艦これ戦記 第二章 集結! 南雲航空戦隊
大和と呉鎮守府に所属する艦娘の日常風景。戦闘とシリアス(?)要素あり。中には残忍なシーンがあるかもしれません。
第一章から引き続き第二章突入です。これからも末永く見守っていただけると幸いです。
※この物語は、艦これ~艦隊コレクション~の二次創作です。多少オリ設定、独自解釈、独自設定がございますのでご了承ください。
投稿について申し訳ありません。今度からは毎週金曜に出来るだけ投稿いたします。
彼女たちが対峙する敵。
その名は深海棲艦。
そう呼ばれる存在は数年前に突如出現した。
目的不明。何故攻撃するのか分らず。
奴らは世界の海上交通路(シーレーン)を破壊する悪魔とも呼ばれている。
それに対抗するように艦娘が生まれた。艦娘は見てのとうり少女が艦の力を受けた物だと解釈されている。だが実際のところも分っておらず
お互いに何か強い因果関係があると世界はそう思っている。
西方海域それがこの場所の総称である。出撃した大和達は現在カスガダマ近海の海にいる。
「昔に何度かは来たけどねぇ。今更なんでここに・・・・・」
千代田は、懐かしそうに語るが少し不気味さも感じていた。
「そうね。でもなんでまたここに敵が集まりだしたのかが検討もつかないわ」
う~んとうなり顎に指を置きながら考える。
「もしかしたら何かからそらすためかもしれません」
大和が答えを投げる。
「どうしてなの?」
「そうです。敵は何から私達をそらそうとしているのですか?」
雷、電はとっぴも無い言葉にそう投げ返す。
「それは、断言は出来ないですけどしいて言えば大部隊とかでしょうかもしくは敵にとって重要な何か・・・・」
そう言うと「なるほど確かに」と千歳は納得した様子だった。
大和は、日傘をずらし空を見る。太陽がぎらぎらと肌を焼くように照らしている。空は快晴で雲が一つもない。その中で自分だけが日傘をさしている。
「あの私だけ日傘なのは――」
「あっあの大丈夫なのです。出撃前に日焼け止めを塗ってもらったのです」
肌を見せるように電は袖を少しめくる。雷も「大丈夫だから心配しないで」といわれる。
「あっあの大和さん」
声をかけてきたのは比叡だった。
彼女は、金剛型二番艦の比叡。昨日のパーティには出席はしていないそうだ。ちょうど昨日昼間に遠征帰りそのまま起きなかったようで彼女はそのまま放置されたらしい。
何と言っても秘書官の仕事中に昼寝をするような艦娘なためほっとかれることが多いらしいらしい。
「どうかしたんですか?」
「いえさっきから誰かに見られているような気がして」
この凪いだ海でそういわれるとやけに静かだと思い大和は雷と電に命じた。
「二人とも電探をお持ちでしたね! 急いでお願いします!」
二人は「はっはい」と返事をして電探を使用する。大和も比叡と共に電探を使い周辺の確認する。
「感あり!
上空より二機の敵の航空機を補足!
偵察機だと思われます!」
比叡が叫ぶ。それに応じて千歳と千代田は「敵艦補足!」と大声を上げる。
「やはり補足されていましたか」
「そのようですね」
同意するように答える。
「この辺ではめったに敵は出ないのに油断したわね…」
千代田の耳に索敵の連絡が入る。
「敵艦六隻! クラスは空母ヲ級二隻、重巡リ級一隻、駆逐イ級三隻を確認しました!」
千代田は、全員にそのことを伝える。
それを聞いた千歳は準備を始めた。
「千代田!」
「うん! 準備出来てるよおねぇ!」
二人を見て「お願いします」と一言その言う。すると甲板の形のした箱が開きからくり人形のように糸でつるされた艦載機を引っ張り出す。
「「第一次攻撃隊、発艦始め!」」
次々と艦載機を飛ばし先に敵に対し奇襲をかけようとした。
だが敵の艦載機が飛んできており艦上戦闘機の打ち合いになった。
「っく互角かぁ」
何機かの敵の攻撃機が爆撃してくる。
千代田が悔しそうに言うしかし大和が主砲を敵艦載機に向ける。
「ふにぁぁっ~!」
「痛いじゃない!」
文句を言ったが言ってもしょうがない。痛みに耐えながら彼女たちは進む。
大和は、敵の艦載機が帰還しようとしたのを狙った。
「照準誤差修正。三式弾こめ!」
主砲の奥で金属音が聞こえる。中にいる妖精さんが三式弾を入れた音だろう。
その後ブザーが大音量で鳴り準備が完了した。
「撃ち方はじめ!」
三式弾、三発が艦載機に向かう。玉は炸裂し敵の艦載機に火がつく。
「成功です!」
大和は、日傘をたたみ次の砲撃の準備に入る。
「隊列陣形を輪形陣にしてください。雷ちゃん、電ちゃんは対空、千歳さん、千代田さんは第二次攻撃隊の準備をしてください。
そして比叡さんと私で敵を薙ぎ払います!」
「「「「「了解!!」」」」」
一斉に陣形を整え大和は九一式徹甲弾を主砲にこめる。
「全主砲、敵を――薙ぎ払え!」
大きい音を立て放たれる弾は着水する。するとヲ級が水面から九一式徹甲弾が命中し轟沈する。
次に比叡は、「撃ちます! 当たって!」と照準を駆逐イ級に向ける。
勢い良く出る弾、は敵の数メートル手前で海に着水する。
「ひえ~なんで~!」
大和のように九一式徹甲弾では着水することで傘帽が海の中で飛ぶが通常弾ではそうは行かない。
「比叡さん! 気にせずに撃って下さい!」
敵も砲撃を開始する。奇襲したとしても砲撃は免れない。
大和が後ろを見て二人を心配する。
「第一次攻撃隊帰還・・・・」
「未帰還数、おねぇのと合わせて十四機・・・・」
二人は、少し悲しそうな表情をする。だが攻撃の手を緩めないように次の準備に入る。
「第二次攻撃隊、発艦始め!」
からくりを出し自らの力で飛んでいくその箱の中にいる妖精達は、帰還した艦載機の修復作業に入った。
「おねぇこっちもいくね。第二次攻撃隊発艦始め!」
飛び出した艦載機を見送り二人は胸のうちに一つの願いをこめる。「出来るだけ多く戻ってきて欲しい」それだけを願いを乗せ飛び立たせる。それを援護するように雷と電は対空援護する。
「絶対届けるのです!」
「届かせて見せるわ!」
十センチ高角砲を打ち続ける。何度も何度も弾を放ち敵の艦載機を打ち落とす。
「攻撃隊が抜けた!」
大和がそれを見かねて通常弾をこめる。
「比叡さん今から言うところに狙ってください!」
「はい!」
狙いを定め打ち付ける!
「目標重巡リ級!」
「目標固定左舷に集中砲火! 主砲、副砲、斉射始め!」
攻撃を左舷に集中させさらに千歳と千代田が発艦させた艦載機が上空から爆撃機と雷撃機が雨のように爆弾と魚雷を落とす。
撃沈するとドミノ倒しのように駆逐イ級三隻が衝突し誘爆する。
残ったヲ級は艦載機を飛ばすことは出来ず状態から見て中破状態だった。
それを見かねて雷と電は、ヲ級に接近した。
「雷撃するのです!」
「魚雷発射!」
六一センチ四連装酸素魚雷を打ち放つ。
十六発中五発が命中し撃沈した。
※
「電。祈ってあげて」
「はい……」
戦った相手に両手を合わせて沈んだ敵に冥福を祈っている。
戦った後に必ず電が行っている事だ。自分たちを沈めようとした敵であるが自分たちも同じように生きているとそう言って必ず祈ることをしてる。
「行きましょう」
そして彼女たちは海の上を走り出す。
「観測確認。敵影なし」
千歳は、彩雲を呼び戻した。
念のために残しておいた彩雲を発艦させた。
しばらく先に進みながらダメージを確認した。
「ダメージは、そこまでではないけど他のみんなは、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ」
「だいじょーぶ」
「えっと、はい、大丈夫です」
「大丈夫よ。心配ないわ」
「大丈夫です!」
千歳、千代田、電、雷、比叡の順番に発言していく。
すると千歳は彩雲を確認した。
「どうやら周辺にいないみたいですね」
「そうですか」
このまま進軍するか撤退するかの選択を考えている。
全員は、疲労の心配があるがでも奥まで様子が見たいと思い大和は命令する。
「このまま進軍します」
その一言で全員大和の後を追う。
「あっそうだ日傘」
傘を差し海域の探索を続行する。
それからだいぶ時間が経ち夕焼けが眩しかった。
あの戦闘以降、敵は出てこない。大和は、「撤退しましょう」と進言する。
「そうね、そうしましょう。千代田、偵察機の回収したらこの海域から撤退しましょ」
「うんおねぇ。でも最後に奥のところを調べてみるね」
千代田が確認すると行った場所は、当時ここの海域を牛耳る深海棲艦の旗艦がいた場所だった。
その名は、装甲空母姫。
各鎮守府において最大の難敵とされ連合艦隊が総力戦で倒すほどの敵だったと言う。
当時天ヶ瀬提督は、空母四隻、戦艦二隻、駆逐艦五隻による最大の攻略戦を行った。
結果善勝し被害は酷かったがそれでも全員生還すると言う偉業を果たした。それにより現在中将と言う階級に昇進できたと言う。
「何か見えた?」
「ううん。何も無い」
「そう」
確認を終え大和が指示する。
「回等! 両舷微速、進路鎮守府に向け!」
「両舷微速、回等!」
大和と千歳の指示で全員回等を始める。
回等し終わると大和は「両舷強速!」と指示する。
夕焼けに染まる海を眺めながら彼女たちは帰路につく。
※
鎮守府での提督は、暇そうだった。
艦隊司令とは言われても自分が船に乗るわけではない。むしろ基地司令と言う言葉が合うと周りは言う。
それでも艦隊を動かしていることに変わりは無い。彼女が指示、編成、建造、改修この四つをローテションの回している。
「出撃したのはいいがどうも静か過ぎるな」
羽ペンの羽の先をいじりながら大淀に言う。
「そうですね。皆さん出張やら長期遠征で出払ってますし」
「そうだなぁ。そういや今日誰か帰ってこなかったけ?」
大淀は、スケジュール表をチェックする。
「空母六隻が帰還ですね」
「そうか。騒がしくなるな」
スケジュール表を見て六人の名前を確認する。
一航戦の赤城、加賀、二航戦の蒼龍、飛龍、五航戦の翔鶴、瑞鶴。
それぞれは下った任務に従い各地に向った。
「よし鳳翔さんに連絡だ。今夜の夕飯は大盛りしてくれと言ってくれ」
「はい」
執務室から出て行くのを見て提督は、引き出しからDVDボックスを取り出す。
「今日中に見るか・・・・・」
タイトルは“宇宙戦艦ヤ○ト”
「もうすぐ鎮守府近海に差し掛かるわ」
雷は、水筒を片手にソナーで確認する。
「おねぇ。早くお風呂に入りたいね」
「ふふっそうね」
水筒を飲み干したのか熱そうに片手であおる。
「水筒の中身が空なのです」
「ひえ~水筒に穴が~」
(((((うわぁなんて不幸だ)))))と言葉にはせず同情する目で見ていた。
「私のあげるわ」
雷が最後の水を比叡に渡した。
「あっありがとうございます!」
それを一口で飲み干し一息つくと「あれ?」と声を上げる。
「どうしたんですか?」
「いえあの編成もしかしたら」
ぐんとスピードを上げて目の前に居る艦隊に近づく。
※
「見えてきました」
「そうですね」
「はぁ~さすがにこたえたわね」
「姉さんも少しは加減してあげれば良いのに」
四人は、距離をとりながら航行している。
「赤城さーん、加賀さーん!」
四人が振り向き、後ろ見ると比叡がスピードを上げてくる。
「あら比叡さん。今帰りですか?」
「はい、大和さん達と出撃していたんです」
大和達が追いつき比叡を捕まえた。
「比叡さん! 勝手に隊列から離れないで下さい!」
「ごっごめんなさい・・・・」
「あなたは、相変わらずですね・・・・」
加賀が呆れていた。
「まぁまぁ良いじゃないの」
それを諭すように赤城はなだめる。
「あれ雷、電?」
「暁お姉ちゃんに響お姉ちゃん」
「やぁ二人とも」
四人そろってわいわいとしていた。
大和はそれを見て「いいな」とつぶやく。
暁型の喜びの姿が大和はそれがたまらなくうらやましかった。
「どうかしましたかい?」
響は、不思議そうに見る。
「大丈夫」と言って鎮守府に足を向けた。
「自己紹介がまだでしたね。第一航空戦隊所属、加賀です」
「同じく第一航空戦隊の赤城です。航空戦は任せて下さいね」
「第六駆逐隊、暁よ。一人前のレディとして扱ってね」
「同じく第六駆逐隊の響だ。その通り名から不死鳥とも言われている」
「戦艦大和です。よろしくお願いいたします」
※
「艦隊が帰還しました」
大淀が出迎えてくれた。
「お帰りなさい。お疲れでしょうからお風呂空けてありますよ」
「「「「わ~い!」」」」
駆逐艦の四人はお風呂場まで走る。
「お帰りなさい。赤城さん、加賀さん」
「ただいま。大淀さん」
「提督はどこですか? 結果を報告したいのですが」
「あっ私もです。どこにいるんですか?」
「ええっとですね提督は、シアタールームにいますよ。仕事しないで・・・・・」
大淀は、出してはならないオーラを出していた。
しばらく愚痴を聞き間宮羊羹で手打ちににしてシアタールームに向かう大和。
だが赤城と加賀は軽いため息をついた。
「またですか提督は・・・」
呆れてものも言えない・・・・というわけではなさそうだが表情に少しムッとした表情でいた。
「相変わらずですね」
困り顔で赤城は弁明する余地が無いような表情をしている。大和は、不思議そうに二人を見る。
「あのシアタールームって何ですか?」
「言葉通りです。全く少しは立場を考えて欲しい物です・・・・」
壁際の地図を立ち止まってみるとドックとは別に温泉、ゲーム施設、農作室、などが並んでいるが一つ気になる部屋がある。
「何ですかこの―――お仕置き部屋って」
すると二人は糸が切れた人形のように倒れ、うずくまる」
「「もういやだ、もういやだ、もういやだ、もういやだ・・・・・・・」」
それを永遠と繰り返している。
二人の怯え方を見てむしろ知らなくていいようなとも思う。
怯える二人を連れてシアタールームに入る。
扉を開くともう一つの扉がある。どうやら防音で出来ているようだ。さらに開くと大音量のBGMと轟音が流れる。
『波動砲発射!』
青い光線が艦首から放たれる映像。そして撃っている艦を見て大和は、「なっなな・・・・」と顔を真っ赤にしている。
「こっこれは・・・・・!」
「ん? 帰ってきたのか」
片手にポップコーンもう片手にリモコン。
どうやら好きなシーンをループして見ているようだ。大和は、「てっ提督、おっお願いそのアニメを止めてください」と懇願した。
「え~良いところなのに・・・」
「お願いですから!」
「わかったよ」
ため息をついてストップをかける。赤城が怯えながら「提督おっお久しぶりですね」笑顔を出してはいるが何か引きつった顔をしている。
「あっああ久しぶりだな。どうした体が震えているぞ?」
「てっ提督そんなことよりこれは何ですか!」
「宇宙戦艦ヤ○ト」
「そうではなくて! なぜこれを見ているんですか!」
真っ赤の顔をした大和がスクリーンに指をさす。
「いやププッ別にププッ意識なんて・・・・」
「うそです! ぜっっったい嘘です!」
「まあまあ、落ち着いてププッ」
大和は、「もういいです・・・・」もういろいろ諦めた状態で報告を行う。
「報告をします。まず敵の編成ですが、
敵空母ヲ級二隻、重巡リ級一隻、駆逐イ級三隻、
以上です」
「わかったわ。後で報告書にまとめておいて」
「はい」
一礼し一歩下がる。
「つづいて遠征の報告を致します。航空機輸送作戦は無事成功しました。これによりボーキサイトを入手しました」
「うんそっちは後で確認する。それじゃあ三人とも風呂へ行っておいで」
「はい。それでは」
シアタールームから出ようとするが提督が再生ボタンを押し轟音が再び鳴り響く。
「ちょっとっ提督!」
づかづかと提督に近づき止めさせようとする。これが三回も続いたらしい。
入渠中の四人が修理用の風呂場にいる。
ここの風呂は通常用途と修理用途の二つに分かれている。提督の意向により修理ドックには飽きないように温泉の元(?)のような色を出したり他の子と話せるように増築したようだ。最近ではここを併合風呂場と呼ばれている。
「さすがに疲れたわ。髪が痛んじゃうし」
「仕方ないよ。長距離になれば潮風もあたるし」
「暁お姉ちゃんの髪は綺麗ですから、手入れも大変なのです」
「そうなのよ。トリートメントも楽じゃないわ」
「私がいるわ! 暁ねえ私に頼ってよ!」
わいわいと騒ぐ暁達を遠目で見る千歳と千代田は微笑ましく見ている。
「あの子達は元気がいいわね」
「おねぇは子供好きだっけ?」
「そうね。人形劇も良くやるし子供は好きね」
千歳は、休暇を利用して身寄りの無い子供や街中で人形劇を開いたりしている。最初は趣味で終わらせていたのだが、たまたま外でやる機会がありその時に評判を呼び今では引っ張りだこである。
人によっては艦娘の事を海の守護神と言う人もいるが艤装を外せばただの女性や少女だ。そんな中で千歳は普通の人と同じだと思ってもらうためにこの活動を続けている。
「でも子供授かるんだったら提督がいいわ」
「いや無理でしょ」
千代田は、ペチッと千歳の胸を叩く。
『あっあの先に入っててください。わっ私は後で行きますから』
脱衣所から大和の声が聞こえる。
『わかりました。加賀さん行きましょう』
『ええ。今日のお風呂は何色かしら』
赤城と気分が高揚(?)している加賀が引き戸を開けて入って来る。
「はわわっおっきいのです」
電は二人のタオルから膨らんでいる胸元を見る。
「うぐぐっ。私だっていつかわっ!」
暁は、自分の胸を押さえて二人を見る。
「・・・・大きければいいって物じゃない筈」
声のトーンを落としぼっと言う響。
「いっいつか、私たちだってあれくらいになるわ!」
赤面した顔で二人を見る雷。
四人が恨めしそうに二人を見る。彼女達の発展途上の平坦な胸を見るとさすがにでかいとしか言いようが無いしかし電だけは見ている視点が少し違った。
(胸はともかく、どうしたらあんなに身長を大きく出来るのでしょうか・・・・)
常に身長を伸ばしたい彼女にとっては胸など二の次らしい。
「お待たせしました」
タオルに身を包んだ大和を見て赤城と加賀はふと疑問に思う。
服の上から見た立派な胸が縮んで見える。
「大和さんちょっと!」
「失礼します」
「きゃっちょっと!」
赤城が後ろから胸を掴む。
「やっぱり。縮んだいやしぼんだんですか大和さん!」
「違いますっ! それ以前に失礼です!」
「しかし服の上から見た豊かな胸をどうしたら・・・・・・」
「あれは胸当てです!」
赤面した大和が答える。
「私は、三重装甲のため胸には重要防御区画(バイタルパート)を付けているんです」
「そっそうでしたか。すッすみません」
納得したように謝る赤城。
しかし加賀は、「それでもしぼみ――」と言いかけると鬼の形相をした大和が加賀を睨む。
それを見たせいか加賀は、体が震え半歩後ろに下がる。
「これはここにいる人だけ話ですからね! いいですね!」
黙ってうなづくみんなを見て湯船に入る。
この日以来、そこにいた者は誰も大和を弄ることは無くなったらしい・・・。
「はぁ~気持ちいいですね」
のんびりした声で風呂を堪能する声が響く。
※
風呂場から脱衣所に移動しクールボックスが置いてある。
蓋に紙が張ってあり牛乳、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳と書かれている。
紙には、間宮と書かれている。
間宮とは、補給艦娘で各鎮守府や泊地を巡っている艦娘だ。
最近では週に一回は、必ず呉に帰るようにしてレストランを開いている。鳳翔とも親交がありレストランは二人で経営している。
夜になると居酒屋にシフトチェンジする。
クーラーボックスを開き中身を取り出す。
「これはいいですね」
「ええ、やはり風呂上りは牛乳です」
「牛乳を飲んで立派なレディに・・・」
一航戦組みと電は牛乳。
「レディはコーヒー牛乳に決まっているわ」
「まぁ嫌いじゃないけど」
「私も良く飲むわね」
暁、響、千歳はコーヒー牛乳。
「フルーツ牛乳はいいですね」
「そうね。私も好きよ」
「おねぇも昔は飲んでいたのに」
大和、雷、千代田はフルーツ牛乳を取る。
三種三様で皆にはそれぞれの好みがあるようだ。
片手にそれぞれ持ち勢い良く飲む。
「ぷはぁおいしいわね」
「ふぅ中々です」
一気に飲み干したビンを片付け胴着を羽織る赤城と加賀。
「あなた達早いわね」
ゆっくり飲む千歳は、なにか色っぽく感じる。
「おいしいからです」
袴を着付け二人は桶を持って出て行く。
「ではお先に」
一礼をする赤城。
すこし湿った黒髪をなびかせ加賀もその後についていく。
残った七人は、飲み干し次々と着替え脱衣所から出て行く。
「では私はここで」
一礼し大和は離れていく。
大和かわいい....
応援してます!