2017-12-12 11:44:48 更新

概要

ドラゴンボールヒーローズ ビクトリーミッションX 05の続きです


前書き

この話の最後の方に、以前書いた、トランクス「未来、正義、そして希望」のキャラクターが登場します ご了承ください


―――暗黒魔界から帰還したビートは、ダーブラに洗脳されたトワを救い出し、ついに暗黒魔界軍を壊滅させた



―――そしてゴッドクラスアップを果たしたビートたちは、ついに暗黒魔界のゲートを塞ぐべくトキトキ都へと向かったのであった



―――果たしてビートたちは暗黒魔界のゲートを塞ぎ、世界を救うことができるのだろうか






[mission06︰あの日始まった戦いに終止符を]







トキトキ都はタイムパトロールの拠点となっている場所であった



タイムマシン発着場や時の広場、そして時の巣があり、時の界王神をはじめとする歴史改変に立ち向かう戦士たちが集結する地でもあった



しかし暗黒魔界軍の急襲によりタイムパトロールは壊滅し、トキトキ都は陥落してしまった



生き残ったタイムパトロールたちは、新たな時の広場を作り、そこを拠点として再興を始めた



トキトキの森での戦い、裏切りが発覚したローラとの戦い、ダーブラとの戦い



様々な戦い、そして戦士たちは苦悩や困難を乗り越えながら結束を強くし、ついにトキトキ都奪還へと繰り出したのであった



ゲートを塞ぎトキトキ都を奪還すれば、タイムパトロールは勝利を手にすることになる



ビートたちも元の世界に戻ることができる



しかしそうなったとき、戦士たちは何を思うのか



彼らが平和を取り戻したとき、そこにはどんな光景が見えるのだろうか



トキトキ都さえ、取り戻せば―――








―――トキトキの森



ビート「…出口はまだかな」


カギュー「この中央街道跡を通っていけばすぐですよ」


フローズ「しかし以前と違って不気味なくらい静かだな…」


フェン「暗黒魔界軍は壊滅したからね もうこの森にもやつらはいないよ」


ゼン「でも油断せずに行きましょう 敵は…どんな手を使って襲ってくるかわかりませんから」


ワイル「…うん」


時の界王神「もうすぐトキトキ都ね…」


時の界王神「ソラ、作戦は頭に入ってるわね?」


ソラ「もちろんです」


時の界王神「そう、頼むわよ」


カギュー「この戦いに勝てば…私たちは元の世界に帰れるんですよね」


フローズ「ああ…長かったな、ここまで来るのに…」


ビート「…………」


カギュー「…緊張してます?」


ビート「え?」


カギュー「なんとなく、そう見えたので」


ビート「…どうだろ、よくわかんないよ」


ビート「ただ…ちょっと不安になっちゃって」


ビート「はは…これってやっぱり緊張してるのかな」


カギュー「…それくらいで丁度いいと思いますよ」


カギュー「それに緊張なら私もしてます 当然ですよ、世界を救うんですから」


ビート「そっか…そうだよね」


ビート「邪悪龍との戦いが始まったときは、こんなことになるなんて思ってもみなかったよ」


カギュー「そうですね…本当に色んなことがありましたね」


ビート「うん…」


カギュー「…大丈夫ですよ 今の私たちなら」


カギュー「楽観的に考えているわけでは無いですけど、何事も前向きに考えましょう」


ビート「…ありがとう、カギュー」


ビート「もう大丈夫だよ」


カギュー「そうですか…よかった」


時の界王神「…………」


よしとくん「おーい!」


よしとくん「出口が見えたよ!」


ビートたち「!!」


ワイル「この辺り…見たことがあるわ…!」


ゼン「帰ってこれたんだ…」


フェン「うん…僕らのいた場所に…」


時の界王神「ここからは飛ぶわよ!」



みんな「はい!!」



バシュバシュッ






―――トキトキ都



ギュオオオオオオ



時の界王神「(今のシャメルたちの目的はドラゴンボールを奪うことにあるわ)」


時の界王神「(この敵地で長居はできない…短期決戦しか勝機はないわ…)」


時の界王神「(私たちの目的がゲートを塞ぐこと以外に、ドラゴンボールで願いを叶えるということは、シャメルたちにもわかっているはず…)」


時の界王神「(なら戦いは避けられない その代わりにゲートはすぐに塞がせてもらうわよ)」


ゼン「見えました!時の広場です!」


時の界王神「作戦通りにいくわよ!」


時の界王神「各自等間隔に飛んで、周囲に敵がいないか確認して!」


時の界王神「ゼン、フェン、ワイルは、先にゲートへと向かって!」


ソラ「了解!」ギュン


よしとくん「よし!」


ツバサ「いくぞ!」


ゼン「フェン、ワイル、ゲートへと向かうぞ!」


ワイル「わかったわ!」


フェン「…………」



ももちゃん「おかしい…敵の姿がないわ…」


よしとくん「…ここはもう敵の懐ってことだよ」


ももちゃん「でも…やるしかないわ」


ももちゃん「異常ありません!」


時の界王神「ビート!フローズ!カギュー!私に付いて来て!」



フェン「(もうすぐビートたちが来る…)」


フェン「(おかしい…ゲートを塞がれるというのにどうして敵は出てこない?)」


フェン「(やはり…ゲートを塞いだ直後の疲弊したビートを狙うつもりなのか?)」


フェン「(だとしたら…この辺りにいるはずなんだ…)」


フェン「(わからない…いったいどこに…)」


フェン「(僕たちは…シャメルたちを上回ることはできないのか…?)」


フェン「(…もし僕だったら…誰も予想できないところに潜むだろう…それが出来る場所は…)」


フェン「!!」


ゼン「どうした、フェン?」


フェン「ゲートの中だ!」


ゼン「中だって?」


フェン「ゼン、ワイル!ゲートに向かって攻撃するんだ!」


ワイル「え!?」


フェン「いいから早く!!」


ゼン「わ、わかった!」ブゥ…ン


ゼンたち「はあっ!!!」ズアッ



ギュオオオオオオ



―――ヒュッ



フェン「!!!」



シャメル「…………」



フェン「シャメル!?」



時の界王神たち「!!」


フローズ「現れたか…!」


ビート「………」




フェン「くっ!」


ゼン「来るなら来い!」


シャメル「…………」





―――ヒュッ




シャメル「―――っ!?」



ソラ「だあああっ!!!」



バキイッ



シャメル「ぐっ!」



ソラ「はあああ…」ブゥ…ン



ソラ「だりゃあ!!!」



バヒュッ



ド ド ー ン



時の界王神「ソラ!」


ビート「ソラが戦うところなんて初めて見た…!」


カギュー「つ…強い…!」


フローズ「どうなったんだ…?」



ソラ「…………」


ソラ「!!」



シャメル「…………」ブ…ン



ソラ「くそっ!!」



ワイル「!! 生きてる!?」


フェン「ドローで自分の周りにオーブを張ってダメージを減らしたんだ…!」


ゼン「そんなことが…!」


時の界王神「周囲を確認して! 他に敵がいないか―――」



グオオオオオオ



フェン「!?」


ゼン「後ろだ!」


ワイル「ワームホール!?」


フェン「す…吸い込まれる!!」


ソラ「界王神さま!!」ギュオッ


よしとくん「!! ソラ!!」


時の界王神「ダメ!こっちに来ちゃ…!!」



グオオオオオオ



ソラ「!!!」


ソラたち「うわああああああ!!!」



ズズズ…



ビート「ソラ!!」


ももちゃん「よしとくん!」


ツバサ「界王神さまやゼンたちまで…!」



シャメル「…………」ムクッ


ビート「…全ては作戦通りか?シャメル…」


カギュー「私たちを分断させる…それが彼らの作戦だったんですね…」


フローズ「なら…オレたちの相手はあいつということか…」


ビート「…決着をつけよう」


ビート「シャメル」






―――時の巣



グオオオオオオ



時の界王神「きゃっ!」ドサッ


ゼンたち「うわぁ!」ドサッ


ゼン「ぐ…いったいなにが…」


フェン「こ…ここは…!」



「…久しぶりだな、クロノアよ」



時の界王神「!!」


ワイル「だ…誰!?」



「いや…今は時の界王神か…」



時の界王神「その声は…」



グオオオオオオ



魔神ドミグラ「さあ…ドラゴンボールを渡してもらおうか…!」


時の界王神「やっぱりあなたね!ドミグラ!!」


ゼン「ど…ドミグラ…あの男が…」


フェン「なんて邪悪な気なんだ…!」


よしとくん「だ…だけど…負けるわけには…!」


ソラ「…………」



魔神ドミグラ「貴様らも私の邪魔をするなら消えてもらおう」


ソラ「…そう簡単にいくと思うなよ」






―――時の広場



ヒュオオオオオ…



ビート「…久しぶりだな…シャメル」


シャメル「…………」


シャメル「(ち…なぜオレがゲートの中に潜んでいるとわかったんだ…?)」


シャメル「(フェン…またお前か?)」


シャメル「(…いや…そんなことはもうどうでもいい…)」


シャメル「…お前たちはもう終わりだ 大人しくドラゴンボールを渡せ」


フローズ「フン…ふざけたことをぬかすな」


カギュー「私たちはあなたたちと決着をつけにきたんです」


ももちゃん「終わりなのはあなたたちの方よ!」


ツバサ「どんな巧妙な罠を張り巡らせてるかは知らないが…オレたちは勝つためにここに来たんだ」


ビート「…そのとおりだ…シャメル」


シャメル「ここに来るくらいだ お前たちも相当強くなったんだろう」


シャメル「ビート…どうやらお前は以前の自分を吹っ切ったようだな」


シャメル「楽しみだ…あれからどれくらい強くなったのか…」


ビート「…言われなくても見せてやる」


ビート「はあああっ!!!」



パ ァ ン ッ



SSGビート「…………」シュアアア…


シャメル「…!」


シャメル「神のオーラを纏ったか…」


フローズ「はっ!」ドンッ


カギュー「はあっ!」ドンッ


シャメル「お前たちも神の力を会得したのか…面白い…まとめてかかってきやがれ!」


SSGビート「いくぞ!フローズ、カギュー!!」


ビートたち「はあああっ!!!」



ドギュッ



シャメル「…………」スッ…


カギュー「はあっ!」グアッ


シャメル「」サッ


フローズ「はっ!」グワッ


シャメル「」ガッ


SSGビート「はああっ!!」ギュンッ


シャメル「!」



バキイッ



シャメル「ぐ…」


SSGビート「まだまだこれからだぞ!!」


SSGビート「だりゃあ!!」バキイッ



ドドドドドドドド



SSGビート「だああああああ!!」


シャメル「ぐ…!がはっ!」



ももちゃん「す…すごいラッシュ…」


ツバサ「追うぞ!」バシュッ


ももちゃん「ええ!」バシュッ


ツバサ「お前たち、まだ手を出すな」


ツバサ「奴がオレたちの切り札を知らない今、最初の攻撃に全てがかかっている」


ツバサ「あいつが絶好の好機を作るのを信じるんだ」


フローズ「…………」


SSGビート「はっ!!」



バグォッ



ヒュー…ン ドドーン



SSGビート「」スタッ


SSGビート「(修行の甲斐があった この力なら…戦える!)」


SSGビート「出てこいよ その程度やられるわけないだろ」


シャメル「…………」ガラッ


シャメル「はっ!」ドンッ



ギュオッ



シャメル「くらえっ!!」グアッ


SSGビート「」ガッ


SSGビート「だあっ!!」グワッ



バキイッ



シャメル「ぐはっ!」ドサッ


シャメル「ぐ…」


シャメル「(くそ…やはりこのままのオレでは、パワーアップしたビートを倒すことはできないか…)」


シャメル「(なら…)」


フローズ「ビート」スタッ


カギュー「ようやく追いつけましたよ」スタッ


ももちゃん「大丈夫?」スタッ


ツバサ「…………」スタッ


シャメル「(…来たな)」


SSGビート「…こんなものなのか…シャメル…」


シャメル「(…まだだ…もっとこっちに近づいてこい…)」


フローズ「ち…何してやが――」


シャメル「」バッ



グオオオオオオ



フローズ「!?」


カギュー「ドロー!?」


SSGビート「みんな!!!」




―――

――






時の界王神「あなたの目的は何?暗黒魔界を解放させるつもりなの?」


魔神ドミグラ「暗黒魔界の解放だと…?私はもうそんなことに興味はない」


魔神ドミグラ「このまま魔神の力を高めていき…この世の全てを支配する」


魔神ドミグラ「そのために貴様の鳥も、時の界王神の座も、そしてドラゴンボールも必ず手に入れる」


魔神ドミグラ「私は新たな神として君臨するのだ」


時の界王神「…本当に支配とか俗なことが好きね、あなたは」


時の界王神「絶対にそんなことはさせないわよ!」


魔神ドミグラ「ふん…7500万年間蓄えたこの力に敵うとは思えんがな」


魔神ドミグラ「はっ!!」



ズバババババッ



時の界王神「!! みんな避けて!!」


ゼン「くそっ!」バッ


よしとくん「うわぁ!」バッ


フェン「くっ!」バッ


ワイル「っ!」バッ


ソラ「ちっ…!」バッ



ドドドドーーン



ゼン「な…なんて力だ…」


フェン「これが魔神の力なのか…?」



魔神ドミグラ「大人しくドラゴンボールを渡せば、命だけは助けてやろう」


時の界王神「誰がそんなことするもんですか!」


魔神ドミグラ「…お前ならそう言うと思っていた だから手加減は無しだ」


魔神ドミグラ「私の真の姿を見せてやろう!!」


魔神ドミグラ「はあああっ!!!」



グゴゴゴゴゴゴ



時の界王神「な…なに!?さらにパワーアップするつもりなの?」


ゼン「く…させるか!!」ブゥ…ン


ゼン「はあっ!」バシュッ



ドオンッ



ゼン「なっ!?」


魔神ドミグラ「…………」グゴゴゴゴ


魔神ドミグラ「…そんな軟弱な攻撃が聞くものか」


魔神ドミグラ「はあっ !!!」





よしとくん「そ…そんな…」


フェン「なんて大きさだ…」


時の界王神「これが…ドミグラの真の姿なの…?」



魔神ドミグラ(最終形態)「…終わりにしてやろう」





――

―――





シャメル「…かかったな」


フローズ「くっ…」


カギュー「しまった…!」


ももちゃん「…ツバサ!」


ツバサ「…まだだ」


シャメル「(よし…いいぞ…)」


シャメル「(あとはこのまま―――)」




ツバサ「今だ!!!」




パキィンッ



シャメル「っ!?」



フローズ「はあっ !!」グオッ



バキイッ



シャメル「ぐあっ!!」


フローズ「…ち、ふざけたまねをしてくれたな」


カギュー「危ないところでしたね…」


シャメル「(な…なんだと!?)」


シャメル「(ドローを破壊できるのはサイヤパワーだけのはず…!なぜこいつらが…!?)」


ももちゃん「やったわ 効果ありね、この腕輪」


ツバサ「ああ…さすがソラが開発したものだ」



―――

――




ビート『みんなを呼んで見せたいものってなに?ソラ』


ソラ『ついに完成したんだよ 時の界王神さまの要望通りに出来たんだ』


フローズ『…腕輪?』


ワイル『それが開発していた機器というものなの?』


ソラ『ああ、そうだよ』


ソラ『界王神さまの要望というのは、ドローに対抗出来るものを作ることだったんだ』


フェン『その腕輪が…ですか?』


ソラ『オレたちはドローに対して無力だった』


ソラ『ビートのようにサイヤパワーがない限り、オレたちに暗黒の力を浄化することは出来なかった』


ゼン『たしかに…ローラのときもビートくんがドローを破壊してくれなければ、逃げられていましたし…』


ソラ『ドローに対抗できるのがビートだけでは、戦いに勝つのは難しいだろう』


ソラ『そして何よりもオレたちは、暗黒魔界の戦士である、シャメルとモルネーを倒さなくてはならないんだからな』


フローズ『…その腕輪は、ドローを無効化できるって言うのか?』


ソラ『無効化はできないが、破ることは出来るようになる』


ソラ『それだけじゃない、この腕輪を使えば――』



ソラ『オレたちにもドローが使えるようになる』



ビートたち『!?』


ワイル『ど、ドローを?』


カギュー『私たちにも使えるようになるというんですか?』


ソラ『ああ、ただしそれにはドローの力をこの腕輪に吸収しないといけない』


フェン『それって…』


ソラ『ドローを使われないとだめってことだ』


ビート『そんな…』


ソラ『リスクはあるが…ドローは強力な力だ 奴らにも有効だろう』


ソラ『だが弱点もある この腕輪でドローを使えるのは一回だけだ』


カギュー『一回…だけ…』


ソラ『だから使いどころをよく考えないといけない この腕輪を使いこなし、奴らに食らわすには、色々と工夫しないとな』




――

―――



カギュー「本当に…ドローを破れましたね」


フローズ「…ああ」


シャメル「(開発したものだと…あの腕輪が?)」


シャメル「(まさか…ドローを無効化できるっていうのか?)」


フローズ「今度はこっちの番だ」ザッ


シャメル「(くそ…あともう少しで…)」


シャメル「(だがビートはともかくお前らに何が出来る サイヤパワーがない限り、暗黒の力に太刀打ちできは―――)」



フローズ「はっ!!」



グオオオオオオ



シャメル「!!?」



シャメル「なっ!?」



フローズ「はあああっ!!」グワッ


SSGビート「やった…」


ももちゃん「シャメルを閉じ込めた…!」


シャメル「バカな!!これは…!?」


ツバサ「(ここからだ 閉じ込めたあとがドローの本領!)」


ツバサ「フローズ!!」


フローズ「わかってる!!」


フローズ「はあああ…!!」グッ



シャメル「(!! マズい!!)」



シャメル「くそ…ぐああああ…!!」シュアアア…



カギュー「すごい…本当にドローを使えた…!」


ツバサ「(イヤ、まだだ 魔神の力を研究していくうちにわかったことだが、ドローは体力を吸収した後に、相手をオーブごと破壊する技…!)」



ツバサ「(ここで奴を倒すには、なるべく多く体力を吸収し、ダメージを上げるしかない!!)」


フローズ「はあああ…!!!」グググッ



シャメル「ぐ…あ…ちく…しょ…う…!」ガクッ



ツバサ「今だ!とどめを刺せ!!」



シャメル「ぐ…」



シャメル「モル…ネー…」ボソッ



フローズ「(…くそっ…)」



フローズ「(世界を…救う…!!)」



フローズ「(こうなる覚悟はしてきたはずだ…なら…甘さを捨てろ…!!)」



フローズ「…くらいやがれ!!!」グッ



シャメル「!!!」




バ キ ィ ン ッ




ド ド ー ン …









魔神ドミグラ「さぁ…どこからでもかかってくるがいい」


時の界王神「…………」


ゼン「時の界王神さま」


フェン「僕たち、戦います」


時の界王神「…気をつけて、あいつの力は並大抵のものじゃないわよ」


ゼン「もちろん、わかっています」


ゼン「フェン、ワイル!行くぞ!!」


よしとくん「ソラ、ゼンたちの援護に行ってくるよ」


ソラ「…気をつけてくださいね」


よしとくん「…ああ」


バシュッ


ソラ「…………」


時の界王神「ソラ、あなたはまだ待機よ」


ソラ「…はい」




ゼン「」スタッ


ゼン「ドミグラ、お前の好きにはさせないぞ」


魔神ドミグラ「ほう…こんな子供が相手をするとは…舐められたものだな」


ワイル「なら試してみたら?」


魔神ドミグラ「威勢だけはいいようだな…生意気ながきだ」


魔神ドミグラ「消え去れ!!!」ギャウッ


よしとくん「!! 速い!!」


ゼン「はっ!!」ガッ


ゼン「たあっ!!」グオッ


魔神ドミグラ「」ガガッ


魔神ドミグラ「!」


フェン・ワイル「はあああ…」ブゥ…ン


フェン・ワイル「はあっ!!!」



ギュオオオオオオ



魔神ドミグラ「ふんっ!!」バチィッ


よしとくん「たあああっ!!」グワッ


魔神ドミグラ「ちっ!」サッ


ゼン「そこだぁっ!!」グオッ



バキイッ



魔神ドミグラ「ぬぅ…!」


魔神ドミグラ「…………」


よしとくん「で…デカイのになんてスピードだ…」


ワイル「でも…みんなで戦えばなんとかなりそうよ」


魔神ドミグラ「言ってくれるな…」


魔神ドミグラ「はあ…!」ギュオオ…


魔神ドミグラ「避けられるものなら避けてみろ!!」


魔神ドミグラ「はあっ!!」



ズバババババッ



ゼン「みんな飛べ!!」サッ


魔神ドミグラ「無駄だ!!」ピッ



クンッ ギュオオオオオオ



ワイル「追いかけてきた!」


フェン「マズい!」


ゼン「」キキィッ


よしとくん「!? ゼン!?」


ゼン「…………」スッ…


ゼン「はっ!!」ズババババ


魔神ドミグラ「!!」


魔神ドミグラ「全部弾き返しただと…?」



ソラ「ゼンのやつ…強くなったな」


時の界王神「当たり前よ あの3人は暗黒魔界との戦いから生き残った精鋭だもの」


時の界王神「彼らだって、世界を救いたい想いはビートたちに負けてないわ」


時の界王神「今のゼンたちならドミグラと互角に戦える」


時の界王神「(でも…なんだかイヤな予感がするわ…)」




魔神ドミグラ「なるほど…貴様ら時の界王神の弟子だな」


魔神ドミグラ「ただのタイムパトロールとは訳が違うということか…」


ゼン「お前を倒して…世界を救う」


ゼン「それがタイムパトロールで…ドラゴンボールヒーローズなんだ!!」


魔神ドミグラ「…戯言をぬかすな」


魔神ドミグラ「ならば今すぐにでも消し去ってやる!!!」バッ



グオオオオオオ



フェン「な…!?」


よしとくん「すごいエネルギーだ…!」



魔神ドミグラ「終わりにしてやろう!!」



魔神ドミグラ「私と出会った己の不幸を呪うがいい!!」



魔神ドミグラ「ボイリングバーグ!!!」



ギュオオオオオオ



ゼンたち「!!!」



魔神ドミグラ「はあっ!!!」バッ



ズアアアアッ ドドーン



魔神ドミグラ「…………」


魔神ドミグラ「!!!」クルッ



ドドドドドドドド



魔神ドミグラ「っ!?」



ゼン「…………」



魔神ドミグラ「貴様ら…何をした…?」


ゼン「時の界王神さまの弟子って知ってるならわかるだろ?」


ワイル「私たちが持ってる能力のことをね」


魔神ドミグラ「ちっ…これがフリーズか…」


よしとくん「まだ戦いはこれからだ!!」


魔神ドミグラ「…今度は必ず消し去ってやる」


魔神ドミグラ「…………」


魔神ドミグラ「…………」ニヤ…


フェン「…………」






ヒュオオオオオ…



シャメル「」


ももちゃん「や…やった!シャメルを倒した…!」


SSGビート「…………」


ツバサ「イヤまだだ、警戒を怠るな!」


フローズ「…………」フゥ…


カギュー「…………」


フローズ「カギュー」ポン


カギュー「…仕方なかったんですよね」


フローズ「…!」


カギュー「私たちが敵対しそれぞれの目的がぶつかり合う以上、こうなるのは…仕方なかったんですよね…」


カギュー「わかっていたはずなのに…どうして私は…今…」


フローズ「…………」



シャメル「」ピクッ



フローズ「…?」



シャメル「」バッ



ビートたち「!?」



シャメル「はっ!!!」



バシュッ



ゴオオオオオ…



シャメル「はぁ…はぁ…」ガクッ


シャメル「う…」ドサッ


ツバサ「…いきなり気弾を撃つとはな…危ないところだった…」


フローズ「まだ動けたのか…」


カギュー「(なんだ…今のは…)」


カギュー「(単に奇襲をかけようとしたにしてはおかしい…無作為すぎる…)」


カギュー「(最後の力を振り絞ったのか…?それとも…)」



カギュー「!!」ハッ



カギュー「(そういえば以前も気弾で仲間に合図を…!!)」


カギュー「(ま…まさか今のでここに仲間を…!?)」


カギュー「」バッ



グオオオオオオ



カギュー「!!!」


ももちゃん「こうなったら止めを…!!」


カギュー「ダメです!!」


ももちゃん「えっ!?」


カギュー「ワームホールです!ここに仲間を呼んだんです!!」


カギュー「おそらく…奇襲をかけるために…!!」


ツバサ「なんだと!?」



バッ



モルネー「はあああっ…!!!」




フローズ「!! モルネーだ!!」


ツバサ「クソッ!!」


ツバサ「全員ここから離れろ!!」


ツバサ「奴ら…オレたちをここで殺すつもりだ!!!」


SSGビート「くっ…!」バッ


フローズ「ちっ!」バッ


カギュー「(だ…ダメだ…もう間に合わない…!)」


ももちゃん「きゃっ!?」


ツバサ「!?」


ももちゃん「か…からだが…!」


シャメル「はぁ…はぁ…」ビビビッ


シャメル「捕らえたぜ…」ハァ…ハァ…


ツバサ「まさか…金縛りか!?」


SSGビート「ツバサ!!!」


ツバサ「オレたちに構うな!!逃げろ!!」


SSGビート「そんな…!」


ツバサ「いいから早くしろ!!!全滅したいのか!!!」


ツバサ「お前たちは絶対に死ぬな!!!生きろ!!!」


SSGビート「!!」


SSGビート「(…トワ…!)」


SSGビート「くそっ!」ギリッ


SSGビート「二人ともつかまれ!!」ガシッ


フローズ「!? ビート!?」


カギュー「ビートくん!?」


SSGビート「はあっ!!」ボッ



ギ ャ ウ ッ



ももちゃん「ツバ…サ…」


ツバサ「大丈夫だ、あいつらが…世界を救ってくれる」




モルネー「デモンズエクスプロージョン!!!!!」





カッ―――






ツバサ「そんな顔するな…」





ツバサ「大丈夫だ」







グ  ア  ッ





ド オ オ オ オ オ オ オ オ オ ッ





フローズ「!!!」


カギュー「っ!?」


SSGビート「く…くそっ!!」ギュンッ




ド  ド  オ  ォ  ー  ン




ビートたち「う…うわああああああ!!!」




ゴオオオオオ…




フローズ「く…くそっ…」ゴホッゴホッ


フローズ「大丈夫か!?ビート、カギュー!」


SSGビート「大丈夫だ…」


カギュー「私もです…でも…」


カギュー「ツバサさんたちが…」


フローズ「シャメルのやつ…ツバサたちを道連れにしやがった…」ギリッ


SSGビート「…………」


カギュー「…となると…まさか…」


フローズ「…生き残ったのは…オレたちだけか…」


SSGビート「(…ツバサ…ももちゃん…)」










ゼン「はああっ!!」ガガガガッ


魔神ドミグラ「………」ガガガガッ


ゼン「だあっ!!」バキイッ


魔神ドミグラ「」ズザザザッ


ゼン「まだまだいくぞ!!」




ソラ「ゼンたちとドミグラの力はほぼ互角…だけど勝負を決める攻め手がない…」


ソラ「このままじゃジリ貧になる…」


時の界王神「…………」


時の界王神「…おかしいわ」


ソラ「おかしい…?」


時の界王神「ドミグラの戦い方よ うまく言えないけど…様子見っていうか…本気で戦っていないように見えるの」


時の界王神「イヤな予感がするわ…早く決着をつけないと…」


ソラ「(こっちのことも気になるが…ビートたちはどうなっている?)」


ソラ「(無事だといいが…)」




ワイル「はあっ!!」バキイッ


よしとくん「たあっ!!」バキイッ


魔神ドミグラ「…………」ガガッ


フェン「(…おかしい…何故ドミグラは防戦一方なんだ?)」


フェン「(何を…狙っているんだ…?)」


ゼン「これで終わりだ!!」バッ



ゴオオオオオ



ゼン「時の裁きを…食らえ!!!」



バチバチバチバチイッ



魔神ドミグラ「…!!」サッ


魔神ドミグラ「…………」


魔神ドミグラ「(…そろそろか)」


ゼン「くそ…ダメか…」


ワイル「でもダメージは蓄積しているはずだわ このまま攻撃を続けていけば…」


魔神ドミグラ「勝てると思っているのか?」


ゼン「な、なに!?どういう意味だ!」


魔神ドミグラ「まさか今見せたのが本気だと思っていたんじゃないだろうな?」


ゼンたち「!?」


フェン「そ…そんな…!これがフルパワーじゃなかったのか?」


魔神ドミグラ「魔神の力はどんどん私の身体に馴染んできている」


魔神ドミグラ「この力に限界などない 貴様らと戦ううちに私はさらなる高みを手にしたのだ」


魔神ドミグラ「せっかくだ…我が魔神の本領を見せてやろう!!」


ワイル「なんですって!?」


ゼン「させるか!!」ギャウッ


魔神ドミグラ「邪魔だ!!」シュン



バキイッ



ゼン「ぐはっ!!」ドサッ


ワイル「ゼン!!」


よしとくん「ま…マズい…!」


フェン「みんな!一旦離れるんだ!!」



バシュッ



時の界王神「どうしたの!?状況は?」


よしとくん「そ…それが、ドミグラはさらなるパワーアップを…」


時の界王神「なんですって!?」


フェン「…おそらく、魔神の力を身体に馴染ませ、その力を高めるためにわざとあのような戦い方をしていたのでしょう…」


フェン「僕たちはドミグラの都合のいいように誘導されていた…」


時の界王神「魔神にまだそんな力があったなんて…」


フェン「僕たちは…どうしたら…」


ソラ「…………」




ゴ オ オ オ ッ




ゼン「っ!?」ゾクッ


ゼン「ど…ドミグラの気が…一気に…」


フェン「こ…こんなにも膨れ上がるなんて…」


ワイル「わ…私たち…終わりなの…?」


時の界王神「……………」





魔神ドミグラ(魔強化形態)「…………」


魔神ドミグラ「…どこへ逃げた?」


魔神ドミグラ「」クルッ


魔神ドミグラ「…あそこか」



ド  ン  ッ



ギ ャ ウ ウ ウ ッ



魔神ドミグラ「」バッ



時の界王神たち「!?」



魔神ドミグラ「…………」スッ…


よしとくん「あ…ああ…」


魔神ドミグラ「消えろ」



ド ウ ン ッ



ボ  ン  ッ



ソラ「!!!」


ソラ「よしとくん…!!!」



ゼン「く…くそっ!!!」ギャウッ


魔神ドミグラ「」ス…


魔神ドミグラ「」ズガガガガッ


ゼン「!? ぐはっ!!」ドサッ


フェン「ゼン!!」


ワイル「たあっ!!」グオッ


魔神ドミグラ「」ガシッ


ワイル「!?」


魔神ドミグラ「」ブンッ


ワイル「きゃあ!!」


魔神ドミグラ「」ドウンッ



ド ド ー ン



時の界王神「ワイル!!」シャッ


ワイル「う…うぅ…」


時の界王神「ワイル!!大丈夫!?」



フェン「(こ…こんなにも…僕たちと奴らの間に力の差が存在していたなんて…)」


フェン「(ここまでなのか…?)」



ソラ「フェン!しっかりしろ!」


フェン「」ハッ


ソラ「このままじゃ殺される!一旦どこかに身を隠すぞ!!」


魔神ドミグラ「そんな暇を与えると思うか?」


ソラ「!!」


魔神ドミグラ「神に逆らう者には罰を与えよう!!」バッ



ズ ド ド ド ド ド ド ド



ソラ「!! 避けろ!!」



ド ド ド ド ド ド ド ッ



時の界王神「きゃあっ!!」



ド ド ド ド ド ド ド ッ



ゼン「うわあっ!!」



ド ド ド ド ド ド ド ッ



ゴオオオオオ…





ソラ「」スタッ


ソラ「大丈夫か?」


フェン「う、うん…」


時の界王神「」スタッ


ワイル「うぅ…」


ゼン「くそっ…」ヨロッ…


フェン「ゼン!ワイル!大丈夫…?」


ゼン「だ…大丈夫だ…」


ゼン「それよりフェン…何か…逆転の一手はないか…?」


フェン「…………」


フェン「…なにも…」


時の界王神「……………」





魔神ドミグラ「…ちっ…また消えたか…」



魔神ドミグラ「まぁいい…すぐにあぶり出してやる」キィィ…ン



ドドドドドドドドドドドドドドドドッ





―――

――








ゴ オ オ オ オ オ …




モルネー「…シャメル!!」


シャメル「うぅ…モルネーか…?」


モルネー「シャメル…こんなにも追い詰められるなんて…」


シャメル「なんとか…大丈夫だ…」


シャメル「それより…まだビートたちは生きてる…あいつらを追うんだ…」


シャメル「オレもすぐ行く…」


モルネー「…あの力は使えそう?」


シャメル「ああ…オレももう使えるはずだ…」


モルネー「…わかった」


モルネー「いってくるよ」



バシュッ



モルネー「(…まさか本当にシャメルの言った通りになるなんて…)」




―――数時間前



シャメル『作戦はこうだ』


シャメル『奴らを時の巣と時の広場に分断したあと、オレたちは時の広場で戦う』


シャメル『オレが隙をみて奴らをドローで身動きをとれなくしたあと、お前に気弾で合図する』


シャメル『お前は動けない奴らを全力で吹き飛ばせ』


モルネー『わかったよ』


シャメル『だが何が起こるかわからない 仮にオレごと吹き飛ばすことになったとしても、迷わずに吹き飛ばせ』


シャメル『躊躇はするなよ…いいな?』


モルネー『…………』


シャメル『いいな?』


モルネー『………そんなこと…』


シャメル『…お前も戦う以上…覚悟を決めろ』


シャメル『もうあいつらは仲間じゃない、オレたちの敵なんだ』


シャメル『お互いの目的が違うもの同士、ぶつかるのは当然のことだ』


シャメル『なら勝って終わらせてやろう それが奴らへのせめてもの手向けになるはずだ』


モルネー『…わかった』


モルネー『任せてよ、シャメル』




モルネー「(終わらせてやる…何もかも)」





フローズ「カギュー…どうすればいい?」


フローズ「オレたちでモルネーを叩けばいいのか?それとも…」


カギュー「今のところは…撤退した方がいいかと」


カギュー「私たちだけになってしまった以上、時の界王神さまたちと合流した方がいいはずです」


カギュー「全員で戦って短期決着を目指しましょう」


フローズ「…イヤ待て 界王神たちがどこへ連れて行かれたか分からない以上、合流は難しいだろう」


カギュー「…!」


カギュー「…なら…彼らは私たちで倒さないといけない…」


カギュー「…そういうことですか?」


フローズ「…ああ」


SSGビート「…………」


フローズ「ビート、辛いとは思うが…今は戦いに集中しろ」


フローズ「とるぞ…仇を」


SSGビート「…!!」


SSGビート「ああ!!」



カギュー「っ!?」


フローズ「来たぞ!!」


フローズ「やはりモルネーか…!」


モルネー「!」


モルネー「…………」スタッ


SSGビート「…!?」


SSGビート「お前…その格好はなんだ…?」


モルネー「そうか…ビートたちは知らなかったね」


モルネー「覚醒した魔神の力を」


カギュー「…! 魔神の力…?」


カギュー「まさか…あなたたちは力を隠していたんですか?」


モルネー「…そんなことを教える必要はないよ」


モルネー「ビート、フローズ、カギュー 君たちはもう終わりだ」


SSGビート「…そう上手くいくと思うなよ」


SSGビート「オレたちだって…負けられない!!」


モルネー「…楽しみだよ」



ヒュッ



カギュー「……え…?」


フローズ「な…?」



ドゴオッ…



SSGビート「が…がはっ…」ガクッ


SSGビート「…う…あ…」ゲホッゲホッ



カギュー「そ…そんな…」


フローズ「ま…まったく見えなかった…」



モルネー「………」ス…


SSGビート「!!」


モルネー「はあっ!!」



バ キ イ ッ



ヒ ュ ー … ン  ド ド ー ン



フローズ「ビート!!」


カギュー「っ!フローズくん!!」


フローズ「!?」


モルネー「」ヒュッ



ドグァッ



フローズ「ぐあっ!!」


カギュー「ちっ!」グアッ


カギュー「はっ!!」


モルネー「」サッ


モルネー「」ガシッ


カギュー「!?」


モルネー「」ブンッブンッ



ドゴオッ



フローズ「ぐはっ!!」


カギュー「ぐあっ!!」



モルネー「…これならすぐに終わりそうだね」



カギュー「……ぐ…」ググ…


カギュー「(ま…魔神の力がこれほどまでとは…)」


カギュー「(私たちのゴッドクラスアップと同等…いやそれ以上の神化を彼らも…)」


カギュー「(いったい…どうすれば…)」


モルネー「さぁ早く続きをやろう」ザッザッ…


フローズ「ち…いい気になるなよ」


フローズ「だあっ!!」ドギュッ


モルネー「………」ドギュッ


フローズ「でりゃあ!!」グオッ


モルネー「」ガッ


モルネー「…無駄だね」



バキイッ



フローズ「ぐあっ!!」


カギュー「ふ…フローズくん!」


フローズ「くそっ…」



ギュオオオオオオ




シャメル「…………」スタッ



フローズ・カギュー「!!!」



シャメル「…さぁ…第2ラウンドといこうぜ」












ドドドドドドドドドドドドッ




ソラ「…ドミグラはオレたちをあぶり出すつもりみたいだな」


ソラ「このままじゃドミグラに時の巣を破壊されてしまう」


ゼン「フェン…諦めるしかないのか?」


フェン「…………」


時の界王神「…一つだけ勝てる方法があるわ」


ソラ「!」


ゼン「あるのですか?そんな方法が…」


時の界王神「ええ ただ…」


フェン「ただ…なんです?」


時の界王神「私たちは死ぬことになるかもしれない」


時の界王神「私には…あなたたちにそんなことを強制できないわ…」


時の界王神「未来を担う若いあなたたちに…死ぬような作戦をさせたくないの…」


ゼン「…でも…その作戦ならドミグラに勝てるんですよね?」


フェン「だとしたら…やることは決まっています」


ワイル「う…そうよ…」ヨロッ…


ワイル「私たちは…勝つために…世界を救うために…ここに来たんですから」


時の界王神「…みんな…」



時の界王神「…わかったわ」







魔神ドミグラ「妙だ…時の広場との繋がりが分断されてる以上、隠れていても無駄だということはわかっているはず…」


魔神ドミグラ「まあいい…この辺りすべてを吹き飛ばしてやるか…」



時の界王神「待ちなさい!ドミグラ!!」



魔神ドミグラ「…出てきたか…ようやく観念したようだな」


魔神ドミグラ「すべてを手にするのはこの私だ 貴様らはここで消す!!」


ゼン「…ここで消えるのはお前だ、ドミグラ」


魔神ドミグラ「ほう…この姿を前にしてもまだ威勢だけはいいようだな」


魔神ドミグラ「…本当に癇に障るがきだ」


フェン「…………」


ワイル「…界王神さま…」


時の界王神「ドミグラ、私たちは…絶対に負けないわよ!!」




時の界王神「みんな!!」バッ



ゼンたち「はい!!」バッ



時の界王神「いくわよ!!」



時の界王神たち「フリーズ!!!」



魔神ドミグラ「!!!」



ピ タ ッ



魔神ドミグラ「なにっ!?」


魔神ドミグラ「ぐ…き…貴様ら…!」


ワイル「はあああ…!!」


フェン「ぐ…ぐぐっ…!」


時の界王神「みんな…がんばって…!!」


魔神ドミグラ「こんな力で…私を止められると思うな!!」


魔神ドミグラ「ぐおおおお…!!」


魔神ドミグラ「ぐぬ…ぬああああっ!!」


ゼン「ぐ…はあああ…!!」


時の界王神「(ダメ…こんなんじゃ全然足りない…!)」


時の界王神「(もっと力を使わせないと…!!)」


時の界王神「はあああ…!!!」


フェン「だあああ…!!」


ワイル「はあああ…!!」


ゼン「フェン…ワイル…!!力を出し切るんだ…!!」


ワイル「わかってるわ…!!」


フェン「ぐ…だあああ…!!」


魔神ドミグラ「(こ…こいつら…何が狙いだ?)」


魔神ドミグラ「くそ…が…!!!」


時の界王神「はあああ…!!!」


時の界王神「みんな…耐えて…!!」


魔神ドミグラ「ぐああああ…フルパワーだ!!!」


魔神ドミグラ「はあっ!!!!」ドウッ



時の界王神「きゃっ!!」


フェン「うわぁ!!」


ワイル「ふ…フリーズが…」



魔神ドミグラ「はぁ…はぁ…」


魔神ドミグラ「貴様ら…ふざけた真似をしてくれたな…」


魔神ドミグラ「もうここまでだ!! 過去も未来もない!! 貴様ら全員、時空の塵にしてやる!!」



バキイッ



魔神ドミグラ「ち…」ググ…


ゼン「させるか…!」


ゼン「暴れたいのなら…相手をしてやる」


魔神ドミグラ「丁度いい…まずは貴様からだ!!」


魔神ドミグラ「はあっ!!」シャッ



ドゴオッ…



ゼン「!! ぐはぁっ…!!」


魔神ドミグラ「まだだ!!」ガシッ


魔神ドミグラ「だあっ!!」



ガンッガンッガンッ



ゼン「うわぁ!! がはぁっ!!」


魔神ドミグラ「死ねっ!!」



バキイッ ドゴオッ ガスッ



ゼン「ぎゃあっ!! ぐはああぁっ!!」



ワイル「も…もうやめて!!」


ワイル「ゼンが…ゼンが死んじゃう!!」


フェン「ゼン…!!」


フェン「う…うあああああ!!」


フェン「はあっ!!」ドンッ



バシュッ



魔神ドミグラ「もっとだ!このままでは死なさんぞ!!」


フェン「やめろーーっ!!!」


魔神ドミグラ「邪魔だ!!」バキイッ


フェン「ぐあっ!!」


ゼン「!! フェン!!」


ゼン「このっ!!」ドンッ


ゼン「はっ!!」バキイッ


魔神ドミグラ「…これが攻撃なのか?」ニヤ…


ゼン「!!」


魔神ドミグラ「手本を見せてやる」ス…



ド ゴ オ ッ



ゼン「ぐあああ!!!」


魔神ドミグラ「死して消えろがきが!!」


時の界王神「やめなさい!ドミグラ!!」


時の界王神「あなたの目的は私のはずでしょ!?」


魔神ドミグラ「ふっふっふっ…わかっているぞ 貴様はこのがきたちが自分の命よりも大事なのだろう?」


魔神ドミグラ「なら…もう二度と神に逆らわぬよう、貴様の目の前で惨たらしく殺してやる!!」


魔神ドミグラ「そうすることで私の貴様への復讐は果たされるのだ!!!」



時の界王神「な…なんですって…?」



ゼン「わ…私なら…大丈夫です…界王神さま…」



時の界王神「も…もういいから…! 逃げなさいあなたたち!!」



時の界王神「ここまで戦えばもう十分よ!!だから逃げて!!」



ゼン「…ここで逃げだすくらいだったら最初からここには来ていませんよ」


ゼン「ここに来たのは…何がなんでも世界を救いたいと思ったからです」


ゼン「たしかに私たちは…力では敵わないかもしれない…強さだってないかもしれない…でも…!」ググ…



ゼン「世界を!!大切なものを守りたいという気持ちだけは負けませんよ!!」



ゼン「たとえこの命が消えても、世界を救ってみせる!!!」



ゼン「ビートくんたちのためにも…そして、あなたのためにも!!!」



時の界王神「!!!」



フェン「ぐ…ゼン…」ガラッ



ワイル「ゼン…!」



魔神ドミグラ「ふん…がきの癖して立派な志しだな 反吐が出る」



魔神ドミグラ「望み通り死ね!!」バキイッ



ゼン「がはっ…!!」



時の界王神「(…私は…この子たちの師匠として失格だ…)」


時の界王神「(本当に覚悟が足りなかったのは…私だったんだわ…)」


時の界王神「(作戦が成功できなかっただけじゃない…自分の命を賭けて、世界や大切なものを守ろうとしている彼らを…助けることもできないなんて…)」


時の界王神「(私は…私はもうどうなってもいいから…!)」


時の界王神「(だから…!彼らを…ゼンたちを…助けて…!!)」


時の界王神「(彼らを…死なせないで…!!)」




魔神ドミグラ「終わりだ!!!」グアッ



フェン「ゼン!!!」



ワイル「やめてーー!!!」




時の界王神「(…ソラ…!!!!)」





ド ッ ゴ ォ ッ




シュウウウウ…





フェン「ぜ…ゼン…」



魔神ドミグラ「ははは…今度こそ無事では済むまい…」


魔神ドミグラ「…?」


魔神ドミグラ「…なっ!?」


魔神ドミグラ「がきの姿がない!!」




ゼン「う…来てくれたんだ…」


ソラ「…よく耐えてくれた」


ソラ「オレが、お前たちを守る」


ゼン「ごめん…何もできなかった…」


ソラ「ばかなことを言うな お前たちは十分頑張ってくれた」


ソラ「お前たちの想いは…オレが受け継ぐ」


ソラ「ドミグラは…オレが倒す」



ゼン「…!!」



ゼン「ソラ…ありがとう…」ガクッ



ソラ「……ゼン…」


ソラ「ワイル!ゼンを頼む」


ワイル「ゼンは…?ま…まさか……」


ソラ「気を失ってるだけだ …それより時の界王神さまたちを連れて離れてろ」


ワイル「……!?」ゾクッ…


ワイル「(ソラ…ものすごい怒ってる…)」


ワイル「わ…わかったわ」



バシュッ




ソラ「…………」





ソラ『魔神の力を消耗させる…ですか?』


時の界王神『そうよ 魔神の力だって完璧なものじゃない』


時の界王神『ドミグラが魔神の力を使い果たしたところを狙うの』


フェン『ドミグラは魔神の力が馴染んできたと言っていました つまり、初めて変身したばかりの今、まだあの形態に体が慣れていないはずです』


フェン『勝機があるとしたらそこでしょう』


ワイル『それで…どうやって力を消耗させるの?』


時の界王神『ソラ以外の全員でフリーズを使って、ドミグラの動きを止めるの』


時の界王神『私たち全員のフリーズなら、解除するのに相当な力が必要になるわ』


時の界王神『力を使い果たしたところをソラ、あなたが奇襲を仕掛けて、ドミグラに止めを刺して』


ソラ『…はい』





魔神ドミグラ「やつらめ…どこへ逃げた…?」



ヒュッ



魔神ドミグラ「…?」



ソラ「」ドギュッ



バキイッ



魔神ドミグラ「がっ…!」


ソラ「」グルン


ソラ「でやあっ!!」



バグォッ



魔神ドミグラ「ぐぎゃっ!!」


魔神ドミグラ「(ち…!もう一匹いたのか!)」


魔神ドミグラ「(こいつは…何者だ?)」


ソラ「」ドギュッ


魔神ドミグラ「があっ!!」グオッ


ソラ「」シュン


魔神ドミグラ「っ!?」


魔神ドミグラ「(マズい!! 背後を―――)」



バキャッ



魔神ドミグラ「ぐはぁっ!!」


魔神ドミグラ「(バカな…何も見えなかった…!!)」


ソラ「」ヒュッ


ソラ「はっ!!」



ドゴオッ…



魔神ドミグラ「!! がはぁっ!!」


魔神ドミグラ「なっ…!?」ヨロッ…


ソラ「」スタッ


ソラ「自分より弱いものをいたぶって楽しかっただろ?」


ソラ「同感だ」



ドギャッ



魔神ドミグラ「ぐおっ!!」



ズザザザザザッ



魔神ドミグラ「ぐ…ぬ…!」


ソラ「…………」ザッザッザッ…


魔神ドミグラ「…殺してやる」


魔神ドミグラ「はあっ!!!」



ド  ン  ッ



魔神ドミグラ「…………」シュウウウ…


ソラ「(…奴はもうかなり力を使っているはず…あともう少しなんだ…!)」


ソラ「(奴が力を使い切るまで…オレが耐えるしかない…!)」


ソラ「はっ!!!」



ド  ウ  ッ



ソラ「…………」バチバチ…



ソラ「いくぞ」








シャメル「…………」ザッザッザッ…


フローズ「あの野郎…生きてたのか…」


フローズ「ドローを使って生き残ったあげく、姿も変わってやがる…魔神化したのか…」


カギュー「…………」


フローズ「強襲作戦に失敗し…界王神たちとは分断…」


フローズ「これだけやっても戦力が減ってるのはオレたちで、奴らは大した被害を受けちゃいない…」


フローズ「…オレたちに…勝ち目なんかあるのか…?」


カギュー「…………」


フローズ「カギュー…もうオレたちには撤退しかないのか…?」


カギュー「弱まってる…」


フローズ「なに?」


カギュー「彼らの気が…少し弱くなってます」


フローズ「…弱くなってる?」


カギュー「やはり…魔神の力は消耗が激しいんです!」


カギュー「ゴッドクラスアップした時のことを思い出してください」


カギュー「私たちはあの力を体に慣らすまで、相当な時間がかかりました 神の力は強力な反面、体力の消耗が激しいからです」


カギュー「それより強力な魔神の力なら、さらに消耗が激しいはずです」


フローズ「…つまり…何が言いたいんだ?」


カギュー「私が…いえ、私とビートくんで体力の残っているモルネーくんの相手をします」


カギュー「フローズくんはシャメルくんの相手を…!」


カギュー「私たちで必ず…勝ってみせますから…!!」


フローズ「……ふっ…」


フローズ「…遅いぞ、カギュー ビートのルーズさがうつったんじゃないのか」


フローズ「…任せろ モルネーはお前たちに任せた」


フローズ「必ず…勝つぞ」


カギュー「ええ、3人で…勝ちましょう」



バシュッ



シャメル「…逃がすか!」


フローズ「」シャッ


フローズ「お前の相手はオレだ 来いよ、今度こそ倒してやる」


シャメル「簡単にいくと思うなよ…」




ギュオオオオオオ



カギュー「」スタッ


カギュー「起きてください、ビートくん」


SSGビート「…カギュー…?」ガラッ


カギュー「ビートくん…これから私が言うことをよく聞いてください」


カギュー「私たちで…モルネーくんを倒します」






モルネー「シャメルがフローズの相手を…?」


モルネー「ならこっちはビートとカギューの相手をすればいいんだね」



バシュッ




カギュー「…作戦は以上です」


カギュー「この作戦は…私がどれだけ時間稼げるか、そしてビートくんの切り札にかかってます」


カギュー「死なない程度で戦うつもりですけど…なるべく早くお願いしますよ?」


カギュー「私だって死ぬのは怖いですし…」


カギュー「キミを悲しませたくないですから…」ボソッ



SSGビート「(…カギュー…)」



モルネー「…………」スタッ


モルネー「君たちは生き残っていたんだね…あのまま大人しく吹き飛んでほしかったよ」


モルネー「でも結果は見えてる もう終わりにしよう」


カギュー「…そうはいきませんよ 私たちは、負けるわけにはいかないんです」



モルネー「ビート…その様子じゃ、もう体力は残っていないみたいだね」


カギュー「…あなたの相手は私です」


モルネー「カギュー…たしか君もドラゴンボールを持ってるんだよね」


モルネー「君は最後まで…よく戦ったよ」



シュン



モルネー「はっ!」グワッ


カギュー「っ!!」サッ


モルネー「」シャッ


モルネー「だあっ!!」



バキイッ



カギュー「が…!」


カギュー「…ぐ!」



バシュッ



モルネー「逃がさない!」バシュッ




SSGビート「カギュー…フローズ…」


SSGビート「今度こそオレが…みんなの希望になる!!」


SSGビート「はあっ!!!」ドンッ



SSGビート「(残りの体力を考えると、この力を使えるのは一回が限度だ…ここで、決めるしかない!)」



SSGビート「……か…め…」ス…





フローズ「はっ!」バシュッ


フローズ「(とにかくオレは、こいつの注意を引くしかない!)」


フローズ「はあっ!!」グワッ


シャメル「」サッ


シャメル「(モルネーはまだこいつらの武器のことを知らない…一人にしておくのは危険だ…!!)」


シャメル「」バシュッ


フローズ「!? 待て!!」シャッ



バキイッ



シャメル「ぐあっ!!」ズザザザザッ


フローズ「(くそ…こいつ、オレたちが嫌がることをわかってやがる…!!)」


フローズ「(なら…ここで倒すしかない!!)」







バキイッ ガガガガッ ズドッ



モルネー「はっ!!」


カギュー「だあっ!!」



ガ キ イ ッ



カギュー「く…!」ビリ…ビリ…


モルネー「魔神の力は君たちになんか負けない」


モルネー「勝つのは魔神だ!!」



ドガガガガッ



カギュー「ぐ…あ…!!」


カギュー「(とてつもない力だけど…やはり少しずつ弱くなってきている…!)」


カギュー「(彼らが最初から魔神化しなかったのは、おそらくまだ魔神の力に慣れていないから…!)」


カギュー「(これなら勝てる…!あとは…必死で耐えて、ビートくんにすべてを賭ける!!!)」



モルネー「(…なぜ防御してばかりなんだ…?何が狙いなんだ…?)」


モルネー「(ビートに既に戦う力は残っていない…フローズもシャメルの相手で手一杯だ)」


モルネー「(わからないけど…ビートたちを倒すのが勝利なのは変わらないはずだ)」


モルネー「(早く片付けて…シャメルの加勢に…!!)」


カギュー「でやあっ!!」


モルネー「だああっ!!」




ド   ン   ッ








ガガガガガガッ ドガッ バキキイッ



魔神ドミグラ「はっ!!」ギュアッ


ソラ「ぐっ!」ガガッ


魔神ドミグラ「愚かだな!!」バキイッ


ソラ「ぐあっ!!」


魔神ドミグラ「はあっ!!」ドカッ


ソラ「がっ!!」



ドザザザザッ



ソラ「く…くそっ…」ヨロッ…


ソラ「(奴の力が切れるのはまだなのか…?)」


魔神ドミグラ「もう遊びは終わりだ」


魔神ドミグラ「はあっ!!」ドウンッ



グオオオオオオ



魔神ドミグラ「最期の時だ!!」


ソラ「(!! 勝負を決める気か!?)」


魔神ドミグラ「くらえっ!!」



魔神ドミグラ「ボイリングフィスト!!!」



ギュオオオオオオッ



ソラ「く…」


ソラ「…ここまでか…」




カッ―――




ド  ゴ  ォ  ー  ン




ゴオオオオオ…




ワイル「…ソラ…」


ワイル「ソラー!!!」




魔神ドミグラ「ははは…はーっはっはっはっ!!」



魔神ドミグラ「調子に乗った報いだな…神に逆らう愚か者め…」



ゴオオオオオ…



魔神ドミグラ「…?」


魔神ドミグラ「(なんだ…?何かがおかしい…)」


魔神ドミグラ「(何故…奴の死体がどこにも―――)」



ヒュッ



ソラ「」ドンッ


魔神ドミグラ「なっ!?」



バキイッ



魔神ドミグラ「ぐはっ!!」


魔神ドミグラ「な…何故だ!?」


ソラ「」ギュンッ


魔神ドミグラ「ちっ!!」バババッ


ソラ「………」ス…


ソラ「」ズババババッ


ソラ「はっ!!」バキイッ


魔神ドミグラ「ぐはっ!!」


魔神ドミグラ「く…くそっ…殺してや―――」



魔神ドミグラ「!?」ピタッ



魔神ドミグラ「こ…これは…!?」


時の界王神「はぁ…はぁ…」


時の界王神「つ…捕まえたわよ」


魔神ドミグラ「!!! 貴様…まさか…またフリーズを!!」


ソラ「」バッ


ソラ「太陽拳!!!」



カッ―――



魔神ドミグラ「うっ!!?」


魔神ドミグラ「(な…なんだ!?何も見えない!!)」


ソラ「終わりだ」ヒュッ


ソラ「か…め…は…め…!!!」ギュオオオオ


魔神ドミグラ「(ぐ…ワームホールを!!)」




ソラ「波ぁーーーっ!!!!!」




ド   ウ   オ   ッ




魔神ドミグラ「(ダメだ 間に合わな…)」



魔神ドミグラ「うおおおおおおおおああああっ!!!!」



ズ   ァ   オ   ッ




ド ド ド ー … ン




ドミグラ「う…が…」


ドミグラ「な…!? ま…魔神化が…!」


ドミグラ「(マズい…! 逃げるしか…!)」



ガシッ



ドミグラ「ぐっ! 貴様…!!」


ソラ「魔神の力を使い切ると元の姿に戻る…そうだよな?」ハァ…ハァ…


ドミグラ「…………」



バキイッ



ドミグラ「がはっ!!」


ソラ「おい…何か答えろよ…」グイッ


ドミグラ「ち…ちくしょう…」




ワイル「や…やったぁ!!」


フェン「ソラが勝ったんだ!!」


時の界王神「…ソラ…」




時の界王神「終わったのね…ようやく…」





ゴオオオオオ…









モルネー「はっ!!」バキイッ


カギュー「うあっ!!」ドサッ


カギュー「はぁ…はぁ…」


カギュー「…まだです…」ヨロッ…


モルネー「(さっきからこの繰り返しばかり…いい加減にしてほしいな…)」


モルネー「…そうやって立ち上がるのは辛いだろう? 二度と立ち上がらなくていいようにしてあげるよ」


モルネー「君たちは大切な仲間だったから…ちゃんと殺してあげるよ」



モルネー「はっ!!」バッ



カギュー「っ!?」ビリ…ビリ…



モルネー「金縛りだよ…今度こそ終わりだね」


モルネー「さようなら、カギュー」


カギュー「ぐ…ああ…!」




カギュー「(…私がここで死んだとしても…)」




カギュー「(今のビートくんならきっと…勝ってくれる…)」




カギュー「(信じているから…ビートくんのことを)」




カギュー「(私の夢を、命を、希望を、託しましたよ)」




カギュー「(…ビートくん)」




モルネー「デモンズバースト!!!」




キィィ…ン



カッ―――




ド  グ  ァ  ン  




カギュー「」ドサッ



モルネー「終わった…」


モルネー「さあ、あとはドラゴンボールを…」



モルネー「!!」



モルネー「な…なんだ…?この巨大な気は…」


モルネー「」バッ


SSGビート「……っ…!」ギュオオオオ…


モルネー「…!? ビート…!?」


モルネー「ど…どこに…そんな力が…!」


モルネー「イヤ、それよりも…」


モルネー「…そうか…そういうことだったのか…」


モルネー「カギューは、君が力を溜めている間の時間稼ぎをしていたんだね」


モルネー「でもどうする? 気付いた以上、黙って食らってやるつもりはないよ」


モルネー「君が撃った瞬間にワームホールを作って避ける」


モルネー「さあ…どうする?」



SSGビート「…………」




SSGビート「(…カギュー…)」






フローズ「はぁ…はぁ…」


シャメル「どうした…もう終わりか?」


シャメル「(迂闊にドローは使えない…あまり力も残っていない…)」


シャメル「(だが…こいつを殺すくらいならできる…)」


シャメル「(早くこいつを片付けて…モルネーのところへ行かなくては…)」



フローズ「(…くそ…これ以上体力を使うと、止めを刺す力がなくなってしまう…)」


フローズ「(もうこれが最後だ…ここで決めるしかない!!)」



フローズ「はあっ!!」ドウッ



フローズ「………」ス…



ビビビビビビッ



シャメル「!」


シャメル「(…決める気か)」


シャメル「…来やがれ」



フローズ「はあああっ!!!」


フローズ「スピリッツエクスカリバー!!!」



グアアアアアア



シャメル「ぐっ!!!」ガガッ


シャメル「がああああ…!!」グググ…


フローズ「はあああ…!!」



シャメル「うおおおおおっ!!!」



バチイッ



フローズ「!!!」


フローズ「(…弾かれた…!)」



シャメル「はぁ…はぁ…」


シャメル「(危ないところだった…だが…これでオレたちの勝ちだ)」


シャメル「万策尽きただろ…終わりだ、フローズ」


フローズ「くそっ…」


フローズ「…ビート…カギュー…すまない…」






―――ヒュッ




「まだよ!! フローズくん!!」




グオオオオオオ




シャメル「んなっ!?」



フローズ「!!」



ももちゃん「はあああ…!!」グググ…



フローズ「…!! 生きていたのか!!?」



ももちゃん「フローズくん…早く止めを…!!」



シャメル「ぐ…ああ…!!」



シャメル「(ば…バカな…!こ…この土壇場でドローだと…!?)」



フローズ「………」ス…



ビビビビビビビビビッ



シャメル「ま…待て…!!」



フローズ「シャメル」




フローズ「終わりだ」




グ オ オ オ オ オ オ




シャメル「!!!」




ザ   ッ   ン   ッ





―――

――







モルネー「…どうしたビート? 最後の抵抗を見せてみてよ」


モルネー「(ビートが力を残していたのは想定外だったけど…先に気付いた僕の勝ちだ)」


SSGビート「…………」



SSGビート「もう芝居は終わりだ」






SSGビート「カギュー」





グオオオオオオ




モルネー「なっ!?」


モルネー「(こ…これは…ドロー!?)」



カギュー「はぁ…はぁ…」グググ…



モルネー「!? 生きてる…!?」



SSGビート「引っかかったな…モルネー」



モルネー「!!!」



モルネー「(ま…まさか…まさか…!)」



モルネー「(カギューが防戦一方だったのは、僕の必殺技に耐えられる体力を残すため…)」



モルネー「(そしてやられたふりをして僕の意識を自分からビートにうつした…)」



モルネー「(僕の動きを封じるために…僕を油断させるための演技を…)」



モルネー「(すべては僕を騙して…ビートの切り札を使うために…!!)」




SSGビート「止めだ モルネー」



SSGビート「これがオレの…新しい力だ」



ゴゴゴゴゴ…



SSGビート「いくぞ!!!」




SSGビート「ゴッドかめはめ波ーーーっ!!!!!」





ズ   ァ   オ   ッ




ギュアアアアアッ




モルネー「あ…ああ…」



モルネー「(や…やっぱり…)」



モルネー「(敵わなかった…か…)」



モルネー「うわあああああああ!!!!」




ズ  ア  ア  ア  ア  ッ




ド   ド   ー   …   ン









ビート「はぁ…はぁ…」フッ…


カギュー「や…やりましたね…ビートくん」


ビート「カギュー…ありがとう」


カギュー「い…いえ…たださすがに…疲れました…」ドサ…


ビート「カギュー…」


ビート「(気を失ってるだけか…よかった…)」


ビート「勝てたんだ…オレたち…」


ビート「(…思えばいつだってカギューがオレを助けてくれた…いつだってオレのことを信じてくれた…)」


ビート「(信じてくれたから…オレは戦えた…)」


ビート「(カギュー…本当に、本当に…ありがとう…)」








ドミグラ「…何故だ…私は神になるべき存在なのに…」



ソラ「(どうする…止めを刺すべきか…?)」



フェン「界王神さま…ドミグラはどうするのですか?」


時の界王神「また時の狭間に封印するしかないわね …今度こそ復活しないよう厳重に」


時の界王神「(…でも…ドミグラやシャメルたちが暗黒魔界とどういう関係だったのか、結局わからずじまいだわ…)」


時の界王神「(封印したあとも厳しく歴史の監視を続けていくしかないわね…)」


時の界王神「ソラ!」


ソラ「はい」


時の界王神「ひとまずドミグラを連れてここから脱出…」



ピキピキピキィッ



ソラ「っ!?」サッ



ヒュッ ガシッ



時の界王神「!? 何!?」



ソラ「ドミグラが…!!」



「まったく…なんで私がドミグラの尻拭いをしなきゃいけないのかしら…」



ソラ「誰だ!!」



魔神プティン「あらあらぁ♪ ずいぶんと強気なお方ね」



時の界王神「!! あなたは…!!」



魔神プティン「あら? ひょっとしてあなた、クロノアちゃん?」



時の界王神「プティン!!」



魔神プティン「ちんちくりんのままだけど、少しはおしゃれになったじゃないの」



ワイル「プティン…?誰なんですか?」

 

時の界王神「…簡単に言うと7500万年前の天界の魔導師で、当時のドミグラの計画に加担していたの」


ドミグラ「…う…プティン…何故…」


魔神プティン「勘違いしないで、命令だから従っただけよ 本当ならあなたはここで死ぬはずだったんだから」


魔神プティン「…メチカブラ様に感謝するのね」


ドミグラ「…!!」


ソラ「(なんだ…?何を話している…?)」


時の界王神「でも…なんであなたがここに…」


ソラ「っ!?」ゾクッ


ソラ「この気は…!?」


時の界王神「…まさか…その姿…あなたも魔神の力を?」


魔神プティン「ご名答ね、クロノアちゃん 私はもうあなたの知ってる私じゃないのよ」 


魔神プティン「本当ならあなたを消してあげたいけど、今回はドミグラを連れて帰るだけだから」


ソラ「な…なんだと!! そんなことはさせるか!!」



バシュッ



魔神プティン「…もう手遅れよ」ヒュッ



グオオオオオオ



ソラ「っ!?」


フェン「ワームホール…!!」


ワイル「逃げるつもり!?」


時の界王神「待ちなさい!!プティン!!」


魔神プティン「安心しなさいな♪ 次に会ったときはちゃんと消してあげるから」


魔神プティン「私たちの計画を邪魔するなら…ね…」



ズズズ…



時の界王神「しまった…!!」


ソラ「ち…ちくしょう!! あともう少しだったのに…!」



時の界王神「(…いったいどういうことなの?なんでプティンまでここに…?)」


時の界王神「(このタイミングで現れたことを考えると、初めからドミグラと結託していたとは思えないわ…)」


時の界王神「(それよりもいったい誰がプティンに魔神の力を…?)」



ソラ「申し訳ありません…オレがすぐに止めを刺さなかったばかりに…」


時の界王神「…いいのよ ドラゴンボールを守れただけでもよしとしましょう」


時の界王神「(…一つだけわかったとするなら…ドミグラたちはプティンたちとは、別勢力の可能性があるということ…)」


時の界王神「(いったいこれは何を意味するの…?)」



ゴオオオオオ…








シャメル「うぅ…くそっ…」


ももちゃん「ふぅ…とりあえず拘束はできたわ」


ももちゃん「よくここまで追い詰めてくれたわね フローズくん」


フローズ「…どうしてだ?」


フローズ「どうやってあの爆風から…」


ももちゃん「…ツバサが…ツバサが助けてくれたの」


ももちゃん「あの時…私にドローを使って、私を爆風から守ってくれたの」


フローズ「そうだったのか…」


ももちゃん「大丈夫なんて言ってたけど…全然大丈夫じゃないわよ…」


ももちゃん「…別れは必然だってわかるけど…割り切ろうとしてるけど…やっぱり私は…」


ももちゃん「…ツバサ……」


ももちゃん「…………」ググ…


フローズ「…………」


ももちゃん「…さてと…」


ももちゃん「ドローでしぶとく耐えたみたいだけど、魔神化も解けた今、あなたに止めを刺すのは簡単なことだわ」


ももちゃん「あなたは私たちに、有益な情報を教えてくれるかしら?」


シャメル「…………」


シャメル「…いいや」


ももちゃん「そう…大した覚悟ね」ス…


フローズ「ま、待ってくれ!!」


フローズ「ここで殺すのは早計すぎないか…?」


ももちゃん「早計? 私はそうは思わないわ」


ももちゃん「何故なら彼らの力は到底計り知れないからよ」


ももちゃん「今回は彼らがまだ魔神化に慣れていなかったから運良く勝てただけなの」


ももちゃん「もし完全に魔神の力を身につけられたら…言わなくてもわかるでしょ?」


フローズ「だが…」


ももちゃん「…らしくないじゃない …ひょっとしてまだ、仲間だったころの想いが残っているの?」


フローズ「!!」


フローズ「…オレは…」


ももちゃん「…………」ス…


ももちゃん「…わかったわ…ひとまずは保留にしておく」


ももちゃん「どうするかは、界王神さまたちと合流してから考えることにするわ」


フローズ「…わかった」


フローズ「(甘さは捨てたはずなのに…どうしてだ…?)」


フローズ「(…オレも…まだやつらを敵だと割り切れてないのか…?)」


フローズ「(……………)」



ももちゃん「…………」




「見つけたぞ」



フローズ「…!?」


ももちゃん「だ…誰!?」



バチバチバチィッ



フローズ「!! 危ない!!」バシュッ



ガシッ



ももちゃん「きゃっ!?」



ズザザザザザッ



フローズ「ぐ…」



「ち…外したか…」



シャメル「…!」



魔神グレイビー「まったく…手間をかけさせてくれたな …シャメル」


シャメル「グレイビー…!」


シャメル「何故…お前がここに…?」


魔神グレイビー「話はあとじゃわい ひとまず帰るぞ」


シャメル「…モルネーはどうした?」


魔神グレイビー「モルネー? …ああ、あの小僧ならやられたぞ 例のサイヤ人どもにな」


シャメル「っ!? なんだと!?」


魔神グレイビー「そんなことはワシにはどうでもいいわい お前たちの失態なんじゃからな」



グオオオオオオ



ももちゃん「(!! マズい!!)」


フローズ「ま、待て!!」


魔神グレイビー「ふん…小賢しいがきじゃ…」


魔神グレイビー「次に会ったときは…土産でも用意してやるとしよう…」



ズズズ…



フローズ「!!」


ももちゃん「…っ…!」


フローズ「くそっ!!」バッ


ももちゃん「待って!フローズくん!」


フローズ「っ!?」


ももちゃん「ワームホールで逃げられたら、もう私たちには追いかけられないわ…」


ももちゃん「それに私たちにもうそんな体力も残ってない …返り討ちにされるだけよ…」


フローズ「ぐっ…!」


フローズ「くっそぉ!!」ダンッ


フローズ「オレの…オレの甘さが…!!」


フローズ「くっ…うっ…!!」グググ…


ももちゃん「…あれは私の判断よ あなたのせいじゃないわ」


ももちゃん「…ビートくんたちと合流しましょう」










カギュー「……ぅ…ん…」ムクッ


カギュー「…ここは…?」


ゼン「うぅ…」


カギュー「! ゼンくん!?」


カギュー「ひどい怪我だ…!」


カギュー「(でも…ゼンくんがここにいるということは…界王神さまたちと合流できたのか?)」



タッタッタッ



ビート「! カギュー!」


カギュー「ビートくん!」


ビート「よかった…気がついたんだ」


カギュー「ビートくん…状況はどうなっているんですか?」


ビート「ちゃんと説明するよ でもその前に、みんなを呼ばないと」




―――

――





ヒュウウウウ…



カギュー「…………」


時の界王神「どう?状況はわかった?」


カギュー「…えっと…まず…生き残ったのは9人だけなんですか…?」


ワイル「うん…そうよ…」


ソラ「…オレたちはよしとくんが殺された」


ももちゃん「私たちはツバサが…」


カギュー「あの後…ビートくんがゲートを塞ぐことに成功…生き残った敵は全員逃亡した…」


カギュー「死んだモルネーくんを除いて…」


フローズ「…………」

 

時の界王神「…戦闘終了からもう4時間は経ってるわ あなたが起きるのを待っていたの」


カギュー「界王神さま…その怪我はいったい…?」


時の界王神「ああ…これね ビートの傷の時間を私に移したの」


時の界王神「簡単に言えばビートのダメージをそのまま私が受け取った、ってことになるのかしら ビートの体力を回復させるにはそれしかなかったの」


時の界王神「でもそのおかげで、あなたが寝ている間にゲートは完璧に塞いだわ もう彼らがこっちの世界に来ることもできない」


カギュー「…………」


時の界王神「さあ…話も済んだことだし、ドラゴンボールで願いを叶えにいくわよ」


時の界王神「フェン、ワイル あなたたちはゼンの側に付いててあげて」


フェン・ワイル「はい」


時の界王神「それ以外の全員で時の巣へ向かうわ」


時の界王神「ビート、カギュー ドラゴンボールは失くしてないわね?」


ビート・カギュー「………」ギュッ…


カギュー「…はい」


ビート「ここに」





―――時の巣



時の界王神「…幸い、台座は破壊されてないようね」ザッザッ


フローズ「…以前ゼンたちに、時の広場にもドラゴンボールの台座があると聞いたが…」ザッザッ


時の界王神「…あれは破壊されていたわ 陰険なドミグラのしそうなことね」ザッザッ


時の界王神「でも時の巣の中にも台座があったことは知らなかったみたいね 運が良かったわ」


時の界王神「時の巣と時の広場との繋がりも分断されていたみたいだけど、ドミグラが消えてからは無くなったみたいね」ザッザッ


カギュー「…ようやくですね …ビートくん」ザッザッ


ビート「…………」ザッザッ


カギュー「…? ビートくん?」ザッザッ


時の界王神「…着いたわよ…」


ビート「これが…」


ソラ「さあ、ビート、カギュー ドラゴンボールを台座にはめるんだ」


カギュー「はい」ガコッ


カギュー「さあ…ビートくんも」


ビート「…うん」



ガコッ



時の界王神「…じゃあ、神龍を呼ぶわよ」



時の界王神「………」ス…



時の界王神「いでよ神龍!そして願いを叶えたまえ!」



ブー…ン



カッ―――



ビート「っ!?」




グオオオオオオ




神龍「…ドラゴンボールを7つ揃えし者よ…」



神龍「さあ…願いを言え… どんな願いでも一つだけ叶えてやろう…」



カギュー「す…すごい…」



カギュー「これが…神龍…」



ビート「…………」



ソラ「さあビート、神龍に願いを言うんだ」



ビート「…オレが?」



フローズ「そうだ…ノートたちを生き返らせるんだろ?」



ももちゃん「ほら、ビートくん」



カギュー「私たちもビートくんと同じ願いです さあ、願いを言いましょう」



時の界王神「…………」



ビート「(…ノート…)」



ビート「(オレの…オレの願いは…ノートたちを生き返らせること…)」



ビート「(…でも…その願いは叶えられない…)」



ビート「(一人しか…生き返らせられない…)」



ビート「(オレは…どうするべきなんだ…)」



ビート「(オレは…)」
















神龍「願いは叶えてやった」






神龍「ではさらばだ」








―――

――









トワ「…………」ペラッ



コンコン ガチャ



ビート「…………」


トワ「…寝てなくていいの?」


ビート「うん…もう十分休んだから」


トワ「そう…」


トワ「…クロノアから全部聞いたわ 今回のこと」


ビート「…………」


トワ「…どうして?」




トワ「どうしてあの子を生き返らせてあげなかったの…?」




ビート「…………」












フローズ『…どうしたんだ?ビート 願いを言わないのか?』


ビート『…………』


ビート『…生き返らせないよ オレは…』


フローズ『はっ!?』


カギュー『えっ!?どうして…!?』


ビート『…………』


ソラ『ビート…どうしてなんだ?』


ソラ『お前はみんなを生き返らせるために、戦ってきたんじゃないのか?』


ビート『…みんな…か…』


ビート『そのことなんだけど…』


ももちゃん『え…?』


ビート『実は…』



時の界王神『…このドラゴンボールで生き返らせられるのは一人だけなのよ』



ビート『!』


カギュー『えっ!?』


フローズ『なんだと!?』


ビート『…知っていたんですか』


時の界王神『ええ…トワから聞いたの』


時の界王神『ドラゴンボールを本来の世界とは別の世界で使う場合…』


時の界王神『叶えられる願いに限度がある…ってね…』


ももちゃん『そんな…』


フローズ『…どうして隠していた?』


時の界王神『…あなたたちの士気を下げたくなかったからよ』


フローズ『もしそうだとしても…知っていないよりかはマシだったはずだ』


フローズ『いたずらにオレたちに希望を持たせて…戦わせていたってわけか』


ビート『違う…時の界王神さまは悪くない』


ビート『オレがあの時…もっと早く言っていなかったのが悪いんだ』


フローズ『………』


カギュー『フローズくん…』


時の界王神『私にも責任はあるわ…だから…』


時の界王神『…誰を生き返らせるかはあなたたちが決めていいわ』


ビート『!』


カギュー『私たちが…ですか?』


フローズ『…………』


時の界王神『元々そのドラゴンボールはあなたたちの世界にあったものだから…あなたたちが願いを叶えるべきよ』


時の界王神『そうするって…ずっと前から決めていたの』


フローズ『…カギュー』


カギュー『………』コクッ


カギュー『…ビートくん』


フローズ『…ビート』


ビート『…………』


カギュー『願いはビートくんが叶えてください』


ビート『…え?』


カギュー『私たちは、ビートくんに願いを叶えてほしいんです』


カギュー『ビートくんの想いが…世界を救ったんですから』


ビート『オレが…願いを…?』


フローズ『ああ…オレには叶えたい願いなんてないしな お前の好きなように使えばいい』


フローズ『お前にはあるはずだろ…絶対に叶えたい願いが…』


カギュー『そうですよ たとえどんな願いでも、私たちはビートくんの願いを尊重します』


ビート『…………』


カギュー『生き返らせましょう…ノートさんを…』


ビート『!!!』



ビート『…………』



ビート『…ノートは…』



ビート『……ノートは…』













ビート『…生き返らせないよ…』






カギュー・フローズ『!!?』


ももちゃん『えっ!?』


ソラ『…………』



カギュー『そ…そんな… じゃあ誰を生き返らせるんですか?』


フローズ『…カブラか?それともエリトか?』


ビート『…違う』


カギュー『じゃあいったい誰を…』



ビート『オレは…誰も生き返らせる気はないよ』



カギュー・フローズ『!?』


ももちゃん『どうして…? …ビートくん』



ビート『…あの時…』


ビート『一人しか生き返らせられないって聞いたときから…決めていたことなんだ…』


フローズ『…責任を感じてるのか?』


フローズ『誰を生き返らせるかを…自分が決めることに対して…』


時の界王神『…ゼンたちのことなら、私からきちんと説明する きっと彼らもわかってくれるわ だから遠慮なんか…』



ビート『そうじゃない!!』



時の界王神『!』


ももちゃん『…ビートくん…』



ビート『そうじゃないんだ…もちろん…それもあるけど…』



ビート『ノートを生き返らせたいって…考えなかったわけじゃない…』



ビート『でも…やっぱりおかしいと思うんだ…だってそうでしょ?』



ビート『本当なら、死んだ人間は生き返らないのに、ドラゴンボールがあるから生き返らせられるなんて…おかしいよ…』



ビート『戦いの中で気付いたんだ…みんな一つしかない命で必死に戦ってた…ノートたちだって…シャメルたちまでもがそうだったんだ』



ビート『ノートたちはただ死んでいったわけじゃない オレたちに希望を、想いを託して逝ったんだ その想いは今もオレの心で生き続けてる』



ビート『こんな考え方はしたくないけど…ノートの死がなかったら、多分オレは…ここまで戦えなかったと思う…』



ビート『それだけ、人間の命は重いということなんだ』



ビート『それを生き返らせるなんて…オレにはできない…』



時の界王神『…………』



ビート『それに…ノートだって多分納得しないと思う …自分だけが生き返るなんて…誰だって納得しないよ…』



ビート『オレだけじゃない…ゼンたちも…ソラやももちゃんも…みんな生き返らせたい人はいるのに、オレだけがノートを生き返らせるなんて、オレ自身が納得できないんだ』



ビート『それに…最近命については散々考えたよ だからこそ…ノートは生き返らせない』



ビート『ノートが託してくれた想いを…無駄にするようなことだけはしたくないんだ…絶対に…』



フローズ『…………』



カギュー『ビートくん…』





時の界王神『…それであなたは納得できるの?』



ビート『…え?』



時の界王神『生き返らせなくても、あなたは納得できるというの?』


ビート『…それは…』



時の界王神『私は…あなたたちに納得できるかたちでドラゴンボールを使ってほしかったの』


時の界王神『…本当は生き返らせたいんでしょ?ノートって子のこと…』


時の界王神『トワから聞いたわ…あなたは誰よりもその子のことを大切に想ってたって…』


ビート『…!!』


時の界王神『理屈を並べるようになるのは大人になってからでいいの 自分に嘘を付くなんて、あなたみたいな若い子がすることじゃない』


時の界王神『そうやって無理をして…自分の気持ちを殺すことなんてしなくていいの あなたが願いを叶えることを、誰も咎めたりしないから…!』



時の界王神『だから…! そんな悲しそうな顔しないで…!』



時の界王神『無理やり自分を納得させようとしないで…!』



時の界王神『お願いだから…あなたの本当の気持ちを言って…!』



ソラ『界王神さま…』



ビート『…………』



ビート『…ごめんなさい…界王神さま…』



ビート『やっぱりオレには…ノートだけを生き返らせるなんて…』



ビート『死を美化するつもりも…ドラゴンボールで願いを叶えることを否定するつもりもありません…けど…』



ビート『多分ノートが一番…傷付くことになると思うから…』



ビート『みんな…生き返れればよかったのに…』



ビート『またみんなと一緒に…笑いたかった…』



フローズ『…………』



カギュー『ビートくん…』




時の界王神『…わかったわ』



ももちゃん『界王神さま…』



時の界王神『いいのよ…私は…自分の理想をこの子たちに押し付けているだけだった…』



時の界王神『ビート…ごめんね… あなたの気持ち…何一つわかってあげられなくて…』



ビート『いえ…嬉しかったです オレのことを心配してくれて』



ビート『…もし…許してもらえるなら…願いはオレが叶えていいですか?』



時の界王神『もちろんよ あなたの好きなように使って』




ビート『フローズ…カギュー…』



カギュー『さっき言った通りですよ ビートくんが叶えた願いであれば、私たちはそれを尊重します』



フローズ『ち…本当にルーズなやつだ 神龍が消えちまうぞ』



ビート『…ありがとう…二人とも』



フローズ『…フン』




神龍『どうした?願いは無いのか?』



ビート『待ってくれ、神龍』



ビート『オレの願いは…』




ビート『…もう二度と…』




ビート『もう二度と、暗黒魔界が別の世界と繋がらないようにしてほしい!!』




時の界王神『!』



ソラ『ビート…』




神龍『…了解した』




ピカッ―――





神龍『願いは叶えてやった』




神龍『ではさらばだ』




キィィ…ン



ギュオオオオオオ



―――パッ






ビート『…………』



時の界王神『ビート…』



ビート『これで…もう二度とこんなことは起きませんよ』



ビート『これで…よかったんです』




















ビート「…これでよかったんだよ…もう二度と、こんなことは起きないから…」



トワ「…………」



トワ「…本当にそう思ってるの?」



ビート「…………」



ビート「…どっちも本心だったんだ」



ビート「生き返らせることに対する疑問も…ノートを生き返らせたい想いも…」



ビート「どっちも正しくて…どっちも違っているように思えて…」



ビート「気がついたら…自分の気持ちがわからなくなってた…」



ビート「矛盾してたんだ…オレは…」



ビート「でも…やっぱり…」







ビート「本当はノートを生き返らせたかった…」







トワ「…!」



ビート「またノートと一緒に…バトルしたかった…」



ビート「またノートと一緒に…大会に出たかった…」



ビート「ノートと一緒に…最強英雄になりたかった…」



トワ「ビート…」



ビート「う…ひっく…うああ…」ポロポロ



ビート「うわぁぁ…あああ…!」エグッエグッ



トワ「…………」ギュッ…



ビート「うああ…あああ…!」ポロポロ



トワ「…もう泣かないで…」



ビート「…?」グスッ



トワ「…今日は黙って涙を拭いて」



ビート「…でも…っ…」グスッ



トワ「明日になっても涙が出るのなら…私が一緒に泣いてあげる」



トワ「それでも涙が止まらないのなら…私が側にいてあげる」



トワ「だから…もう泣かないで」



ビート「…っ…トワ…」グスッ



トワ「言ったでしょ? 何があってもあなたの味方だって」



トワ「あなたが選んだ願いも…誰かを守るためだったって…信じてるから…」



ビート「…うああ…あ…ああ…!」ポロポロ




トワ「(…クロノア…あなたがビートのことを想ってくれたように…ビートもあなたを想って…願いを叶えたのね…)」



トワ「(いつだって…あなたは笑顔でいて…明るかったけど…)」



トワ「(あなたが誰よりも辛い想いをしてたって…ビートは知ってたのね…)」



トワ「(ビート…ありがとう)」



トワ「(クロノアの苦しみ…わかってくれて…)」




トワ「…………」ギュッ…













―――その後、タイムパトロールを取り巻く状況は目まぐるしく変わっていった




時の界王神は、時の広場をトキトキ都へと移し、そこを拠点とし復興を始めた




トキトキ都が元に戻る頃には、決戦から既に半年が経過していた




ソラたちは、ビートたちが元の世界に帰れるよう、時空転送装置の復旧を進めていた




ついに転送装置の復旧が完了した時には、ビートたちがこの世界に来てから一年が経とうとしていた






そして今日




ついにビートたちが元の世界に帰る日がやってきた








―――トキトキ都・時の広場




ももちゃん「ソラ?転送装置の出力はどう?」


ソラ「問題ないな、いつでも作動できるぞ」


ももちゃん「じゃあ次は転送先の設定を…」




カギュー「ようやく…帰れるんですね 私たちの世界に」


フローズ「長いように思えたが、振り返ってみると案外短く感じるな」


カギュー「ええ…本当に色々なことがありましたね」


ビート「…………」ボー


フローズ「おい」


ビート「え?なに?」


フローズ「また昨日も夜遅くまで修行してたな?」


ビート「え?してないよ…」ギクッ


フローズ「…嘘を付け」


カギュー「帰る日の前日まで修行だなんて、相変わらずですね、ビートくんは」


ビート「あははは…」


フローズ「ち…笑ってる場合か…」



ゼン「ビートくん!」


ビート「ゼン!」


フェン「もう集まってたんだ ビートまで」


ワイル「それはそうよ 今日でようやくビートたちは帰れるんだから」


ゼン「もうすぐ時の界王神さまもいらっしゃいますから」


カギュー「最近出かけられることが多かったようですけど…」


フェン「そういえばそうだね どこにいってたんだろう」


ワイル「トキトキ都からは滅多に出る人じゃなかったから…たしかに不思議ね」



時の界王神「…人を引きこもりみたいに言わないでほしいわね」


ワイル「うひゃああ!?」ビクッ


フェン「い、いつの間に!?」


フローズ「…フリーズを使ったな」


時の界王神「あはは…バレた?」


フローズ「笑ってる場合か…って二度も言わせるなよ…」


時の界王神「あれ?ビート、トワは?」


ビート「なんかもう一度本の整理をしたいからって… 部屋にいると思いますけど」


時の界王神「じゃあ呼んできてくれる?もうすぐ転送装置の準備も完了するみたいだし」


ビート「わかりました」タタタッ







―――トワの部屋



トワ「…………」ペラッ



コンコン



ビート「トワいる?入るよ」ガチャ



トワ「…ビート?」



ビート「界王神さまが時間だってさ」



トワ「そう…」



トワ「向こうに行っても…こうやって本を読めるかしら?」



ビート「…もちろんだよ、トワが知らない本もきっとあると思うよ」



トワ「そう…楽しみね」



ビート「…………」



トワ「…どうしたの?」



ビート「いや、その…ごめん オレのせいで、暗黒魔界に帰れなくなっちゃって…」



トワ「いいのよ…気にすることはないわ」



ビート「…本当は、暗黒魔界に帰りたかった?」



トワ「…もう未練はないわ」



トワ「…あそこはもう…私の帰るべき場所じゃないから…」



トワ「私の居場所は…きっと別のところにあるのよ」



ビート「それって…どこにあるの?」



トワ「それは秘密…」



ビート「…なにそれ」



トワ「ふふ…」



トワ「…それじゃあ…行きましょうか」




スタスタ




トワ「…………」スタスタ



ビート「…………」スタスタ



トワ「…………」チラッ



ビート「?」



トワ「…!」サッ



ビート「…?」









トワ「ごめんなさい 遅くなって」


時の界王神「ううん、むしろいいタイミングで来てくれたわ」


時の界王神「ちょうど転送装置の準備も完了したところよ」


時の界王神「それにしても本当にいいの?もしトワさえよければ、私の知り合いとして時の巣で暮らしてもいいのよ」


トワ「…せっかくのお誘いだけど、やめておくわ 色々とお世話になったことだし…」


トワ「向こうには私の知らないものが色々とあるみたいだから、それを自分の目で見てみたいの」


時の界王神「…そっか」



トワ「それに…ビートの側にいれば自分の居場所が見つかりそうだから…」



時の界王神「…ひょっとしてそっちが本音?」



トワ「…………」



トワ「…さあね」









フェン「じゃあ転送装置を作動させるよ」



カチッ キイイイ…ン



カギュー「どうも今までお世話になりました」


ゼン「みなさん…どうかお元気で」


ワイル「たまには私たちのことも思い出してね」


フローズ「思い出したりなんかするか」


フローズ「…忘れないからな」ボソッ


ビート「…フローズ」


フローズ「ち…聞かなかったことにしろ…」


ソラ「これからもタイムパトロールとしてしっかりな」


ももちゃん「あなたたちならきっと大丈夫よ」


フェン「ありがとう、ソラ」


ゼン「そうなれるよう頑張るよ」



時の界王神「トワ…元気でね」


トワ「…色々とありがとう クロノア」


トワ「…私は数多くの歴史で何人もの界王神を見てきたけれど…」


トワ「ここまで子供っぽい界王神は初めてよ」


トワ「…でも私は…そんなあなたの側で、もう少しだけ話相手をしていたかったわ」


時の界王神「トワ…」


トワ「…クロノア…あなたとのこと…ずっと…忘れないから」


時の界王神「ありがとう…トワ」




時の界王神「ビート!」


ビート「界王神さま…」


時の界王神「やっぱりあなたはみんなのヒーローだったわね」


時の界王神「最強英雄目指して、頑張ってね!」


ビート「界王神さま…」


ビート「…っ…オレは…オレは…」


時の界王神「ありがとう」


ビート「え…?」


時の界王神「ありがとう 世界を救ってくれて」


時の界王神「あなたたちがいたから…私たちも最後まで戦い抜けた」


時の界王神「あなたは私にとっても、ヒーローだったわ」


時の界王神「だからこれからも、大切なものを守ってあげて」


ビート「…!」


ビート「はい…!」


時の界王神「本当に…本当にありがとう…!」




カギュー「行きましょう 私たちの世界へ」



フローズ「ああ…!」



ビート「うん!」





ビート「(みんな…本当にありがとう)」





キィィ…ン





ビート「(また会おうね)」



















―――ビートの家



ビート「...zzz」



ビートの母「こらっ!ビート!いつまで寝てるの!」



ビート「うわぁ!」ガバッ



ビート「び…びっくりした」



ビートの母「まったくもう…今日は約束があるとか言ってたのはどこの誰なの?」



ビート「あ…そっか そうだったね…」



ビート「…………」



ビートの母「? とにかく早く顔洗っちゃいなさい 朝ごはんできてるわよ」



ビート「…うん」




ビート「……………」モグモグ



ビートたちがこちらの世界に帰ってきてから、4日が過ぎていた



ソラたちが転送装置の時間を、邪悪龍との戦いが始まった日からそう遠くない日付に設定したため、ビートたちは特に問題なく日常生活に戻れていた



だがその世界に…ノートたちの姿はない




ビート「…ごちそうさま」




ビート「じゃあいってくるね」



ビートの母「気をつけていってくるのよ」




ビートはこの日、ドラゴンボールヒーローズ研究所へと呼ばれていた



だがビートはあまりヒーローズに対して乗り気ではなかった



ノートたちがいないのだ 仲間がいないヒーローズはヒーローズではない



ドラゴンボールヒーローズを誰よりも知っているビートだからこそ、わかることだった





―――ドラゴンボールヒーローズ研究所



ビート「はぁ…」



ビートは研究所の前で立ち尽くしていた なかなか入る気になれなかったのだ




ビート「まいったなあ…早く入らないと…」




ビート「でもなあ…」




それでも意を決して入ろうとしたその瞬間





「何してるの?」





ビート「え…?」





聞き覚えのある声だった





この声は覚えている いや…決して忘れることのなかった声だ




自分の最初のライバルであり、仲間であり、いつしか特別な存在になっていった人の声だった





でもこの声はもう二度と聞けないと思っていた




自分を庇い、希望を託して散っていった彼女の姿が、ビートの記憶を辿り、今まさに聞こえた声と結びついた




そう…その名前は…




ビート「…ノート…?」



ノート「…? どうしたの?ビートくん」



信じられなかった 自分の目を疑った



ノートはたしかにあの時…自分を庇って帰らぬ存在になったはずだった



それからいつだって自分の心の中で生き続けていたノートが、今まさに自分の目の前にいる



ノート「っ!?ビートくん、なんで泣いてるの?」



ビート「…え…?」ポロポロ



ビート「あ…あれ…?」ポロポロ



ノート「本当にどうしたの?具合でも悪いの?」



ビート「いや…目にゴミが入っただけだよ…」ゴシゴシ



ノート「本当に?」ジッ



ビート「うっ…本当だよ…」タジッ



ビート「(やっぱり…間違いない オレが知ってるノートだ)」



ノート「そう…ならいいけど…」



ビート「(なんでかわからないけど…ノートが生きてる!)」



ビート「ははっ…!」



ノート「何よ、今度は笑って 変なビートくん」




カギュー「ビートくん!」



ビート「カギュー?」



ノート「カギューくん?」



カギュー「えっ!?ひょっとしてあなた…ノートさんですか?」



ノート「そうだけど…何よ二人そろって似たようなこと言って」



ビート「どうしたの?カギュー」



カギュー「と…とにかくビートくん、早く研究所の中へ!」グイッ



ビート「ちょ…ちょっとカギュー!?」



ノート「あ、待ちなさいよ!」






―――研究所の中




ビート「え!?これは…!?」



エリト「あ、ビートくん!元気だったかい?」


バサーク「相変わらず遅刻か?」


フォルテ「それともノートとデートでもしてたのか?」


カブラ「おい、アブラ!勝手にカードをいじるなよ!」


アブラ「シシシ…オレのネコマジンデッキとすり替えてやる」


ヴィオラ「二人とも遅かったのね 何か用事でもあったの?」



ツバサ「さあ大会の続きを始めるぞ」



よしとくん「マシンの調整はバッチリだよ!」




ビート「みんなが…生きてる?」



ビート「ツバサたちまで…」



フローズ「おい…これはいったいどういうことなんだ…?」



カギュー「わかりません…こんなことが…」



ソラ「ビート」



ももちゃん「みんな…もう来てたのね」



ビート「ソラ…ももちゃん」



ビート「ソラ、これって…どういうことなの?」



ソラ「オレにもわからない…だがもし奇跡が起こったとするのなら…」



ソラ「それは多分…あの人からの贈り物だ」



ビート「…それって…」









―――第7宇宙




時の界王神「ふぅ…助かったわ 超ドラゴンボールを集めるのを手伝ってくれて」



ザマス「いえ、構いませんよ」



ザマス「しかし…驚きましたよ もうお会いすることはないと思っていましたから…」



時の界王神「ビルス様に気づかれずに動けるのはあなたぐらいだからね」



時の界王神「これで元通りよ…何もかも」



ザマス「…お優しいんですね 彼らの仲間を生き返らせてあげるなんて」



時の界王神「別の世界での出来事だから、流石にその世界での記憶は失くしてしまったけれど…」



時の界王神「生きていれば、いくらでも絆は育めるわ」



ザマス「クロノアさまも…ようやく界王神らしいことをなされたのではないでしょうか?」



時の界王神「なによ、それ…でも」





時の界王神「ビート…これが…私からあなたへの恩返しだから…」




時の界王神「ありがとう…ビート」








ビート「時の界王神さまが…?」



ソラ「かもしれないって話だ」



カギュー「いったいどうやって…」



ソラ「わからない…だが…」



ソラ「…これで本当に元通りだな」



ビート「…!」



ソラ「さあ…バトルを始めるぞ、ビート」



ビート「…うん!」












―――こうしてビートたちの長い長い戦いは終わった




―――ビートたちとタイムパトロール、そしてノートたち




―――ビートと彼らの絆は永遠に途切れることはないだろう




―――そう…彼らが…







―――ドラゴンボールヒーローズがいる限り…







To be continued...


このSSへの評価

このSSへの応援

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください