2016-06-20 04:14:10 更新

概要

せっかくの誕生日に命を狙われた東條希。親友の絵里とともに、彼女はどうなっていくのだろうか・・・。すごく遅くなりましたが、希生誕祭です。※非エロ
未熟者故、誤字脱字などは勘弁してください。途中で、ちょっとだけ地の文入ります。


???「では、最終確認に移る」


???「計画実行日は明日。標的は・・・」


パァン!


???「東條希」




―――――






ピンポーン


希「はーい」


ガチャ


絵里「お待たせ」


希「いらしゃい。さ、行こか」


絵里「ええ、せっかくの誕生日パーティーだもの。楽しまないとね!」


希「せやね。ちょっと前までえりちと二人きりで祝ってたのにな・・・」


絵里「ええ、そうね」


希「・・・・・・」


絵里「・・・しんみりする話は今日はやめましょう!さ、笑顔笑顔!」


希「せやね!」



絵里「ところで、知ってる?」


希「何を?」


絵里「近頃起きてる殺人事件のこと」


希「・・・・・・なんでこういう日にそんな物騒な話するん?」


絵里「いや、起きてるのがここら辺だし、知らないなら一応知らせておかないって思ってね」


希「まぁ、そうやね」


絵里「なんでも、大人数で行ってるらしいんだけど、なんでもその服装がおかしいの」


希「どんな風なん?」


絵里「黒装束で、真っ黒な恰好をしてるのよ」


希「そんな目立つ格好なん?そんなの、すぐつかまるんやない?」


絵里「それが、全然つかまってないんですって。ちょうど、あんな感じの服装の・・・」


絵里「え?」


希「え?」


希「おるやん!!」


絵里「しー!しー!気づかれるるわよ!!」


希「そうやね・・・」


絵里「幸い気づいてないみたいだけど・・・どうする?」


希「とにかく逃げよ?」


絵里「そうね。まったく、せっかく希の誕生日パーティだってのに・・・」


クルッ


希「え?」


パァン!


絵里「・・・・・・はやく逃げるわよ、希!」


希「せやな!!」


パァン! パァン! パァン!


絵里「一体何人いるのよ~!」



―――――



絵里「周りにあの人たちは?」


希「・・・わんさかいるけど、こっちには気づいてないみたい」


絵里「よかった。でもまさか高3にもなって公園のドゥーム上のあれに入るとは思わなかったわ」


希「・・・そんなこと言ってる場合やないで。これからどうするん?」


絵里「・・・覚悟を決めてでていくとか?」


希「何言っとるん!!」


絵里「冗談よ!冗談。そんな大声だすと気づかれるわよ?」


希「えりちが悪いんやん・・・」


絵里「でもほんとにどうする?このまま出て行ってもたぶん殺されるだけでしょ?」


希「そうやね・・・。気づかれないことを祈って、逃げることしかないか・・・」


絵里「そうね、ここにずっと残っててもすぐに見つかる。神に祈るしかないわね」


希「・・・・・・ウチに任しとき!」


絵里「ああ神様イエス様東條希様、私たちに神のご加護を・・・」


ギギギギギ


絵里「あれ?なんか変な音しない?」


希「せやね、とりあえずここから離れよう!」ヒュッ


絵里「ええ!」ヒュッ


ドォーン!


絵里「危なかった・・・、まさか木が倒れてくるなんて」


希「のんびりしてる暇はないで。はやく逃げんと!」


絵里「そうね!あっちなら誰も居ないわ!いくわよ、希!」


ヒュンヒュン ザクッ!


希「まだ追ってくる・・・!」


絵里「希!後ろ向いてたら追いつかれるわよ!」


希「えりち!前!」


スッ


希「右や!」


パァン!


絵里「間一髪ね・・・」


希「そうやね・・・って、こっちにもおるやん!」


絵里「えっ!」


希「左や!」


絵里「希!こっちにもいるわよ!」


パァン!


希「えりち!こっちや!」


絵里「いつまでついてくるのよ!」


希「そこいらじゅうにおるやん・・・」


希「・・・!?」ピタッ


絵里「ちょっと、急に立ち止まらないでよ・・って、家?」


希「行き止まり、やね・・・・」


絵里「横道は!?」


ゾロゾロ ゾロゾロ


希「塞がれた・・・。もう無理やね」


絵里「あきらめないでよ!希!」


パァン!


絵里「キャアッ!」


希「ははは・・・やっぱりウチは幸せになんてなるべきじゃなかったんやね・・・」


希「なあえりち」


絵里「どうしたのよ、こんな場面で面と向かって」


希「ウチの最後の我儘、聞いてくれへん?」


絵里「・・・何?」


希「ウチを置いて、えりちだけでも逃げて」


絵里「・・・・・・」


希「この人たちの狙いは、たぶんウチ。ウチがおとりになるから、その隙にえりちだけでも助かって」


絵里「希はどうなるのよ・・・」


希「ウチのことはいい。えりちが生き残ってくれれば・・・」


絵里「・・・・・・」グイッ


バタンッ


希「えりち、不法侵入やん」


絵里「緊急事態なんだし、いいでしょ?誰もいないみたいだし」


希「そうやね、どうせもうすぐ死ぬんやし・・・」


絵里「・・・・・・あたなそれ本気で言ってるの?」


希「うん、ウチはいつだって本気や」


絵里「本当に死にたいの?」


希「そうやね。ウチが死んでも、えりちが助かるなら、それでいい」


希「ウチなんか、どうなっても・・・・・・」


絵里「希?」








希「・・・・・・死にたいわけないやん!!」


絵里「!!」


希「ウチだってまだ高校3年生!まだまだ楽しいことがいっぱいあるはずなのに、他殺で人生終わらせたくない!!」


希「ウチは親が転勤続きで、ずっと友達ができなくて、すっごく寂しい日々を過ごしていた」


希「だけどえりちと仲良くなれて、μ'sと出会って、やっと居場所を見つけたと思ったのに!!」


希「毎日毎日がすごく幸せだった!この幸せはこれからもずっと続くんよ!!」


希「これからももっとみんなと一緒に居て、楽しいこといっぱいしたい!!」


希「なのに・・・・・・死にたいわけないやん・・・・・・」


絵里「そう・・・」


絵里「・・・・・・」

















絵里「残念ね」


















希「え・・・・・・?えりち、それどういう意味なん?」


絵里「あなたが死にたいって思ったときに殺してあげようと思ってたのよ。その方があたなも喜ぶと思ってね」


希「えりち、何言って・・・」


絵里「めんどくさいから全部話すわ。このグループのリーダーは私よ」


ゾロゾロ   ゾロゾロ


希「さっきの人たち・・・」


絵里「本当に楽しかったわよ、希と過ごす日々は」


絵里「だから常に、どんな殺し方が一番いいか考えていた」


希「・・・・・・」


絵里「最高だと思わない?自分の誕生日に、自分の親友に裏切られて、親友の手によって殺される。完璧なシナリオでしょう?」


希「・・・なんでこんなことするん?」


絵里「私は無情な殺人グループのリーダーよ?殺したいから殺すだけ。そこに理由なんてないわ」


絵里「それに、最愛の友人のためだもの。これくらいの準備はしてあげないとね」


希「・・・・・・」


絵里「ずっと一緒に逃げていて、ヒヤヒヤしたてわ。いつ殺されるか本当に不安で」


絵里「だってそうでしょ?他人に殺されるより、私が殺したほうがよっぽどいい・・・」


希「・・・・・・卑怯者」


絵里「なんとでも言うといいわ。あなたが何を言おうと、私の意志は変わらないし」


絵里「でも、これがあなたとの最後の会話だと思うと、ちょっと寂しいわね」クスッ


希「・・・・・・」


絵里「もういいわよね?」スッ


絵里「今までありがとう、希」カチャ


パァン!



























―――――


あぁ、やっぱりウチは幸せになんてなるべきじゃなかったんやね。

ほんとうに楽しかったなぁ・・・。短い人生の中の、短い期間だったけど。

音の木坂に入ったときは、友達ができるなんて、微塵も思ってなかった。ましてやスクールアイドルなんて。

でもえりちと出会って、にこっちに出会って、穂乃果ちゃんたちに出会って。

μ'sと出会って、いろいろな楽しいことしてきた。

みんなと歌って、踊って、泣いて、笑って。

そういえば、いまごろみんなはどうしてんのかな?

練習してるんかな?それとも、もう殺されちゃったんかな。


きっと、みんなウチのことなんて忘れて、幸せに生きていくんやろうな。

何事もなかったかのように、8人でμ'sをやって、ラブライブに優勝して。はじめっから、ウチなんていらなかったんや。

ウチみたいな人は、幸せになんてなるべきじゃなかった。

最後の短い期間、μ'sに出会えて、本当に幸せやった。

ありがとう、えりち。ありがとう、μ's・・・


―――――





























































絵里「そして・・・・・・」


希(なんや、えりちの声が聞こえる。そういや、死んでも最後まで残るのは聴覚だって、どっかで聞いたなぁ)





















絵里「これかもよろしくね、希!!」




















希「は?」






パァン!  パァン!  パァン!


μ's「希(ちゃん)、お誕生日おめでとう!!」




希「・・・・は?え?どういうことなん?・・・あぁOKOK、ここは天国やんな」


凛「見てみて希ちゃん!これこれ!」



|-------|

|ドッキリ大成功♡|

|-------|



希「嘘やん・・・」


真姫「だって希ったら、これぐらいしないと驚いてくれないじゃない」


にこ「いつも脅かされてるんだから、そのお返しよ!」


希「あの・・・殺人グループは・・・」


花陽「私たちと、音の木坂の生徒が数人協力してくれたんだよ」


ことり「普段はあまりやらない縫い方だったから、この黒装束つくるの手間取っちゃったんだ・・・」


希「え・・・銃は・・・」


穂乃果「前に百均で買ってきたんだ。だから実弾なんて入ってないよ!」


希「ははは・・・なんや、そういうことやったん・・・」


海未「私はあんなに反対したのに。ほら、希だって泣いてますよ!」


希「え・・・?あ、本当やん・・・」


絵里「ごめんね、黙ってて。ちょっと驚かせすぎちゃったかしら?」


希「・・・・・・」


希「驚かせすぎるってレベルじゃないやん!!ウチ、死ぬかと思ったんよ!?」


絵里「ごめんって・・・」


希「全く!なんでこんなことしたん!?」


絵里「だって普通のサプライズじゃ驚かないでしょ?」


希「だからってこんな大掛かりな準備せんでも・・・」


絵里「何言ってるのよ。最愛の友人のためだもの。これくらいの準備はしてあげないとね」


希「・・・・・・もう、えりちの馬鹿!」


絵里「ほら、写真撮るわよ?いつまでグズグズしてんのよ。はいハンカチ」


希「えりちのせいやん・・・」ボソッ


絵里「今日の主役はあなたなんだから、シャキッとしなさい?」


希「だからなんでえりちがそれ言うん?全く・・・」


凛「撮るよー!」


絵里「ほら、急いで急いで」


希「あーもう、わかったわかった」



穂乃果「では、改めまして!!」


μ's「希(ちゃん)、誕生日おめでとう!!」


希「うん・・・ありがとう!みんな!!」


絵里「いつも静かなパーティだったから、こういうのもいいでしょ?」


希「そうやね!あ、後・・・」


絵里「何?」


希「これ計画してくれたのって、えりちなん?」


絵里「そうよ」


希「ありがとう。怖かったけど、楽しかったよ」


絵里「そういってもらえると何よりよ」


希「あとな・・・










ウチ幸せ!!









後書き

元ネタは推理の星くんです。ネタバレ防止のために、作品登場キャラクターは二人だけにしています。ご了承ください。


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