2015-12-26 22:28:40 更新

概要

提督「正規空母が可愛すぎる!」http://sstokosokuho.com/ss/read/473 提督「正規空母が可愛すぎる!」2隻目http://sstokosokuho.com/ss/read/2868 の提督が翔鶴に出会う前の物語です。動画版も作成したのでよければどうぞhttp://www.nicovideo.jp/watch/sm27878433


提督「…」ガララララガシャン


提督「…」


提督「なぁ、お前はどう思うAI-163」


提督「あの人は帰ってくると思うか?」


AI-163「」


提督「あんな絶望的な状況で帰って来るとはとても思えない」


提督「けれど、あの人は必ず帰ると言ってたから信じるしかない」


提督「あの人が約束を破る訳がない」


提督「…」


提督「でもな、それを一人で待ち続けるのも辛いものなんだよ」


提督「…」


提督「一人、か…」


加賀「まだ一人とか言ってるの?呆れたわ」スタスタ


提督「加賀さん…」


加賀「今のあなたは本当に一人なの?よく考えてみなさい。それに、あの人を待ってるのはあなただけではないわ」


加賀「私と赤城さんだってずっと待ってる」


提督「…そうか。お前達もやっぱり同じか」


赤城「だから自然とここに来ちゃうんですよね」スタスタ


赤城「ここに来れば、この零戦を見れば、あの人が帰ってくるような気がして」


提督「いつになったら帰ってくるんだろうな」


赤城「あの人も提督みたいに不器用な方ですからね。きっとどこかで手間取ってるんでしょう」


提督「なんで俺が不器用なんだよ」


提督「ま、それもそうだな」


赤城「あの、提督?今日はお客さんを一人連れてきてるんですが」


提督「お客さん?どういうことだ?」


赤城「ですって、どうぞ出てきて」


翔鶴「…!あの、そのっ!決して覗き見しようとしてたわけではなくて!」モジモジ


翔鶴「この格納庫に入る提督が見えて話かけようとしたんですが、さっきから零戦に話しかけていて」モジモジ


翔鶴「なんか、声かけたらいけないな。と思ってたら、あの…」モジモジ


提督「いいってばそんなこと。それより翔鶴、お前ももっとこっち来て零戦見たらどうだ?」


翔鶴「赤城先輩、加賀先輩いいですか?」


赤城「もちろんです」


加賀「提督が良いなら言いんじゃないかしら」


翔鶴「あ、ありがとうございます」


翔鶴「…」ジー


翔鶴「………」ジー


翔鶴「機体番号を見る限りだと赤城先輩所属のようですが」


翔鶴「なぜこの機体だけここに?」


加賀「あら、あなたは知らないの?」


翔鶴「へ?何がですか?」


赤城「提督、もしかしてあのこと…」


提督「まだ誰にも話してない。一度だけ翔鶴に聞かれたがその時は断ったんだ。『いつか必ず話す』って」


提督「この零戦もあるしちょうどいいだろう。こんな所で悪いが翔鶴いいか?」


提督「あと、あまり面白い話じゃないぞ」


翔鶴「はい…大丈夫です」


提督「よし、わかった…」



~提督幼少期~



父「あいつはまたテレビ観てるのか」


母「もともと引っ込み思案でおとなしい子だから仕方ないわよ」


父「だが、この歳で友達がいないっていうのは将来困るぞ」


母「そうよね…私も普段から『外に出なさい』って言っているのだけれど…」


父「うーん…困った」


父「…」


父「とにかくなんでもいい。出掛けて外の空気を吸わせないと」


母「あ、そういえば!」


父「ん?どうかしたか」


母「この前友達にもらった博物館の無理招待券があるのよ!」ガサゴソ


母「これよ!」


父「靖国神社遊就館無料招待券?」


父「なんでこんなもの持ってるんだ」


母「さあ?友達がいらないからあげるって」


母「二枚しかないし提督と行ってきたらどう?」


父「そうだな。行くか!」


父「提督~、博物館行くぞ」


提督「…やだ」


父「たっくさ~ん凄い物が展示されてるんだってよ!」


父「面白そうだし一緒に行こうぜ!」


提督「僕は面白くないと思う…」


父「そんなの行ってみないとわからないだろ」


提督「やだ」


父「ん~………あっ!」


父「もし行くなら博物館でアイス食べてもいいぞ」


提督「………行く」


父「よし!決まりだな。出かける準備しろ」



-------------------



翔鶴「子供の時からアイス好きだったんですね」


提督「まあな。今も変わらずアイスは大好きだ!」


赤城「そういえば…瑞鶴さんから聞いたんですけど、提督、アイス食べ過ぎて翔鶴さんにしばかれたって」


翔鶴「し、しし、しばくなんてそんな!そんなことはしませんよ?」


翔鶴「ねえ、提督?」


提督「楽しかったです!」グッジョブ


翔鶴「提督~!」ポカポカ



----------------------


父「ふぅ~。着いた着いた」


父「え~と招待券、招待券っと」ガサゴソ


父「提督~いくぞ」


提督「!」


提督「…かっこいい!」


提督「…これは…とても…かっこいい!」


父「ん?何見てんだ?」


父「なになに、零式艦上戦闘機五ニ型?」


父「あ~、これあの有名なゼロ戦か」


父「こんなとこに展示してあったのか」


父「提督、帰りも見れるからとりあえずゲートくぐって他の展示場所に行くぞ」


提督「やだ」


父「いや、だから後からでもゆっくり見れるからとりあえず行こう」


提督「やだ…もっとゼロ見る」


提督「こんなかっこいいの初めて見た」


提督「ゼロはかっこいい!」


提督「ゼロはすごいかっこいい!!!」


父「ちょっ!そんなでかい声出すなって!」


父「すいません、ご迷惑をかけて」


提督「ゼロ…かっこいい…日の丸も綺麗…」


提督「…」ジー


提督「……」ジー


父「まぁ、こいつがこんなに興味を持ったものなんてそうそうないからな。このままでいいか」


提督「♪」



~帰宅~



父「ただいま」


母「おかえりなさい。どうだった博物館は?」


父「それがさ…ゼロ戦って知ってるか?日本の太平洋戦争の時の戦闘機」


母「あ~!名前だけは聞いたことあるわ」


父「それが展示してあってさ、提督ゼロ戦にすごい興味持って二時間ずっと見てたんだ」


母「二時間も!?あの子にそんな趣味があったとはね…」


父「俺も知らなかったんだがな。あいつが熱中するところなんて初めてだったからさ、驚いたよ」


母「まぁでも、好きな物や趣味が見つかったのならそれでいいじゃない」


母「今までみたいにダラダラテレビ見るよりいいわ」


父「だな」



--------------------



提督「これが俺の零戦との最初の出会いだった。もしあの時、親父が誘ってくれなかったら今の俺はいないな」


提督「それから俺は学校の図書室に通い零戦について書かれてる本を読み漁った」


提督「あの時感じた感動は今も忘れないしこれからも忘れたくない」



~提督高校生時代~



提督「…」←大空のサムライ読書中


提督(何!?あの坂井さんが機種を誤認!?編隊を組んでも敵を見つけるのはいつも先だったあの坂井さんがか!?)ペラ


提督(やはりラバウルとガダルカナルの往復は搭乗員にとってはかなりの疲労だったのか…)ペラ


提督(あー…後方機銃にやられたか)


提督(搭乗員にとって目は命とも言うしな。敵より早く発見できればより優位な態勢をとりやすくなるし)


提督(この後坂井さんどうなるんだろう)ペラ


A「提督!おい提督!」


提督「!?なに…かな」


A「提督、お前のこと好きな奴が話があるってよ」


B「良かったな!お前C子に好かれるなんて羨ましいぜ!」


提督(ぼっちの俺のことを好きな奴?)


提督(あほかこいつら。そんな奴いるわけないだろ)


提督(でもC子って言ってたな。俺はクラスメイトのことはあまり知らないがC子は顔立ちが整っていて俺も好きだ)


提督(なによりC子は他の連中と違って俺のことを馬鹿にしてこない)


提督(この前二人組作って英語で会話する授業でも声かけてくれたし)


提督(と、ととと、とりあえず話を聞いてみよう)


提督「あ、あの、何かな?」


C子「これ…私が作ってきた卵焼き。食べてくれる?」パカッ


提督「も、もち…もちろん」


提督「でで…でもなんでC子さんは俺なんかに?」


C子「それは…私が提督君のこと…」


C子「とりあえず先に食べてよ?」


提督「…わかった」


提督(すごい綺麗な形だな。美味しそう)


提督「そ、それじゃあいただきます」パク


提督(こ…これは!)


C子「私、実は提督君のこと今まで…!」


提督(しょっぺえええええええええ!!!)


C子「大っ嫌いでしたーーー!!!!」


A「ぎゃはははは!!!C子まじえげつないわー!」


B「めっちゃいい雰囲気なのにC子お前って奴は!ククク」


提督「…」


C子「今まで優しくしてたから好きだと思ってたでしょ?」


C子「残念!全てこの時のためでしたー!」


C子「しかも卵焼きには塩を大量に使った!」


A「ハッハッハッ!あーやべー。まじ腹いてえw」


B「C子お前最高www」


C子「ねえ、提督。今どんな気持ちどんな気持ちwwwww」


提督「」


提督「あっそ…」


提督(これだからリア充は嫌なんだ)


提督(結局信用できるのは自分しかいないじゃないか)


提督(誰かを信じ、誰かを頼りお互い助け合う。それが世間でいう友達ってやつなんだろう)


提督(けど一人が好きな奴だっているんじゃないか?全ての人間が友達を必要としているわけではないと思う)


提督(面倒くさい上辺だけの関係を維持し相手に合わせ、自分の行動を制限しなければいけないなんて俺にはごめんだね)


提督(それに、そんな薄っぺらい関係、いつ裏切られてもおかしくない)


提督(ホント、リア充の奴らは大変だな)


提督(けれど…友達という存在を越え、親友、家族と呼ぶにふさわしい、この人なら絶対信頼できる。と思える真面目で素晴らしい人)


提督(そういう人となら友達になりたいし結婚したいと思っていた)


提督(しかし、結局真面目で優しいと思ってたC子にだって裏切られたから俺はやっぱり一人で生きていく)


提督(ぼっちを悪とし、友達が多く陽気なリア充を良しとする社会に俺は納得できない)


提督(おっと、いかんいかん。続きを読まないと)



~体育~



体育教員「まずは基本のパス練習からだな。よーしお前ら適当に二人組つくれー!」


提督(二人組、ね…)


提督(このクラスは30人。男子16女子14だ。従って男子は必ず余る奴がでないはずである)


提督(けれど)


A「B!一緒に組もうぜ!」


B「わりぃ!もうEと組んじゃった!」


A「なんだよ、組もうって約束してたじゃんかよ」


B「すまん!けど今回だけすまん!」


A「へへっ。まあいいよ。俺とお前の仲だし」


A「Fー!Gー!俺も混ぜてくれない?」


F、G「OK!OK!」


F「Aはまじでサッカーうまいからな~教えてくれよ!」


G「まじかよ!?ありがたいぜ!」


提督(というようにぼっちの俺を差し置いて余りが出ないはずなのに三人組をつくるバカがリア充である)


提督(たしかに俺は体育が苦手だ。だから相手からしたら組みたくないのはわかる。しかし体育教員からの指示は二人組だ)


提督(なら二人組を作るべきだろう)


提督(しかもAは事前にBと組む約束をしてたのに裏切られた。それを笑って許すなんて正気か?)


提督(約束を平気で裏切り笑って許す。こいつら何考えてんだ?)


提督(別に俺はリア充全てを悪としてるわけではない。ただ身の回りにボッチを理解してるやつなんていないからだ)


提督(なぜならボッチの気持ちはボッチにしかわからないからだ。だから珍しい心優しきリア充が俺のことを気にかけて話かけても結局は意味がない。俺とのつまらない会話でその場の雰囲気が悪化するだけだ)


提督(さて…パス練する相手がいないわけだが)


提督(この時二パターン存在する)


提督(一つは体育教員が声をかけてきて一緒に二人組をつくる場合、一つは俺がボッチなのを見て見ぬふりをする場合)


提督(今日の教員は後者だな。さてここで俺のターン)


提督(必殺!お腹痛いんでトイレ行ってきます。を発動!)


提督(そしてトイレに行くと見せかけて屋上へ行く)


提督「先生、お腹痛いんでトイレ行ってきます」


体育教員「おう。わかった。お前最近顔色悪いからな心配してたんだ。無理すんなよ」


提督「はい…」


提督(顔色悪いのはもとからだっつーの…。もう昔みたいにテレビ見ないし家帰ってもプラモデル作るか読書するかネットやるくらいだし)


提督(無理するな。と言われたからには無理するわけにはいかないし休ませてもらいますよ)



~卒業式~



B「おいAー!Fー!Gー!卒業パーティー行くぞーっ!」


C子「あたしら女子も一緒に行くよ」


B「お!まじ!?なんかもうみんなと会えなくなるなんて寂しいな」


A 「なーに言ってんだ!大学は違えど家は近いだろ!声かけてくれりゃすぐ遊びに行くぜ!」


B「そうか…そうだな!よっしゃあ!今日はパーティーだ!!!!」


男子・女子「おーっ!!!」


提督「…」


提督「帰ってアニメ観るか…」


提督「俺にはアニメがある!俺にはプラモがある!俺にはえるたそがいる!」スタスタ


提督「そして何より…」


提督「俺には帰宅部としてのプライドがある。中高六年間帰宅部のエースとして汗水垂らし、暑い日も寒い日も貫き続け帰宅したプライドがな!」


提督「今日で部活動ともお別れだ」


提督「最後の帰宅…ゆっくり帰ろう」


-----------------------




提督「俺は真面目だったけど成績は中間だったし特に行きたい大学もなかった」


提督「ただ…」


提督「やっぱりいつになっても零戦はかっこよかったし、俺の憧れでもあった」


提督「零戦を操縦すること。という夢はもっていたがそれは実現不可能な夢だと思ってたんだ」


提督「そんな夢叶うわけない。そんなのまさに小学生が言う、『ぼくヒーローになるー!』みたいなものだと思ってた」


提督「けどあの貼り紙を見つけたんだ…」


提督「搭乗員募集の貼り紙を!」


提督「すぐに志願した。担任には猛反対されたが親は俺の好きな様にさせてくれたから感謝してるよ」


提督「ここで当時の日本と深海棲艦の関係を説明する」


提督「俺がこの貼り紙を見つける数日前、日本近海で所属不明の謎の生物が出現した」


提督「これを『深海棲艦』と我々は名付けた」


提督「彼らは艦載機と思われる物を次々と送り出し、本土の一部を空襲していった」


提督「当然日本としても自衛のために海上自衛隊が出撃したが、イージスレーダーにも反応はなく目視でしか確認できなかったそうだ」


提督「ようやく見つけた深海棲艦にありとあらゆる攻撃を仕掛けるも全て無傷。逆にこちら側が攻撃を受け、たった数隻しか本土に帰ってこない悲惨な結果となった」


提督「しかしこちらもどこから現れたのか人型でかつ大日本帝国の旧艦艇の名を名乗る少女が現れた」


提督「彼女らは唯一深海棲艦に対抗できる力を持つことが判明したため早急に日本はこの少女、『艦娘』と呼ばれる艦隊の編成を進めることになる」


提督「艦娘の艦隊といっても当時はまだ数隻しかいなかったんだ」


提督「その内の二人がお前の先輩だ、翔鶴」


翔鶴「先輩?」


翔鶴「…!?え!じゃあ赤城さんと加賀さんが…」


赤城「えっへん!」


加賀「そうです」


赤城「私たちも何故生まれたのか、何故深海棲艦に対抗できるのかわかりませんが」


加賀「かつての生まれ故郷を護れるのなら力になりたい」


提督「赤城と加賀の装備は旧艦艇の頃と同じ、現代のジェット機ではなくレシプロ機の零戦ニ一型、九七艦攻、九九艦爆」


提督「技術も性能も現代の方が圧倒的に上だが目の前の敵、深海棲艦を倒さない限り日本の未来はない」


提督「いくら現代の技術が上とはいえ攻撃が通らない以上、レシプロ機を使うしかない」


提督「そこで自衛隊は搭乗員の募集をしたわけだ」


提督「一応海自、空自、陸自でも募集は行われたんだがな…零戦に乗るということは圧倒的な力を保持する深海棲艦と戦うわけだ」


提督「つまり、『死』の確率が上がるわけだ。いや、死ににいくも同然だ」


提督「だからごく少数を移動させたがまだ募集定員の空きはあった」


提督「それで国民向けに募集を開始したというわけ」


提督「さっきも言ったが俺は連絡先にすぐさま電話し面接を行った」


提督「そこで初めてあの人と会った」


提督「俺の人生を大きく変えた人に…」



~面接会場~



少将「君が搭乗員志望の提督クンか。ご苦労さま。まぁ座って」


少将「それでこっちが」


栄「栄です。本日はよろしくお願いいたします」ペコリ


提督「いえ!こ、こここ、こちらこそお願いします!」ペコリ


栄「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ」ニコッ


提督「は、はぃぃ!」


提督(すごい…)


提督(ものすごく丁寧だし目が綺麗だ。きっととても良い性格の持ち主に違いない)


提督(世の中にはこんな人もいるのか)


提督(あれか?単に俺は高校時代の奴らに恵まれなかっただけ?)


提督(いかん!いかん!そんなことより今は質問に応えないと!」


栄「まず最初に、なぜあなたは搭乗員を志望したのですか?」


提督「は、はいぃぃ!」


提督「じ、自分は!」


提督「自分は昔、遊就館で初めて零戦を観ました。その時の零戦の綺麗な形、か力強さにとても魅力を感じました」


提督「それから零戦に関係する本を読み過去のパイロット達が書かれた戦記もよみました」


提督「そうしているうちに『自分も零戦でこの蒼い空を自由に飛んでみたい』そう思うようになり志願しました」


栄「零戦搭乗員になるというこては深海棲艦と戦うということですよ?死の可能性が高くなりますがその点はどう考えますか?」


栄「自分は零戦という存在を知らなければ間違いなく無気力に生き人生を終えるはずでした」


提督「しかし、零戦という存在が自分の心を奮い立たせたんです!」


提督「たしかに零戦に乗れば深海棲艦と戦わなければいけません。私もそう思いますが人生は一度きりです。夢を素直に追いかけ叶えたいと思う気持ちに偽りなどありません」


栄「なるほど。あなたの零戦に対する思い、よく伝わりました」


少将「私もだ。提督クン、実はこの搭乗員募集のポスターはな…全国の高校、大学全てに掲示させるようにしたんだ」


少将「しかし君しかこなかったよ。君もニュース等である程度知っていると思うが、もう一度本格的に戦えば我が艦隊は確実に滅び、艦隊が滅びれば日本も滅びる」


少将「それでもか?君はまだ若い。それでも君は零戦に乗りたいのか?」


提督「はいっ!たしかに自分はまだ未熟者ですが深海棲艦を倒さない限り未来も何もないと思います」


提督「自分の未来は自分で切り開きます。夢の零戦で。それで死んでも後悔はしません!!!」


提督(どうだ!?)


栄「…」チラッ


少将「…」チラッ


少将「…」コクッ


少将「はぁ~~~~…」


少将「まったく…普通の青年ならほぼ死ぬとわかっているなら来ないぞ」


少将「よし、提督クン、合格だ!」


少将「おめでとう!それでは後日筑波航空隊に来たまえ。そこでみっちり訓練だ!」


少将「君を死なせはせんぞ!」


少将「筑波には自衛隊からの転向組がいるので君の技量が低いのは当然である」


少将「しかし!先輩に負けないよう頑張りたまえ!」


少将「以上!」


提督(受かったのか…?俺は合格したのか…!?)


提督(夢の零戦に乗れるのか!?)


提督(ホント?ホントなのか?)


栄「提督さん、面接は終わりです。後日筑波でまた会いましょう」


栄(彼の目は死んでいたが零戦の話を始めた途端光を取り戻した…)


栄(彼の態度から察するに…)


提督「ひゃ!ひゃい!ありがとうございましたぁ!!!!!」



----------------------



提督「こんな感じで俺の零戦パイロットとしての夢の人生がスタートしたわけだ」


翔鶴「その栄さんという方は提督とどう関係するんですか?」


提督「まぁ慌てるな。今から話すから」



~飛行学生時代~



提督「この門をくぐればいよいよ俺も憧れの零戦パイロットとしての第一歩だ…」ドキドキ


提督「…」


提督「…」チラッ


『筑波航空隊』デデドン


提督「間違いない。筑波航空隊の看板だ」


提督「…」チラッ


『筑波航空隊』デデドン


提督「えへへへへ///」ニヤニヤ


?「おい、そこのお前何ニヤニヤしている」


提督「はっ!すいません!憧れの零戦パイロットとしての第一歩と考えると嬉しくいつのまにか…」


?「お前が噂の唯一の一般国民から選ばれたパイロットか」


提督「は、はい!そうです!自分はまだまだ初心者で何もわかりませんがよろしくお願いします!」


菅野「おう、よろしく。俺は菅野だ。海自から転向してきた」


菅野「んで、こっちが」


林「林です。私も初心者みたいなもんなのでお互い仲良くやりましょう」


提督「よ!よろしくお願いします!」


鴛淵「お!君が噂の新入りだな。俺は鴛淵っていうんだ。わからないことがあったらなんでも聞いてくれよ」


提督「はい!ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします」


?「たいちょー!」


菅野「おせーぞ米田!」


米田「すんません!遅れました」


米田「えーと…君は」


提督「はい!新入りの提督です!よろしくお願いします」


米田「あー!そうそう提督だ。射撃のことならなんでも聞いてくれよ」


?「さてそろそろ始めましょうか」


提督「あ…あなたは!」


提督「面接の時にいた栄さん?」


栄「栄です。提督君ようこそ我等が航空隊へ。来ていきなりで悪いですけど訓練に入ってもらいますね」


菅野「おいおい、今着いたばっかだぞ。一日くらい見学させてもいいんじゃねえか?」


栄「たしかに菅野さんの言うことももっともです。しかし現在は戦況が思わしくありません」


栄「少しでも早く一人前の搭乗員に育てあげなければいけません」


栄「安心してください。きっちりと休憩はとってもらいますから。飛行機に乗ると知らず知らずのうちに体力を消耗してるので休息は大切です」


菅野「まぁ、栄がそう言うなら任せる。そんじゃ俺たちは戻るな。頑張れよ新人!」スタスタ


提督「はい!ありがとうございました!」


栄「さて、飛行機は離陸に始まり着陸に終わります。従ってこの二つができないと空戦どころではありません」


栄「本当は私が前席、提督君が後席でお手本を体感してもらうのが一番良いのですが」


栄「文献や資料集を読んで飛行機の仕組みや計基盤の種類など理解してるとのことなのでいきなり一人でやってみます?」


提督「自分がやると飛行機を壊してしまいそうですが大丈夫ですか…?」


栄「安心してください。飛行機は旧式の九六艦戦を使用します。脚も丈夫で第一戦は退いてるので大丈夫です」


提督「あの…零戦は…駄目でしょうか?」


栄「うーん…たしか提督君は零戦に乗る為に来たんですものね。しかし零戦は新鋭機で数に限りがあり精一杯の運用なので、その…」


提督「なるほど…自分みたいな新入りが生意気な口きいてすいません。是非、九六艦戦でお願いします」


栄「いえいえ、こちらこそいきなり訓練させて申し訳ないです」


栄「では早速ですが離着陸訓練始めましょうか」


提督「はい!」


提督「エルロン、エレベーター、水ラダー、フラップ作動よし」


提督「エンジン作動」ブルルルル


提督「行きます!」


提督(九六艦戦はプロペラが左回転。つまり右のラダーペダルを踏んで調整しないと真っ直ぐ進まない)


提督「よし、軽く踏んで…!?」


提督「あれ?なんで左に逸れるんだ!?もっと力強く!?」


提督「今度は急に踏んでからバランスが!?まずい!木にぶつかる!」


提督「あああああああ!!!!!!!!」グワシャッ


提督「はぁはぁはぁ…飛行機の状態は…プロペラ破損、両翼切断、エレベーター破損か」


提督「すいません栄さん。やはり上手くできませんでした…」


栄「いえいえ、最初にしては上出来です。トルクのことも理解しているので後は実物の飛行機に乗って慣れることが大切です」


栄「それと、飛行機というのは精密機械と同じで非常にデリケートなのでもう少し慎重にラダー踏んでみると良いかもしれません」


提督「なるほど。ありがとうございます」


栄「ではもう一度やってみましょう」


提督「はい!」





長らくお待たせしました。提督過去編です。普段は翔鶴とイチャイチャ?してる提督が彼女と出会う前の物語です。文字だけではかなりわかりづらくて申し訳ないです。動画も作りましたのでご覧になっていただけると幸いです


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2021-01-13 23:54:47

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1: SS好きの名無しさん 2015-12-26 23:20:56 ID: -iiIFs22

おお!ついに過去編が!

2: SS好きの名無しさん 2015-12-27 21:18:11 ID: HoxOtNo1

まってました!

3: SS好きの名無しさん 2015-12-30 09:58:14 ID: D9E03SrW

イージスがあってミサイルもあるのに戦闘機は未だにレシプロなんだな
だとすれば、この世界では戦闘機の開発が遅れているということか?
それとも、ジェットをふかすと探知でもされるの?

4: SS好きの名無しさん 2016-04-04 03:12:17 ID: sk6toHZ3

更新まだかなー


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