女神達の末路
重い話です。
苦手な方はご遠慮下さい。
時期は一期の合宿後くらいからと考えてもらえれば
貴方には、誰か守りたい大切な人がいますか?
ある日…
μ'sから、1人の名前が消えた。
穂乃果「ねぇ、海未ちゃん。」
海未「…」
穂乃果「ねえってば」
海未「…」
穂乃果「…」
穂乃果「どうして…?」
ある日の放課後
海未「では、一旦休憩にしましょう。」
穂乃果「やっと休憩か〜」
花陽「疲れた〜」
海未「少し休んだらすぐに練習を再開しますよ!」
凛「は〜い」
絵里「ことり?少し顔が赤くない?」
ことり「…え?」
真姫「本当だ、ちょっと見せなさい。」
真姫「…すごい熱じゃない、このままだとまずいわよ。」
希「今日は帰った方がええよ、ゆっくり休みな?」
ことり「うん…ごめんね…」
ドサッ
絵里「え?ことり!」
海未「ことり!どうしたのですか!」
穂乃果「ことりちゃん…?」
真姫「早く救急車を!」
にこ「もう呼んだわよ!」
ピーポーピーポー
凛「ことりちゃん…」
花陽「いきなりどうしちゃったんだろう…?」
希「さっきまではいつも通りだったのに…」
絵里「私達も病院へ行きましょう。」
絵里「穂乃果、海未!」
海未「絵里…」
穂乃果「絵里ちゃん…」
絵里「ことりの容態は?」
海未「まだ検査中ですが、あまり状態は良くないようです。」
絵里「そう…」
ガラッ
穂乃果「先生…」
海未「ことりの容態は?」
先生「1度ちゃんとした検査を受けることをおすすめします。」
先生「もしかしたら非常に悪い状態かも知れません。」
絵里「そんな…」
花陽「ここでちゃんとした検査を受けてるんだよね。」
凛「うん。」
真姫「ことり…」
凛「きっと、大丈夫だよね?」
真姫「…」
花陽「…」
海未「ことり…」
穂乃果「大丈夫かな…」
絵里「分からないけど、今は待つしかないわ。」
希「待ってることしかできないのも、なんだかもどかしいね。」
ガラッ
海未「…ことりの容態は…」
先生「…」
先生「少し場所を移しましょう。」
先生「落ち着いて聞いてください、よろしいですね?」
絵里「私達はいてもいいんですか?」
理事長「いいの、あなた達にも聞いてもらいたい。」
絵里「分かりました。」
先生「南ことりさんの命は、もってあと一ヶ月と少しです。」
海未「…は?」
にこ「うそ…でしょ…?」
穂乃果「嫌だっ…嫌だよ…ことりちゃん…」
絵里「あと、一ヶ月…」
希「そんな…」
先生「おそらく安静にしていれば2、3ヵ月は生きられるかもしれませんが、南さんがμ'sの皆と最後まで過ごしていたいと聞かないのです。」
先生「最後の判断は貴方達に任せるそうです。皆さんで話し合って決めてあげてください。」
9人「…」
にこ「どうするの?」
穂乃果「決まってるよ、安静にしていてもらおうよ。」
にこ「…本当にいいの?」
穂乃果「うん、寿命を縮めてまで穂乃果達と一緒にいても、皆辛いだけだよ。」
真姫「私は反対よ!」
穂乃果「どうして?」
真姫「どうしてって…ことりはもうすぐ死ぬのよ!?」
真姫「最後のわがままくらい…叶えてあげても…いいじゃない…」
穂乃果「…」
海未「私も真姫に賛成です。」
穂乃果「海未…ちゃん…」
絵里「…理事長は…どちらが良いと思いますか?」
理事長「私は…貴方達の判断に任せるわ。」
絵里「理事長…」
にこ「本当に良いんですか?」
理事長「ええ、あの子も貴方達に決めてもらいたいだろうから。」
希「理事長…ありがとうございます。」
絵里「じゃあ、もう一回聞くわ。どっちがいい?」
にこ「聞くまでもないでしょう?」
穂乃果「…うん!」
8人「最後まで一緒にいる!」
絵里「じゃあ、一ヶ月以内に、ラストライブをやりましょう。」
にこ「9人最期のライブ、最高に盛り上げるわよ!」
凛「テンション上がるにゃ〜!」
穂乃果「...」
海未「穂乃果?どうしたのですか?」
穂乃果「海未ちゃん…うん、ちょっとね…」
穂乃果「もうすぐことりちゃんが死んじゃうのに、どうしてみんなあんなに明るく振る舞えるのかなって…」
海未「穂乃果。」
穂乃果「海未ちゃん?」
海未「あなたは…みんながただ明るく振る舞っている様に見えますか?」
海未「無理をしているようには見えませんか?」
穂乃果「あ…」
海未「それでも前に進むしかないんです。あと一ヶ月しか無いのに下なんて向いていられません。」
海未「本当に…本当にこれがっ…最後なんです…から…」ボロボロ
穂乃果「海未ちゃん…ごめん、ごめんね…」
海未「良いんです。さあ、帰りましょう。」グスッ
ことり「そう…ありがとう、みんな。」
絵里「本当に良いのね?」
ことり「うん。ことりは、最後まで皆と居たい。」
絵里「じゃあ、ライブの練習をするわよ!」
にこ「この9人でのラストライブ、最高に盛り上げなきゃ!」
ことり「うん!」
海未「1.2.3.4.5.6.7.8...」
海未「ことり!少し遅れていますよ!」
ことり「うん、ごめん!」
海未「穂乃果!タイミングが合っていません!」
穂乃果「ごめん!」
ことり「はぁ…はぁ…」
海未「大丈夫ですか?少し休みましょうか。」
穂乃果「ことりちゃん、はいタオル。」
ことり「ありがとう穂乃果ちゃん。」
絵里「ライブはちょうど一ヶ月後…本当に大丈夫?」
にこ「ちょっと、その話はしない約束じゃない。」
絵里「そうだけど…どうしても心配になっちゃって。」
ことり「うん…大丈夫だよ。」
海未「…」
海未(確かに心配です…ことりは大丈夫と言いますが、日に日にやつれていっている気が…)
ことり「もう大丈夫、練習をつづけよう。」
海未「ことり、あまり無理はしないで下さいね。」
ことり「うん、ことりは大丈夫だから。」
海未「…では、再開しましょうか。」
そこからは日が過ぎるのは早くて、あっという間に一ヶ月が過ぎた…
にこ「ついに…今日ね。」
花陽「これで9人で踊るのが最後なんて…」
絵里「こら、そういう事は言わないの。」
希「そう、最後だからこそ楽しまんとね。」
穂乃果「そろそろだね…」
海未「ええ、では…」
穂乃果「μ's9人でのラストライブ、全力で飛ばしていこう!」
穂乃果「1!」
ことり「2!」
海未「3!」
真姫「4!」
凛「5!」
花陽「6!」
にこ「7!」
希「8!」
絵里「9!」
穂乃果「μ's!」
9人「μ’sic…start!!」
ワー!!
穂乃果「皆さん、今日は集まってくれてありがとうございます!」
穂乃果「実は私達、皆さんに言わなければならない事があります!」
穂乃果「実は…私達が9人で歌えるのは、今日が最後になります!」
穂乃果「私達は今後もアイドル活動を続けます、ですが8人での活動になります!」
穂乃果「だから今日は、最後の私達9人のライブを楽しんでいってください!」
楽しい時はあっという間に過ぎ、ついに最後の曲が来た。
穂乃果「最後の曲は、今日の為に作ってきました!」
穂乃果「聞いてください!「Dreamin’go!go!」」
探すんだ夢のエリア 笑いながら君も走ってた
汗を拭いてあげようか 遠慮してもタオルを投げて
どこまでも行けるって気持ちだよ
荷物も予定もいらない!
誰より Go!(Go!!) Go!(Go!!)
遠くへ飛んでみようか
Go!(Go!!) Go!(Go!!)
無理なんて言わせないんだよ
Go!(Go!!) Go!(Go!!)
とにかく先を目指して
Go!(Go!!) Go!(Go!!)
何かと出会いたいトキメキ
Dreamin' 消えない Dreamin' sensation
くじけてる暇はないよ 大事なのは止まらないこと
丘を越え山を越えて ちっぽけな自分にさよなら
いつまでもずっと本気出してくよ
手加減知らない性格さ!
負けない Go!(Go!!) Go!(Go!!)
未来を捕まえたくて
Go!(Go!!) Go!(Go!!)
勢いよく進むんだよ
Go!(Go!!) Go!(Go!!)
いつかは出会う悲しみ
Go!(Go!!) Go!(Go!!)
それさえ人生のスパイス
Smilin' 君なら Smilin' わかるね
負けない Go! Go!
未来を捕まえたくて
Go! Go! 勢いよく進むんだよ
誰より Go!(Go!!) Go!(Go!!)
遠くへ飛んでみようか
Go!(Go!!) Go!(Go!!)
無理なんて言わせないんだよ
Go!(Go!!) Go!(Go!!)
とにかく先を目指して
Go!(Go!!) Go!(Go!!)
何かと出会いたいトキメキ
Dreamin' 消えない Dreamin' sensation
ワアアアアア!!
希「東条希!」
真姫「西木野真姫!」
海未「園田海未!」
凛「星空凛!」
にこ「矢澤にこ!」
花陽「小泉花陽!」
絵里「綾瀬絵里!」
ことり「南ことり!」
穂乃果「高坂穂乃果!」
穂乃果「音乃木坂学院スクールアイドルμ’s!」
全員「ありがとうございました!!!!!!!」
ワアアアアアアアアア!!
穂乃果「ことりちゃん!大丈夫?」
ことり「う、うん…」
絵里「よく頑張ったわね…!」
ことり「えへへ…ありがとう。」
真姫「しっ…!ねぇ、聞こえる?」
凛「?」
…ール!
アン…ル!
アンコール!
アンコール!
穂乃果「あ…」
希「…」
花陽「アンコール…」
凛「でも…ことりちゃん…」
ことり「ううん、大丈夫!行こう!」
にこ「でも!」
ことり「ことりは大丈夫だから…もし倒れそうになっちゃったら、みんな…支えて?」
にこ「…仕方ないわね!私達に任せなさい!」
ワアアアアア!!
真っ直ぐな想いがみんなを結ぶ
本気でも不器用 ぶつかり合うこころ
それでも見たいよ大きな夢は
ここにあるよ 始まったばかり
(わかってる)
楽しいだけじゃない 試されるだろう
(わかってる)
だってその苦しさもミライ
(行くんだよ)
集まったら強い自分になってくよ
(きっとね)変わり続けて(We'll be star!)
それぞれが好きなことで頑張れるなら
新しい(場所が)ゴールだね
それぞれの好きなことを信じていれば
ときめきを(抱いて)進めるだろう
(恐がる癖は捨てちゃえ)とびきりの笑顔で
(跳んで跳んで高く)僕らは今のなかで
輝きを待ってた
・・・
穂乃果「ことりちゃん…ラストライブ、楽しかっよね。」
海未「よく、アンコールにまで応えて歌いきりました。」
穂乃果「ねぇ、海未ちゃん…」
海未「…」
穂乃果「ねぇってば。」
海未「…」
穂乃果「…」
穂乃果「どうして…?」
穂乃果「どうして…ことりちゃんが死ななきゃいけなかったの?」
アンコール曲を歌い終わり、裏に戻った時、ことりちゃんは倒れた。
そして、そのまま目を覚まさなかった。
8人皆で泣いた。
でも、ことりちゃんだけは、すごく嬉しそうな顔で、静かに眠ってた。
それが逆に悲しくて、ずっと泣いていた。
いつも9人だったμ'sは、1人人数が減ってしまった。
穂乃果「ことりちゃんが何をしたの?」
海未「…」
穂乃果「今までずっと一緒だったのに…どうして?」
海未「…」
穂乃果「もう…この世界にいないなんて…」
海未「…」
穂乃果「ねぇ海未ちゃん、何か言ってよ。」
穂乃果「どうして…どうしてずっと黙ったままなの?」ポロポロ
海未「..駄目ですよ、穂乃果」
穂乃果「…え?」
海未「穂乃果が泣いていたら…私も…私も泣いてしまうでは…ありませんか…」ポロポロ
海未「うっ…うっ…」ポロポロ
穂乃果「海未…ちゃん…」
穂乃果「いいよ…いくら泣いても。」
穂乃果「悲しいのは…皆……一緒だもんね…」ポロポロ
海未「ほの…かぁっ…」ボロボロ
海未「うわぁぁぁぁあん!」
真姫「…帰りましょうか。」
花陽「うん、また別の日に来よう。」
凛「今は、二人きりにしてあげよう。」
穂乃果「…帰ろうか。」
海未「ええ。」
私達は8人になってしまったけど、これからもアイドルとして、ことりちゃんの分までやり切って見せる。
叶え!みんなの夢!ーー
でも…
私達は、負けた。
μ'sは8人じゃ、駄目だった。
ラブライブ!優勝を、逃した。
μ'sは9人でμ's。1人でも欠けたら、μ'sじゃない。
わかってた。9人じゃないと意味はないって。
ことりちゃんが抜けたμ'sの穴と、私達の心に空いた穴は、どうしても埋められないと分かっていた。
でも、諦めきれなかった。
でも、もう終わってしまった。
μ'sは終わり、私達は…
私達の夢は、潰えた。
すべては、ことりちゃんがいなくなった時に決まっていたのかもしれない。
end
最後の曲はDreamin’go!go!かこれからかさようならへさよならで迷った。
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