八幡「玉縄とダブルデート」いろは「本気ですか」
遅くなりましたが、いつものシリーズです。
今回は海浜総合高校(玉縄&折本)との話!
シリアスなし、平凡な日常です。
※長らく間をあけてしまってすいませんでした
9/27 修正 夜までにはラストを更新する予定です!
生徒会の報告会に向けて資料作りを行っていた八幡といろは。
そんな2人にある人物から電話がかかってくる。
いろは「わたし先輩に告白されてません!」
<<former episode
昼休み 生徒会室
いろは「せんぱい。謝ってもらってもいいですか?」
八幡「...すまん」
いろは「まあ、昨日は突然お願いしちゃった私が悪いです。なのでそれは置いておいて」
八幡(置いちゃうのかよ)
いろは「仕事、まだやってなかったのには幻滅しました」ハァ
八幡「いやまて、誤解だ。やってない訳じゃない、終わってないだけで..」
いろは「....」
八幡「きょ、今日中には終わらせる」
いろは「別に明日できていれば問題ないんですけどねー」
いろは「はっ!もしかしてせんぱい、彼女が出来るとだめになるタイプですか」
八幡「俺がそんなリア充みたいな人間なわけねえだろ」
八幡(彼女いたことないからわかんないんだけどな)
いろは「先輩いまリア充ですよ?」
八幡「え?」
いろは「こんなに可愛い彼女がいて、充実してないわけないですよね」
いろは「むしろ充実しすぎて爆発するまでぜんっぜんあります!」
八幡「お前のその自信はどこからくるんだよ」
いろは「えー?」
八幡「まあ、ほんとに今日中にはやるから心配すんな」
いろは「いえ、信用できません」
八幡「あのな...」
いろは「なのでっ!放課後生徒会室にきてください」
八幡「は?」
いろは「私もまだ終わってないので、一緒にやりましょ?」
八幡「...分かった」テレッ
いろは「待ってますねー」
放課後 生徒会室
八幡「.....」
いろは「.....」
八幡「.....」
いろは「.....」
いろは「なんか、仕事してるとカップル感ゼロですね」
八幡「そりゃあな、話してる暇があったら手を動かした方が効率がいい」
いろは「そんなもんですか」
八幡「そんなもんだ」
いろは「そうですか...」ウーム
八幡「それよりお前、生徒会の主務はなにしてんだよ」
八幡「今日も帰らせたのか?」
いろは「あーそのことなんですけどねー」
八幡(すごく嫌な予感がする)
いろは「実は主務くんも体調を崩しまして...」
いろは「報告会は私だけで出ることになりそうです」
八幡「お前は大丈夫なのか?」
いろは「まあ、先輩方のおかげで仕事はそんなにないですし」
八幡「そうじゃねえよ。お前の体調は大丈夫なのか」
いろは「は?」
八幡「なんだよそのむかつく顔」
いろは「先輩が気を使うと気持ち悪いって言いませんでしたー?」
八幡「言われたな」
いろは「いきなり優しくすると、巷じゃ浮気を疑われるらしいですよ」
八幡「ここじゃ疑われないのか?」
いろは「先輩に浮気が出来るとは思ってませんから」
八幡(それは信頼されてるということでいいんですよね?そうだよね?)
八幡「仕方ねえな、報告会には俺も行く」
いろは「え、いいんですか?」
八幡「仕事の範囲内だ」
いろは「そーゆーことなら、お願いしますね、せーんぱいっ」
八幡「だからあざといっての」
prrrrr、prrrrrrrr
八幡「電話なってるぞ」
いろは「わかってますよー....げっ」
八幡「出ないのか?」
いろは「いえ、すこし失礼します」
八幡「おう」
八幡「.....」
prrrrr、prrrrrrrr
八幡「ん?こんどは俺か」
八幡「今日のおつかいはなにかな...と..え?」
八幡(小町じゃないだと!)
八幡(なんだこの番号、知らねえな)
八幡「.....」ゴクッ
ピッ
八幡「もしも...」
???「あっ、もしもしひきがやー?久しぶり元気してたー?」
八幡「....」
???「あのさーちょっとたのみたい...」
ブチッ
八幡「さて、仕事するかな」
prrrrr、prrrrrrrr
prrrrr、prrrrrrrr
prrrrr、prrrrrrrr
prrrrr、prrrrrrrr
ピッ
八幡「...なんだよ」
???「ちょっとヒキガヤ!なんで突然切んのー」
八幡「いや、なんでお前おれの番号知ってんの」
???「葉山君に教えてもらった~」
八幡(なんだかんだ仲良いのねお前ら)
八幡「それで折本、何か用か」
かおり「あのさ、ヒキガヤっていろはちゃん狙ってるじゃん?」
八幡「は?」
かおり「またまた~隠さなくてもいいって」
八幡「だとしてもお前に教える理由はないな」
かおり「えー私とヒキガヤのなかじゃんー!」
八幡「その理屈だと俺は同じ中学だったやつ全員に教えなくちゃいけなくなる」
八幡(やだ、なにその拷問。怖い。)
かおり「何それ、ウケるっ!」ケラケラ
八幡「それが用なら切るぞ」
かおり「あー待って待って!それでお願いがあんだけどさー」
八幡「断る」
かおり「えー聞いてくれてもよくない?」
八幡「お願いを聞く理由がない」
かおり「比企ヶ谷なんか部活やってたじゃん?あれは?」
八幡「奉仕部は総武高限定なんだ。悪いな」
かおり「そっか...」シュン
八幡「.....」
八幡「まあ、話だけなら聞いてもいいが」
かおり「あっほんとにー!?あのさー....」
八幡(あれ、おかしいな。いまきみ落ち込んでませんでしたっけ?)
八幡「ダブルデート?」
かおり「そーそー!男子に誘われたんだけど、2人はちょっとあれでしょ?」
かおり「そういえばヒキガヤとしたことあったなーって」
八幡「あれは4人で出かけただけだろ」
かおり「まあそれはそーなんだけどねー」
かおり「でも、いろはちゃんと仲良くできるチャンスだし、アリじゃない!?」
八幡「いや、あのな...」
八幡(一色とのことは、言うべきか?)
かおり「比企ヶ谷こんどの報告会くる?その後とかどうかなって言ってるんだけど」
八幡「いや待て、するとは一言も言ってない」
かおり「えーおねがい!」
八幡「大体、お前ならもっと頼める奴いるだろ」
かおり「それがさー相手の男子が同じ高校だから、あんまり身内になるのはマズいんだよね」
八幡(...同じ高校?)
かおり「他校で共通の知り合いって言ったら、ヒキガヤ達くらいしか思いつかなくてさー!」
八幡(共通の知り合い。まさか)
八幡「おい、その相手ってのは...」
かおり「ん?うちの生徒会長」
八幡(玉縄かぁーーーー!)
かおり「ヒキガヤ?」
八幡「お、おう。聞いてるぞ」
八幡(まずいな、少し気になっている自分がいる)
かおり「とりあえずさ、いろはちゃんに聞いてみてよー!それでだめなら諦めるからさ」
八幡(...まあ、一色が行きたがるはずないしな)
八幡「わかった。とりあえず聞いてみるだけだ」
かおり「うっそまじ!?助かるわーありがと!」パァ
八幡「気にすんな」
かおり「じゃあまた連絡してーよろしくー」
ブチっ
八幡(玉縄...まじかよ)
いろは「せんぱい」
八幡「ん?」
いろは「大変なことになりました」
八幡(...聞きたくねえ)
いろは「玉縄会長と、ダブルデートすることになりました」
八幡「.....」ボーゼン
いろは「どうしましょうか」
八幡「いまの電話、玉縄からか」
いろは「はい、報告会のあとに付き合ってほしいと」
八幡「了承したのか」
いろは「だって...何も言ってないのに行くていで話が進んでいくんですもん」
八幡「最悪だな」ハァ
いろは「最悪ですね」ハァ
八幡「お前が嫌なら断っておくぞ?」
いろは「へ?だれにですかぁー?」
八幡「俺にも電話がきてな、折本...玉縄の相手からだ」
いろは「へー。私が知ってる人ですか?」
八幡「ほら、海浜総合高校の茶髪の...」
いろは「茶髪.....ああ、わかりました」ピクッ
いろは「先輩と同じ中学の人ですね?」
八幡「あ?ああ、そうだな」
いろは「せんぱい。やばいです。私ダブルデートしたくなりました!」
八幡「まて、おまえ正気か?」
いろは「正気に決まってるじゃないですかぁー?」
いろは「せんぱいも来てくれますよね?」ニコッ
八幡「いや、あのな。考えなお...」
いろは「せんぱい私ちょーいきたいですぅー」アザトッ
八幡「...わかったよ」ハァ
八幡(こわい。いろはすこわい!)
地区センター前
八幡「なあ、ほんとに行くの?やめない?」
いろは「何言ってるんですかぁー!ここまで来て!」
八幡「いやでもよ、正直耐えられる気がしない」
いろは「どのみち報告会には出席しなきゃなんですから、覚悟決めてください!」
かおり「あれっ、ヒキガヤ?」
八幡(なんでこのタイミングでくるんだよ)
かおり「何してんの?入んなよー」
いろは「おはようございます。折本さんですよね?」
かおり「おはよっ!一色ちゃん。かおりでいーよー」
いろは「じゃあかおりさんでっ!」
いろは「私もいろはで大丈夫ですっ」
かおり「じゃあいろはちゃんて呼ぶねー」
八幡(なんで女子って初対面でこんなに仲良いですオーラ出せるんだろうな)
かおり「今日は色々とありがとねー」
いろは「えー全然気にしないでください」
いろは「私こーゆーの大好きなんですよぉー」
八幡(いや君はじめは最悪とか言ってたからね)
かおり「とりあえず入ろうよー寒くない?」
八幡「...そうだな、行くか」ハァ
いろは「あ、やっと覚悟きまったんですね」
かおり「覚悟って?」
いろは「せんぱいったら、ダブルデートするのちょー渋ってたんですよぉー!」
かおり「あーごめん。嫌だった?」
八幡「嫌じゃないといえば嘘になるな」
かおり「だ、だよねー」
八幡「でもまあ、約束は約束だ。気にすんな」
かおり「...ありがと」
いろは「せんぱい?さっきまでと態度違いすぎませんかね」ニコッ
八幡「そんなことねえよ。あれだ、覚悟の差ってやつ」
いろは「それもしかしてカッコいいとか思ってますか?」シラー
八幡「いや、冗談だから。その目やめろよ」
かおり「.....」ジー
八幡「どうかしたか?」
かおり「やっぱヒキガヤといろはちゃんて仲良いよねー!」
かおり「付き合ってたりすんの!?」
八幡「いや...」
八幡(しまった反射的に言葉が)
いろは「いや?なんですかせんぱーい?」
八幡(そんなに睨まないでください怖いです)
かおり「まっ、ないよねー!いろはちゃん面食いそうだし」
いろは「そうですねー。ないですねっ!ありえないですよぉー」プンスカッ
八幡(またお怒りスイッチ入れちまったか)
かおり「あっ、この部屋じゃない?」
会議室
かおり「おはよー!」ガラガラ
いろは「おはようございまーす!」
八幡(もうけっこう集まってるな)
玉縄「やあ、おはよう」
かおり「ごめん会長。遅くなっちゃったー?」
玉縄「いいや、時間には間に合ってるから気にしないでくれ」
かおり「そっかー」
玉縄「いろはちゃんも、よく来てくれたね」
いろは「はーい」
玉縄「お互いの活動をシェアすることで、来期の活動をブラッシュアップしていこう」
いろは「そうですねー」
玉縄「おっと、君も一緒か」
八幡「おう。付き添いみたいなもんだけどな」
玉縄「...今日はよろしく。フェアに行こうじゃないか」
八幡(いや、だから行かないって)
玉縄「それではこれから、生徒会合同報告会を始めます」
玉縄「僕は海浜総合高校の玉縄。今回の議長を務めさせてもらいます」
玉縄「この報告会でお互いのベネフィットについてしっかりとリビューしてもらいたいと考えている」
玉縄「また、各校間でのパートナーシップの強化にも期待しているから、気軽に声をかけあっていこう」
八幡(今日もろくろが良く回ってますね)
いろは「せんぱい、せんぱい!」
八幡「なんだよ」
いろは「さっき話してたフェアにってどういう意味ですか?」
八幡「いや、俺が聞きてえよ。俺はあいつとなんの勝負してんだ」
いろは「...そうですか」
八幡「言っておくが、本当に何も知らないからな」
いろは「まあ、そうかもですねー。あのひとそういうの鈍そうですし」
八幡「どういう意味だ?」
いろは「せんぱい少し黙ってください。他の人が話してますよ」
八幡(少し理不尽すぎませんかね)
玉縄「それじゃあ次は総武高校、お願いできるかな?」
いろは「はーい!」
いろは「えーっと、総武高校1年の一色いろはです」
会長A「ん、1年生でアサインされるなんて、すごいね」
会長B「インフルエンサー的な子なのかもしれない」
八幡(ちょっと待て。玉縄みたいな奴がいる)
八幡(生徒会ってこんなやつしかいないのかよ。総武高ってめちゃくちゃ良いとこなのかもしれねぇな)
いろは「それでは、報告をはじめませてもらいますねー」
八幡(なんというか)
いろは「~~~なので、近隣の住民の皆さんにもご協力いただき、概ね成功といえる結果となりました」
八幡(こう見ると、こいつちゃんと生徒会長やってんだな)
玉縄「ちょっといいかな、この時のバジェットはどうしたの?」
いろは「あーせんぱい。これ分かりますか?」
八幡「雪ノ下の担当したところだな。メモがあると思うが、探すか?」
いろは「あ、ならいいです。私の覚えている範囲で説明します」
八幡「...そうか」
八幡(俺は必要なかったな)フッ
報告会 終了
会長C「いろはちゃん。良かったら連絡先教えてもらえるかな?」
会長A「良かったら今度、一緒にイベントでもやろうよ」
いろは「そうですねー機会があれば―」
八幡「....」
かおり「いろはちゃん人気だねー」
八幡「まあ、あれだけしっかりと仕事が出来れば、意識高い系からはウケるだろうな」
かおり「ヒキガヤってさ、素直じゃないよねー」
八幡「なんでそうなる」
かおり「あんな可愛い子。男子ならほっとくわけなくない?」
かおり「ちょっと嫉妬してんじゃないの?」
八幡「嫉妬はしねえよ」
かおり「あっ、いま可愛いのは認めたでしょ!」
八幡「いや、それはだな...」
かおり「分かりやすすぎ!まじウケるから!」ケラケラ
八幡「いやウケねえよ」
かおり「今日で距離縮まるといいねー」
八幡「...お前は、その、どうなんだ?玉縄とは」
かおり「えーわたしー?」
かおり「いやないない、ないでしょー」
八幡(聞きましたかこれが女の本音ってやつです。怖えなおい)
八幡「そこまで言い切るのなら、断ればよかったんじゃないのか」
かおり「まーそうなんだけどさー」
かおり「友だち関係とか色々あるし、それに遊んでみたら印象変わるかもしれないじゃん?」
八幡「他人同士ならまだしも、同級生ならそこまで変わんねえだろ」
かおり「んーそうでもないって」
かおり「前にも一回あるし」
八幡「そうか。まあ、がんばれ」
かおり「てかさ、ヒキガヤと恋バナしてるなんて中学の同級生が聞いたらまじウケるよねー!」ケラケラ
八幡「いやウケねえって」
いろは「....」ムムム
玉縄「いろはちゃん。話は終わった?」
いろは「あっはい」
玉縄「その、今日はよろしくね」
いろは「あれ本気ですか?サポートしてほしいって」
玉縄「こういったアクションに関しては、スペシャリストの意見を聞くのがマストだと思ってね」
いろは「わたしそんな良いアドバイスなんてできませんよぉー?」
玉縄「いや、女の子の精神的なマインドを知れるだけでも十分に参考になるよ」
いろは「わーすごい考えてるんですねぇー」ネコカブリッ
役員A「会長、そろそろ時間が」
玉縄「もうそんな時間か。早いな」
玉縄「みんな聞いてくれ!」
玉縄「今日の報告会はとても充実した会だったと思う」
玉縄「終わった後に意見の交流もできたし、各校での問題解決のソリューションに活かしてほしい」
八幡(一回解決すれば充分だから!掘り起こさないであげて!)
会長A「それ、アグリ―」
八幡(麻雀みたいな感じか。それ、ロンみたいな。違うか?違うな)
会長B「アグリ―」
会長C「アグリ―」
会長D「...コンセンサスがとれているみたいだね」
八幡(もうやだ早く帰りたい)
地区センター前
いろは「さてとっ、無事終わったことですし、パァーっといきましょー!」
かおり「わたしも久しぶりに行くからテンション上がるわー」
玉縄「僕的には、楽しむというよりも色々と学びたいかな」
玉縄「企業というか、経営の仕方を見てもとても優れているからね」
玉縄「そもそも...」
八幡「ちょっといいか」
いろは「どうしたんです?せんぱい」
八幡「行く場所って決まってんのか?」
かおり「あれ、ヒキガヤ知らないの?」
いろは「あっ!いい忘れてました!」テヘッ
八幡(ぼっちに今のはとてもきつかったです。かわいいからいいけどね、ちくしょう)
八幡「それで、どこなんだ?」
かおり「ディスティニーランド!」
八幡「...は?」
いろは「さーいきましょー!」
かおり「楽しみー!」
玉縄「アグリー」
八幡(全体のコンセンサスな合意が取れてませんよ玉縄さん)
ディスティニーランド 入り口
いろは「わー先輩見てください!きれいですよー!」
八幡「ああはいはい。かわいいかわいい」
いろは「は?なんですかその反応」
八幡「今のはハシゃいでる私かわいいアピールだろ?」
いろは「やだなぁー素に決まってるじゃないですかぁー」
八幡「じゃあ俺も本音いっただけだ」
いろは「せんぱい?気取りすぎで気持ち悪いです」
八幡「やだなぁー素に決まってるじゃないですかぁー」
かおり「やっぱあの二人って仲良いよねー」
玉縄「そ、そうだね。僕から見ても二人はベストカップルな関係に見えるな」
かおり「....」
玉縄「ここには、よく遊びに来るの?」
かおり「良く来るってほどじゃないけど、まあまあかなー」
玉縄「そ、そうなんだ」
かおり「会長はあんまこなそうだねー」ウケルー
玉縄「来るのは初めてだけど、前々から興味はあったんだ」
玉縄「そもそも創始者であるウォルト・ディスティニーの生き方には勉強になる部分も多いし...」
かおり「じゃあ行けば良かったのにー」
玉縄「そ、それは友人たちとのアジェンダが合わないというか、プライオリティの問題かな」
かおり「なにそれ?行きたきゃいきなよーウケる」クスクス
玉縄「そ、そうだね、確かに今度は投げてみるのはありかもしれないな」
かおり「まっ、その時はまた誘ってよー」
玉縄「あ...ああ!」
八幡(なにやってんだアイツ)ジー
いろは「どうしたんですか、せんぱい?」
八幡「いや、まるで昔の俺をみているようでな」
いろは「あー今でもちょっとああいう感じなとこありますもんね」
八幡「え、おれあんな意味わかんない会話してる?まじで?」
いろは「先輩の場合はやけにくどくどしいというか、鬱陶しいというか~」
八幡(人の事言えないじゃねえかおれ。まじ意識高い!)
いろは「でもどーしましょー」ハァ
八幡「なにがだ」
いろは「いや、玉縄会長から告白の手伝いをたのまれてるんですよ~」
八幡「まじかよ....まじかよ」
いろは「正直むりじゃないですかぁー?めんどくさいんですよねぇー」
八幡「正直むりなのか」
いろは「いやだって見ればわかるじゃないですかぁ」
八幡「.....」
いろは「せんぱいこそまじですか」ヒキー
八幡(いや知ってたけどね、知ってたけど見ればわかるってそれなんのエスパー?)
八幡「...で、なんで受けたんだよ」
いろは「それはまあ、あっちの勢いもありますし、この会をなくしたくなかったのもありますし...それに」
八幡「それに?」
いろは「まあ、それはいいです。なのでせんぱい、手伝ってください!」
八幡「おまえの話の飛躍は小町に匹敵するな」
いろは「なんですかそれ、褒めてますか」
八幡(褒めてね...いや褒めてんのか?小町だからわかんねえな)
いろは「総武校生の依頼は、部活の範囲内ですよねぇー?」
いろは「とにかく、よろしくお願いします!」
八幡「わかったよ...」
ビックライトニングマウンテン
八幡「絶叫系のやつか」
かおり「ヒキガヤ顔やばいからっ!ウケるっ!」ケラケラ
八幡「いやウケねえから」
玉縄「なんだ、苦手なのかい?安全性には十分に配慮しているはずだから大丈夫だよ」
八幡(いや安全性とかが初めに出る時点でお前も苦手だろ、無理すんなよ)
いろは「えーちょっと頼りなくないですかせんぱーい」
八幡「なんでわざわざ危険な目にあわなきゃいけねえんだ」
玉縄「危険じゃないさ、きっと落ちることはないから安心するといい」
八幡(落ちる心配はしてねえよ。とりあえずお前は汗をふけ)
かおり「とりあえず乗る順番決めよーよー」
いろは「はっ!」ジッ
八幡(分かってるよ、ここでアイツらを隣にするんだろ)
八幡(問題は、あいつが何を出すかだ)
八幡(念のため、サインを送っておくか...)
かおり「ぐっとパーで!」
八幡(はやいな、むりだ)
かおり「分かれましょー!」
かおり「まさかヒキガヤと隣で乗る日がくるとはねー」
八幡「わるかったな」
かおり「なんで謝んの?ウケるー」ケラケラ
八幡(まさか号車まで別になるとはな)
かおり「ねえねえ、ヒキガヤってさ、絶叫苦手なんだよね?」
八幡「まあな。つってもここのアトラクションなら大したことねえだろ」
かおり「でもさ、コースターって後ろの席がいちばん怖いんだってよー!」
八幡「は?」
かおり「あっ、落ちる」
八幡「うぉぉ!ぉ...ぉ....」
八幡(ああ、帰りたい)フワー
いろは「.....」
玉縄「どうかした?いろはちゃん」
いろは「いえいえ!隣に出来なくてすいませんでしたぁー」
玉縄「気にしなくていいよ。僕もすこし....余裕が...」
いろは(すごいビビってるなーこのひと)
いろは「まあ一番前ですし、そんな怖くないですよ!」
玉縄「こ、怖がってはいないよ。ただ少し生理的な、ね?」
いろは(ね?っと聞かれても困りますが、とりあえず汗をふいてください)
いろは「あ、落ちますよー!」
玉縄「うぉぉ!ぉ...ぉ....」
いろは(一番リアルな怖がり方してる!!)
ギャラクシーマウンテン
八幡「また絶叫系かよ」
いろは「いいじゃないですかー面白いですよぉー」
かおり「ちょっと男子にはきつい?」
玉縄「も、問題ないよ。少しクールダウンする時間があればね...」
いろは「あっ!並んでる間にファストパス取りにいっちゃいましょうよー!」
かおり「それあるっ!二手に分かれようかー」
玉縄「その、ファストパス。というのはどういうものなんだい?」
いろは「あれ、知らないんですかー?」
玉縄「その、名前からしてパスポートのようなものだということは想像ができるんだけどね」
玉縄「僕の得意なフィールドではなくて、その...」
いろは「じゃあ玉縄会長取りにいってみたらどうです?」
いろは「どんな感じか経験してみるのは、良いと思うんですけど!ね、せんぱい!」チラッ
八幡「...じゃあ折本、教えてやれよ」
かおり「え、わたし?」
八幡「俺じゃ上手く伝えられないし、一色じゃかわいそうだ」
いろは「えーなんですかそれー!」
八幡(これでいい)
八幡(俺と一色の関係を勘ぐっている折本は、この話を逸らさない)
八幡(これで俺への依頼は達成される)
かおり「あーそっか。...でもさ、やっぱグッパーしようよ」
八幡「あ?」
いろは「えっと、ファストパスのメンバーですか?」
かおり「せっかくだしいつもと違うメンバーのが面白くないー?」ハハッ
いろは「...そうですね、それじゃあやりましょうか」
八幡「え、俺もやるの?」
いろは「当たり前じゃないですかぁー」
かおり「ほら、いくよー!グッとパーで分かれまーしょ!」
ファストパス組
玉縄「すまないね。ついてきてもらっちゃって」
八幡「いやまあ、気にするな」
八幡(何が悲しくてこいつと二人で歩かなきゃいけねえんだ)
玉縄「その、間違っていたら行ってほしいんだけど」
玉縄「いろはちゃんから聞いているのかな?」
八幡「...まあな」
玉縄「そうか、フェアで行こうといったのに卑怯だったかもしれないな」
八幡「ちょっと待て」
玉縄「だがお互いが気持ちをシェア出来た今、ここからは...」
八幡「待てっての」
玉縄「そうか、まずは君の意見をきくべきかもしれないな。同じ人をすきになった者として...」
八幡「俺には彼女がいるぞ」
玉縄「ああ、その点についてはもちろん思考に入って...え?」
八幡「一色と付き合ってる」
玉縄「なっ...!!」
八幡(自分で言っておいてなんだが、恥ずかしいなにこれ。穴があったら入りたい通り越して埋めて欲しいまである)
玉縄「その、つまり君はいろはちゃんと付き合っていて、今日はその...」
八幡「お前のサポートをするために連れてこられたことになる」
八幡(元々の理由は違うんだけどな。嘘は言ってない。)
玉縄「....」
八幡「おい、どうした」
玉縄「ありがとうっ!ぜひ先輩としてマストなアイディアをきかせてくれないかな!」
八幡(より面倒くさくなっちまったかぁー!)
八幡「そもそも、折本のどこが好きなんだ?」
玉縄「どこが好き。か」
八幡「サポートするなら聞いておいた方がいいだろ」
八幡(俺とおなじような被害者なら同情するからな。するだけだが)
玉縄「そうだね、明るくてハッキリしているところかな」
八幡「...それだけか」
玉縄「それが僕にはとても眩しいんだ」
玉縄「僕がごちゃごちゃと考えている間に、彼女はキッパリ答えを述べてくれる」
玉縄「それがとても...羨ましい」
八幡「そうか」
八幡(突っ込みたいところは多々あるが...)
八幡(とりあえず、俺みたいに雰囲気で流されていたわけではなさそうだな)
列並び組
いろは「...」
かおり「...」
かおり「いろはちゃんはさーヒキガヤのことどう思ってるのー?」
いろは「え?どうしたんですかいきなり」
かおり「仲良さげだしさー。ぶっちゃけどうなのかなーって!」ムフフ
いろは「うーん。じゃあ私も質問していいですか?」
かおり「え?」
いろは「先輩たち。何があったんですか?」
かおり「あ~その話か~」ハハー
いろは「ずっと気になってたんです!これを聞かないと答えられませんっ!」
かおり「いやーそんな面白い話じゃないよー?」
いろは「せんぱいの話で面白い話は期待してないので大丈夫です!」
かおり「....」
かおり「えっとね、中学の時ヒキガヤに告白されたことがあるんだー」
いろは「...」
かおり「それで、その後わたし悪いことしちゃってて」
かおり「最近になるまで気付かなかったんだけどさ~」ハハー
いろは「なるほど、そういうことでしたか」
かおり「だからさっきも、ヒキガヤと2人になれたらな~とか思ってさ」
いろは「2人になって、どうするつもりなんですか?」
かおり「...あやまりたいかな。今更って感じなんだけどね」ハハー
いろは「まったくです!」ズイッ
かおり「い、いろはちゃん!?」
いろは「かおりさんは勘違いしているようですが。私たちもう付き合ってるんです!」
かおり「...えぇ!?そうなの?」
いろは「かおりさん達のおかげで、先輩を振り向かせるのにどれだけ時間がかかったか!!」
かおり「ご、ごめん」
いろは「それについては、今度ゆっくりと愚痴を聞いてもらいます」フンッ
いろは「ですから、とりあえず今日はスッキリできるよう謝っちゃいましょう」
かおり「でも、彼氏が他の女と2人きりってなくない?」
いろは(確かに、前までのわたしならありえなかったかな)
いろは「かおりさんの事情も分かりましたし、先輩を信じてますから」
かおり「....」
いろは(あーあ。やること増えちゃった)
かおり「いろはちゃんてさ、思ってたよりけなげだね」
いろは「なっ!そんなことないですよぉー!」
かおり「けなげっていうか、純情って言うか...かわいい!」グッ
いろは「もーからかわないでくださいよぉー」
八幡「なにやってんだあいつら」
玉縄「とてもフレンドリーにみえるね」
八幡(いやほんとにな、何があったんですかね)
ギャラクシーマウンテン 出口
八幡「…..」ゲッソリ
いろは「せーんぱいっ!大丈夫ですか?」
八幡「大丈夫じゃないな」
いろは「そこはかっこつけるとこじゃないですかね」
八幡「見栄を張ってまた乗らされたらたまったもんじゃないからな」
かおり「ヒキガヤ達ほんとだめなんだねー」
玉縄「ぼ、ぼくは大丈夫さ」
かおり「無理しないでいいって。顔めっちゃ青いから」ケラケラ
玉縄「それはきっと睡眠時間が…」
八幡「短いならどっちみち、少し休んだ方がいいだろ」
いろは「そうですねー。パスの時間まではまだありますし」
かおり「じゃあ飲み物でも買いに行こうよー」
いろは「玉縄会長は休んでた方がいいですよね?」
八幡「となると、ここも二手に分かれるか」
八幡(あれ、ディスティニーランドって分かれること多くね?)
いろは「じゃあ、わたし玉縄会長見てるので、おふたりにお願いしてもいいですかぁー?」
八幡「なにその急な独裁主義。すげえなお前」
いろは「実はわたしもすこし体調が…」
八幡「そういえば俺も気分が…」
いろは「先輩が気持ち悪いのはいつもじゃないですか?」
八幡「気持ちじゃねえよ、気分だっつってんだろ」
いろは「せんぱい。気持ち悪いですー」
八幡(それだと俺が気持ち悪いみたいに聞こえるから辞めようね。え、違うよね?)
かおり「まーまー、いいんじゃない?いこうよー」ハハッ
八幡「仕方ねえな」ハァ
いろは「...すみません」ボソッ
八幡「まあ、なんかあんだろ。気にすんな」
いろは「作戦会議ってやつです」
八幡「すこし強引だったけどな。...がんばれ」
いろは「せんぱいも、がんばってくださいね」
八幡「ん?」
かおり「…」チラッ
いろは「それではっ!お願いします」ニコッ
かおり「…うん」
買い出し組
八幡「わるかったな、付き合わせちまって」
かおり「なんでヒキガヤが謝んのー?」
八幡「いや、それは...」
かおり「なに焦ってんの?ウケるー!」ケラケラ
八幡「まあ、先輩としてな」
かおり「え?彼氏としてじゃなくてー?」
八幡「...知ってたのかよ」
かおり「さっきいろはちゃんから聞いたー」
八幡「そうか」
かおり「ヒキガヤってさーどういう子がタイプなのー?」
八幡「いやお前それ興味あんのか?」
かおり「ぜんぜん!」
八幡「じゃあ聞くなよ」
かおり「いやほら、あの二人といろはちゃんてタイプ違うじゃん?」
八幡「あいつらとは何でもねえって言っただろ」
かおり「それに、わたしとも...違うし」ボソッ
八幡「...」
かおり「あ、ごめん」
八幡「べつに謝ることじゃねえだろ」
かおり「いや、それがさ、今日は謝りたいなーと思ってたというか」
かおり「その、ごめん!」
八幡「あ?いきなりどうした」
かおり「わたし思ったことすぐ口に出しちゃうからさ」
かおり「遊んだときとか、中学の時とか、ヒキガヤの事気付つけてたんだなって」
かおり「葉山君に言われて、あの二人を見て、気付いたんだ」
八幡「折本?」
かおり「だからごめんっ!」
八幡「いや、別にいいけど」
かおり「え?」
八幡「というか、気にしてねえからな」
かおり「そ、そうなの?」
八幡「あまり俺を舐めるな。葉山との事は、あいつが気にし過ぎていただけだし」
八幡「中学時代のことなんて、記憶からきえた黒歴史に比べれば気にするほどじゃない」ドヤァ
かおり「...なにそれ?ウケる」クスッ
八幡「だからお前が謝ることはねえよ」
かおり「ヒキガヤやっぱ変わったよねー」
八幡(そうだな、こんな話をしてて動揺してないのが不思議だ)
かおり「なんてゆーか、落ち着いた?キョどってないし!」
八幡(余裕があるってことなのか...何にしても、あいつのおかげなんだろうな)
八幡「まあな、中学の時とはぼっちとしてレベルが違う」
かおり「それはわかんないけどー今ならちょっとアリかも!」
八幡「あ?なにいってんのおまえ?」
かおり「あ、今のいろはちゃんには内緒ね、あの子怖いからさー」ハハー
八幡「いや言えねえよ、俺がのが怖い」
かおり「かもねー」
おっ、新作きてる嬉しい!
のこのこさんの書く平凡な日常いいですねえ♪
修羅場も好きですけど…
続き待ってます
コメントありがとうございますm(__)m
そう言ってもらえると、嬉しいです笑
このシリーズ以外も書いてみようと思ってるので、その時にはぜひ読んでやってください!
続きをお願します!!
きになります!
コメントありがとうございます!
ならべく早く更新出来るようにします!
少々おまちくださいっ!笑
玉縄気になるwちょーうけるw
コメントありがとうございます!
自分も玉縄大好きです笑
面白く書けたらなーと思っています笑
どうか…つづきをお願いします…
コメントありがとです!
がんばります笑
お楽しみにどうぞ!笑
つづきー、!
はやくみたぁーい!
明日にはあげられるかと思います。
とても待たせていますが、よろしくお願いしますっ!!!
失礼しました!
上のコメントは作者からです。
きたー!
毎回楽しく読ませてもらってます!
ありがとうございます!
これからもよろしくおねがいします!
うぉぉぉぉぉぉ
更新まだぜすかぁぁ?
気長に楽しみに全裸待機しときます(キリッ