いろは「私と先輩の」八幡「不思議な恋物語」
いろは「家族旅行?」シリーズの番外編です。オリキャラ注意です。
今更な感じですが番外編書いてみました!
前から考えてたネタなんですがなかなかうまく書けなくて…
というのも今回はちょっと非現実的な設定から始まります
日常系とは少し違いますが少しでも楽しめていただけたら嬉しいです
↑いろは「家族旅行?」
第1章的なものです。他に続編が3つほどあるんですがとりあえずこちらを読んでいただかないとこの作品はわけわからないです
〜ある日の夜〜
八幡「ふぁ〜…そろそろ寝るか」
いろは「そうですね。さとは〜。おとは〜。あなたたちもそろそろ寝なさいよ〜」
おとは「あ、ママみっけ!」
さとは「お父さんほとんど顔ブレてるね…」
いろは「なにやってるの?…ってそれ…」
おとは「パパとママの高校時代のアルバムだよ〜」
八幡「んなもんどこで見つけてきたんだよ…恥ずかしいからやめてくれ」
いろは「懐かしいですね〜。あ、ほら。あなたすごく若いですよ」
八幡「お前まで。そんなのいいから寝ようぜ」
おとは「ねえねえ!」
いろは「なに?」
おとは「パパとママはいつから付き合い始めたの?」
いろは・八幡「「えっ…」」
八幡「な、なんでそんなこと聞くんだよ」
おとは「いや〜やっぱ気になるじゃん!ね?お姉ちゃん」
さとは「え、いや………まあ……うん」
八幡「さとはまで…」
いろは「えっと……確かパパが3年生なりたてぐらいの頃だったわね」
八幡「そしてお前はすんなり言うのな。てかよく覚えてんな」
いろは「あなた…忘れてたんですか…?」ギロ
八幡「す、すまん…」
おとは「へ〜。どっちから!?どっちから告白したの!?」
八幡「なんで娘にそんなこと言わなきゃいけないんだ。もう勘弁してくれ」
おとは「え〜。いいじゃんか〜」
いろは「そりゃあもう…パパから情熱的な愛の言葉をもらったわ。そして私を優しく抱きしめたのよ」ドヤ
おとは「おお!さっすがパパ!やるときはやるね!」
八幡「よく思い出せんが絶対話盛ってるだろそれは…」
さとは「お父さんの愛の言葉…なんかキモそうだね」
八幡「おいこら」
おとは「ママがパパと付き合おうと思ったきっかけってなんなの?」
八幡「はぁ……なんかもう完全に恋バナ始まってんだけど」
いろは「それはね〜……………あれ?」
いろは「…………」
いろは「な、なんだったかしら…」
さとは「そこは覚えてないんだね」
いろは「おかしいわね…」
八幡「20年以上も前の話だしな。忘れることもあるだろ」
いろは「……」
八幡「…どうした?」
いろは「私達…いつからお互いを意識するようになりましたっけ…」
八幡「いや…わかんねえよ」
いろは「…ん〜。そういえばあの頃、私達って喧嘩してた…わけじゃなかったけど…なんか仲悪かったこともありませんでしたっけ?」
おとは「え?仲悪かったの?パパとママが?」
八幡「………」
八幡「(俺だって少しはあの頃のことは覚えてる。高3になって少し経つ日のこと)」
八幡「(そういえばなんかいろはと微妙な空気が続いたことがあったような…なんでだったかな………)」
いろは「いやだけどすぐに仲良くなったはずよ。それで告白されて…」
いろは「というかなんで仲直りできたんでしたっけ?」
八幡「………思い出せんな」
さとは「これは2人とも歳だね。ボケが始まってるね」
いろは「年寄り扱いしないでちょうだい」
いろは「それにしても…なんか怖いほどスッポリ一部分だけ記憶が抜けた感じだわ……」
八幡「……(確かにな)」
いろは「本当にボケちゃったのかしら…」
八幡「…まあそのうち思い出すだろ。もう寝ようぜ。明日も早いし」
いろは「え、ええ。そうですね。あーもう。気になって寝れそうにありませんよ〜」
八幡「布団かぶって目閉じてればいつか寝れるわ」
いろは「むぅ…。2人も早く寝るのよ」
おとは「おやすみ〜」
さとは「おやすみ」
いろは「ん〜……」
八幡「もう諦めろって…」
…
…
…
おとは「もうちょっと話聞きたかったんだけどな〜」
さとは「私たちも寝よっか」
おとは「そうだね〜」ペラ
さとは「そうだね言いながらページめくってるし…」
おとは「もうちょっとだけ!」
さとは「はあ…じゃあ私は先に寝るよ」
おとは「うん。おやす……んん?」
さとは「…どうかしたの?」
おとは「なんかこの写真…変じゃない?」
さとは「……ただのお母さんとお父さんのツーショットでしょ?」
おとは「なんか…位置の…間隔?違和感ない?なにこの空間」
その写真はお父さんとお母さん2人で並んで撮られた写真だった
普通のツーショット写真…
………いや………………確かにおかしい
2人が並んでいるのを撮影した写真のはずだが
その2人の間にぽっかりと空間があるのだ。けっこう大きな。
ちょうど………人間2人分ぐらいの
なんでこんなに間隔あけて撮ったんだろう?特に撮影の邪魔になる物は見当たらないし。仲が悪かったとか?いやでも2人とも笑顔だし
笑顔………
おかしいのは違和感ある空間だけじゃなかった
2人の視線………カメラ目線でもお互い目を合わせてるわけでもない
2人はその空いたなにもない空間を見て笑っていた
さとは「…」
おとは「この写真…いったいなんなんだろ…………
おとは「って、うわっ!?!?!?」
さとは「どうし……!?!?」
コォオオオオ
おとは「ひ、光ってる!なんかしゃ、写真が光ってる!!」
さとは「な、なにこれ」
おとは「どゆこと!?どどどどうすれば」
さとは「お、落ち着いて…!お父さんたちを…」
おとは「パパー!ママー!写真が…
コォオオオオオオオオオオオオッ!!!
おとは「うっ…ま、まぶし…」
さとは「なん…」
ーーーーそして私達は、謎の光に包まれた
………………………
………………
…………
………
…
さとは「…(( _ _ ))..zzzZZ」
さとは「……」
??「比企谷さん!比企谷さーん!起きて!次、移動授業だよ!」
さとは「んあ……あー。うん…」
さとは「ふあ〜…」
??「寝すぎだよ〜比企谷さん」
さとは「ごめん………ん?」
??「どうしたの?」
さとは「あなた……誰?」
??「ええ!?同じクラスじゃん!って比企谷さん寝ぼけてるでしょ!」
さとは「ご、ごめん」
さとは「(私が覚えてないだけ?確かにクラス全員の顔はあやふやだけど……でも本当にまったく見たことないような…)」
??「もう!じゃあ私先に行ってるよ!」タタタ
さとは「あ、うん」
さとは「…ふう。私も移動しよ」
さとは「………あれ?………」
さとは「ここ………どこ?」
さとは「(いやいやいや何言ってるの。教室…だよね?私の)」
さとは「(でもなんだろ…この違和感。なにか違うような…)」
さとは「(………ん?てかなんで私は今学校にいるの?あれ?確か家で…寝てたよね…寝てたっけ?)」
さとは「(朝…起きて…学校に来て…また寝たの?まったく記憶にないよ…)」
さとは「あっ、早く移動しなきゃ」
さとは「(ま、いいや)」
…
…
…
キーンコーンカーンコーン♫
先生「よし、じゃあ今日はここまで〜。あー腹へったわ〜」
女生徒「先生〜今日も愛妻弁当ですか〜?」
女生徒2「ラッブラブ〜♫」
先生「ふっふっふ。やらんからなお前らには」
さとは「………」
さとは「………誰あの先生……」
さとは「(よく周りを見たら…あの人も…あの人も…)」
さとは「(誰1人見たことない…)」
さとは「そうだ…」
さとは「あの」
??「ん?どうかした?比企谷さん」
さとは「えっと…本牧さんは?」
??「本牧…さん?誰?」
さとは「えっ…だから、同じクラスの本牧沙代子さん。私の隣の席の…」
??「そんな名前の人うちのクラスにいたっけ?てか…」
??「比企谷さんの隣の席は私じゃん!」
さとは「…」
さとは「ご、ごめん。ちょっといろいろ勘違いしてたみたい…です」
??「はははっ。変な比企谷さん!じゃあ私、購買行くから!」
さとは「…」
さとは「(どういうことこれ…)」
さとは「(わけわかんないよ…怖いんだけど…)」
さとは「私は……ここは……どこ?」
??「あー!!見つけた!お姉ちゃん!」
さとは「っ!」
さとは「………おとは?」
…
…
…
おとは「やっと見つけたよ…」ハアハア
さとは「おとは…あ、あのさ」
おとは「どうなってるのお姉ちゃん!ここどこ!?なんかクラスメイト全員見たことないし!私が知ってる人を誰に聞いても知らないって言われるし!」
おとは「わけわかんないよー!」
さとは「お、落ち着いておとは」
おとは「それにこれ!」バッ
さとは「カレンダー…?」
おとは「教室のカレンダーだよ!」
さとは「ダメだよ、教室のカレンダー勝手に取っちゃ」
おとは「そんなことはどうでもいいの!!ほら、年をよく見て!年を!」
さとは「よく見て言われても…」
さとは「……あれ?」
おとは「ね?」
さとは「なに…これ?すごい古いね。えっと…20年ぐらい前の?」
おとは「そう!よく見たらめちゃくちゃ古いし!んで聞いてみたら…」
先生「何言ってるんだ?今は〇〇〇〇年だろ?〇〇〇〇年って比企谷…どんだけ先の未来だよそれ。新手のギャグか?」
おとは「意味わかんないよ!!!!」ズイ
さとは「ち、近い。顔近いよ。一旦落ち着こう。一旦」
…
…
…
さとは「いくよ、おとは」
おとは「う、うん」
さとは「ていっ」デコピン
おとは「あだぁ!?」
さとは「…」
おとは「痛いです…(涙目)」オデコ サスサス
さとは「はぁ…夢じゃないか……」
さとは「………」
おとは「………」
さとは「いろいろ考えてはみたものの…」
おとは「やっぱりこれしかない…よね…」
おとは「こんなこと本当にありえるのかな…?」
おとは「過去にタイムスリップするなんて」
2人で学校を歩き回り探索してハッキリとわかったがやっぱりここは総武高校であって私たちが知る総武高校ではなかった
とにかくなにもかもが古い。知ってるものがあってもどこか違ったり。私たちの時代ではあるはずの建物がなかったりもした
それと、おとはの学年なのだが
2年生になっていた
今ここでは私と同学年になっているみたいだ
クラスは違ったけど
今の状況を2人でまとめて
また、おとはの持ってきたカレンダーに視線をうつす
もういろいろとおかしいし、なぜこうなったのかも、どうやったのかもわかんないけど
過去にタイムスリップした。およそ20年ちょっと前ぐらいに
わけがわからなすぎて若干現実逃避ぎみだか
とりあえずこの結論に辿り着いた
おとは「い、いやいや…アニメじゃないんだから」
さとは「でもそれなら一応、今の状況も理解できるよ」
おとは「ド、ドッキリでした〜とかは!?」
さとは「どんな大規模なドッキリなのさ…。学校にいる人全員、私たちの知らない人だし。私たちの時代にあるはずの建物がなかったりもしてるんだから」
おとは「そ、そうだよね…」
おとは「…」
さとは「…」
おとは「私たち…昨日は普通に過ごしてたはずなのに…なんでこんなことに…」
さとは「おとはも学校で目が覚めたんだよね?」
おとは「うん…。学校で居眠りなんかしたことないのに…」
さとは「2人して昨日の夜の記憶がないのも気になるね」
おとは「そうなんだよね〜。普通に家の布団で寝てた…と思うんだけど…」
さとは「はぁ…本当に…夢であってほしいよ…」
おとは「どうしよっかお姉ちゃん。これから」
さとは「過去の世界に来ちゃったなら……元の、私たちの時代に帰る方法を探すしかないでしょ」
おとは「どうやって?」
さとは「それは……気合いで」
おとは「はぁ…また寝たら全部元どおりとかないかなあ…」
さとは「それはないね。私さっきの授業で試しに爆睡してみたけど変わらなかったし」
おとは「試しにってお姉ちゃん眠たかっただけでしょそれ…」
先生「おい、お前たち。なにやってるんだ」
さとは「っ!」ビク
おとは「あ、えっと、先生!…ですよね?」
先生「ですよね?じゃないだろ。どっからどう見ても先生じゃないか」
先生「それよりお前たち。なんでまだ教室にいるんだ。次の時間は全校集会だから生徒は体育館に集合だと言っただろう」
おとは「そ、そうでしたね!すみません!すぐ行きます!お姉ちゃん行こ!」
さとは「う、うん」
先生「急げよ〜だけど廊下は走るなよ〜」
おとは「また後で考えよっか…」
さとは「そうだね…」
………………………
………………
…………
………
…
ー 体育館 ー
先生「〜〜。以上です」
司会「先生、ありがとうございました」
おとは「(やっと終わった〜)」
??「比企谷さーん。そろそろ終わるよ〜」ボソボソ
さとは「んぁっ……ねむい…」
司会「最後に5月の催し物について………」
おとは「(ええ〜まだあるの〜…)」
さとは「2度寝しよ…」
司会「生徒会長の一色いろはさん。お願いします」
おとは「えっ!?」
さとは「えっ…」
いろは「こんにちわ!新1年生のみなさんは初めましてですね。総武高校2年、生徒会長の一色いろはと言います。まだまだ生徒会長として未熟者の私ですがどうぞよろしくお願いします!……さて、5月の催し物についてですが今年は………〜」
おとは「そんな…あれは………」
さとは「………そうか…そうだよね」
さっきおとはに見せられたカレンダーの年
ちゃんと計算すれば確かにそうだ
本当に過去に来たなら
今いるこの時代の総武高校には私たちがよく知る人たちが、私たち姉妹にとって大切な人たちがいてもおかしくない…
さとは「ここは高校生だったお父さんとお母さんの時代なんだ……」
…
…
…
おとは「お姉ちゃん!」
さとは「おとは」
おとは「あれ…ママだよね…一色って確かママの旧姓だし」
さとは「前にお父さんたちの卒業アルバムで見た若いお母さんそのままだったね」
おとは「ほ、本当に過去の世界に来ちゃったんだね…私たち…しかもママたちの時代に…」
さとは「お母さん2年生らしいからここでは私たちと同じ学年ってことになるね」
おとは「じ、実の母親と同学年……もうわけわかんないよ〜…」
さとは「結局…なにもわからないままだね…」
おとは「本当になんで私たちタイムスリップなんかしたんだろうね〜」
さとは「何か…この時代でやらなくちゃいけないことがあるとか?」
おとは「え?」
さとは「なんの理由なしに過去に飛ばされたなんて考えたくないからさ。アニメや漫画ならなにか目的を果たすためにタイムスリップするみたいな話あるよね」
おとは「本当に非現実的だね…だとして何すればいいのかな…」
さとは「それは…わかんないけど」
おとは「…」
さとは「…」
おとは「……っ……」ブル
さとは「…おとは?どうかしたの?」
おとは「あ…ごめん。なんかさ…今更だけど…」
おとは「怖くなってきちゃった…タイムスリップとか…意味わかんないし…どうやったら帰れるのかわかんないし…」
さとは「おとは……」
おとは「…」
おとは「よし!とりあえずパパに会いに行こう!」
さとは「え?」
おとは「ママがいたんだからきっとパパもいるでしょ?」
さとは「そ、それはそうだろうけど…なんでお父さんに会うことになるのさ」
おとは「困った時はパパだよ!!パパはいつも私が怖がってる時に助けてくれるし!」
さとは「いやいや…あのねそもそも…」
おとは「えっと…ママが2年生だから…パパは今3年生ってことだよね。よし!3年の教室にレッツゴー!」ダッ
さとは「ちょっ。待っておとは!」
さとは「なんか嫌な予感がする……あの子わかってるのかな?わかってるよね?」
…
…
…
〜休憩時間〜
八幡「………ねっむ…」
戸塚「もう八幡は。さっき体育館でも寝てたのにまだ眠たいの?」
八幡「いや、今、戸塚の顔が見れたから目が覚めたわ。さすが俺の天使だな」
戸塚「な、何言ってるのさ…天使はやめてよ…///」
沙希「あんたホントそういうのやめたら?本気でキモいよ?」
八幡「うるせえブラコン。事実を言ったまでだ」
沙希「あ?なに喧嘩売ってんの?シスコン」
葉山「いろはも本当に生徒会長らしくなったな」
戸部「べっー!わかるわかる!それわかるよ隼人くぅーん!」
三浦「あんた寝てたでしょーが」
結衣「いろはちゃんももう2年生だからね」
海老名「私達はとうとう3年生になっちゃったね〜」
戸部「なんかあんまり3年になった感じしないわ〜」
葉山「クラス替えがなかったからじゃないかな」
戸部「それそれそれそれあるわ〜!」
優美子「別にいいでしょ。なくて」
戸部「えーなんかワクワクするくねー?クラス替え!」
海老名「でもクラス替えしたらみんな離れ離れになって簡単には集まれなくなったりしてたかもよ?」
戸部「ああ…それは嫌だわ〜」
海老名「優美子もそれが嫌なんでしょ?」ニコ
優美子「ま、まあ…///(なにより隼人と同じクラスじゃないと嫌だし…)」
葉山「結衣もよかったな。また比企谷と同じクラスで」
結衣「なっ、なんでヒッキーが出てくるし!///」
結衣「(ま、まあ確かに…嬉しいけど…///)」
結衣「(ヒッキーもそう思ってくれたりしてるのかな…?)」チラ
ドア ガララ…
平塚「比企谷いるか〜」
戸塚「あ、先生だ」
沙希「あんた今度は何したの?」
八幡「今度はってなんだよ。何もしてねえよ」
平塚「おお、いたいた」
八幡「…なんすか」
平塚「あ〜……そのだな……少し聞きたいのだが…」
八幡「?」
平塚「君には妹がいたよな?」
八幡「いますよ。てか会ったことあるでしょう」
平塚「……2人いたりしないか?」
八幡「はい?いや…妹は小町だけですけど」
平塚「ふむ…」
八幡「なんなんですか」
平塚「ああ、君にお客さんだ。2年生の女子だ」
八幡「え…なんでですか。2年に知り合いなんていませんよ。しかも女子とか」
沙希「あんたが知らない内に何かやらかして訴えに来たとかじゃないの?」
戸塚「そ、それはないと思うけど」
八幡「それならありえるかもな…女子と目が合っただけで警察呼ばれたことあるし…今度は裁判沙汰か…」
戸塚「八幡…」
平塚「えっと…入ってきていいぞ」
おとは「やっと見つけたー!!!!絶対そうだ!」
ザワ…ザワ…
「なんだなんだ?」
「2年生だ」
「なにを見つけたって?」
「てかあの子かなり可愛いくね?」
八幡「(…た、確かに可愛い子だな。でもどことなく誰かに…。いやそれより俺この子になにやらかしちまったんだ…)」
ダダダダダダダダッ!
沙希「すごいこっち走ってきてるんだけど」
八幡「ああ…これは殴られますね俺」
戸塚「ええ!?逃げて八幡!」
八幡「(たぶん逃げても仕方ないな。とりあえず殴られる前に全力で謝ってみよう)」
八幡「ごめんなさ…
おとは「パパ〜!!!!!!!」ダキ〜
八幡「」
周り「……………」
おとは「〜♫」
沙希「パ…」
戸塚「パ…」
結衣「パ…パパパパパ…」
周り「「「「「…パパ!?!?!?…」」」」」
八幡「………………へ?」
おとは「ん〜!ちょっと背が小さいけどこの抱き心地はまさしくパパ!」ギュウギュウ
八幡「あ、え、ちょ、え、な、なに」
ザワザワ…
「パパ!?パパって言ったよあの2年!」
「え、どういうこと!?」
沙希「」
戸塚「あれ!?川崎さん!?息してる!?」
結衣「パパパパパパパパパパーパパーパッパー!」
優美子「結衣!?どうしたし!しっかりしろし!」
平塚「ひ、比企谷……」
八幡「ちょ、引かないで!俺にもわけがわからな…」
おとは「パパ〜♫」ギュウ
八幡「あ、あの、離れてくれ…離れてくださいお願いしますから」
おとは「え〜」
八幡「え〜ではなくて、てかなんで抱きついて…」
おとは「パパだからだよ!」
平塚「比企谷。職員室に来なさい」
八幡「待って!待ってください!おい!本当に勘弁してくれ!てか誰なんだよ一体」
おとは「誰って私はパパのむす…
チョップ ドスッ!
おとは「いっだぁあ!!!」
おとは「痛いよお姉ちゃん!」
八幡「(うわあ…よくわからんがまた人が増……………………)」
八幡「………っ………」
さとは「やっと見つけたよ…おとは」
八幡「……」
周り「……………」
この時、俺も含め誰もが彼女を見て息を呑んだ
一目見るだけで誰もがこう思っただろう
「なんて綺麗なんだ」と
「あれ2年生?ヤバくね?」
「あんな可愛い子うちの学校にいたっけ?」
「綺麗な子……」
「「「でも………」」」
そして誰もが疑問に思っただろう
なぜ彼女はこんなに美人なのに…
おとは「ほら!タンコブできちゃったじゃん!」
さとは「はぁ…まったく…」ドンヨリ
なぜあんなに目が腐りかけてるのか……と。
結衣「………ヒッキー……?…」
優美子「どうしたん結衣?てかいつ正気に戻ったし」
結衣「あ、いや、なんでもないよ」
結衣「(あの子が一瞬…ヒッキーに見えた…)」
さとは「(え…なんか周りにすっごい見られてる?怖いんだけど…)」
さとは「それより、おとは…」
さとは「いい加減離れなさい」グイ
おとは「わっとと!」
八幡「(や、やっと解放された…)」
さとは「失礼しました」ペコ
さとは「行くよ」
おとは「え、そんな、あ、パパ〜〜〜」
戸塚「行っちゃったね…」
八幡「………」
戸塚「八幡?どうかしたの?」
八幡「あ、いや…」
八幡「(なんなんだあの2人……わけがわからん………けど……)」
八幡「(なんでか……他人には思えない……)」
八幡「ってそれより…」
ザワザワ…
ヒソヒソ…
平塚「比企谷。詳しい話を聞かせてもらおうか」
八幡「はぁ…なんでこんなとこに…」
…
…
…
さとは「ばかもの」ドス
おとは「あだぁああああっ!タンコブ!タンコブ狙ったでしょ!」
さとは「なんであんなことしたの」
おとは「パパに会いたくて…でもパパ全然私のこと…」
さとは「当たり前でしょ。過去なんだから。私たち産まれてるわけないでしょ。だからお父さんたちが私たちのこと知るわけないでしょ」
おとは「あ、そっか」
さとは「まさか…本当にわかってなかったの…?」
おとは「えへへ…ごめん。ちょっと混乱してたかも……その…今の状況が怖ったから…でもパパならなんとかしてくれるんじゃないか…って…」
さとは「……まあでもおかげでわかったよ」
おとは「え?なにが?」
さとは「少なくともお父さんは私たちのようにタイムスリップはしてないってことが」
おとは「おお!なるほど!」
さとは「もしかしたら私たちの他にもタイムスリップしてる人がいるんじゃないか…って思ったんだけどね…」
おとは「それじゃあママにも会ってみようよ!」
さとは「おとは…もうわかってると思うけど…」
おとは「だ、大丈夫だよ。わかってるよ」
さとは「いきなり見知らぬ人にパパやらママやら言われたらあっちからしたら完全に危ない人にしか見えないからね」
おとは「気をつけるよ!会うのは放課後にする?」
さとは「そうだね」
…
…
…
キーンコーンカーンコーン
ー 放課後 ー
??「一色さんなら生徒会室だと思うよ。なんか会議があるとか言ってたから今は難しいかもね〜」
おとは「そっか〜ありがと!」
??「うん!じゃあまたね!おとはちゃん!」
おとは「またね〜」
??「比企谷またな〜」
??「今度遊ぼうぜ〜」
おとは「う〜ん、考えとくね♫」
おとは「〇〇君と〇〇君まったね〜」フリフリ
??「やっぱ可愛いよな…比企谷」ボソボソ
??「だよな!俺マジで狙ってみようかな」ボソボソ
さとは「……」
さとは「拝啓、お父さんお母さん。妹はいつの時代でもビッチだったよ」
おとは「ビッチじゃないし!」
さとは「いつ仲良くなったのさ。早すぎでしょ」
おとは「別に普通だと思うけどな~」
さとは「どうせそのあざとさで男子を釣ったんでしょ。ほんと誰に似たんだか」
おとは「もう人聞き悪いなあ〜」
さとは「あの男どもと遊ぶ気?ダメダメ絶対ダメだよ?お姉ちゃん許しませんよ絶対に。お父さん言いつけるよ」
おとは「そのシスコンっぷり相変わらずだね。ほんと誰に似たんだか」
さとは「シスコンじゃない。ただ私は妹を愛して…
おとは「はーいはい」
さとは「聞いてないし…」
おとは「放課後は失敗だったね。今、生徒会あるらしいからママには会えそうにないよ」
さとは「そうみたいだね」
おとは「だからさ!ちょっと行ってみたいとこあるからそっち行かない?」
さとは「行ってみたいとこ?どこ?」
おとは「奉仕部!」
さとは「なっ…」
おとは「すっごい気になってたんだよね」
さとは「奉仕部……か…」
おとは「そう。パパの……部活だよ」
さとは「……でも行ったところでどうするの。私たち依頼があるわけでもないし。追い出されないかな」
おとは「ちょっと部活見学させてください〜とか言えばなんとかなるでしょ!」
さとは「また適当な…」
おとは「きっと雪乃おばさんや結衣おばさんもいるよね」ワクワク
さとは「おとは…怖いとか言ってたくせに…楽しんでるでしょ」
おとは「もう考えてても仕方ないしね!この時代を楽しんじゃおうかなって!」
さとは「はあ……まあいいけどさ」
さとは「(私も…奉仕部がどんな感じなのか気になるし…)」
さとは「ちゃんと他人の感じでいってよ。あっちからしたらただの後輩の2年生なんだから」
おとは「りょーかい!」
…
…
…
ー 奉仕部部室 ー
ドア ガララ
結衣「やっはろー!ゆきのん!」
雪乃「こんにちは。由比ヶ浜さん」
八幡「…うっす」
雪乃「こんにちは。後輩の2年生の女の子にパパと呼ばせている異常性癖者として今、噂の比企谷くん」
八幡「ちょっと待て」
雪乃「なにかしら。言っておくけれど私はあなたのことをパパとは呼ばないわよ。そうねゴミとなら呼んであげてもいいわ」
八幡「いやそんなこと求めてねえから。ゴミもやめろ」
八幡「てか…噂になってんの?マジで?」
結衣「う、うん…まあそれなりに…」
八幡「マジかよ…」
雪乃「私は噂なんてものに興味はないけれど。私のクラスでもみんなが口にしていたから耳に残ってしまったわ」
八幡「言っとくけど誤解だからな?」
雪乃「…………………………ええ、ただの噂だものね」
八幡「ずいぶん間があったなおい」
ドア ガララ
葉山「お邪魔します」
結衣「あ、いらっしゃい!どうしたの?」
雪乃「………葉山くん。あなたはノックもできないのかしら」
葉山「あ、ごめんね…。今度から気をつけるよ。雪ノ下さん」
雪乃「はぁ…それで、なんのご用かしら」
葉山「いやね。今ちょっといろはを探してて、ここにいるんじゃないかと思ってきたんだけど……いなかったみたいだね」
結衣「あ〜いろはちゃん来てないね〜」
葉山「生徒会でなにかやってるのかな?ありがとう。それじゃあ長居してもあれだしこれで………
コンコンッ
結衣「あれ?誰だろ?」
雪乃「どうぞ」
ドア ガララッ
おとは「こんにちは〜!」
さとは「…失礼します」
八幡「げっ……」
結衣「ああー!」
雪乃「由比ヶ浜さん。人を指で指してはダメよ」
葉山「君たちは確か…お昼にうちの教室に来た…えっと…」
おとは「あ、2年の比企谷おとはって言います!」
さとは「…おとはの姉で同じく2年の比企谷さとはです」
八幡「なっ…」
結衣「ええ!?姉妹なんだ!てかヒッキーと苗字いっしょじゃん!」
雪乃「比企谷くん。あなた小町さん以外に妹がいたの?」
八幡「い、いや…そんなはずは…」
結衣「親戚とか?」
八幡「いや…記憶にない。初めて会ったはずだ」
葉山「たまたま苗字が一緒だったってことかな?」
おとは「そ、そうそう!ただの偶然ですよ葉山おじさん!」
葉山「え?お、おじさん?」
八幡「ぷっ(笑)」
おとは「あっ」
さとは「(バカ…)」
おとは「ま、間違えました!葉山…先輩!そう葉山先輩!」
八幡「(葉山…おじさん…www)」
葉山「俺…おじさんに見えるのか…?」
おとは「あ、あの」
八幡「ん?」
おとは「お昼はごめ…すみませんでした」
八幡「あ、いや…」
結衣「そう!それ!おとはちゃん?だっけ?なんでヒッキーのことパパって呼んだの?」
おとは「それは…えーと…」
さとは「うちのお父さんが比企谷先輩に似ていたので間違えたんでしょう」
結衣「えっ…似ていたって…ヒッキーまだ高校生だけど…」
さとは「なんかこう…雰囲気が似てたんですよ。あとうちの妹は基本バカなので」
おとは「ええ!?」
結衣「な、なるほど…」
八幡「(なんか無理矢理すぎませんかね…)」
おとは「比企谷先輩ってなんか自分も比企谷だから変な感じだね」
おとは「そうだ!パパ先輩って呼んでいいかな…いいですか?」
八幡「そのパパはやめてくれないか…」
おとは「ええ〜いいじゃないですか〜。ね、パパ先輩♫」
ーーーーいいじゃないですか〜。ね、先輩♫
八幡「…っ…」
おとは「?…どうかしました?」
八幡「い、いや。なんでもない」
八幡「(今……誰かに似てたような…)」
おとは「お姉ちゃんはなんて呼ぶ?」
さとは「え……私は普通に比企谷先輩でいいよ」
おとは「それじゃあおもしろくないじゃん!」
おとは「そうだな〜。八幡先輩とかは?」ニヤニヤ
八幡「えっ」
さとは「そ、それは…」
おとは「(呼んでみなよ!こんな機会もうないよ!)」
さとは「…う………」
さとは「……八幡………先輩…///」
八幡「お、おおう…///」
結衣「うわ!なに顔真っ赤してるのさヒッキー!キモい!」
八幡「う、うるせ」
雪乃「コホンッ。それで…そろそろ聞きたいのだけれど。あなたたちはなんのご用でここに?」
おとは「あ、奉仕部の部活見学にきました!」
雪乃「部活見学?うちに?」
おとは「はい!先生の…えーと…平塚先生にも許可得てます!」
雪乃「そ、そう…」
結衣「ゆ、ゆきのん!すごいよ!見学だよ!もしかしたら新入部員入るかもよ!」
雪乃「え、ええ。でも…特に教えれることはないのだけれど…」
八幡「(まあ依頼がなければなんもすることねえからなうち)」
おとは「私は教えない!目で見て技術を盗めってことですね!頑張ります雪乃おばさ……雪ノ下先輩!」
雪乃「あ、いや別に……………………いえ、そうね。その通りよ」
結衣「(あ、投げた)」
八幡「(めんどくさくなって投げたな…)」
さとは「(侵入できた…なんとかなるもんだね…)」
…
…
…
おとは「奉仕部は魚を与えるのではなく魚の取り方を教える…なるほど奉仕部は釣り部でもあるんですね!私はマグロが好きです!」
雪乃「待ちなさい全然違うわ。なにを聞いていたのあなた…」
結衣「さとはちゃんすっごい美人だね〜」
さとは「いえ、おとはの方が美人で可愛くて天使ですよ」
結衣「そ、そうなんだ」
葉山「君のその目元の感じどこかで見たことがあるような…」チラ
結衣「あ、確かに誰かに似てるような…」チラ
八幡「なんだよ」
結衣「いやいやヒッキーといっしょにしたら、さとはちゃんが可哀想だね」
八幡「おい、どういうことですかねそれは」
八幡「てか葉山。いつまでここいるんだよ。一色探してたんだろ」
葉山「おっと、そうだった。それじゃあ俺はこれで……
ドア ガララ
雪乃「今日は来客が多いわね…」
結衣「ん?あっ…」
いろは「やっはろーです。みなさん♫」
結衣「いろはちゃん!いらっしゃい!」
おとは「…!?」
さとは「……」
いろは「おお、今日は人数多いですね。そちらは?」
結衣「えっとね…2年生の…」
おとは「比企谷おとはです!」
さとは「……おとはの姉のさとはです。私も2年です」
いろは「ひきがや…?……2年生ってことは私と同学年だね!」
おとは「は、はい!そうですね!」
おとは「(マ、ママだよ!ママだよ!お姉ちゃん!なんか緊張する!)」
さとは「(お、落ちついて)」
いろは「もう〜敬語なんか使わなくていいよ〜」
おとは「あ、そ、そうだよね。マ…一色…さん」
いろは「さんって…ちゃんでいいよ!後、名前でいいよ!2人とも!」
おとは「(マ、ママを下の名前でちゃん呼びって…)」
さとは「(なんか嫌だなあ…)」
雪乃「一色さんはどうしてここに?」
いろは「葉山先輩が私を探してるって話を聞いて、今は奉仕部の部室にいるってのを聞きつけたので飛んできてました!」
葉山「探す手間が省けてよかったよ。ちょっと部活のことで話をしたくてね」
いろは「そうだったんですか」
結衣「ね、ねえ。いろはちゃん」
いろは「今からなら生徒会も終わりましたし大丈夫ですよ!」
結衣「いろはちゃん…」
いろは「さ、行きましょっか」
結衣「いろはちゃんってば!!」バン
みんな「」ビクッ
いろは「ゆ、結衣先輩?どうしました?」
結衣「あのさ…いるよ?」
いろは「え?」
結衣「ヒッキー……もいるんだよ?」
八幡「…………」
いろは「……………」
いろは「………こんにちは。先輩」
八幡「………ああ」
いろは「………」
八幡「………」
結衣「そ、それだけ?もっと前みたいに…」
いろは「行きましょう。葉山先輩」
葉山「あ、ああ…」
結衣「いろはちゃん!」
ドア ガララ バタンッ
結衣「ヒッキー!」
八幡「………読書するから静かにしてくれ」
結衣「ヒッキー……」
雪乃「……」
おとは「(え、え、な、なにこの空気。どういうこと!?)」
さとは「(これは……なんか…あるみたいだね…)」
…
…
…
雪乃「………」
結衣「………」
八幡「………」
おとは「(な、なんか急に空気重たくなったんだけど!どういうことお姉ちゃん!)」
さとは「(私に聞かれても…)」
おとは「(さっきの……パパとママ、喧嘩してるのかな?)」
さとは「(そんな雰囲気だったね…)」
おとは「(でも…私たちもよくパパたちが喧嘩してるところ見たことあるけど、それとはなんか違うよね。なんとういうか…ガチ喧嘩というか…)」
さとは「(あれはもうウザいほどラブラブ夫婦だからね。喧嘩してもそんなだし。でも今の2人は…)」
おとは「(と、とにかく聞いてみよう!)」
おとは「あ、あの〜…」
雪乃「え、あ、ああ。ごめんなさい。話の途中だったわね」
おとは「それは大丈夫です。それより…その…」
さとは「お父さ……は、八幡先輩と生徒会長さん、なにかあったんですか?」
結衣「そ、それは…」チラ
八幡「……」
八幡「トイレ行ってくるわ」
雪乃「ええ…」
ドア ガララ バタンッ
結衣「ふぅ…ご、ごめんね。2人とも。変な空気に巻き込んじゃって」
おとは「いえ…」
さとは「…それで…」
雪乃「2人に何があったか…ということよね。この話を聞いたところで特におもしろいものでもないと思うのだけれど」
おとは「聞きたいです!」
さとは「聞かせてください」
雪乃「…そう」
雪乃「まあ、簡単なことよ。2人は今、お互い避けあっているわ」
雪乃「少し前からね。最近ではまったく会話もしてないわね。してもそっけない挨拶ぐらいだわ」
おとは「それってつまり…」
さとは「やっぱり…」
雪乃「ええ、そうよ。今、2人は…………」
おとは「喧嘩の原因はなん…
雪乃「恋してるのよ」
おとは「ほえ?」
さとは「は?」
おとは「……」
さとは「……」
おとは・さとは「「今なんと……?」」
結衣「だから!恋してるんだよ!しかも両思い!」
さとは「待って。ちょっと待ってください。喧嘩してるんじゃないんですか?」
結衣「え?あはははっ!あの2人に限って喧嘩なんかするわけないよ!ラブラブなんだから!」
おとは「ええ!?」
結衣「ラブラブ!そう…ラブラブ…はぁ…」
雪乃「由比ヶ浜さん。自分で言って落ち込んでどうするのよ。もうちゃんと諦めたのでしょう」
結衣「そ、そうなんだけど〜」
さとは「えっと…恋してる…から。2人はあんな感じなんですか?恋って…恋ってなんですか?恋?恋ってなんだ…鯉って魚…」
おとは「ああ!お姉ちゃん!落ち着いて!」
雪乃「少し説明不足だったわね。ちゃんと説明するわ」
…
…
…
おとは「つまり、好きな人とどんな風に接すればいいのかわからない。目があうと恥ずかしい。だから避けてしまう」
おとは「マ…いろはちゃんはいつもみたいに行ったらまたあざといと思われて、パパ先輩はそういうの嫌いそうだから嫌われてしまうんじゃないかと思ってなかなか近づけない」
さとは「お父…八幡先輩は、生徒会長さんが好きだともう自覚してるけど自覚したからこそどう接すればいいのかわからなくなってる………と」
雪乃「まあそういうことね」
結衣「そういうことだね〜」
さとは・おとは「「(うちの親たち、想像以上に恋愛ダメだった………)」」
おとは「な、なんというか…あれだね…」
さとは「うん……」
雪乃「ええ、本当に…」
「「「しょうもない……」」」
結衣「ダ、ダメだよそんなこと言っちゃ!2人は本気で悩んでるんだから!」
おとは「中学生じゃないんだから…」
さとは「めんどくさい…」
おとは「いやお姉ちゃんは将来パパみたいな感じになりそうだけどね」
さとは「え?」
雪乃「2人は別々にここで私と由比ヶ浜さんに相談してきたわ。だから2人の今の気持ちもわかってるのよ」
結衣「ヒッキーはともかく、いろはちゃんが恋愛に奥手になっちゃったのは意外だったな〜」
雪乃「それぐらい本気で比企谷くんのことを…ってことなんじゃないかしら」
結衣「私たちもさ…このままは嫌だから。どうにかしてあげたいんだけど…肝心の2人がなかなか動いてくれなくてさ…」
さとは「そんなことになってたんですね…」
おとは「でもよかった〜…パパとママが喧嘩してたわけじゃなくて」
結衣「え?パパ?ママ?」
おとは「ああ、いや!なんでもないです!」
ドア ガララ
八幡「おう、先生がそろそろ帰れだと」
雪乃「あら?もうこんな時間だったのね。今日は終わりにしましょう」
結衣「うん!」
おとは「今日はありがとうございました!」ペコ
さとは「…ありがとうございました」ペコ
雪乃「ええ。今日は依頼もなくて何も見せれなかったから…また見学しにくるといいわ」
おとは「はい!」
八幡「マジか…あの雪ノ下が誘ったぞ…」
結衣「きっと部活の後輩ができそうだから嬉しいんだよ!」
雪乃「ゆ、由比ヶ浜さん。勘違いしないでちょうだい。私は別に…」
…
…
…
〜 帰宅中 〜
おとは「あんなにラブラブ夫婦なくせに付き合うまではダメダメだったんだね〜パパもママも」
さとは「……」
おとは「どうかしたの?お姉ちゃん」
さとは「いや…その…。さっきはしょうもないとか言ったけどさ…」
さとは「このまま、お父さんとお母さんが付き合わなかったらどうなるんだろう…」
おとは「え、そりゃあそのまま…パパは卒業して…」
おとは「えっ、ちょっと待って……」
おとは「2人が付き合わない……ってつまり結婚もしない…それって…」
さとは「……」
おとは「未来で私たち産まれないじゃん!!!!!!!」ズイ
さとは「ち、近い近い。顔近いよ」
おとは「え、やばいじゃん!やばいじゃん!しょうもなくないよ大問題だよ!お姉ちゃん」バシバシ
さとは「痛い痛いっ。叩かないで。落ち着いて」
おとは「そうだよ…そうだよ…どうしよお姉ちゃん…やばいよ…私、死にたくないよ…」
さとは「いや死ぬとかの前に産まれないんだけどね」
おとは「で、でもさ。こうして私たちがいるんだからなんだかんだ2人は結婚するんじゃ…?」
さとは「今の感じじゃとても結婚どころか付き合うようには……」
おとは「…ねえ、お姉ちゃん。これ本当にヤバくない?マジでどうしよ」
さとは「……とりあえず早く家に帰ろう。それからゆっくり考えよう」
おとは「そうだね…」
おとは「あっ…………」
さとは「どうしたの?立ち止まって」
おとは「私たち…過去にいるんだよね」
さとは「うん」
おとは「………どこに帰るの?」
さとは「あっ…………」
…
…
…
ー 比企谷家 玄関前 -
八幡「えっと………」
さとは「…」
おとは「…」
さとは「(完全に忘れてたよ)」
さとは「(とりあえず私たちの家があるだろう場所に行ったけど案の定そこは全然違う家が建ってたし)」
さとは「(どうしようかと悩み続けた末、お父さんの実家ならあるんじゃないかとやってきたけど…)」
八幡「なぜうちに………?」
さとは「(当然の反応だ…)」
八幡「あの…」
おとは「えっと………た、ただいま♫」
八幡「いや、ここ俺ん家なんだけど」
おとは「うっ…」
さとは「(完全におかしい人たちだよこれじゃあ…)」
おとは「(ど、どうしよ…)」
小町「お兄ちゃ〜ん。家に入らず玄関でなにやってるの?」ヒョコ
おとは「!?」
さとは「あっ…」
八幡「ああ、小町…」
小町「あれ?お兄ちゃんのお客さん?珍しいね。しかも女の子じゃないですか!!?!?」
八幡「驚きすぎだろ。いやお客というか…」
小町「何年生なの?」
八幡「え……えっと2年生だったかな2人とも」
小町「じゃあ小町の先輩じゃん!!」
小町「初めまして!コレの妹の比企谷小町です!今年入学しました!1年生です!」
八幡「コレってお前な…」
おとは「こ、こここここ…」
小町「こ?」
八幡「こ?」
おとは「小町お姉ちゃんだっー!!!」ダキ〜
さとは「ちょっ…」
八幡「えっ…」
小町「ええ!?な、なななななぜいきなり抱きついて…というかお姉ちゃん!?」
おとは「ちっちゃい!可愛い!ちっちゃ可愛い〜!!」ギュウ
小町「あ、あの、あわ、あわわわわわわわ」
さとは「やめなさい」ドス
おとは「あだっ!?」
八幡「(最近見たなこの展開…)」
おとは「えへへ…つい。ごめんね突然」
小町「あ、あははは…いえ別に…」
八幡「(本当におかしな奴らだな…)」
小町「とりあえず!どうぞ中へ!」
八幡「え、ま、待て。入れるのか」
小町「は?なに言ってるの?せっかく来てくれたお客さまを家に入れずに帰らすなんてゴミいちゃん本当のバカなの?」
八幡「いや別にこいつらは…」
おとは「ただい…おっじゃましまーす♫」
さとは「お邪魔します…」
小町「どうぞどうぞー。スリッパはこちらです〜」
八幡「ええ…」
…
…
…
小町「ふむふむ…つまりあれがこうでいろいろあってかくかくしかじかで今、寝泊まりできる家がないわけですか」
おとは「そうなの…」
小町「…よし!もしよろしければウチに泊まりませんか?家が見つかるまで!」
おとは「ええ!いいの!?本当に!?」
小町「はい!もちろん!」
おとは「やったー!やったねお姉ちゃん!」
さとは「(マジですか…なんというご都合主(ry…)」
八幡「(無茶苦茶だなおい…)」
さとは「…本当にいいんですか?」
八幡「え?ま、まあ…小町がいいなら」
八幡「(てか家がないとかこの状況で2人を追い出したら後味悪いしな…)」
さとは「ありがとうございます」
さとは「は、八幡…先輩…///」
八幡「お、おう…///」
八幡「(いちいち頬染めるなよ可愛いなくそ)」
八幡「(まあ可愛いで言えば一色も……ってなに考えてんだ俺は…)」
さとは「…どうかしました?」
八幡「あ、いやなんでもない」
小町「よ〜し!そうと決まれば今日の夕食は豪華にしなきゃ!」
おとは「あ、私も手伝うよ!」
さとは「それだけはやめてッ!!!!!!」
…
…
…
ー 夕食 ー
おとは「おいしい〜!」
小町「よかったです!」
八幡「……これ美味いな」
小町「あ、それね。お兄ちゃん。さとはさんが作ったんだよ!」
八幡「そうなのか?」
さとは「は、はい…まあ…」
小町「さとはさん料理すっごい上手いんだよ!さとはさん!今度教えてくれませんか?」
さとは「…人に教えれるほど上手くないよ…」
小町「またまた〜。ね、お兄ちゃん。すごくよくできてるよね?」
八幡「ああ。味付けも俺の好みだし。すげえ美味いよ」
さとは「…///」
八幡「…?……どうした?」
さとは「い、いえ…///」
おとは「お姉ちゃん。今は父親じゃないからって襲っちゃダメだよ?」ボソボソ
さとは「お、襲うわけないでしょ!」
八幡「え?」
さとは「あ、いやなんでもない…です」
おとは「くふふふ…」ニヤニヤ
さとは「まったく…おとはは…」
小町「お二人は姉妹なんですよね。仲良いですし、なにより美人姉妹ですね!」
おとは「え〜お姉ちゃんはともかく私は…」
さとは「私はともかくおとははそうですね。世界一可愛い。天使のような子です。自慢の妹です」
おとは「もうまたお姉ちゃんは〜」
小町「あはははっ。なんかお兄ちゃんに似てるね」
八幡「どこがだよ。あと、あいつは1つ間違ってる。世界一可愛いのは小町だ」
小町「そういうとこだよ…」
…
…
…
小町「パパ先輩?」
八幡「…2人の父親が俺となんか似てんだと」
小町「それでパパ先輩?あはははっ!いいですねそれ!」
おとは「そうでしょ!そうでしょ!」
八幡「いや…よくはねえけど…」
八幡「あ、そうだ小町。2人の苗字聞いたか?」
小町「あ、そういえば聞いてないかも」
おとは「そういえば言ってなかったね」
八幡「比企谷だそうだ」
小町「え!?小町たちと同じ!?」
八幡「ああ」
小町「すごい…初めて苗字が一緒の人に会ったよ…」
おとは「す、すごい偶然だよねー(棒)」
小町「なんだかこうしてると小町たち家族みたいですね!」
さとは「(実際そうなんだけどね…小町おばさんは叔母だけど…)」
小町「…ん〜。ねえお兄ちゃん」
八幡「ん?」
小町「お二人のことはなんて呼んでるの?」
八幡「えっ」
八幡「それは……比企谷さん…とか?」
小町「2人とも比企谷じゃん!自分も比企谷だし!」
八幡「それはそうだが…」
おとは「私たちのことは下の名前でいいよ…ぃいですよ!」
八幡「そ、それはちょっと…」
おとは「そっちのが呼ばれ慣れてるし!」
八幡「え?」
おとは「あっ…えっと………とにかく下の名前でどうぞ!」
八幡「…はぁ……努力してみる」
…
…
…
ごちそうさまー!
八幡「皿洗いやるよ」
おとは「あ、私も手伝う!」
さとは「お風呂掃除…しようか?」
小町「じゃあお願いしていいですか?」
小町「洗濯物やってくるね〜」
八幡「おう」
ジャア〜
ゴシゴシ…
おとは「〜♫」
八幡「悪いな。手伝ってもらって」
おとは「いえいえ!泊めてもらうんですからこれぐらい!」
八幡「…あっ……えっと……お、おとは」
おとは「なに?…じゃないなんですか?」
八幡「ほれ。ちゃんとエプロンしとけ。汚れるから」
おとは「おお!ありがとうございます!」
おとは「…」
おとは「よし!完璧!どうですか可愛ですか?」クルクル
八幡「……なんかあざといな」
おとは「え〜!」
八幡「……(あざとい……か……)」
ーーーせーんぱい!
八幡「…一色……」ボソ
おとは「え?」
八幡「い、いやなんでもない。…エプロン似合うな。えっと…見てて飽きない感じだ」
おとは「おお?なんですかそれ口説いてるんですか?私のエプロン姿を毎日見たいということですか?…なーんてね!」
八幡「…っ!?」
おとは「な、なんでそんな驚いた顔してるんですか?」
八幡「あ、いやすまん。ちょっと知り合いの言い方に似ててな…」
おとは「え、誰ですか?」
八幡「教えん」
おとは「え〜」
八幡「(こいつ…よく見たら…やっぱりすげえ似てるよな…仕草といい…言動といい…)」
八幡「(あいつに…)」
八幡「(いったいなんなんだこいつは…?)」
…
…
…
さとは「お風呂掃除終わったよ。湯いれといた」
小町「ありがとうございます!」
さとは「ふぅ……」
小町「……」
さとは「えっと……私の顔になんかついてる?」
小町「ああ!違います違います!すみません!」
さとは「どうかしたの?」
小町「さとはさん…って似てるなあと思って」
さとは「誰に?」
小町「うちのお兄ちゃんにです」
さとは「……」
小町「あ、ごめんなさい!あんな兄と似てるなんていい気しませんよね!」
さとは「いや…そんなことはないよ…」
さとは「ちなみにどこが…?」
小町「よくわからないんですけど。なぜかすごく似てるように思います。雰囲気…かなあ?」
さとは「そっか…」
小町「すみません。変な話しちゃって!」
さとは「いやいいよ」
さとは「(私…お父さんに似てるんだ…)」
さとは「」ニヤニヤ
小町「(な、なんか嬉しそう…)」
…
…
…
小町「布団はもう敷いてます。部屋はここをお使いください!2人だと狭いかもしれませんが…」
おとは「いいよ全然!ありがとう!」
さとは「…ありがとう」
小町「ではおやすみなさい!」
ドア バタン
おとは「ふぅ〜なんとかなったね。いろいろと」
さとは「うん。そのへんの道端に寝ることにならなくてよかったよ」
おとは「………」
さとは「………」
おとは「結局さ。私たち以外にタイムスリップした人はいないみたいだね…」
さとは「そうだね…」
おとは「……ねえ、お姉ちゃん」
さとは「なに?」
おとは「考えたんだけどさ」
さとは「うん」
おとは「私たちでどうにかやってみない?」
さとは「…何を?」
おとは「パパとママをくっつける!」
さとは「は?」
おとは「だから、くっつけるの!」
さとは「私たちでどうにかお父さんとお母さんを付き合わせるってこと?」
おとは「そうそう!」
おとは「題して、パパとママを付き合わせよう恋のキューピッド大作戦!」
さとは「そ、そのままだね…」
さとは「………でもなるほど…そうか…」
さとは「もしかしてそれかもしれないね」
おとは「え?どういうこと?」
さとは「今おとはが言ってたことをやることだよ。それがこの時代にタイムスリップさせられた理由かもね」
さとは「このままでは私たちは産まれない。だからどうにかお父さんたちを付き合わせて…そうなることを阻止しろ…的な」
おとは「うわ〜なんか無茶苦茶だね…」
さとは「無理矢理な感じだけどそれならなんとか理解できるよ」
おとは「じゃあ私たちがこの問題を解決できれば元の時代に帰れるのかな?」
さとは「それは…わかんないけど…。ってか帰れるとしたらどんな風に帰るんだろう」
おとは「勉強机の引き出しの中が入り口になっててそこからタイムマシンに乗るとかじゃない!」
さとは「なんか聞いたことある話だね…」
さとは「まあ帰れるかどうかはともかく、なにもやらないよりはいいと思う」
おとは「おお…今回のお姉ちゃんなんかやる気だね。いつもはめんどくさがるのに」
さとは「こんなタイムスリップなんかさせられたらめんどくさがっていられないでしょ。早く家帰ってゆっくり寝たいし」
おとは「寝ることばっかだねお姉ちゃんは…」
さとは「それに………」
おとは「それに?」
さとは「あんなお父さんとお母さん…嫌だし…」
おとは「お姉ちゃん…」
おとは「…そうだね。私も嫌だよ。…よし!やろうよ!お姉ちゃん!」
さとは「……うん。やろう」
さとは「とは言ったものの…なにをすれば…」
おとは「うーん…」
おとは「とりあえずさ。明日、雪乃おばさんたちに言ってみようよ!私たちがやりたいことを!パパには内緒で」
さとは「……そう……だね。私たちだけで動くにしても限界があるし……そうしようか」
…
…
…
さとは「じゃ、明日も早いし。おやす…」
おとは「ところで、どうよどうよ若いパパは」
さとは「は?ど、どうって?」
おとは「またまた〜。気づいてないと思ってたの?お姉ちゃんパパのことを見すぎ!見惚れすぎ!」
さとは「み、みみみみ見惚れないし」
おとは「すごい動揺してますけど…」
おとは「私たちの時代でもイケメンな葉山おじさんがさらに若い姿をしてたのにそっちには見向きもしないで」
さとは「いやちょっとは見たよ。うん。イケメンだったね。うん」
おとは「適当すぎだよ…」
さとは「今の葉山おじさんはなんか好きになれない」
おとは「なんで?」
さとは「知らない」
おとは「なんじゃそりゃ…」
さとは「もういいでしょっ。寝るよ」
おとは「は〜い」
さとは「……」
おとは「……」
さとは「……」
おとは「……ねえ、お姉ちゃん」
さとは「ん」
おとは「私たち…帰れるよね?元の時代に」
さとは「………うん。絶対帰れる」
おとは「…….zzzZZ」
さとは「……」
正直、怖い
当たり前だ。こんなタイムスリップなんて非現実的なことが起これば
しかも帰り方がまったくわからない状況だし
このまま帰れなくなったらと思うと本当に怖くなってくる
でもいつまでも怖がってても仕方ない
やれることをやってみよう
ていうか帰り方の前になによりお父さんたちをどうにかしたい
しなきゃダメな気がする
本当に…まったくうちの親たちは揃いも揃ってみんなを心配させてダメダメだね
……お父さんとお母さんが悩んでるなら私たちが助けてあげなきゃね
だって家族なんだから
…ってなに似合わないこと言ってるんだろ
まあとにかく
明日から……覚悟してね。お父さん。お母さん。
………………………
………………
…………
………
…
??「ここはどこなんだ?」
??「(いったいなにがどうなってるんだ…)」
………………………
………………
…………
………
…
ー 朝 ー
〜 1ー○組 小町のクラス 〜
小町「おはよう〜!」
女子「おはよー!小町ちゃん!」
先生「はい、みなさん席ついてくださーい」
先生「今日はですね。少し遅れましたがこのクラスにもう1人生徒が増えます!」
先生「まあ転校生とかじゃくてもともとみなさんと同じうちの新入生でただ少し事情があって今日まで学校に来れなかっただけなんですけどね」
先生「入学式にも行ってないのでみなさんとはこの場で初めましてということになりますね!では入ってきてください」
「…はい」
「ちょ、ちょっとやばくない?」
「きゃぁああすごいイケメン!」
「私このクラスでよかったあ!」
ザワザワ…
小町「…うーん…(今日の夕食は何にしようかなあ…)」
先生「じゃあ、黒板に名前書いてもらって。自己紹介お願いします」
「はい」カキカキ
女子「あれ………?」
女子「ねえねえ小町ちゃん?もしかしてあのイケメンくんと双子だったり?」ニヤニヤ
小町「(あ、さとはさんに料理教えてもらいたいなあ…)」
女子「小町ちゃん?小町ちゃ〜ん」
小町「あ、え、なんか言った?」
女子「もう!だから双子だったりするの?って」
小町「双子…?兄ならいるけど。3年に」
女子「なーんだ残念」
小町「どしたの急に」
女子「だってほら、あのイケメンくんと苗字いっしょだからもしかしたらと思って!比企谷って苗字あまり見ないし」
小町「んん?」
小町「………えっ………」
小町「…………お兄…………ちゃん?」
「えっと…初めまして。比企谷八郎です。よろしくお願いします」
…
…
…
女子「え?やっぱり双子なの?」
小町「あ、いや………違うよ」
女子「もう〜どっちなのさ〜」
小町「(違うよ……なに言ってるの小町は……なんで一瞬…お兄ちゃんに見えたんだろ?)」
先生「じゃあ、席座って」
八郎「はい」
先生「はい、それではHRおわりまーす」
ガタガタッ!
「ねえ!比企谷くん!お話しようよ!」
「どこからきたの?趣味は?」
「なあ!お前なんかスポーツやってる?サッカー部入らねえ?」
「ちょっと男子じゃま〜」
八郎「……」
「ねえねえ、比企谷くん。小町ちゃんとは親戚だったりするの?」
八郎「え?」
「ほら、あそこにいる小町ちゃん。あの子も苗字、比企谷だよ」
八郎「……っ!?」
小町「あ、えっと…別に親戚でもなんでも…」
八郎「おばさん!?」ガタ
小町「おばっ………」
周り「「「「おばさん…」」」」
女子「こ、小町ちゃんっておばさんだったんだね」
小町「ち、違うよ!高校生だよ!」
八郎「………い、いやそんなはずは…ないよな…何言ってんだ俺…」ボソボソ
八郎「……でも……」ジー
小町「えっと…」
小町「(なんかめっちゃ見られてる…)」
八郎「おばさ…小町さん」
小町「待って。今またおばさん言いかけたでしょ?」
八郎「…気のせいだ。それより…」
小町「はぁ………なに?」
八郎「学校を案内してくれ……ませんか」
小町「へ?」
…
…
…
小町「学校案内するのは全然かまわないけど」
小町「初めて会っていきなり女性相手におばさんはないと思うな〜」
八郎「すまない……」
小町「まあ…もういいよ。学校案内なんだけど放課後でもいいかな?授業あるし、授業の休憩時間内じゃ全然周れないし」
八郎「ああ、大丈夫だ。お願いします」
…
…
…
〜 放課後 〜
さとは「おとは、わかってる?」
おとは「うん。まずは雪乃おばさんたちに相談!だよね」
さとは「どうにか協力してもらえるよう私が言ってみるよ」
おとは「ん〜!なんか燃えてきたよ!」ゴォォ
雪乃「なにが燃えてるのかしら?」
おとは「うわわわぁ!?びっくりした!」
雪乃「驚かしてごめんなさい。鍵を開けたいからドアの前から少し離れてほしいのだけれど」
おとは「ご、ごめんなさい!」
雪乃「それで、部室の前で何を?」
おとは「え〜えっと…」
さとは「また部活見学させてもらうかと思ってきました」
雪乃「そ、そう…また来てくれたのね。まだ由比ヶ浜さんたちは来てないからとりあえず座っているといいわ」
さとは「ありがとうございます」
…
…
…
雪乃「お茶どうぞ」
おとは「わあ!ありがとうございます!」
さとは「…」
おとは「(どうしたの?お姉ちゃん)」
さとは「(いや…結衣おばさんがきたら話をするにしてもその間にお父さんきたらどうしよかなって…)」
おとは「(ああ…そっか…)」
ドア ガララ
結衣「やっはろー!ゆきのーん!あれ?さとはちゃんとおとはちゃんじゃん!また来てくれたんだね!」
おとは「やっはろーです!結衣先輩!」
さとは「…こんにちは。あの…八幡先輩は…」
結衣「ああ、ヒッキー?それが平塚先生に呼び出されたみたいで遅くなるってさ」
おとは「(おお!ラッキー!チャンスだよお姉ちゃん)」
さとは「…………あの、今日はお二人にご相談があるんですが…」
雪乃「…相談?」
結衣「なに?」
…
…
…
雪乃「比企谷くんと一色さんをどうにかして付き合わせたい……ね」
さとは「…はい」
おとは「私たち、どうしても2人にはくっついてほしいんです!」
結衣「た、確かに私たちもそうなってほしいとは思うけど…」
さとは「……協力していただけませんか?まだ具体的になにをするかとかは決めれてないんですけど…」
雪乃「……ひとつ聞きたいのだけれど」
さとは「はい」
雪乃「なぜそこまで…あの2人を?あなたたちにとっては昨日今日、知り合ったような人達でしょう」
さとは「それは……詳しいことは…ごめんなさい。言えません。でも…とにかく…」
さとは「私たちは2人のあんな姿を見たくないんです」
おとは「です!」
雪乃「………」
結衣「2人とも…」
さとは「だから、奉仕部に、雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩に依頼します。2人の…笑顔を取り戻すために。どうか私たちに協力してください。お願いします」
おとは「お願いします!」
雪乃「…」
結衣「ゆきのん」
雪乃「ええ…そうね」
雪乃「わかりました。あなたたちの依頼、引き受けます」
…
…
…
さとは「またいろいろ作戦考えてみます」
雪乃「私たちはあなたたちに全面協力するわ。手伝えることがあれば言ってちょうだい」
結衣「任せて!」
さとは「はい、今日はありがとうございました」
おとは「ではでは失礼します!」
雪乃「ええ」
結衣「またね〜!」
ドア ガララ バタン
雪乃「……」
結衣「どうしたの?」
雪乃「…………不思議な子達ね」
結衣「……そうだね」
結衣「ねえ、ゆきのん。私、思うんだ」
雪乃「?」
結衣「なぜだかわかんないけど、あの2人なら……今のヒッキーといろはちゃんを…変えられるんじゃないかって」
雪乃「……ええ」
雪乃「私もそう思うわ」
…
…
…
おとは「さすがお姉ちゃん!うまくいったね!」
さとは「なんとかね…」
八幡「ん…お前ら…」
おとは「あ、パパ!……先輩!」ダキ
八幡「だ、だから、抱きつかないでくれ」
さとは「…こんにちは」
八幡「おう、部室行ってたのか?」
さとは「はい。ちょっと見学に…」
八幡「よくあんなとこに見学行こうと思うな…」
おとは「ねえパパ先輩!今日は一緒に帰ろうよ!夕食の買い出しに行きたいってお姉ちゃんも言ってたし」
八幡「ダメだ。てかお前たちがうちに泊まってることは秘密なんだぞ。誰かに見られたら怪しまれるだろうが」
おとは「え〜ケチ〜」
小町「で、ここが第2理科室。よく第3理科室と間違える人いるから気をつけるように」
八郎「……なんでここが理科室なんだ。確かここはただの空き教室のはずじゃ…」
小町「え?」
八郎「い、いやなんでもない」
小町「…?……えっと、それでその隣が…」
おとは「あ、小町ちゃんだ」
八幡「………おい、隣の男は誰だ。おい、誰だあれは、ふざけんなし。誰か鉄バット持ってこい」
さとは「八幡先輩。シスコンなんて見苦しいですよ」
おとは「よく言えたね、いやよく言えたねお姉ちゃん本当に」
小町「んん?おお!お兄ちゃん!それにさとはさんとおとはさんも!」
八郎「お兄ちゃ…?え?…さとは…おとは…?」
小町「どうしたのこんなとこで」
八幡「そんなことより隣の男は誰だ。そういうアレじゃないだろうな。お兄ちゃん許しませんよ絶対」
おとは「おお、イケメンだあ〜。小町ちゃんもやるね〜。ね、お姉ちゃん」
さとは「………」
おとは「どうかしたの?」
小町「もう〜違うってば。この人は同じクラスでいろいろあって学校案内してあげてただけ!」
八幡「ほんとかよ…」
八郎「……お…あ…」
小町「…?…どうかしたの八郎くん?」
八幡「…は、八郎…!?下の名前呼び!?」ガーン
小町「ああ、これは苗字が一緒だから…」
おとは「んん?八郎?」
八郎「お、親父……なのか?」
八幡「…へ?」
さとは「!?」
おとは「え!?」
八郎「なんでそんな若返って…。それに2人はまさかおとは姉とさとは姉?いったいなんなんだこれ…どうなってんだよいったい…!」
八幡「お、おい大丈夫かこいつ」
小町「ちょ、ちょっと落ち着いて…」
さとは「……おとは」
おとは「う、うん」
おとは「小町ちゃんごめん!私たちこの人とちょ〜と話があるので連れて行くね!」ガシ
八郎「え?」
おとは「ついてきて!」
さとは「失礼します」
ダダダダダッ
小町「い、行っちゃった」
八幡「なにがなんだかさっぱりだな…」
…
…
…
ー 屋上 ー
おとは「よし、ここなら誰もいないよね」
八郎「お、おい。離してくれ」
おとは「あ、ごめんごめん」
八郎「……なあ、2人は…」
さとは「1つ聞いていいかな」
八郎「え?あ、ああ」
さとは「名前は?」
八郎「…比企谷…八郎…だけど」
おとは「うっそ………」
八郎「いや名前で嘘つかねえよ。てか人に名前を聞く前に…」
さとは「私は比企谷さとは」
八郎「…っ!?………さとは姉…?」
おとは「本当に…ハチロー?あのハチローなの?」
八郎「…そ、その呼び方…。や、やっぱり…おとは姉…なのか?」
八郎「ど、どうしたんだよ2人して…今さら制服とかさすがにキツイぞ。てかなんか若返りすぎじゃね?なあ全部ドッキリなのか?ドッキリだろ?クオリティ高すぎだわ…」
おとは「お、お姉ちゃん」
さとは「……」
さとは「ちょっと話があるの。えっとね……
…
…
…
八郎「タ、タイムスリップ!?」
さとは「うん」
八郎「う、うんじゃないだろ。本気で言ってるのか?」
さとは「本気も本気」
八郎「じゃあ2人は未来からタイムスリップしてきて、俺はそれのさらに未来からここにきたと?」
さとは「そういうことになるね」
八郎「……いやさすがに…それは…」
さとは「信じれない?でも気づいてるでしょ?この学校の違和感。あるはずのものがなかったり」
八郎「……確かに…ここは俺が知ってる総武ではないな…古すぎる。俺が中学の頃に改装もしたはずだし」
おとは「え?改装したの?ズルい!ねえねえ!どこ改装したの?」
八郎「体育館をもっと広くしたり、トイレを綺麗にしたり…」
おとは「なにそれめっちゃいいじゃん!なんで私たちの時代にしないのさ!」
八郎「お、俺に言われても…」
さとは「おとは話進まないから黙ってて…」
さとは「私たちも最初は信じれなかったよ。今も信じたくないけどでもそれなら今の状況納得いくんだよ」
八郎「……そんな…」
おとは「ねえねえ?どうやってこの時代に来たかとかわかる?」
八郎「いや…わからん。道端で寝ていて起きたらもうわけわからないことだらけだった」
さとは「道端…?」
八郎「普通に昨日家で寝てたはずなんだが…いつの間にかそのへんの道端に転がってたみたいだ。警察に見つからなくてよかったよ…」
おとは「うわぁ…またずいぶんと雑な飛ばされ方したね…」
八郎「とりあえず学校に行ってみればなぜか新1年生として扱われるし…マジで意味わからんかったわ…」
八郎「……タイムスリップ…か。確かにそれぐらいじゃないと今の状況…説明できないな…。本当にドッキリとかじゃないんだよな?モニ○リングとかじゃないんだよな?」
おとは「え?ハチローの時代でもまだモニタ○ングやってるの?マジで?すごくないお姉ちゃん?」
さとは「だから話ズラさないで…」
さとは「ドッキリでもなんでもないよ。全部現実だよ」
八郎「そうか……はぁ……本当になんでこんなことに…」
さとは「私たちも同じ気持ちだよ…」
…
…
…
おとは「それにしてもあんな赤ちゃんだったハチローが未来ではこんなに立派になるなんてなあ…」
おとは「背も私より全然高いし、イケメンだし!さすが私の弟だよ!」
八郎「そ、そうかな…」
おとは「それになりより安心したのは…」
おとは「目が…腐ってない!パパやお姉ちゃんに似なくてよかったよ本当に!」
さとは「どういうことかなそれは」
八郎「なんか…テンション高いんだな…高校時代のおとは姉は」
さとは「八郎の時代では違うの?」
八郎「ああ…すごい物静かで大人びた感じだよ」
さとは「なにそれまったく想像できないんだけど。てか怖いよそんなおとは」
八郎「さとは姉は全然変わらないな」
さとは「……それはそれでどうなのか…」
おとは「待って待って。そっかハチローは私たちよりももっと先の未来からきたんだよね?じゃあさその時代のお姉ちゃんとかどんな感じなの?結婚とかした?」
さとは「な、何聞いてるのおとは」
おとは「未来のことがわかるんだよ?すごい気になるじゃん!」
八郎「さとは姉は…」
さとは「ダメ。言わないで」
おとは「ええ〜なんでさ〜」
さとは「そういうの聞かないほうがいいでしょ。先のことわかってしまったら…えっと……そう。あれだよ。つまらないでしょ。この先起きること全部わかってて生きていく感じで」
おとは「ん〜まあそうだけど…」
さとは「だからそういうこと聞くの禁止にしよう。八郎も言わないでね」
八郎「ああ、わかった」
…
…
…
おとは「私っておとは姉って呼ばれてたんだね。おとはお姉ちゃんがよかったな〜。てかそう呼んでよ」
八郎「ええ…やだよ。今さらお姉ちゃんとか」
おとは「いいじゃん!なに反抗期?お姉ちゃん許さないよ!そんな弟に育てた覚えないよ!」
八郎「めんどくせえな女子高生のおとは姉…」
さとは「私の苦労がよくわかるでしょ」
おとは「さあさあ!なんならおとはお姉様とかでもいいよ?」
八郎「なあ、それでこれからどうするんだ?」
おとは「無視!?」
さとは「ああ、まだその話をしてなかったね」
八郎「なにか考えが?」
さとは「うん。まあ…一応。まだ帰れるかどうかはわからないけど、やるべきことは見つかったよ」
八郎「ふむ…」
さとは「とりあえず言っとくけど。さっき私たちといた男子だけど」
八郎「ああそうだ。もしかしてあれって…」
さとは「うん。私たちのお父さんだよ。ちなみに八郎といた子は小町おばさん」
八郎「やっぱそうなのか…」
さとは「ここは、この時代は、お父さんたちが高校生だった頃の時代なんだよ」
八郎「なるほどな…親父が先輩で…小町おばさんは同級生……」
おとは「もちろんママもいるよ!ママは私たちと同級生になってるよ」
八郎「めちゃくちゃだな…本当に」
八郎「それで、そのやるべきことってのは?」
さとは「それは…」
…
…
…
八郎「なるほどな…親父とお袋が…そんなことになってたのか…」
さとは「協力してくれる?」
八郎「ああ、もちろんだ。俺だって産まれないことになってしまうしなこのままじゃ」
おとは「3人姉弟で力を合わせる!なんかいいね!」
八郎「…」
八郎「2人に言っときたいことがあるんだが…」
さとは「?」
おとは「なに?」
八郎「タイムスリップなんかさせられて、これからもなにが起こるかわからない。今まで不安だったろうが…今は俺がいる。これからは、なにがあっても俺が2人を守るよ」
八郎「だから…その…安心してくれ」
さとは「八郎…」
おとは「ねえねえ。実はハチローって私たちのことすごい好きでしょ?」ニヤニヤ
八郎「…は、はあ?べ、別に好きとか…そ、そんなんじゃねえよ。勘違いすんな」
八郎「まあ…さとは姉もおとは姉も…俺にとっては一応…大切な家族だからな…そ、それだけだ///」
おとは「(うわぁ…ツンデレだ…)」
さとは「(ツンデレ…)」
おとは「頼りにしてるよシスコン弟!」
八郎「んなっ!?シスコンじゃねえよ!」
さとは「八郎…」
八郎「…ん?」
さとは「私のことはいいから。おとはをしっかり守ってね」
八郎「はぁ…言うと思ったよ。やっぱさとは姉だな」
さとは「?」
八郎「……あんまり無理しないでくれ」
さとは「……」
八郎「さとは姉のことだから、こんな状況でもおとは姉や俺の前で弱いとこ見せようしないと思うけどさ」
八郎「言ったろ。さとは姉も俺の大事な家族なんだよ。弟としてしっかりさとは姉のことも守ってみせる」
おとは「あはは…やっぱり、パパの子だね」
さとは「…」
さとは「はぁ……」
さとは「生意気な弟に育ったね。まったく」
…
…
…
さとは「それじゃあ行こうか」
おとは「え?どこに?」
さとは「まだ少し時間あるから。行ってみようかと思って、生徒会室に」
八郎「生徒会室…ってことは…」
おとは「ママに会いに行くってこと?」
さとは「うん。とりあえず会って話してみよう。それでさりげなくお父さんの話をしてみたりね」
おとは「なるほど」
八郎「高校生のお袋か…なんか緊張するな…」
おとは「すっごい可愛いよ〜。惚れちゃダメだよ?」
八郎「いや惚れねえよ実の母親だぞ…」
おとは「実の父親にメロメロな人がいるけどね。ねえお姉ちゃん」
さとは「しゃ、しゃっさと行くよ」
おとは「(噛んだ…)」
八郎「(噛んだな…)」
…
…
…
ー 生徒会室 ー
おとは「つ、ついにきたね」
さとは「うん」
八郎「行くぞ…」
コンコン
「はいはーい」
戸部「どちらさまでーすかっと」
おとは「あ、あの私たち…」
戸部「んん?おお!君あれっしょ!ヒキタニくんのことパパとか言ってた子!」
おとは「え、あ、はい。ん?ヒキタニ?」
戸部「なになにマジヒキタニくんの娘なの?隠し子的な?ヒキタニくんやること早すぎるわ〜マジぱないわ〜べっー!」
おとは「あ、あはは…そんなわけないじゃないですか。あれは冗談ですよ〜」
おとは「(なんかめんどくさいなこの人…)」
戸部「ん〜?」ジロジロ
おとは「あ、あの…私の顔に何かついてますか?」
戸部「ん〜なんかよく見ると誰かに似てるような〜………………って、うわっ!」
おとは「?」
さとは「(なにおとはのことジロジロ見てんの。ぶっ飛ばすよ)」ゴゴゴ
八郎「(なにおとは姉のことジロジロ見てんだよ。ぶっ飛ばすぞ)」ゴゴゴ
戸部「(な、なんか後ろの2人にすげえ睨まれてるんだけどー!)」
おとは「?」
いろは「戸部せんぱーい誰か来たんですかー?」ヒョコ
戸部「おーいろはす〜なんか…」
いろは「あっ!……ちょっと!どいてください!戸部先輩!邪魔です!」
戸部「ご、ごめんなさい…」
いろは「えーと、さとはちゃんとおとはちゃんだよね!どうしたの突然?」
さとは「……生徒会長にお話しがあって来ました。時間大丈夫ですか?」
いろは「お話し?いいよいいよ〜。てかだから敬語はやめてよ、同級生なんだから」
さとは「う、うん…」
いろは「じゃあ座って座って」
いろは「あ、もう戸部先輩は帰っていいですよ。お手伝いありがとうございました」
戸部「いろはす人使い荒いわ〜。これでも部活まで抜けてきたんだからもうちょっと感謝の気持ちを…」
いろは「はーいはい。おかえりくださーい」
戸部「ちょ、そんな押さなくても…
ドア バタン
いろは「はい!邪魔者は消えたところで!今、お茶だすね〜」
さとは「あ、ありがとう」
八郎「(ひでぇ…)」
おとは「(さすがママ…)」
…
…
…
いろは「えっと、そちらは?」
八郎「あ、い、1年の比企谷八郎です」
いろは「………比企谷?」
さとは「私とおとはの弟です」
いろは「そ、そうなんだ」
いろは「……」チラ
八郎「?」
いろは「……似てるなぁ…」ボソ
八郎「え?」
いろは「あ、いや、なんでもないよ!そ、それで!お話しってなにかな?」
さとは「えーと…」
さとは「(は、八郎、どうしよう)」
八郎「(考えてなかったのかよ…さりげなく親父のこと聞くんだろ)」
さとは「(とは言っても…)」
おとは「いろはちゃんってパパ先輩と仲がいいの?」
さとは「(ちょ、おとは。また勝手にっ)」
八郎「(それド直球じゃねえかっ)」
いろは「パ、パパ先輩?」
おとは「あ、三年の比企谷八幡先輩のことだよ」
いろは「………」
さとは「(うわぁ…表情が一気に暗くなった…)」
いろは「……なんでそんなこと聞くの?」
おとは「結衣先輩に聞いたんだよ!2人はすごく仲がいいって!」
いろは「………」
いろは「そう…だね…。悪くはないかな…」
おとは「ほうほう」
おとは「じゃあさじゃあさ!」
いろは「ん?」
おとは「いろはちゃんはパパ先輩のこと好きなの?」
いろは「……へっ?///」
さとは「」チョップ
八郎「」チョップ
ドスドスッ!
おとは「あっいだあああああああああっ!!」
おとは「な、なにするの2人とも!」
さとは「もうちょっと流れってものがあるでしょバカ」
八郎「このバカ。バカ姉」
おとは「バカバカ言うなぁ!特に弟!姉をバカ呼ばわりとは何事だー!」
八郎「うるせえバカ」
おとは「また言ったー!この〜」
八郎「いてっ。いて、おい、やめろ叩くな」
さとは「ちょっとおとは。暴れないで」
おとは「だいたいお姉ちゃん!お姉ちゃんが毎回毎回ポンポン人の頭叩くからバカになっちゃうんだよ!」
さとは「はいはい。そうだねー。お姉ちゃん悪かったねー」
おとは「適当すぎだよ!?」
いろは「…ふふっ。あははははっ」
おとは「…?……いろはちゃん?」
いろは「ごめんごめん。仲いいんだなって思って」
さとは「すみません。うちの妹が騒がしくして。ほら座っておとは」
八郎「申し訳ないです」
おとは「むぅ〜」
いろは「いいよいいよ。そんな謝らなくても」
いろは「……」
いろは「もしかして……結衣先輩たちに何か聞いた?」
さとは「……」
おとは「そ、それは…」
八郎「…」
いろは「…そっか」
いろは「うーん。そうだね」
いろは「好きだよ。先輩のこと」
さとは「…っ」
いろは「どうしたの?驚いた顔して」
さとは「い、いや。こっちから聞いておいてあれなんだけど…あっさり答えてくれたなあって…」
いろは「結衣先輩たちから話を聞いてるなら隠しても仕方ないでしょ」
いろは「私は先輩のことが好き。だーい好きだよ!」
おとは「そ、それじゃあその気持ちをパパ先輩に…!」
いろは「でもダメなんだ」
おとは「…え?」
いろは「私じゃダメなんだよ」
八郎「どういう…ことですか?」
いろは「先輩はきっと…私みたいな女の子は好きじゃないよ」
さとは「そんなことは…」
いろは「私…そんなに意識してるわけじゃないんだけど…先輩にすごいあざといって言われるんだ…先輩はそういうあざとさが苦手そうなんだよね…」
おとは「あざといって…例えば?」
いろは「んーと…弟くん。そこに立ってくれるかな」
八郎「は、はあ。わかりました」
いろは「こほんっ」
いろは「せーんぱ〜い!」クネクネ
八郎「(うわあ…)」
さとは「(うわあ…)」
おとは「(おお…)」
いろは「ヤバいんですヤバいんです本当にヤバいんですぅ」キラキラ ウルウル
八郎「ごはぁ!!!!」ガク
いろは「とまあ、こんな感じで先輩に話しかけてみたりとかしたら、よく先輩にあざといって言われる」
おとは「(こ、これがパパが言ってた伝説の元祖あざといろはす…)」
さとは「(言い方も仕草も完璧だ…。おとはの比じゃない。これはあざとい。あざといですね)」
さとは「てか八郎大丈夫?。なんでダメージくらってるの」
八郎「よく考えてみろ…あれ母親だぞ…。今こそ若いけど俺の時代のお袋を思い出すとさすがにキツいわ……」
さとは「ああ……それは…そうだね…」
いろは「先輩にはやっぱり…結衣先輩や雪ノ下先輩みたいな方がお似合いだよ…私なんか…」
おとは「そ、そんなことないよ!いろはちゃんだって!」
いろは「…」ズーン
おとは「うっ」
おとは「(あわわ…ママが落ち込んじゃった!どうしよ!)」
さとは「……生徒会長。八幡先輩のこと…本当に好きなんですね」
いろは「うん。好きだよ。どうしようもなく好き。好きで好きで…仕方ないよ…」ギュ…
さとは「…」
八郎「(…帰るか)」
さとは「(うん)」
おとは「(いいの?)」
さとは「(今日はもうやめとこう)」
…
…
…
八郎「ありがとうございました」
さとは「ありがとう」
おとは「またねー!おとはちゃん!」
いろは「うん!みんなまたね〜」
ドア バタン
いろは「…」
いろは「ふぅ…」
いろは「(あの弟くん……似てたなあ…先輩に)」
いろは「(いやでも目腐ってなかったし。むしろ輝いてたし。どう見ても弟くんの方がイケメンだったね)」
いろは「(先輩なんかいつもどんよりしてて目が腐りきっててイケメンには程遠いよ。もはや不審者だよ)」ヤレヤレ
いろは「……」
いろは「(……先輩…………)」
いろは「……」
いろは「って…また先輩のこと考えちゃってるし…」
いろは「(本当…どうして諦められないかなあ…)」
いろは「なんで…こんなに好きになっちゃったのかなあ…」
いろは「はぁ〜あ……」
いろは「……」
いろは「(よくよく考えたら…なんで私…あの子達に…昨日今日知りあったような人達にペラペラ喋っちゃったんだろ…)」
いろは「不思議な子達だなあ…」
…
…
…
八郎「逃げてるな完全に」
さとは「……」
おとは「自分に自信がないママなんて初めてみたよ〜」
さとは「…」
おとは「どうしたの?お姉ちゃん」
さとは「いや……お母さん、苦しそうだったな…って」
ーーーーうん。好きだよ。どうしようもなく好き。好きで好きで…仕方ないよ…
おとは「………そうだね…」
八郎「…なんとかしてやりたいな」
さとは「うん…」
おとは「よし!今日は帰って作戦会議しよう!」
さとは「そうだね」
八郎「…ん?」
八郎「なあ」
さとは「ん?」
おとは「どしたの?」
八郎「俺…どこに帰ればいいんだ」
さとは「…」
おとは「…」
…
…
…
ー 比企谷家 ー
おとは「それで、なんやかんやあって赤ちゃんだったこの弟と奇跡の再会を果たしたんです」ウルウル
小町「うう…感動しました!弟さん!てか八郎くん!どうぞウチに泊まって!奇跡の再会を果たしたお姉ちゃんたちと積もる話もあるでしょ」ウルウル
八郎「お、おう。ありがとう…」
さとは「(また無茶苦茶な…)」
八幡「(もうどうでもいいや…)」
…
…
…
母「えっ……なにこれ」
小町「あ、おかえりー。早かったね。ご飯できてるよ」
八幡「おかえり」
おとは「おかえり〜」
さとは「…おかえり」
八郎「おかえり」
母「……」
母「……」
母「私…こんなに産んだっけな…」
小町「5人兄妹なんて頑張ったねお母さん!」グッ
八幡「いやちゃんと説明してやれよ…」
おとは「(ね、ねえ。自然におかえりとか言っちゃったけど、まさかあれって…)」
さとは「(うん。若いけど…おばあちゃんだ…)」
おとは「(だよね!)」
さとは「(タイムスリップしてるから当たり前だけど…若いおばあちゃんにまで会うなんて……)」
八郎「…………ば、ばあちゃん……」
さとは「…八郎?どうしたの?」
おとは「な、泣いてるの?」
八郎「べ、別に。泣いてねえよっ」ゴシゴシ
八郎「……」
さとは「……(そっか…)」
おとは「え〜絶対泣いて…
さとは「…おとは。いいから」
おとは「え?」
さとは「ほら、挨拶しに行こう」
おとは「う、うん」
さとは「…八郎も…いくよ」
八郎「…ああ…」
…
…
…
八幡「狭い部屋で悪いな」
八郎「いえ。ありがとうございます。俺まで泊めていただいて」
八幡「…」
八郎「…」
八幡「…」
八郎「…」
八幡「(な、なにか話した方がいいかな…)」
八郎「(親父に敬語とか違和感やべえな…)」
八幡「お、お前も大変だな。姉が2人もいて」
八郎「(その姉2人を作ったのあんただけどな)」
八郎「迷惑かけてすみません。特におとは姉とか…」
八幡「いやうちの妹もなんか楽しそうだしいいよ…」
八郎「妹さんと仲良いいんすね」
八郎「(知ってるけど)」
八幡「まあな。やらんぞ妹は」
八郎「うちの姉たちもやらないすよ」
八幡「なんだお前シスコンかよ」
八郎「まあ…うちの親父に似たのかもしれないすね。めっちゃシスコンですから。50歳越えてんのにまだ妹可愛いマジ天使とか言ってますから」
八幡「言っちゃ悪いがお前の親父やべえな」
八郎「(あんただよ…)」
…
…
…
〜数時間後〜
八郎「奉仕部ってほんと変な部活っすね〜」
八幡「だよな…」
八幡「って…もうこんな時間か。そろそろ寝るか」
八郎「そうっすね」
八幡「(やべえ…他人とこんなに話したの初めてかもな…)」
八幡「…」チラ
八郎「…?なんすか?」
八幡「い、いや…」
八幡「(なんかこいつと話すのは安心するというか…楽しかったな…)」
八郎「(時代が違うとはいえ親父とこんなに話すのは久しぶりだな…楽しかったわ…)」
八幡「電気切るぞ」
八郎「うっす」
…
…
…
八郎「…」
八郎「まだ起きてますか」
八幡「なんだ?」
八郎「……」
八幡「……?…なんだよ?」
八郎「一色いろは先輩のことなんすけど」
八幡「…っ」
八幡「……一色がどうかしたのか」
八郎「どう思いますか」
八幡「ど、どうってなんだよ」
八郎「好き…ですか?」
八幡「なっ…///」
八郎「いま顔赤くなったすね」
八幡「な、なってねえよ。部屋暗いんだから見えないだろ」
八郎「で、どうなんすか?」
八幡「…どうだろうな」
八郎「……ガチで教えてほしいんす」
八幡「なんでだよ。別にお前には関係な…
八郎「お願いします」
八幡「……」
八幡「はぁ……なんなんだよ……」
八幡「…」
八幡「俺は…」
…
…
…
〜次の日〜
さとは「聞けた?お父さんから」
八郎「ああ」
おとは「おお!でかした弟よ!」
さとは「で?」
八郎「親父は…」
…
…
さとは「…はぁ」
おとは「ほんっと2人してめんどくさい親だね〜」
八郎「まったくだ」
おとは「…ここは子供の私たちが助けてあげるしかないね。ね、お姉ちゃん」
さとは「うん」
八郎「昨日の夜、作戦考えてたんだろ。どうするんだ今日は」
さとは「今日は土曜日で学校は休み…だから…」
おとは「もう手はうってあるよ!」
おとは「ふっふっふ」ニヤニヤ
八郎「お、おい。大丈夫なのか」
さとは「正直…思いきりすぎたかも…」
………………………
………………
…………
………
…
ー 街 ー
八幡「小町が出かけよう言うから今日は楽しくデートしようと思ったらあいつ急に消えたんだけど…携帯も繋がらねえし…なんなんだよ…」テクテク
いろは「うーん…待ち合わせこのへんのはずだけど…雪ノ下先輩と結衣先輩、全然来ないなあ…。まさか遊べなくなったのかな?結衣先輩の家でお泊り楽しみにしてたのに…」テクテク
八幡「あっ…」
いろは「あっ…」
いろは「せ、先輩…」
八幡「よ、よう…」
いろは「……」
八幡「……」
いろは「じゃ、じゃあ」
八幡「ああ…」
おとは「ストォオオオオオオオップ!」
いろは「え?」
八幡「は?」
さとは「バスに遅れるから早く行くよ生徒会長」
いろは「え?え?さとはちゃん?」
八郎「ほら、先輩も」
八幡「は、八郎?ちょ、え、なに?どういうこと?」
おとは「さあさあ!みんなで行こう!」
おとは「家族旅行に!」
…
…
…
〜 バスの中 〜
八幡「やっと繋がった。これどういうことだよ小町」
小町『お兄ちゃん前に温泉入りて〜とか言ってたじゃん!サプライズだよ!サプライズ!』
八幡「いやメンバーがおかしいだろメンバーが」
小町『まあまあ気にしない気にしない』
八幡「だいたい旅館って…俺、着替えとかなにもな…」
小町『あ、それは八郎くんに頼んでおいたから』
八幡「ええ…」
小町『じゃ、お兄ちゃん頑張ってね〜』
八幡「まてまて。頑張っててなにをっ」
ブチッ
八幡「ええ…」
いろは「どういうことですか結衣先輩!」
結衣『いや〜今日お泊り無理になってごめんね〜』
いろは「そこは今いいんです!それでなんでさとはちゃん達や…その…せ、先輩と旅館に行くことになるんですか…!」
結衣『それはえっと…えっと…そうだな…えー………あ、そうだ!いろはちゃん前に温泉入りたいとか言ってたじゃん!』
いろは「言ってませんよ!?」
結衣『言ったよ!きっと言った!だからほら…あの…サプライズだよ!うん!さあ、楽しんでおいで!』
いろは「いやいや無理矢理すぎますって!」
結衣『あ、サ、サブレが私を呼んでる!それじゃあ頑張ってね!』
いろは「ちょ、サブレちゃんは後でいいですから話を…」
ブチッ
いろは「くっ…雪ノ下先輩!」ピポパポ
雪乃『もしもし』
いろは「雪ノ下先輩!これどういう…
雪乃『一色さん』
いろは「え、は、はい」
雪乃『がんばりなさい』
いろは「はい?」
雪乃『応援してるわ』
いろは「いや意味がわからな…
ブチッ
いろは「ええ…」
…
…
…
八郎「じゃあ行ったことあるのか今向かってる旅館」
おとは「うん!家族旅行でね」
おとは「ハチローはまだちっちゃかったから連れて行かなかったんだけどね」
八郎「のけ者かよ。ズルいな」
おとは「今から行けるんだからいいじゃん!すごいんだよ〜海が見えて!」
八郎「ほーん」
おとは「混浴もあるんだよ。一緒に入る?」
八郎「普通に誘ってくんなよ女子高生」
おとは「姉弟だしいいじゃん!」
八郎「歳を考えろよ…。てか、普通に嫌だわ。うるさそうだし。ゆっくり風呂浸かりたいわ」
おとは「照れなくてもいいのに〜」ニヤニヤ
八郎「照れてねえよ…」
おとは「昔はよく一緒に入ったじゃん」
八郎「いやそれは赤ん坊の頃だろ」
おとは「それにほら混浴すればお姉ちゃんのこのナイスバディを………ってお姉ちゃん?」
さとは「(( _ _ ))..zzzZZ」
八郎「寝てるし…」
おとは「静かだなあっと思ったらいつの間に…ほんとこういう時はすぐ寝るんだから」
八郎「まあさとは姉は置いといて……静かといえば………」
いろは「…………」
八幡「…………」
シーーーーン
おとは・八郎「はぁ…」
…
…
…
おとは「景色ばっか見てて2人とも全然喋らないね…」
八郎「本当に両想いなのかよこいつら…」
おとは「お、温泉楽しみだね!いろはちゃん!」
いろは「え、う、うん…」
おとは「ほらほらパンフレット見て!ここに入るんだよ!」
いろは「…わっ。綺麗…。え、すごいね。ここ行くの?」
おとは「そうだよ行くんだよ!」
八郎「無理矢理ですみませんでした。先輩」
八幡「はぁ…どういうつもりなんだよいったい」
八郎「………ほんとはちょっと気付いてるんじゃないすか?」
八幡「……」
おとは「あ、これとかよくない?」
いろは「おお…美容効果があるの!?」
おとは「肌がツルツルになります…だって」
いろは「ここは入るしかないね」
おとは「一緒に入ろうよ!」
いろは「そうだね!」
八幡「あいつ順応早すぎだろ…」
八郎「まあまあ、先輩も諦めて楽しみましょうよ」
八幡「…てか……旅館に泊まるって言ってたけど」
八郎「はい」
八幡「全員高校生なうえ、男女だぞ。大丈夫なのか?」
八郎「ああ…それは…」
…
…
…
〜 とある旅館 〜
おとは「着いたぁあああああああああああ!!」
いろは「綺麗なお部屋だね。窓の景色もいいし」
八幡「もう疲れたわ…。帰りてえ」
さとは「私も疲れた」
八幡「お前はずっと寝てたろ」
さとは「寝るのも疲れるんだよ」
八幡「なんだそりゃ…」
八郎「ありがとうございます。協力してもらって」
八郎「先生」
平塚「みんな今回は特別だからな。くれぐれもハメを外しすぎないようにな」
「「「「はーい」」」」
八幡「まさか引率者として先生まで味方にしてたとは…いったいどうやって…」
平塚「本当にこの旅館でやるんだろうな?合コンパーティーは?」ボソボソ
おとは「はい。ここはカップル成立率も高いって噂ですよ」ボソボソ
平塚「ほほう…」
八幡「(……先生ェ…)」
…
…
…
八幡「てか一部屋しかとってないのか…」
さとは「予約がいっぱいで今日、一部屋とれただけでも奇跡だったから…」
おとは「この襖の向こうも部屋あるしそれで男女分けたらいいんじゃない?」
八郎「そうするか」
いろは「じゃあさっそくお風呂いこうよ!準備はできてるよ!」
八幡「なんだよお前。なんだかんだ楽しそうだな」
いろは「そりゃあ温泉なんてめったに行けませんからね!もうこうなったら楽しむしかないじゃないですか。それに先輩だってさっきからタオル持って実は温泉早く行きたいんでしょう?」
八幡「ま、まあな…海とか見えるらしいし」
いろは「混浴もあるらしいですよ〜。先輩いっしょに入ります?」ニヤニヤ
八幡「は、入るわけないだろ。なに言ってんだ///」
いろは「顔真っ赤になってますよ?」
八幡「なってねえよ」プイ
おとは「あれ?あれあれ?」
さとは「これは…」
八郎「普通に話してるな…」
いろは「じゃああれですか、さとはちゃんたちと入りたいんですか?2人とも可愛いですもんね」ムス
八幡「なんでそうなるんだよ…そもそも混浴なんて行かねえよ」
いろは「まったくこんなに可愛い後輩が誘ってますのに〜。そんなに私と入るのは嫌ですかぁ?」ウワメヅカイ
八幡「はいはい。あざといあざとい」
いろは「…っ」
いろは「…あっ……」
八幡「………ん?一色?」
いろは「ご、ごめんなさい。あざとかったですか…次から気をつけます…」
八幡「え、あ、ああ…」
いろは「……」
八幡「……」
おとは「ああ〜よかったのに〜。また…この空気…」
さとは「はあ…」
八郎「まだダメか…」
…
…
…
〜露天風呂〜
戸 ガラガラッ
おとは「わぁ〜、みてみて!海見えるよ!」
いろは「おとはちゃんあんまり走ったら転んじゃうよ。わあ…本当に綺麗だね、海」
戸 ガラガラッ
さとは「海はいいから早くお風呂に浸かりたい…」
いろは「おお…」
さとは「え…なに…?」
いろは「むぅ…なに食べたらそんなスタイル良くなるの?」
さとは「知らないよ…」
おとは「目腐ってなければ完璧なのにね〜」
さとは「だから目は仕方ないでしょ…」
いろは「とっとと身体洗おうか」
おとは「いろはちゃん!背中ゴシゴシしてあげるよ!」
いろは「ありがとう♫」
…
…
…
ざぶ〜ん
八幡「ああ〜ふぃ〜、あっだまるわー」
八郎「おっさんみたいっすね」
八幡「マジでいいとこだなここ。露天風呂は広いし」
八郎「そうっすね…」
「うお姉ちゃーん!おとはダーイブ!」バッ
「ちょ、来ないで…おぶっ」
「さ、さとはちゃん!?おとはちゃんストップストップ!お姉ちゃん溺れてるよ!」
八幡「丸聞こえなんだが…」
八郎「はぁ…なにやってんだよ恥ずかしい…」
八幡「本当苦労してるなお前」
八郎「そうすね…(まあ数十年後、あの2人に苦労させられるのは親父だけどな)」
八幡「……」
八郎「……」
八幡「なあ…そろそろ聞きたいんだが」
八郎「嫌です」
八幡「いやそこは聞けよ」
八郎「俺たちのことですか」
八幡「わかってるじゃねえか」
八郎「…」
八幡「…」
八幡「なんなんだよお前らは」
八郎「…」
八幡「なんでここまでするんだ」
八幡「何者なんだお前たちは」
八郎「…」
八幡「黙ってちゃわからないんだが」
…
…
…
さとは「ねむ…」
おとは「お姉ちゃんお風呂で寝ちゃダメだよ〜」
いろは「ねえ、いつか聞こう聞こう思ってたんだけど…」
おとは「ん?」
いろは「2人と…弟くんは…先輩となにか関係があるの?苗字いっしょだし…」
おとは「えっと…」
さとは「たまたまですよ。別に兄妹とかじゃないですよ」
おとは「(父親だけどね)」
いろは「そっか…でもなんか仲良いよね」
おとは「私はパパ先輩のこと大好きだからね!」
いろは「えっ…?」
おとは「お姉ちゃんなんか私よりも好きだよね絶対。愛してると言ってもいいね」
いろは「ええ!?愛してるの!?」
さとは「い、いや」
さとは「(おとはのバカ…お母さん絶対誤解してるよ…)」
おとは「お姉ちゃんパパ先輩に(子供の頃)結婚しようって言ってたよね」
いろは「けけけけけけけけっこん!?」
さとは「ちょっ。いい加減にしなさいおとは」
おとは「あははっ…ごめんごめん。反応がおもしろくて」
さとは「まったく…」
いろは「けっこ…けけけ…けっここけ…こけこっこ…」
さとは「今の話は嘘だから。好きって言うのはその…人として?的な?男性としてとかそういうのじゃないから」
さとは「おとはもそういう意味での好きでしょ?」
おとは「そうそう!」
いろは「あ、そ、そうなんだ…」
いろは「……いやあの先輩を人として好きってなかなか凄いね…。あんなののどこがいいの?」
さとは「(あんなのって…)」
おとは「(時々パパのこと本当に好きなのか心配になってくるよ…)」
さとは「心配しなくても取ったりしないよ」
いろは「べ、別に心配なんかしてないよ…///」
いろは「……」
いろは「ありがとね」
おとは「え?」
いろは「理由はわからないけど…先輩と…話す機会を作ってくれたんでしょ?」
おとは「…」
さとは「…」
いろは「ちょっと強引すぎてビックリしたけどね」
おとは「ごめん…私たちどうしても…」
いろは「…本当に不思議だね。あなたたちは」
いろは「はぁ…頑張って……みようかなあ…。もう一度」
…
…
…
八郎「すみません。言えません」
八幡「…なんでだよ」
八郎「理由は言えない。でも俺たちはどうしても、2人には笑っていてほしいんだ」
八幡「笑う…?」
八郎「先輩…本当に、今のままでいいと思ってるんですか?」
八幡「……」
八郎「昨日の夜、言いましたよね」
「わからないんだ」
「自分の気持ちに気づいた瞬間、自覚した瞬間、どうすればいいのかわからなくなった」
「今の俺はどう一色に接すればいい」
「俺はどうしたいんだ?」
「こんな頭かかえて悩み続けてんのにこれだけはハッキリわかる」
「俺は…一色のことが…どうしようもなく…」
「好きだってことが」
八郎「いやまあ、ゴチャゴチャ言ってるけどただの恋愛下手なヘタレ男だな」
八幡「おい」
八郎「好きなら告ればいいじゃないすか。きっと喜びますよ」
八幡「簡単に言うなよ…。喜ばねえだろ…俺なんかが告っても…むしろ気持ち悪がられるかもな…」
八郎「それはない。絶対ない(むしろ飛んで喜ぶレベルだと思う)」
八幡「なんでわかんだよ…」
八郎「ゴホンッ…とにかく!…今のままで本当にいいんですか?」
八幡「……」
八郎「本当に好きなら…。少しでいいから…前に進んでみませんか?頑張ってみませんか?」
八幡「………」
…
…
…
〜 数十分後 〜
八郎「マジか…マッ缶ないのかよ…」
八幡「お、何おまえ。まさか同士?」
八郎「マッ缶は人生って親父に教わったもので」
八幡「お前の親父よくわかってるな。仲良くなれそうだわ」
八郎「…でしょうね…」
八幡「それにしても本当少ねえな。もっとマッ缶増やしてくんねえかな自販機」
いろは「よく毎回毎回あんな甘いの飲めますね」
八幡「うおわっ」
いろは「なに変な声出してんですか」
八幡「急に出てきたらびっくりするだろうが…」
八幡「…」
いろは「…」
八郎「……あー」
八郎「あいたたたー。なんかお腹痛くなってきたー。トイレ行ってきますー」タタタ
八幡「お、おい」
いろは「行っちゃいましたね…」
八幡「(演技下手すぎだろ…)」
八幡「…」
いろは「…」
いろは「お風呂あがるの早かったんですね」
八幡「まあな。…あの姉妹は?」
いろは「おとはちゃんがさとはちゃんの髪を乾かしてるとこです。さとはちゃんすぐ乾かすのめんどくさがるからおとはちゃんが代わりによくやるんですって」
八幡「あーそういや家でもめんどくさがってたな…」
いろは「え?」
八幡「あ、いや。なんでもない」
八幡「……」
いろは「……」
八幡「……」
いろは「せ、せんぱい!」
八幡「あ、お、な、なんだ?」
いろは「えっと…少し歩きませんか?」
八幡「え?…そ、そうだな。歩く…か」
いろは「は、はい…」
…
…
…
八幡「…」
いろは「…」
八幡「お、温泉」
いろは「え?」
八幡「温泉…よかったな」
いろは「そう…ですね。景色も綺麗でした」
いろは「この旅館ってけっこう有名なところだったみたいですね。めったに来れるとこじゃないですよ」
八幡「よく予約とれたな…」
いろは「さとはちゃんたちに感謝ですね」
八幡「ん?」
いろは「どうしたんですか?」
八幡「ゲーセンとかもあるんだな…」
いろは「あ、ほんとだ…なんかやります?」
八幡「財布部屋に忘れたわ」
いろは「むぅ…使えませんね〜」
八幡「お前こそ持ってんのかよ」
いろは「忘れました」
八幡「使えませんね〜」
いろは「真似しないでくださいよ〜」
八幡「無料でできるものでもあればいいんだがな」
いろは「お金ないと無理ですよ……あっ……」
八幡「どした?……あっ……」
いろは「久しぶりにやりますか?まあどうせ私が勝ちますけど」
八幡「……いいだろう。やってやる。勝つのは俺だけどな」
…
…
…
おとは「やっぱり私達が来た時より古いね。露天風呂も作りがちょっと違ってたし」
さとは「そりゃあ20年ぐらい前だしね。今は。てかそう考えると長いことやってるねここ」
おとは「だね〜」
八郎「やっと出てきたか」
おとは「お、ハチロー!パパとママは?」
八郎「タイミング良かったからそのまま2人っきりにしてみた」
おとは「おお!いいねいいね。様子見たいけど…どこ行ったんだろ」
さとは「適当に歩いてたら見つかるでしょ」
…
…
…
おとは「見つかったね…」
さとは「うん…」
いろは「せ〜んぱ〜い!か弱い女の子相手に本気だすなんてひどいですよ〜」パコン
八幡「そんなこと言っときながらしっかり玉返してきてんじゃねえか」パコン
いろは「あっ!UFOが飛んでる!」
八幡「引っかかるわけないだろ…バカにしすぎだ…」
いろは「あっ!戸塚先輩が飛んでる!」
八幡「なんだとっ!?!?!?!?」
いろは「ていっ!」パコン
八幡「あっ…」
八幡「卑怯な…!」
いろは「引っかかる方が悪いんです〜。……いやほんとよく引っかかりましたねびっくりですよ」
おとは「あはは…卓球か…。なんか思い出すね」
さとは「あの時は2人ともバテバテだったけど…。さすがに若さだね」
八郎「なんかいい感じじゃないか」
さとは「おとは、先に言っとくけどさ。今度こそ私はやらな…
おとは「よーし!燃えてきた!私達もやるよ!お姉ちゃん!」
さとは「ほらきた…なんで私なの…。八郎とやればいいでしょ」
おとは「ハチローは審判やって!」
八郎「へいへい…(よし、審判の方が楽だわ)」
さとは「待ちなさい。八郎やって。審判はお姉ちゃんに任せなさい」
八郎「いやいやそんなおかまいなく」
おとは「ほらほら行くよ!」
さとは「ひ、引っ張らないでっ」
おとは「いろはちゃん!」
いろは「あ、おとはちゃ…」
八幡「ていっ!」パコン
いろは「あっ!今のは卑怯ですよ!ノーカンですノーカン!」
八幡「ダメだ。よそ見してるからだ」
いろは「むぅ〜」
おとは「よし、いろはちゃん。ダブルスでいこう!」
いろは「おお、いいね!」
八幡「2対1じゃねえか…」
おとは「そっちはお姉ちゃんが入ればいいよ!」
さとは「はぁ…結局やらなきゃダメなのか…」
八幡「よし、さとは。本気で行くぞ」
さとは「はいはい…」
八幡「いいかよく聞け。今の時代、卓球のラケットでツイストサー…」
さとは「その話はもういいよ。なんで奇跡的に同じこと言おうとするのさ」
八幡「?」
いろは「頑張ろうね。おとはちゃん」
おとは「うん!女の子は少しずるい方がいいんだよね!どんどん姑息にいってその中でも可愛いさを忘れないように、だよね!ちゃんと覚えてるよ!」
いろは「え、そ、そんなこと言ったけ?」
八郎「はーい。んじゃ0対0から…試合開始」
…
…
…
〜 数分後 〜
八郎「はい試合終了。先輩、さとは姉ペアの勝利」
八幡・さとは「「You still have lots more to work on…」」
いろは「本気出しすぎだー!」ブーブー
おとは「そうだそうだー!卑怯だー!」ブーブー
八幡「ブーブーうるせえな。素直に負けを認めろ」
おとは「前はお姉ちゃんに勝てたのに〜。まさかあの時は手加減してたの?」
さとは「ナンノコトヤラ」
八幡「おい、一色」
いろは「はい?」
八幡「その…さっきから着物がちょっと乱れてるから…ちゃんと直せよ」
いろは「あっ…す、すみません」ササッ
八幡「いや…」
いろは「はしたなかったですよね…すみません…」
八幡「……」
いろは「ほんと…すみません…」
八幡「あのさ」
いろは「は、はい」
八幡「そんな謝らなくてもいいから」
いろは「……でも…」
八幡「別に嫌な気分になったわけじゃねえし」
おとは「そりゃあそうでしょ、むしろ着物の隙間から見えてたいろはちゃんの谷間に興奮して…むぐっ」
さとは「黙ってなさい」ガッ
八郎「黙ってろ」ガッ
おとは「むーむー!」
八幡「……こ、こんなことで…その…」
八幡「…」
いろは「?」
八幡「お前のこと嫌いになんかならないからさ」
いろは「…っ…先輩……」
八幡「…///」
いろは「……ふふっ…嫌いにならないってそれだと私のこと好きだったってことになりますよ?なんですか?口説いてるんですか?」
八幡「なっ…そ、それは…今のはそういうことじゃなくて…///」
いろは「あはははっ。冗談ですよ♫」
八幡「はぁ…お前なあ…」
いろは「…」
いろは「せーんぱい」
八幡「なんだよ」
いろは「ありがとうございます」ニコ
八幡「………もうその笑顔があざとすぎるわ」
いろは「女の子はちょっとあざとい方が可愛いんですよ!」
八幡「ふっ…まったく…開き直りはえーな」
いろは「ふふふっ♫」
おとは「ぷはっ…ハァーハァー」
おとは「ふぅ…やっと…ちょっと前進した感じかな」
さとは「……そうだね」
八郎「…だな」
………………………
………………
…………
………
…
〜 とりあえず夕食まで自由行動 〜
八幡「旅館のゲーセンのくせにいろいろ揃ってんな〜」
さとは「……」
八幡「ん?」
八幡「…おい」
さとは「……」
八幡「おーい」
さとは「……えっ?……あ、私、お金持ってません。助けてください」
八幡「おい、俺だ俺」
さとは「…ああ」
八幡「ああ…ってお前なあ」
さとは「すみません。カツアゲされるのかと」
八幡「しねえよ…失礼な奴だな」
さとは「で、なんですか?」
八幡「いやずっとUFOキャッチャーの前にいるがやらないのか?そんな目でいつまでも突っ立ってると不審者に見えるぞ」
さとは「お父さんだけには言われたくない」
八幡「は?おと、え?」
さとは「なんでもない」
八幡「は、はあ…んでやらないのか?」
さとは「別に…興味ないし」
八幡「じゃあなんでさっきからチラチラと商品のパンさんのぬいぐるみ見てんだ」
さとは「……」
八幡「パンさん好きなのか?」
さとは「す、好きじゃない…」チラチラ
八幡「態度で丸わかりだぞ…」
八幡「…」
八幡「取れるかわかんねえけど。取ってやるよ」
さとは「な、なんでですか?」
八幡「…いい旅館に連れてきてもらったしな…」
八幡「それに一色のことでのお礼も…」ボソ
さとは「え?」
八幡「なんでもない。よし、やるか」
さとは「お金あるんですか?」
八幡「さっき部屋から持ってきた」チャリン
…
…
…
〜 数分後 〜
八幡「取れねえな…」
さとは「取れないですね…」
八幡「アーム弱すぎだろくそ…」
さとは「もういいですよ。お金の無駄ですし…」
八幡「でも…」
さとは「…」シュン
八幡「……」
八幡「もう一回やってみる」
さとは「え、ほんとにもう…」
八幡「いいから」チャリン
ウィーン
八幡「んで、ここから…」
ウィーン
八幡「…位置…調整を…」ドキドキ
さとは「…」ドキドキ
いろは「先輩なにやってるんですかー?」ヒョコ
八幡「うわっ」ポチ
八幡「あっ」
さとは「あっ」
いろは「え?」
ウィーン
八幡「あー…変なとこに…」
ウィーン
八幡「あれ?」
さとは「あ、タグに引かかって…」
ウィーン………ボトッ
八幡「おおっ!よっしゃ!」
さとは「と、取れた」
八幡「ナイス!一色!」
さとは「ありがとうっ。お母さ…生徒会長!」
いろは「え?え?」
…
…
…
八幡「ほらよ」
さとは「……(20年前のパンさんぬいぐるみ…これはレアだ…)」
いろは「後輩の女の子にぬいぐるみをプレゼントするなんて先輩やりますねー」ムス
八幡「なんでちょっと怒り気味なんだよ」
いろは「先輩面しちゃって」ムー
八幡「先輩だよ…」
いろは「やっぱり年下好きなんですね。ロリコンですね。キモいですね」
八幡「どうしたんだよお前は…」
さとは「……」ムギュムギュ
さとは「…お父さん」
八幡「ん?お前また…」
さとは「ありが…とう」ギュウ
八幡「え、あ、ああ…///」
八幡「(い、今のやべえな…)」ドキドキ
いろは「…なに赤くなってんですか」
八幡「な、なってねえよ」
いろは「むー…」
いろは「…」
いろは「(ぬいぐるみ抱きしめながら上目遣いでありがとう…なんて破壊力なの…。私までドキドキしちゃったよ…。しかも絶対、素だよねあれ…)」
さとは「…」ムギュムギュ
八幡「気に入ったみたいだな」
さとは「……うん」ムギュー
いろは「(さとはちゃん…恐ろしい子…!)」
いろは「先輩!私にも!私にもなんか取ってください」
八幡「いやもう金ねえわ」
いろは「なんですかそれ〜!。さとはちゃんだけなんてズルいです〜!」
さとは「…八幡先輩。生徒会長にも取ってあげてください」
八幡「……はぁ…言っとくがさっき取れたのもマグレだからな?」
いろは「わかってますよ。先輩が下手くそなことぐらい」
八幡「帰る」
いろは「あー!冗談!冗談ですってば!」
八幡「まったく……んで、なにがいいんだよ」
いろは「これ欲しいです!」
八幡「ええ…くっそ難しそうなんだが…他のにしてくれよ」
いろは「私のために頑張ってくださいね!先輩♫」
さとは「ファイト」
八幡「旅館きてなんでこんなUFOキャッチャーしてんだ俺…」
…
…
…
ー 部屋 ー
八郎「ちょっと部屋に戻ってみれば…」
おとは「(( _ _ ))..zzzZZ」
八郎「……」
八郎「はぁ…」
八郎「…」スッ
おとは「…ん、ん〜。あれ?はちろー?」
八郎「あ、すまん。起こしちゃったか」
おとは「あー。私、寝てたんだ」
八郎「疲れたのか?」
おとは「卓球やって、またお風呂入ったからかな。もう眠くて眠くて………あれ?」パサ
おとは「毛布…かけてくれたの?」
八郎「……まあ…おとは姉が風邪引いたら困るからな」
八郎「まったく…寝るなら布団で寝ろよ。バカ」
おとは「まったく、気をつけろよな」
おとは「その…お前に風邪でも引かれたら…困るんだよ…」ボソ
おとは「ほら準備してやったから。寝るんなら布団で寝ろ…。バカ」
おとは「もう…人のことすぐバカバカ言って…ほんと嫌なやつ!」
おとは「でも…なんだかんだこいつ…私のこと心配してくれたのかな…///」
八郎「おい、なに一人芝居やってんだ」
おとは「いや〜少女漫画ならこんな感じになるかな〜って!ハチロー、素質あるよ!」
八郎「なんの素質だよ…」
おとは「ん〜〜〜〜〜」ノビノビ〜
おとは「夕食まだ?」
八郎「ああ、まだ時間あるな」
おとは「よし!じゃあ遊びにいこう!私やりたいことがあるんだ!!」
八郎「さっきまで寝てたくせにいきなり元気だな…まあいいけどさ」
…
…
…
おとは「あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぎもぢぃいいいいい」
八郎「やりたいのってこれかよ…」
おとは「あああ、ハチロロロロロロ〜。いいいいよこれれれれれれれ」
八郎「それはよかったな」
おとは「このマッサージシェア気持ちいいよよよ〜」
八郎「マッサージチェアな」
おとは「ああああ……んあ?…あ、終わった」
おとは「ふぅ…肩が楽になったわい」
八郎「おーい女子高生ー」
おとは「ふぅ…よし、ハチロー」
八郎「ん?」
おとは「姉の足をマッサージしなさい」スッ
八郎「ええ…」
おとは「ほらほら、姉の言うことが聞けんのかね。ん〜?まったくできん弟ですな〜」
八郎「…」イラッ
八郎「………はいはい。仰せのままに」
八郎「……」ギュウウウウ
おとは「あっいだだだだだだだだ!?」
八郎「あ、悪い悪い」モミモミ
おとは「うう…そ、そうそう。優しくお願い…」
八郎「…」ギュウウウウ
おとは「いだだだだだだだだ!」
八郎「お客さんこってますね〜」ギュウウウウ
おとは「こってないこってない!わざとだよね!?わざとやってるよね!?」
八郎「…」ギュウウウウ
おとは「いだっだだストップストップ!ごめんなさい!お姉ちゃんが悪かっですあいだだだどぅあ!!」
…
…
…
おとは「ハァ…ハァ…いだがった…ぐすっ…痛かったよう…」ウルウル
八郎「嘘泣きやめなさい」
おとは「え?なんでわかったの?」ケロ
八郎「伊達に何十年もおとは姉の弟やってねえよ」
おとは「ほうほう。さすが我が弟だね。でも本当に痛かったんだからね?」ムッ
八郎「うっ…」
八郎「わ、悪かったよ。調子に乗りすぎた」
おとは「ん、素直でよろしい」スッ
おとは「よっ……ん?んー。ん〜〜っ」グググ
八郎「なにやってんの…」
おとは「頭撫でてあげようかと思ったんだけど…背高すぎだよハチロー…。ちょっとしゃがんでよ」
八郎「いや撫でなくていいから」
おとは「むぅ…いいからしゃがんでよ」
八郎「いやいや」
おとは「しゃがまないとスネ蹴って無理矢理…」
八郎「待て、今しゃがむから」スッ
おとは「よろしい。ではでは」
おとは「よしよし…」ナデナデ
八郎「なんでそこまでして…てかすげえ恥ずかしいんだけど…///」
おとは「……」
おとは「私ね、ずっと憧れてたんだ」
八郎「え?」
おとは「私には…年上の、お姉ちゃんしかいなかったから」
おとは「私は妹でしかなかった」
おとは「もちろんお姉ちゃんの妹ってことに不安なんてなかったよ」
おとは「でもいつからだったかな?思うようになったんだ」
おとは「私にも『お姉ちゃん』と呼んでくれる、弟や妹が欲しいなあって」
おとは「だからね」
おとは「ハチローが産まれてきてくれた時は本当に嬉しかったんだ」
八郎「……」
おとは「赤ちゃんのハチローを初めて抱いた時に思ったよ」
おとは「この子は私が絶対に守るんだ。悪さをしたらちゃんと叱って。良いことをしたらめいっぱい褒めてあげよう。大切にしよう。そう私は今日から…」
おとは「この子のお姉ちゃんなんだから…って…」
八郎「おとは姉…」
おとは「私はお姉ちゃんみたいに頭は良くないし。運動神経もダメダメだし…こんな私が誰かを守るだなんて笑い話にもならないけどね…」
おとは「この時代でハチローに出会った時なんか逆に守ってやるって言われてさ…もう本当…かっこよくなっちゃって…これじゃあ私いらなくない?って感じだったよ」
おとは「でもね、それでもやっぱり私は、ハチローのお姉ちゃんでいたいんだ。いさせてほしんだ。だからさ」
おとは「私にも少しぐらいは…かっこつけさせてよね」
八郎「……」
おとは「って、未来のハチロー相手に何言ってんだろ私。えへへ…ごめんね変な話して。今のは忘れていいよ!」
おとは「さーて、次は何しようかな~」
八郎「おとは姉」
おとは「ん?」
八郎「…」ナデナデ
おとは「うえ!?なんで頭撫でるの!?」
八郎「なんとなく」
おとは「や、やめてってば!弟にやられるとかかっこ悪いじゃん!」
八郎「ありがとな」
おとは「な、なにが?」
八郎「てい」ドス
おとは「いだっ。なんでチョップ!?」
八郎「あはははっ」
おとは「笑い事じゃないし!いきなりチョップとかおとは的にポイント低いよ!」
八郎「えっ…なにそのキャラ…」
おとは「え?知らない?大人の私やってないの?ポイント」
八郎「なんだよポイントって…」
おとは「よし!教えてあげよう!ポイントというのは小町お姉ちゃんの…」
八郎「いや長そうだからいいわ」
おとは「ええ!?」
いろは「あ、2人ともここにいたんだ」ニコニコ
おとは「あ、いろはちゃん」
八郎「………」
ーーーーー私はお姉ちゃんみたいに頭は良くないし…運動神経もダメダメだし…こんな私が誰かを守るだなんて笑い話にもならないけどね
八郎「バカ言うなよ」
八郎「情けない俺を何度助けてくれたことか。何度守ってくれたことか」
八郎「こちとら恩返しをしてもしきれないんだよ」
おとは「あれ?なんかすごい嬉しそうだね?てかどうしたのそのぬいぐるみ」
いろは「ふっふっふっ…実はね…〜〜」
八郎「俺が生まれてきてから今でも…おとは姉は、かっこよくて優しい…最高のお姉ちゃんだよ」
…
…
…
~数十分後~
八郎「さっきまで一緒にいたのにおとは姉たちいつの間にかいなくなってるし…」
八郎「まあいいか。それより喉乾いたわ…」
自販機 ピッ
ガタンッ
八郎「ん〜…お、あそこ座れる」
八郎「…」カシュ
八郎「…」ゴクゴク
八郎「……ふぅ」
八郎「ん?」
八幡「…」テクテク
さとは「…」テクテク
八幡「…よっこらせ」
さとは「…よっこらせ」
八郎「え、なに」
八幡「…」カシュ ゴクゴク
さとは「…」カシュ ゴクゴク
八幡「はぁ…」
さとは「はぁ…」
「「リア充爆発し(ない)ねえかな…」」
八郎「おい」
八幡「さっきの大学生?か知らんが見たかよ」
さとは「見ましたよ」
八幡「なんだってあいつらリア充はあーも距離を近くとるんだろうな。自然に頭叩いたり抱きあったりとか行動がスマートすぎるだろ。アメリカ人かよ」
さとは「妙に意識高い系っぽい人もいましたね」
八幡「いたな〜。なんか…あのクリスマスの会議思い出すわ…」
さとは「パパ先輩はあれでしょ。自意識高い系でしょ」
八幡「おお、よくわかったな」
さとは「もうですね。青春とか嘘だから。悪だから」
八幡「やっぱぼっちが1番だよな」
さとは「ぼっちがいいですよ。ぼっち最強」
八郎「あの、両サイドから捻くれたこと言うのやめてくれませんかね」
八郎「てかなんで俺を挟んで座ったんだ…」
さとは「八郎。今からお姉ちゃんがぼっちの素晴らしさを教えてあげるから心して聞きなさい」
八幡「よく聞いとけよ」
八郎「やめろ。俺を引き込むな。言っとくが俺はぼっちじゃねえから。友達いるからな普通に」
八幡「と、友達…だと。友達って…あの友達か!?」
さとは「そんなバカな…!」
八郎「いや驚きすぎだろ…」
八郎「(時代が違っても変わんねえなこの親子は…)」
…
…
…
さとは「てか、苦いんですけどこれ」
八幡「買わせといて文句言うなよ。仕方ねえだろマッ缶なかったんだから。あるなら俺だって飲みてえよ」
さとは「八郎、隣町とか探してきてよ」
八郎「無茶言うなよ。確かにめっちゃ飲みたいけどさ」
おとは「おーい!みんな〜」
さとは「おとは」
いろは「みんなここにいたんだ」
八幡「一色…まだそのぬいぐるみ抱いてたのか」
いろは「いいじゃないですか別に〜」
おとは「そうだそうだお姉ちゃん!」
さとは「なに?」
おとは「さっきマックスコーヒー見つけたよ!」
「「「なに!?」」」ガタ
いろは「わっ。ビックリした…」
さとは「おとは。どこで見つけたの」ガシ
おとは「そ、外の…あそこの建物に隠れてた自販機で……。あ、あの肩痛いよお姉ちゃん」
八幡「よし、お前たち。行くぞ」
さとは「はい」
八郎「うっす」
いろは「いや…もう夕食の時間ですよ。先輩」
おとは「そうだよ!豪華な料理が待ってるよ」
八幡「馬鹿者」
さとは「そんなものは後だよ」
おとは「そ、そんなものって…」
八郎「おとは姉。もう限界なんだよ俺たちは」
八幡「人生は苦いからな…」
さとは「コーヒーぐらい…」
八郎「甘くていい…」
おとは「い、行っちゃった…変な捨て台詞言いながら」
いろは「なんなのいったい…」
………………………
………………
…………
………
…
ごちそーさまでした!
おとは「や〜美味しかった〜」
いろは「先輩けっこう食べてましたね」
八幡「いや美味かったわ。マジで」
さとは「眠い…」
八郎「ちょ、さとは姉。食ってすぐ寝ようとするな」
平塚「よし!じゃあ私はちょっと用事があるから失礼するよ」
平塚「なるべく早く寝るんだぞ。問題だけは起こさないよーに」
おとは「はーい。先生!」
平塚「合コン♫合コン♫」
八幡「……」
いろは「これからどうする?」
八幡・さとは「「寝よう」」
おとは「言うと思ったよ…」
おとは「お姉ちゃん忘れたの?」ボソ
さとは「ああ…そうだったね…」
いろは「なにかあるの?」
おとは「あ、えっとね。見てこの雑誌!」
いろは「なにこれ…桜?」
おとは「そう!桜!実は今夜、この旅館の近くでたくさん桜がライトアップされて夜桜が見れるんだよ!ぼんぼりとかちょうちんとかもあるよ!」
八幡「ほーん」
いろは「なにそれ行きたい!」
おとは「行きたいよね!よし!じゃあいってらっしゃい!」
いろは「へ?」
八郎「夜道を1人でなんて危ないからボディーガードに先輩をどうぞ」
八幡「は?」
おとは「さあさあ」グイグイ
いろは「お、おとはちゃん」
八幡「おい、押すなって」
おとは「じゃ、ごゆっくり〜」
ドア バタン
ガチャ
八幡「か、鍵閉めやがった…」
いろは「…」
八幡「…」
いろは「どうします?」
八幡「どうするって…」
いろは「…せっかくだし…行きます?…ふ、2人で」
八幡「……」
八幡「…そ……そうだな。行くか」
…
…
…
いろは「うわぁー!先輩見てくださいあれあれ!」
八幡「見てるよ」
いろは「私、夜桜なんて初めて見ましたよ」
八幡「どうするよ。とりあえず歩き回ってみるか?」
いろは「そうですね!!!」
八幡「なんだよお前テンション高いな」
いろは「うふふ♫そうですか?なんでですかね〜」タタタ
八幡「ちょっ、走んなって」
…
…
…
おとは「うまくやってるかな〜」
さとは「どうだろうね」
おとは「私としてはもう告白までいってほしいんだけどね」
八郎「そこまでできるか?あの2人だぞ…お、揃った」
さとは「でも、とっととそこまでいってもらわないと困るよ」
おとは「クリスマスイブに行くイルミネーションのイベントでパパがマフラーなんか買っちゃってママに巻いてあげて抱きしめちゃうぐらいには今日のシチュエーション完璧だと思うんだけどね」
さとは「えらく具体的だね………」
八郎「次、さとは姉だぞ」
さとは「あ、ごめん」スッ
さとは「ん?……持ってる間…しゃくれてないと死?なにこれ誰トランプに落書きしたの」
八郎「死って…」
おとは「はいお姉ちゃん、しゃくれてしゃくれて」
さとは「ええ…やだよ」
おとは「しゃくれないと死んじゃうんだよ!いいの?私は嫌だよ!お姉ちゃんが目の前でドバンッってなったら私泣いちゃうよ!」
さとは「意味わかんないんだけど……はあ…こりぇでひぃひ?」
おとは「あっははははははっ!しゃくれたお姉ちゃんやばすぎwwww」
さとは「…にゃぐってひぃかな(殴っていいかな)」
八郎「おいおい普通のババ抜きしようぜ。やだぞ俺はしゃくれるの……ん?引いたら死?」
おとは「はいハチロー死亡!残念!ゲームオーバー!神にはなれませんでした!」
八郎「なにこのクソゲー……」
…
…
…
いろは「あれが枝垂れ桜ってやつですか!すごいですね〜」
八幡「…なあ、お腹すかないか?あそこの団子でも食べねえ?」
いろは「先輩……わっかりやすいほどに花より団子ですね…」
八幡「わ、悪かったな。いや俺も夜桜には感動してるぞ。うん」
いろは「もう…さっき食べたばっかじゃないですか」
八幡「別腹だ。別腹」
いろは「はぁ…仕方ないですね」
「ありがとうございやしたー!」
八幡「…」モグモグ
八幡「(美味いな…。夜桜の雰囲気もあってかすげえ美味く感じるわ)」
いろは「…」ジー
八幡「ん?」
いろは「…!」フイ
八幡「…」モグモグ
いろは「…」ジー
八幡「…」
いろは「…」ジーーー
八幡「……はぁ……一色」
いろは「はっ!な、なんですか?」フイ
八幡「欲しいのか?団子」
いろは「べ、別に欲しくないですよ!」
八幡「わかりやすいなお前…ほら」
いろは「せ、先輩がどうしてもくれると言うのでしたら…」
八幡「いらないなら食べる」アーン
いろは「ああ!欲しいです!欲しいです!」
八幡「素直でよろしい。ほれ」
いろは「で、では…あーん///」
八幡「な!?」
いろは「…」モグモグ
いろは「美味しいですね///」
八幡「そ、そうか…///」
いろは「な、なに赤くなってるんですか///」
八幡「お前がいきなり…その…あーんとか…俺は串ごと渡そうと…」
いろは「……嫌でしたか?」
八幡「い、嫌なわけあるか!むしろくそ可愛かったわ……あっ」
いろは「え?///い、いいい今なんて!」
八幡「ああ、ちが、今のは忘れろ。ほら、食ったしとっとと行くぞ」
いろは「ええー!もう一度!もう一度言ってくださいよ!先輩!」
八幡「言わん」
いろは「せんぱーい!」
…
…
…
さとは「うえぇ…なんかマッ缶より甘ったるいリア充の波動を感じる…」
八郎「なに言ってんださとは姉。それより俺の身体にしがみつくのやめてくれませんか」
さとは「だって、おとはが怖い話するって…」
おとは「いいじゃん!たまには」
さとは「やだよ…」
おとは「もう〜。…わかったわかった。幽霊じゃなかったらいいんでしょ?」
さとは「それなら…でも幽霊以外で怖い話とかあるの?」
おとは「うーん…怖い話とはちょっと違うかな〜」
八郎「いやもう怖い話いらないんじゃないか。さとは姉離れてくれ」
おとは「これは…………ある男の物語である…」
八郎「あ、もう話始めるのね…」
ーーーーーーーー
男は大学に入ってから一人暮らしを始めた
ごく普通のアパートだが最近たまにおかしなことが起こるようになった
男「またか…」
大学から帰ってくるとカーテンの形やゴミ箱の位置などが微妙に変わっている気がするの
だ
最近は誰かにつけられてる様な気もしてきた
流石に気味が悪くなってきた男は実家に住んでる妹の小町に相談した
八郎「いや男って親父じゃねえか」
さとは「お父さんの話なの?」
小町「お兄ちゃんもしかしてそれ…ストーカー?部屋に侵入してるとか?」
八幡「こえーこと言うなよ。てか俺をストーカーするやつなんかいねえだろ」
小町「でも実際…今、変なことが起こってるんでしょ?」
八幡「……」
小町「警察に言うのが一番良いと思うけど… 警察は実際に被害が無いと動いてくれないって聞くしなあ…」
八幡「正直…マジで怖いわ。俺…。どうすりゃいいかな…」
小町「うーん…じゃあ大学に行ってる間ビデオカメラで部屋を撮影しておくのはどうかな!」
八幡「は?撮影してどうすんだよ」
小町「もし本当に…ストーカーが部屋に侵入してるんなら…それが撮れたらそのテープもって警察に行けば不法侵入してるわけだからさすがに警察も動いてくれるよ」
八幡「…なるほどな」
具体的な解決策を提示してくれた
やはり持つべきは妹だな!これは良い案だ!
と男は思った
早速次の日の朝、部屋にビデオカメラをわかりにくいようにこっそり設置して録画状態のまま大学へ行った
そして
八幡「ただいま………」
八幡「……うわっ………」
大学から帰ってきた男は焦った
部屋にわかりやすいほどに違和感がある
八幡「これは…マジでなんか写ってるかもな…」
と男は録画していたビデオに近づき
録画を止め、再生した
しばらくは何も写らなかった
しかし夕方になると、見知らぬ女が、なんと包丁を持って部屋に入ってきたのだ
見知らぬというかフードを深く被っており顔がよく見えない
だが体格からしても女であることは確かだ
八幡「……!?!?」
驚いた男はすぐに妹に電話をかけた
「やばい小町。写ってる…写ってるストーカー写ってるっ」
若干興奮気味に伝え
それからは録画を見ながら小町に内容を実況した
「ゴミ箱漁ってる…」
「今度は服の匂い嗅いでるわ…怖っ…」
今までコイツは何回もこの部屋に来ていたのかと思うと
男は背筋が凍る思いだった
八幡「はぁ………でもこれで警察も動いてくれるな…」
と少しホッとしてると
女「ふぅ…暑い…」
女はそう呟きフードを脱いだ
よし、これで顔も確認できる
そう思った
だが
八幡「………なっ…!?」
小町『どうしたの?お兄ちゃん』
その女の顔を見て男は今日1番に驚いた
当たり前だ。それは知っている顔だったのだから
八幡「い、一色……?」
カメラに映ってる人物は紛れもなく
高校時代からの後輩である一色いろはだった
なんで、なんで一色が
男は恐怖と混乱で頭がおかしくなりそうだった
録画の続きをみると
画面の中の一色は押入れに入っていった
小町『それで今度はなにしてるの?』
八幡「あ、ああ…押入れの中入ったよ。……なかなか出てこないな……」
小町『うわっ…マジで?お兄ちゃんお金とか置いてるの?それで探してるんじゃない?』
八幡「いや押入れに金なんて置いてない」
八幡「………全然出てこねえな…なにしてんだ…」
それよりなんで一色が?なんで包丁なんか持ってうちに?小町に言うか?警察に?いやでも…
などと頭の中でグルグルと考えながら映像を見続けた
すると
突然カメラの中で音が聞こえた
ガチャ…
ドアの音だ
また誰かが部屋に入ってきたようだ
八幡「え、嘘だろ。また誰か入ってき………っ!?」
男は言葉に詰まった
部屋に入って来たのは
自分だった
『……うわっ………』
『これは…マジでなんか写ってるかもな…』
そうビデオの中の自分が呟きながら、カメラに近付き録画を止める
そこでビデオは終わっていた
八幡「あ……え……?」
小町『お兄ちゃん?どうしたの?お兄ちゃん。お兄ちゃ…』
「せーんぱい」
背後から声が聞こえたと同時に男は意識を失った
ーーーーーーーー
おとは「めでたしめでたし」
八郎「」
さとは「」
おとは「ねえ?どうだった!どうだった!」
八郎「怖いわッ!いやいや親父どうなったんだよそれ!」
おとは「さあ?」
八郎「さあって…」
さとは「お、おとは…実話じゃないよねそれ?」
おとは「え?」
おとは「それは………えへへ♫」
さとは「実話じゃないよねそれ!?」
…
…
…
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
いろは「……」
いろは「あ、あの!先輩!」
八幡「なんだ?」
いろは「ひ、人がいっぱいいますね」
八幡「そうだな。けっこう見に来る人多かったみたいだな」
いろは「これははぐれて迷子にでもなったら大変ですね!!」ズイ
八幡「そ、そうだな」
いろは「…」
いろは「…ん…///」ス…
八幡「え、なに」
いろは「手」
八幡「て?」
いろは「手…繋ぎましょう…///」
八幡「は?///」
いろは「…は、はぐれないようにです!///」
八幡「い、いやいや本気で言ってんのか?は、恥ずかしいだろ普通に///」
いろは「は、早くしてください。いつまでも女の子に恥かかせたらダメですよ!」
八幡「ぐぬっ……」
八幡「……」
八幡「ふぅ…よし…」
八幡「」ギュ
いろは「ひゃわっ///」
八幡「へ、変な声出すなよ」
いろは「すすすすすみません」プルプル
八幡「おい、手おもっきり震えてるんだが大丈夫かお前」
いろは「……気のせいですよ」プルプル
八幡「いやいや」
八幡「………」
八幡「(そういえば手汗とか大丈夫かな俺?マジで大丈夫か?いや大丈夫だよな?本当に大丈夫かこれ?)」プルプル
いろは「先輩?」
八幡「はえ!?」
いろは「なに変な声出してんですか」
八幡「す、すまん」
いろは「手、震えてますよ?」
八幡「……気のせいだろ」プルプル
いろは「いやいや」
八幡「……」
いろは「……」
八幡「…ふっ」
いろは「ふふっ…」
ギュッ
いろは「行きましょうか。先輩」
八幡「ああ」
…
…
…
さとは「王手」パチ
おとは「うぇ!?ま、待った!」
さとは「ダメ」
さとは「あと、八郎。チェックメイト」
八郎「くっ……おとは姉と将棋やりながらなのに強すぎだろ…」
おとは「お姉ちゃんなんでそんなゲーム強いの…」
さとは「お姉ちゃんですから。妹と弟には負けないよ」
おとは「ぐぬぬ…まだまだ!ハチロー!絶対倒すよ!」
八郎「おう!」
さとは「UNO…………あがり」
おとは「うう…」
八郎「くそ…」
さとは「丁」
八郎「半!」
おとは「丁です…」
八郎「ぐはっ…」
さとは「ロイヤルストレートフラッシュ」
おとは「嘘ぉお!?」
おとは「よ、よーし。じゃあ私としりとりで勝負だ!」
さとは「いいよ」
おとは「ふっふっふ。しりとりには自信あるんだよ私は」
おとは「リス!」
さとは「水酸化アルミニウム」
おとは「虫!」
さとは「硝酸化アルミニウム」
おとは「む、虫取り」
さとは「硫酸化アルミニウム」
おとは「………ムチ」
さとは「窒化アルミニウム」
おとは「…ム…む……あっ!蝕む!」
さとは「無水素化アルミニウム」
おとは「うわああああああっ!もうこんなしりとりやだあああああああ!」
八郎「ひでえ…」
おとは「最後の勝負だよ!ハチロー!手を組もう!」
八郎「おう!」
さとは「御無礼。ツモです」
おとは「ぬわっ!?」
さとは「ロン。八郎、背中が煤けてるよ」
八郎「ぐっ…」
おとは「ま、まだまだ!」
さとは「カン。カン。もういっこカン。嶺上開花」
おとは「ええっ!?」
ガッ
ギュルルルルルルッ!!
八郎「さとは姉の右腕に竜巻と電流がッ…!?」
さとは「ツモ。48000です」
おとは「…あ…あ…ああああっ!」ぐにゃあ
さとは「麻雀って楽しいよね。ほんと…狂気の沙汰ほど面白い…!」
八郎「いやてかさっきからノリノリだなさとは姉。パクリすぎだろ」
…
…
…
いろは「夜桜も綺麗ですけど。ぼんぼりも綺麗ですね。もう綺麗なものがいっぱいですよ」
八幡「…そうだな」
いろは「もう、先輩」
八幡「え?なんだよ」
いろは「こういう時は『お前が1番きれいだよ』ぐらい言えなきゃダメですよ。こんなに可愛い女の子が隣にいるんですから」
八幡「ええ…」
いろは「ま、先輩がいきなりそんなこと言ったら気持ち悪いですけどね」
八幡「おい、気持ち悪いはないだろ」
いろは「じゃあ試しに言ってみてください」
八幡「えっ」
いろは「さあさあ。さあさあ!」ハァハァ
八幡「なんか息あらくなってないかお前」
いろは「そんなことないです。さあ、早く言ってみてください」
八幡「…はぁ…」
八幡「お前が一番きれいだよ」
いろは「…」
八幡「…一色?」
いろは「行きましょう」クル
八幡「ええ…なんだったんだよ今のやりとり…」
いろは「(うへへ…やばい。今のはやばいよ!)」
…
…
…
いろは「帰ったら…奉仕部のお二人に謝らないとですね」
八幡「…だいぶ心配させちまったしな…」
いろは「私たち…いつからあんな嫌な空気になっちゃってたんですかね」
八幡「…わからねえな」
いろは「ついこの前までは…ずっとあのままで…先輩が…卒業してしまうのかと思ってました…」
八幡「…」
いろは「そんなの…絶対嫌でしたよ」
八幡「……ああ」
八幡「(…俺もだよ)」
いろは「……さとはちゃんたちには感謝しないとですね」
八幡「…ああ。ちょっと無茶苦茶なやつらだけどな」
いろは「不思議ですよね。さとはちゃんたちって」
八幡「不思議すぎるわ」
いろは「でも…不気味ってわけでもなく、恐怖もなく…なぜか私たちあの3人姉弟をすんなり受け入れちゃってますよね」
いろは「わかってます?私たちがあの姉弟に初めて出会ったのはついこの間ですよ」
八幡「……そう…だよな」
いろは「ちょっと変なこと言っちゃっていいですか?」
八幡「なんだ?」
いろは「今日…さとはちゃんたちと…先輩と旅行に来て…一緒に遊んで…思っちゃったことがあるんです」
いろは「私たちって……家族みたいだなって」
八幡「……」
いろは「すみません。意味わからないですよね。友達じゃなくて家族だなんて」
いろは「自分でもなんでこんなこと思ったのかわからないんです」
八幡「…家族……か…」
八幡「(普通なら確かに意味わからないし、ありえないが…なんでだろうな…)」
いろは「…先輩?どうかしましたか?」
八幡「あ、いや。なんでも」
八幡「(俺までちょっと思ってしまったわ…)」
八幡「本当に…なんなんだろうな…あいつらは」
いろは「なんなんでしょうね…」
…
…
…
おとは「蛇でいてくれて…あ”りがどう…」
おとは「バーン!!」
八郎「いやこれ市民だけどな」ペラ
おとは「ええ!?」
八郎「俺の勝ちだな」
おとは「ど、どどどどどうして」
八郎「いや表情がもうわかりやすいし」
おとは「バカな!…そんなバカなことがあるか!!どうして…、貴様!、どうしてお前どうして!皇帝にしなかった!!」
八郎「はいはい。雰囲気作ってないで、負けたんだがら罰ゲームの肩もみな」
おとは「むぅ〜…お姉ちゃ〜ん。弟がイジメる〜」
八郎「なんでそうなるんだよ…」
おとは「あれ?お姉ちゃん?どこ?………あっ」
さとは「(( _ _ ))..zzzZZ」
八郎「寝てるし…ってかいつの間に布団敷いてたんだ…」
おとは「あはは…自分のだけ敷くってとこがお姉ちゃんらしいね」
八郎「まったく。まだ親父たち帰ってきてないのに」
おとは「いいよ。そのまま寝かしといて」
八郎「いいのか?」
おとは「うん。私たちと遊んだのもあるけど、たぶんずっと気を張ってたから疲れちゃったんだよ」
八郎「…気を張ってた?」
おとは「……」
おとは「ハチローが前に言ってたよね。お姉ちゃんはこんな状況でも私たちの前では弱いところを見せようとしないって」
八郎「……ああ」
おとは「その通り……たぶんこの時代に来てから…1番気を張ってたのはお姉ちゃんだよ」
八郎「……」
さとは「…すぅ…すぅ…」
おとは「……我らが姉はやっぱりすごいね」
八郎「…そうだな」
さとは「…むにゃ…お…父さん…」
おとは「あははっ。パパの夢でも見てるのかな?」
八郎「どんだけ好きなんだよ…」
おとは「…」
八郎「…」
おとは「私たちも頑張らなきゃね。元の時代に戻るためにも」
八郎「おう」
おとは「お姉ちゃんも言ってたし」
八郎「なにを?」
おとは「絶対…帰れるって」
八郎「………」
八郎「…ふっ……ろくに方法も見つかってないってのに…」
八郎「………でも、さとは姉が言うなら…そうなんだろうな」
…
…
…
おっさん「おーい!そこのラブラブカップル!」
八幡「ん?」
いろは「え?」
おっさん「あんたらだよ!あんたら」
いろは「わ、私たちはカップルじゃ…///」
八幡「…///」
おっさん「違うのかい?(おもいっきり手繋いでるが…)」
おっさん「まあいいや。クジやってかねえか?いいの揃ってるぜ!」
八幡「屋台のクジか…こういうの当たる気がしないんだが…」
いろは「いいじゃないですか。せっかくだし1回だけやりません?」
八幡「まあ…一色がそう言うなら…」
…
…
おっさん「おおー。4等だな」
八幡「また地味なとこだな」
いろは「景品はなんですか?」
おっさん「4等は…キーホルダーだな。実は今日の夜桜イベント限定の商品なんだぜ」
いろは「へーいいじゃないですか!わっ。桜の形してる!可愛い!」
八幡「意外に洒落たの置いてるのな」
おっさん「ん?あ、これもか。嬢ちゃん。こっちもセットみたいだ」
いろは「え?…もしかしてこれ…」
おっさん「ありがとな!また来いよ!」
八幡「可愛いもんでよかったな。変な水鉄砲でも当たるかと思ってたが」
いろは「そうですね」
いろは「…先輩。これあげます」
八幡「は?さっきの景品じゃないか。いらないのか?」
いろは「いえ、私も持ってますよ」チャラ
八幡「…?」
いろは「これはいわゆるペアキーホルダーってやつです」
いろは「ほら、こうすると」
カチッ
八幡「おお繋がった…なるほどな」
いろは「だ、だからその…片方…先輩にあげます///」
八幡「い、いいのか?」
いろは「いいですからほらっ」
八幡「あ、ああ」
いろは「そろそろお部屋に戻りましょうか」
八幡「そうだな。あいつらまさか寝てないだろうな」
いろは「さとはちゃんだけは寝てそうですけどね…はははっ」
八幡「ありえるな…」
いろは「楽しかったですね」
八幡「桜見ながら歩きまわっただけだけどな」
いろは「楽しくなかったんですか先輩は?」ムス
八幡「………楽しかった」
いろは「ふふっ。最近先輩、素直になりましたね。捻デレ先輩のくせに」
八幡「ばっか。俺はいつだって素直でいい子だ」
いろは「どの口が言いますか」
八幡「…」
八幡「(お前といるだけで…なにもかもが…本当に楽しいよ)」
八幡「なんて…言えねえよなあ…」
いろは「はい?」
八幡「なんでもない。とっとと帰ろう」
いろは「はい♫」
………………………
………………
…………
………
…
~ 次の日 ~
温泉旅行が終わり俺たちは無事に家に帰ってきた
ちなみに朝、帰る時の平塚先生がめちゃくちゃ不機嫌だったがナニカアッタノカナー
そんなこんなで俺は旅行の疲れもあって帰ったらすぐ寝ようと決めてたんだが…
八幡「あの、足が痺れたんですが…」
なぜか正座させられていた
おとは「ダメ!そのままだよ!」
八幡「なんでこんなことに…」
おとは「わからないの!?」
小町「お兄ちゃん本当にゴミいちゃんだね!」
八幡「小町まで…なんなんだよ一体」
おとは「ママ……いろはちゃんのことだよ!」
八幡「い、一色がなんだよ」
おとは「…もうわかってるよね?」
八幡「……」
おとは「あれほど…あれほどシチュエーションを作ったのに……」
おとは「なんで告ってないの!?!?」
小町「そうだそうだ!!」
八幡「こ、告るって…な、何言ってんだよそんな…」
おとは「問答無用!もう我慢できない!好きなんでしょ?好きなんだよね!いろはちゃんのこと!」
小町「どうなのお兄ちゃん!」
八幡「それは…」
おとは「ねえ聞いてくださる奥さん。あなたのとこのお兄ちゃん、昨日いろはちゃんと手を繋いだらしいですよ」
八幡「な、なぜそれを…!?」
小町「あらっま!手を!?それはラブラブね奥さん。それはつまり恋人同士になったということかしら?」
おとは「それがまだ告白すらしてないそうですよ〜」
小町「あらっま!告白してない!?そこまで雰囲気作っといて?ありえないわ!ヘタレだわ。その男ありえないほどヘタレだわ!」
八幡「おい、やめろその喋り方。イライラするから」
おとは「…」ジー
小町「…」ジー
八幡「…う…」
おとは「…」ジー
小町「…」ジー
八幡「………ヘタレで悪かったな。そうだよ。…何も言えなかったよ」
小町「逃げたの?」
八幡「逃げた」
小町「怖かったの?」
八幡「ああ。怖くて逃げた」
小町「うむ」
おとは「やっと言ったね」
八幡「…」
おとは「でも一応、言おうとはしてたんだね」
八幡「…まあな」
小町「ねえ、お兄ちゃん。…一色さんの気持ち、気づいてるんでしょ?」
八幡「……」
八幡「…ああ」
おとは「じゃあ後はパパ先輩が言葉にして言うだけだよ!」
八幡「…しなきゃダメか」
おとは「ダメなのが一番わかってるのはパパ先輩でしょ」
八幡「………」
小町「お兄ちゃん。言っとくけどさ、一色さんだっていつまでも待ってくれないよ?」
八幡「…」
小町「お兄ちゃんが一色さんとはこのままでいいやとか思ってるなら、あっという間に誰かに取られちゃうよ。一色さんモテるし」
八幡「……」
小町「そんなの嫌でしょ?」
八幡「そんなの…」
八幡「(…嫌に決まってる)」
さとは「…ん〜」
おとは「あ、おはよう。お姉ちゃん。もう夕方だけど」
さとは「おはよう…」
八幡「……いたのかお前…」
おとは「旅行帰ってきてからずっとソファで寝てたよ」
八幡「自由なやつだな…」
さとは「マッ缶飲みたい…」
小町「あ、すみません。マックスコーヒーないんですよ今」
さとは「…むぅ……八郎、買ってき………八郎は?」
おとは「買い出し言ったよ!マックスコーヒーも頼んでるからもうちょっと待ってなよ」
さとは「……じゃあ……おやすみ」
八幡「また寝るんかい…」
小町「…で、どうするの?」
八幡「…」
八幡「…」
八幡「…すまん…ちょっと部屋もどるわ」
ドア バタン
おとは「…ん~…大丈夫かな…パパ先輩」
小町「こればっかりは…お兄ちゃんが自分で決めるしかないですね…」
おとは「(パパ…)」
さとは「(……)」
…
…
…
ー 街 ー
いろは「あの…やめてください。本当に」
DQN「ええ〜いいじゃんよ〜暇なんだろ?」
DQN2「ちょっと俺らとカラオケ付き合うだけでいいからさ〜」ガシ
いろは「いたっ…嫌…離してください」
葉山「ん?あれは…もしかして…」
DQN2「ほらほら、行こうぜ」グイグイ
いろは「嫌っ。嫌です…!」
DQN「おいおい。優しくしてやれよ。そんなんだから彼女にフラれるんだよwww」
DQN2「あ、お前それ言う?てか前の女はあいつがクソだったんだよ。俺は悪くねえ」
DQN「はーいはい」
DQN2「お、そうだ。あんた俺の女にならね?」
DQN「おまwwいいね〜やっぱJKだよな!女にするんなら俺にも貸してくれよ」
DQN2「どうよどうよ、俺、金けっこう持ってんぜ?」
いろは「い、嫌…」
DQN2「ああ?なにが嫌なんだよ?俺が女にしてやるって言ってんだぜ?あんま調子に乗んなよ?」
いろは「(なんなの…全然話聞いてくれない…)」
いろは「(この人たち大学生?…なんでこんなことに…」
いろは「(嫌だ…怖い…怖いよ…)」
いろは「(誰か…誰か助けて…!)」
DQN「おら、わかったらこっち来い…
「おい!!」
DQN「あ?」
DQN2「ああん?」
いろは「あっ…」
八郎「何やってんだお前ら」
いろは「お、弟くん…」
DQN「なになに?なんか用?」
八郎「お前ら…」
DQN2「ああん?なにか言いたそうだなあ?なんだよお?」
八郎「お前ら…!」
八郎「お袋をナンパしようなんて正気か。やめとけ。将来コキ使われてハゲるぞ」
DQN・DQN2「「……………………………は?」」
いろは「…え?」
八郎「あ、間違えた。今のナシ」
八郎「…コホン」
八郎「お前ら。やめろよ。困ってるだろ」
DQN「……あ、ああ…あ?…あ、ああん!?なんだよ喧嘩売ってんのかお前え!」
DQN2「やんのかおら!」
八郎「(話聞かねえ系の奴らだな…さて、どうするか…)」
八郎「(…よし)」
八郎「その手を離せよっ」ガシ
DQN2「は?お前こそ離せよ」
八郎「…」ギュウ
DQN2「ぃ、痛って…いだだだだっ」バッ
DQN「お、おい大丈夫か?」
DQN2「くそっ…なんつー握力してんだ…」
いろは「お、弟く…」
八郎「…」グイ ダキヨセ
いろは「わわっ…」
八郎「手出さないでくれないか?こいつ俺の女なんで」
いろは「えっ…///」
DQN「ちっ…カッコつけてんじゃねえぞ!少女漫画から飛び出してきたようなイケメンなセリフ言いやがって!似合うのがうぜえ!」
DQN2「調子に乗りやがって!殴り飛ばしてやるわ!」
八郎「…」スッ
葉山「2対1は卑怯じゃないですか?」
八郎「…!」
いろは「は、葉山先輩!?」
DQN「な、なんなんだよ次から次へと」
葉山「それより気づいてますか?周りにすごい見られてますけど」
ザワザワ…ザワザワ…
DQN「うっ…」
DQN2「……くっ……あーあ。なんか白けたわ、行こうぜ」
DQN「そ、そうだな」
…
…
…
八郎「はぁ…どの時代にもいるもんだな…あーいうのは。まったくアニメじゃないんだから。勘弁してほしいわ」
葉山「時代…?」
八郎「ああ、いや…」
いろは「あの…ありがとうございました」
葉山「俺は何もしてないよ。お礼は彼だけでいいさ」
いろは「はい。……弟くん…本当にありがとう」
八郎「いえ…俺もなにも…」
葉山「いろはの先輩として俺からも礼を言わせてくれ」
八郎「たいしたことしてないですよ別に」
葉山「いやいやなかなかできることじゃないよ」
葉山「俺は結局出遅れしまったからな…」
いろは「でも助かりましたよ。葉山先輩があそこで出てきていなければ殴り合いになってたかもです」
葉山「うん……まあ、俺が出てこなくても…どうにかなってただろうけどね」
いろは「え?」
葉山「君、なにか武道の心得あるだろう?一瞬だったけど素人とは思えない構えをとってたしね」
いろは「そ、そうなの?」
八郎「…まあ」
葉山「でもあんなの相手にする価値もないさ。平和に終われてよかったよ」
八郎「そうですね………あっ」
いろは「どうしたの?」
八郎「買い出し忘れてた…」
…
…
…
ザワザワ…ザワザワ…
いろは「………」
葉山「へぇ、あの2人の弟だったのか」
八郎「はい。姉たちに会ったことあるんですね」
葉山「前に少しだけね」
葉山「うーん…そうか…じゃあ関係はないのか…」
八郎「…なんですか?」
葉山「いや、ビックリするぐらい俺の同じクラスのある男子に似ていてな」
八郎「へ、へー。そうなんですかー」
葉山「いや本当に…そっくりだな……」
いろは「……」
「きゃっ。見てあれ!」
「なにあのイケメン2人!やばくない!?」
「やばっ、鼻血出てきた」
「なにあの真ん中にいる女。羨ましい〜」
キャーキャー
ザワザワ…ザワザワ
いろは「(すごいことになってるなあ…。2人とも気付いてないけど。てか私への視線痛すぎだよ)」
いろは「(イケメン2人をはべらせて…これは私かなりドヤれるのでは?ふっふっふ)」
いろは「(先輩と歩いてたらこんなこと絶対ないだろうな。はははっ)」
いろは「(……)」
いろは「(…でも先輩と歩く方が…)」
葉山「どうかしたかい?」
いろは「あ、い、いえ」
八郎「あの、本当にいいんですか。買い出し手伝ってもらって」
いろは「うん。少しでもさっきのお礼がしたいからね」
葉山「俺も散歩がてら街に来ただけから暇だったんだ。手伝うよ」
八郎「…ありがとうございます」
いろは「こっちこそ…。本当に。改めてありがとう。助けてくれ」
八郎「いえ本当にそれはもういいですから」
いろは「で、でも、演技とはいえ…」
いろは「あれは…///」
八郎「あれ?」
いろは「だからその…お、俺の女っていう…」
八郎「あっ…。す、すみません。あれは…」
いろは「わ、わかってるよ。わかってる」
いろは「(でも…さすがにあれはちょっとドキッとしちゃったよ…///)」
葉山「本当にかっこよかったな」
八郎「…」
八郎「(よく考えたら俺…演技とはいえお袋にあんなことを言ったのか…?)」
葉山「八郎くん?」
八郎「うえ…気持ち悪くなってきた…吐きそう」
葉山「ええ!?なんで急に!?」
いろは「(ただでさえ弟くんって先輩に似てるし………もしあれが先輩だったら?……ちょ、ちょっとアリかも)」
(八幡「手だすんじゃねえよ。こいつは俺の女だ」)
いろは「きゃ〜〜〜っ!!!!///」クネクネ
葉山「わっ。い、いろは?」
八郎「うええ……」ウプ
いろは「もうっ…先輩ったら♫うふふ///」クネクネ
葉山「…ははは……なにこれ…」
…
…
…
~ 数時間後 ~
八郎「じゃあ俺はここで」
八郎「買い出し手伝ってもらってありがとうございました」
葉山「ああ、気をつけて帰れよ」
いろは「またね〜!」
葉山「いろは、送るよ」
いろは「ありがとうございます」
…
…
葉山「…」
いろは「…」
葉山「そうだ、いろは」
いろは「はい?」
葉山「比企谷とはどうなんだい。もう付きあったのかな?」
いろは「……ド直球ですね。葉山先輩」
葉山「まあね」
いろは「…付き合ってません。まだ」
葉山「まだ、か」
いろは「……」
葉山「応援してるよ。俺は」
いろは「振られた相手から恋を応援されるなんて人生で初めてですね」
葉山「君もド直球じゃないか」
いろは「…葉山先輩。あの時の告白は…」
葉山「いいさ。…言わなくていい」
いろは「…」
葉山「比企谷のことだ。きっと君を悲しませることはしないだろう」
いろは「葉山先輩ってけっこう先輩のこと信頼してますよね」
葉山「本人には言うなよ。嫌な顔するだろうからね」
いろは「ああ…しそうですね」フフ
葉山「比企谷はすごい奴だよ。本当に」
いろは「はい。すごくて優しくて超かっこいいです!」
葉山「ははっ、ベタ惚れだな」
いろは「はい。ベタ惚れです」
いろは「私…変わりましたかね」
葉山「…そうだな」
葉山「少なくとも比企谷と出会う前のいろはと今のいろはとでは全然違うかな」
いろは「…」
「俺は…本物が欲しい…!」
いろは「まったく…罪な男ですねえ先輩は」
葉山「ほんとだね」
葉山「…こんな素敵な女性に好かれるなんて比企谷が羨ましいよ」
いろは「ふふっ。なんですか口説いてるんですか大好きな人がいるので無理ですごめんなさい」
いろは「せいぜい素敵な女性の私を振ったことを後悔することですね葉山先輩!」
葉山「はははっ、手厳しく言われちゃったな」
…
…
いろは「もうここで大丈夫ですよ」
葉山「そうか」
いろは「…葉山先輩」
葉山「ん?」
いろは「ありがとう…ございました」
葉山「…ああ」
いろは「…それでは葉山先輩!まったでーす♫」
葉山「ああ。またな」
葉山「…」
葉山「俺も…変わらなきゃな」
…
…
…
~ 八幡の部屋 ~
八幡「…」
チャリ…
旅行の時にもらったキーホルダー…
これを見るたびにあいつの笑った顔を思い出す
あいつ今、何してるかなぁ…
八幡「……ほんと…あいつのことばっか考えてるな俺…」
八幡「…」
八幡「言葉にして言うだけ…か」
八幡「はぁ…簡単に言ってくれるよなあ…」
八幡「…」
八幡「信じる…しかないか」
どんなに怖くても
やっぱり逃げたくない
ちゃんと伝えたい
今度こそ…一色に!
八幡「やってやるよこの野郎。男を見せてやるよ」
〜 次の日 〜
八幡「さて…部室行くか…」
結衣「ヒッキー!待って待って。一緒に行こうよ」
八幡「ああ…おう」
ドア ガララ
おとは「あ、いらっしゃーい!」
小町「いらっしゃーい!」
八郎「さとは姉、来たぞ」ユサユサ
さとは「ん〜….zzzZZ」
結衣「あ、みんなやっはろー!」
結衣「あれ?ゆきのんは?」
おとは「雪ノ下先輩はまだ来てないですよ〜」
結衣「そうなんだ。珍しいなあ…」
八幡「まあそのうち来るだろ。それよりお前らは勝手に部室で何やってんだ。小町まで」
小町「奉仕部に遊びに行こうっておとはさんに誘われたんで来ちゃった。大好きなお兄ちゃんにも会いたかったし♫あ、今の小町的にポイント高い!」
おとは「そうそう!私もパパ先輩に会いたくて会いたくて震えるから来ちゃった♫あ、今のおとは的にポイント高い!」
小町・おとは「「イェーイ!!」」ハイタッチ
八幡「テンション高いなおい」
おとは「どうぞどうぞ結衣先輩、お座りください!今、お茶用意しますね!」
結衣「あ、ありがとう」
おとは「ハチロー、お茶!」
八郎「用意するの俺かよ…」
八幡「はぁ…騒がしいな…」
さとは「まったくですよ。ろくに寝れない」
八幡「お前は寝すぎだ」
さとは「寝る子はよく育つんですよ」
八幡「…」
八幡「(うん…まあ確かに。すげえ育ってるけど…特に胸とか。バストとかあとおっぱいとか)」
さとは「なんですか?」
八幡「い、いやなんでも///」
ドア ガララ
雪乃「遅くなってごめんなさい…………あら、ずいぶんと賑やかね」
結衣「あ、ゆきのん。やっはろー!」
雪乃「……ええ。こんにちわ。由比ヶ浜さん」
結衣「……?」
結衣「………なんかゆきのん元気なくない?」
雪乃「え?そ、そうかしら…」
小町「なにかあったんですか?」
雪乃「……」
雪乃「ごめんなさい。少しの間だけ3人にしてくれないかしら」
…
…
…
結衣「いったいどうしたのゆきのん?」
雪乃「ええ…やっぱりあなたたちにだけはちゃんと伝えるべきだと思ってね…」
雪乃「……さっき先生と話をしていたのよ」
結衣「話?なんの?」
雪乃「奉仕部の………引退の話よ」
結衣「え!?」
八幡「………」
八幡「そうか…そりゃあそうだよな。もう三年だしな」
結衣「ど、どういうこと!?」
雪乃「落ちついて。由比ヶ浜さん。今日すぐすぐ引退というわけではないわ。ただそろそろ考えないといけない時期なのよ」
八幡「…運動部みたいに大会があるわけでもないしな。受験もあるし…確かにそろそろだな…」
八幡「由比ヶ浜も…薄々わかってただろ。奉仕部だって『部活』なんだからこういう時が来ることは」
結衣「…」
雪乃「由比ヶ浜さん…」
結衣「……ねえ……私たちが引退したらさ…やっぱり…なくなっちゃうのかな…奉仕部」
八幡「……」
雪乃「……」
結衣「あ、でも、もしかしたらさとはちゃん達が!」
雪乃「いえ、今年をもって、奉仕部は廃部になるわ。……私から先生にそうお願いしたから」
結衣「ど、どういうこと?」
雪乃「奉仕部は…もともと私のわがままで始まった部活なのよ…。顧問である平塚先生にも助けられてきたけれど…そもそもこんな部活動は一般的に見ても認められるものではないわ」
八幡「改めて考えても謎の部活だったな。なぜかちゃんとした部室があって俺らが入部する前は雪ノ下1人で成り立っていたし」
雪乃「後輩に受け継がせるものでもないわ。奉仕部は…私の…いえ」
雪乃「私たちだけの部活にしようと決めたの。だから…もう終わりにするわ」
八幡「雪ノ下…」
結衣「……」
結衣「…そっか…。なくなっちゃうのはすごく悲しい……けど、部長のゆきのんがそう決めたんなら……だね」
雪乃「由比ヶ浜さん。奉仕部のことをそんなにも思ってくれて。すごく嬉しいわ」
結衣「えへへ…。でもそっか…。私たちだけの部活か。いいねなんかそういうの!」
雪乃「由比ヶ浜さん。…比企谷くん」
八幡「ん?」
結衣「なに?」
雪乃「コ、コホン……えっと……」
雪乃「…すごく…すごくすごく…!楽しかったわ。あなたたちのおかげよ。ありがとう」ニコ
八幡「……っ…」
結衣「ゆきのん…」
結衣「わ、私も…私も楽しかった!本当に!超超超超超超楽しかったよ!ゆきのん!ヒッキー!ありがとう!!」
雪乃「…」チラ
結衣「…」チラ
八幡「……」
八幡「ふぅ…」
八幡「そう、だな。いい…部活だったよ。最高の…部活だった。由比ヶ浜。雪ノ下…部長」
八幡「…ありがとう」
…
…
…
おとは「ぐすっ…うぇ…うぅ…はちろぉ…ティッシュ…」
八郎「はいはい」
小町「おとはさん…よしよし…」
八幡「なんで泣いてんのこいつは…」
おとは「だって…だって…すごく感動しちゃって…奉仕部…」
八幡「おい、普通に聞かれてるじゃねえか」
雪乃「そうみたいね…」
結衣「あはは…」
さとは「……」
八幡「ん、なんだよ」
さとは「……お母さんに聞いた通りの…部活だね…」
八幡「は?」
さとは「なんでもない」
雪乃「さて、そろそろ聞こうかしら。比企谷くん」
八幡「え、なにを」
雪乃「もちろん。一色さんの告白についてよ」
八幡「なっ!?」
八幡「なんで急にそんな流れになるんだよ!」
みんな「………」ジーーーー
八幡「うっ…」
小町「お兄ちゃん…」
八幡「……」
八幡「はぁ…」
八幡「…ああ」
八幡「………ちゃんと…言うよ。一色に」
おとは「よし!」グッ
さとは「(やっとここまできた…)」
小町「ふぅ…」
雪乃「……やっとね」
結衣「長かったね〜」
八郎「じゃあさっそく言いに行きましょうよ」
八幡「ま、待て。まだ心の準備があれだから。待って待ってください」
小町「もうゴミいちゃんは!覚悟決めたんでしょ!昨日の夜に男を見せるとか言ってたじゃん!」
おとは「そうだそうだ!」
八幡「なんで知ってんの!?」
由比ヶ浜「よし!今からいろはちゃんのとこに…
ドア ガララ
平塚「おお、今日は賑やかだなあ」
雪乃「先生…ノックをしてください」
平塚「悪い悪い」
結衣「あれ?なんですかそのカメラ?」
平塚「ああ、これは……いやそれよりも一色がどうとか言っていたがどうかしたのか?」
おとは「今からいろはちゃんのとこにパパ先輩を連れて行こうかと思いまして!」
平塚「ふむ…何の用事かは知らないが今は難しいと思うぞ」
結衣「え?どうしてですか?」
平塚「少しトラブルがあってな。今、何人かの委員会も集まって生徒会は大忙しだよ」
おとは「ええ…マジですか…」
さとは「それは…邪魔したら悪いね」
八郎「……」
八郎「先生、それってどんなトラブルですか?」
…
…
…
– 生徒会室 –
ザワザワ…ザワザワ…
いろは「みなさん!まだ時間はありますから!落ち着いて作業してください!」
「「「はい!!」」」
いろは「……」
いろは「(どうしよう…正直かなりギリギリだよ…このままじゃ…)」
「会長、確認お願いします!」
「会長、次はこちらもお願いします!」
いろは「あ、はい!」
いろは「(って、ダメダメ。会長の私がしっかりしなきゃ…)」
ドア ガララ
おとは「失礼しまーす!」
いろは「……え?ど、どうしたんですかみなさんお揃いで」
雪乃「…見ればわかることだけど…明らかに忙しそうね」
いろは「…ちょっとトラブルがありまして。でも今日までにはなんとかしないとなんです…」
八幡「間に合いそう……には見えないな」
いろは「ヤバイですよぅ…本当にヤバイんですよう…」
八郎「………」キョロキョロ
八郎「……ふむ」
さとは「八郎…?」
八郎「一色先輩。俺が手伝います。一部指示を任せてください」
いろは「え…?い、いや、そんな悪いよ。先輩ならともかく」
八幡「おい。俺はいいんかい」
いろは「それに…いきなり指示だなんて…」
八郎「いや大丈夫です。こういうトラブルは俺も経験ありますし。……生徒会長として」ボソ
いろは「へ…?」
八郎「それじゃあ効率が悪い」
「え?」
八郎「ここはこうした方が…」
「お、おお。なるほど」
八郎「そこも、そんなやり方じゃいつまでたっても終わらないぞ…終わらないですよ」
「なんだよいきなりお前」
「部外者が口出ししないでくれよ」
八郎「…」
八郎「早く終わらせたいんだろ?なら今から俺が教えたようにやれ。いいな!!」ゴゴゴゴゴゴ
「え、あ、ああ……は、はい」
「わ、わかったよ」
結衣「わ、わあ…」
おとは「な、なにあれなにあれ。ハチローなんかスイッチ入ってない?キャラ変わってない?なにあれお姉ちゃん」
さとは「さ、さあ…私に聞かれましても…」
雪乃「…驚いたわ…」
八幡「…ああ」
結衣「そりゃあ驚くよあんな…」
八幡「キャラの変化じゃねえよ」
結衣「え?」
雪乃「的確な指示だわ。視野も広い」
八幡「(まるで雪ノ下だな)」
いろは「確かに…一つ一つの動きが早くなったような…」
おとは「お、お姉ちゃん。もしかして私たちの弟ってすごい…?」
さとは「…みたい…だね」
結衣「ゆきのん」
雪乃「……ふぅ…そうね」
雪乃「一色さん。よければ私たちも手伝うわ」
いろは「え?」
結衣「うん!」
八幡「そういう流れになると思ったよ…」
小町「よーし!小町も頑張っちゃいますよー!」
おとは「私も私も!」
おとは「あとお姉ちゃんも!」
さとは「ですよね…」
いろは「みなさん…」
いろは「ありがとうございます。その…よろしくお願いします!」
雪乃「今日は特別に一色さんと比企谷くんのためにやるとしましょう」
いろは「え?」
八幡「お、おい!///」
結衣「早く終わらせないとね!2人っきりになれな…」
八幡「よーし一色!やるぞ!行くぞ!なにすればいい!」
いろは「ちょ、お、押さないでくださいよ。なんなんですか〜」
………………………
………………
…………
………
…
〜 屋上 〜
いろは「………」
八幡「お疲れさん」
いろは「あ、先輩」
八幡「ほれ、水だ」
いろは「いろはすですか。私だけに。先輩は何味の私が好きですか?」
八幡「なに言ってんのお前…」
いろは「ってこれ南アルプスの天然水じゃないですか…」
八幡「嫌なら返せ」
いろは「嫌なんて言ってないじゃないですか〜。ありがたく飲ませていただきます」
八幡「……なんとか終わったな」
いろは「本当に今日中に終わるなんて…。完全に先輩たちのおかげです」
八幡「俺はそんなにやってないけどな」
いろは「またあの姉弟に助けられましたね。特に弟くんには」
八幡「ああ、すごかったな八郎のやつ。いつの間にか役員たちみんな素直に従ってたし。人の上に立つ才能に関してはマジで雪ノ下レベルかもな。本当に1年生かよあいつ」
いろは「作業が終わった頃には女子たちが弟くんに集まってましたね。まああれだけ出来てイケメンなんですから当たり前ですけど。私から見ても超かっこよかったです。モテますよあれは」
八幡「………そうだな」
いろは「…嫉妬しましたか?」
八幡「したわ。心臓いてえわ」
いろは「…え?…す、素直ですね」
八幡「まあな」
いろは「……」
八幡「……」
いろは「………」
八幡「………」
いろは「…………」
八幡「一色…」
いろは「まっ、あ、タ、タンマです」
八幡「…は?」
いろは「先輩…その、言うつもりですか。そういう雰囲気ですか」
八幡「……」
八幡「ああ、覚悟決めたからな」
いろは「そ………そうですか。ついに…ですか」
八幡「ああ。…待たせて悪かった」
いろは「……ですね。本当に待ちましたよ」
八幡「一色……」
いろは「……」
八幡「俺は…お前のこと…」
いろは「ま、待った!!ちょっと待ってください!!!///」
八幡「ま、またかよ。ってお前、顔すげえ真っ赤っかだな!?」
いろは「こ、心の準備がっ…!だって今日いきなりだなんて…///」
八幡「……俺が言おうとしてることわかってんだろお前?」
いろは「…わ、わかって……ますよ。で、でもいざとなるとなんか緊張すると言いますか…」
八幡「いや俺の方が緊張してんだけど…」
いろは「いえ!私の方が緊張してます!!絶対してます!!」
八幡「お、落ち着けよ。わかったから」
いろは「ちょっとほんと、待ってください。1分待ってください」
八幡「は、はあ」
…
…
八幡「いいか?言うぞ」
いろは「は、はい」
八幡「一色、俺はお前のことがす
いろは「きゃああああ!!!待ってください〜///」
八幡「なんなんだよお前は!」
いろは「だ、だって好きな人がそんな真剣な顔で私を見つめて言ってくるなんてヤバイじゃないですか〜」
八幡「いやもうなんかお前が先に告ってるけど…」
八幡「ああ、もうめんどくさいっ」
八幡「一色!」ダキヨセ
いろは「きゃっ」
八幡「好きだ。好きだ…!一色。お前のことが好きだ!」
いろは「……せん…ぱい…」
いろは「………///」
いろは「ああ…とうとう先輩の口から…聞けちゃいましたね。その言葉」
いろは「無理やり抱きしめて告白するなんてずいぶんと大胆で情熱的じゃないですか。本当に先輩ですか?ちょっと本気でびっくりしてるんですけど」
八幡「………ああ。たぶんお前よりびっくりしてるよ俺は。いやマジで」
八幡「その……嫌だったか」
いろは「嫌だったらすぐ離れて、ひっぱたいて蹴り飛ばしてますよ」
八幡「そ、そうか…」
いろは「長かったですね〜。ここまで。私たち」
八幡「そうだな。ヘタレだしな俺」
いろは「ほんとですよ」
八幡「悪かったよ」
いろは「まあ少し前は私もだいぶ逃げちゃってましたけどね」
いろは「先輩…もっと強く抱きしめてください」
八幡「え、こ、こうか?」ギュウ
いろは「……」
八幡「おい、顔埋まってるけど苦しくないか?」
いろは「……」
八幡「お、おい一色?」
いろは「スーハースーハー、ハアハア、先輩の匂い、ハアハア…」
八幡「あのなんか急に身の危険を感じてきたんですが」
いろは「冗談です」
八幡「はあ…」
いろは「そろそろ離れますね」
八幡「あ、ああ」
いろは「……」スッ
八幡「あれ、なんか胸の辺りすげえ濡れてんだけど」
いろは「気のせいですよ」
八幡「あれ、なんかお前目が赤…」
いろは「気のせいですよ」
八幡「……そ…そうすか」
いろは「先輩」
八幡「ん?」
いろは「私からも言わせてください」
八幡「……」
いろは「すぅー…はー…」
いろは「……好きです。大好きです。先輩」
八幡「……ああ」
八幡「ありがとう。嬉しいよ一色」
いろは「えへへ…私もようやく言えました」
八幡「お互い…スッキリしたなこれで」
いろは「はい」
八幡「さて……これもちゃんと言わないとな」
いろは「?」
八幡「俺と…付き合ってくれるか?」
いろは「…っ!」
いろは「……はい。もちろんです!」
………………………
………………
…………
………
…
ー 部室 ー
いろは「せんぱいせんぱい。あのキーホルダー持ってますか?」チャリ
八幡「ん、ああ、これか?」チャリ
いろは「えい!」
カチッ
八幡「おお…ほんと気持ちよくハマるもんだな」
いろは「えへへ…なんか恥ずかしいですね///」
八幡「そう…だな///」
いろは「でもこれはまさに私たちの愛の証ですね///」
八幡「な、何言ってんだよ…///」
結衣「なにあれ。ゆきのん」
雪乃「知らないわよ…」
おとは「帰ってきて早々、ラブラブオーラすごいですね〜」
結衣「いつの間にか2人ともいなくなったと思ったらひょっこり手なんか繋いで帰ってきたよね」
おとは「もう明らかにだけど…これは…」
八郎「告白うまくいったみたいだな」
おとは「小町ちゃんにも見せてあげたかったなあ〜」
結衣「あれそういえば小町ちゃんは?」
「今日はお祝いに赤飯や料理いっぱい作らないとなんで先帰ります!」
八郎「とか言って帰りましたよ」
結衣「あーもうこうなることわかってたんだね小町ちゃんは。さすがだ…」
さとは「………」
いろは「先輩♫」
八幡「なんだ?」
いろは「えへへ、呼んでみただけです///」
八幡「そうか」
いろは「せーんぱい♫」
八幡「ん?」
いろは「呼んでみただけでーす///」
八幡「なんだよお前めんどくせえな」
いろは「嫌でした…?」ウルウル
八幡「いや…別に…嫌じゃねえけど///」
いろは「せんぱーい!」ダキ
八幡「ばっ、だ、急に抱きつくなよっ」
いろは「嫌ですか…?」
八幡「嫌じゃねえけど///」
おとは「微笑ましいね〜」
八郎「いやめんどくさいわ……」
結衣「あれもう私たちのこと見えてないよね?」
雪乃「完全に2人の世界ね…」
いろは「あ、そうだ先輩。あの子たちに」
八幡「ああ、そうだった」
いろは「おとはちゃん!それとさとはちゃんと弟くん!」
おとは「なんですか?」
いろは「改めてお礼を言いたくて」
八郎「お礼…ですか?」
八幡「ああ。八郎。さとは。おとは」
八幡・いろは「「……ありがとう」」ペコ
おとは「ええ!?そんなどうしたんですか突然。私たちは別になにも…」
八郎「そうっすよ。頭上げてください!」
八幡「いや感謝してもしきれないよ。お前たちには」
いろは「私たちが、私と先輩が今こうして付き合うことができたのは3人のおかけだからね」
八幡「もちろん…その、……今回のこと由比ヶ浜と雪ノ下にもマジで感謝してる」
雪乃「…私たちは今回ほとんどなにもしてないわよ」
結衣「そうだよ。なによりもおとはちゃん達のおかげだね」
八幡「ああ、だとしても、2人にも助けられたよ。……ありがとう」
結衣「ヒッキー…。えへへ。どういたしまして!」
雪乃「……ど、どういたしまして…///」
結衣「あれ、ゆきのん照れてる?」
雪乃「て、照れてないわっ」
いろは「ありがとね。本当に」
おとは「いや〜まあそれほどでも〜ありますけど〜」ドヤァアアア
八郎「(すげえドヤ顔…)」
いろは「それで…えっと…」
さとは「………」ギリッ
結衣「え、さ、さとはちゃん。そんな怖い顔してどうしたの…?」
おとは「…お、お姉ちゃん?」
八郎「…さとは姉?」
さとは「………」
…
…
…
ーーーーーなにも変わらない
これが絶対に正解だとは思ってなかった
でもそれでも私は少しだけ期待していたんだ
目的を果たせば、きっとなにかが変わってくれるって
なにかわかるはずだって
正直に言えばもしかしたら
このお父さんとお母さんを付き合わせるっていうのがこの時代に連れてこられた目的だとして
それを果たすことさえできれば
その時点で元の時代に帰れるんじゃないかと思っていた。そう願ってた
でも結局、なにも変わらなかった
私たちは今も変わらずこの時代にいる
……まさか帰ることなんて最初からできなかった?
そんなバカなことがあってたまるか
でも本当に、本当に元の時代に帰る手段がまったくわからない。…見つからない
どうしたら…どうしたらいいの……
…………お父さん…
おとは「お姉ちゃん…!お姉ちゃんってば!」
さとは「…っ!」
さとは「あ……、おと…は…」
おとは「お姉ちゃん………」
八郎「……」
さとは「……」
いろは「え、えっと…」
雪乃「…具合でも悪いのかしら?」
結衣「そうなの?さとはちゃん」
さとは「いえ…大丈夫です…」
八幡「大丈夫そうに見えないんだが…」
ドア ガララ
平塚「なんだね。君たち、まだいたのか」
結衣「あ、先生!」
雪乃「ノック…いえもういいです……」
平塚「一色もいたのか。生徒会お疲れ。大変だったろう」
いろは「みなさんが助けてくれたのでなんとかなりましたよ〜」
結衣「あ、そうだ先生。ヒッキーといろはちゃん付き合い始めたんですよ!」
平塚「おいおい。ははは。冗談はやめたまえ」
雪乃「事実ですよ」
平塚「んん?」
いろは「えへへ…」ダキ
八幡「お、おい。だから抱きつくなって」
平塚「ガハッ!?」
結衣「わぁああああ!先生が血吐いた!」
平塚「なん………だと……!?バカなバカなバカな…!比企谷ごときに…先を越された……だと!?」
八幡「おい、ごときってなんだ。ごときって」
おとは「お姉ちゃん…」
さとは「おとは、八郎…ごめん。まだ帰れそうにない…」ギリ…
さとは「(本当に帰れるかも…わからない…もう私たちはこのまま…)」
八郎「やっぱりそのこと考えてたんだな。さとは姉が謝ることなんてない」
おとは「そうだよ。謝ることなんてないよ」
さとは「でも…」
八郎「俺たちはこの時代にはいてはいけない存在なんだ。絶対帰る方法はあるはずだ。だから…」
おとは「諦めないでまた探そうよ。帰る方法を。きっと見つけれるよ!私たち3人なら!」
さとは「2人とも…」
はぁ…結局励まされちゃったな…
お姉ちゃん失格だ
おとは「(失格だ…とか思ってるんだろうなあ…)」
八郎「(さとは姉がいなきゃ俺たちはこんな風に言えねえっての…)」
さとは「……」
……お父さん…
私、もうちょっと頑張ってみるよ
さとは「…そうだね」
さとは「一緒に…頑張ろっか。もう一度」
おとは「うん!」
八郎「ああ」
…
…
…
平塚「もう帰ってるとばかり思っていたが…残っているならやっておこうか…」
結衣「え?なにをですか?」
平塚「これだ」
結衣「あ、そういえば先生。さっきもそのカメラ持ってましたよね」
平塚「ああ、写真を撮っておこうと思ってな。…奉仕部の」
雪乃「私たちの…ですか?」
平塚「引退の話をしただろう」
雪乃「…はい」
結衣「…」
八幡「…」
いろは「え!?引退?どういうことですか?」
八幡「俺たちも3年生だからな。それに奉仕部は俺たちが引退したあと廃部になるんだ」
いろは「そ、そんなことになってたんですか…」
結衣「それでなんでカメラなんですか?」
平塚「卒業アルバム用にな。奉仕部も立派な部活なんだ。卒業する部員たちの写真を撮っておかなければならん」
雪乃「なるほど…」
結衣「写真撮ってくれるんですか!?あのあの!それ卒業アルバムも嬉しいんですけど個人的にもらえたりしないですか…?」
平塚「もちろんいいとも。というか私も個人的に1枚欲しくてね。それで私が撮りにきたんだ」
いろは「あ、じゃあ私どけとかないとですね」サササ
平塚「よし、椅子に座って3人並んでくれ」
結衣「ゆきのん!ヒッキー!」
八幡「へいへい…」
結衣「ゆきのんは真ん中ね」
雪乃「え、なぜ…?」
結衣「部長だもん!」
八幡「ま、そうだな」
雪乃「わ、わかったわ…」
雪乃「……少し恥ずかしいわね…これは…///」
結衣「ほらゆきのん。笑顔笑顔!」
雪乃「う…」ニッ
八幡「なにその笑顔…怖いわ」
雪乃「……あなたに言われたくないわ」
八幡「いやいや。俺は笑顔できるから」
雪乃「やってみなさい」
八幡「…」グギ
雪乃「おぞましいわね…」
八幡「お、お前よりマシだろ」
雪乃「ありえないわ。だいたい…
結衣「ふ、2人ともこんなときぐらい仲良くしてよ…」
平塚「なにやっとるんだお前たちは…はいはい。カメラに目線むけろ〜」
いろは「ねえねえ、3人はどこか行きたいとこない?」
さとは「…行きたいところですか?」
いろは「うん」
おとは「突然どうしたんですか?」
いろは「前に旅行連れてってくれたでしょ?そのお礼に今度は私と先輩がどこか連れてってあげるよ!」
いろは「さとはちゃんはどこがいい?」
さとは「家で寝ていたいです」
いろは「本当に先輩にそっくりだねそういうところ…」
いろは「弟くんは?」
八郎「図書館ですかね。本好きですし」
いろは「また先輩みたいなことを…」
いろは「2人って先輩の兄妹みたいだね」
さとは「(娘です)」
八郎「(息子です)」
おとは「はいはい!ディスティニーランド行きたいです!」
いろは「おお!いいね!って旅行とかじゃなくていいの?」
おとは「ああ〜旅行もいいな〜」
結衣「なんの話なんの話?」
いろは「あ、撮影終わったんですか?」
結衣「うん」
いろは「今度、おとはちゃんたちと遊びに行こうかなって思いまして」
結衣「へーおもしろそう!」
おとは「結衣先輩たちも行きましょうよ!」
結衣「いいの?やった!ゆきのん行こうよ!」
雪乃「ええ…そうね」
平塚「あの3姉弟とずいぶん仲良くなったみたいだな。君たちは」
八幡「…そうすね」
平塚「そうだ…。ついでに3姉弟も写真を撮ってあげようか?」
おとは「え、写真ですか?」
平塚「ああ」
おとは「いいねいいね!お姉ちゃん撮ってもらおうよ!」
さとは「いや私は別にいい…」
八郎「まあいいじゃないか。さとは姉」
おとは「パパ先輩も一緒に写ろ!」ダキ
いろは「ななっ!?」
八幡「え、なんで俺まで…」
おとは「嫌…?」ウルウル
八幡「い、いや…嫌とかじゃなくてだな…///」
いろは「ちょっと先輩!なんですかそれ!なに顔真っ赤にしてんですか!先輩のえっち!変態!最低です!!」
八幡「ま、待て待て。落ち着け!」
八幡「(仕方ないだろ…なんかすげえ似てるんだよこいつ、一色に…)」
八郎「一色先輩も入ったらいいんじゃないか」
おとは「おおいいね!家族勢揃いだよ!」
八幡「家族…?」
おとは「私とお姉ちゃんが真ん中で…ハチローはしゃがんで」
八郎「あいよ」
おとは「で、私はパパ先輩の隣〜♫」ギュウ
いろは「ぐぬぬ…」ギリリリ
八幡「おい、離れてくれ。マジで。なんか殺気がやばいから」
平塚「よし、並んだな」
結衣「……」
雪乃「どうかしたの?」
結衣「い、いやなんかさ…この5人が揃ってるとすごい…いい感じだなあ…って」
雪乃「いい感じ…というのはどういう感じかしら?」
結衣「うーん…わかんないけど…いい感じなの」
雪乃「……」
雪乃「……そうね。なんとなくその気持ちわかるような気がするわ」
平塚「よーし。撮るぞ〜」
おとは「パパ先輩大好き〜♫」
八幡「は?」
いろは「ちょ、あれ?おとはちゃん今すごいこと言わなかった!?ねえ!さとはちゃん」ユサユサ
さとは「いや…知らないです。肩ゆらさないでください」
おとは「もちろん、いろはちゃんも大好きだよ!」
平塚「撮るぞ。はい…」
いろは「なんなの…」
八幡「はぁ……」
八幡「ふっ………もうほんと…変な奴らだなお前らは…」
いろは「ふふっ……ですね」
さとは「え、私まで変な奴扱いになってんだけど」
八郎「俺まで被害が…」
平塚「……チーズ!」
パシャッ
平塚「おいおい…撮られる気あるのかお前たちは…2人揃ってカメラに目線すらよこしてなかっただろう」
いろは「あ、すみません先生。おもしろくって」
八幡「だってこいつらが…………」
八幡「………あれ?」
いろは「………え?」
結衣「ヒッキー…?こいつらって誰のこと?」
八幡「あ…いや……」
いろは「あの…ここに誰かいませんでしたっけ…」
雪乃「一色さんまでどうしたの。あなたたち2人だけよ」
八幡「……」
いろは「……」
平塚「というかお前たち離れすぎだろう。2人なのにそんなに間隔空けてどうする。もっとくっつきなさい」
いろは「…は、はい」
八幡「…」
結衣「もうどうしちゃったのさ〜2人とも。せっかく付き合い始めた記念に写真撮るんだから笑って笑って」
いろは「…はい。そう…でした。そうですよね。先輩」ギュ
八幡「ああ…そうだったな」
平塚「よし、もう一回撮るぞ〜」
いろは「先輩…」
八幡「ん?」
いろは「私たち何か大切なことを忘れてませんか…?」
八幡「……」
八幡「気のせいだろ」
いろは「……ですかね」
結衣「2人とも笑って笑って〜!」
いろは「はい!」
八幡「一色…」
いろは「はい?」
八幡「その…これから…よろしくな」
いろは「…はい………こちこそ。よろしくお願いします!」ニコ
パシャッ
そして比企谷八幡と一色いろはの2人は
お互いを愛し合いながら
高校を卒業し、大学に入り、社会に出て
大人になっていった
喧嘩しながらも愛を、絆を深めあった2人は
どんな困難があろうとも互いを支え合い、助け合っていくことを誓い
やがて2人は結婚し、子供を授かり、家族になったのだった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いろは「2人とも!いい加減起きなさい!」
おとは「んっ…ん〜」
さとは「……ん」
いろは「まったく…やっと起きた。ダメじゃない2人してリビングなんかで寝て。風邪ひいたらどうするのよ」
おとは「あれ……いろは…ちゃん?」
いろは「いっ………な、なんで名前でしかもちゃん付け!?」
おとは「あ……ママ?」
いろは「ママよ。なに寝ぼけてるのあなたは」
八幡「ん?やっと起きたのか2人とも」
さとは「……八幡…先輩」
八幡「え………?」
いろは「あ、あなた……いつから娘にそんな呼び方させて……」ドンビキ
八幡「ち、ちがっ!俺はそんなことさせてないぞ!?」
さとは「お父さん…!」ダキ
八幡「え、お、おい。さとは。どうしたんだいきなり」
いろは「あなた…さとはに何したんですか…?」
八幡「ご、誤解だ!」
おとは「ママ〜!」ダキ
いろは「わっ!お、おとは?」
八幡「2人して…どうしたんだ?」
さとは「……わかんない」
おとは「わかんないけどなんか今はすごくママとパパに会えたことが嬉しいの!」
八幡「会えたって…別に何日も会ってなかったわけでもないし…」
いろは「ほら、2人とも。いつまでも寝ぼけてないで顔洗ってきなさい。朝ごはんできてるわよ」
おとは「………はーい」
さとは「わかった…」
…
…
…
おとは「うーん。なんだか1週間ぐらい寝てたような感じだよ…お姉ちゃんはどう?」
さとは「…なんかずっと夢見てたような気がする」
おとは「あ、私も!でもなんの夢だったかな〜」
さとは「思い出せない…」
おとは「私も…」
八郎「あ〜ぶ〜」
おとは「あ、ハチロー。おはよ〜」
八郎「ばぶぅ」
おとは「……」
おとは「ん〜」
さとは「どうしたの?」
おとは「……ハチローってなんかすごい頼れるイケメンになりそうだよね」
さとは「なに急に…」
おとは「いや、なんとなく今そう思っちゃった」
八郎「きゃっきゃ!ばぶぅ!」
さとは「……」
さとは「…ま、だといいね」
おとは「早く大きくなったハチロー見たいなあ…」
いろは「ちょっと、アルバム出しっぱなしじゃない」
おとは「……あ、そっか…アルバム見てたんだっけ…私たち」
さとは「…」
いろは「もう…早く片付けなさ……あら、懐かしいわねこの写真」
おとは「なになに?なんの写真?」
いろは「私たちが付き合い始めた記念にって部室で撮った写真よ」
おとは「わあ…あはは!パパ照れてる!」
八幡「恥ずかしいからやめてくれ…」
さとは「………ねえ、その写真に…似たようなものがもう一枚なかったっけ?」
おとは「え?…うーん…ないみたいだけど」ペラペラ
さとは「そう…」
さとは「(なにか…なにかを忘れてるような…)」
おとは「あ、いけない。遅刻しちゃうよ」
さとは「ああ…はぁ…今日も学校か…だるい…」
いろは「あなたもそろそろ行かないと」
八幡「おお、そうだな」
おとは「お姉ちゃん!行こ!」
さとは「……うん」
さとは「(…ダメだ。やっぱり思い出せないや)」
さとは「まあ…いいか…」
思い出せないってなんかモヤモヤして嫌になるもんだけど
なぜか今はむしろスッキリした気分でいる
おとはもたぶんそうなんだろう
おとは「お姉ちゃ〜ん!置いてくよ〜!」
さとは「それに…」
さっきお父さんとお母さんが写っていた写真
2人は幸せだと言わんばかりの笑顔を見せていた
その笑顔が妙に心に残り
その笑顔を見れたことが
なぜかわからないけど
すごく…すごく、嬉しかった
さとは「待っておとは。今行く」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜
ーーーっちゃん!
ーーーもういつまで…
ーーーはっちゃんってば!!
八郎「……っは!?」
??「やっーと起きた!もう寝すぎだよ!」
八郎「……」
八郎「……愛…さん?」
愛「イエス!我こそは材木座愛なりぃ!」
八郎「……」ボケー
愛「あれ?寝ぼけてる?」
八郎「ここは……」
愛「はっちゃんの部屋だよ。ボケすぎでしょ。どうしたのさ珍しい」
八郎「ああ…」
八郎「そうか………帰ってきたのか…」
八郎「(あれ?今なんて言った俺?帰って…きた?どこから…?…ダメだ思い出せない)」
愛「え、なにそのセリフ。いいね!はっちゃんついに目覚めたのね!ふっふっふ!我が同胞よ。今こそその秘めたる能力(ちから)を解放する時…!」ババッ
八郎「…愛さん、なんで俺の部屋にいるんだ。不法侵入だぞ」
愛「無視!?ひどい!あのね、はっちゃん。いつも思ってたんだけど年上の私に対しての礼儀が……ああっ!通報しようとしないでよ!はっちゃんのおばさんに頼まれただけだよ!」
八郎「お袋に?」
ドア バタン
??「ハチ〜。起きた〜?」
愛「あ、勇気」
勇気「…愛。ハチを起こしにいく言うから任せたのに何遊んでんの」
愛「遊んでないし!」
八郎「……ん?これは…」ペラ
勇気「それは…もしかしてハチのおじさんとおばさんの写真?」
愛「わ~二人ともすごい若いね」
八郎「なんで…こんなの持って…」
八郎「…」
勇気「……ハチ。まだボーとしてるみたいだけど大丈夫?具合でも悪いの?」
八郎「いや…大丈夫だよ。勇気兄さん」
八郎「ただ…」
八郎「なんだか…すっげえ長い夢見てた気がする」
愛「へーどんな夢?」
八郎「いや…思い出せない」
愛「え〜つまらんな〜。前世の記憶を夢で見たとかじゃないの?」
勇気「いい加減その厨二思考やめなよ…その右腕の包帯とかいつまで着けてるのさ。歳を考えなよ」
愛「ダメ…この封印を取るわけにはいかないの…これを取ったらこの世界が…」
勇気「そんなだからハチにいつまでたっても振り向いてもらえな…
愛「わあああああああ!な、な、なにを言ってるのかなああこの子はあ!あははははっ///」
八郎「(思い出せない…でも…)」
八郎「(なんでだろうな…すごい…幸せな気分だ…)」
勇気「あ、やばい。そろそろ行かないと本気で間に合わなくなるよ」
愛「ゲゲッ、ただでさえ遅刻してるのにこれ以上は本気で怒られちゃうよ!」
勇気「朝ごはん作ったからとっとと食べて行こう!」
愛「そうだね!……え、待って勇気が作ったの?」
勇気「え、うん。これがけっこう自信作で…」
愛「ダメだはっちゃん!絶対食べるな!死ぬぞ!闇にのまれるよ!」
勇気「酷くない!?」
八郎「今日…何かあったっけ?」
勇気「ハ、ハチ…いつまで寝ぼけてるのさ」
愛「そうだよ!忘れちゃったの?今日は…」
愛「さとはさんの結婚式でしょ!」
…
…
…
ー 結婚式場 ー
いろは「遅いわね…あの子ったらどうしたのかしら」
結衣「子供たちに頼んだしもうすぐ来るよきっと」
義輝「ああ、心配はご無用だよ」
いろは「すみません。ご迷惑をかけてしまって…」
結衣「いいよいいよ。気にしないで」
義輝「そうだよ。それより今日は娘さんの結婚式なんだ。そんな暗い顔していてはダメだよ」
いろは「はい…ありがとうございます。材木座先生」
義輝「せ、先生はよしてくれ」
いろは「ふふっ…この前の作品。夫に借りて私も読ませていただきましたよ。すごくおもしろかったです」
義輝「ははは…そうか。それはありがとう」
結衣「義輝さん。そろそろ受付に」
義輝「おお、そうだね。いろはさんそれではまた後で」
いろは「はい」
雪乃「姉さん。もう歳なのだからあまりはしゃがないでください。身体に障ります」
陽乃「雪乃ちゃん。お酒、お酒持ってきて」ジタバタ
雪乃「車椅子で暴れないでください…。まったくもう…」
陽乃「だいたい大袈裟だよ。ちょっと足痛めただけなのに」
雪乃「少しは歳を考えてください…」
いろは「はははっ。陽乃さんはいつでも元気ですね」
雪乃「いろはさん」
陽乃「今日はお祝いだから。飲まないとでしょう」
いろは「ふふっ、そうですね。でも飲みすぎはダメですよ。健康第一です」
陽乃「もう、いろはちゃんまで私をお婆ちゃん扱いして」
いろは「そりゃあもう立派なお婆ちゃんですからね」
雪乃「いろはさん。さっき戸部さんや優美子たちも来ていたわよ」
いろは「そうですか。挨拶しないとですね」
雪乃「先に行ってるわね」
いろは「はい」
陽乃「ダッシュダッシュ。もっと押して雪乃ちゃん」
雪乃「はいはい。ゆっくり行きますよ」
いろは「ふふっ…さて、戸部さんたちにも挨拶を…」
??「比企谷さん」
いろは「え?…あっ………あなたは…」
??「お久しぶりです」
いろは「…はい。お久しぶりです」
??「ご招待ありがとうございました。この度はおめでとうございます」
いろは「いえいえ。ありがとうございます」
いろは「……その写真………」
??「……はい。妻と…一緒に来させていただきました」
いろは「………それでは…奥様にも挨拶しないとですね」
いろは「……先生…今日は来ていただいてありがとうございます」
??「……静さんもきっと喜んでいますよ。ずっとこの日を楽しみにしていたはずですから」
いろは「…今日は旦那様と楽しんでいってくださいね。先生」
??「……それでは比企谷さん。また後で」
いろは「はい。夫にも会ってやってください。きっと喜びます」
??「ええ、そうですね」
…
…
…
愛「到着〜!ハアハア…」
勇気「ハアハア…」
八郎「ハアハア…間に合ったか…」
おとは「間に合ってないわよ」
愛「あ、おとはお姉ちゃん」
勇気「おお、お、おとはさん!お疲れ様です!」ビシ
おとは「ハチロー。あなたが物事において遅刻なんてことをするなんて初めてじゃないかしら?一体どうしたというの」
八郎「…………………」
おとは「愛ちゃん。勇気くん。ハチローを連れて来てくれてありがとね」
勇気「いえ!!!お安いご用ですよ!!」
「戸塚さん」
おとは「あ、○○さん、それに奥様も。今日はわざわざ遠方までお越しいただきありがとうございます」
「いやいや、今日は呼んでくれてありがとう」
おとは「夫がいつもお世話になっております」
「今日はそういうのはナシだよ。それより、この度はおめでとう」
おとは「ありがとうございます」
「おとはちゃん。うちの旦那、今日が楽しみすぎて夜眠れなかったのよ。まったく子供っぽくて恥ずかしい限りだわ」
「お、おいおい。それを言うなよ。仕方ないだろう。なんてったって今日は待ちに待った戸塚さんのお姉様の結婚式なのだからな!」
おとは「ふふふ、ありがとうございます。今日は楽しんでいってくださいね」
愛「おとはお姉ちゃんと話してる人……あれ確かどっかの大企業の社長さんだよ」
勇気「やっぱすげえな…おとはさんって」
愛「物静かで凛とした立ち振る舞い。年齢性別関係なく慕われていて、あの美貌と包容力、優しい笑顔はまさに大和撫子、女神のそれ。理想の女性像だよ本当に」
八郎「………………………………………………………………………………………………」
おとは「それでは、また後で」
おとは「ふぅ…」
おとは「…あら、どうしたのハチロー。そんな化け物を見たような顔で私の顔をジロジロ見て。失礼よ」
八郎「おとは姉……そんなキャラだったけ?」
おとは「キャラ…?何を言ってるのあなたは」
愛「はっちゃん。まだ寝ぼけてるの?」
八郎「い、いや。ごめん。なんでもない」
おとは「まったく。あなたももう高校生なのだから。もっとしっかりしなさい。それにあなたは生徒会長なのでしょう」
八郎「は、はい…」
八郎「(なんだこの違和感は…)」
おとは「そろそろ行くわよ。親族が集まらなきゃいつまで経っても始まらないわ」
八郎「ああ」
愛「じゃあ私たちは母上のとこ戻ってるね!」
勇気「おとはさん!失礼します!」
おとは「ええ」
おとは「さ、ハチロー」
八郎「…」
おとは「どうしたの?」
八郎「おとは姉…」
おとは「ん?」
八郎「結婚…するんだな。…さとは姉」
おとは「……」
おとは「……ええ。そうよ」
八郎「実感湧かねえな」
おとは「あの姉さんだものね」
八郎「あの、って酷いな…。その通りだけど」
八郎「……俺も、結婚とかするのかな」
おとは「それはあなた次第ね」
八郎「…だよな」
おとは「そういうのはこれからしっかり悩んで考えることね。あなたはこれからなのだから」
八郎「……なあ、おとは姉。本当にそんなキャラだったっけ?」
おとは「まだ言うの…」
おとは「……」
おとは「コホンッ」
おとは「ほらハチロー!私たちのお姉ちゃんの晴れ姿を見に行こう!レッツゴー♫」
おとは「…こんな感じかしら」
八郎「ああ、それぐらいバカっぽい方がおとは姉らしいわなんか。でもその歳だとキツイな」
おとは「喧嘩売ってるのかしらあなたは…」
…
…
…
小町「…こんなもんかな。準備オッケー」
さとは「これ動きにくい…」
小町「文句言わないの」
八幡「よし、やっぱり帰ろう。さとは」ガタ
小町「こらこら。何言ってるの兄さんは!」
八幡「やっぱり結婚なんて俺は認めないぞ!さとはは誰にも渡さっゴホッゴホッ!!!」
小町「もう急に大声出すから」背中サスサス
八幡「さとは。ほら走るぞ!帰るぞ!」
さとは「走るぞ言われてもこの格好じゃ走れないよ」
八幡「俺が担ぐ!」
さとは「そんなことしたらまた腰痛めるでしょ…」
小町「そうよ。もういいからおとなしくしてなさい!」
八幡「うう…さとはがぁ…小町ぃ…さとはが行ってしまうぅ…」
小町「はいはい。それじゃあ私。ちょっと式場の方行ってくるからね。さとはのことよろしくね兄さん」
ドア バタンッ
八幡「……」
さとは「……」
八幡「………」
さとは「……お父さん」
八幡「…なんだ」
さとは「…どうかな。このドレス」
八幡「…」
八幡「……ああ」
八幡「…………綺麗だよ」
さとは「そっか。…ありがとう」
八幡「……」
さとは「お父さん」
八幡「…なんだ」
さとは「私、結婚するね」
八幡「…見ればわかるよ」
さとは「お父さん」
八幡「なん…
さとは「今まで…ありがとうございました」
さとは「私、お父さんの娘でよかったよ」
八幡「…」
八幡「…」フイ
さとは「お父さん?なんで顔を隠すのさ」
八幡「う、うるさい。黙ってろ」
ドア ガチャ
いろは「さとは、そろそろ……って、なんで泣いてるんですかあなた」
八幡「な、泣いてないわ!」
いろは「さとは。準備できてるわね」
さとは「うん」
いろは「そこに座って」
さとは「わかった」
いろは「それじゃあ…ベール、下ろすわよ」
さとは「うん」
いろは「……ふふっ」
さとは「?」
いろは「私もね…こうやってお母さんに下ろしてもらったのよ」
さとは「…そうなんだ」
いろは「よし」
いろは「うん、とっても綺麗よ!さとは」
さとは「…ありがとう。お母さん」
いろは「さとは」
さとは「なに?」
いろは「これからも元気よく、健康に生きてちょうだいね」
さとは「………うん。わかった」
いろは「あなた。出番ですよ。覚悟決めてください」
八幡「……はぁ」
八幡「…行くぞ。さとは」
さとは「…うん」
八幡「……」
いろは「あなた、ちゃんと言わなくていいんですか?」
八幡「うっ…」
さとは「?」
いろは「あなた」
八幡「あーわかったよ…。さとは」
さとは「ん?」
八幡「…お、俺も母さんも、お前のことを愛している。これからも、ずっとだ」
八幡「いつでもお前を見守っているよ。だから…安心して幸せになってこい。さとは」
さとは「………っ……」
さとは「……はい。…はい…はいっ…ありがとう…ありがとう…お父さん…お母さん」
バタンッ
大きな扉が開くと同時に、盛大な拍手が送られた
私はお父さんにエスコートされながら
一歩、また一歩と進み
今まで過ごしてきた日々をゆっくり思い出していった
いっぱいの拍手を送り祝福してくれる人たち
どんな時でも私を守ってくれて、愛してくれる家族
そして、共に生きることを誓ってくれた私の愛する人。私を愛してくれた人
そのすべてに
私はただ、ただ…感謝の気持ちでいっぱいだった
…
…
…
八幡「あいつが泣いてるとこ久しぶりに見たかもな」
いろは「そうですね」
「汝、比企谷さとはは健やかなるときも、病めるときも…」
いろは「おとはの時もそうでしたが、やっぱり思い出しますね。私たちの結婚式を」
八幡「…ああ」
いろは「あれからもう30年近く…ここまで…長かったのかやら短かったのやら…」
さとは「はい………誓います」
八幡「俺たちもずいぶん歳とってしまったな」
いろは「…そうですね」
八幡「……さとはの子供……孫見てえな…」
いろは「見たいですね」
八幡「八郎の結婚式見たいな。子供産んだら、その子抱いてみたいな」
いろは「…ですね」
八幡「おとはの子供もさとはの子供も大きくなって…結婚するとこ見たいな」
いろは「……はい」
八幡「……」
いろは「……」
いろは「…あなた。私たちだってまだまだこれからですよ」
八幡「…そうだな。まだまだやりたいことはたくさんある」
いろは「…どこまでも着いて行きますよ。あなたとなら私はどこへだって行けます」
八幡「……ああ、ありがとう。俺もだよ」
「それではベールをあげて…」
季節は巡りゆき
時はゆっくりと、だが確かに流れゆく
親から子へ
意思は受け継がれてゆき
子はやがて親となり
また子が産まれる
新しい世代となり
時代は変わりゆく
「……誓いのキスを」
いろは「……あなた」
八幡「……ああ」
ーーーー愛しています。先輩
ーーーー愛しているよ。いろは
俺たちの子は、これからどんな時代を歩んでゆき
時代を作ってゆくのか
いろはと共に見守っていこう
いつまでも
いつまでも
ー 完 ー
番外編とか言っときながら今まで一番文字数が…
そんなに深い話でもないですしダラダラと長くなっちゃった感じで申し訳ないです
ここまでお付き合いしてくださった皆様
応援してくださった皆様
本当にありがとうございました!!!
これでこのシリーズは完全に完結とします。
12月追記
と思ってましたが近いうち短編集書くかもです
続編キター!!
写真の謎を考えつつ
楽しんで読ませてもらいました。
執筆頑張って下さい。
期待してます。
読んでて話の結末は予想できた。
できたからこそ、ニヤニヤと期待せずにはいられません。
小躍りしながら続きを超待ってます。頑張ってください!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
予想通りに進むのか変化球になるのか楽しみにしてます!!!
いい!素敵!!!
今後の楽しみが増えました^^
期待させてください!!!
続編きたー!!
めっちゃいいです!
楽しみにしてます!
こういうのめっちゃ好きです!
続き楽しみにしてます!!
みなさんコメントありがとうございます!
少しでも期待に応えられるよう頑張ります!( ゚д゚)
頑張ってください楽しみに待ってます(゜∇^d)!!
ふぉぉぉぉ!?
今度は非現実的な話ときましたか!!
これはこれで凄く面白い!続き楽しみに待たせていただきます
新作まってました!!
毎日の楽しみが増えた
おとはーーー
八幡これからどんなことに巻き込まれるやら
早く先が読みたい!!頑張ってください!!
姫百さんの続編待ってました!!
姫百さんの書くssめちゃめちゃ好きです笑
これ読んでめちゃくちゃいろは推しになりました!!笑
期待してます!!
韓国でもすごく期待しています!
毎日いつ登録になるが確認中くらいですね
素晴らしい!
続編キタ━(゚∀゚)━!
楽しみにしてます(≧∇≦)
待ちました! よく見ます!
続き楽しみにしています!
いやぁ!こういう展開大好きですわぁ!
続きが気になるなるなる!(*^^*)
いろはす〜
続きたのしみにしてました!ありがとうございます!非現実的なものでもすっかり世界に入ってしまいました!今後の展開がたのしみです!
続きたのしみにしてました!ありがとうございます!非現実的なものでもすっかり世界に入ってしまいました!今後の展開がたのしみです!
みなさんコメントそして応援本当にありがとうございます!
いつも感謝でいっぱいです
少しでも楽しんでいただけれるよう頑張ります!
まさかの弟キター‼︎これからも楽しみにしてます‼︎
八郎まさかのさとはおとはのさらに未来からタイムスリップかwww
これは面白い展開にww
続編、楽しみにしてました!
毎日が楽しみです!
赤ちゃんだった八郎がまさかの高校生になってるw
更に面白そうな展開になりそう
更新お疲れ様です
無理矢理な展開?とんでもない!大好物です!!
続きが楽しみ♪
神様
八郎!!!素敵!!!!!!
マジで今後期待っす!!!!!!
……ところで、一つ恐ろしい事実に気が付いてしまったのですが……。
さとは・おとは・雪乃の3人があきれるシーン。
「「「「しょうもない……」」」」
4人分のセリフ……。
この部屋に誰か他にいる!!!???
(まさかのゆいゆい、しょうもない言った直後のフォロー……は考えにくいですかね)
と揚げ足とってみましたが、ネタにしてみたかっただけなのでお気になさらずに^^
やっぱりさとは可愛いですね笑
応援しています、頑張ってください!
>>29
コメントありがとうございます!
4人分のセリフになってる……それただのミスですね。ごめんなさいf^_^;)
結衣は言ってないし幽霊もいませんよ!
修正しときます!教えていただきありがとうございます!
今回は、あの変な、葉×雪や材×結また小×大がなくてよかったです!
わけわかめ
まじ面白い
これぞSSの醍醐味って感じで面白いです!
私とは言ってる覚えはなかったですね〜
一人称は小町だけだったと思いますよ
こういうの大好き!
素晴らしすぎる!!
小町は基本的に一人称小町でしたが、地の文は何とも言えませんね…
ですが、一部の作者さんは地の文のみ一人称に「私」を使っている人もいました。ご参考程度に。
みなさんコメントありがとうございます!
面白いや素晴らしいと言っていただけるのはやっぱり嬉しい限りですね(>_<)本当にありがとうございます
>>36
>>38
なるほどなるほど…
教えていただきありがとうございます
やっぱり小町が「私」は違和感あるかな…?
楽しく読ませてもらってます。
2人の記憶と写真の間はそういうことだったんですね。
続き待ってます!
>39
違和感はないです。……割り切ってしまえば。
>>41
今更ながら結局、全部一人称「小町」に統一することにしました!いろいろすみませんでした!
この話最高です。!楽しみなんで頑張ってください
みんな高校生の家族旅行!!笑 ここからさらに面白くなりそうですね!たのしみです!
最高です(*´ω`*)ありがとうございます((o(^∇^)o))
今開いたら下書き中でテンション上がった
みなさんコメントありがとうございます!
楽しみにしていただいてるのに毎回毎回遅くなって申し訳ありません。
>>47
姫百さんのペースで全然大丈夫です!何度か読み直す時間が取れて、かなり楽しめてますよw
家族旅行?からまた見直してきますね〜( ´ ▽ ` )ノ
温泉は時間の余裕が取れたらゆっくり行ってらっしゃいませw
子供3人みんないいキャラしてますね、3人とも好きです。
コメントありがとうございます!
>>48
お気遣いありがとうございます(^_^)
本当に感謝するばかりです…。
>>49
3人を好きと言ってもらえるのは本当に嬉しいことですね…。でもオリキャラはやっぱり難しいですね
姫百合さんの作品は神作ばかりでもう最高です、更新まだかなぁって考えてばっかで日常生活ができなくなるほどに…wなので、今作も期待期待です!
あんた神だよ
これ終わってほしくないな〜(;^ω^)
次回作も是非お願いします!!(੭ुᐛ)੭ु⁾⁾
ゲーム延期はまぁ、わたりんもかなり多忙な方なのでしょうがないですかねーと、諦めてます。(;^ω^)
姫百合さんに感化されSS書き始めましたw
このオリキャラ3人はぜひ本編にも出て欲しいレベル
54ミス。
このオリキャラ3人はぜひ本家にも出て欲しいレベル
いいねぇ
続きが気になってしょうがない♪
更新楽しみに待ってます(つ∀`*)
面白くて、いつも楽しみにしてます。
次の更新、待ってます~
どうしよう、全体的にネタのチョイスがツボすぎる。
そしてそれらとは関係なく進む本編の二人の関係……素敵!
いやぁ、全く持って毎回の更新が楽しみです^^
今後も期待させてくださいね~。
みなさんコメントありがとうございます!
応援、評価、本当にありがとうございます!
なかなか展開を作るのが難しくて結局ワンパターンになっちゃってる感じですが…
最後までがんばります!
姫百合さん!今回も楽しく見させてもらいました!
次回ラストはめっちゃ悲しいです。
あの写真とどういう風につながってくるか楽しみですなw
あとあと!シリーズは続けるんですよね(ちらっちらっ
更新されてる!!うずうずしますね笑
おもしろいです!それとやっぱり家族の絡みはほんとうにほっこりしてたのしいです!おわりまでたのしみにしてます!!
ほんま素晴らしい‼︎
続編期待しちゃう♪
はじめの頃から読んでます
本当に面白いです
お疲れ様でした!
全作品見させてもらってます!!どれも好きなんですがやっぱり比企谷家オリキャラ(可愛いさとは&おとは、そして八郎w)作品が1番大好きです。あと少しで終わってしまうのかと思うと長い間虚無感に駆られそうですが、一つの作品を完結させるということはとても大変なことだと思うので、お疲れ様でした、に尽きるのかと思います。また、さとは、おとは、八郎の3人と会える日まで…
完結乙です!
とても面白かったです
これで完結ということですが
気が向いたらでいいのでまた番外とか出してもらえると嬉しいです
本当にお疲れ様でした
한국의 독자로부터
완결 축하드립니다. 정말 재미있게 보았습니다. 작가님의 다음작, 무척이나 기대됩니다 ^^
韓國の読者から
完結おめでとうございます。 本当に面白く見ました。 作家さんのダウムジャク、とても期待されます ^^
完結おめでとうございます!
全作品拝見させていただきましたどれも心揺さぶられるものばかりで
一色好き+オリキャラの絶妙さ加減でどのお話でもにやけが止まりませんでした
自分勝手な意見ですがこの作品ほどアニメとなりさとは,おとは,はちろうが動く姿を見たい!と思った作品はありません
お疲れ様でした (続編も見たいな〜なんて)
特にさとははグッときました
どうも、小町の一人称の件でご返答させていた者です。
この度は、物語完結、大変お疲れ様でした!
家族旅行?から見させてもらって、今日まで楽しく読ませてもらいました。
姫百合さんのストーリーは全話筋がしっかりと追っていて、大変素晴らしいと思います。
っと、こんな堅苦しい言葉は良くないですな!ww
一期の総武高校奉仕部ラジオでの開始時の音声ドラマで雪乃が言っていた、物語を読み終わったあとの一抹の寂しさとはまさにこのことだと改めて実感しました。
最後はさとはが幸せとなり、全てが上手くいった物語だったと思います。
番外編、八郎の時空軸を見てみたいですな。(ちらっ
二度目になりますが、物語完結、本当にお疲れ様でした。
次回作に期待してます。
(オススメのところに間違ってコメント書いてしまったなんて言えない)
みなさんコメントありがとうございます!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
多くの感想と応援、本当に感謝するばかりです(>_<)
>>70
小町の件ではありがとうございました!
オススメありがとうございます(笑)
いや~、おもしろかったです!
いい作品をありがとうございました!
また読みたいです、番外編とか~。
次回作も楽しみにしてます!
初めて投稿します
姫百合咲さんのお話はコンプリート読破してますm(_ _)m
色ばかり好きとしてはたまりません。
八色の結婚後の話はなかなか見たことがなかったので、はまって何度も読み返しました。
これからも楽しんで読ましていただきます。
最後の??って誰だろう
妻と来たって言ったり旦那と楽しめって言われたり、性別に矛盾があるように見える
私が文盲なだけかな
この話完結してしまったとき僕は多分虚無感でいっぱいになるだろうと思ってました。でも、読み終えた今晴れやかな気持ちです。
この物語は僕は八幡といろは2人のSSとしては考えていません。それは何よりオリキャラである、さとは、おとは、八郎、そして秋人たちが本当に良いキャラクターだったからです。特に比企谷一家は最高の家族だと言えます。本当に良い話だったです。
そして何より家族旅行?からこうして一つの物語を完結させた姫百合咲さん本当にお疲れ様でした!
毎日、いつ更新されるかと楽しみにしてました。毎週の楽しみでした。これで完結となりますが、いつかまた、さとは、おとは達に会える日を夢見て…。
本当にありがとうございました!
お疲れ様でした。読んでいたら目が腫れてしまいました笑
あなたの作品を読んでこんな家族になりたいなぁと思いました。
本当に楽しく読ませていただきました。最高です。
だからこそ一つ自分の気持ち、わがままを書きます笑 スルーでも全然構いません笑
この家族のやりとりを、4コマ漫画のような、超超超短編のようなSSも読んでみたいです。
これからも違うものでも、書かれるのであれば読ませていただきます!
完結おめでとうございます。
完結おめでとうございます、そしてありがとうございます。
素晴らしい家族愛と八幡、いろはの恋人として、夫婦としてがとてもよく書けていてこんなに泣けて笑えてドキドキできるssはこれだけでした。
今までお疲れ様でした。
みなさんコメントありがとうございます!
たくさん感想いただけて本当に嬉しいです。読んでいただきありがとうございました!
>>74
返信遅れて申し訳ないです。
??は言ってしまえば平塚静の旦那です。旦那が平塚静の写真を手に持って来て妻の「静さん」と一緒に来たということでいろはが写真に向かって先生に挨拶してる感じです。最後も写真の先生に向かっていろはが旦那と楽しんでくださいって言ってます。
なぜ写真なのかは…察してほしいです
分かりにくい書き方でごめんなさい…。
以後気をつけます
どっかの完結詐欺に定評のある人じゃないですけどまたこのシリーズの番外編がみたいですねぇ(´・ω・`)
忙しくて更新見られない日々が続いて、やっと一段落ついたから見に来てみたら……。
どうしてくれる、目が真っ赤になってしまったではないですか……。
私が前回見たのが旅行終わりだったので、そのあとどうなるかな~とかなり楽しみにしてたら、想像を遥かに超える出来でした。
奉仕部の引退の話。
ゆきのんの発言に涙。ゆいゆいの発言に涙。ヒッキーの発言に涙。
ヒッキーの告白の話。
「良かったね」の気分で嬉し涙。
さとはの結婚式。
最初から最後まで涙。
……もうなんか顔面ぐちゃぐちゃですよ。
本当に素敵な作品に出会えたと思います。
登場人物すべてに幸せあれ。
そして作者に心から感謝。
完全完結、ということで、本当にありがとうございました。
そして、お疲れ様でした^^
全部読み終えました。
まず作者さん、ありがとうございました。
もともと僕は感情移入しやすい人間なのですが後半の方になると「家族って素晴らしいな」など沢山の感情が溢れ出てきて自然と涙が、、、そこから先はもう号泣でした。
自分は現在学校生活をとても憂鬱に思っている高校2年生なのですが、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』が好きなこともあり、泣くほどまでに感動をすることが出来ました。この作品のおかげで残り半分の学校生活を頑張っていけるような気がします。
物語・文学ってとても素晴らしい。本当にありがとうございました。また新しい作品を待ってます。
完結お疲れさまでした‼
ssで泣いたのは初めてです!
本当にいい作品でした!
全作楽しく読ませてもらいました、とてもおもしろかったです。
これからも頑張ってください。
さとは可愛い!
完結おめでとうございます。
さとはは誰と結婚したんですか?葉山ですか?
出来れば続編がいいですが頑張って下さい
おめでとう!そしてありがとう!
この話を全て映画のして欲しい!
それくらい付きでした。
これからも八幡といろはの作品期待してます。
ひとまずお疲れ様です^_^
一色と八幡は死なないでずっと愛し続けてほしい。人は死なないでほしい。頼む死なないで愛が見たい。そう願う自分が今いる。とりあえず皆幸あれだ。
本当にこのシリーズのssは最高でした!!
完全に完結とのことですが、またオリキャラが出てるこのシリーズのssが読みたいです(((o(*゚▽゚*)o)))
今まで色んなssを見てきましたが、これはその中でもトップクラスに面白かったです。
なんと言うか.......感動なんて簡単な言葉で表せないですね.......
来るのか分かりませんが続編期待してます!
なぜ今になって更新を?どこに何を追加したんですか?久しぶりすぎてついていけないっす
>>90
後書きのところ追記しただけです!紛らわしくして申し訳ありません。
このシリーズめっちゃ好きだったので続編楽しみにしてます‼︎これからも頑張ってください
久々に小説読んで泣きました。
とても良い作品でした。
なんでか喪失感が凄い()さとはぁ⋯⋯