぞ?簡単にだな鎮守府に一般人を着任なんか・・あれ?なんかブーメランっぽいか?」
一般人をスカウトしようとしていた時点で俺は人の事言えないな・・
幼女は尚更な・・・・
提督「なら、どうする養成学校を卒業出来ていないんだ鎮守府着任なんか上が許すか?」
秘書「それなら手は打ってるから大丈夫」
提督「何をした」
秘書「知らない方がいいよ・・ふふ、師匠にも少し手伝ってもらったけどね」
あ、聞いたらやばいやつだ
提督「恐ろしい奴だ」
昔はあんなに無邪気だったのにな・・
秘書「とにかく彼は卒業出来て此処へ着任するように命令を受けた。分かった?」
提督「まじか・・・」
金髪「よろしくお願いします!」
提督「あぁ、よろしく。多分秘書の仕事を手伝う形になるだろうから頑張れよ」
秘書「ん?こっちはいらないよ。そっちでよろしく」
提督「はい?」
秘書「彼には提督の直々の部下って事にしたからよろしく!」
提督「・・・・・・・・」
金髪「提督さん!何をしましょう!なんでも言ってください!」
提督「まじか・・・」
こうして金髪が仲間になった
彼をこれからどうするか
考えが決まるのにそんなに時間は掛からなかった
提督「仕方ない・・・」
やってやる!こいつを立派な
提督「入渠管理人にしてやる!」
求めていた人材とは全く違うし多分合ってはいない
無理だろうな・・・
でも、そう思うとなんか燃えてきた
さて、始めようか
提督「行くぞ!こい金髪」
金髪「はい!提督さん」
神通「ふふふ・・・・」髪の毛
秘書「神通それカツラ?」
神通「いえ、ゴミです。後で燃やします」
神通「禿げる呪いをかけてから」ボソッ
ー警察署ー
警察「あれ?」
ーラーメン屋ー
上司「上頭部の髪の毛が」
警察、上司「「ない!!」」
《例え一生出て来ないとしても待ち続けます・・それが私です》
by 漣
ー深夜の執務室ー
提督「うむ・・・・此処はどうするか・・」カキカキ
提督「頼む出てくれよ」ピッ
提督「もしもし、提督だが聞いて欲しい事がある」
漣「ご主人様・・」執務室覗き
提督は昼夜と関係なく執務室から出て来なかった
少し時間を遡りあの青年が金髪になって鎮守府に着任した日
金髪『て、提督さん僕は何をすれば良いんですか』
提督『う〜ん、やってやるとは言ったものの方針とかの考えが全然まとまってないんだよな』
提督『思った人員と違うし』ボソッ
金髪「提督さん?」
提督『いや!やってやるよ!よし!金髪!当分は秘書に付いてくれ時期に声を掛けるからそれまで秘書の命令が絶対な!それじゃあよろしく』
金髪『は、はい』
金髪を秘書に押し付けて執務室へ篭ってしまった
必要最低限の時しか執務室を出ずに残りはひたすら机に向かっていた
そしてそのまま一週間が過ぎようとしていた
提督「誰に頼むか・・」
何かを書いたり考えたりしているようだった
何処かへ電話を掛けている事もあった
提督「もしもし・・もしもし!聴こえてる?あ?なに?時間なんて聞いてねえよ!あ?・・・ああ・・時報か・・間違えた・・」
一人頑張る姿を何時も漣は心配そうに見ていたのだった
漣「手伝いたい・・でも入室禁止になってるし・・」
秘書「ん?漣ちゃん今日も見てるの?大丈夫だって前にみんなの前でちゃんと説明したじゃん昔からやりたい事が見つかるとああやって篭っちゃう事があるんだよって」
漣「それでも心配なんです・・・目にクマがあります・・」
秘書「ああなった提督は倒れるまで頑張っちゃうからね何度もどうにかしようとしたんだけどダメだったんだよ。もうそれしか見えてない周りなんて知った事じゃない」
秘書「でも、それだけやり遂げたい事があるって言うのが羨ましかったりしたけどね・・まぁ、今は関係ないけどね」
漣「でもご主人様辛そうです・・漣には何か出来ないのでしょうか」ウルウル
秘書「優しんだね漣ちゃんは・・休ませる方法あるけど教えようか?流石にあの顔はやばそうだし誰かに電話掛けようとしてるけどさっきから時報ばっかりに掛けてるね多分思考能力がほぼゼロね」
提督「人の話しを聞けよ!あ?・・・ああ、時報か・・間違えた・・・」
漣「本当ですか!漣はご主人様の為ならなんだってやる覚悟です!さあ!なんなりと」
秘書「うん、じゃあ、そろそろ良い時間だし休ませますかよく見ててよ!」サッ
秘書「踏み込みが大事だよ!せい!」ドスッ!
提督「ぶへっ!」バタッ
漣「ご主人様!」
提督「」ピクピク
秘書「背後からの首の後ろをこうやって叩くと寝るよ。この時気をつけるのは気づかれない事と加減を間違えない事だよ分かった?間違ったら後遺症が残る場合もあるからね」
漣「ご主人様!しっかりして!目を覚ましてください!」
秘書「もう起こすの?案外鬼畜だね漣ちゃんも」
漣「ご主人様ーー!」
そして更に一週間後
漣「ご主人様・・・・漣はいつでも近くに居ますから」執務室前でテント張り
扶桑「・・・・・・漣」
鈴谷「そっとしてあげよ・・ね?」
扶桑「そうね・・・・」
秘書「さて書類をやりますかな?へへへ〜」
金髪「秘書さん!草むしり終わりました次は何をすれば良いですか?」
秘書「え?もう?早くない?えっとじゃあ・・・部屋のそうー」
金髪「各部屋の掃除も洗濯も今日必要な買い物も終わりました。掃除関係は吹雪さん洗濯関係は扶桑さん買い物関係は神通さん草むしり花やりなどの園芸関係は鈴谷さんが手伝ってくれたので助かりました」
秘書「まじか・・ならー」
金髪「表の掃除も朝に終わらせました勿論その付近も」
秘書「うっ・・・あ、運動場の」
金髪「運動場の整備も完璧です元からほぼ整備されていましたから時間は掛かりませんでしたからいつでも使えますよ。花の水やりも完璧です。上司さんの家(犬小屋)も綺麗にしておきました」
金髪「皆さんが手伝ってくれたので早く終われました。漣さんは執務室の前から動きませんが」
秘書「く、くぅ〜・・あ!こんな所に埃が・・ない・・・」
金髪「吹雪さんは掃除に厳しかったですから姑もビックリですよ」
秘書「か、買い忘れは・・ない・・ピップエレキバンまでありがとうございます!」
金髪「神通さんは買い忘れなどしようものなら切腹ものだと何度も言われたので一層気を付けました。本当に切腹されそうだったので・・必死でした」
秘書「むむ・・おお!洗濯物にシワが!・・・ない・・」
金髪「干し方からアイロンのかけ方まで扶桑さんが丁寧に教えてくれました。本当に明るい方ですね一緒に居て楽しかったです」
秘書「ぐぅ・・・・花が・・綺麗、でもこれって・・」
金髪「鈴谷さん花が大好きなんで色々教えてもらいました。今はトリカブトを育ててます鈴谷さんがオススメしていたので紫の花が綺麗ですよね?」
秘書「お、おお!(多分二人共知らないんだろうな・・後で回収しておこう万が一もあるし)」
金髪「どうですか?僕ももう鎮守府の一員ですよね」
秘書「あ、うん・・家政婦さんかな(主人の命を狙ってるタイプの)」
金髪「そんな!僕は海軍人ですよ!」
秘書「いや、実際そうだし、いや、でも役には立ってるよ、うん、そこらの家政婦より良いよ」
金髪「素直に喜べませんよ・・」
秘書「う〜ん・・お!木の枝が伸び放題だよ!このままじゃ鎮守府の見た目に!存亡に関わるよ!いや!庭が木に蹂躙されるよ!ほら行った!」
金髪「え?いや、木はやった事がなくてこう言うのは専門の人とかがやるんじゃ?庭師さんは居ないんですか?」
秘書「庭師?食えんのかそれ!つべこべ言わずやれ!それでも埃高き海軍人(埃)か!やって慣れろ!行け!鎮守府を・・守ってやってくれ」
金髪「っ!誇り高き海軍人・・僕が鎮守府を・・はい!やってみます!」ダッ
秘書「ふぅ・・・なんで私がこんな事をしないと」
秘書「でも、何かやらせないとずっと付いて来るし・・凄い笑顔で・・そろそろ私が限界なんだけど・・あの曇りのない笑顔は私には眩し過ぎる」
秘書「少し苦手なタイプかも・・良い子ではあるんだけどね」
秘書「ああ〜床冷たい〜」クタ〜
提督「なんだ?そんな所で昼寝か?」
秘書「提督・・来やがったな」
提督「ん?なんだ?会いたかったか?俺もそうだぞ?髪型変えた?」
秘書「少しだけ・・って!違う!」
秘書「二週間も新人くん押し付けておいてよくもそんな口が聞けるよね!大変だったんだから!」
提督「あ〜すまん。ほら、俺思いついた事があるとすぐに形にしたくなって周りが見えなくなるから・・」
秘書「はぁ、まぁ、今更だけど・・で?何か掴めた?」
提督「いや全く」
秘書「まじか!」
提督「嘘だ!」
秘書「まじか!・・で?」
提督「それを今から実行しようと思うんだ」
秘書「じゃあ新人くんを返すよ。あの子やる気と根気はあるからやり方次第では使えるかもよ」
提督「あぁ、この二週間お前に預けておけばそうなると思ってたよ」
提督「まぁ、壊れてしまう事も覚悟してたけどな」
秘書「やっぱりそう言う事だったんだね。大丈夫壊れてはないよ」
提督「抜かりはないだろ?」
秘書「ええ、ビシバシと理不尽とか押し付けて艦娘達からも仕事を手伝ってもらえる程には信用されるようにしておいたから」
秘書「何度か金髪にもう少し優しくしてやれって抗議を言って来た娘も居たくらいにね・・悪者は勘弁よ」
提督「サンキューな。でも、彼女達も分かってるさ」
秘書「それでも貸しだからね」
提督「あぁ、そうだ貸しついでにこれどうにかしてくれないか?」
秘書「これって?」
提督「執務室を出てからずっと離れないんだよ。ドア開けたらテント張っててな飛び付かれた」
漣「・・グスッ・」背中しがみつき
秘書「それは仕方ないでしょ?ずっと心配していたんだから深夜に執務室を覗くのが習慣化していたくらいだし最近は離れなかったくらいだし」
提督「そうなのか?そうか・・分かった。ならこのままで良いか」ナデナデ
漣「〜〜♪」
漣を背に乗せて金髪の所へと向かった
提督「金髪」
金髪「あ、提督さんなんか久しぶりに見た気がします」
提督「まぁ、久しぶりだしな。それより準備が出来た行くぞ」
金髪「はい!あ、でも木の枝を切らないと蹂躙されて」
提督「え?木?蹂躙?何言ってんだ?大体何本あると思ってんだよ」
金髪「ですが一本目は終わりました!」
提督「まじか!」
金髪「はい!どうですか!」
丸太「」
提督「・・・・・・・丸太やん」
提督が見たのは地面に突き刺した丸太の様な木だった
枝も葉っぱも全て切り落とされていて綺麗に丸太に加工されていた
しかし、木は今も地面に根を生やして生きてる
ある意味で凄い
そして思ったこの件が片付いたら庭師を探そうと
うちの鎮守府は周りの木が無駄に多いのだ
《全てを守れるなんて幻想は捨てなきゃいけない・・上に立つ者なら絶対にね》
《だから・・俺はまだヒヨッコなんだ》
by 提督
ー執務室ー
提督「お前には入渠管理士になってもらう」
金髪「入渠管理士?」
提督「あぁ、主に入渠関連の仕事をしてもらう」
金髪「入渠管理の仕事がよく分からないのですが・・」
提督「簡単に説明するとだな。大きく分けて三つある。まずは入渠施設の掃除や簡単なメンテナンスや修理などの施設管理だ。少しの故障ぐらいなら直せる様にはなって欲しい」
金髪「大きな故障とか大規模のメンテナンスはどうするんですか?僕機械はあまり自信が・・」
提督「ないか?やめるか?それ程のつもりならやめてくれても良いぞ」
金髪「いえ!やります!やってみせます!」
提督「よし、良い返事だ。だが本来は妖精さんの仕事だからなそうなったら妖精さんに頼む」
金髪「あ、そうなんですか・・良かった」
提督「でも、そうならない様に管理するのが仕事だぞ?メンテナンスは仕方ないとして大きな故障となると毎日の管理をちゃんとしてるかで防げる事だ」
金髪「は、はい!頑張ります」
提督「まぁ、これはちょびちょび覚えて貰えれば良い。妖精さんには頼んでおくからな。そう気構えなくても最初は風呂の管理ぐらいに思っておけば良い」
金髪「はい、お願いします」
提督「次に二つ目は艦娘達の入渠順をその時の状況や戦況などで時間なども計算して効率良く回したり記録をしたりする記録管理だ」
金髪「む、難しそうですね」
提督「難しく考える必要はない。傷が酷い奴から入れてやれって事だし作戦中なら作戦メンバーを優先させるって感じだな」
金髪「あの、もし作戦メンバー以外で大破してる娘がいる場合は作戦中でも作戦メンバーを優先させるんですか?」
提督「お前は苦しんでる娘をほって置くのか?」
金髪「そんな事しません!作戦メンバーには悪いですけど先に入渠させます例えそれで入渠の流れが滞っても苦しんでる娘を無視なんて出来ません」
提督「それで良いんだ。そう言う事も考えて柔軟に対応するのも必要な事になる期待してるぞ」
金髪「はい!」
提督「まぁ、これも今は深く考えなくて良いがな、なんせ入渠五つに対して艦娘が五人だからな入りたい奴は好きに入れてやれば良い」
金髪「それって僕必要なくないですか?」
提督「必要になるから頼んだんだぞ。これも艦娘達の数が増えれば必要になるし、それまでに慣れろよ」
金髪「はい!」
提督「そして入渠した時間回数を記録して欲しいこう言う記録は作戦を立てる際や体調管理とか色々と役に立つからな取っておいて損はない」
提督「今までは俺がしていたから次からは頼む」
金髪「あの・・覗くんですか?」
提督「あぁ?」
金髪「いえ、記録を取るためには見なきゃいけませんよね?て事は覗かないとと思って」
提督「入渠ドッグの入り口に中と同じタイマーがあるからそれを見れば良い間違っても黙って覗くなんてするなよ?」
金髪「は、はい!(言ったら覗いて良いのかな?)」
提督「まぁ、そうもいかない時もあるからその時はちゃんと声を掛けてから入れよ」
提督「入渠ドッグは水着で入るように言っているが偶に脱いでる奴がいるから念の為にな相手は年頃の女の子だと言う事を忘れるなよ」
金髪「はい、分かりました。(覗きは言ってからっと・・メモっと)」カキカキ
提督「うむ・・・・」
ちゃんとメモを取っているようだな感心だ
提督「そして最後だがこれが一番重要だ正直言うと他のはどうでも良いと言っても良いくらいだ!」
提督「これからの鎮守府にも関わる重要な仕事だ半端な気持ちでは出来ないから覚悟しておけ」
金髪「そ、それは!」
提督「これだ!」バケツ(高速修復材)
金髪「へ?バケツ?」
提督「入渠ドッグはな彼女達の怪我を治す為にあるドッグだが彼女達にとってはそれだけじゃない入渠ドッグは風呂でもある勿論風呂は別にあるがな」
金髪「えっと話しが見えないんですが」
提督「話しは最後まで聞け!」
金髪「は、はい!」
提督「お前ドラ◯もんってアニメ知ってるか?青い狸が出てくるやつ」
金髪「えっと猫だと思いますけど・・」
提督「どっちでも些細な事だろうが!で?知ってるの?知らないの?」
金髪「知ってますよ。今も見てます」
提督「なら、風呂ばかり入ってる潔癖症の女も知ってるな?」
金髪「え?誰ですか?」
提督「しず◯ちゃんだよ!ヒロインだろうが知ってるって嘘ついたのか?」
金髪「知ってますけど彼女は別に潔癖症ではないと思いますが・・」
提督「昼夜も関係なく風呂に入ってるのにか?あいつの一日を書いたらほぼ風呂で埋まるあいつが潔癖症でなくて何になる」
金髪「それは・・・ですが昼からでも朝からでも風呂に入ってるだけで潔癖症とは限りません。理由があるとするなら・・女の子だからとしか言えませんが」
提督「そういう事だ」
金髪「え?」
提督「この事から分かるだろ?女性=長風呂だ。これは艦娘達にも言える事だ」
金髪「それは偏見だと思いますけど・・男性でも長風呂する人はするし・・そもそもし◯かちゃんが異常なだけなのかもしれませんし」
提督「細かい事は気にするな禿げるぞ国民的アニメのヒロインがそうしてんだぞ?言わば現代の女の子そのものなんだぞ?」
金髪「ドラ◯もんって結構昔からありますけど・・」
提督「本題だ。入渠ドッグを風呂と勘違いしてる娘が多く長居をしてしまい行列が出来てしまう。他の鎮守府でもそう言った事があり作戦や他の事にも支障をきたしている。時期に此処もそうなってしまう」
金髪「結構大変な事になるんですね・・言って治るなら元からなりませんよね」
提督「そうだ。此方も仕事があり常に入渠管理を出来るわけではない。だからこそお前の出番なんだ金髪」
金髪「僕が?」
提督「そう言う意味もなく長居してる奴や緊急を要する事態などで入渠ドッグを空けないといけない時はお前がバケツを使って退去させるんだ」
金髪「はい!任せてください!そのくらいなら僕にも出来ます。バケツを使って早く出てもらえれば良いんですよね?それなら簡単ですよ鎮守府のこれからに関わるなんて大袈裟に言い過ぎですよ提督さん」
提督「・・・・・・」
金髪「提督さん?」
提督「やはり事の重大さを分かってはいないか・・」
金髪「あの・・どういう事ですか?」
提督「ある鎮守府の話しをしよう・・その鎮守府には新人の司令官が着任したんだ・・」
その司令官は優秀で艦娘達との仲も良好で次々と海域を攻略していった
若いながらもその手腕に町の人達や他の司令官達からも一目置かれる存在になった
しかし、それも徐々に雲行きが怪しくなっていった
良い戦果を残せばそれだけ優遇される様になる
そうすれば施設増設や艦娘を増やす事も出来る
しかし、それがいけなかったのだ
どんなに指揮が上手くても、どんなにコミュニケーション能力が高くても、どんなに周りから慕われていても、どんなに資金や資材があっても
彼はまだ新人であり圧倒的に経験不足なのだ
よくも考えもせずに上からの好意を全て受け入れてしまったのだ
施設増設や艦娘増加などをすればそれだけ鎮守府は大きくなる
彼のキャパシティを超えてしまっていたのだ
鎮守府内や艦娘達全てを把握出来なくなってしまった
そして、彼は自分の負担を軽減する為に入渠ドッグの使用を自由にしてしまった
つまり入渠ドッグの管理を放棄したのだ
いや、艦娘達を信じて任せたのだ
そこから始まった
地獄が
何故入渠ドッグにはタイマーが付いているのか
それは怪我の完治が分かると言うのもあるがそれだけではなく
書かれている時間以上入らせる事をさせない為だ
提督「さっき風呂みたいなものだと言ったが入渠ドッグの湯船の液体は人間には毒だと言うのは知っているな?」
金髪「はい、確か入ってしまったら大変な事になると聞きました」
提督「あぁ、入ったら確実に禿げる・・」
金髪「はわわ!」
提督「実はなこの液体は艦娘にとってもある意味で毒なんだ」
金髪「ええ!」
提督「と言っても使い方を間違わなければ問題はないんだ。そこの鎮守府ではそれを間違えてしまったんだ」
金髪「それは一体・・・」
提督「入渠ドッグはタイマーを無視して入り続けると依存してしまう。しかもすぐじゃない長い期間を掛けて少しずつ数秒ずつ増えていくんだ。だから本人もそれに気付かないし司令官達も変に思わない」
提督「でも、気付いたら長時間無駄に入渠ドッグを占領してしまい作戦中だろうとバケツを拒否する様になってしまう」
提督「そして入渠ドッグは上手く回らなくなり怪我をした艦娘達が入渠ドッグ待ちに並ぶ事が日常になり海域攻略も最低限の鎮守府の防衛も出来ない始末になった。奴らに襲われたら一分も保たないだろう」
金髪「管理をしてなかったから・・こんな事に・・」
提督「更に艦娘達の間で入渠ドッグの取り合いで内部抗争になり艦娘達はお互いがお互いを傷付けあった」
提督「仲間同士であるのにただ入渠ドッグに入りたいが為に」
金髪「そんな・・・・」
提督「彼が入渠ドッグを自由にしてから5年経ってから起こり始めた事なんだ」
金髪「5年も・・途中で気づく事が出来たなら・・」
提督「言ったろ?それだけ時間を掛けてゆっくりと増えていくんだ。管理をしてるならまだしも管理を放棄していたなら気付く事は出来ない」
提督「いや、管理をしていたならこうはならない」
金髪「その鎮守府は今は?」
提督「まだ残っているがもう長くは保たないだろう。今からでも無理矢理バケツを使って入渠管理をすればどうにかなるかもしれない。依存って言っても彼女達からしたらなんとなく長く入りたいって言う感覚らしいからちゃんと出る意志さえあれば頼めば出てくれる」
提督「勿論抵抗する奴も居るだろうから多少強引になると思うがな5年の間の溝は中々埋められないだろうな」
金髪「提督さんは知ってて助けないんですか?」
提督「俺も自分の所で精一杯なんだよ。下手をすれば大怪我だってするかもしれないそれ程までして助ける義理もないしな」
金髪「それでも・・」
提督「金髪・・俺は俺の守るもん守るだけだ。自分の守るものを守れず外からの見栄を選んだ奴をどうして助けなきゃいけない」
提督「これは罰なんだ今までのな」
金髪「・・・・・・・・」
提督「俺だって・・まだヒヨッコなんだ。全てを守れるなんて幻想を捨ててはいない・・でも、捨てなきゃいけないんだ」
提督「こいつは・・上に立つ者は持ってちゃいけないんだ」
金髪「提督さん・・・」
提督「向こうの司令官の事を思うなら自分のケツは自分で拭かせろそれが責任だ」
提督「それが出来ないなら遅かれ早かれ崩壊する運命だ艦娘達の為にも辞めてもらった方が良い。それに一度拭いてもらったら次からは自分で拭けなくなるそれが人間だ覚えておけ」
金髪「はい、覚えておきます!」
提督「以上だ。入渠管理の重要さを少しでも理解出来たかな?」
金髪「はい・・凄く重要だと言うのが分かりました。入渠管理を簡単に見ていましたすみませんでした!」
提督「分かってくれたなら良いよ。どうだ?やれそうか?」
金髪「正直言うとそこまで重要な事を任せてもらえるのは嬉しいですしやってやりますと言いたいです・・けど・・・少し不安・・いえ、かなり不安です」
提督「ふっ、安心しろ俺もいきなりやれとは言わない特訓に着いて来れるか?厳し道だがな」
金髪「特訓・・・はい!着いて行きます!いえ、行かせてください!」
提督「そう言うと思ったからな!準備はもう出来てる!」
提督「助っ人を呼んでいる彼は様々なスペシャリストであり入渠管理のスペシャリストでもある」
金髪「おお、そんな人が居るんですね!」
提督「あぁ、俺の尊敬する人だ。そろそろ時間だな!」
すると丁度ドアがノックされ一人の男性が入って来たのだった
40代後半くらいの体格の大きな顎髭の長い男だった
金髪「彼がスペシャリスト・・」
提督「そう、彼こそが様々な技能を持つ男!提督が如くシリーズの著者でもある山下さんだ!」
山下「ふふふ、そう褒めるな小僧」
はち切れんばかりの筋肉達が先程から何度も自己主張をしている
筋肉「お前はもやしか?」
そう言っている様に見える程だった
金髪「はわわわ・・」
金髪は特訓が始まる前から着いて行けるのか?いや、無理だろ!とかなり不安になったのだった
そして生命の危機を感じたと言う
山下「久しぶりだな。飴をやろう」
提督「恐縮です」
山下「お前にもやろう」
金髪「あ、ありがとうございます」
でも、良い人なんだなと思った
《才能がないからこそ常識という壁を壊す事が出来る》
by提督
山下「はは!更にもう一個あげよう」
金髪「あ、ありがとうございます」
提督「ほう・・・・」
金髪「あ、あの提督さん?」
提督「ん?気にするな」
金髪「はぁ・・そうですか」
提督「時間も余りないので早速お願いします」
山下「良いだろう見てやろう。この小僧で間違いないんだな?」
提督「はい、こいつを入渠管理士にしようと思ってます。どうですか?」
山下「ふむ・・小僧動くなよ?」ギロッ
金髪「ひゃ、ひゃい!」
その眼光を向けられて動けるわけもなく直立不動姿勢状態
山下「ふふ、中々面白いな」
提督「では!」
山下「今の腕が見たい入渠ドッグへ行くぞ」
提督「はい、金髪行くぞ」
金髪「か、身体が!動きません!」
提督「ふんっ!」ドゴッ
金髪「ごふっ!」
山下「良い声だ!」
提督「恐縮です。喜べ金髪」
金髪「殴られて喜べと言われても・・動ける様にはなったけど理不尽だ」
そう言った金髪に提督はこっそりと言った
提督「俺がやらなかったら山下さんがやってたからな?確実に死ぬぞ?良かったのか」
金髪「っ!」
提督「あの人は凄い人ではあるが普通の人と少しと言わずかなり考えが違う目をつけられたら待ってるのは成功か死かだ覚えておけよ」
提督「そしてこれはチャンスと言う事も忘れるな良いな?」
金髪「っ!は、はい!頑張ります!」
山下「気合が入ったか!さぁ!行くぞ!」
こうして四人は入渠ドッグへと向かった
漣「・・・・・」提督の背中張り付き
ー入渠ドッグー
提督「ん?誰か入ってるな丁度良い。金髪バケツを持て」
金髪「はい!持ちました!」バケツ
山下「よし!やってみろ」
金髪「え?」
提督「今から中に入ってる娘にお前の(バケツ)をぶっかけに行ってこい」
金髪「で、でも、やり方が」
山下「時間がないんだが?」
提督「仕方ありません彼は初めてです」
山下「仕方ない、なら入渠管理長をしてやるか」
【入渠管理長】
《入渠管理士の長であり状況などを伝え適切な指示をする事が出来る。管理長の言葉は何事にも優先される》
提督「では、自分は入渠管理補助を」
【入渠管理補助】
《入渠管理士の周りでわめく》
金髪「よ、よろしくお願いします!」
山下「入るぞ!」
提督「では、入渠管理士ドアを開ける!」
【入渠管理士】
《現場で実際に艦娘達の状況などを見て時に警告を発令し場合によってはバケツによる武力介入を許された者》
金髪「は、はい!」ガチャ
ドアを開ける。そこに居たのは
吹雪「え?」
全裸で浴槽に浸かる吹雪さんだった
山下「入る前に声掛け!」
提督「大きな声で失礼しますだ!」
金髪「失礼します!!」
入る。なるべく見ないように
山下「前を見ろ!敵を見ずして何を見る!床か?ちぢれ毛か!」
提督「下を向いて桶を投げられて避けられるのか!堂々としろ!」
金髪「はい!すみません!」
吹雪「何これ?」
山下「敵を発見!入渠管理士を見ても出る気配なし。敵を反抗期と想定」
提督「説得を試みます。第一警告発令せよ!」
金髪「はい?」
山下「優しく!始め!」
あ、出てくれって言えば良いのかな?
金髪「あ、あの、時間なんで出てくれませんか?」
吹雪「??」
吹雪「えっと、別に入渠目的で入ってるわけではなくて・・ちょっと汗をかいてしまってお風呂を使うよりこっちの方が手っ取り早くて」
吹雪「と言うか何してんですか?覗きですか?」
金髪「ち、違いますから!と言うか入渠ドッグは水着着用です!なんで着てないんですか!」
吹雪「・・・・・」
吹雪「てへペロ」
あ、可愛い・・
提督「第一警告失敗!第二警告発令せよ!」
山下「少し厳しく!」
続くんだ・・やりますよ
金髪「バスタオル持って来たんで出てください」
吹雪「まぁ、出ろと言われれば出ますけど」
金髪「じゃあ、僕は外に」
提督「第二警告失敗!第三警告発令せよ!怒れ!」
金髪「え!いや、出るって」
山下「警戒レベル6!規定により残りの第三、第四、第五、第六、第七警告を省略!彼女に従う意思なし、入渠時間を大幅にオーバー兵装素体に危険ありと確定、バケツの使用を許可する」
吹雪「あ、ただのお湯ですよ?」
山下「念の為にバケツを使用し直ちに入渠ドッグから退避させよ!」
提督「退避了解!バケツの使用及び彼女への接触を許可!金髪!構え!」
金髪「え!え!!」アセアセ
吹雪「あ、出ますよ?怪我してませんから、でも、提督さん以外に触られたくないし裸も見られたくないので提督さん以外は出て行ってもらっー」
山下「動くなよ」ギロッ
吹雪「ひゃい!動きません!」ビクッ
提督「金髪・・やれ!このままだと吹雪が吹雪くぞ」
吹雪く?消えるって事?
提督「入渠管理士になるんだろうが!ぶっかけろ!!」
金髪「っ!はい!」バケツ
吹雪「あ、あの・・」
深く考えるなバケツをかけるだけだ!そう、かけるだけなんだ
提督「掛け声は、『いつまで入ってんだ!さっさと出やがれ!』だ!彼女達に自分のした事を分からせる意味でも必要だ」
山下「バケツ発射まで」
金髪「い、いつまで!」
山下「3」
吹雪「そんなに言わなくても出るよ」
金髪「入ってんだ!」
提督「2」
吹雪「怪我してないよ・・」
金髪「さっさと出やがー」
漣「1」
吹雪「かけるの?かけちゃうの?」ウルウル
神通「0」
なんでそんな目で見るんだ・・僕はただ・・吹雪さんを助けて・・
そう言えば前に鈴谷さんが
鈴谷『怪我してないのにバケツかけられるとなんか身体中がムズムズして嫌なんだよね〜バケツって変な匂いするし』
とか言ってたし
これをかけると言う事は吹雪さんに嫌な目にあってもらうって事で・・
僕の練習の為にそんなのは
金髪「そんなのは・・」
山下「ふむ・・・・」
提督「・・・・やはり」
金髪「僕には・・出来ません・・」
カラン
金髪の手から離れたバケツは床へと落ちた
中身は溢れて排水溝へ流れて行った
吹雪はそれをなんとなくな顔で見ていた
吹雪「あ〜勿体無い」
提督「これが本当の現場なら入渠ドッグは地獄絵図ですね」
山下「怪我人と中毒者のパラダイスだ」
提督「もう一度やり直しを」
山下「いや、もう時間だな。そろそろ次の場所へ行かなければいけない」
提督「そうですか・・貴重な時間をありがとうございました」
山下「お前の為だ。だが、次はないぞ?もう、定年まで予定がビッシリだからな」
山下「最期は病院で餓鬼どもにアメでもやりながら笑って余生を過ごすんだからな!」
提督「はい」
山下「で?どうする。あの小僧は入渠管理士としての才能は全くない」
提督「はい、そう思います」
山下「ふっ、ならあの小僧はクビか?」
提督「いえ、入渠管理士として育てますよ」
山下「ほう・・それでもか?なんだ?嬉しそうだな」
提督「才能がないからってなれないって事はない。ないからこそ・・」
提督「常識という壁を壊す事が出来る俺はそれが見たい」
山下「っ!はははは!! そうだな!新しい事を始めようと言うのに常識など邪魔にしかならんな」
山下「その言葉心に留めておこう」
提督「恐縮です」
金髪「うぅ・・ごめんなさい吹雪さん」
吹雪「よく分からないけど気にしてないから大丈夫だよ?」ナデナデ
金髪「違うんですよ!少し見えてしまったんです!バスタオルの間から現在進行形で・・」
吹雪「へぇ・・・・」
金髪「き、綺麗でした!」土下座
提督「・・・・・・・」
漣「・・・・・・」
さて、お前に足りないのは一つだ
それさえ乗り越えられればお前は・・
だから・・
提督「許せよ金髪・・」
更新は超超超カタツムリ更新ですぜ!
気が向いたら書くのであまり期待はしないでくださいね!
本当に遅いですよ!てか、してんのか?
色々やばいですね
このSSへのコメント