村人「勇者になりたい」女神「いいよ」村人「えっ」
ふと呟いた一言が大事に
そんな妄想をこじらせて生まれました
魔王と勇者SSを書くのは初めての試み・・・
頑張ります
ペラッ
村人「そして勇者は魔族を滅ぼし、伝説となった、か」
村人「魔族を滅ぼす?そんなこと出来るわけねえよ・・・」
村娘「また勇者の伝説の本?飽きないね」
村人「暇つぶしになるからな。あと文字読めてもこれしか本が無いってのもある」
村娘「ね、今度私にも文字の読み方教えてよ」
村人「そう言われてもなぁ・・・ま、暇ができたらな」
村人(俺の親はここの村に最初からいた訳では無いらしい)
村人(元はどこにいたのかは知らないが、文字の読み書き、初歩的な魔法の技術、剣技、武道の心得)
村人(只の村人が知っているような物では無いけど・・・)
村娘「村人?どうしたの?」
村人「ん?いやなんでも」
村娘「うわの空も程々にしとかないと馬に蹴られるわよ」
村人「へいへい・・・」
〜夜〜
ホ-ホ-
ペラッ
村人「ん、ここページが引っ付いてたのか。気付かなかった」ベリベリッ
村人「ん?なんだこの紋様」ドレドレ
村人「えーっと・・・」
『我、汝と共にあり』
『汝傷つきし時、力を与えん』
村人「こんな魔法あったっけ・・・」
女神『いや、これ魔法じゃないわよ』
村人「なーんだそうなの・・・か?」
村人「え、誰?」
女神『ん?女神』
村人「夢?」
女神『ではないわね』
村人「え?俺勇者?」
女神『いや、ただの一兵卒と中級魔法使いの息子。モブ』
村人「なら何であんたが見えてんの?」
女神『あんたとはご挨拶ね。口利けなくしてあげようか?』
村人「ごめんなさい女神様」
女神『それでいいのよ』
女神『で、何で読めるか?の答えなんだけどね
』
女神『勇者の血筋、絶えてるの』
シ-ン
村人「えっ?」
女神『うん。もう子孫いない』
村人「ウッ、ソォ・・・」
女神『信じられないのも分かるけど残念ながら本当なのよねぇ』
女神『で、何でこれが読めるのかって質問の答えを詳しく説明すると』
女神『この本王国が作った勇者の冒険の書の原本』
女神『そして、教会が総力を挙げて女神の加護を授けた物』
女神『読んだ物に女神の加護をつけるのよ。例えば勇者の子孫であったり、あんたみたいなモブでも文字が読めれば付けられる』
村人「スケールがでか過ぎてよくわからん・・・」
村人「てか、まずなんで勇者の血筋が絶えてるんだ・・・ですか?」
女神『その質問に答えると、なぜ魔族が滅びていないのかって疑問も解けるわよ』
女神『魔法-過去幻視-』
・・・・
・・・
・・
・
勇者「っはぁ、はぁ」
魔王「ぐっ、我をここまで追い詰めるとはな・・・褒めてやろう勇者よ」
勇者「寝言は寝て言えよクズ。今息の根仕留めてやるから喉元こっちに出してみな?」ニヤリ
魔王「ふはははは!空元気もそこまでにしたらどうだ?」
魔王「もう足もロクに動かぬくらいボロボロだろう?」
勇者「まだまだ余裕だっての」ケッ
勇者(とか、空元気もここまでか・・・)
勇者(残りの精神力、体力から見て次が最後の攻撃になるだろう)
勇者(俺の全てを賭けて・・・奴を滅する!)
勇者「おぉぉぉぉぉぉ!」
勇者「くたばれ魔王!神雷斬りぃぃぃぃ!」ブォン
魔王「ぬぉぉぉぉぉあ!」バヂィッ!
ビッシャァァァァァァン!
勇者「・・・」
パキィン!
勇者「伝説の剣が・・・」
魔王「・・・」
勇者「化けもんだな、お前」ドサッ
魔王「ぬかせ・・・人間の癖に我を倒した貴様の方が人間ではないわ」
魔王「褒めて、つかわ、そう」ドサッ
シ-ン・・・・
村人「っ!」ハッ
村人「い、今のは?」
女神『今のは過去の記憶』
女神『私が貴方に見せてあげたのよ』
村人「・・・あの記憶の中だと魔王は死んでいる。なのに何故今魔族は出て来ているんです?」
女神『それはね』
女神『勇者の剣で奴を貫けなかったからよ』
村人「?どういう事ですか?」
女神『伝説の剣に魔王の力。そして魔族の統率を切る力があったのよ』
村人「それが折られたから。そして、魔王の止めを勇者が刺せなかったから」
女神『ご明察。そのせいで魔族は統率が取れたまま力を蓄えていたのよ』
村人「なんてこった・・・」
村人「俺が勇者ならそんな事しなかったのに」
村人(まずなれる訳ないけど。モブだし)
女神『じゃあ勇者になってくれる?』
村人「なれるもんならなりたいですよ」
女神『じゃ、なってよ』
村人「えっ」
女神『えいっ』ポウッ
ヒュ-ン
スポッ
村人「なんか体の中に・・・って」ムキッ
村人「ワォ・・・」
女神『よし!あなたはこれから勇者よ!』
村人→勇者「えぇ・・・」
女神『因みになんで先代の勇者が魔王を倒せなかったのかと言うと』
女神『伝説の剣が魔王の成長した分の力までは抑えきれなかったからなの』
勇者「それはつまり、昔の基準のままだったから上乗せされた分に耐えられなかったと」
女神『そゆこと。更に言うと勇者自身の力にも耐え切れなかったのよ』
勇者「伝説の剣って何なの・・・」
女神『悪く言えば過去の遺物。よく言えば由緒正しき物』
勇者「じゃあ俺はどうすればいいんですかね?伝説の剣無しではやっぱり封じる事は出来ないんでしょう?」
女神『まあ、そうね。新しく作ることになるんだけどそれには聖なる力が籠った石であるオリハルコンかアダマンタイト位は欲しいわね』
勇者「そこからか・・・」
女神『まぁ、モブ・・・じゃなくて、元モブなりに頑張って。それなりに応援してるわ』
勇者「なんか頑張りたくなくなる・・・」
女神『そりゃ大変ね』
勇者「他人事!?」
女神『冗談よ。さて、そろそろ出発しない?』
勇者「まあそうですね・・・親の置き土産であるこの鉄の剣と」ガシャッ
勇者「母さんが残した魔道書」ドサッ
勇者「剣は後ろに吊って」スルッ
勇者「魔道書は麻袋の中に入れて背負う」ヨイショ
勇者「あとはお金が戸棚の裏に・・・」ゴソゴソ
女神『取られるほど沢山あるわけでもないでしょう?』
勇者「・・・」ジャラッ
っ金貨10枚
女神『』
勇者「さ、準備完了、と」
女神『ま、まあいいわ・・・』
勇者「あれ親のへそくりですからね」
勇者「あ、あと少し動きやすい服とか出せないんですか?」
女神『私に何を求めてるのよ』
勇者「すみません」
女神『さ、あとは頑張ってね。困った時だけ勇者の伝説の本開いて呼び出して頂戴?』
勇者「わかりました。では」
シュウン
勇者「・・・なんか、色々とあり過ぎてつかれたなぁ」
勇者「まぁ、取り敢えず出発するか」ガチャッ
シ-ン
勇者「・・・静かだ。まるで何も他に生きている物が居ないように感じられるくらい」
タッタッタッ.....
〜朝〜
村娘「・・・んぅ」
村娘「朝ね。じゃあまずアイツを・・・」
村娘「あら?扉の前に置き手紙」ドレドレ
『ちょっくら旅に出てきます』
村娘「・・・」ビリビリ
ガチャッ
ドタバタ
ガチャッ
村娘→女弓士「よし」
タッタッタッ.......
〜昼、森の中〜
勇者「結構歩いたかな・・・」フウ
ガサッ
勇者「・・・何か居るな」スチャッ
ガサッガサガサッ!
大蝙蝠『ゲギャッ?』 バサッ
大蝙蝠『ゲゲゲゲ!』
勇者「いくら何でもお前にゃ負けねえよ」フォン
大/蝙/蝠『ゲ』『ギャ』『?』ドサドサッ
勇者「いや、冗談抜きで父さんが武道の知識を俺に伝えなかったら死んでたな」
勇者「とりあえずまた歩き出しますか・・・」スタスタスタ
・・・
女弓士「ハァ、ハァ」タッタッタッ
女弓士「あら?」
大/蝙/蝠『・・・』
女弓士「近いわね」タッタッタッ....
・・・
勇者「もう疲れたんだが」
勇者「そろそろ一旦飯にしy「追い付いた!」え?村娘!?」
女弓士「小さい頃から狩りと気を込める練習をしといて良かったわ」フフン
勇者「付いてくる気?」
女弓士「アンタ1人じゃぼーっとしてる間に財布取られたりする可能性があるからね」
勇者「・・・」スッ
女弓士「・・・?それ、村人がいつも読んでた勇者の伝説の本じゃない」
勇者『召喚:女神』
キィ-ン.......
女神『はいはい?女神ですよ?』
女弓士「」アゼン
女神『あら?その子・・・』
勇者「付いて来たいって言ってるんだけど、良いんですかね?」
女神『むしろ何でこの子が勇者にならなかったのか不思議なくらいね』
勇者「えぇ・・・」
女神『この子先祖がかなり高位・・・いや、かなりどころか最高位の魔導師ね』
勇者「」
女弓士「」
女弓士「あ、あの・・・女神様?」
女神『はぁい?どうしたの?』
女弓士「私、魔法どころか文字も読めませんが・・・」
女神『解呪:魔法文字』パチンッ
バシィッ!
女弓士「キャッ!」
女神『これでよし♪勇者、魔道書を女弓士に見せてみなさい』
勇者「は、はぁ・・・」っ魔導書
ペラ、ペラ
女弓士「・・・」
女弓士『初級:氷結魔法』パキパキパキッ
凍った大木<凍らされちまったよ・・・真っ白にな
勇者「」アングリ
女弓士「やった♪」
女神『お、思った以上の結果ね・・・』
女弓士→女魔導師「ついて行っていいんですよね?女神様」
女神様『ええ、いいわよ。それと.....』
『あの子の事好きなら注意しなさい。女癖悪いと思うから』ボソッ
女魔導師「うぇっ!?は、はい」コソコソ
勇者「俺の・・・俺の立場って・・・」
~魔王城~
側近「魔王様~」トントン
シ-ン
側近「・・・」ガチャッ
魔王「ちょ、何で開けんの!?今いい所なのに!」
側近「何してるんですか・・・」
魔王「いや、暇潰しに軍動かして人間の国の中で1番兵隊が強いって言われてる所と戦わせようと」
側近「軍の私物化は止めてくださいと何度も言ってるでしょうに」
魔王「いいじゃん勇者も来ないんだからさぁ!」
側近「その事で来たんですよ魔王様」ポンッ
側近「勇者復活しました」
魔王「ほんとに?」
側近「ええ」
魔王「そっか・・・(イケメンだったらいいなぁ)」ポワワ-ン
側近(絶対余計な事考えてるな・・・)
~田舎町~
勇者「!?」ゾクッ
女魔導師「どったの勇者?」
勇者「いや、なんか何処からともなくモブは帰れって言われた様な気がした」
~魔王城~
側近「魔王様ってなんか子供っぽいですよね」
魔王「子供扱いしないでよー!私これでも120歳だからね!?」ペタ-ン
側近「はいはい、わかってますよ・・・」ナデナデ
魔王「ほわぁ・・・♪って、頭撫でるなぁ!」
側近「魔王様が可愛すぎてつい」
魔王「もうっ!」プンプン
側近「あー可愛いまじこの魔王様やばい一生仕えたい」
魔王「ん?何か言った?」キョトン
側近「いえ、何も」
側近「ところで魔王様?」
魔王「ん?何?」ゴソゴソ
側近「何をしておられるので?」
魔王「外に出る準備だけど・・・」ソレガ?
側近「まさかとは思いますけど勇者の所に行ったりしないですよね?」
魔王「ギクッ」
側近「駄目ですよ?」
魔王「で、でもイケメンか見たi「だ、め、で、す、よ?」うぅ・・・」
魔王「それでも行くもんね!じゃ!」ガシャ-ン!
側近「窓から外に!?・・・やられた」
側近「まだ見ぬ勇者よ・・・ご愁傷様、ですね」
~田舎町~
勇者「うおぉっ」ゾクゾクゾクッ
女魔導師「さっきから震えてるけど、風邪?」
勇者「なんか果てしなく嫌な予感がする・・・明日死ぬとかそういう系の」
女魔導師「ちょっ、やめてよねそういうの。本当にそんなのになったらどうしてくれんのよ」
勇者「ならないといいけど、な」
女魔導師「それより村人、じゃなくて勇者」
勇者「なんだよ」
女魔導師「宿取らない?んで部屋で女神様とこれからの事を話しましょうよ」
勇者「ん、それもそうだな・・・行くか」
タッタッタッ......
ヒュ-ンッ
「さーて着いたっと♪」
魔王「勇者はどこにいるのかな?」ニタァッ
~宿屋~
勇者「ふう、やっと一息つける」ボスッ
女魔導師「いや一息つくのはいいんだけど」
ダブルサイズベッド<布団は一つ、枕は二つ
女魔導師「どゆこと?」
勇者「こっちのが安かったから」
女魔導師「あぁ・・・って納得出来ると思う?」ビキィ
勇者「あぁ待って痛い痛い痛い痛い!顔掴んで持ち上げるとか人間業じゃないから待って死ぬ死ぬ死ぬ!」
女魔導師「全く・・・。まあいいわ、女神様呼び出しましょ?」
勇者「しゃあねぇなぁ・・・」ドサッ
『召喚:めg「見つけた♪」
ガタッ
勇者「は?」
女魔導師「えっ?」
魔王「窓からこんにちは♪魔王だよ♪」ニタァ
勇者「あぁ、まあそうだわな」
勇者「強くなるの待って戦うとか馬鹿がすることだもんな」
勇者「勇者に一瞬でもなれて良かったなぁ・・・」シミジミ
女魔導師「何諦めてんのよ・・・」
魔王「・・・」ワナワナ
勇者「ま、魔王?何故震えてる?」
魔王「イケメンじゃ、ない」
魔王「ただのモブみたいな顔とか興味無い。帰る」ガタッ
フォンッ
シ-ン......
女魔導師「助かった、の?」
勇者「助かっても嬉しくねえよ・・・」
勇者「モブみたいな顔て・・・そりゃ数日前までモブだったけどさ」
女魔導師「ゆ、勇者落ち込まないで?ね?」サスリサスリ
勇者「うう・・・とりあえず女神様に話を聞こう」
『召喚:女神』
キィン
女神『はいはーい、女神様ですよ・・・って、何この澱んだ空気。まるで魔界みたい』
勇者「その魔界の主が今さっきまでここにいたんですよ」
女神『はい?』
勇者「俺のこと見つけたとか言ったと思ったらイケメンじゃないって一蹴して消えていきました」
女神『ごめん、ちょっと何を言っているのか分からないのだけれど?』
女魔導師「でもほんとにそうなんです・・・」
女神『ふむ・・・もしかすると魔王にもなにか変化があるのかもしれないわね』
勇者「と、言うと?」
女神『あなた自体かなりの変わり者だと自覚しているでしょう?』
勇者「まぁ、そりゃ数日前までただの村人でしたし」
女神『ええ。魔王はそれとは別そうだけど、前までの魔王と違って人間を滅ぼす、と言うのが主目的じゃないのかも知れないわ』
勇者「でも人間の事襲ってますよね?」
女神『イケメンじゃないから戦う価値もないって決めるくらいだし、暇だから軍をけしかけたとかそんな所じゃない?あと下等な魔物は指示とか聞かずに勝手に動くみたいだし』
勇者「えぇ・・・」
~魔界~
魔王「へっくし!」
魔王「うぅ、風邪ひいたかなぁ・・・」ズズッ
魔王「それか噂でもされてるのかな?もし噂ならイケメンにされてると嬉しいな!」
魔王「っと、そんな独り言は止めて・・・」
ドラゴン『・・・』
サイクロプス『・・・』
ケンタウロス『馬鹿、な』ズシャッ
魔王「お城帰んないと・・・」スタスタ
ケンタウロス『強過ぎる・・・。前魔王でも手を出せなかった我々をこうも簡単にだと?』
魔王「ん?」ピタッ
魔王「違うよ?」クルッ
魔王「お父様が貴方達を殺さなかったのは、めんどくさかっただけ」
魔王「弱い犬程よく吠えるって言うよね~!」ニコッ
ケンタウロス『・・・糞』ドサッ
魔王「さ、帰ろ帰ろ~」ヒュンッ
〜宿屋〜
勇者「・・・どうすりゃいいんだか」
女魔導師「そんな考えなんだったら魔族の中でも対立してる奴がいるかも知れない。探すのも悪くないと思うわ」
勇者「女魔導師賢いな・・・」
女魔導師「でしょ」ドヤ
女神『んー・・・候補は空の王者ドラゴン、一つ目の巨鬼サイクロプス、誇り高きケンタウロスかしら』
女神『あいつら強いわよ〜。しかも自分の意思に従って行動するから芯もある』
女神『前魔王の時も気が乗らないってだけで退けてたからね』
勇者「まじか・・・ならその三種族の情報を集めながら魔界に向かうってのが取り敢えずの目標ですね」
女神『ええ、それでいいと思うわ』
〜魔界〜
ヒュオオオオ......
魔王「あんな嘘ついちゃったけど大丈夫かなぁ?」
魔王「お父様よりわたしのがずーーーーーーっと強いんだから、あいつらが勝てないのは当たり前なのに適当な事言っちゃったよ」
魔王「ま、死にかけの奴らに気を使う必要なんてないか!早く帰って側近に謝らないとね」シュン
頑張ってくださいm(_ _)m
matuさん
頑張ります!
伝説の剣ではなく 伝説の剣のレプリカなのかな?
matuさん
いやぁ本物だと思いますよ?多分(小声)
伝説の剣は更新制で、冒険の書はたまに聞こえる天のアレを召喚する道具...
世界観しっかりしてますね(畏怖)
細やかながら応援しております
jap pepperさん
応援ありがとうございます!
やっぱ勇者と魔王SSはしっかり設定考えないと矛盾とかでそうですし.....
勇者・・・
もう女魔道士だけでよくない?