2016-05-12 20:26:47 更新

男「…歩くの早いな」黒亀「早くて悪いか」


男「」


黒亀「なんだ、どうした、男」


男「シャベッタアアアア」


黒亀「亀がしゃべっちゃいけないのか?」


男「ふつうの亀はしゃべらねえよ」


黒亀「ふつうの亀じゃないといけないのか?」


黒亀「逆に問うがこんな昼間にこんな亀としゃべってていいのか?」


男「いいんだよ、別に」


黒亀「そういうものなのか?」


男「もういいんだよ」


黒亀「…」


-----


黒亀「なあ男よ」


男「なんだよ」


黒亀「腹減った」


男「そこにあるだろ」


黒亀「袋のままじゃ食えないだろ」


黒亀「出してくれ」


男「…」コウラツカム


黒亀「はなせー」バタバタ


男「よいしょ」ミズニハナス


黒亀「だせー」


男「おまえ水の中じゃないと食わないだろ」


黒亀「…」


男「まあいいや、ほら食え」エサマク


黒亀「ガブガブ」


男(食うのヘタクソだなあ)


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男「お前ってほんとによく動くよな」


男「ほんとに亀か?」


黒亀「亀だな」


男「動く亀なんてあんまり聞かないけどな」


黒亀「大体の亀は人間が見ていないときよく動くからな」


黒亀「まあ自分から見せに行くときもあるが」


男「なんでだ」


黒亀「個性だな、だぶん」


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男「おい」


黒亀「なんだよ」


男「なんか甲羅はがれてね?」


黒亀「ただの脱皮だ、気にすんな」


男「お前も脱皮するのか」


男「皮かどうかは怪しいがな」


黒亀「おまえも家から脱皮しような」


男「…」


-----


黒亀「ジタバタ」


男「どうした」


黒亀「はまった」


男「なにに」


黒亀「見てわかるだろ、石の隙間にはまってんだよ」


男「バカじゃねえの」


黒亀「亀だからな」


男「意味わからん」


黒亀「それよりも、助けてくれないのか?」


男「はいはい、ほらよ」イシドケル


黒亀「ありがとな」


-----


男「今日は動かないのか?」


黒亀「甲羅干ししてんだよ」


男「そうか」


黒亀「お前もいつもそんな暗いところにいないで出て来いよ」


男「…いやだね」


黒亀「まあ少しづつでもいいからさ」


男「考えとく」


-----


男「最近一回りくらい大きくなったか?」


黒亀「カルシウムたっぷりのおかげ」


黒亀「あと甲羅干し」


男「ベランダが南向きでよかった」


男「そういや最近あんまり餌食べないけど大丈夫か?」


黒亀「まあそろそろかな」


男「なにがだよ」


男「寿命とかはやめてくれよ」


男「一人ぼっちはさみしいからさ」


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男「もう片手で持てねえや」


男「いやー大きくなったもんだ」


黒亀「やったな」


男「やったぜ」


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男「zzz」


_______きろ____________


男「zzz」


____おい_______


男「zzz」


黒亀娘「おきろっつってんだろうがああああ!」


男「わあああなんだ!?」


男「ええええええ誰!?」


黒亀娘「おはよう」


男「ええええええオンナノコ!?誰!?」


黒亀娘「黒亀娘だ」


男「もしや自分の飼ってる黒亀ちゃんでございますか」


黒亀娘「そうだ」


男「ええええええまじか!?」


-----


男「メスだったんですか」


黒亀娘「そうだ」


男「でもなんで…」


黒亀娘「もうすぐ産卵時期なんだよ」


男「そうなのか」


黒亀娘「そのついでにDT卒業させてあげようかと思ってな」


男「ごめんちょっと意味はよくわからないけどありがとう」


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黒亀娘「亀はな」


黒亀娘「卵を産むときはな」


黒亀娘「安心できる場所じゃないといけないんだよ」


男「はあ」


黒亀娘「まあ人間の今は安心とか信頼がある人じゃないと…な…」


男「…それで自分ですか」


黒亀娘「なんだ、信頼があるから言ってるんだぞ」


男「そうか…」


-----


男「…」


黒亀「…」


男「って言う感じの夢を見た」


黒亀「よかったな」


男「よくねえよDT卒業できると思ったのに」


黒亀「ざまあ」


男「ちなみに現実の性別は?」


黒亀「メスだ」


男「ほらな、やっぱりオs…ん?」


男「…マジで?」


黒亀「マジでメスだが?」


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男「最近餌をあんま食わないのはガチ産卵か」


黒亀「そうだな」


男「じゃあ土とかあったほうがいいか?」


黒亀「まあ無精卵だけどな、頼む」


男「はいよ」


黒亀(外に出てくれるのか)


男(太陽の下はいやだな)


男「夕方から行くか」


黒亀「昼いかないのか?」


男「…」


-----


黒亀「土、ありがと」


男「おう」


黒亀「あとすこし腹減った」


男「キョー○ンのでいいよな?」


黒亀「うむ」


男「よっ」ツカム


黒亀「ジタバタ」


男「あばれんなよ」


黒亀「すまない、つい本能が」


男「そうか」ポチャ


黒亀「食欲はそんなにないな」


男「そうか」


-----


黒亀「おとこー」


男「んー?」


黒亀「お前はいつまで部屋に引きこもるんだ?」


男「…」


黒亀「そんなに外が嫌いか?」


男「…まあ」


黒亀「でも水替え、餌やり、亀のことなら外には出てくれる」


男「うん」


-----


黒亀「何が怖いんだ?」


男「人」


黒亀「?」


男「人が怖い」


黒亀「自分も人なのに?」


男「そうだね」


黒亀「そうか」


黒亀「あまり深いところまでは聞かないよ」


男「ありがとう」


-----


黒亀「でも土は買いに行ってくれた」


男「買いに行ってないよ?」


黒亀「?」


男「天然の土だよ」


男「できるだけ人の少ない深夜にとってきた」


黒亀「…」


黒亀「迷惑かけたな…」


男「いや、ちょっとした運動になったし」


黒亀「うむ」


-----


黒亀「おとこー」


男「?」


黒亀「前に黒亀娘の夢をみた、と言っていたな?」


男「言ったね」


黒亀「あの時は人間大丈夫だったのか?」


男「…別に黒亀には変なことはされないだろうし」


男「まあ安心はするよね。亀だし」


黒亀「そうか」


男「それよりもいきなり夢の話をしてどうした?」


-----


黒亀娘「…これでいいんだな?」


男「」


黒亀娘「どうした、おとこ」


男「夢じゃなかったのか?」


黒亀娘「あれは夢、これは現実」


男「でもなんでいきなり人間(?)に…」


黒亀娘「亀がしゃべる世界だぞ?こんなことがあってもおかしくはないだろ?」


男「それもそうかも」


黒亀娘「外」


男「外?」


-----


黒亀娘「外、これでいけるか?」


男「え」


男「どうしてその話に」


黒亀娘「私がついている」


男「でもな…」


黒亀娘「私は怖いか?」


男「…」


黒亀娘「私は外に出てみたい」


男「!」


-----


黒亀娘「ちいさいベランダの中だけではもう嫌なんだ」


黒亀娘「もっと広い世界をみてみたい、と思ってな」


男「そうか」


黒亀娘「…行ってくれるか?」


男「…わかった、いこうか」


黒亀娘「!…ありがとう、男」




※次回作はあるかも


後書き

黒亀娘を除いて80%くらいが実話です


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SS好きの名無しさんから
2017-03-27 13:02:17

のんびりさんから
2016-05-04 20:39:32

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SS好きの名無しさんから
2017-03-27 13:02:18

このSSへのコメント

2件コメントされています

1: のんびり 2016-05-04 20:40:32 ID: En0oHB5l

 なんか・・・とにかく・・・気になります!特に実話というところ・・・亀、しゃべるのですか!?キラキラ

2: ぜに誤 2016-05-04 20:45:41 ID: RwdR7do0

コメントありがとうございます!
亀はしゃべってはくれませんが反応はしてくれます。


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