ダイスケ「逢いたい...」
「マイブラザー、いや俺の愛した人。今はどこにいるんだ... 」
居草場ダイスケは空を見つめ遠くに目をやる。今日は試合のユニフォームではなく黒服に身を包んだ。流石にマスクを着けずに参加は無理があったようで、式の最後に途中参加となった
空は全体的に灰色に染まり、雨もポツポツ降り出していた。手には2人の思い出のファイル。マスクを外して一緒に撮った写真。修学旅行やタッグマッチの時の写真も入っている。目の前がボヤけたのに気づきすぐに拭き取る
「あっという間だったな。お前がいないと心に穴が空いたように何もやる気が出ないんだ...」
ごみ箱には新聞紙が雑に入れられていた
新聞紙「タウラスマスクまさかの10連敗?!このまま引退かっ?!」
「...!頭がボーッとする...」ハッ
「こいつは...誰だ?」
主人公の役割「流者」。その真の効果とは元の世界に戻るときに発揮される。
「「「関わった全ての生き物の記憶から消される」」」
ーーー
「ダイスケ!カメラ見ろよ!」
「ちょっまっ!心の準備が...///」カシャ
ーーー
「ちょっ......スク貸し...」
「へ?」
「俺...噂の学生レ......ー!!その名も......ラースマス...!!」ドヤァ
「って.....っ!!?」カッコイイ!
ーーー
「ーーーー!!ーーー...」
「ーー♪ーーー!」
「「ーーーー!!」」
ーーー
次第にダイスケの記憶には霧がかかっていく。大切な思い出の何もかもを「流者」は消していく
「なんで俺は黒服なんか着てんだ?」ツー
「ん?涙?」ポロッ
ダイスケは自分の頰に手を当てる。さっきの涙とは別のものを流していることには気づきもしない。しかしダイスケは「涙を流した」のだ
忘れてはいけないものがあったような、自分の大事なものが失ってしまったような。喉の奥から何かが込み上げてくる。何か言わなくては、掴まなくては、行動しなくては!!けれども何をすればいいのか、何もわからない
ダイスケは焦ったように、何かを探すように振り返ると建ててある白黒の看板に気がつく
「ーーーー」
「もう...何も思い出せないっ...」
本降りの雨の中、闘牛の雄叫びはかき消されただ独り立っていた
自分で書いといてあれだけど何か泣けてきた... 一気に喉が渇いた感じがする。読者が僕と同じ思いになれたら嬉しいけど... →技術が上がったことを実感できるから
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