好き合戦
思いついたから書きました。即興で書いてますんでなんでもありな方はお読みくださると幸甚です。
書き足し方式でやるよ。
ネタとかすぐ尽きそう。
暇つぶしにもならんです。
ごちうさ早く続いてください。
この話はフィクションです。現実世界は関係ありません。
女「あの日私の心を強かに打ったあの笑みに取り憑かれた私は、ガラスケースに羅列された宝石のようにただ男という光を見てはキラキラと煌めくだけの存在になってしまった。
一目惚れや岡惚れと名のつくちゃちな高揚とは一線を画す謂わば人々の脳髄に揺蕩う運命的な一糸だったんだ」
幼「笑わせないでくださいよ。
幾ら言葉を紡いでも僕の身篭った衣摺れにも似た細やかな自我と、それ以外の全身を男に捧げた献身の慈愛には到底誰が適いますかね?
優しさと同時に憎らしい、慕情に勘付かない男の態度も最早一挙手一投足が顕微鏡に勝る僕の慧眼には恥ずかしがって一塵でも距離を詰めたいという奥手が裸の王様宛らに透かして見えるよ」
嬢「カラカラカラカラ、貴女達の仰る事には全く愛情が感じられませんわね。
良いですか?男さんというお方は私が秋波を送る毎に微笑み返してくださるそのお心遣いに、極微細な心恋しさを含んでそれを感受するとその夜には夢に現れて、私のシルクの寝間着を優しく指先で脱がせてくださるんですのよ?
夢というのは脳が起こすのだと言うのなら、三次元という土台から何一つ逸脱せずにこの燃え盛る夜毎の営みは、正に現実としか言いようが無いんだわ」
妄想過多の女史女史方は今日も元気でした。
男「何を言っているかさっぱり分からないが早く行くぞ」
アプローチ編
女「ねえ男?私と一緒になればきっと誰もが羨む程に何もかもがあげる。だから今夜辺り私を指や首に付けられるように研磨して付けてみない?」
男「イタリア男か!」
女「ホモ・サピエンスという共通項は覆せないから言い得て妙」
男「否定しないのか...」
女「さあ!答えを先送るなら今この学校という人口密集地で大声を上げて鞭に打たれた馬の様に濁った声で早弁しながら歌っちゃうよ?」
男「なんだそれちょっと見てみたい。でも答えは全部ノー」
女「やっぱりシスコンなんだね。でも残念なことに私は男のお姉さんにはトイレ休憩を幾ら挟んでも成れないんだよ...」
男「一生無理だね。諦めるんだな」
女「お姉さんってそんなに良いの?もしかしたら案外狭心から一度抜け出してしまえば嵌るかもよ?」
男「姉という立ち位置だからこそ姉自身の心が揺れた瞬間、グズグズと瓦解する有るかに見えていた家庭内が病んだように色めき立つのがいかにも背徳的な情緒を持って俺を離さないんだよ」
女「自分から行くんじゃないんだ?」
男「不安がって悶絶する精神の葛藤の火の粉が俺を焦がすんだよ」
デート編
幼「僕の誘いを断らなかったのは義理の為?それともそんな発展は禁じ得ると踏んだのかな?」
男「お前は白昼堂々襲うタイプではないからな。積年の観察が裏付けてる」
幼「その積年はきっと今季稀に見る霜柱で気取れずにいつしかサクサクと踏みしだかれてしまうかもしれないよ?」
男「そうなったら関係性が幼馴染から経験し合った幼馴染に変革するだけだろ」
幼「その価値観ってちょっとどうなの?見境なさ過ぎない?」
男「節操もございません」
風邪編
女「情けない話お見舞いしてくれるまで一寸寂しかったんだよ。
熱が高まるにつれて体から魂魄が途方も無い暗がりに落ち込んで行く感覚が徐々に...。でも遠ざけられた扉を男君が開いて新婚初夜の営みに降りかかる六花か意地汚いババアの肝っ玉みたいに冷たい手をおでこに当ててくれた気持ち良さときたら、女神の豊満な尻をはたく以上だったよ」
男「ウイルスで下ネタに走ってしまうなら違う病院に行った方が良いな。
林檎を摩り下ろしたからたんとおあがり」
女「食べさせてくれる?」
男「猫撫で声で頼んでもやった事ないからやらんぞ?」
女「へっへっへ、じゃあアーン処女をたんと頂きますかねぇ」ジュルリ
男「好奇心は猫をも殺すぞ」
女「じゃあその一タチで一思いにやっちゃってくだせぇよ」
男「七つの鐘を六聞いて残る一つは未来へ土産、覚悟は良いか!」
女「南無阿弥陀仏」あーん
ムッシャモッシャ
女「美味し!男君の手垢が混じってると思うと余計に美味だよ!
あ、たんと食べるけど私胃下垂だから元来鱈腹なんだよ。見る?」
男「妖怪みたいだな。実際の妖怪絵巻にも女という項目が有るには有るが...。
お腹は冷やすと悪いからしまっときなさい」
女「こういう時は甘やかすんだから質が悪いよ」
男「放っておいたらウチまで這いずって来るくせに」
姉編
姉「男〜ちょっとアイス買ってきて〜」
男「ハーゲンダッツはお高いんだよ?」
姉「あれは魔性の好物だよ...。その呪詛は脂肪」
男「それでも食べるんだ」
姉「あれと接点を絶つくらいなら高利貸しでも利用して食べ続けるよ」
男「氷菓子だけに?」
幸せ編
嬢「ねえ男さん?皆幸せになれる方法がハーレムだという意見があるけれど納得ずくで、でも誰か一人が独占してしまった方が現状との高低差で感じる程度の幸せを重視するのなら良いと思いません?」
男「一理ある。でもだからといって誰彼に押し付けるつもりもないけどな」
嬢「お優しいんですのね。あんなに縛り上げて私の体を紫が疎らに走る体にしてしまったのに」
男「フェチを告白されても嬉しくない不思議」
疑問編
男「昨日障害者のアスリートの特集をやってて格好いいなと痺れたよ」
幼「たしかにあの人達は凄いよね。常人の数倍の努力をしてるかもしれない。でも僕はそれに一家言呈せざるを得ないよ」
男「聞こうか?」
幼「僕はしたい事をしたい人間なんだけどそのアスリートやその他の障害者は果たしてしたい事をしてるのか出来るからやってるのかは不明だろう?
土台僕は障害者に対する理解をと言われればしようとは思うけど、それに甘んじて治療研究の進まない現状に向っ腹が立つんだよ。
病気は治すのが正常だろう?
たとえそれが元で素晴らしい才能を開花させてもそれは自分で選んだ物とは思えないから、偏屈に見てしまうわけさ」
男「誰にでも堪忍袋の緒ってのはあるからな」
幼「本人達だって治せるなら治したいはずだよ。それを遅らせてやり場のないストレスは八方に散ってしまう。そのくせ国の役人は責められないんだ。健常者への侮辱だよ」
男「そろそろ一つでも治せる障害が出てきても良いような気もする」
幼「そうだよ。そこまで技術が発展すればきっと男を自由にできる洗脳マシンが作れるのに!」
男「折角の良い話が...」
フェチ編
嬢「幼さんって結構幼形成熟っぽいけどまさか男さんはロリコンだったりするのかしら?」
男「嬢、一つ前提が間違っているから訂正するけどフェティシズムは独立出来ない。
ロリコンでも対象が美形でなければ欲情しないとか、ある種の神聖さを汚す行為そのものに興奮する、というようにフェチは一つ一つを繋ぎ合わせたネックレスのような産物であって、決してあやふやに好みが一つあるわけじゃない」
嬢「確かにそうですわね。イケメンというのもあれは人間でなければ嫌だという人が多いでしょうしね。
それで、その毒々しい胸中の劣情にロリコンは混ぜ込まれているのかしら?」
男「秘すれば花と故人は言った。遠眼鏡で眺めている方がきっと劇的にクライマックスが迎えられるよ」
嬢「いつ来るかわからないサンタクロースは好きじゃないの。きっと待ち合わせなんかしてくださらないもの」
男「羊を数えて無垢に眠れば瞼の裏に答えがあるかもね」
夢編
男「待ちたまえよ!君に会ってからというもの喉がつっかえてしまっていつしか胃も枯れてしまうんじゃないかと気が気じゃないんだよ」
女「ああ、それでも出来ないのよ。男君を手に入れた瞬間忽ち岩戸に隠れた太陽になってしまって世界は幕を下げた舞台になってしまうから」
男「君が愛してくれないならもう岩戸は閉じられらも同然、梟がけたたましく泣き喚いて雀などは二度と踊らない事だろう!...」
女「って夢を見たんだよ...。」ハァ...
男「俺そんなに気障に見えてる?」
女「全然。でもきっとそうなったら気色悪いかもね」
男「二十面相には成れないな」
説得編
嬢「少々困ってしまったわ...」
男「どうしたんだ?」
嬢「お父様が我が家に資産に見合った男でないと婿になる事は許されないと御怒りなのよ」
男「そうなると五京円の札束がお前の婚期を遅らせるわけか。
しかしその発注は既にその額を超えた代物に成り果ててしまっている。奇跡を寄せ集めて見つかったその人というのはその縁談など請け合わないだろうな」
嬢「そうなのよ、だから昔お父様を説得せしめた親切心をこの度再び奮って欲しいと只で頼む程痴れ者にも劣る不躾な野暮用を押し付けたりは致しませんわ。
ですから報酬を受け取る前提からどうかあの石頭を路傍に撒きなおして欲しいのよ」
男「お家柄というのは壊れたエンジンのように周囲の人に勝手に引っ付いては、どこか望まない方向へ引き行ってしまうのは致し方ないのは承知している。
でも二度あることは三度あると言うからにはここで根っこを絶ってしまわなければまた報酬を払う事になるぞ」
嬢「私もそう思って八方手を尽くしたけれどあの人の頭には曇りガラスが一枚あって、その裏から覗く双眸にチラと生気の失せた舌をのぞかせて言うことには「反抗期」の一点張りで、取り合ってくれるのは生涯どんなに老いようが有りようのない事だと気付いてしまったの」
男「過ぎたるは及ばざるが如しという権化に百万の経を唱えても馬耳東風だとの先見は的を外しはしなさそうだな。
不幸を舐めさせるのは癪に触るから少し検討してみるよ」
嬢「ダビデ像が逞しく見えるのなら男さんには石膏に無い何か模しえないすっかり浮世から離別した魅力が、凡ゆる雄蝶雌蝶を惹きつけて蜜も香りさえ与えずに飼い殺してしまういけずさのヴェールに覆われて無邪気に燐光を放つと私達は淫らに男さんを求めてしまうんだわ」
男「最後はどうにかならんのか」
嬢「鳥は取り敢えず飛ぶのだから無理でしょうね」
欲求編
幼「性欲というのは欲求の階級で大凡二番手に鎮座しているわけだけどなんだか最近見た時代劇の様に、ある君主に使える狡賢い班長みたいなもので時にはそれによって生命すら牙にかけかねない特性を持ち合わせていると思うんだよ」
男「俺が社会人に微塵でも属している限りは姉に対する愛執を世間にお披露目すれば社会的に死に、またそれを断行しようとすると泥の中の砂金みたいに煌めいて俺の目はおろか命さえ射抜きかねないわけか」
幼「そんなわけで世間からも身内からもその二つから好きにしたとて責められない薔薇色の日々を送るために、僕を初夜のお床へ閉じ込めてくれよ」
男「終始一貫しているのは感心だがそれで絆されるくらいの堅固さは持ち合わせてないよ。
それに新床というのは特別視されるが、それは社会人と動物としての一段階昇進と堕落を同時に経験するからその不思議さを脳で感じるのであって、翌朝娼婦の歌声を聴いていても肉欲のみだけが残っていて、もう一下り墜落するようなことはあり得ない。
だから自慢げに掲げるその操は真っ当な人間にしか美しくは映らないんだよ」
幼「僕の破瓜の血は姉さんを籠絡する事に比べれば燃えて垂れ固まる蝋となんら変わらないのか」
男「おうよ。世間ではシスコンというかもしれないが、一生を捧げての一大決心からなるこの謀略はまさにシス婚というわけだな」
幼「絶叫ものだね」
売性編
男「パートナーの浮気と認定される不貞行為(仮)だけれど、これはちゃんと考えた事がある人は少ないんじゃないだろうかと思う」
女「線引き的な事?」
男「完璧な人間に対する淡い理想を貫けなかったからきっと誰もが婚約を交わすんだ。
それだというのに不貞行為は許さず、顔面偏差値に劣等感を覚え、最後にはごちゃ混ぜになった醜い心の手綱を上手く引き続ける為に世間でまことしやかに囁かれる価値観に縋り付いて自己責任を逃れるんだ、それも五十歩百歩なのだけど」
女「理想が高くても妥協すべきでないと?」
男「脳の作りからして男女間には差異が厳然と存在するので、それは互いに差し引き零。でもそうして要求を重ねる自分の価値というのも理想形とは程遠く一人では補い切れるものではないわけだ。だから分担をするんだよ。
美辞麗句を言いながら自分を貶めず周囲の評価の一端として慰めてくれて、しかも肉欲をぶつけても仕事の範疇であれば受け入れてくれる。そんな双頭の鷲のどちらが斬首されても片方は死んでしまうんだよ」
女「それだと関係が悪化しない?」
男「ホストに行ったら誰もが褒めてくれるだろ?それってのは酒池肉林の片鱗があるからだ。
互いに妥協相手なのだからホストでもキャバ嬢でも束の間に全力の擬似愛情を注ぐ事ができるが、それが常々個人の心理や脳裏までも見えたならそれは好悪の重りがそれを減速させる。
友達に愚痴を吐き出す心情は私生活まで知り得ない相手だから片時肩代わりしてもらってゴミ箱に無関心に塵を捨てる様に愛着が少ないから、楽になれる。その後に始めて愛着が湧くんだ都合のいいものだから」
女「だからそういう店に行くのは今後を思えば有用なわけだ」
男「性交渉の際でも金を払っていれば気遣いなんて無用の事で、上手いか下手かなんて二の次の職業があるのは男女平等にあるコンプレックスの絡まった糸の結び目を見えなくしてくれる。
その因果にはSNSで人権に依存した表現や発言や内心の自由で陰口を吐かれる程度。しかもそれは見ないという選択肢が残されている」
女「結婚は幸せという基準を遵守すれば大抵そうなるね」
男「互いの歩み寄りという関係性はある意味で修羅道にも似た茨の道だと知って、その痛みを感じたくないのであれば理想の相手を見つけるか互いに譲歩し続けるだけになる事だろうな。
風俗営業を蔑む訳じゃないけど他の職業と比べてどちらかというと禁忌視されている。でもそれが無いと成り立たない仕事でもあるというのは、春の夜の夢の様にむせ返る社会にひっそりと佇む一輪の花は疲れ切った鉛の肉塊に一滴の蜜を染み渡らせて摩擦を円滑に道理を通り越して丸め込んでしまうんだと思う」
女「だから姉さん以外と関係を持たないの?」
男「尽くされると矮小な罪悪感が心底の上澄みをかき混ぜて洗脳と分かっていてももうもうと拒否反応が出てしまうだけだよ」
女「それが消え去ったら味が一つ消えてしまいそうだね」
男「悪食め」
妄想編
男「俺は今現在戸籍によって赤の他人からも誰彼であると言って貰える訳だが、もし今ここで急死してしまえば些事に惑わされずに過ごせるんだ。しかし都合の悪い事にはある疑問がどこの自慢の洗剤でも拭えないほどにこびりついて空っぽの頭蓋に木霊するんだ」
幼「どんな疑問だい?」
男「死んだら姉と言葉を交わすどころかおっぱいさえ揉めなくなっちまうんだ。うぶだった頃のように殴られてもないのに真っ赤になる事さえ叶わん。
そこで生まれ変わりが有ると仮定して、しかし乱数にドンピシャのフィットが有れば良いがそうでなかった場合いくらスカートが悪戯な風に吹かれてマリリンモンローがセクシーにパンツを仄めかしたとしても興奮出来ない可能性があるはずだ。そこにそこはかとない拒否反応を催す一方、他方では幾度となく押し付けられた一生の進路から慌てん坊のサンタクロースよろしく押っ取り刀で逃げ出したくもある。
この遣る瀬無い強制力になんとか抗えないものか?」
幼「その体で行くと僕も同じ佳境にいるわけか。一層の事求愛してくる全員を娶ってそのヒモになって捩り捩り生きていけば応急処置としては及第点だと思うけど?」
男「嬢が言ってたんだが現状との高低差で感じる程度幸福なら、誰かが独占した方が奪い返された時に楽しめるから良いんじゃないかと疑念を持っていたぞ?」
幼「恒久的な幸福が欲しいなら幸せを感じる分泌物の影響なのは科学的に分かってる原因なんだからそれをずっと投与でもすれば良いよ。幸せの青い鳥なんて物は実現可能な世になりつつあるんだから使うべきだのに、それを禁断の果実だと言っては悪魔的に映る事さえあるのは人類の繁栄に歯止めを掛けているに違いないんだ。
因みに僕が急死したとしてもそれで男が仮初めの安らぎを抱くならそうするよ。男が暇になって離れ業を見せろと命じるなら自分の血管を悉く綺麗に抜いて素麺の様に啜って楽しませもしよう。
狂信的に執心を起こす事でしか存在価値を見出せない僕らを男は一刹那毎に救っているという事実が世界史の端切れとして有るのは確かで、これには万人が違うと言っても三人は抗うはずさ。だからそんな世界で悩むくらいなら傍に居て欲しいんだ。何人も寄せ付けない隷従の誓いを立てても良い」
男「正常な奴が正常に救われてその黒さを醸し出すのだとしたら、恋煩いは字面に似合わず一面の黒だったんだろうな。その色合いは女性を美しく見せると何人かに言わしめのだろうが、生憎俺は硯にはならない。
でもなんとなく気持ちが楽になったよ」
幼「心に糸通し穴が無い分全く厄介だよ」
怠け者編
男「理想的な死という物に名残を嗅いだ事によって羨望が湧いた」
嬢「どういったものですの?」
男「戦死だよ。
ただこき使われて畳か病院のベッドにピザのチーズみたいにダラリと横たわってそれに恥じ入る事すら老いさらばえた脳細胞には叶わない。
そんな惨めさを感じるくらいならつつを持って武勲の一つでも上げさえすれば英雄的に、しかも引き金を引くだけで容易に理想形であるところの歴史に名を残すという偉業が成し得るわけだ。
現代人の肩書きでは最早戦死宣告なんて出してもらえないだろうから誇大妄想ではどうも朝露が輝く様に見えてしまう」
嬢「インスタントに失望を振り切ったらそうなりそうですわね。
確かに戦死者というのは居なかったら私達は存在し得なかったと言う人もいらっしゃるのは事実で、その実学歴を見れば現代人よりも低い兵士が多々見受けられますわ。阿鼻叫喚の町々で火の手が祭りの提灯の様に連なっていって、源が見えなくなった美徳は口先で水紋が渡る如くに広がって行き国民は三代目で見えていた理想郷は存在しないと目隠しをされるの。
悪習は軈て伝統と変化して贅沢を自由に出来る為に戦った英霊は悲しみの行進を血の色をした夕焼けを見ながら延々と繰り返すんだわ。
そうして男さんなどが自殺した暁には「問題です」と原因をあれこれゴキブリの行脚する様に隅々まで調べられて群衆に踏みつけにされるのが淘汰という免罪符で何もかも霧散するのよ」
男「正しくその通り。救われようにも神々に考えを聞く為には矢張り衣食住が安定供給されないとほくそ笑む死神の鎌の切っ先に首の薄皮を切らせる事になる。
世界の進路は定まらないのに個人はその安定供給の為の馬車馬として蹄をすり減らすだけなんて真っ平御免だ。テロリズムだって起きもしよう」
嬢「お偉い方は暇してるのね」
tweet編
男「俺は自分を○だとは思わない、俺はトイレに入っても自分を○だとは思わない、髭を剃る時に自分を○だとは思わない
ブツブツブツブツ」
女「男君は○でしょう?、トイレに入れば何かが見えるでしょう?、髭が生え易いのは○だからでしょう?
ブツブツブツブツ」
幼「ブツブツブツブツ
勝者は○○しているものさ、勝者は○○しないものさ、○○が真の勝者さ」
嬢「ブツブツブツブツ
○○するのは敗者だわ、○○しないのは敗者だわ、○○こそが真の敗者ですわ」
留守電編
ご飯を食べましょう、美味しいやつを。
ゲームをしましょう、楽しいやつを。
お昼寝しましょう、快いやつを。
何かに物申す余力はとうに消えちまった。病気の認定が無ければ唯生きる事さえ許されない。
人さんこちら、手のなる方へ。呼んでるあの子はきっと幸せ。
枷がガチャガチャ。重りをズルズル。
西日が射すぞ、脱獄だ。硝煙上げろ、戦争だ。
茶封筒に人生詰めて、航のチケット買おうじゃないか。
筋力落ちますボトボトと。知能も落ちますボトボトと。気づきゃあしませんニヤニヤニヤ。
白い壁は人骨製、地下で水晶育ちます。
爛熟した空が落ちる!種子は太陽と太陰!
恋をしましょう、綺麗なやつを。
勉強しましょう、正しいやつを。
生まれ変わりましょう、全ての辛酸をそのサラの舌根に敷き詰めてやるのだ。
白状しますと「産まれてきてくれてありがとう」なんていずれ捨てる先達が言っちゃあ駄目でしょう?
燦々の太陽が、瑞々しい山々が、清々しい空気が、美味しい物が、わくわくの初体験が、潤いの雨が、ドキドキの恋が、魅惑の芸術が、
命の重さが、てれこにあやふやに捩り捩りに紆余曲折に打っ違いに互い違いに逆さまに有耶無耶に入れ違いにすれ違いに交互に五里霧中なって、
愛おしい全てが汚く見える。
次世代を担わせるなんて骸骨が喋る。次世代に背負わせてたまるか。
でもボッチ。
変編
男「恋してるってどんな気持ち?」
姉「恋してない時以外の気持ち」
男「なんだそれ...。なんかこう、具体的にない?」
姉「なぁに?好きな人でもできたの?」
男「実はそうなんだよ」
姉「えっえっ、誰誰誰誰???」
男「言わないよ」
姉「なんだ〜?お姉ちゃんに言ってみ〜?ん〜?」
男「なんでそう恋心は果汁たっぷりの何かだと思って搾りにかかってくるのかねぇ?」
姉「どんな化粧品よりも安くて効果があるからだよ」
男「化粧は鏡台の前でするのに気付かないもんだね...」
死編
男「考えてみればアルファベットのCのように人の一生に輪廻が関与していると考えがちだけど、死を恐れる割りには死んでいた期間の方がざっくりと憶測して長いくせにCの空間が死で生が実線だと思いがちなのは、何か気づかないうちに矮小な脳の錯覚で記憶なんて曖昧な物に左右されているからに他ならないと思うんだよなぁ」
幼「憶測で物事を語るのは良くないけれど、でも憶測でしか語れない領域ではあるね。
実感とその記憶が未知の領域を狭めてしまっているのは確かだと思うよ。それによって妙な執着とグロテスクさをその現象に見出して溺れた人間も真実を語ったであろう聖人達も死後という物をいい加減に嘯いてそれを楽しんでたわけだけど、僕は男の意見に諸手を挙げて大賛成だよ」
男「それちゃんと考えて言ってる?」
幼「ある程度は考えてるけど基本的には賛成する他ないんだよ。そうする事で快楽を得られていれば僕は活き活きとする。そうして生きてるという妄想を大部分が休んでいて一体何に使うんだか分からない有機重りを付けてそれを良しとする怠けた脳の極僅かな神経に細胞に刻めと命じるんだよ。
死にかけた生なんてそんなの欲しくない」
男「じゃあ死に際にはおどろおどろしくて幽鬼のような死に死にとした死を迎えるのが正解で、満ち足りた幸福感に包まれた臨終は御所望でないと」
幼「でないと花々に包まれてこの人間は清く正しく生きて不幸にも亡くなった、なんて気色悪い幻想を抱かれながら面を拝まれる羽目になるんだ。
心の色眼鏡というのは恐ろしいのさ。気紛れに上機嫌で歩いていれば呑気なもので何でも出来る気がして瞳孔が一寸ばかし開くもんだから世界が照り輝いく一方、不機嫌ともなればどんなスポットライトだってどこか暗澹としていて星は今にも消えそうに儚げに映りそれが嫌なら当たり散らす。言ってみれば猫畜生そのものなんだ。名前が有るかは知らないけどね」
男「酔いどれの千鳥足で溺死の末路は今昔問わずその所為なのかもしれないな」
七転八倒編
男「ミルク味の粥に一滴の血が混じった」
姉「?何?急に」
男「家系図の脈絡は途端に俺の代からのたうち回り肉原のただ中に佇んでは平均値を揺らして特異の一角として構成に歪みを齎す切っ掛けに、今ここでこのママゴトに台詞を加えようと思う」
姉「ごめん、言ってる意味がよく分からないんだけどね?」
男「姉、純白の幼心に染みを作った唯一の狂い。
具体的には小学三年生のある日から姉の事が他人行儀に好きだった」
姉「えーっと?...」
男「一人の女性として好きだ」
姉「っ。え?。あっ、分かった!この間食べちゃったアイスの仕返し!?もう、散々謝ったじゃん」
男「...」
姉「うっそ...。本気、なの?えっ、でもだってお姉ちゃんだよ??
そん...言われたって、どうしようもないよ」
男「興味が有ったんだろ?惚れた相手にさ」
姉「だってまさか私だなんて思わないじゃん!」
男「大丈夫、別に恋人になれなんて言う事は無いし脚本を書き換える悪戯に過ぎないよ」
姉「そんなの言い逃げじゃないの?」
男「どう取ってもらっても良いよ。なんならボタンを口で押すだけで何事も無くなるんだから自由にしてくれ」
姉「...。御免部屋に戻るっ」バタバタ
男(これだ。あの乳色の肌に宇宙を抱えた瞳の端から彗星が降るこの瞬間を今まで気長に賽の河原で積み上げて来たんだ!
この家はおろか人類史の中に確かに刻まれた社会通念に沿わない事件の一つは確かに俺の吐いた台詞で刻まれた!点火された常識は燃え広がってやがて一生をかけて両親が作り上げて来た理想郷は鉄分の風味を交えて罪の様に消える事の無い不審火に破砕され、最早豪雨でも神の消しゴムでさえ消せないこの方眼をはみ出した俺の企みはもう川面にゆらゆらと波紋を作ってしまった。これを皮切りに俺の青春は爽やかに靡いて余生には雪原に有りっ丈のワインをぶち撒けて描いたこのアルバムを眺める事もなく、四十歳手前で醜くなった肉体から解き放たれるために劇薬や練炭を使って、その毒気と煙のカーテンをスルスルと下ろして世の中から隠れてしまうのだ!!)
告白編
男「そういう訳で俺はもうすっかり姉に無色透明な劣情を吐き出して今もそれは除去される事なく締め上げている状況なはずだ」
嬢「それはめでたいですわね!披露宴では視線が愛想を纏って突き刺さるに違いないんだわ。
でも私は愛人だろうが側室だろうが構いありませんことよ?なんといっても男さんが幸せなのが一番ですから」
男「朝焼けの中の砂浜に打ち上げられた海藻はきっと目前の香りがするに違いないかな。
愛があればこそ誰も受け入れずにたった一人の為に開かれた門扉が、蟒蛇の様相だと眺める嬢の心情は想像に難くないよ」
嬢「時に、誰よりも先にそれを報せたという意味がお有りなのでしょう?」
男「流石ご明察。俺は姉でさえも一生愛する事は無い。それは分かるだろ?」
嬢「ええ勿論。一生幸せに、なんて教会で誓い合うと神の御笑覧が目に浮かびますわ。正しくは余生ですのに。
しかもうっかり作られた子供にはそんな誓いはたてずに構成された社会を当たり前と思い暮らし、この時ばかりは自然界と対比せずに「独り立ち」なんて生命に組み込まれた自然界の仕組みを自然界から隔絶された社会で強制しては子供に不幸を与えて喜ぶんだわ。
一生幸せにするなんてそもそも金持ち長寿のペドフィリアとロリータコンプレックスとショタコンと博愛と枯れ専を併発した人種でないと実現できっこないのよ」
男「全く同意だ。金持ちの教養たるや脱帽するほか無いよ。
そこで歳を取ったら何事も無いように成ろうと
思うんだ。その瞬間にだけなら嬢を愛せるがどうする?」
嬢「まあ!でしたら枯れ木に花を添えに参りますわ!
私に春先の目処が立つ日が来ようだなんてどんな祝福よりも愛おしい呪いだわ!」
男「そうか、そこまで買いかぶってくれるなら身に余る愛撫だよ」
修繕編
あれからもう三週間は口を開かなかった姉が不本意な刃先をこちらへ向けたようだった。
姉「私、彼氏が出来たから...」
考えたのだろう。継ぎ接ぎだらけの世間の榊で俺の汚れた慕情を清めようとありもしない貞操観に縋って、アブノーマルにノーマルを打っつけたつもりらしい。
男「おめでとう。
一応言っておくけど俺は二番手になろうとか若しくは戯れ相手になろうとかは思ってないよ?
簡単な事だって。蝉等が鳴いたんだよ。愛してると。」
台詞で努力を消していく。何かを成す為に何か行動したのに、それは終着点が無いのだから詮無い。虚像を相手にする人間の心理が少しばかり分かって来た気がする。
部屋に逃げ込む姉のリプレイを見過ごして来る日まで従順に歳を取っていく俺の吐く台詞を、誰かが読んだら酷評してくれるだろうか?
多言は人を軽薄に見せるというのなら俺が喋り続ければこの娑婆から極薄に極軽になって消えてしまえるだろうか。
ああ、そうか、因果律が消えない限りは誰一人として消える事すら能わないのか。だったら一体誰が救われて誰が愛されてニヒリズムはどういった死に様を演じ得るんだ。
ねえ、どうか愛して。
落果編
漸く年老い終えた。
舌で唾液と脳を捏ねて作られた社会の荒波に揉まれながら、奴隷としての制服を粧してビル群に分け入って行く日々も今日で打ち止め。晴れがましい胸中に差し込まれた今にも落ちそうな画鋲を支えに生きた重荷を道中に捨てて人生エスケープと不良めいて洒落込むのだ。
準備はとうに終わった。勝負師に相応しい朝が照らす全てが矢張り何処か贋物に見えるのは目が悪い所為かもしれない。
決行は午後三時、お茶を一服している隙にと嬢と話し合って決めた。
チャイムが鳴ったので鉄扉を開けた。
嬢「ご機嫌麗しゅう男さん。交わした約束を覚えていらして?」
男「ああ、だから独り身なんじゃないか」
嬢「さあ、では失礼致しますわ」
二人してシャワーを浴びた。髪を洗い合うのは食前酒。雫が膝へ落ち、その冷たさに無意味を感じた。
バスタオルで拭いあって服を着たら互いを見つめてこれまでの計画に誤算を見出せないで安堵する。
嬢が先にベッドへ落ち込んだ。
「羊はわたくしの下に数匹、後は無垢に眠ればサンタクロースは来て下さるのよね?」
「良い子には必ず褒美があるよ」
肩紐を滑らせる自分の指が枯れ木の様で、今までの鬱憤を吐き出せるだけ吐き出そうと後押しする光景だった。
冬の朝の小鳥を思わせに一撫で毎に総毛立つ嬢に玉響の愛を注いだのは契約を果たす為だ。
事は終わり時は迫った。
メールを二通送り、窓という窓、心の隙間までも締め切って肩を寄せ合い練炭に点火。
錠剤を含んで水の盃を交わして...。
女
ああ、今日も疲れたなぁ...。帰って男君に愚痴でも聞いてもらお。あっ、そういうえばメール来てたっけな?
おお!珍しく男君からじゃん!
『嬢と一緒に死ぬ。』
......。
え?
なにこれ?間違い?
メアドは確かに男君...だ。
嬢さんと一緒に死ぬって?
死ぬって事は男君はもういないの?
まさか嬢さんが独り占めしちゃった?
いやそれよりも死んだって事は私はどうなるの?もう誰に恋するの?愛の告白は一体誰に?
男君相手の爛れた売女の理想郷が、ああ、桃源郷が、嗚呼、唯一の楽しみが、あゝ、あゝあゝ、あゝあゝあゝあゝあゝあゝあゝ...幸せは今どこに?
探せ、もう無いの?
いや、有った。
遠くに沈みかけた太陽の中!!男君は光ならばきっとあの中に!午前四時!まだ間に合うこの瞬間なら!!!
登れっ登れっ雑居ビル、見晴らせ下天。
今行くよ!!!!!!!だからっ
照らして下さい...。
幼
『同文』
...もう、仕方ないなぁ男は。勝手にどっか行っちゃったと思ったらこれまた随分な遠出だね。
でも大丈夫。僕は何処へだってついていくよ?だって僕は男で男は僕なんだから。
僕には男の記憶がある。ぽつねんとここにある。この思い出は僕の肉体を離れた場合、持ち主へ還るのか分裂した状態になるのかわからないけれど、男にもきっと僕の記憶があるはずさ。
互いに意識のみになってそれを目当てに思い合えばきっとその各々の記憶を通じて未来永劫両思いだね。しかもそれは肉体を離れているから朽ちない。
本体を求める必要は無いんだ。だって意識のみなら融合できるはずだからね。
僕の慧眼を信じてどこまでも旅立つといいよ男。僕は何処へだってついて行けるんだ。
だって一心同体なんだもの。
男?
ここは...どこだろうか?酷い気分?気分が無いような有るような...。
取り敢えず計画を思い出せ...。
因果律が消えないのなら死んでもなお世界が終わる事は無い。しかし保険としてきっと後を追うであろう二人にギリギリまで死ぬ事は伝えなかった。
もしも終わっていないなら俺の現状と同じような状態になって同体化するはずだ。空間に際限が無いから。
!
伝わって来た。超越的な幸福感が。
(この想いは男さんですの?)
ああ。嬢か?
(ええ、ああ男さんのお気持ちが痛いほど感じられますわ...。でももう大丈夫。わたくしの幸せで男さんを食んで差し上げますわ)
こんなにも幸せだったんだな、嬢は。
追加で二倍の幸福感が!
(男君!?男君はどこ!?)
女か。ここだ。
(良かった)
幸福度の際限が無いのか。脳で感じるより熾烈な麻薬だ。
(男、見つけたよ)
幼か、なんだ?この優越感は?
(男の思惑も見抜けないで何処かのお間抜けさんは慌てたみたいだからね。理解度は僕が上だと確信したんだよ)
(まあまあいいじゃありませんの。ここではどうやら一体になっているようですし、仲良くしましょう。
ここなら互いを愛せば愛すだけ幸福感が込み上げるわたくし達には打って付けの未知らしいですから、存分に快楽に溺れ合おうじゃありませんか)
そうだな。
一応の確認なんだがどうだ、俺の死後は世界は終わらなかったか?
(ピンピンしてたよ。財産を失ったのに呑気なもんさ)
そうか。良かった。
(何か心配事が有りましたの?)
姉が旦那と幸せらしいからな。細やかな気配りだよ。
(同化してるんだからあんまり嫉妬させないでよ)
(ほんとだよ、男君は良いかもしれないけどこれからは私達の事だけ考えて貰うんだから)
どうかしてるのはお前らだと思うけどな。
揺蕩う俺らは何者でもないけどそれが幸せで堪らない。善や悪などは矢張り虚像で裁かれるなんて事は無かった。
ただ、永遠とも思えるこの状態になってから俺は初めて愛を知ったのは何かがきっと間違っているんじゃないのだろうか?
終わっちゃったよ...。なんかアソパソマ○とかだと幸せとか正義とかって金銭だの主義だの無く発揮されてハッピーエンドだけど現実にぶち当たってそれでも守るのが美徳とするのは可哀想だと思うます。
それはそうと偉い学者さん達や莫大な金銭が揃えば興味をもったものを将来の夢として誰もが熱心に活き活きと生きれるのでしょうが、範疇を超えない程度の将来の夢を強いられる現状は子供を奴隷化してしまってる気がしてならんのですたい。ですので愛について落書いたらこれが出来ました。
ヤンデレは自然と湧く。
このSSへのコメント