2017-11-09 21:25:06 更新

概要

「ある艦娘たちの日々」で「2人目以降」の艦娘たちが突如、体の不調を訴え・・・


前書き

参考までにキャラ紹介、

提督:提督業を辞め、料亭の大将に転身した元提督、辞めた以降も皆から「提督・司令」と言われ、慕われている。
    
霧島:元提督の秘書艦で唯一の理解者。 今は料亭の従業員をやっている。

翔鶴:「2人目の艦娘」がいる鎮守府を束ねる空母の艦娘、一時期自分が「1人目」だったことを明るみにされ、
    鳥海と揉めたことがあった。

鳥海:「2人目の艦娘」の代表格、突然皆が体調を崩し、翔鶴に異常を知らせる。


ここは翔鶴がいる鎮守府、


「皆さん、おはようございます! 今日も1日頑張って行きましょう!」


翔鶴がいつものように皆に挨拶をした。


・・・・・・


「そう言えば鳥海さん?」


「はい、何ですか?」


翔鶴の補佐をしている鳥海が振り向いた。


「暁さんと響さん・・・朝礼で見かけませんでしたね・・・どうしたのでしょう?」


「そう言えばそうですね・・・体調が悪いとは言ってませんでしたし・・・」


今日は珍しく、暁と響が朝礼に来なかった。


「私が書類を整理した後、部屋に行って見ます。」


「わかりました・・・では、鳥海さん、お願いします。」


2人は廊下を進んでいった。


・・・・・・


「暁さん、響さん・・・起きてますか?」


書類を整理し終わった鳥海は暁たちのいる部屋の扉をノックした。


「体調が悪いのですか? でしたら後で休業届を出して欲しいのですが・・・」


鳥海が声を掛けるが暁たちからの応答がない。


「・・・すいません、入りますよ。」


そう言って鳥海は扉を開けた、


「!? 暁さん! 響さん! どうしたんですか!?」


鳥海が見た光景・・・地面に苦しみながら倒れている2人の光景が・・・


「あぐっ・・・うぅえ!」


「ちょ・・・鳥海・・・さん・・・たす・・・けて・・・うえぇっ!!」


暁が吐き出す・・・だが、それは食べた物ではなく・・・


「血!? 2人とも!? しっかり・・・しっかりして!!」


鳥海はすぐに・・・


「翔鶴さん! 緊急事態です! すぐに暁さんの部屋に来てください!」


鳥海は応援を呼んだ。


・・・・・・

・・・



2人はすぐに応急処置を取った・・・


「・・・・・・」


鳥海が部屋の前で2人の無事を祈る。


「・・・!?」


部屋から翔鶴が出てきて・・・


「暁さんと響さんは・・・どうなりました?」


「・・・・・・」


翔鶴は無言で首を横に振った。


2人は静かに息を引き取ったようだ・・・


「そんな・・・」


鳥海はショックのあまり腰を下ろした。


しかし、これがまだ始まりに過ぎない事を翔鶴と鳥海はまだ知らなかった。


・・・・・・


それから数日後、


「翔鶴さん、今日の出撃の編成なんです・・・うぐっ!!」


翔鶴の目の前で突然苦しみだす比叡、


「比叡さん! 一体どうしたんです!?」


翔鶴が比叡に近づくと・・・


「胸が・・・胸が・・・く、苦しい!」


しばらく胸を押さえ続け・・・そして、


「うっ・・・ぶはっ!! うげえぇ!!」


大量の血を吐いて倒れてしまった。


「!!? 比叡さん! しっかり・・・しっかりして!!」


突然の事態に翔鶴は成すすべもなく、ただ比叡の名を呼ぶだけだった・・・


・・・・・・


「・・・・・・」


比叡は何とか一命を取り留めたが、意識不明の重体だ。


「一体どうしたと言うの・・・」


原因がわからず、佇んでいる翔鶴・・・


「翔鶴さん・・・」


すぐに鳥海がやって来て、


「比叡さんは?」


「辛うじて生きています・・・今のところはね。」


「・・・そうですか。」


鳥海は少し安心した。


「他の皆は?」


「各部屋で待機してもらっています。」


「・・・そうですか。」


翔鶴は少し考えて・・・


「鳥海さんは皆のところへ行ってください・・・私は原因を探ってみます。」


「・・・はい、わかりました。」


翔鶴の指示で鳥海は皆の元に戻った。


・・・・・・


その後も、また1人・・・また1人と体調を崩していき・・・体の弱い艦娘(駆逐艦)たちは、発症後すぐに息を引き取った。


突然やってくるため、手の施しようがなくただ修復材で治療するか、応急処置くらいしかできず治る見通しはなかった・・・


艦種や時間は関係なく、何の予兆もなしに発症するため手遅れになった艦娘も少なからずいた。


翔鶴と鳥海は原因を徹底的に探るが・・・


食べ物や水に毒が入っていたわけでもない、鎮守府内が汚染されていたわけでもない・・・


他にも思い当たる理由を探すが・・・原因は一向に見つからなかった。


・・・・・・


それからと言うもの・・・


皆は食べ物や水を一切摂取しなくなった。


食べ物や水には毒が入っているわけではないが、それしか思い浮かばない皆は翔鶴や鳥海が勧めても一口も取ることはしなかった。


次第に衰弱していき、倒れる艦娘も増え・・・また1人・・・また1人と・・・


最早、発症が原因なのか衰弱が原因なのかわからない位に鎮守府内はパニックに陥っていた。


・・・・・・


翔鶴と鳥海は諦めなかった・・・


皆の前で食べ物や水の状態を詳細に見せ、鎮守府内の換気やその他汚染に関する対策は全て行った。


その甲斐あって・・・


皆も2人の必死の行動により、また摂取するようになり再び元の生活が戻りつつあった。


・・・・・・


数日が経過した後、また謎の発症が起き、たくさんの艦娘たちが倒れてしまう。


「しっかりしてください! しっかり・・・」


「鳥海さん! すぐに高速修復材を!」


「はい!」


翔鶴と鳥海が最善を尽くすが・・・


結果、2人を残して全ての艦娘が息を引き取った。


意識不明だった数人の艦娘も、回復せずにその数日後に息を引き取る・・・


「・・・・・・」


誰も助けることが出来ず悲しむ2人・・・


着任していた提督も「伝染病の疑いがある」と、2人を残して逃亡・・・鎮守府は完全に放棄された状態に見舞われた。


・・・・・・


「鳥海さん・・・大丈夫ですか?」


翔鶴が鳥海の体を気遣うが、


「・・・私の事は放っておいてください。」


何故か翔鶴を貶す鳥海、


「鳥海さん?」


翔鶴がまた声を掛けると、


「ここにいる皆は「2人目以降の艦娘」です・・・それが全員息を引き取りました・・・残っているのは私だけ・・・つまり今度


 発症するのは・・・私なんです。」


怖いのか、体を震わせ今にも泣きそうな声を上げる鳥海。


「鳥海さん・・・」


「私の事は放っておいてください・・・「1人目」の翔鶴さんには、今の私の気持ちなんてわからないです!!」


そう言って鳥海は部屋に閉じこもった。


・・・・・・


「鳥海さん・・・夕食、ここに置いておきますね。」


翔鶴が部屋の前に夕食を置いておく。


相変わらず鳥海は部屋から出ようとしない・・・


「・・・・・・」


鳥海が言った「2人目以降」に翔鶴は胸を痛める。


この鎮守府にいる翔鶴は「1人目」の艦娘である・・・鳥海を含める他艦娘は全員「2人目以降」の艦娘で過去に


軍の規律で禁止された「建造」をある提督が規律を破って建造を行いその結果、同じ艦娘が生まれてしまったのである。


その提督の秘書艦だったのが翔鶴・・・彼女はせめてもの償いに皆を支えようと決めたのである。


一時期翔鶴が「1人目」だったことを隠していてそれが明るみにされ、鳥海と揉めたことがあった、


しかし、今では和解して鳥海と一緒に鎮守府で生活するようになったが、今回の謎の死に至る発症を目の当りにし、鳥海はまた


自分と翔鶴の生まれの違いを改めて思い出してしまったのである・・・


・・・・・・


翔鶴は悩んだ・・・どうすれば鳥海を助けられるかを、


「・・・・・・」


当然ながら、自身ではその答えが出ずに諦めかけていたところで、


「・・・あの人に頼んでみようかしら・・・」


もう会わないだろうと決めたはずだが、今はそれどころではない。


鳥海を助けたい一心の翔鶴はすぐに行動に移した。


・・・・・・

・・・



「しれぇ~、お腹空いたぁ~。」


朝から時津風が騒がしい。


「まだ6時だろ、7時まで我慢しろ。」


「やだぁ~・・・しれぇ~、早く作ってぇ~!」


「・・・ダメだ。」


「ガルルルル~!!」


部屋中に時津風の唸り声が響く。


「あ~、うるさいうるさい、仕方がないなぁ~・・・おい、霧島・・・鍋に昨日の煮物残っていただろう? あれをこいつにあげてくれ。」


「わかりました、では時津風ちゃん・・・少しだけ椅子に座って待っててね。」


「はぁ~い♪」


時津風は大人しくなって椅子に座る。


提督は朝の仕込みをしていた・・・7時になれば開店しすぐに調理に取り掛かれるためだ。


「司令にお電話があります。」


「また鎮守府からか? 「関係ない」と言って切っとけ。」


相変わらず、鎮守府からの電話がしつこく掛かってくるため、提督は話を聞かずにすぐに切るのだが・・・


「いえ、電話の相手は・・・翔鶴さんです。」


「? 翔鶴?」


提督は受話器を受け取ると・・・


「もしもし・・・」


提督は話を聞いた。


・・・・・・


「・・・・・・」


翔鶴は鎮守府外で提督を待っていた。


「あ、提督・・・お久しぶりです。」


提督に対して礼をする。


「久しぶり・・・確かもう会わないと約束したはずだが?」


「すいません・・・ですが、今はどうしてもあなたの力が必要なんです・・・」


「・・・・・・」


翔鶴は落ち着かない・・・その態度は提督でも見て取れる・・・その光景に提督も、「これはただ事ではない」と気づいた。


「わかった・・・では一体どうしてオレを呼んだのか、そして鎮守府で何があったのかを聞かせてくれ。」


2人は鎮守府の中に入った。


・・・・・・


翔鶴は状況を説明・・・提督も現状の深刻さがわかり、


「つまり今は翔鶴と鳥海の2人だけ・・・なんだな?」


「・・・はい。」


「提督は尻尾を巻いて逃げたってことか・・・所詮器は小さかったわけだ。」


「・・・・・・」


「そして・・・謎の発症で皆が死んだ・・・しかも、共通点が「2人目以降」の艦娘・・・それで鳥海がいつ発症するかわからない


 恐怖の中、部屋に閉じこもってしまったわけか?」


「・・・はい。」


「そうか・・・鳥海に会って見るか。」


そう言って、翔鶴に鳥海の部屋を案内してもらった。


・・・・・・


「鳥海さん、少しいいですか?」


翔鶴が扉を叩くが・・・返事がない。


「鳥海、オレだ・・・覚えているか?」


提督が口を開いたところで、


「・・・司令官さん?」


とドア越しに返答した。


「少し話がしたい・・・翔鶴と3人でな・・・ダメならオレは帰るが・・・どうかな?」


「・・・・・・」


少し考えた後、


「・・・わかりました、着替えをしてから食堂に向かいます。」


「わかった・・・待ってる。」


翔鶴と提督は先に食堂へと向かった。


・・・・・・


「鳥海さん、体調はどうですか?」


翔鶴が気に掛けるが・・・彼女は全く口を開かない。


「・・・・・・」


それどころか、顔すら合わせもしない・・・まるで翔鶴と鳥海の間に壁が出来てしまったかのように・・・


「・・・・・・」


そんな鳥海を見て提督が、


「なぜそんなに「何人目」にこだわる必要がある?」


「えっ?」


鳥海が提督を見る、


「・・・「1人目」だろうが「2人目」だろうが、翔鶴は翔鶴、鳥海は鳥海だろう? この世界で生きている事は同じはずだ。


 それなのに何でそんな「数」にこだわる必要があるんだ?」


「・・・・・・」


何も答えられない鳥海、


「性格も気持ちも全て「1人目」でも「2人目」でも変わらない、鳥海が思う「数人目」って何? 評価? 存在価値?


 一体何? このオレにわかるように説明してくれ。」


「・・・・・・」


考えたことがなかった・・・鳥海は何も言えずに沈黙する。


「説明も出来ないお前が、安々と「数人目」だからと語るなよ。」


「・・・・・・」


「それで? 鳥海が言う「2人目」が次々と息を引き取ったと・・・で、お前は怖くて何もしないでずっと部屋に閉じこもったままなわけか・・・」


「・・・・・・」


「じゃあ、「その日」が来るまで、ずっと部屋に閉じこもっていればいい。 オレには関係ないし、お前の事を心配していた翔鶴だって


 関わる理由なんてそもそも無いからな・・・」


「・・・・・・」


「翔鶴はオレの料亭で働くか? この鎮守府は放棄された状態だろう・・・行く当てがないならオレの料亭で働かせてやるが?」


既に翔鶴を引き取る算段をしている提督、


「鳥海はここで残って1人で大人しく「その日」が来るまで待っていろ、全てを諦めて「死」を待つだけの人間に同情の言葉を


 投げかけるつもりはオレにはないから・・・」


「・・・・・・」


「じゃあ翔鶴は・・・ここを出る準備をしろ、すぐに向かう。」


「・・・はい、提督。」


翔鶴は鳥海に何も言えずに提督の指示に従った。


・・・・・・


「提督、準備が出来ました。」


「そうか・・・この地図を渡す、翔鶴は先に行ってくれ。 事情は霧島に話してくれ・・・「提督が許可した」と言えばいい。」


「・・・はい。 それでは・・・失礼します。」


最後に鳥海を見る翔鶴・・・それでも彼女は翔鶴に何の言葉も掛けなかった。


・・・・・・


「ここがお前の部屋か・・・やはり整理されて綺麗だ。」


鳥海の部屋を見て関心する提督。


「・・・・・・」


提督の姿をただ見つめる鳥海。


しばらく周囲を見回した後、何を思ったのか提督が床に座る。


「? 一体何のつもりですか?」


鳥海は提督の心境が読めない。


「ここで見ていてやるよ。」


「・・・・・・」



見ている? 私が苦しむ様子を見学すると言うの!? 司令官さん・・・酷い!



「・・・・・・」


そう感じた鳥海は無意識に涙を流していた。


「何故素直に言わないんだ? なぜ「数人目」と遠まわしに言って翔鶴を傷つけ、本当は「寂しいから」と素直に打ち明けなかった?」


「!?」


「本当は寂しくて辛かったんだろう? 自分もいつか皆のように発症する・・・それが怖くて・・・でも、自分が死んだ際に


 翔鶴に悲しい思いをさせたくなくて敢えて「数人目」だからと言って、翔鶴を突き放したんだろう?」


「・・・・・・」


「本当は自分を嫌うように敢えて突き放したんだろう? そうすれば鳥海が死んだときに彼女が悲しむことはない、と。」


「・・・・・・」


「翔鶴はお前の望んだ通りに「鎮守府から出て行かせた」、 だからオレがお前の最後を看取ってやる。」


「・・・・・・」


「せめて・・・最後にお前がやり残したことがあるならオレが叶えてやる・・・あればな?」


「・・・・・・」


提督がそこまで言うと、鳥海が口を開いた・・・


「・・・お願いがあります・・・司令官さん。」


「・・・何だ?」


「私の・・・私の最初で最後のお願いです。 どうか願いを聞いてくれませんか?」


「・・・・・・」


提督は鳥海の願いを聞いた。


・・・・・・

・・・



「お待ちどお様です、あなた。」


鳥海が提督に食事を出した。


「では、いただきます。」


提督が箸ですくって口に運ぶ。


「うん、おいしい。」


「本当ですか? 良かった~。」


鳥海は満足げだ・・・



鳥海が願った事、それは「1日でいいので結婚生活をしたい」と、言う女性らしい願いだった。


出撃・遠征での任務に「2人目」というレッテルを世間から貼られ、鎮守府から出られなかった彼女だからこそ


願った新婚生活・・・提督はそれを受け入れた。



「今日は特に任務とかが無いので・・・どこかへ・・・行きませんか?」


「いいよ、どこに行く?」


「・・・・・・」


前述のとおり、鎮守府から出られなかった鳥海には当てなどなかった。


「じゃあオレの行きつけ店でも行くか?」


「! はい、お願いします!」


2人は私服に着替えて目的地に向かった。


・・・・・・


2人が向かった先は、


「オレの行きつけの店・・・この喫茶店だ。」


最近出店した喫茶店、艦娘達も休日に来るほど人気が高い。


「・・・・・・」


鳥海にとって、喫茶店よりも「外に出た」という体験の方が、とても新鮮に感じ、周りを興味津々に見回っていた。


「・・・鳥海?」


「あ・・・ごめんなさい。」


「どうする? この辺りを回って見るか?」


「はい、お願いします。」


喫茶店に入るのをやめ、2人は道なりに歩いた。


「綺麗・・・こんなにも綺麗な場所があったなんて・・・」


2人が着いた場所は、周りを無数の花で覆いつくす「お花畑」・・・駆逐艦やケッコンした艦娘たちに人気の場所だ。


「・・・見たことがない花ですね。」


外に出るのが初めてなのか、もしくは本当に知らないのか・・・どこにでもある花を見て首を傾げる鳥海。


「でも・・・とても綺麗です。 こんな素敵な場所があったなんて・・・」


いかにも女性らしい、とても艤装を装着して出撃している艦娘にはとても見えない・・・


「? どうしました・・・あなた?」


提督が見続けていたからだろうか・・・鳥海が気づき、尋ねた。


「いや、何でもない。」


そう言って顔をそらした。


鳥海はしばらくその場所で満喫していた。


・・・・・・


「もう昼だな・・・何か食べるか?」


「そうですね・・・では、あれが食べたいです!」


鳥海が目の前にある店に指を差す・・・その店は・・・ごく普通の定食屋?


「・・・本当にここでいいのか? 違う場所でもいいんだぞ?」


「ここがいいです・・・鎮守府ではおにぎりやカレーしか食べた記憶がないので・・・」


「・・・・・・」


そこで、あの鎮守府の配慮の無さを知った提督・・・


「早くしないと並びますよ・・・行きましょう、あなた!」


「あ、ああ・・・わかった。」


そう言って2人は定食屋に入った。


・・・・・・


「オレは・・・このA定食で。」


「私も・・・あなたと同じA定食で♪」


「おいおい、別に一緒にしなくても・・・」


「一緒の方が安心かと思いまして・・・」


「・・・・・・」


何も返せない提督・・・


しばらくして、頼んだA定食がやってきて、


「いただきます!」


余程お腹が空いていたのか、鳥海が箸ですくって口に運び・・・


「お、おいしいです! これは何と言うお肉なんですか?」


店員はきょとんとして「豚肉ですよ?」 と返すと、


「そうなんですか・・・こんなにもおいしいんですね、豚肉って!」


「・・・・・・」


提督は思った・・・「あの鎮守府でどんな生活をしてきたのだろうか」と。


鳥海が言っていることが正しいのなら、あの鎮守府は待遇が酷い場所である、最も提督が皆が倒れた際に何の対策も取らず


翔鶴と鳥海を残して逃亡した時点で、わかっていたのだが。


「・・・・・・」


提督にとっての後悔は、鳥海たち・・・「2人目以降」の艦娘をあの鎮守府へと着任させてしまった事である。


放っておけば、いずれ解体される予定だった彼女たち・・・それを気にかけ、別の鎮守府で生活するように手配した自分・・・


これで、鳥海たちも幸せな生活が送れるはず・・・と思った自分の考えが甘かったのか、と思う提督だった。


・・・・・・


昼食後は2人で適当に道なりを回る・・・特に鳥海は景色が変わる度に違う一面を見せ、新鮮に感じた。


「・・・・・・」


彼女のあの笑顔・・・鎮守府内では見られなかったあの表情・・・


鳥海は今とても幸せなのだろう・・・「1日だけ」と言う限られた時間で彼女は精一杯に楽しんでいるのだろう・・・


「・・・・・・」


提督は思った・・・「もっと早く気づけば」・・・と。


鳥海の笑顔をよそに提督の気持ちは悲しみに包まれていた。


・・・・・・


夕方、


部屋に戻り、鳥海は最後となる「夕食」を作っていた。


そう、鳥海にとって「夕食」と残り少しの時間で「お願いの1日」は終わってしまうのだ。


でも、鳥海はそれを言わない・・・割り切っているのか・・・本当は「もっと~」と言いたくて仕方がないのでは・・・


「・・・・・・」


提督は何も言わず、鳥海の様子を見る。


「はい、お待たせしました・・・今日の夕食は、鳥海特製のカレーです。」


「・・・・・・」


朝はおにぎりとみそ汁だった、昼に鳥海が言った通り、「おにぎりとカレー」しか見ていない・・・


「・・・いただきます。」


スプーンですくって、カレーを口に運ぶ。


「うん、美味いよ。」


「本当ですか? 良かったぁ~。」


鳥海に笑みがこぼれる。


「・・・・・・」


それも束の間、彼女は急に改め・・・


「今日は本当にありがとうございました・・・おかげで私は何の未練もなく死ぬことが出来ます・・・」


「鳥海・・・」


「本当に・・・ありがとうございました!」


鳥海は深々と礼をして・・・


「・・・・・・」


提督は鳥海の手を掴むと、


「鳥海、これからずっと一緒に住まないか?」


「な、何を言っているんですか?」


提督の言葉に鳥海は驚き・・・


「知らなかった・・・鳥海たちがこの鎮守府で幸せにやっているとずっと思っていた、解体される位なら何とかして普通の生活を


 させたい、そんな一心でお前たちをこの鎮守府へ着任させたが・・・」


「・・・・・・」


「でも、今日の話を聞いて幸せどころか、鎮守府で束縛された生活を余儀なくされ、自由も与えられず・・・


 提督がお前たちを置いて逃げたと聞いて、オレはお前たちに酷い鎮守府へ行かせたこと・・・後悔している!」


「司令官・・・さん。」


「しかも、鳥海を残して皆死んでしまった・・・今更償いなんて綺麗ごとを抜かすつもりはない。でも、せめてお前だけでも


 幸せにしてやりたい・・・どうだ? 今日からオレと本当に一緒に生活しないか?」


「・・・・・・」


鳥海は一瞬笑顔で首を横に振り、涙を流し・・・


「私は司令官さんを恨んでいません、むしろ感謝してもしきれない恩を頂きました。」


「・・・・・・」


「確かに、この鎮守府の生活は苦しかったですが、司令官さんは・・・私たちを解体から救ってくれた恩人じゃないですか。」


「・・・・・・」


「そんな司令官さんを恨んでいた方は1人もいません、私たちを艦娘としてもう一度機会を与えてくれた司令官さんに


 皆もずっと感謝していましたよ。」


「鳥海・・・」


「そして・・・ありがとうございます、私の事を愛してくれたんですね・・・今私は本当に幸せです・・・でも、司令官さんには


 愛している方がいるはず・・・私なんかのために裏切ってはいけません。」


「・・・・・・」


「それに・・・もう・・・時間・・・ですね・・・」


鳥海は急に苦しみだし、吐血した。


「!? おい、鳥海! どうした!?」


提督は鳥海を抱きかかえ、


「・・・・・・」


鳥海は苦しみつつも、最後に提督に手をやり、


「お願いです・・・最後・に、私が・・・死んだ・・ら・・解剖・して・・・原因を・・調べて・・くだ・・さい。」


「鳥海・・・」


「もう・・これ以上・・犠牲・・者・を・・・出・さな・・いでくだ・・さい・・・お願い・・・しま・す。」


鳥海はそのまま息を引き取った。


「・・・・・・」


しばらく鳥海を強く抱きしめていた提督だった。


・・・・・・

・・・



「・・・・・・」


経った1人の生き残りも謎の発症で死に至り、鎮守府はもぬけの殻だ・・・


「・・・・・・」


だが、提督が1人いた・・・鳥海を工廠場に運んだ。


・・・・・・


彼女を台の上に置き・・・


「少し痛いかもしれないが・・・我慢してくれ。」


・・・と、息を引き取った彼女に向けて言った後、メスで胸を切開した。


「・・・・・・」


何が皆を苦しめたのか・・・何故皆が死ななければいけなかったのか・・・その全てを知るため、提督は詳細に調べる。


「・・・・・・」


提督が何かを見つけたようだ・・・それは、


「・・・金属破片?」


心臓と胃の隙間から何かの金属破片を見つけた・・・更に調べて行くと・・・


「・・・心臓と胃に穴が開いている・・・それで吐血したのか・・・」


心臓に穴が開いた時点で失血死なのだが、なぜ胃まで穴が開いているか不思議であった。


「・・・もしかして・・・」


何かに気付いたようで、提督は血液を採取して成分を分析した。


「・・・・・・」


成分表が映し出され、提督は確信した。


「なるほど・・・そうだったのか・・・」


その結果に提督は怒りを露わにした。


・・・・・・

・・・



「ただいま~。」


提督が料亭に戻って、


「司令、おかえりなさい! ・・・翔鶴さんがここで働くって本当ですか?」


翔鶴は既に寮で待機しているとの事・・・


「ああ、明日から指導を頼む。」


そう言って、提督は調理を霧島に任せて寮に向かった。


・・・・・・


「あら、提督・・・私の部屋に来るなんて珍しいですね?」


ここはサラトガの寮、


「でも、まだ空が明るいですよ? 夜戦をするにはまだ早過ぎでは・・・」


「・・・・・・」


入った提督は真剣な表情で・・・


「・・・・・・」


サラトガも提督の態度を察知して真面目に対応した。


「サラに聞きたいことがある。」


「はい、何ですか?」


サラも態度を改めて提督の質問に答えた。


「少し、昔の話になるが・・・聞いてもいいかな?」


「はい、何でもおっしゃってください!」


「サラが・・・昔、乱暴されて地下に監禁されていた時の話だが・・・」


「はい・・・」


「ごめんな・・・もう忘れたい過去の話だろうけど・・・」


「いいえ、構いません・・・それで、どうかしたのですか?」


「サラはその時に何度か逃亡したんだよな?」


「・・・はい、そうです。」


「そして、体に爆弾を埋め込まれた・・・そうだな?」


「・・・はい、そうです。」


「何故だ?」


「? 何故とは?」


「ごめん・・・質問の聞き方がおかしかったな・・・つまりどうしてサラは何度も逃亡を計ったんだ?」


「それは・・・あの鎮守府で生活するのが嫌だったからです。」


「それだけか?」


「はい、そうです・・・」


「本当は他に理由があったからではないのか?」


「・・・他の理由ですか?」


「例えば・・・自分が「この先、生きていけない何かを目撃してしまった」・・・とか。」


「・・・・・・」


「自分が「解体される理由を知ってしまい、それが嫌で逃亡を計った」とか・・・」


「・・・・・・」


サラは下を向き、手が震えていた。


「つまり・・・サラは昔いた鎮守府で・・・」


「何をおっしゃりたいのでしょう?」


サラが口を開き、


「提督の言っていることはわかります・・・ですが、それが分かったから何なのでしょう?」


「・・・・・・」


提督は無言のままだ。


サラの表情は明るいが、どこか悲しげな表情にも見える。


「では提督が思っていた通りだとしましょう・・・私をどうするのですか?」


「・・・・・・」


「私が・・・私が・・・「2人目」だとして・・・私をどうするおつもりですか?」


「・・・やはり、お前も・・・「2人目」だったのか。」


「・・・・・・」


サラの瞳から涙が溢れた。


「どうするつもりもない・・・オレは「何人目」なんてどうでもいい。 この世界に生を受けた以上は「何人目」であっても


 大切に接したい・・・それだけだ。」


「!? そうなんですか・・・よ、良かったです・・・」


安心したと同時に涙が止めどなく溢れるサラ。


「・・・・・・」


提督はサラを抱き、


「ごめんな・・・辛い過去を思い出させてしまって・・・」


「ううっ・・・ひっく・・・」


「ごめん・・・」


しばらく抱いて落ち着かせた後、サラトガが口を開く。


「「1人目」の私は・・・それはもう可愛がられて、改装もされて・・・提督に大事にされて・・・それなのにどうして私は・・・


 「2人目」と言う理由でこんなに酷い扱いを受けるんですか?」


「・・・・・・」


「私は自分の意思でこの世界に生まれたわけではないんです・・・提督達が好きで建造をした結果、私が生まれただけの話です。


 それなのに提督は・・・どうして・・・私を・・・簡単に捨てたんですか?」


「・・・・・・」


「ううっ・・・うああああ~~!!!!」


サラトガは堪えきれず泣き叫び、隣の寮では何事かと部屋に入ってくる艦娘たちがいた。


・・・・・・


「霧島、数日だけ料亭を空けるから皆で何とかやりくりしてくれ。」


提督は艤装?を装着し、大量の武器を持った状態だ。


「・・・構いませんが、また出張ですか? それにどうしてそんなに武器を所持しているのですか!?」


今まで見たことのない提督の格好に霧島は驚きを隠せない。


「司令、せめて私に話していただけませんか? 今から何をしに・・・そして理由を!」


「・・・帰って来てから、全て話す・・・だから、今は堪えてくれ・・・霧島!」


「・・・・・・」


提督のただならぬ気配を感じて、


「・・・わかりました・・・司令、くれぐれも無理はなさらないようにしてください!」


「・・・ありがとう、では・・・行ってくる!」


提督が料亭から離れる・・・霧島がそれを見送った。


「全てを終わらせる・・・これ以上犠牲者は出さない!」


提督はそのまま目的地へと向かった。


・・・・・・

・・・



「貴様・・・私をどうする気だ!?」


ここは総司令部、提督も昔ここに着任していたが、理由があり解雇・・・代わりに新提督が着任していた。


「どうするも何も、オレはあなたに聞きたいことがあってここに来たわけだが?」


「聞きたいこと!? ならばどうしてそんなに武器を携えて、我が部隊を壊滅にまで追い込んだ!?」


総司令部の防衛能力は高く、各艦娘が順次巡回しており、異常があればすぐに迎撃できるほどに戦力が高いのだが、


提督は総司令部に入った瞬間、「敵」とみなされ攻撃を受ける・・・それに対し、提督は返り討ちにしたのだ。


「死んではいない・・・入渠すればまた通常通りの生活ができる。」


「こ、こんなことをやってただで済むと思っているのか!?」


「ふん、本当によく叫ぶおっさんだな。」


最高司令官を椅子に座らせると、提督も目の前に座り・・・


「さて、本題に行こうか・・・」


提督は司令官を睨みつける・・・対する司令官はまるで蛇に睨まれた蛙のように何もできない。


「なぜあの鎮守府の子達を殺した? あの子たちは艦娘として生きようとしただけだ。」


「な、何の話だ?」


「「2人目」以降の艦娘にあらかじめ爆弾を体内に埋め込んでいたんだろう? その結果、あの鎮守府の皆が全員、死んだ。」


「・・・・・・」


「理由は何だ? お前らが好き勝手で建造させた問題を明るみになるのを防ぐための証拠隠滅か?」


「・・・・・・」


「答えろ! さもなくばお前の頭に大穴が開くぞ?」


そう言って提督が銃を司令官に構える。


「待て!! わかった!! 話す・・・全て話す!!」


「・・・・・・」


「確かに規律違反である建造をしたのは事実だ・・・だが、それは証拠隠滅でもただの「好きで建造した」わけでもない・・・


 この世界を維持するための強硬手段だ。」


「・・・・・・」


「姉妹艦が1人沈んだと知ったら、残りの姉妹たちはどう思う? 悲しみに明け暮れるだろう? それを防ぐためにあらかじめ


 建造で何人かの姉妹の候補を、鎮守府に着任させるんだ。」


「・・・鎮守府に着任させる?」


「霧島だってそうだ・・・昔、霧島が着任していた鎮守府が放棄された時、霧島の安否がわからず、


 実質「死んだ」ことになっている、それを金剛達が知ったらどうなる? 悲しむだろう?」


「・・・・・・」


「だから、それを防ぐために「2人目の」霧島を建造させるんだ・・・わかるか?」


「つまり・・・違う鎮守府に霧島がいるのか?」


「ああ・・・当然霧島だけじゃない! 金剛も比叡も榛名もだ!」


「・・・・・・」


「それで悲しむことはなくなるだろう? それならいくら規律違反でも大目に見れるだろう?」


「・・・・・・」


提督は引き金を引き、


「待て!? 全て話しただろう! 何が足りないんだ!?」


「なら何故「2人目」に爆弾なんか埋め込んだ?」


「逃亡防止策だ・・・いくら正当な理由でも、艦娘が逃げてしまっては元の子もない・・・もしもの事態を考えて


 埋め込んだだけだ・・・それが悪いのか?」


「でも、あの鎮守府の子達は逃げても裏切ってもいない。」


司令官の額には無数の汗が滴り落ちる。


「爆弾の老化かな・・・本来ならば遠隔操作の起爆式だが・・・何らかの理由で誤爆したんだな・・・ははは。」


「・・・・・・」


提督はにっこりと微笑み・・・


「ならこの銃も、誤射しちゃった♪ で、いいよな?」


そして提督は何の容赦もなく、



ドォン!! 



司令官の額に撃ち込んだ。


「・・・さてと・・・後は・・・」


提督はある場所へと向かった。


・・・・・・


着いた場所は・・・工廠場。


その隣には・・・稼働可能な建造施設があった。


「・・・・・・」


提督は建造施設に爆弾を設置する・・・


「・・・・・・」


設置し終わったところで、


「霧島、サラトガ・・・そして鳥海・・・もう安心しろ、 これで理不尽な犠牲を終わらせる!!」


そう言って提督は起動スイッチを押した。


建造施設は完全に破壊され、これで新たな艦娘を建造することは不可能になった。


・・・・・・

・・・



その後、提督はまた料亭を再開。


最高司令官が死んだことにより、新たな司令官が着任したようだが・・・待遇は悪いらしい。


最も・・・提督を辞めた人間には関係のないことだが・・・


提督は総司令部からある資料を持ち出していた、内容は・・・「2人目以降の処遇報告書」


「・・・・・・」


中を読むと・・・


「・・・・・・」


今まで司令官たちが行った悪行が細かに記されていたがそれ以上に・・・


「大淀・・・金剛に・・・それに、ビスマルクも・・・か。」


見ない方が良かったと思う現実も、そこには記されてあった。


・・・・・・


「・・・いらっしゃい。」


今日は村雨たちが休みだったため、提督がカウンターで接客をしていた。


来た客は・・・高雄含む4人、その中には・・・鳥海もいた。


「・・・・・・」


彼女は「1人目」だろうか・・・改装もされて、姉と似たような服装をしていた。


「・・・あの~・・・私の顔に何かついていますか?」


鳥海が気づき、困惑しながら提督に尋ねた。


「いや、何も・・・注文はいかがなさいますか?」


「そうですね・・・私はこの白玉ぜんざいを。」


「愛宕は・・・このフレンチトーストを下さい!」


「あたしは、この駆逐艦特製のパフェを頼むぜぇ!」


「今日は駆逐艦の子が休みなので、私が代わりに作ってもいいかな?」


「ん、そうなの? 別にいいけど。」


「・・・お嬢さんはお決まりかな?」


「・・・そうですね。」


鳥海が少し悩み、


「私はこれを・・・バニラアイスをください。」


「おい、鳥海! この料亭は全額100円なんだから、もっといいもん頼めよ!」


「・・・今私が食べたいのが・・・バニラアイスだから、これでいいわ。」


「・・・・・・」


「2人目」の鳥海もこの子と同じように幸せだったらと思うと、胸が痛くなる。


「注文承りました・・・少しお待ちください。」


すぐに提督は調理を始めた。


「・・・・・・」


悩んでいても仕方がない、これからもずっと前を見続けなければいけない・・・あの子のためにも。


提督は心に誓いつつ、料亭で仕事を続けた。


・・・・・・

・・・



「鳥海・・・お前は向こうで元気にやってるか?」


鎮守府前に墓石を立て、手を合わせ・・・黙祷する。


「お前が望んだとおりにしたよ・・・これで、もう建造されることはないだろう・・・」


提督は墓石に呟く。


「・・・じゃあ、オレは行くよ・・・また時間があれば来るから。」


提督は後ろを向き、元来た道を戻ろうとした。


「・・・おっと、いけない、忘れる所だった。」


改めて墓石の前に立ち・・・


「ケッコンは出来なかったが・・・これはオレの気持ちだ・・・受け取ってくれ。」


そう言って、線香の隣に・・・指輪を置いた提督だった。


・・・・・・

・・・



「駆逐艦3名と軽巡3名、入ります!」


いつものように、朝から忙しい。


「提督、A定食を2つにピザとドリアを2つずつお願いします!」


「ほいっ、任せな!」


今日も艦娘の笑顔のために調理する提督の姿があった。









「ある艦娘たちの日々」3  終










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