いろは「わたし先輩に告白されてません!」
いつもの通り世界観共通のシリアスなし。
いろはの頼みで八幡が理想の告白を考えます。
前作要望があった通り、葉山グループとの絡み多めで今回はお送りします。
完結済みです。
前半は主に葉山グループとの絡み。
後半は八幡といろはのただのデートです(笑)
誤字報告やアドバイス。要望などあれば、よろしくお願いします!
八幡「付き合ってることを報告したい」いろは「え?」<<former episode
早朝 グラウンド
戸部「な、なんだよいろはす~。朝練始まるゼー?」
いろは「戸部先輩。この間のことを話してもらってもいいですか?」
いろは「ならべく詳しくお願いします」
戸部「俺何か話したっケー?」
いろは「は?」
戸部「え」
いろは「やだなー。海老名先輩の事に決まってるじゃないですかぁー」
戸部「ちょ、いろはすそんな俺の恋バナ聞きたいのかよ~」
いろは「戸部先輩のことはどうでもいいです」シラー
いろは「ひ、き、が、や先輩のことです」
戸部「あ~ヒキタニくんのことナ~」
いろは「教えて下さい」
戸部「実はサーアー?」
朝 昇降口
いろは「せーんぱいっ!」
八幡「おう、朝からあざといな」
いろは「第一声がそれってどうなんですかねぇー」
八幡「安心しろ、褒めてるぞ」
いろは「本当ですかー?」
八幡「ああ。俺の中では最上級に褒めてるつもりだ」
いろは「ならいいです」
八幡(いいのかよ、ちょっとチョロくないですかね)
いろは「あ、そうだ先輩」
八幡「なんだ」
いろは「今日もお昼は生徒会室でお願いします」
八幡「またか」
いろは「はい、お昼作ってきました」
八幡「毎日大変だろ、気つかわなくていいんだぞ」
いろは「先輩が気を使うと気持ち悪いですね...」
八幡「それは悪かったな」
いろは「今日は聞きたいこともあったので気にしないでください」
八幡「聞きたいこと?」
いろは「海老名先輩のことに決まってますよね?」ボソッ
八幡(笑顔のままよくそんな怖い声出せますよね)ゾクッ
八幡「...また昼に行けばいいんだな」
いろは「はい!それではっ、よろしくですっ」テヘッ
八幡(なんだよくそ、かわいいなお前)
教室
隼人「やあ、おはよう」
八幡「おう」
隼人「昨日、いろはが報告しに来たぞ」
八幡「そうか」
隼人「知ってたのか?」
八幡「なんとなくな。予想はしてた」
隼人「...君たちは変わったよな」フッ
八幡「そんなことないだろ...」
戸部「ちょっとヒキタニく~ん!朝からいろはすが怖かったんだけど~」
隼人「と、戸部。おはよう」
八幡「なにこいつ。え、仲良かったっけ?」
戸部「ひどくね~。俺とヒキタニくんの仲じゃ~ん?」
八幡(どんな仲だったか記憶にございません。やだ俺、政治家っぽい)
姫菜「ねえねえー!三人最近仲良いよね!」
姫菜「一体どんな素敵なことがあったのかなあ??」
戸部「マジ最近俺たちマブダチっつーかー?」
戸部「一心同体っつーかぁー?」
姫菜「一心..どう...ぐはぁ!」バタッ
結衣「やっはろー...って姫菜!?大丈夫!?」
優美子「あーまた病気がでたんしょ?ほらティッシュ」
姫菜「ぐふふふふ。朝から良いものが見れたよ」
優美子「あんたさー。倒れるならあーし達がいるときにしてくんない?世話できないっしょ」
八幡(あーしさんかっけえな)
結衣「あ、ヒッキー...」
八幡「おう。...おはよう」
結衣「え?えぇ!」
八幡「なんだよ」
結衣「いまヒッキーあいさつした!」
八幡「空耳だ」
結衣「いやなんで嘘つくし!」
八幡「お前こそ、いつものはろはろ~はどうしたんだよ」
結衣「それ姫菜のだし!ヒッキーまじ最悪!」
戸塚「おはよー。二人とも、朝から仲良いね」クスクス
結衣「あ、彩ちゃんヤッハロー!」
戸塚「なんだか今日は八幡の周りがにぎやかだー」
八幡「ああ、なんだってこんな辱めを...」
戸塚「楽しそうでいいね!」キラキラ
八幡「ああ最高の朝だな」キリッ
結衣「うわー」ヒキー
平塚「ほら、HR始めるぞ席につけー...え?」
ワイワイガヤガヤ
八幡「...」
平塚「...」
平塚「比企谷、お前...」ウルッ
八幡「え?」
平塚「そうか、ついに、ついにお前にも...くっ、仕事中でなければ今すぐ祝杯を挙げたい気分だ」
八幡(大丈夫かよこの人。てか俺ってそんなに心配されてたの?やべえな息子かよ)
戸部「...それでサーアー。ヒキタニくん、彼女に何とか言っといてくんない?」
平塚「....ん?」
八幡(戸部の馬鹿野郎)
結衣「と、戸部ッチ!それ一応黙っといた方がいいかも!」アセアセ
戸部「なんでよ?報告しに来たってことは公認じゃね?」
姫菜「へー!比企谷くん彼女できたんだー!」
優美子「まじで?物好きなやつもいんのね」
結衣「ほらーバレちゃったよー」
八幡(違うな由比ヶ浜。本当の恐怖はそこにはない)
平塚「そうか。比企谷に彼女.....彼女?彼女だと.....」
八幡「せ、先生。HRを...」
平塚「HRを終わる!比企谷はあとで職員室まで来い!!」バタンッ
八幡「まじかよあの人。むちゃくちゃだろ」ボーゼン
戸塚「が、がんばってね八幡」ハハッ
八幡(ああ、心のオアシス戸塚)
昼休み 生徒会室
いろは「せんぱいっ!」ドンッ
八幡「....なんだ」
いろは「やだなーわかってますよねー?」
八幡(こわい。いろはすこわい!)
八幡「海老名さんのことなら、依頼でしただけだぞ」
いろは「あーそんなこと言ってましたね」
八幡「悪いがこれ以上は言えない」
いろは「えーなんでですかぁー」
八幡「守秘義務ってやつだ」
いろは「仕事嫌いの先輩がよくそんなこと言えましたね」ムスゥ
八幡「自分でも驚いている」
いろは「まあ、いいです」
いろは「先輩の事ですから、大体想像できますし」
八幡「ありが...」
いろは「問題はそこじゃありません!」バンッ
八幡「なんだよ」
いろは「せんぱい。私に告白してませんよね?」
八幡「は?しただろ」
いろは「メールですよねぇ。しかも成り行きですよねぇ!」
八幡「それに何か問題があるのか?」
いろは「大ありですよ!ロマンチックの欠片もないじゃないですかぁー!」
八幡「まて、よく聞け一色」
八幡「そもそも、そのロマンチックな告白と言うものが間違っているのではないだろうか」
八幡「時にマスメディア、時に大衆が作りだした...」
いろは「そういうのいいですから」シラー
八幡「ごめんなさい」
いろは「依頼とはいえ海老名先輩にはしてるなんてズルイですよ...」ボソッ
八幡「わかったよ。どうして欲しい?」
いろは「決まってるじゃないですかぁー!告白して下さい」
八幡「え、ここで?」
いろは「は?本気ですか?」
八幡「いやお前がいったんだろ」
いろは「違いますよぉー。放課後、一緒に帰って下さい」
八幡「なるほど、そこでしろと」
いろは「はい。せんぱいに任せます。」
八幡(それは男のレベルを測っているとみていいんですよね)
八幡「お、おう。任せておけ」
いろは「うわー頼れるー」
八幡(さて、どうしましょう。清々しいほどに自信がない)
八幡「...聞いてみるか」ボソッ
教室
八幡「由比ヶ浜、ちょっといいか」
結衣「えぇ!ヒッキーが話しかけるなんて珍しくない!?」
八幡「ちょっと相談があってな」
結衣「相談?」
八幡「その、一色のことなんだが...」
結衣「いろはちゃん...そっか」
八幡「すまん。やっぱり自分で...」
結衣「ヒッキー!」
八幡「な、なんだよ」
結衣「次そのことで気使ったら怒るからね!」
八幡「....」
八幡「ああ、そうだったな」フッ
結衣「それで、いろはちゃんどうしたのー?」
八幡「実はな...」
結衣「なにそれ、ヒッキーありえない。いやマジでないから」
八幡(メールで告白ってそんなに言われることなんですかね)
八幡「理想の告白ってのが分からなくてな。意見を聞きたい」
結衣「んー人によって違ったりするし、いろんな子に聞いた方がいいかも」
八幡「色んな子に聞けるほど友達がいない」
結衣「あっ!じゃあこうしようよ!」
八幡「え?」
隼人「理想の告白?」
結衣「せっかくだしみんなに聞いてみようかなーって」
優美子「なんであーしがヒキオのためにそんなこと...」
姫菜「まあまあ、隼人君の理想を聞けるのは良いんじゃない?」ボソッ
優美子「...まあ結衣の頼みなら、仕方ないっつーか。あーし友達の頼み断れないし」
結衣「優美子ありがとー!」ヘヘー
戸部「俺も協力するってヒキタニく~ん!」
八幡(俺とお前ほどの仲なのに名前は覚えねえのかよ)
姫菜「ところで、比企谷くんの彼女ってだれなの?」
優美子「それ分かんないと考えられないっしょ」
隼人「きっと驚くぞ」
戸部「まじで、っべー意外だからな~」
八幡「....」
八幡「え、おれが言うの?」
優美子「ほかに誰がいんの」
八幡「えっと、その...一色いろはさんでしゅ」カァァ
八幡(噛んだ。死にたい)
姫菜「うわーそれ意外だねー」
優美子「そ、そうなんだ。まあいいんじゃないの」カミクルクル
八幡(ライバルが減って嬉しそうですね)
戸部「ヒキタニくん緊張しすぎ~まじウケるわ~」
隼人「それじゃどうしようか。参考になりそうな、女の子の意見から聞いていく?」
八幡「はい」
姫菜「実際にやってみたほうが雰囲気もわかりやすいよね?」
結衣「あ、それいいかも!」
八幡「だれがやるんだよ」
結衣「ヒッキーに決まってるじゃん!」
八幡「マジで言ってんの?」
姫菜「じゃあまずは私から言ってもいいかなー?」
八幡(依頼人を無視して話を進めないでくれませんかね、え、俺ここにいるよね?)
姫菜「いろはちゃん役を戸部ッチにお願いしようかな」
八幡「ちょっと待て」
姫菜「どうかした?」
八幡「考えていることが丸見えだ。もっと隠せ」
姫菜「でも比企谷くん、私で練習なんかしていいのかな~」
姫菜「いろはちゃんが聞いたらさ~?」
八幡「くっ....分かった」
姫菜「ふふふふふ。損はさせないよ」
八幡(こわい。...怖い!)
~~~姫菜さんの理想~~~
戸部「せんぱい。とつぜん教室に呼び出してどうしたんですかぁー?」
八幡「い、いや。お前に話しておきたいことがあってな」
戸部「話しておきたいこと?」ウルッ
八幡「今までずっと隠してたんだ。でももう隠しきれない」
戸部「なんですか?」
八幡「....」ダキッ
戸部「せんぱい....」
八幡「お前の事が好きだ。離れたくない」
戸部「そんな、でも私たち...」
八幡「そんなことは分かってる。でも好きなんだ」
戸部「ずるいですよ、せんぱい」
八幡「付き合おう」
戸部「...はい」
~~~~~~~~~~~~
結衣「.....」ヒキー
優美子「......」ヒキー
八幡(何か言えよ、傷つくだろ)
結衣「ヒッキー...」
八幡「俺じゃない。その眼をやめろ」
姫菜「ぐふふふふふふっふ。もう、だめ」
優美子「姫菜まじ擬態しろし。ちょっと休んでな」
結衣「でもあれが姫菜の理想なんだ」
戸部「おーし、俺もあんな感じで...」ブツブツ
八幡(それだけは止めておけ。と言いたい。言わないけどな)
結衣「じゃー優美子はどんなの?」
優美子「あーし?そうだなー」
~~~優美子の理想~~~
八幡「いま帰りか?」
優美子「.....」
八幡「お、おい。どうした」
優美子「.....」
八幡「あの....」
優美子「いや、ないっしょ」
~~~~~~~~~~~~
八幡(軽くトラウマが蘇りました)
優美子「なんであーしがヒキオの相手しなくちゃなんないの?」
隼人「そ、それは一応優美子の理想だしな...」
優美子「あーし耐えらんないから。結衣代わりにやってくんない?」
結衣「えぇ!わたし!?」
優美子「嫌ならまた戸部にやらせるし」
結衣「わ、私は別にやってもいいかなーとか、ね?」
八幡(いや俺に振るなよ...)
隼人「あまり戸部に任せるのもあれだしな、やってあげてくれるか?結衣」
結衣「う、うん!」
~~~優美子の理想・再~~~
八幡「今かえりか?」
結衣「せんぱい。ぐーぜんですね」
八幡「せっかくだし、一緒に帰るか?」
結衣「はっ!もしかしてそれって口説いてますか、ごめんなさいあ、えーっと、無理です」
八幡(悲しいことに由比ヶ浜の頭が早口についていけてない...)
八幡「嫌ならいいが...」
結衣「まあ、そこまで一緒に行くくらいなら、帰ってあげてもいいですよー?」
スコシアルク
結衣「先輩の帰り道はあっちでしたよね?」
八幡「ああ、お前とは逆だな」
結衣「ではではっ、また明日ですっ」テヘッ
八幡「まってくれ」グッ
結衣「せんぱい...?」
八幡「好きだ。付き合ってくれ」
結衣「えと.....嬉しいです」
結衣「よろしく、お願いします」
~~~~~~~~~~~~~~~
隼人「優美子らしいなっ」ハハッ
優美子「べっ、別にあーしのっていうか、そういうんじゃないし」アセアセ
八幡(あーしさんまじ乙女。少女漫画とか読んでそう)
結衣「うん。...うん。いいよこれ!」
姫菜「そうだね、告白するなら...ストレートなほうが....」
優美子「あんたは休んでなって」
戸部「おっ!女子受けいいんじゃねー」
隼人「やっぱり女の子が考える方がいい意見が聞けそうだな」
結衣「あ、でも男子の話もきいてみたいかもー!」
優美子「...隼人は、どんな告白がしたいの?」
隼人「難しいな。やってみるか?」ハハッ
八幡(俺がやるのかよ。まあこいつの場合、女子にするわけにもいかないからな。え、ほんとにやるの?)
~~~隼人の理想~~~
隼人「悪いな、こんなところまでついてきてもらって」
八幡「か、かまわないわ。それよりもここに来た意図が知りたいのだけれど」
隼人「静かなところで君と話したかったんだ。だめかな?」
八幡「ダメとは言っていないわ。そうね、この場所はあなたと話していても無粋な視線に晒されることがなくて落ち着くわ」
隼人「そ、そうか」
八幡「それで、何の話をするつもりなのかしら?」
隼人「ああ、それはね俺の好きな人の話さ」
八幡「好きな人...?」
隼人「ずっと、ずっと君の事が好きだった。俺と付き合ってくれないか?」
八幡「遠慮するわ」
~~~~~~~~~~~~
隼人「俺は理想のなかでフラれるのか」ハハッ
八幡「すまん。ついな」
結衣「ヒッキーなんでゆきのんの真似してんの?まじキモイから!」
八幡「いや、俺の真似できる女子なんてたかが知れてんだよ」
八幡(言わせんなよ悲しくなるだろ)
隼人「あれ、優美子は?」
結衣「姫菜がやばそうだったから、教室の外歩かせて来るって!」ハハー
隼人「そうか、大変なことしちゃったな」
戸部「うっし!最後は俺の理想の告白やらせてもらうべー!」
八幡「悪いがそれはいい」
戸部「ちょっとヒキガヤく~ん。そりゃないでしょ~?」
八幡「お前のその話は修学旅行の時何度もしただろ」
戸部「あ~確かに。じゃあ違うの考えるからさ~?」
八幡「例えば?」
戸部「...逆上がりしながら告白、とか?」
八幡(どこの映画監督だよお前は)
隼人「そう言えば、結衣の理想をまだ聞いてないよな?」
結衣「あ、えぇ!私かー」
隼人「どんなのなんだ?」
結衣「う~ん。私は二人っきりのときがいいな~」
結衣「二人っきりでロマンチックな雰囲気のときに...あっ!花火とかあるといいかも!」
八幡(.....)テレッ
結衣「あっ....へへっ」
隼人「纏めると、抱きしめることが出来て、ストレートな告白で、静かな、二人きりになれる場所か」
隼人「そんなに難しい条件じゃないな」
戸部「でもこの季節に花火は難しくね~?」
八幡「...いや、ある」
隼人「どこかで花火大会でもやるのか?」
八幡「そうじゃない」
八幡「まてよ、あそこならいまの条件が全てクリアできる」
結衣「良い場所みつかったの?」
八幡「ああ、助かった」
隼人「じゃあ後は比企谷の努力次第だな」
戸部「ヒキタニくんが頑張らないと、いろはすこえ~からな~」
結衣「ヒッキーなら大丈夫!がんばってね!」
八幡「...ありがとな」
放課後 昇降口(16:45)
いろは「せーんぱいっ!待たせしました」
八幡「遅かったな」
いろは「すいません。生徒会の仕事がたてこんでまして」
八幡「いや、そう言う意味じゃなくてだな...」
いろは「え?」
八幡「その、少し心配しただけだ」
いろは「なっ、なんですかそれ!ぜんっぜん先輩らしくなくて気持ち悪いのでやめてもらってもいいですか、ごめんなさい」アセアセ
八幡「そうか、すまん」
いろは「い、いえ、今のは照れ隠しです...ありがとうございます」
八幡「お、おう」
八幡(だめだこいつ可愛いわ)
いろは「それで、どこか行きますか?」
八幡「とりあえず駅まで行くか」
いろは「えぇ!?」
八幡「なんだよ」
いろは「いえあの、駅まではどうやって?」
八幡「お前が嫌じゃなければだが、後ろ、乗るか?」
いろは「....はい」カァァ
八幡「まあ、乗れよ」
いろは「し、失礼します」
いろは「なんだか落ちそうで怖いですねー」ハハハー
八幡「あぶないから、しっかり摑まっとけよ」
いろは「はーい!」ダキッ
八幡(それは俺の手元が狂うから辞めてもらっていいですかね。いや、ごめんなさい辞めないでください)
いろは「電車でどこに連れていってくれるんですかねー」
八幡「ああ、臨海公園にいこうと思ってる」
いろは「もーなんで言っちゃうんですかぁー!」
八幡「今聞いたんじゃねえのかよ」
いろは「違いますよぉー。想像して楽しんでたんじゃないですかー!」
いろは「それを言っちゃうなんて、マイナスですよ先輩」
八幡(その採点システム今回もやるのかよ)
八幡「悪かったな」
いろは「まあ、場所のチョイスは先輩にしては中々なので許しますよ」
八幡「褒められてるのかけなされてるのか分かんねえよ」
いろは「やだなー褒めてるにきまってるじゃないですかぁー」ギュー
八幡(それ、ほんとまずいから。いいぞもっとやれ)
稲毛海岸駅(17:15)
いろは「ここから電車ですよねー」
八幡「ああ、自転車とめてくるから待っててくれ」
いろは「はーい」
戸部「あんれー、いろはすじゃーん」
いろは「戸部先輩、何してるんですか?」
戸部「いや、隼人君たちと待ち合わせをナー」
いろは「へー」
戸部「あ、もしかしてヒキタニ君とデート?」
いろは「...戸部先輩にしては勘がいいですね」
戸部「いやだって、俺とヒキタニ君の仲じゃーん?」
戸部「ヒキタニくんちょー頑張ってたしナー」
いろは「がんばってた?」
戸部「っべー緊張してたけど、俺たちに理想の告白聞いて回ってサー」
戸部「絶対、いい告白してくれるってー」ヘヘッ
いろは「そう、ですか」
戸部「じゃっ、俺いると邪魔だろうし、もう行くワー」
いろは「戸部先輩」
戸部「あー?」
いろは「ありがとうございます」
戸部「うぇい!...ん?」
戸部「いろはすがお礼言うなんて珍しくネ!?」
いろは「戸部先輩といると邪魔なので早く行ってください」ニコッ
戸部「そりゃねえぜいろはす~」
八幡「待たせたな」
いろは「いえいえ。少しいいこともあったので!」
八幡「良いこと?」
いろは「ナイショでーす」
八幡「なんだよ。気になんだろ」
いろは「ほら、先輩!早く電車乗りましょー!」
八幡「おい」
葛西臨海公園(18:15)
いろは「わー見てください噴水ですよーすごーい」
八幡「いや、そう言うの良いから」
いろは「なんか反応ひどくないですかねぇー」
八幡「いや、今のは些細な事に感動してハシャいじゃう私可愛いアピールだろ?」
いろは「....か」ボソッ
八幡「ん?」
いろは「素で噴水に感動したらだめなんですか!!」バッ
八幡「うぉう!素だったのかよ」
いろは「当たり前です!先輩相手に作り物の私は出しませんから」プンスカ
八幡(え、何そのセリフ。ぐっときますね。うん。グッときます)
八幡「それは悪かった。...行こうぜ」ニギッ
いろは「あっ...」
八幡「....」カァァァ
いろは「せんぱい、顔真っ赤ですよ?」クスッ
八幡「ほっとけ。こんなリア充の印みたいなことしたことがないんでな」
いろは「私的にはこっちの握り方の方が憧れるんですけどねぇー」ツナギッ
八幡「なにこれ?捕まってんのおれ?」
いろは「恋人つなぎですよー知らないんですかぁー?」
八幡「恋人なんていた事も、いる友達もいなかったからな」
いろは「はあ...」
八幡(本気で憐れむのは止めてください。お願いします)
いろは「でも今は、私がいますもんねー?」
八幡「なんでお前そんな機嫌良いの?」
いろは「だからナイショですってー」
八幡「えーチョー気になるんですけどー」
いろは「は?」
八幡「ごめんなさい」
いろは「ほらほら、先輩どこいくんですかー?」
八幡「水族館でもどうだ」
いろは「わーカップルみたーい」
八幡「カップル...だよな?」
いろは「まだ告白されてませんからねぇー」
八幡(一色さんて根に持つタイプだったんですね。知ってましたごめんなさい)
水族館
いろは「ここには前に来たことあるんですかぁー?」
八幡「まあな」
いろは「へー。...結衣先輩ですか?」
八幡「なんでそうなるんだよ」
いろは「女の勘ですかねぇ」
八幡「言っておくが、雪ノ下も一緒だぞ」
いろは「そうですか」
八幡「....一色」
いろは「はい?」
八幡「その、なんだ。由比ヶ浜たちとは手は繋いでないしだな...」
いろは「もしかしてそれフォローのつもりですか?」
八幡「お、おう」
いろは「そんなこと気にしませんてばぁ!先輩私をなんだと思ってるんですかぁー!」
八幡「意外と嫉妬するだろ?」
いろは「....まあ、ありがとうございます」
八幡「気にしませんてばぁ」
いろは「.....」
八幡「いや何とか言えよ」
いろは「わー先輩サメですよ、サメ」
八幡「知ってるか一色。ここ写真撮ってもいいんだぞ」
いろは「は?」
八幡「え?」
いろは「それってフツーですよね」
八幡「え、そうなの?」
いろは「先輩、もしかして水族館とかきたこと...」ヒキー
八幡「いやそれくらいあるから」
八幡(学校行事でなんどかな)
いろは「これは...」
八幡「なんだよ」
いろは「ナーサリーフィッシュ...え?」
八幡「だからなんだよ」
いろは「...いえ、やめておきます」
いろは「ゼッタイ先輩たちも同じことを話しているので」
八幡(その察しの良さはさすがだと思います一色さん)
いろは「意外と水族館もたのしいですねー」
八幡「意外とってお前、期待してなかったのかよ」
いろは「まあ、そうですね」
いろは「正直水族館とか中学生かよーとか思ったりもしましたが」
八幡(おれの恋愛は中学生どころか小学生で止まってるからね、ごめんね)
いろは「でもまあ、先輩とならどこでも楽しいですし」ヘヘー
八幡「はいはい、あざといあざとい」
いろは「やだなぁー、素に決まってるじゃないですかぁー」
八幡「ここ出たら、あれ乗るか?」
いろは「観覧車ですか」
八幡「ああ」
いろは「ちょっとベタすぎますね」
八幡「嫌なら他を考えるが」
いろは「いえいえ、行きましょー!」
八幡「やっぱお前機嫌良いだろ」
ダイヤと花の大観覧車(19:45)
いろは「わーおっきいですねー」
八幡「まあ日本一だからな」
いろは「そうなんですか?」
八幡「地味だけどな」
いろは「こんな地味なところに…」
八幡(そんなに言うなよかわいそうだろ。だれだよ最初に行った奴、俺か、俺だな)
いろは「さー早く乗りましょーぉ!」
大観覧車 乗車
いろは「ちょっ、ちょっと怖いですね」
八幡「お前って結構こわがりなのな」
いろは「そ、そんなことないです!ただ観覧車って揺れるじゃないですか」
八幡「まあな」
いろは「あ、でもキレイですね。あれなんですか?」
八幡「首都高だな。光ってるのは車のライトだ」
いろは「それ聞くと一気に冷めます」
八幡(どう答えればいいんだよ)
いろは「あ、もうすぐ頂上。ですね…」
八幡「ああ、そうだな」
いろは「…..」ドキドキ
八幡「…..」
いろは「…..」ドキドキ
八幡「…..」
いろは「…せんぱい?頂上すぎましたけど」
八幡「なんだよ、頂上でなにかしたかったのか?」
いろは「いえあのー。え、違うんですか?」
八幡「なにがだよ」
いろは「も、もういいです!すいませんでしたっ!」
八幡「いやなんで怒ってんだ」
いろは「怒ってません!」
大観覧車 降車(20:10)
いろは「….」
八幡「おい、一色」
いろは「なんですか」ジロッ
八幡「い、いや、少し歩かねえか」
いろは「…いいですよ。今日は先輩にお任せしてますから」
八幡「行きたいところがあってな」
クリスタルビュー(20:20)
いろは「ここですか?」
八幡「ああ」
いろは「真っ暗ですね」
八幡「明かりがないからな」
いろは「そうですか….」
八幡「一色。話したいことがある」
いろは「なんでしょう」
八幡「俺は、お前の事が好きだ」
いろは「….」
八幡「今まで何度もお前に救われたことがある。いつからか、お前といる時間が楽しく感じられるようになっていた」
八幡「先輩なのに情けないと言われればそれまでだが、よかったら俺と付き合ってくれないか?」
いろは「そう、ですか」
八幡「どうだ?」
いろは「いやです」ニコッ
八幡(それ笑顔でいうことじゃないからね)
いろは「その言葉、なんでさっき、観覧車の中で言ってくれなかったんですか!」
いろは「なんでわざわざこんな真っ暗なところで告白するんですか!」
いろは「わたしにはぜんっぜん、分かりません!」プンスカ
八幡「…実はな、今日のコース。アイツらと回ったコースそのままなんだ」
いろは「そうでしたか」フンッ
八幡「気付いてたか」
いろは「まあ、そんなところかなぁーとは思ってました」
いろは「結局、わたしはお二人の次にしかなれないってことですか…」ボソッ
八幡「それは違う」
いろは「じゃあなんですか」
八幡「今の俺にとっての1番はお前だ。だから、告白するならここだと思った」
八幡「ここは、俺たちが偽物を否定した場所だから」
いろは「なんかいい感じのこと言って誤魔化そうとしてません?」ジトッ
八幡「つ、つまりだな…」
八幡「俺とお前の関係は偽物じゃない。改めて始めると考えた時、俺に浮かんだのはここだったんだ」
八幡「アイツらとのことが関係してるのは否定しないが、これが俺の理想の告白だ」
八幡「お前には直接関係のないことだから、言うつもりはなかったんだが…」
いろは「まあ、そこまで言うのならそれはいいです」フンッ
いろは「でもっ!ロマンチック要素をなくしたのはマイナスです!最悪です!赤点です!」
八幡「…それなんだがな」カタダキー
いろは「な、なんですか!?」
八幡「あれで、許してくれないか?」
いろは「え?」
ヒュ~~~パーン。パーン
いろは「あれって、花火?」
八幡「さすがディスティニーランド。京葉線の時刻表より正確だ」
いろは「花火を見せるためにここへ?」
八幡「観覧車でも良かったんだが、8時半に合わせて場所を調整するのは難しかったんでな」
八幡「この時間なら人も少ないし、ゆっくりできると思った」
いろは「….」
八幡「まあ少し遠いけどな。だめか?」
いろは「そ、そーですね。合格とまではいきませんが、努力したのは認めますっ」フンッ
八幡「おう」
いろは「…というわけで」ハァ
いろは「こんな私で良ければ、よろしくですっ」
八幡「だからあざといっての」フッ
いろは「せんぱい」
八幡「なんだ」
いろは「1つお願いきいてくれますか?」
八幡「内容によるな」
いろは「これからは私の事、いろはって呼んでください」
八幡「ことわる」
いろは「えーなんでですかぁー!」
八幡「馬鹿野郎。恥ずかしいだろ。あとほら、恥ずかしい」
いろは「ヘタレ?いえ、意気地なしですね」
八幡「なんで言い直したんだよ。ほとんど同じ意味だろ」
いろは「…じゃあ」
いろは「じゃあ、駅につくまででいいです」
八幡「なにがだ」
いろは「駅につくまでは、名前で呼んでくれませんか?」アザトッ
八幡(なんでそんなに目ウルウルしてんの?目薬いらないね。あとかわいいですとても)
八幡「わかった」
いろは「え?」
八幡「名前で呼べばいいんだろ?」
いろは「いいんですか!?」
八幡「駅までならまあ、いいだろ」
いろは「わーおとこらしー」
八幡(せめてもっと感情込めようね)
いろは「いやー晴れて私たちもカップルですねー」ノビー
八幡「今までの事は無かったことになったのかよ」
いろは「なんというか、」
いろは「周りの人たちに認めてもらえて、先輩から改めて告白されて、」
いろは「ここから始まるのかなぁーって」
いろは「てゆーか、先輩も似たようなこと言ってたじゃないですかぁー!」
八幡「…そうだな」
八幡「これからもよろしくな。い、いろは。」
いろは「……」ボーゼン
八幡「なんだよその腹立つ顔」
いろは「い、いえ。先輩らしくない行動に驚いただけです」
八幡「約束したから言っただけだ。悪かったな」
いろは「嬉しかったですよ?」
八幡「そうか」
いろは「...あれ?」
八幡「どうかしたか」
いろは「いえ、おかしいなーと思いまして」
八幡「何がだよ」
いろは「この流れなら先輩が私にキスをする流れかと...」
八幡「何言っちゃってんのお前」
いろは「だめですか?」
八幡「まだはやいだろ」
いろは「したくないんですか?」
八幡「そりゃあお前、したい。です。」
いろは「....」クスッ
八幡「い、いいから帰るぞ」
いろは「はーい!これからもよろしくお願いしますねっ。はちまん先輩っ!」アザトッ
おわり
latter episode>>八幡「玉縄とダブルデート」いろは「本気ですか」
最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。
この話はこれで終わりになります
少なくとも次作も宜しくお願いしますっ!
感想などありましたら、書いてもらえるとモチベーションになります(笑)
ここどうなん?みたいな、これキャラに合ってなくね?みたいなのもあれば次回から気を付けます
7月初めくらいに次作投稿します
それでは、ありがとうございましたー!
毎回楽しみに見てます!
ありがとうございます!
コメントされるとやる気が上がります笑
今後もよろしくお願いします!
おっ!更新来てる
この平和な世界最高ですねえ
いろは好きにはたまりません
続きが楽しみです
ありがとうございます(つД`)ノ
いろは好きのために書いています笑
頑張りますのでよろしくお願いします!
お疲れ様です。
なかなか良かったですよ、回りが理解ありすぎて
盛り上がりには少々欠けるかもしれませんが
自分はこういうの大好きです。
ドロドロの修羅場も好きですけどw
次回作楽しみに待ってます。
コメントありがとうございます!
このシリーズはシリアスな展開はなしで描くつもりなので、別の所で盛り上がりを作れるようがんばります(つД`)ノ
ドロドロ作品も非公開ですが実は書いていたりします笑
次回もよろしくお願いします!