2016-12-26 01:16:36 更新

概要

横須賀で研修中の一人の男。同期と研修に励んでいた。
研修を終えた男は、あるところへの着任を命じられる。その場所とは...
そして、北太平洋をめぐる深海棲艦との戦いが予想外の展開で幕を開ける...


前書き

たまとねと申します。
SSは初投稿です。以前までPixiv(http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=6967665)にて投稿していましたが、再推敲した上でこちらのサイトに投稿させて頂きます。
更新は不定期でありますが最後までおつきあい頂ければ幸いです。

また、出て欲しい艦娘、出して欲しいネタなどありましたらコメント下さい。できるだけ出したいと思います。

〇注意事項
 *更新は不定期です。
 *更新量はまばらです。
 *日本語はあまり得意ではありません。
 *キャラ崩壊有り。
 *ご都合主義。



第0話エピローグ


数年前、突如として現れ人類から海を奪った謎の生命体。人類はそれを「深海棲艦」と呼称した。制海権奪還に向け反攻作戦を実施するも、当時の護衛艦等の艦艇では攻撃が通らなかった。

そんな中、日本政府から依頼を受けた研究者達が、『あの戦争』の軍艦の魂を持った「艤装」というものを開発した。互換性のある人間に装着することによって力を発揮し、深海棲艦に打撃を与えることが可能になった。この艤装をつけた人間のことを「艦娘」と呼び、女性のみ適性があった。

それに伴い、艦娘を統治する場所「鎮守府・泊地」などが各地に設置された。深海棲艦に対しては、小さな国では対応が不可能であり、それらの国の依頼を受け、南太平洋地域は日本が統治している。

世界の通信網は、壊滅し他地域との通信は不可能。確認できるアジア地域では、中国や朝鮮・極東ロシアは深海棲艦によって滅ぼされ、それ以外は日本に統治されている。

艦娘を束ねる鎮守府の中心、横須賀鎮守府に2人の男がいた。


(2016/9/22/23:10更新)




第1話南の泊地へ


横須賀提督(以下、横提)「明日で3ヶ月の研修が終わるが、艦娘とコミュニケーション取れるようになったか?」


横須賀提督:(本名、新山真樹)45歳

深海棲艦が出現した当初から横須賀鎮守府で艦娘を指揮しているベテラン。海軍省への起用が決まっており、後継者を探し2人の研修生を呼んだ。


隆平「はい、お陰様で接し方がよくわかってきました!提督のおかげです。」


豊田隆平:25歳

新山が呼んだ研修生の1人。父は、海軍大臣とエリートの家系。研修生とは同級生。


朝一「隆平同様、艦娘と絆が深まってきました。」


和泉朝一:25歳

この物語の主人公。彼も新山が呼んだ研修生。隆平とは同級生。両親は小学生の頃他界し、祖父母に育てられた。幼馴染みが艦娘をやってるとか。


横提「そうか、それはよかった。俺は、明日でここを去る。そこで隆平君、君に横須賀鎮守府で指揮をとってもらいたい。引き受けてくれるかね?」


隆平「はい!もちろんです!この鎮守府を守りきって見せます!」


横提「それは、よかった。引き受けてくれて。あ、朝一君は今晩ここに来てくれ。」


朝一「了解しました。では、私たちは荷物整理がありますのでここで失礼させていただきます。」


ガチャン


隆平「あはは。俺は明日から横須賀の提督だー。あれ?横の負け犬ちゃんはどこに行くんだっけ?」ニヤニヤ


朝一「うるさいぞ隆平。どこに行くかは知らん。」


隆平「あはは。負け犬ちゃんの言葉はりかいできないなー。」ニヤニヤ


朝一「ったく。」チッ


隆平「あはは。じゃーな負け犬!」アハハ


隆平「あ!鈴谷じゃーん。」


鈴谷「ゲッ」


隆平「ゲッとはなんだ。ほらほろこの写真ばらして欲しくなかったら金出せよ。」アハハ


鈴谷「ウグッ……」


朝一「あいつは何なんだよ。ほんとに。」


??「どうした?」


朝一「あー。長門さん。」


長門「さん付けはやめてくれよ。上司と部下の関係だろ。」


長門型1番艦長門:(本名、杉宮茜)26歳

最強の戦艦。そのためか艦隊旗艦を務めることも多い。研修生の朝一の才能を見抜き、彼を支えている。


朝一「あーすまん。」


長門「で、あいつのことか。また、カツアゲしてたぞ。」


朝一「止めたいのはやまやまだがあいつには後ろ盾がいる。なかなか手が出せん。それに……」


長門「それに?」


朝一「あいつの横須賀鎮守府の提督になることが確定した。明日からだ。」


長門「なんだと?てっきりあなたかと。」


朝一「まあそう思うよな。結局、これも海軍省が関係してるだろうな。」


長門「やっぱりか。」


朝一「知ってたのか。」


長門「ああ。艦娘の間では結構有名な話だ。」


朝一「そうか。まあ、こればかりは俺1人ではどうもできん。仕方ない。俺も飛ばされることだし。すまんが、長門。俺は、明日でここを去るからみんなに伝えておいてくれ。」


長門「……わかった。じゃあな。」


朝一「……」


朝一(俺はどうなってもいいが、ここがどうなってしまうかが非常に心配だ。)


その日の夜


朝一「失礼します!」


横提「朝一君か入ってくれ。」


朝一「はい。それで、ご要件は何でしょうか。」


横提「君は、ブラック鎮守府というのを知っているか?」


朝一「はい。噂程度ですが。艦娘を酷使したり、艦娘の体を売って金を稼いだりしていると。」


横提「その通りだ。実は、ブラック鎮守府の提督が1人この前解任されてな。君はそこに着任してもらいたい。」


朝一「了解しました。それで、それはどちらでしょうか。」


横提「パラオだ。」


朝一「パラオですか?」


日本領パラオ共和国

深海棲艦の出現により日本が統治しており、泊地が設置された。統治と言っても『あの戦争』のようではなく、人や文化などあらゆるものが尊重されている。


横提「それでだ。君に2人パートナーを与える。」


朝一「2人もつけていただけるとはありがたいです。」


コンコン


横提「ちょうど来たようだな。入ってくれ。」


??「ともくん久しぶりー」


??「よろしくお願いします!」


朝一「!?さとみ!?」


横提「なんだ、気づいておらんかったのか。」


金剛型2番艦比叡:(本名、横倉さとみ)25歳

朝一と幼馴染みであり、過去に付き合っていた。2人はそれぞれ夢があり、それぞれの夢を叶えたらまた会おうと約束をしていた。


朝一「お前、艦娘だったのか。」


比叡「ともくんが着任したって聞いて志願したの。」


横提「えーと。比叡。ここでは上司と部下だ。もしほかの奴らに知れ渡ったらめんどくさいからな。それ相応の……」


比叡「あ。すみません。改めまして金剛型2番艦比叡です。司令!よろしくお願いします!」


朝一「あはは。改めてよろしく。さt…比叡。」


朝一「で。そちらの小さい子は?」


電「暁型4番艦電です。どうぞよろしくお願いいたします。」


暁型4番艦電:(本名、影山小春)17歳

小さいものの、初期から深海棲艦との戦いを支えた1人だ。横須賀提督の初期秘書艦でもあり、経験は豊富。


朝一「大切な初期艦じゃないんですか?」


横提「ああ。そうだが、俺はもう艦娘を指揮する事はない。朝一君、君なら電を任せられる。電も朝一を支えてやってくれ。」


電「了解なのです。司令官さんよろしくお願いするのです!」


朝一「提督……ありかどうございます。」


横提「でだ。君たちにやってもらいたいことだが……」


次の日の早朝


朝一「ここまでで結構です。」


横提「では。よろしく頼むぞ。」


長門「気をつけてな。」


朝一「はい!」


長門「比叡に電も気を付けてな。」


比叡・電「はい!」


朝一「行ってまいります。では、梅津艦長お願いします。」


梅津「了解しました。3番離せ。両舷前進微速。みらい出港。」


ゆきなみ型3番艦みらい

こんごう型護衛艦からさらに防空能力を強化したゆきなみ型護衛艦の3番艦。艦長は梅津三郎。


比叡「司令!久しぶりですが、特製のカレーを作ってきました!ぜひ召し上がって下さい!」


電「あ・・・(察し」


朝一「お前の料理はうまいもんなぁ。いただきまーs...」バタッ


電「司令官さーん!!!」



(2016/9/26/07:48更新)




第2話傷ついた艦娘たち


(朝一は以下、提督と記します。)


みらい医務室


提督「うっ……」


電「司令官さん。お目覚めですか?」


提督「電か。看病してくれてたのか、ありがとう。電はやさしいなー」ナデナデ


電「カァァ べ、別に司令官さんを支える身としてと、当然のことをやっただけなのです……ボソボソ」


提督「あ。そういえば比叡はどこだろ。探しに行こう。」


電「……た訳ですからボソボソ……っていない」ショボーン


みらい甲板上


比叡「朝くんのために気合入れて作ったのにまさか倒れるなんて……」ショボーン


比叡「嫌われちゃったかなぁ」


提督「そんな事はないぞ比叡。」


比叡「とm…司令!」


提督「お前が空回りして失敗するなんていつものことじゃないか。」


比叡「ショボーン」


提督「わ、悪かった。でも、お前は俺のためにと思って空回りしてしまったんだ。ありのままでいい。お…俺は…そ…そんな普段の……お前にほ……惚れたんだ…よ…」


比叡「司令!」パア


電「リアジュウハシヌノデス」


電(じゃなくて。この、艦娘に寄り添ってあげられる存在。あの人はそこを見抜いた……電がお守りしないと。)


電「司令官さーん。探したのですよ。」


梅津「まもなく目的地です。」


提督「という事はあれが」


梅津「はい。あれがカラマドゥー湾です。その奥にパラオ泊地があります。」


パラオ泊地

約1年前。パラオ周辺の制空権、制海権を確保したことにより、警備及び艦隊の経由地として設けられた。開設当初からいた司令官はブラック鎮守府を運用していたとして逮捕。朝一が後を継ぐ。


提督「梅津さんありがとうございました。」


梅津「いえ、こちらこそ。それでは、ここでの勤務気を付けて下さい。」


提督「ええ。」


提督「で。ここがパラオ泊地か。」


比叡「なんか。そんな大きくないですね。」


電「ここは、周辺の警備任務、艦隊の経由地なので、そこまで大きくはないのでしょうね。」


提督「でも、不自由のないくらいの施設はあるな。」


提督「さあ、早速入るか」ピカーン


提督(これは?糸?)


比叡「結構中はボロいなぁ」プチン


提督「!!比叡、電!伏せろ!」


比叡・電「「へ?」」


提督「いいから早く!」


比叡・電「「は、はい!」」バシッ


提督「なんでナイフが飛んでくるんだよここは!」


電「はわわ。」


比叡「ひえー!」


提督「なんだ?それ1発芸か?」


比叡「違いますー!」


電「前に誰かいるのです!」


??「ほう。避けるとはやるなあ。」


提督「誰だ!」


摩耶「あたしは摩耶。あんたがここに着任するっていう奴か?来てそうそう悪いが帰ってもらうぜ。」


高雄型3番艦摩耶:詳細不明

パラオ泊地の元提督の元に初めて配属された。そして、元提督を愛していた。しかし、彼の本性を知ってしまった。彼が逮捕されて以降は人間不信。


提督「なん…だ…と?」


摩耶「あたし達はもう人間どもに従うつもりはねぇ」


提督「人間どもって……お前らも人間だろ?なあ?」


電「そうなのです!」


??「まあそうかっかするか摩耶。」


摩耶「那智か。」


那智「貴様。その言葉信じていいか?」


妙高型2番艦那智:23歳(本名不詳)

元提督の悪事が海軍省に伝わっていなかった頃、元提督を信頼していた当時の横須賀提督が派遣した。元提督のことを海軍省に報告した人。


提督「信じていいか?というか事実だろ?」


那智(さすが横須賀のあの人が送っただけある。あの目は嘘をついていないし……それに……)


那智「そうか。なら今は貴様を信じよう。執務室に案内する付いてきてくれ。」


摩耶「っちょっと那智!」


那智「お前は頭でも冷やしておけ。」


摩耶「わ、分かったよ。」チッ


那智「頼んだぞ。」


比叡「何なんですかね。来た瞬間にナイフ投げてくるなんて」プンプン


提督(かわいい)


電「比叡さん落ち着いてください。」


提督「まあ気持ちはわからんでもないが、彼女らには彼女らの事情があるんだ。」


那智「ここが執務室だ。入るぞ。」コンコン


??「はいよ。」


電「中に誰かいるのです?」


那智「あいつは龍驤。指揮官がいない間私たちの指揮をとってくれてたんだ。」


龍驤「紹介ありがとさん。うちが軽空母龍驤や。君のさっきの話聞いとったけど、あれは本気で言ってるんやな?」


提督「あれって……?」


比叡「あれですよ司令。私たちが兵器じゃなくて人間どうのこうのってやつですよ。」


提督「あーあれか。くどいなぁ。前任がどうだったかは知らんが、少なくとも俺はそんな考えではない!」


龍驤「君にとってはそれが普通かもしれんが、ここでは違ったんや。少しは我慢してくれへん?」


提督「そ、それはすまん。」


龍驤「そう思ってくれてるんだったらいいんやけど、まだうちらは君を信用できてへん。まあ君というか指揮をする立場の奴のことやがな。」


提督・比叡・電「……」


那智「ここで、貴様に願い事がある。」


龍驤「君に半年前から行方不明になっている駆逐艦4人を探して欲しいんや。」


提督「行方不明!?」


那智「もちろん、我々の体はどうなっても構わない。だから……」


提督「ってなに2人とも脱ぎ始めてるの!?比叡、電止めてくれー。」


比叡「はい!」


電「了解なのです!」


提督「はあはあ。んでなんで急に脱ぎ始めたんだよ!」


龍驤「え!?司令官に頼み事をするには普通なんなやと。」


提督「いや!それ間違ってるから!間違ってるから!」


比叡「司令それにしても慌てすぎですよ。司令ってまさか童〇ですかー?」


提督「……」


龍驤「図星かい!」


提督「ああ〇貞だよ。なんか文句あるか?童〇悪いかよコノヤロー。」


電「イエナンデモナイデス」


比叡「司令。早く先に進めましょう。グダって読者の皆さん飽きちゃいますよ。」


提督「メたいこと言うな!メたいことを!と言ってもだなぁ。」


ブーブー


提督「なんだこの音。」


那智「門のチャイムだ。」


提督「チャイム?」


龍驤「まあインターホンみたいなもんや。」


提督「なんで電話につがってんだよ。あ、はい。もしもし?」


??『あー。私だよ。私。』


提督「あーどちら様でしょうか?」


??『あはは。パラオの運輸省高官と言えばわかるかね?』


提督(マジで誰だこいつ。)


那智(この声は!前任が私たちの体を売った奴だ。)


提督(こいつ。直接脳内に?)


提督「あ。ご無沙汰しております。まだ、片付けが終わってませんので、応接室でお待ちください。」


高官『わかった。で、案内が誰もいないが?』


提督「今、手を離せないので。応接室、えーっと。目の前の建物の入り口を入ったすぐのところにありますので。」


高官『わかった。しかし、その分多くヤらしてくれよ。あと、声が多少違うが、風邪でも引いたのか?』


提督「ええ。昨日から風邪を引いてしまって。お手数をおかけします。」


提督「音質が悪い?せいでなんとかなったな。比叡は、憲兵隊と救急車を呼んでくれ。」


比叡「了解しました。」


提督「電は摩耶を呼んできてくれ。」


数分後


電「連れてきたのです。」ハアハア


摩耶「駆逐らが助かるかもしれないってホントか?」


提督「ああ。助けられる可能性は高い。龍驤、比叡はここで待機、電、那智、摩耶は俺と一緒に応接室だ。」


摩耶「なんで応接室なんだよ。」


那智「詳しくは行く間に話す。」


応接室前


摩耶「なるほど、そういうことがあったのか。」


提督「さあ入るぞ。お前らはここにいろ。合図したら入ってきてくれ。」


摩耶「でも!」


電「了解したのです。摩耶さん司令官さんを信じて下さい。」


摩耶「お前……」


コンコン


高官「おう。やっと来たか。待ちくたびれたぞ。」


提督「失礼します。」


高官「ってお前は誰だ。」


提督「本日より前任の代わりに着任しました。パラオ泊地の新提督、和泉朝一です。」


高官「代わりって。あいつはどうなった!」


提督「1週間前に逮捕された。」


高官「まさか。」


提督「これでお前も終わりだ。」


高官「終わりはどっちかな。」ガチャ


提督「おまえ...」


(2016/10/05/22:31更新)




第3話日常に取り戻すために


提督「お前……銃なんて捨てろ!」


高官「お前を殺せば俺は逃げることができる。」


提督「また罪を重ねることになるだろ!」


高官「お前の事は自殺か、艦娘の謀反で殺されたと処理してもらうよ。」


提督「まさかお前、警察にも……」


高官「俺を舐めてもらったら困るなぁ。」


提督「ちっ。」


高官「あはは。これで貴様も終わりだ。」


提督「ふっ。それはどうかな。」タンタン


摩耶「聞こえたか?行くぞ。」


憲兵「横須賀鎮守府所属憲兵隊だ!お縄を頂戴する。」


高官「馬鹿な!」


提督「ちゃんと録音しているのでご心配なく。」カチャッ


高官「終わった……」


提督「こいつ縛ってくれ。」


憲兵「了解しました。」


提督「ちょっと待て。駆逐艦達はどこにいる!」


高官「どうあがいても無理だな。ついてこい。」



提督「ふぅ。」ガクブルガクブル


比叡「司令!大丈夫でしたか?ってめっちゃ震えてる!」


提督「比叡、ありがとう。てか、銃突き出されて平気な方がおかしいと思うよ!?」


比叡「あはは。そうですよねぇ。で、高官って奴は?」


提督「ちょうど捕まえてもらったところだ。憲兵隊の皆さん、ガスマスクをお願いできますか?」


憲兵「了解しました。」


摩耶「なんでガスマスクなんて用意するんだよ。」


那智「ほら、あれだ摩耶。イカ臭くて頭おかしくなってもいいのか?」


電「あはは……」


憲兵「お持ちしました。」


龍驤「なんで一つやん?」


提督「ほら、あーゆう現場に女の子は連れていけんだろ?」


摩耶「あたし達じゃなきゃ誰が誰だかわからねぇだろ?それに……」


提督「はぁ。わかった。みんなの分のマスクも持ってきてくれ。」


憲兵「すみません。一個数が足りないです。」


提督「はあ仕方ない。これを使え。」


電「司令官さんはどうするのです?」


提督「気合いで何とかする。」


高官「ここだ。」


提督「担架はここで待機。」


憲兵「了解しました。」


提督「行くぞ。」


艦娘's「了解(なのです)。」


提督(うわ。やっぱりイカくせェじゃねぇかよ。)ウップ


比叡「司令!あそこじゃないですか?」


提督「あー!いたいた。大丈夫か!」


??「ひぃ。提督!お願いします私が何でもしますからほかの子達には手を出さないで……」ガクッ


摩耶「大丈夫か!」


提督「大丈夫だ。気絶しただけだ。ほかの子達も俺に怯えているな。憲兵、すぐに搬送してくれ。」


憲兵「了解しました。」


??「ひぃ。まだ死にたくないよぉ。」


那智「大丈夫だから安心しろ。」


??「那智さん……?」スヤァ


提督「那智、龍讓、摩耶、電は一緒に病院に行ってくれ。」


電「司令官さんはどうするのです?」


提督「彼女らにも怖がられてしまっているし、何より今後のことについてパラオ政府と対応を協議しなくてはいけないからな。電、頼んだぞ。」


電「了解したのです!」


電(頼られてちょっと嬉しいのです。)


提督「ではあとはよろしく。」


憲兵「はい!」ピーポーピーポー


提督「行ったか。比叡、テレビを。」


比叡「了解です。」ピッ


アナウンサー(以下、アナ)『まもなく海軍省の緊急会見が行われます。あ、今入ってきました。』


海軍大臣『本日は、会見にお越しいただきありがとうございます。先日、パラオ泊地にて艦娘に違法労働させていたことがわかりましたので報告いたします。参謀。』


記者『』ザワワ


海軍参謀『はい。パラオ泊地にて艦娘を使っての性労働及び不正な資金収集が確認されてたため、当該泊地の指揮官を解雇及び逮捕しました。まだ、詳しい状況を把握出来ていないため現在拘束中であります。』


海軍大臣『現在、情報収集に全力で当たっています。また、詳しいことがわかり次第報告させていただきます。この度は皆様に多大なるご迷惑をかけたことをお詫びいたします。本日、質疑応答は控えさせて頂きます。』


記者『ザワワ』


アナ『以上。現場からでした。』ピッ


提督「ふーむ。炎上不可避だな。」


比叡「ええ。そうですね。そして、会見を開いた日に限ってこんなことが起こるなんて。」


提督「ああ。全くだ。疲れたよ。」


比叡「そういえば司令。なんであの高官が警察に根回しできたのに憲兵隊は司令が動かせたんですか?」


提督「多分、あの高官はパラオの警察しか動かせんだろう。たまたま呉の憲兵が研修に来ててよかった。」


比叡「なるほど。そういうことだったんですね。」ピロロロ


提督「電話か。」


提督『はい。こちら、パラオ泊地提督です。』


パラオ大統領『はい。存じ上げています。こちらは、パラオ大統領です。』


提督『パラオ大統領でしたか。後日、あいさつに伺おうと思っていたのですが。どこまでお聞きになられましたか?』


パラオ大統領『憲兵隊からはすべてを聞きました。まさか国の要人までが今回の事件に関わっているとは思いもしませんでした。それに警察までも……』


提督『ええ。そこのところに関しては捜査を行わなくてはいけませんね。』


パラオ大統領『しかし、警察まで根回しがあると……』


提督『そこは大丈夫です。現在、呉鎮守府憲兵隊がパラオ研修中ですので、そちらに協力をお願いしておきます。』


パラオ大統領『それはありがとうございます。こちらも出来るだけ支援させていただきます。』


提督『了解しました。報道機関への報告会見は1週間後にこちらでやりますので。』ガチャン


提督「はあ。これからしばらく書類に追われるぞ。」


比叡「はい!比叡お手伝いします!」


ところ変わってパラオ国立病院


医師「診察しましたが、衰弱と栄養失調、そして少し精神的に落ち着いていない様子でした。明日には回復すると思いますが、1週間程入院していただきます。」


電「わかりました。失礼します。」バタン


龍驤「どんな感じやった?」


電「1週間入院だそうなのです。」


那智「そうか。」


電「あと、司令官さんが、一緒に居ていいと言ってたのです。」


摩耶「鎮守府は大丈夫なのかよ。」


電「しばらく忙しくなるから自分の代わりに見ていて欲しいとのことです。」


那智「仕方ないな。夜も遅い。そろそろ寝るか。」


翌朝


??「ここは?」


電「ん?起きたのですか?ここはパラオ国立病院なのです。」


??「病院?あなたは?」


清霜「私?今日、パラオ泊地に着任した夕雲型の最終艦清霜よ。」


電「今日!?」


(2016/10/12/08:27更新)




第4話やるべき事


1週間後、鎮守府


憲兵「以上が捜査報告です。」


提督「ご苦労様。思った以上に深刻だな。」


比叡「司令?」


提督「比叡起きたか。起き抜けで悪いがこれを見てくれ。」


比叡「……ひえーこれ相当ヤバいじゃないですかー。」


提督「これを俺が発表するとなると胃が痛くなる。」


比叡「それでもやるんですよね。」


提督「ああ。比叡、俺はこれから仮眠をとるかはその間に憲兵と一緒に会見の準備をしてくれ。」


比叡「了解しました。」


提督(俺がやらなくちゃいけないんだ。)


・・・2週間前横須賀鎮守府にて・・・


(提督は朝一表記に一旦戻ります。)


朝一「提督……ありがとうございます。」


横提「でだ、君たちにやってもらいたいことだが。」


朝一「はい!」


横提「大本営に私が実行しようとしていることがバレてしまったようなんだ。」


朝一「一体誰が……アイツですか。」


横提「多分そうだ。あのことを知った大本営は俺を艦娘の指揮官から外し、そして豊田君を横須賀鎮守府の提督にすることで、基盤を安定させようとしている。」


朝一「なるほど。つまり、今回の人事は大本営からの指示があったと。」


横提「そうだ。そこで、君にこの書類を託す。」


朝一「これは!」


横提「私の代わりに実行してもらいたい。」


朝一「提督のために、艦娘のために精進します。ですが、私ひとりでは……」


横提「それなら心配ない。」


朝一「?」


横提「この番号に電話をかけてくれ。」


朝一「?はい。」ピロロロ


??「はい?どちら様ですか。」


朝一「横須賀鎮守府で研修をしている和泉朝一ですが。」


三日月「はい。存じ上げています。私は、呉鎮守府の秘書艦をしてる三日月と申します。どうぞよろしくお願いします。」


朝一「はあ。よろしくお願いします。」


三日月「司令官にかわりますね。」


??「もしもし?元気にしてたか?」


朝一「その声は!先輩!」


沼田大樹:26歳

朝一の士官学校時代の一つ上の先輩。よく朝一の面倒を見ていた。成績は優秀で26歳ながら、呉鎮守府の司令官をしている。


大樹「久しぶりだな。」


朝一「ご無沙汰してます。呉の提督をやってらっしゃったのですね。」


大樹「ああ。そうだ。横須賀の提督からは事は聞いただろう。私や秘書艦の三日月も一緒に君をサポートする。頑張ってくれ。これから食事なので切るよ。」


朝一「それは、ありがとうございます。」


大樹「じゃあまたの機会。」


朝一「はい。」ガチャン


朝一「私頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。」


横提「ありがとう。君が引き受けてくれて、一安心だ。頼んだよ。」


・・・回想終・・・


比叡「司令?そろそろ時間ですよ。」


提督「ああ。ありがとう。今、起きるよ。」


比叡「その前に、あの子達が退院してもうすぐこちらに着くそうです。」


提督「おう。そうかじゃあ迎える準備をしよう。」


1時間後


電「失礼します。」


提督「おう。来たか入ってくれ。」


白雪「特型駆逐艦白雪です。」


磯波「同じく特型駆逐艦磯波です。」


長波「夕雲型駆逐艦長波です。」


清霜「夕雲型の最終艦清霜です。」


電「それでですね。司令官さん。実は……」


提督「ん?」


電「かくかくしかじかでこういうことがありまして、今はかくかくしかじかということにしてあるのです。」


提督「なるほど。記憶障害か。電その対応はナイスだ。」ナデナデ


電「司令官さん。その人前だと恥ずかしいのです。」モジモジ


提督「ああ。すまん。つい。じゃあ摩耶は電と清霜に街を案内してくれ。まだよくわからないだろうから。」


摩耶「わかった。」


提督「これでうまいもんでも食べてきていいぞ。」


摩耶「こんなに!?」


比叡「あー。摩耶だけずるーい。」


提督「わかった。じゃあ今度みんなで出かけよう。摩耶達はいい食べ物屋を見つけてきてくれ。」


清霜「了解です!司令官。」


電「いってきますなのです。」バタン


長波「さて、あんたがここの新しい司令か。あんたに恨みはないが、あたしはもう人間の指図は受けない。」ガチャン


提督(またこれか。)


那智「長波!お前!」


長波「那智さんたちは騙されてもあたしは騙されない。」


提督「まず、お前達は人間だ。兵器ではない兵士だ。こう考えないやつも多いが俺はそう思ってる。とにかく艤装をしまわんか。」


長波「騙されない!お前達が清霜にしたことをあたしは許さない!」


提督「撃て。」


龍驤「君、何言っとるん?駆逐艦の砲でも普通の人間なら1発で死ぬで。」


提督「知ってる。長波!打ちたいなら俺を撃て!」


長波「くっ!」


提督「……」ジー


長波「あー。つまんねぇ。今日はやめだ。」バタン


白雪・磯波「長波ちゃん!」


提督「比叡、お茶をくれ。」


比叡「あ、はい。」


提督「めっちゃ怖かったわ。怖くて冷や汗かいたぞ。」


比叡「司令。はい。」


提督「ありがとう。って熱っ!」


比叡「あ、間違って暖かいお茶出しちゃった。」


提督「俺は猫舌だっつーの!」


白雪「あはは。」


提督「ごめん。ごめん。待たせて。俺は、新しくこの泊地に着任した和泉朝一、提督だ。よろしく。」


白雪・磯波「よろしくお願いします!」


磯波「先程は、長波ちゃんが失礼をしてしまいすいませんでした。」


白雪「あと、助けて下さりありがとうございます。」


提督「おう。気にすんな。まあ急にこんなことあったら困惑する。それが人間だ。」


那智「ところで貴様はさっきからなぜ目をつぶってる?」


提督「ほら。この前のお前らみたいなことがないように。」


龍驤「それなら電がさっきしないように言ってたで。」


比叡「さすが電ちゃん!」


提督「あ。時間か。比叡行くぞ。」


白雪「司令官。どちらに行かれるのですか?」


提督「会見だ。」


磯波「なんのですか?」


提督「今回の件だ。」


一同「……」


提督「確か、テレビで中継されるから見ておいてくれ。じゃあ。」バタン


那智「リモコンはどこだ?」


龍驤「これや。」ポチッ


アナ『まもなく汚職事件が起こったパラオ泊地の会見が始まります。』


アナ『今、入ってきました。』


提督『まず、この度はこのような不祥事を起こしてしまい誠に申し訳ございませんでした。』


記者『』パシャパシャッ


白雪「なんで司令官が誤ってるんですか?」


磯波「悪いのはあの人なのに。」


那智「自分が悪くなくてもその団体で不祥事があったら責任者が謝る。社会はそういうものだ。」


提督『前任の代わりにパラオ泊地の提督になりました。和泉朝一です。この度の不祥事について調査結果が出ましたので、ご報告させていただきます。』


提督『まず、以前からパラオ泊地に在籍していた艦娘7名、そのうち4人を監禁し、性的暴行を加え、さらに売春により懐を肥やしていたことがわかりました。』


提督『さらにその売春先にパラオ運輸省、及び日木通運など運輸関連の団体の名前が多く上がりました。』


提督『以上が現在判明した部分になります。ご質問等ございましたら受け付けます。』


一同「……」


記者A『艦娘の処遇はどうなるのでしょうか。』


提督『はい。希望がありましたら、艦娘を引退。その後補償金も出します。』


記者『和泉提督が、彼女たちにまた性的暴行を加えないとは言いきれませんよね。』


提督『あなたね。もう少し人のことを考えて質問してください!私をあんな奴と一緒にしないでください!どこの新聞社ですか!』


記者B『朝曰新聞です。』


提督『朝曰新聞社ですね。わかりました。質疑応答は以上とさせていただきます。』


記者たち『ガヤガヤ』


提督「はあ。なんだよ朝曰のやつ!」プンプン


比叡「まあまあ落ち着いてください。」


提督「でもめっちゃ緊張したわ。」ガチャ


龍驤「お帰り。」


提督「ただいま。電達も帰ってたのか。」


摩耶「話は聞いたぜ。」


提督「この件は思ったよりも大きい。追求していくなら相当な覚悟が必要だな。」


那智「そうみたいだな。」


提督「もう。日も暮れる。みんなで夕食食おう。」


白雪「そうですね。そうしましょう。」


磯波「お腹ペコペコです。」


提督「清霜!長波呼んできて。」


清霜「了解です!」


食後


提督「電。しばらく苦労かけたな。」


電「いえ。そんなのこと無いのです。」


提督「ほら。」ナデナデ


電「司令官さん。ありがとう……なのです。」ニコニコ


提督(俺が守るべきもの)


提督(それは……)


提督(君たちの笑顔だ。)


(2016/10/13/20:36更新)




第5話笑顔


翌日


提督「よし。遊ぶぞ。」


龍驤「なんやねん。急に。」


提督「いや。事務処理もあらかた終わったろ?だからみんなで遊びにでも……」


龍驤「その間、ここはどうするねん。」


提督「1日だけだし大丈夫だろ。」


龍驤「わかった。わかったから。」


提督「じゃあ明日、門前10:00な。」


龍驤「はいよ。みんなに伝えておく。」


清霜「ねえねえ。長波姉さん。」


長波「なんだ清霜?」


清霜「明日、司令官が遊びに連れてってくれるってみんなを。」


長波「あたしは行かない。」


清霜「長波姉さん。」


長波「なんだよ。」


清霜「前の司令官が私たちにしたことは許せないよ。でもね。」


長波「!?」


清霜「あの司令官は、前とは違うでしょ?目を見ただけでわかった。あの人凄く優しい目をしてた。だから撃たなかったんでしょ?」


長波「清霜!それをどこで!それにお前は記憶が……」


清霜「記憶が無くなってた?」


長波「どうして!?」


清霜「新しく来たあの人を試そうと思ってね。」


長波「試すって……」


清霜「最初は、清霜も信じられなかったよ。人間を。」


長波「……」


清霜「でも、あの人は違う。長波姉さんも後悔してるんでしょ?」


長波「っ……」


清霜「大丈夫だよあの人なら。」


長波「で、でも……」


清霜「あ、そういえばすぐに見破った人がいたよ。びっくりしたよ。あまりにもすぐだったから。」


長波「……」


清霜「電さんはすごいよ。戦艦目指す前にまずは電さんのような駆逐艦にならなきゃね。」


長波「……」


清霜「じゃあ、長波姉さんおやすみなさい。」スヤァ


長波「清霜……お前はずるいよ。」ガチャン


清霜「……」


執務室


コンコン


提督「どうぞー。長波か。調子は大丈夫か?」


長波「あのさ。」


提督「ん?」


長波「この前はすまなかった!あたしも混乱してて。」


提督「この前?何のことだ?」


長波「ほらあたしg……」


提督「知らんなぁ。それより明日はみんなで出かけるんだ早く寝なさい。」


長波「ありがとう!」


清霜(よかったね長波姉さん。)


次の日


提督「よっしゃ!今日はみんなで遊ぶぞ!」


比叡「おー!」


龍驤「二人ともめっちゃテンション高いな。」


那智「まあまあ。今日ぐらいいいじゃないか。」


摩耶「あいつらがテンション高いのは今日に限ったことじゃねぇだろ。」


長波「おはよう。」


電「おはようなのです〜。」


白雪「長波ちゃん来てくれたんですね。」


磯波「良かったです。」


長波「ああ。」


清霜「ふぁ〜。眠い。」


長波「おい。清霜、昨日はありがとうな。」


清霜「……」フフン


提督「よし。みんな揃ったことだし。出発だ。」


龍驤「出発はいいけど誰が運転するん?」


提督「俺だけど?」


摩耶「大丈夫かよ?」


提督「ペーパーだが免許持ってるから大丈夫だぞ。」


白雪「なんかすごく不安なんですけど。」


提督「じゃあ出発!」


一同「ガクガクブルブル((;゚Д゚))」


コラー島


提督「ここがパラオの有名観光地コラー島のコロールだ。」


那智「パラオにもこんな場所があったんだな。」


磯波「こんなに遠くに来たの久しぶりです。」


摩耶「あたしら艦娘だってのにな。」


提督「じゃあまずどこ行く?」


その日の夕方


清霜「あー楽しかった!」


那智「こんなに思いっきり動いたのは久しぶりだ。」


磯波「司令官!楽しかったです。」


提督「みんな笑顔可愛いじゃねぇかよ。」


摩耶「なんだよ急に。」


提督「いや。今まで見たことなかったからさ。」


白雪「そういえばそうでしたね。」


提督「良かったよ。見れて。」


長波「」カアア


提督「さて、遊んだことだし。」


龍驤「明日から通常業務とかゆうんやないやろな?」


提督「ご名答。」


一同「えー。」


電「電たちのいるのはパラオ泊地。あくまで泊地ですから、哨戒任務。それに私たちは艦娘なのですから、訓練は怠ってはだめなのです。」


提督「電ちゃんその通り!」


電「電ちゃん?」


提督「いや比叡が呼んでたからさ。」


比叡「ふぁい?」


清霜「比叡さん。食べながら喋らないでくださいよ。」


一同「あはは。」


長波(夕雲。あたし、ここならやっていけそうだよ……)


(2016/10/16/13:44更新)




第6話夜間哨戒任務!


翌日


提督「みんなに最終確認する。今回の件で艦娘を辞めたいという者は?」


一同「……」


提督「いないという解釈でいいな?」


一同「はい!」


提督「ということで、今日から通常業務開始!」


一同「……」死んだ目


提督「何、働きたくないみたいな感じなんだよ!」


比叡「えー。だってー。」


提督「だったじゃねぇよ。電。みんなのスペック表を。」


電「こちらなのです。」


提督「どうも。比叡は改ニで練度は93。電は改で練度は95。二人とも高いな。」


電「電は前の横須賀の司令官さんの初期艦なので。」


摩耶「ほう。随分おエライさんじゃねぇか。元ってことは横須賀の指揮官も変わったんだな?」


提督「ああ……」


磯波「何かありましたか?」


提督「なんでない。で、比叡は改ニの上にレベル高いな。」


比叡「はい。金剛型は高速なので、使い勝手がいいですからね。改ニに改装したので、火力はあの長門型改並なのにも関わらず、高速なので回避も高く、消費資材も軽い。その上、装甲は金剛型では固めです。」


提督「強い(確信)」


龍驤「あの長門型並とは凄いな。」


比叡「しかし、載っけれる主砲のサイズが一回り小さいです。でも、35.6cmですよ!」


那智「で、その長門型は?」


提督「確か、41cm。」


一同「……」


比叡「」ポロポロ


提督「でも、高速で回避高くて、消費資材が軽いのは大切だよな!」


清霜「そうですよ!戦艦何ですから強いですよ比叡さんは。」


比叡「そもそもですね。私の艤装の元となっている軍艦比叡は1912年進水で、長門は1919年ですよ?発展型のやつと比べてどうするんですか!それに軍艦比叡は日本で作られた初めての超弩級戦艦。金剛型お姉様の方が竣工は早いですが、書類上は比叡の方が先に巡洋戦艦として登録されてますし。お召艦や練習戦艦(ry」


提督「しばらくそっとしておこう。」


清霜「は、はい。」


提督「で、おお那智・摩耶・龍驤は改ニ改装済みで全員練度は75。普通に高いじゃないか。どうしてこんな所に。」


那智「それは、私から説明しよう。日本海軍は拡大する戦線に伴う艦娘の不足に陥っていた。最前線の泊地にも人を送りたいのだが、足りない。そこで、練度が高い艦を少数派遣して事なきを得ようとしたんだ。」


提督「なるほど、今でもどこの提督も艦娘は一人でも多く欲しがっている。」


龍驤「今も変わってないんやな。」


提督「で、摩耶は対空特化に、那智は対空は摩耶よりも控えめなものの火力が高いバランス型か。どっちも頼もしいな。」


摩耶「対空は摩耶様に任せろ!あの戦争の秋月型程じゃないが充分活躍してみるぜ!」


那智「ああ。私は摩耶ほど対空性能は良くはないが、それでも他の妙高型よりは高い。それに摩耶よりも砲撃火力、雷装ともにある。」


提督「そして龍驤は、火力が軽空母トップだが、なんだこの艦載機装備数。18/28/6/3って偏りすぎじゃん。」


龍驤「仕方ないやろ。軍艦の龍驤がいろいろと訳ありで独特なシルエットになっちゃたんやから。」


提督「であれか、胸も独特なシルエットってか。」


一同「あっ…(察し)」


龍驤「君ぃ。超えてはいけない一線を超えましたね。覚悟しなさい。」ゴゴゴゴゴゴ


白雪「龍驤さんが標準語を喋るなんて。」


長波「終わったな。」


提督「ちょっと待ってア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」


電「はあ。あの2人はほっとくのです。」


電「あれ。さっき那智さんが言ってた割には白雪ちゃんたちの練度が30と低いのです。」


那智「まあ練度が高めの艦娘にも限りがあるからな。後期になるとそこまで高くない艦娘も回されてきたんだ。」


清霜「でも基本はバッチリよ。」


磯波「私たちもそれなりには……」


提督「それなりじゃ困る!」


長波「あっ復活した。」


比叡「実はですね。横須賀鎮守府から9対9の演習の申し込みが。」


龍驤「それは断れないん?」


摩耶「こいつらもいつの間に。」


提督「いや。それは無理だ。」


那智「何故だ。」


比叡「今回の演習はテレビ中継され、それはもうテレビ会社に知らせてあり番組がもうくまれてあると。」


提督「それが2週間後なんだ。」


白雪「でもどうして横須賀の司令官は急にそんなことしたんでしょう?」


提督「実はなかくかくしかじかということになっててな。」


提督「多分、この前の会見でこのパラオ泊地に恐れを感じた。タダでさえ今人気が地の底のここを今のうちに叩いておこうと。」


龍驤「内地の奴らはやる規模が違うなぁ。」


提督「ここで俺たちは勝つしかないんだが。実は……」


長波「なんだよ。」


比叡「事前に向こうの編成が送られてきたのですが。」


コノ度ノコチラノ演習編成ハ以下ノヨウトスル。

一航戦赤城ヲ旗艦トシ、僚艦ノ加賀。二航戦蒼龍、飛龍。四航戦伊勢、日向。秋月型秋月、照月、初月。トスル。


一同「……」


龍驤「無理ちゃうん?これ?」


清霜「ダメだーおしまいだー。」


提督「落ち着け。真正面から当たれば無理だが。」


那智「何か策があるんだな?」


提督「ああ。でもまずは訓練してみんなの実力を見たい。」


訓練場


比叡「主砲斉射。」


電「命中させちゃいます。」


提督「二人とも凄いな的のど真ん中だ。」


一同「おお。」


提督「次は、摩耶と那智。」


摩耶「摩耶様の砲撃だ喰らえ!」


那智「てー。」


提督「二人とも命中と。上々だな。次は龍驤だな。」


龍驤「よーし一気に決めるでー。」


提督「無駄のないこの動き。これが数値では計れない実力か。凄いぞ。」


電「さすが、一航戦の旗艦なのです。」


龍驤「もっと褒めて褒めて〜。」ニヤニヤ


提督「じゃあ砲撃訓練は以上だ。」


長波「まだ、あたし達やってい無いけど。」


提督「駆逐艦立ちには今回は魚雷戦に力を注いで欲しくてな。それにプラスして全員対空射撃をマスターしてもらわなくてはいけない。」


比叡「それ、絶対厳しいやつじゃないですかー。」


提督「まずは第一段階一週間基礎を叩き込めこれ!」


一同「ひえ〜。」


一週間後


白雪「でも、ちゃんと休みはくれるんですね。」


磯波「そこは安心できます。今の司令官は。」


比叡「皆さん揃いましたね。」


清霜「あれ?司令官は?」


比叡「風邪です。」


那智「……」フッ


比叡「で、これから皆さんには哨戒任務に当たってもらいます。」


龍驤「初めての任務やな。でもこれからって夜中やん。」


比叡「ええ。夜間に行ってもらいます。」


摩耶「なんで夜なんだよ。」


比叡「最近、深海棲艦の活動が活発になってきているので見回りも兼ねて、夜間訓練と言うことで。」


龍驤「でも、夜間ちゅうたら空母は行っても無駄ちゃうん?」


比叡「今回はそこも踏まえて、那智を旗艦、随伴を駆逐艦の計6隻でやってもらいます。」


那智「なるほどな。では、那智戦隊出撃する!」


海上


長波「真っ暗でなんも見えないじゃん。」


那智「夜目をならさなくてはな。」


磯波「敵艦はやっぱりいるのでしょうか。」


那智「それは分からないが、万が一のために定時報告と、夜戦装備を持ってきているからな。」


??「探照灯照射!」


電(!?あれは探照灯!?)


(2016/10/17/20:29更新)




第7話横須賀の影


三日前横須賀鎮守府


横須賀鎮守府ではまもなく立案される大規模作戦のため、敵棲地の強行偵察を行っていた。


(以下、隆平は横提と記します。)


横提「必ず強行偵察を成功させろと言っただろ!」


神通「すいませんでした。しかし、駆逐艦の子達の損害が大きく進撃は危険と判断し撤退しました。」


横提「馬鹿野郎。沈んでも成功させろと言ったはずだ。いいか、お前ら兵器なんざ、替えはいくらでもいるんだよ!」


神通「くっ……」


横提「はぁ。お前には失望したよ。神通。本日をもって第二水雷戦隊の旗艦から解任。および、解体の命令を出す。そうだな。二水戦の旗艦は能代にするか。」


神通「……」


陽炎「ちょっとそれは無いんじゃない?」


不知火「そうです。神通は私たちを守ろうと……」


横提「つべこべうるさい。お前ら兵器に発言権はねぇ。」


黒潮「だったら神通さんじゃのうて、ウチらが解体されるべきやん?」


親潮「黒潮さんの言う通りです。神通さんにはなんの責任もありません。」


横提「うるせぇなぁ雑魚共が。お前らも解体だ。ちょうど夕雲型の新人が入ってくる。ちょうどいい。」


大淀「それはちょっと酷すぎでは無いですか?」


横提「大淀。お前まで俺にたてつく気か。」


大淀「……いえ。なんでもありません。」


横提「よろしい。」


大淀「……」


横提「あー。能代と赤城はすぐ執務室に来い。」


能代「参上いたしました。」


横提「お前は今日から二水戦の旗艦をやれ。」


能代「神通さんはどうなるんですか?」


横提「今日で解体だ。」


能代「そんな!神通さん!」


神通「駆逐艦の子達だけでも除外してください!私がなんでもしますから!」


横提「それは無理だ。大淀連れていけ。」


神通「能代さん。私のあとを頼みますね。それでは大淀さん。」


大淀「わかりました……」


赤城「参上いたしました。」


横提「今日からお前たち「人間」の護衛艦隊の「兵器」どもが代わるから。よろしく。」


赤城「能代さん。よろしくお願いしますね。前の無能兵器のようにならないように。それでは。」


能代「……そんな……うそ……」


横須賀海軍工廠


大淀「明石いる?」


明石「ここにいるよー。大淀が来るってことは……」


大淀「ええ。そうよ。」


明石「今回は誰?」


神通「よろしくお願いします。」


明石「神通!?なんで!」


大淀「それはあの人に聞いてください。」


黒潮「なあ、うちらほんとに解体されてしまうんやろか?」ヒソヒソ


不知火「それが運命ならば受け入れるまでです。」ヒソヒソ


親潮「でも解体って退役って事ですよね。」ヒソヒソ


陽炎「そうだったかしら?」ヒソヒソ


明石「それは違うわ。一般的には解体と退役は同じと捉えられることが多いけど、実際は違うの。退役はその名の通り、艦娘を辞める事よ。けど解体は艦娘を装備諸共解体。つまり死ぬの。」


陽炎「じゃあ私たち」


黒潮「死ぬん?」


不知火「ぬい!?」


親潮「死にたくないです。」ウルウル


大淀「大丈夫よ。解体はしないから安心してください。」


陽炎「どういう事よ。」


大淀「実は私たちはあの人が着任した当初から目をつけていまして。それに前任の提督にも注意するように言われていて。そしたら案の定1週間に1回のペースで解体艦が現れました。」


明石「そこで、私たちで秘密の部屋に入れて面倒を見てるんです。」


黒潮「じゃあウチらもその部屋に入れてもらえるんやな。」


大淀「それは難しいです。」


明石「解体艦はあなた達で20隻目。流石に面倒見きれないです。」


不知火「それでは不知火達は……」


大淀「それはさせません。しかしどうすれば。」


明石「あ。そうだ。大淀。パラオ泊地って知ってる?」


大淀「ええ。汚職事件があって今は司令官が代わったとか。」


明石「そうよ。実はその後任があの和泉候補生らしいのよ。」


大淀「和泉さんがやってるの?」


明石「で、そこに置いてもらうのは?」


大淀「迷惑にならないかしら。」


明石「あの人なら押し切れると思う。」


大淀「ええ……そうね。ということであなた達にはこれからパラオ泊地に極秘で向かってもらいます。」


明石「装備はここに置いておかなくちゃいけないから最低限しか載せて挙げられないけど。ごめんね。」


陽炎「ちょっとそのパラオなんてとこの司令はほんとに大丈夫なの?」


大淀「1ヶ月前まで今の提督の他にもう一人男の方がいたでしょ?」


黒潮「あーあのすごいいい人オーラ出しつつ影が薄いあの人だったんか。」


神通「ここはその人を信じるしかありません。大淀さん。ここのことは頼みました。」ビシッ


大淀「神通さんもお気をつけて。」ビシッ


洋上にて


陽炎「それにしても体が軽いわ。」


親潮「陽炎姉さん。それもそうです。私たちの装備は12cm単装砲に三連装魚雷。神通さんも14cm単装砲に水偵。」


不知火「ほとんど廃棄寸前のものですね。」


黒潮「でも命助けてもらっただけでありがたいことやで。」


不知火「そうですよね。大淀さんたちに感謝です。」

神通「横須賀を出発してから1日経って、まもなくパラオ周辺海域に到着する予定です。日も暮れるので夜間警戒を厳としてください。」


一同「はい!」


親潮「神通さん。前方1時の方向に影あり。敵味方不明です。」


神通(敵なはずはないですけど、この周辺で深海棲艦が目撃されている...ここは...)


神通「探照灯照射!」


(2016/10/25/23:11更新)




第8話再会


那智「探照灯だと!?電報告を。」


電「はい。敵味方不明の艦が5。巡洋艦級1、駆逐級4なのです。」


那智「敵味方不明だから極力交戦は避けろ。電こっちも探照灯を。」


電「了解なのです。探照灯照射。」


ーー


陽炎「神通さん。向こうも探照灯照射し来てました。」


神通「敵味方が分かりませんから極力交戦は避けてください。」


神通「ですが、各艦臨戦態勢に入ってください。」


陽炎たち「了解!」


ーー


??「……臨戦態勢に入ってください。」


那智「ん?この声はもしや。」


那智「おーい雫ー。」


神通「この声は姉さん!?」


神通「姉さんだったんですね。」


那智「ああ。雫久しぶりだな。」


川内型2番艦神通:(本名:白鳥雫)22歳

那智(本名:白鳥楓、23歳)の実の妹。幼い頃、手違いで艦娘候補生となった。しかし、姉妹揃って才能を開花させた。強い(確信)


神通「ええ。姉さんこそお元気で。」


那智・神通「大丈夫だ(です)味方だ(ですよ)。」


電「神通さんとお知り合いなのですか?」


那智「私の実の妹だ。細かい話はあとにしよう。私の所属してる泊地が近くにある。そこに案内しよう。」


神通「その泊地とは?」


那智「パラオ泊地だ。」


陽炎「みんな聞いた?パラオ泊地ですって!」


電「パラオ泊地に向かっていたのですか?」


神通「ええ。実は……」


那智「とりあえず移動しよう。移動中に話してくれ。」


パラオ泊地前


神通「ということです。」


電「横須賀が今そんなことに。」


親潮「ここの司令官は私たちを預かってくれるでしょうか。」


清霜「大丈夫よ。ここの司令官なら。」


執務室


提督「敵味方不明艦と会敵してから更新が無いが、那智たちは大丈夫だろうか。」


比叡「ここら辺は深海棲艦は通常いないですが、最近深海棲艦の活動が活発になっているとの報告もあるので心配ですね。」


コンコン


那智「失礼する。」


提督「おお。帰ってきたか。大丈夫か?」


那智「私らはなんの問題もないが、途中で拾い物をしてな。」


比叡「拾い物ですか?」


神通「失礼します。神通以下元第2水雷戦隊です。」


提督「横須賀のか!?って元?」


那智「実はな……かくかくしかじかこうこう言うことでさ。」


提督「なるほど。で、うちで匿って欲しいと。」


神通「はい。是非よろしくお願いします。」


提督「それは構わないが。」


神通「それはありがとうございます!では、こちらを。」


提督「?これは電話?」


??『あーもしもし?』


提督「うわぁ。なんだ急に。ん?その声は明石か?」


明石『流石です和泉さん。今はパラオ泊地指揮官でしたっけ。』


提督「別に好きな呼び方で呼んでくれればいいが。で、この電話はなんだ?」


明石『ああ。これはですね。提督との会話を誰かに盗聴されないように発明した明石印の秘密電話ですよ。』


提督「また何とも絶妙なネーミングセンスだな。」


明石『いいえ。それほどでも。』


提督「褒めてねぇ。」


神通(すごいこの人明石さんのボケに流れるようにツッコミしている。)


提督「で、用件はなんだ。こんなのわざわざ作ったんだから重要なことだろ?」


明石『ええ。神通から聞いたと思いますが、横須賀が今大変なことになってます。』


提督「聞いたぞ。」


明石『それで、私たちはクーデターを考えているのですが、それが実行できない理由があります。』


提督「理由?隆平とその上の本営の力が強いとか?」


明石『それもあるんですが、あいつらに艦娘の中で味方してる人がいるんです。』


提督「そんな奴がいるのかよ。」


那智「そんなゲスい奴らは誰なんだ。」


明石『まあそうカッカしないで……えーと。』


大淀『那智さんよ。』


明石『ああ。那智さん。』


提督「なんだ大淀をいるのか。」


大淀『ご無沙汰しております。朝一さん。』


明石『それでその人たちは、一航戦、二航戦の空母です。』


提督「一航戦、二航戦ってあの最強の空母機動部隊を編成してる赤城たちだよな。あいつらと来週演習するんだが。」


明石『今の空母機動部隊はそんなに強くありません。自分たち以外を兵器と見なし、失敗は兵器のせい。ろくに訓練もしてません。』


提督「そうか。しかし、数で押し切られる場合もあるからな。」


明石『まあ。現状伝えるべきことはこれだけです。』


提督「これだけってもなかなかひどいがな。こちらからもなんとか対策を練ってみる。演習が終わったあとに本土に戻る予定もあるしな。」


明石『ありがとうございます。で、この回線誰かに悟られないよう3秒後に爆発するので。それでは〜。』


提督「えっちょっとこら。それではじゃねぇだろ!」


3.2.1.PON


(2016/10/29/21:44)




第9話開戦!対横須賀戦


1週間後


提督「先週はひどい目にあったぞ。」


神通「まあ。提督そう怒らずに……」


提督「そうだ。比叡たちはもう演習予定海域についたか?」


神通「まもなく到着するようです。」


提督「悪いなぁ。まだこっちに来たばっかりなのに秘書艦を任せてしまってな。」


神通「いえ。お気になさらず。そろそろ会場に移動なされては?」


提督「ああ。そうだな。君たちはこれを着てくれ。」


神通「これは?」


提督「俺のお古と駆逐艦の制服だ。これを組み合わせれば誤魔化せるだろ。君たちは解体された身だからな。30分後に出発するからそれまでにここに来てくれ。」


神通「了解。」


ーパブリックビューイング会場ー開始前インタビュー


司会「それでは最後におふたりから一言お願いします。」


隆平「今回は海軍の汚名返上と言うことでこの場を設けさせていただきました。精一杯艦娘も頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。」


朝一「今回、私の同期である豊田に乗せられた感じはありますが、我々も結果を残せるよう努力致しますのでよろしくお願いします。」


司会「では、握手を。」


隆平「よろしくな朝一。」チリチリ


朝一「こちらこそ隆平。」チリチリ


比叡(すごい火花散ってる^^;)


司会「それではお二方は別々のモニタールームへ移動をお願いします。」


(ここからしばらく、パブリックビューイング会場の状況と比叡たち、赤城たちの戦闘シーンが交互になりますが、ご了承ください。)


ーパブリックビューイング会場


河原『2人のインタビューも終わり、まもなく横須賀鎮守府対パラオ泊地の演習が始まります。実況を務めます日木テレビアナウンサー河原です。』


荒井『解説の荒井です。』


河原『さて、荒井さん。今回は横須賀鎮守府の方から演習をやらないかとパラオ泊地に声掛けがあったそうですが、この演習どう見ますか?』


荒井『ええ。今回はパラオ泊地そして、海軍のイメージアップがあると思います。最近不祥事が続きイメージダウンしてしまっていますからね。ここは、好戦を見せてという感じでしょうか。』


河原『なるほど。おっと、ここで編成の情報が入ってきました。』


荒井『どう言ったものでしょうか。』


河原『まず、横須賀鎮守府ですが……。日本最強の空母機動部隊から一航戦、二航戦の空母4隻。そして戦艦2隻。また、対空兵装に特化した新型駆逐艦3隻の計9隻ということです。』


荒井『これはなかなか本気を出してきましたね。』


河原『この陣形は堂々の輪形陣。』


荒井『横須賀は航空戦だけで勝負をつけようとしているようです。』


荒井『パラオ泊地はどうなんでしょう。』


河原『……パラオ泊地ですが、小型空母1隻、戦艦1隻、重巡洋艦2隻、駆逐艦5隻の計9隻ということです。荒井さん。これは……』


荒井『これは……確かにさっき言った9隻がパラオ泊地に登録されている艦娘全員ですが……横須賀鎮守府はパラオ泊地を完膚なきにしたいようです。』


河原『おや?これは独特な陣形ですね。』


荒井『艦隊を大きく二分させているのが特徴ですね。そして、前衛部隊の駆逐艦が1隻だけ突出しているのも。これはどういう目的なのか見当がつきません。』


河原『それではまもなく試合開始です。』


ー海上(パラオ艦隊)


龍驤「そろそろやな。」


比叡「ヒトマルマルマル。戦闘を開始します。まずは、摩耶、那智の索敵機計8機で確実に敵艦隊を補足します。」


2人「了解。」


清霜「初の実戦。緊張します…」


龍驤「大丈夫や。リハ通りやれば大丈夫やし、それに…司令官はウチらを信じて陸で待っとる。」


清霜「清霜。頑張ります!」


那智「やけに信頼してるなぁ龍驤。」


龍驤「信じて見なきゃなんも変らんと思てな。」


那智「ああそうか。ならよかった。」


ー海上(横須賀艦隊)


加賀「赤城さん。戦闘開始時間だわ。」


蒼龍「赤城さん。もう攻撃隊出しちゃいましょうよ。敵は弱いですしすぐ見つかりますよ。時間短縮です。」


赤城「そうですね。そうs…」


飛龍「私は索敵機を出した方がいいと思います。その方が確実に攻撃できます。もしかしたら一気にたたけるかもしれせん。」


赤城「わかりました飛龍の提案をのみます。」


飛龍「ありがとうございます!」


飛龍(私がみんなを元に戻さなくちゃ。)


赤城「各艦索敵機を出してください。」シュパッ


赤城「今回は随伴の役目はないですね。」


秋月「はい……」


赤城「もっと大きな声で!」


秋月「はい!」


赤城「皆さん兵器なんですからそれぐらいちゃんとしてください。」


飛龍「……」


照月「10時の方向、敵機です。」


加賀「あれは、巡洋艦の偵察機ね。まあ、向こうの航空戦力は少ないですから特に気にする必要は無いでしょう。」


赤城「ええ。」


ーそれと時を同じくして海上(パラオ艦隊)


那智「那智1号機より入電。我敵艦隊ヲ発見ス。位置〇〇地点。」


龍驤「見つかったか。」


比叡「よし。計画通り。発見されました?」


那智「見られたようだが、特に動きはないとのこと。」


摩耶「マジであんなガバガバは計画の通りに行ってんのかよ。」


比叡「電ちゃん聞こえる?」


電『聞こえてるのです。』


比叡「敵艦隊を発見したので報告しておくね。」


電『了解なのです。』


比叡「最初の空襲は電ちゃんにかかってるからねよろしく頼むよ。」


電『任せるのです。電たちがお守りします。』


比叡「頼もしいね。」


電『そろそr…偵察機確認しました。ここからだと12時の方向なのです。』


比叡「了解。じゃあまた。」


龍驤「こっちも見つかったようやな。」


摩耶「さあここからだぜ。防空巡洋艦摩耶様の力見してやる。」


ー海上(横須賀艦隊)


蒼龍「蒼龍3番機より入電。我敵艦隊ヲ発見ス。」


加賀「位置は?」


蒼龍「××地点です。」


加賀「赤城さん。ここは、艦戦を最小限にして一気に叩くべきです。逆にここで残れば反撃されるかも知れません。」


飛龍「ですが、加賀さん。相手がどんな戦術を使ってくるか分かりませんし。」


赤城「いえ飛龍。ここは加賀さんの提案が良いでしょう。一気に叩けばそれだけ早く終われます。」


飛龍「ですが...」


蒼龍「飛龍、ここは任せようよ。」


飛龍「...」


日向「赤城、ここは飛龍に従うべきでは?」


赤城「随伴の兵器ごときが私に意見するんですか?」


日向「っ...」


伊勢「日向...赤城さんすみませんでした。」


赤城「言葉を慎んで下さいね。」


伊勢「すいませんでした。」


日向「しかし、伊勢...」ヒソヒソ


伊勢「日向、今は何言ってもダメだよ。」ヒソヒソ


赤城「それでは、艦戦は最小限として攻撃隊を発艦して下さい。」


赤城「一航戦。」


蒼龍「二航戦。」


三人「第1次攻撃隊発艦。」


飛龍「第1次攻撃隊発艦...」


ーパブリンクビューイング会場


河原『さて、両者お互いに発見し、先手は横須賀艦隊が攻撃隊を発艦しました。』


荒井『先に発見していたパラオ艦隊が何も行動していないのが気になりますね。それに、この独特な艦隊を二分する陣形も気になります。』


河原『今後の両者の戦略が気になるところです。』


神通(なぜ、こちらは先手を打たなかったのでしょう。航空戦は先手必勝。提督も分かってらっしゃるはず。なぜ...)フーム


陽炎(今日の夕飯何だろな。)フーム


不知火(この洋服かわいいかな。)フーム


黒潮(お好み焼き食べたいなぁ。)フーム


親潮(今回は神通さんに加えて、姉さんたち真剣に考えてる。見習わなくちゃ。)


ー海上(パラオ艦隊)


比叡「偵察機より入電。敵が第1次攻撃隊を出したそうよ。」


龍驤「とは言うても距離あんまり離れておらんからすぐ来てまうで。」


電『あのみなさん。あたりですね。対空電探に感3。12時の方向敵機です。数は約200。』


那智「さあそろそろ作戦発動というところだな。」


比叡「頼みましたよ電ちゃん。」


ー海上(パラオ前衛艦隊)


電「了解なのです。みんなさん準備は良いですか?」


清霜「う~緊張する。」


長波「あたし達にとっちゃ初めての本格的な戦闘だからな。」


白雪「私も久しぶりです。」


磯波「足を引っ張らないようにしなくちゃ。」


電「くれぐれもみなさん無理はしないで下さいね。さて、始めますよ。」


(2016/11/4/0:02更新)




第10話奇襲


ー海上(パラオ前衛艦隊)


白雪「電ちゃん詳細分かったよ。戦闘機15、攻撃機85、爆撃機100。」


電「了解したのです。」


比叡『こっちもOKだよー。』


龍驤『まさか思ってたとおりになるとは。しかも予想より少ないし。』


電「来ますよ!全艦、対空戦闘よーい。撃ち方始め!」


4人「撃ち方始め!」


電「艦載機の皆さんお願いします。まずは、戦闘機です。」


清霜(凄いな電さん。龍驤さんの艦載機を自由自在に扱って敵の戦闘機を確実に落としていってる。)


磯波「電ちゃん!2時の方向敵機です。気をつけて!」


電「任せたのです。」


長波「はいよ。長波様の本気見せてあげましょうかね。」


清霜「それにしても多いよ。これじゃ捌ききれない。」


白雪「主砲で弾幕張りましょう。」


電「戦闘機撃墜6、撃破8。こちらは被撃墜3。」


長波「戦闘機は削れたな。」


白雪「また敵機です。爆撃機約20。多分、これで最後です。」


磯波「あれは!?」


電「そうですね。江草隊に間違いないのです。」


長波「おいおい。ただの九九艦爆だろ?今まで結構撃ち落としてきたじゃないか。」


白雪「二航戦蒼龍最高練度を誇る九九艦爆江草隊。あの一航戦の艦載機をも超えると言われるほどの高練度。注意が必要ですね。しかし、ここで突っ込んでくるとは何なんでしょう。本命は本体のはず。ここで消耗しては再攻撃出来ないのでは?」


長波「EXILEだかなんだか知らんが撃ち落とすまでよ!」


電「艦載機も回します。」


清霜「あれ?意外とあっさり落とせたよ?」


磯波「何だったんでしょうか。しかしまだ注意が必要ですね。」


長波「そのEXILE隊一機うち漏らしてどっか消えたからな。まだ爆弾抱えてたし攻撃してくるかもしれない。」


清霜「まあでもひと安心だねー。」


長波「清霜!直上!」


清霜「うそ」


ヒューズドーン


清霜「電さん!?」


電「さすが江草隊。至近弾でも中破にされたのです。」


清霜「電さん。なんで。」


電「清霜ちゃん。ここは演習とはいえ戦場。それにみんなまだ任務が残っているのです。」


清霜「ごめんなさい。」


電「比叡さん。」


比叡『電ちゃんそっちはどう?』


電「一応やるだけやりましたが、100機ほどそちらに向かいました。」


比叡『あれはどうだった?』


電「江草隊は全機撃破したのですが、友永隊はこちらから確認できませんでした。」


比叡『そう。でも江草隊全機撃破は凄いじゃない。これで私たちも少し楽になったよ。』


電「いえいえ。」


長波「その長友隊ってなんだ?EXILE隊みたいなもんか?」


磯波「長波ちゃん。長友隊じゃなくて友永隊ですし、EXILE隊じゃなて江草隊です。サッカー選手やアイドルじゃないんですから。」


白雪「飛龍友永隊は蒼龍江草隊とともに二航戦最高練度を誇る攻撃隊。江草隊と同じくその練度は一航戦をも凌ぐと言われています。それに江草隊の急降下爆撃、友永隊の超低空雷撃を組み合わせればどんな艦隊も即撃沈と言われるほどです。」^^;


清霜「じゃあなんで同時に攻撃してこなかったんだろう。」


電「それは分かりませんね。」


ー海上(パラオ艦隊)


比叡「江草隊全機撃破したそうです。」


龍驤「あの子らやるなぁ。」


那智「随分こっちが楽になったな。」


比叡「戦闘機は撃破したもののまだ100機程攻撃機がこちらに向かってきてるそうよ。」


摩耶「やっと半分か。駆逐たちが頑張っても。」


龍驤「そうや。友永隊は?」


比叡「確認出来なかったって。」


摩耶「友永隊は出してなくて江草隊だけ出してる可能性は?」


那智「それはないだろう。確かにそれぞれでも強いが、二つが組み合わさって最強になっている。わざわざ戦力を落とすようなことはしないだろう。」


龍驤「でも江草隊全機撃破してるしなぁ。どうなんやろ。」


摩耶「おっと。敵さんのお出ましだぜ。対空電探に感あり!12時の方向、数100!」


龍驤「よっしゃー。直掩機発艦始め!」


比叡「三式弾装填。全艦対空戦闘撃ち方始めぇ!」


摩耶「流石に数が多いな。間に合わねぇ。」


那智「雷撃隊がコースに入ったぞ!」


比叡「全艦回避運動!」ズドーン


摩耶「爆撃隊接近。来るぜ。」


那智「ぐっ。ちっ。直撃食らったか。」ズドーン


龍驤「ちっ。直掩機が一機やられてもうた。」


摩耶「よし一機撃墜!」ポン


比叡「私が、敵機引き寄せるから3人は体制を立て直して!」


那智「たが。」


比叡「大丈夫よ。これでも私戦艦だから。」


摩耶「ふっ。頼んだぜ。」


龍驤「あいよ。頼むで戦艦さん。」


比叡「ほら、来なさい。」ズドーン


比叡「っ。これくらいヘッチャラよ。」


那智「後ろからの撃墜完了した。」


摩耶「敵機が帰っていくぞ。」


比叡「全員周りを確認して。」


比叡「敵機が帰ったみたいね。各艦損傷報告。」


那智「4番砲塔旋回不可だが、修理は可能。」


摩耶「第1魚雷発射管装填装置故障。修理はできねぇ見たいだな。」


比叡「あたしも小破。なとか踏ん張れたわね。龍驤は?」


龍驤「うちは無傷や。安心せい。」


比叡「なんとか乗り越えたわね。でも思った以上に被害が……」


龍驤「でもあの規模でこれならいい方やろ。」


摩耶「そうだよ。この摩耶様も少し…その足が引いたというか……」


那智「要するに怖かったんだろ。」ハハ


摩耶「うっせーな!」


電「みなさーん。大丈夫なのですか?」


比叡「電ちゃーん。大丈夫よ。よし、これで合流完了ね。」


ーパブリックビューイング会場


河原『先程、横須賀艦隊から発艦した艦載機200機がパラオ艦隊に空襲を仕掛けたようです。』


荒井『200機ですか。これはパラオ艦隊にとっては大損害だったでしょう。』


河原『それがですね。駆逐艦1隻が中破。巡洋艦2隻、戦艦1隻が小破。これだけなんです。荒井さん、見解はどうでしょうか。』


荒井『あーなるほど。これだけ被害が少ないのはこの二分された艦隊、そして一番前にいる駆逐艦にあります。』


河原『どう言ったことでしょう。』


荒井『駆逐艦で編成された前衛艦隊は対空特化にされています。また、戦闘の駆逐艦が対空ピケット艦の役目をおっています。』


河原『対空ピケット艦とはどの様なものなのでしょうか。』


荒井『一般的には艦隊の戦闘に対空電探を搭載し、艦隊の対空の目となる艦のことを言います。今回は、ピケット艦が直接艦載機を操ることによって精度を高めていたんだと思います。』


河原『なるほど、それでは前衛艦隊との戦闘で隊列が上手く取れていないところを後方の艦隊が撃破したということですね。』


荒井『その通りです。』


河原『物量で押す横須賀艦隊に、パラオ艦隊は特殊な戦法を取って立ち向かうことは出来るのでしょうか。』


陽炎「あの人たちホントに空襲乗り切ったわよ!?」


不知火「不知火も驚きです。」


陽炎「あ!それ私のホットドッグ!」


不知火「不知火に落ち度でも?」


陽炎「落ち度しかないわよ!早く返しなさい!」


不知火「食べてしまったものはもう返せません。」


陽炎「なにをー!?」ビリビリ


親潮「あのー。陽炎姉さん、不知火姉さん落ち着いてください。」


黒潮「親潮〜。2人はあーなったらても付けられへん。たこ焼きこおてこよ。」


神通「全くあなた達は……」


ー海上(横須賀艦隊)


加賀「なかなか第一次攻撃隊から報告が来ませんね。」


蒼龍「きっと無線機の故障でしょう。」


赤城「何百機一緒に?」


飛龍「第一次攻撃隊より入電!我、壊滅的ナ被害ヲ受ケリ。約150機ガ撃墜破サレタリ。」


赤城「何ですって!?」


蒼龍「150機も!?」


加賀「相手の被害は!?」


飛龍「確認できたのは至近弾を受けた巡洋艦2隻と、戦艦1隻が小破。ちなみに江草隊は全機撃墜されたそうよ。」


蒼龍「うそ。そんな……」


加賀「赤城さん。すぐに反撃しましょう。」


飛龍「あと、1つ。向こうの軽空母は龍驤さんらしいわ。」


赤城「さすが師匠の龍驤さんです。もしかしたらこうやって私たちの艦載機をすり減らしていく作戦かも知れません。」


加賀「では、索敵機を放ち確実に敵艦隊の位置を補足、その直後付近に待機させていた全艦載機で叩くというのは。」


蒼龍「オマケに二手に攻撃隊を分けて同時攻撃したら流石に相手もキツイと思います。相手も無傷ではありませんし。」


赤城「では、そうしましょう。最優先は空母龍驤。」


飛龍「ダメな気がするなぁ」ボソッ


伊勢「あたしもそう思う。」ヒソヒソ


日向「ああ。私もだ。」ヒソヒソ


赤城「飛龍!早く艦載機をあげてください。この作戦は時間との戦いなんですよ!」


飛龍「すみません!」


日向「飛龍も大変だな。」


ー海上(パラオ艦隊)


比叡「龍驤が囮!?」


龍驤「そうや。うち龍驤を確認したら赤城たちはすぐさま第二次攻撃隊を出してくる。それにうちは艦載機の発艦作業もある。足を引っ張るだけや。」


摩耶「でもな龍驤。次の作戦では貴様の艦載機が頼りなんだぞ。」


龍驤「そうや。比叡たちは白雪たちはと途中まで一緒に、艦載機は長波に付けて真ん中に隙間を開けるのはどうや。これなら攻撃隊もしっかり届くし、みんなも安心やろ。」


摩耶「でも龍驤……」


那智「いいだろう。龍驤の案乗った。なあ比叡。」


比叡「ええ。今の状況では主力がど真ん中から行くと先に向こうの餌食になる。でも1隻だと囮に見えない?」


電「電が行くのです。」


比叡「電ちゃんが。」


電「電はさっき中破してしまいました。タービンも損傷して25ktしか出せないのです。艦隊の足を引っ張るだけなのです。」


比叡「分かったわよろしく頼んだよ2人とも!」


2人「了解(なのです)」


摩耶「でも、龍驤……囮は大丈夫なのか。」


龍驤「ああ。第二次ソロモンの時か。今回はあれとは違う。意味がある囮や。それにこれは演習。大丈夫や。気にせんでええ。」


摩耶「そうか……」


龍驤「攻撃隊全機発艦!」


ー海上(パラオ艦隊白雪隊)


白雪「龍驤さんたちは大丈夫でしょうか。」


磯波「大丈夫よ。きっと。電ちゃんも。」


比叡「龍驤から入電。我敵機ノ空襲ヲ受ク。」


摩耶「始まったか。」


白雪「では、ここで私たちは先行します。」


那智「頼んだ。」


白雪「両舷前進最大戦速!」


磯波「両舷前進最大戦速。」


ー海上(パラオ艦隊長波隊)


長波「駆逐艦2隻に50機も直掩機がいるなんてどんな光景だよ。」


清霜「不思議だね。」


長波「なあ清霜。」


清霜「何?長波姉さん?」


長波「……何でもない。龍驤さんから入電。我敵機ノ空襲ヲ受ク。」


清霜「始まったね。」


長波「清霜。艦載機に発行信号。貴コレヨリ先行セヨ。指定通リ攻撃セヨ。健闘ヲ祈ル。」


清霜「了解。」


ー海上(横須賀艦隊)


加賀「加賀1番機より入電。空母及び駆逐艦を発見し、爆撃を敢行中。」


蒼龍「なんで2隻?」


加賀「駆逐艦は中破してるので、速力が落ちて艦隊から脱落したのでは?」


赤城「龍驤さんは攻撃隊を出して遅れた可能性があります。総員、対空警戒を厳として!」


全員「了解!」


伊勢「やっとまともな指示が出た。」


ーパブリックビューイング会場


河原『横須賀艦隊から空襲を受けた後、パラオ艦隊は艦隊を四分割しました。』


荒井『これは、四方面から作戦を仕掛けて相手を混乱させる作戦でしょうか。』


河原『しかし、そのうちの一番後方に控えていた空母と駆逐艦1隻の部隊が横須賀艦隊に捕捉され、空襲を受けています。』


荒井『囮か、それとも違うのか気になります。しかし、パラオ艦隊は攻撃隊の発艦を済ましているので囮ですかね。』


河原『今、連絡が入ってきました。横須賀艦隊のわ空襲によりパラオ艦隊の駆逐艦1隻と空母1隻に轟沈判定が出しました。』


荒井『数の面でも、制空の面でも横須賀艦隊がリードとなりました。パラオ艦隊はどう対処してくるのでしょうか。』


陽炎「あら。電ちゃんと龍驤さんやられちゃったよどうするのこれ。」


神通「提督にもなにか考えがあるんでしょう。無駄死にだけはさせないはずよ。」


陽炎「神通さん……二人とも死んでないですよ。」


不知火「あら、陽炎。少しはまともな事も言えるんですね。」


陽炎「ナニヨー。」ビリビリ


親潮「デジャヴ。」


黒潮「あーあ。焼きそばでも買いに行こ。親潮来る?」


親潮「あ、はい行きます。」


神通「全く……。」


黒潮「神通さんもいります?買ってきますよ。」


神通「1つ……お願いします。」


ー海上(パラオ艦隊白雪隊)


白雪「作戦海域に到着しました。」


磯波「長波ちゃん。そっちは着いた?」


長波『おうよ。こっちも着いたぜ。』


比叡『白雪ちゃんも長波ちゃんも着いたね?じゃあ打ち合わせ通り作戦を決行してください。こちらは無線切ります。』


白雪「磯波ちゃん行くよ。」


磯波「はい!」


白雪「目標捕捉。右舷魚雷戦よーい。……てー。」


白雪「一撃離脱。足を止めないで!」


磯波「これより一時海域を離脱します。」


長波『おーけー。清霜こっちも行くよ!』


清霜『了解。』


長波『目標捕捉。左弦魚雷戦よーい。……てー。』


清霜『艦載機さんたちもタイミングバッチリね。』



ー海上(横須賀艦隊)


加賀「駆逐艦1隻、空母1隻の轟沈判定を確認。」


蒼龍「よし。これで勝ったも同然!」


赤城「第二次攻撃隊を収容しつつ、索敵機で水上艦隊の位置を探ります。」


飛龍(そんな上手くいかないよなー。)


照月「十二時の方向より敵機。およそ50。」


赤城「堂々の正面突破ね。迎撃機は無い。対空砲火で向かい打ちます。総員対空戦闘よーい。」


伊勢「赤城!二時の方向より水深音多数。魚雷12本接近中。」


赤城「何ですって!」


ズドーン


(2016/11/18/22:30更新)[お待たせしました!!]




第11話慢心、そして…


赤城「全艦回避運動!」


ズドーン


赤城「各艦被害報告!」


初月「すまない。中破だ。」


秋月「すみません。轟沈判定です。」


蒼龍「痛っ。中破だ。」


赤城「随伴は身を呈してでも私たちを守りなさいよ!」


伊勢「今度は10時の方向から水深音多数。」


赤城「うそ!?」


ズドーン


照月「私も初月ちゃんも轟沈判定……」


日向「私たちは小破。」


赤城「総崩れじゃない!」


加賀「攻撃隊接近中。」


飛龍「回避!」


日向「今度は2時、10時両方から水深音。また来るぞ!」


赤城「ちっ。」


ー海上(パラオ艦隊比叡隊)


比叡「偵察機より入電。さっきの奇襲で護衛の駆逐艦3隻全員轟沈判定。あと、空母1隻中破、戦艦2隻小破。」


摩耶「すげーなアイツら!」


那智「まさか予想以上の戦果だ。」


摩耶「そろそろあいつら下がらせるか。」


比叡「白雪隊、長波隊は艦載機の突入後、後退してください。ものすごい戦果よ。ありがと。」


白雪『ありがとうございます!』


長波『了解。』


那智「電探に感あり。本隊だぞ。」


比叡「よし。龍驤隊の突入後にこちらも突入します!」


ズドーン


摩耶「!?」


那智「摩耶!」


摩耶「チッ。食らっちまった。」


比叡「完全に捕捉されてる。摩耶大丈夫?」


摩耶「ああ。このクソが!反撃だ!」


那智「それはダメだ。」


摩耶「なんでだよ!」


比叡「今、こっちは完全に補足されている。この状況で突入したら好い鴨よ。」


摩耶「じゃあせめて1発。」


那智「既に龍驤隊が攻撃ルートに入ってる。相打ちになる可能性もあるだろ。」


摩耶「っ……」


比叡「とにかく撤退します。」


比叡『こちら比叡隊、敵からの砲撃を受けて被害あり。これより一時撤退、その後頃合を見て再突入します。』


比叡「くっ。まだ撃ってくるの。」


ー海上(横須賀艦隊)


日向「電探に感あり。恐らく、比叡を含む打撃部隊。」


伊勢「いよいよ。本隊のお出ましか。」


日向「今、来られたら4方から攻撃を受けることになる。」


伊勢「分かってるよ。日向。目標、前方打撃部隊。主砲一斉射!」


伊勢「てー。」ズドーン


日向「命中弾確認。巡洋艦中破!」


伊勢「よし命中!」


日向「後退していくが念のためにもう1発撃っておこう。」


伊勢「あいよ!」ズドーン


赤城「雷撃隊コースに入ったわ!全艦回避運動!」


蒼龍「きゃっ。」


飛龍「伊勢!日向!直上!」


伊勢「やっぱりダメかー。」


日向「まあ、そうなるな。」ズドーン


伊勢、日向、大破判定


飛龍「赤城さん!加賀さん!」


蒼龍「打撃部隊再接近。」


飛龍「っ。やっぱりそうなるよねー。分かってたけどさー。」


ーパブリックビューイング会場


河原『ただいま、戦闘終了の情報が入ってまいりました。』


荒井『結果はどうなったのでしょうか。』


河原『パラオ艦隊、撃沈2、中破1、小破2。横須賀艦隊、撃沈9。ということでパラオ艦隊の勝利です!』


荒井『マジですか。』


河原『荒井……さん…ここは…』


荒井『失礼。これは、歴史的勝利と言えるでしょう。』


陽炎「ウソでしょ!?勝っちゃったわよ。」


神通「マジ!?」


親潮「神通さん口調……」


神通「これは……失礼しました。」


黒潮「それにしても凄いなぁ。」


不知火「司令官たちはどのような作戦をとったのでしょうか。気になります。」


〜1時間後


河原『今、両艦隊が帰ってきました!』


司会「それでは演習後のインタビューです。まず、今回勝利した和泉司令官からお願いします。」


朝一「えー。今回は、艦娘たちの頑張りにより勝利することが出来ました。彼女たちにお礼が言いたいです。よしお前ら!今夜は回る寿司だー!」


艦娘's「やったー!」


龍驤「回らないお寿司がいいんやけど。」


朝一「ばか。うちにそんな金はねーぞ。」ワハハハ


朝一「前任で評判が悪くなってきていますが、パラオ泊地は今艦娘たちは元気を取り戻しています。是非今後に期待してください。」


司会「素晴らしい言葉ありがとうございました。そして、勝利おめでとうございます。では、続いて敗北し…」


隆平「」ギロッ


司会「……横須賀の豊田司令官、お願いします。」アセアセ


隆平「今回はパラオ泊地復帰戦ということで実施させていただきました。このように海軍は再起しつつあります。はい。」


司会「あ、ありがとうございました。それでは、終了です。」


ー1時間後


(朝一は提督表記に戻します。)


提督「お前ら!良くやったな!まさか、あれほど上手くいくとはな!」


比叡「いえ。司令のおかけです。」


提督「何言ってるんだ。おれはお前たちに支持をしただけ。この勝利はお前らが自分の手で勝ち取ったんだ。そんな謙遜しなくてもいい。」


電「司令官さん…」


清霜「それより司令官、お寿司食べに行こうよ!早く!」


陽炎「そうよ!早く行きましょ!」


提督「待て待て。お前らたっぷり海水浴びたんだから入渠してからだ。」


清霜「えー。」


神通「陽炎さん。私たちは見てただけなのですから…」


提督「別にいいぞー。てか元から一緒のつもりだったけどな!」


神通「提督…ありがとうございます。」


黒潮「ウチらもご馳走になるか!」


不知火「お寿司とは久しぶりです。」


親潮「司令官!感謝します。」


清霜「じゃあ早く入渠しようよー。」


那智「まあそう焦るな清霜。私も今夜は一杯やるか。」


摩耶「あたしもー。」


白雪「とは言っても…」


磯波「那智さんも摩耶さんも毎晩飲んでますよね。」


那智「それは言わない話だろ。」ヒソヒソ


提督「なんだー。那智、摩耶、体に悪いぞ。少しは減らしたらどうだ。」


那智「っ。善処する。」


摩耶「なんだよ。少しくらいいいだろ。」


ワハハハ


大淀「和泉司令官。」


神通「大淀さん…」


提督「ん?おー大淀か。久しぶりだなー。何か用か?」


大淀「お久しぶりです。和泉司令官、神通さんに、陽炎さんたちも。実は、2人きりで話がしたいのですが。」


提督「分かった。比叡、とりあえずみんなを入渠させておいてくれ。俺もあとから行く。」


清霜「なになになに。比叡さんというお人がいながら司令官もしかして……」


白雪「こら。清霜ちゃん。」


電「あ、清霜ちゃん。電が背中流してあげるのです。」


清霜「やったー!」


提督「あははは」^^;


大淀「行ったようですね。」


提督「久しぶりにあったから話でもしたかったが、そのような感じでは無さそうだな。」


大淀「はい。まず、私たちの艦娘を受け入れてくださりありがとうございます。」


提督「いやいや。そんなに気にすることではない。で、なんだ。クーデターの日時でも決まったのか。」


大淀「それがですね。まもなく大規模作戦が、横須賀指揮で始まります。」


提督「何?来月には呉主導でMO攻略ってのに…」


大淀「ええ。それが問題なんです。その仮称AF作戦は、MO攻略と同時に発動される予定なんです。」


提督「二方面作戦なのか。」


大淀「いえ。違います。この仮称AF作戦の目標はAL,MIの奪還です。」


提督「なんだと!?」


(2016/12/03/07:56更新)[大変長らくお待たせしました!]




第12話活発化


大淀「ここ最近深海棲艦の活動が活発化しているのは知ってますね。」


提督「ああ。うちも警戒を強化しているところだが。」


大淀「特に北太平洋地域での活動が活発化しているんです。そこで、大本営は横須賀に命じて当該地域全体に偵察部隊を派遣したんです。」


ー3日前(北太平洋ミッドウェー島沖)


臨時編成第4偵察部隊

旗艦:能代

川内



利根

筑摩


能代「まもなくミッドウェー島隣接海域に突入します。」


霞「……」


霰「……」


川内「……」


利根「筑摩!わ、我輩たちはもう少し偵察機を飛ばそうかのぉ。」


筑摩「そ、そうですね。利根姉さん。」


利根「いいか?能代。」


能代「……」


利根「なんだ。まだ悩んでおるのか。ここはもう敵地じゃ。気を抜いておったら何が起こるか分からん。」


能代「す、すいません。でも、…」


霞「いつまで気にしてんのよ…」


霰「でも…陽炎…」


川内「能代気持ちすごく分かる。大切な仲間がいなくなったんだもん。しかも戦いの中じゃなくてアイツに殺された。血は繋がって無いけどそれでも私の大切な妹には違いないんだ。もちろん陽炎たちも。」


川内「自分だけじゃなくて駆逐艦の子達も一緒なんて神通は死んでも死にきれない。でも、そこでくよくよしてるのは申し訳ないよ。今は私たちのやるべき事をやるんだ。」


筑摩「先程も利根姉さんが言いましたが、能代さん今の旗艦はあなたです。ここは制空海権喪失地域。それに私たちがいます。」


霰「でも…何も起きてない…」


霞「っちょ。霰!露骨なフラグ立てないで!」


筑摩「…筑摩2番機より入電。」


霞「回収早っ。」


能代「何ですって。」


筑摩「我ミッドウェー島ニテ敵棲地及ビ陸上型ト思ワレル深海棲艦ヲ発見シセリ。」


利根「やっぱりミッドウェーか。偵察機に帰還命令。」


能代「はい。偵察機を回収し次第、当海域から離脱します。利根さん、鎮守府と本営に打電を。」


利根「了解。」


霞「能代さん!あれ!」


能代「偵察機!?」


利根「利根4番機より入電。貴艦隊北方15海里ノ地点ニ新型姫級空母、フラグシップヲ級強化個体を含発見シセリ。注意スベシ。」


能代「ここは危険だわ。偵察機には…後方支援艦隊の位置に向かうよう指示!」


利根「分かった!」


能代「全艦方位Z!両舷最大戦速!急いで当海域を離脱します!」


利根「もう時期空襲が始まるはずじゃ。筑摩!」


筑摩「はい!利根姉さん。発第4偵察部隊筑摩、宛…」


ー同じく3日前(北太平洋アリューシャン列島沖)


臨時編成第2偵察部隊

旗艦:球磨

多摩

若葉

初霜

最上

鈴谷


球磨「霧で何も見えないクマ。」


多摩「そろそろアリューシャン列島のはずにゃ。」


初霜「何だかキスカを思い出しますね。」


若葉「初霜ぶつかるなよ?」


初霜「今度は大丈夫よ!」


最上「霧だと偵察機も飛ばせないから暇だね。」


鈴谷「お願いだから鈴谷にもぶつからないでね?」


最上「あはは。」


多摩「そろそろ霧が晴れるにゃ。」


球磨「やっとクマー。」


若葉「やっと霧が晴れたか。」


初霜「!?」


鈴谷「どうしたの初霜ちゃん?」


初霜「あれ……」


最上「あれ?」


??「……」


艦娘's「……」


??「カエレ!」


球磨「艦載機出してきたクマ!全艦方位Z!離脱するクマ!」


最上「殿は僕たちがやるよ!」


多摩「任せたにゃ!」


最上「鈴谷!」


鈴谷「しょうがないなーモガミンは。」


最上「弾種三式弾。撃て!」


初霜「支援を要請した方が。」


多摩「そうだにゃ。発第2偵察部隊多摩、宛……」


ー同じく3日前(北太平洋千島列島沖)


臨時編成第五航空戦隊(偵察部隊後方支援艦隊)

旗艦:翔鶴

瑞鶴

祥鳳

妙高


千歳


瑞鶴「来月にはMO攻略だってのに北方で偵察部隊の後方支援なんてまったく…」


翔鶴「まあ瑞鶴。私たちは与えられた任務を遂行するだけよ。」


妙高「第4偵察部隊、筑摩より入電。我、ミッドウェー島ニテ敵棲地、オヨビ同海域ニテ強力ナ空母機動部隊ヲ発見シセリ。触接ヲ受ク。救援ヲ求ム。」


祥鳳「送られて来た位置だと、ギリギリこちらの戦闘機の範囲内です。」


瑞鶴「どうやら根源はミッドウェーね。」


翔鶴「ええそうね。瑞鶴。打電してください。これより貴艦隊の支援に向かう…」


妙高「続報です。第2偵察部隊多摩より入電。我、アリューシャン列島ニテ敵棲地ヲ発見しセリ。空襲ヲ受く。救援ヲ求ム。」


瑞鶴「アリューシャンにも!?」


翔鶴「これは予想外ね。どうしたものかしら。敵基地の規模は?」


妙高「アリューシャン列島の基地はミッドウェー島の基地より小規模の模様です。」


祥鳳「しかし、迎撃する艦載機がこれでは足りません。」


千歳「祥鳳。62型の爆装を解除したらどう?」


瑞鶴「なるほど62型の爆装を解除すれば戦闘機として使える!」


祥鳳「これで数の問題は無くなりました。」


翔鶴「では、私と瑞鶴はミッドウェーに。祥鳳はアリューシャンに向かわせてください。」


全員「了解!」


翔鶴「五航戦翔鶴。」


瑞鶴「瑞鶴。」


翔瑞「第一次攻撃隊発艦!」


祥鳳「祥鳳。稼働全機発艦始めてください!」


翔鶴「朧さん。潜水艦の方は大丈夫ですか?」


朧「大丈夫です。不審な推進音は確認できません。」


翔鶴「そう。ありがとう。」


妙高「横須賀より伝令です。第1から第6偵察部隊は直ちに同海域を離脱。X地点にて支援艦隊と合流せよ。」


翔鶴「では、移動します。両舷第一戦速。」


ー現在


大淀「今回の偵察では中破が3人、小破が1人、航空機損失31機。偵察にしては損害が大きいものでした。」


提督「で、その新型個体っていうのは?」


大淀「大本営より新型姫級空母は空母棲鬼、flagshipヲ級の強化個体はflagshipヲ級改と付けられました。実は、五航戦の攻撃隊が機動部隊を攻撃したのですが、傷も与えられず恐ろしい程の防御力があると思われます。」


提督「そいつらが直ぐに本土を攻撃してくる可能性は?」


大淀「ないと思いますが、早めに潰しておきたいという事だと思います。あと、宣伝効果。」


提督「それと、隆平の顔を立てるためだな。」


大淀「ええ。恐らく。今夜にも大本営から緊急の出向命令があると思いますのでよろしくお願いします。」


提督「あ、そうだ大淀。」


大淀「はい?」


提督「あいつがなぜあそこまで赤城たちを使うのか分からない。何かあいつから引き出して貰えるか?」


大淀「なるほど、考えは分かりました。了解です。では、失礼します。」


ーその夜


清霜「美味しかったねス〇ロー。」


長波「ああ美味しかったなスシ〇ー。


提督「良かった良かった。」


比叡「司令!電ちゃんが眠そうです。」


電「眠く…ない…の……です。」フラフラ


提督「ほらほら、肩につかまれ。」


電「ふぁ……い」スヤスヤ


比叡「あー。電ちゃんだけずるい。」ガシッ


那智「なんかアレだな。」


龍驤「夫婦みたいやな。」


白雪「あのー。お二方。こっち助けてもらえますか?」


磯波「大変なんですよ。」


摩耶「□´・∀・`□´・∀・`□´・∀・`□´・∀・`□」


那智「ダメだこれは。」


龍驤「調子に乗って飲みすぎるからや。」


那智「あっちが夫婦だったら、こっちは忘年会終わりの会社員だな。」


龍驤「せやなぁ。」


〜〜〜


提督「着いたー。疲れたわー。」


提督(ん?予想どおり出向命令だ。あいつらまだ談話室にいるかな。)


提督「いたいた。あれ電ちゃんは?」


比叡「寝かせておきました。」


提督「じゃあ後で伝えておいてくれ。さっき大本営から電報があった。」


龍驤「で、なんやて?」


提督「明日、横須賀で緊急会議がある。ということで俺は2日間ほどここを空けるぞ。」


龍驤「ほいほい〜。って、ん?マジか。」


提督「マジだ。で、俺がいない間の指揮は慣れてほしいし比叡にとってもらおうとおもっているのだが。」


比叡「司令と一緒に本土に久しぶりに戻りたかったのですが、司令の頼みとあれば仕方ありません。気合い入れて引き受けます!でも司令。じゃあ誰が一緒に行くんですか?」


那智「一緒に行く?」


比叡「こういう大規模な会議の際は秘書艦を連れていく義務がありますからね。」


提督「那智と龍驤は何かあった時のためにいて欲しいし、電ちゃんは寝てしまったしどうしたものが…」


摩耶「」ノ


提督「どうした摩耶?」


摩耶「あ…あたしが……行って上げても…いいけどよぉ」///


提督「おおそうか。摩耶が来てくれるとは有難いなぁ。」ニヤリ


3人(うわぁ。ちょろっ。)


提督「じゃあ明日は5時に起きてくれ。」


摩耶「お、おう。」///


提督「じゃあ早く寝ろよ。」ガチャン


比叡「くー。羨ましい。摩耶!司令は渡しませんからね!!!」


摩耶「ッ。なんだよ。ち、ちげーよ」///


ー次の日の朝 日本海軍パラオ航空基地


摩耶(酔った勢いで手上げちまったけど大丈夫か?)


摩耶「こ、これは!?」


提督「これは日本海軍の最新輸送機C-2だ。今年6月に運用を開始したばかりだ。」


摩耶「普通あたしらは海路じゃないのか?」


提督「今回は急ぎだからな。特別だ。」


摩耶「普段海の上を行くあたしが飛行機に乗るとは思ってもいなかったぜ。」


提督「さあ。時間がない。早く乗れ。」


比叡「それでは、お2人とも羨ましいですが、気をつけて。」ビシッ


提督「ありがとな。」


ー昼前


電「」ムニャムニャ


電「」ハッ


電「10時!?」


電「はわわ。遅刻なのです〜。」


ガチャン


電「司令官さん。遅れて申し訳ないのです。って司令官さんは?」


比叡「大本営から緊急の出向命令で本土に戻ったわ。」


電「比叡さんがここにいるってことは誰が司令官さんと…」


比叡「摩耶よ。くー羨ましいです!」


プラズマ(アノトスケベビッチノジュウジュンガ…)


(2016/12/14/16:22更新)




第13話(第1章最終話)作戦発動


ー4/30/07:00


提督「あー。着いたー。久しぶりの本土だな。」


摩耶「ほんとに久しぶりだぜ。」


提督「お前はそうだろうな。」


大淀「お久しぶりです。和泉司令官。」


提督「久しぶりと言っても昨日会ったがね。」


大淀「早速会議室にご案内いたします。」


提督「よろしく。」


ー1時間後


隆平「敬礼!」ビシッ


海軍大臣「まあいい。座ってくれ。今回は大規模作戦についてだ。」


連合艦隊長官「それでは、隆平君。説明を頼む。」


隆平「はい。それでは説明させていただきます。今回、横須賀鎮守府では中部太平洋地域での深海棲艦の活動活発化の報告を受け、同海域に大規模な偵察部隊を派遣しました。その結果、ミッドウェー島、アリューシャン列島にて敵の新棲地、新型陸上型深海棲艦、それぞれを発見しました。また、ミッドウェー島北西には新型姫級空母、フラグシップヲ級の強化個体が目撃されています。我々はこれらを中間棲姫、北方棲姫、空母棲鬼、フラグシップヲ級改とそれぞれ呼称します。今回の作戦はこれらの撃滅が目的です。」


大樹「ですが、明日から呉鎮守府指揮でMO攻略が発動されます。戦力が分散してしまいませんか?」


隆平「その件に関しては本土防衛の艦娘を最小限にすれば足りる計算です。」


大樹「では、本土が奇襲された場合はどうなるんですか。」


隆平(うぜぇな。さっさと俺の言うこと聞けよ。)


隆平「中部太平洋地域には新型深海棲艦が集中しています。他に渡す戦力は流石の深海棲艦もないでしょう。」


提督「では、戦艦棲姫は確認されているのですか?」


隆平(また面倒くさぇやつ入ってきやがった。)


隆平「我々は一年前のソロモン沖海戦にて当時新型の戦艦棲姫を2隻も撃沈済みです。あの個体を作るのは相当な時間がかかると予想されています。更に今回は新型個体が他にもいるわけですから。」


ソロモン海戦

一年前に起きた初めての大規模な戦闘。日本が統治してるラバウルなどの目と鼻の先にあるソロモン諸島で起こった海戦。日本側は多数の負傷者を出したものの同海域の深海棲艦を後退させた。その際、新型の姫級戦艦、戦艦棲姫が2隻確認されたが、それを撃沈した。


大樹「しかし、この作戦では南太平洋地域の防衛網が。」


提督「あのー。」


隆平「なんだ。」


提督「実は、パラオ政府から深海棲艦の活動活発化の対策の要請が来まして、外交上のこともありますし、この作戦はパラオ泊地艦隊は参加いたしません。」


隆平「チッ。しかし……」


隆平(まて、ここで俺が戦果を上げれば最近朝一に向いてる視線が俺に戻ってくるんじゃないか。)


隆平「分かりました。外交上、外すわけにはいきません。」


連合艦隊長官「隆平君。大丈夫なのかね。」


隆平「元々パラオ泊地艦隊の艦娘はあまり起用しない方向だったので。」


朝一(自分の手柄にしようと思ってんなこれ。まあそれならその方が楽だけど。)


朝一「ありがとうございます。」


隆平「そして、具体的な編成案は後日連絡しますが。おおまかに言うと、ミッドウェー島には南雲機動部隊や戦艦など大規模な艦隊を、アリューシャン列島には軽空母や巡洋艦、駆逐艦を中心とした軽快な艦隊を派遣します。……」


ー1時間後


隆平「以上で作戦会議を終わります。至急、参加艦艇を横須賀に移動させてください。作戦発動は5/5マルゴーマルマルです。解散。」


提督「待たせたな。」


摩耶「おう。お疲れ。」


大樹「ちょっと朝一!」


提督「どうしたんですか。」


摩耶「……」ヒョイ


大樹「比叡はどうしたんだ?」


提督「向こうのやり方を覚えてもらいたいので代わりにこの摩耶が。」


大樹「隠れなくてもいいだろう。」


提督「あはは。恥ずかしがり屋でして。大丈夫。俺の先輩だ。」


大樹「まあ。君らも大変だっただろう。仕方ない。そうそう。明日呉主導でMO攻略が発動されるだろ?」


提督「そうでしたね。」


大樹「ぜひ見に来てほしいんだ。それに作戦会議もしたいし。」


提督「俺はいいが、摩耶は?」


摩耶「あ、あたしは別にいいぜ。」


提督「そうか。じゃあよろしくお願いします。」


ー4/30/12:30呉鎮守府


提督「ここが呉か。横須賀に負けず劣らず広いなぁ。というか横須賀より広いですね。」


大樹「そりゃぁそうだ。横須賀は鎮守府・泊地を束ねる場所だが、呉は艦娘を訓練・育成している場所だからな。横須賀よりも必然的に大きくなるわけだ。」


大樹「ここだまず座ってくれ。」


摩耶「お、おう。」


大樹「それでなんだが。」


提督「別動隊が必ず本土を叩きに来ますね。さらに、ミッドウェーでは勝てる見込みが少ない。」


大樹「さすがだ。今回、わざわざ自分の艦隊を手元に残しておいたんだな?」


提督「ええ。でも敵もそう生半可な戦力で来ないでしょう。そうすると戦力が。ミッドウェーのこともありますし。」


大樹「迎撃に関しては実は……だから大丈夫だ。」


提督「それは頼もしいです。しかし、ミッドウェーは…。そうだ!MO攻略の編成見してくれませんか。」


大樹「ああ。これだ。」


摩耶「でも、なんで今更ポートモレスビーなんだよ。」


大樹「実は今年の3月下旬にトラック島の発信局でポートモレスビーから微弱だが救難信号をキャッチしたんだ。」


摩耶「3月って……じゃあなんで2ヶ月も放っておいたんだよ。」


大樹「まさか。南方の指揮を執っている呉鎮守府と陸軍が救援に六水戦を護衛につけた輸送船団を派遣したんだ。その結果はビスマルク海、ソロモン海に遊弋していた機動部隊にコテンパンにされて損害多数。撤退を余儀なくされた。」


提督「それで今回は艦隊に五航戦などの航空戦力を入れて対策を取ったんだ。だがまさかこんなことになるとは……」


大樹「ここで負けると確実に日本は終わる。かと言ってポートモレスビーの人たちを見捨てることは出来ない。」


提督「ではハードですが、……はどうでしょう。」


大樹「なるほど。それが出来るならそれがいいが。聞いて見なきゃわからんなぁ。」


大樹『えー。翔鶴、瑞鶴、祥鳳、瑞鳳、龍鳳は至急作戦会議室に出頭せよ。』




翔鶴「翔鶴以下5名ただいま参りました。」


大樹「君たちを読んだ理由は、今回の編成を変更しようと思ってな。」


瑞鶴「それって急過ぎない?作戦発動は明日だよ?それに横にいる人は誰よ。」


瑞鶴(この人かっこいい♪)


提督(ん?この声?)


大樹「こっちは俺の後輩でパラオ泊地の司令官だ。」


翔鶴「司令官でしたか!こら瑞鶴謝りなさい。」


瑞鶴「所詮パラオとか言う田舎の司令官でしょ?」


提督「改めまして田舎のパラオ泊地の指揮を執っています。和泉朝一と申します。」


瑞鶴「朝一!?え…まさか…」


提督「そのまさかだよ。雪穂!」


瑞鶴「えー。まさか!」


提督「田舎で悪かったなぁ!」


瑞鶴「!?工エエェ(゚〇゚ ;)ェエエ工!?」


翔鶴型2番艦瑞鶴:(本名、緑山雪穂)25歳

まさかの比叡と同じくこちらも朝一の幼なじみ。だが付き合ってはいなかった。こんな子と幼なじみとか羨ましすぎる。


翔鶴「瑞鶴?どうしたの?」


提督「ではもう一回。パラオ泊地の指揮を執っている、瑞鶴の幼なじみでもある和泉朝一です。よろしくお願いします。」


一同「!?工エエェ(゚〇゚ ;)ェエエ工!?」


瑞鳳「瑞鶴さんそのパラオ泊地の指揮官と幼なじみだったの!?」


瑞鶴「ええそうよ。でもどうしてアンタがここに?」


翔鶴「コラ瑞鶴。例え幼なじみでも今は司令官なのよ。」


瑞鶴「どうしてコイツに…」( ー̀ н ー́ )


提督「まあ積もる話もあるのだが、今はそんなこと言ってられないんだ。」


瑞鶴「アンタがそんなこと言うなんて相当なことよね。」


大樹「そうなんだ。大本営と横須賀鎮守府は5/5に大規模作戦の発動を決定した。」


龍鳳「大規模作戦って明日から私達はMO攻略ですよ!?」


祥鳳「こんな時に……」


瑞鶴「で、その作戦ってのは。」


提督「仮称AF作戦。」


翔鶴「まさか!?」


大樹「そうAL/MI作戦だ。」


5人「ッ……」


提督「で、大樹先輩と俺はこのまま作戦を開始すればこの戦いは負け、本土が戦場になると予想している。」


大樹「アリューシャンとミッドウェーの新敵棲地。そして、ポートモレスビーの人質。これは俺らにとっては最高の餌だ。」


龍鳳「ではMO作戦を中止すれば…」


大樹「ポートモレスビーの人たちを見捨てることは出来るのか?」


龍鳳「……」


提督「私たちの言葉ではもはや横須賀すら動かすことが出来ない。」


大樹「だから君たちの協力が必要なんだ。」


瑞鶴「翔鶴姉、みんなやろう!どうせ大本営と横須賀の無能がこの作戦を強行している上に深海棲艦を甘く見ているんでしょ?」


提督「ああ。」


翔鶴「そうね瑞鶴。私たちでこの3つの作戦を乗り切って日本を守りましょ!」


瑞鳳「そうね!いっちょやっちゃいますか!」


祥鳳「先ほど私たちの提督は“餌”という言葉を使いました。つまりこれらは囮ということですね。」


提督「大樹先輩も俺もそう考えている。AL/MI作戦の北大西洋、MO攻略のソロモン方面。この二つの間に空間があるだろ。」


大樹「ここから防衛が手薄となった本土に強襲部隊が攻め込む。深海棲艦も最近押され気味だから掛けに出たんだろうな。」


瑞鳳「つまり今回の作戦は……」


龍鳳「四面作戦……」


大樹「これで分かってもらえたかな?」


大樹「そこでだ。空母に改装が終わった龍鳳にMO攻略に参加してほしいんだがいいかな?もちろんまだ錬成が十分でないのは承知している。しかし、この状況だ。君に頼る他ない。」


龍鳳「もちろんです。提督。改装された空母龍鳳の本当の力お見せしたいと思います。」


大樹「助かる。この作戦で本土防衛の指揮も呉に押しつけられてな。」


祥鳳「完全に押しつけられた感じですね。」


提督「それで、MO攻略および本土防衛は呉とパラオの合同作戦となった。よろしく頼む。」


大樹「で、具体的な作戦は...」


提督「翔鶴、瑞鶴。君らにはハードなスケジュールだが大丈夫か?」


瑞鶴「任せなさい!珊瑚海の時に40kt出したと言われて、大和型を超える翔鶴型の馬力をなめないでよ!」


翔鶴「もう瑞鶴ったら。それは潮ちゃんの見間違えよ。」


大樹「よし!これで終わりだ。明日は朝早いからもう寝ろ。」


瑞鳳「それじゃあお先に失礼するね!」


ー5/1/05:00(呉鎮守府運動場にて)


大樹「諸君よく集まってくれた!作戦前夜にもかかわらず編成を急に変更してしまってすまなかった。今回のMO攻略は横須賀指揮のAL/MI作戦と並行して行われることになった。また、呉は本土防衛の任務も任されたためこの作戦は、パラオ泊地との合同作戦となった。では、パラオ泊地司令官の和泉朝一君から号令を。」


提督「俺ですか!?」


大樹「ああ。頼む。」


提督「わ、わかりました。マルゴーマルマルをもってMO攻略作戦を発動する!!各員の武運上級を祈る!!」


艦娘`s「はい!!」



ー第1章完ー




次章予告


わ、私ですか!?最近、出番がないからって...失礼すぎません!?

最後の方は摩耶さんに持ち場取られた感じしますが頑張ります!司令は誰にも渡しませんからね。

次章はついに作戦が開始されます。予想外の展開、押される艦娘たち...こうご期待下さい!

ひe...あ?名前は言うなって?分かりました...

私も旗艦で頑張りますので見ていて下さいね♪

お楽しみに!


(2016/12/21/17:50更新)


後書き

やっと終わることが出来ました。
想定していたより1章が長くて...2章は今年の完結を目指して頑張ります!!
ちなみにPixivにも投稿を再開しましたので見ていただければ幸いです。
それでは第2章で!!

→【報告】2章は年始スタート予定です。大晦日に番外編出します。


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1: SS好きの名無しさん 2016-10-12 13:35:56 ID: r32H_Jin

さぁ、面白くなってきましたよ
続きを全力待機しております

出て欲しい艦娘は私の嫁艦の三日月ですね
何らかの形で出して貰えたらこれ幸いです

2: たまとね 2016-10-12 16:11:55 ID: OjYh_WMS

>>1
コメントありがとうございます。筆者です。
面白いと思っていただけたなら幸いです。
そんなにペースは早くないですが、これからもよろしくお願いします。

三日月はどこかしらの場面で出しますのでお楽しみに。


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