ゴシックは魔法乙女 第32話
契約直後のカトレアとのお話です、あとロザリーも
ゴシックは魔法乙女32
第77話 カトレアお試し
セレニウム上空~
真少年「と言うわけで、初出撃なんだけど」
カトレア「はい」
真少年「僕と契約を交わしたところで、カトレアの魔力って無尽蔵なんだから、意味なくない?」
カトレア「いえ、そんなことありませんマスター」
真少年「そうなの?」
カトレア「確かに私の魔力は無尽蔵ですが、使える幅に限界があるようです・・・」
真少年「カトレアの体が持たないってこと?」
カトレア「ええ、もう体が持ちませんわマスター、壊れちゃいます、堪忍して下さい」
真少年「・・・」
カトレア「・・・」
真少年「ちょいちょい、攻めてくる人?」
カトレア「お嫌いですか?」
真少年「嫌いではない」
カトレア「ありがとうございます」
真少年「んで」
カトレア「はい、マスターと契約を交わしたところ、使える魔力の幅が大きく広がりました」
真少年「ほう」
カトレア「例えば・・・あちらの海に向かって、魔力の弾を飛ばしてみますと・・・」
真少年「うん」
カトレア「んっ!」キンッ
瞬間、伸ばされたカトレアの右手から、輝く空色の魔法の塊が収縮され、大音量を伴い弾け飛ぶ!
放たれた魔力は大気を震わせ、切り裂き、豪風を幾重にも纏って海面めがけて着弾!
天高く吹き上がる水柱!蒸発する海水が吹き上がる霧を生み、魔力の塊は海底まで海水を穿ち土砂までを吹き上げる!
四方に巻き起こる津波が大きな波紋を海面に作り、大音量の波しぶきを撒き散らす・・・
真少年「えーーっ!」
カトレア「今ので軽くです」
真少年「えーーーっっ!!」
カトレア「あら、衝撃で私の右腕が肩から吹き飛びました」
真少年「えーーーーっっっ!!!」
カトレア「まだ、左手があります、噛みつく歯もあります!」
真少年「いやいやいやいや、治して、お願い治して、分け与えられたセイラザードの知識と経験があるでしょ!?」
カトレア「・・・あの神様もどきの力を使うのは気にいりません」
真少年「なんで?!いやいや、お願い、見ていて痛々しいよ!」
カトレア「腕なんて飾りです、偉い人には分からないのですよ」
真少年「腕は大切だよ!」
カトレア「まぁ、マスターがそう言われるのでしたら・・・うーん、でも・・・」
真少年「うんうん、治そう治そう、ほら、手を繋いだり出来なくなるよ?」
カトレア「・・・抱っこ?」
真少年「・・・うんうん、抱っこも出来ないよ」
カトレア「・・・お医者さんごっこ?」
真少年「・・・うん、お医者さんごっこ、出来ないよね」
カトレア「・・・手コ」
真少年「さっさと治さんかい!」
カトレア「はい」
カトレア「とまあ、魔力を使うと体への負担が大きすぎます」
真少年「まぁ、1発撃つ毎に腕を吹き飛ばしてもな」
カトレア「恐らく、全力ならば私は消し飛びます」
真少年「だろうね」
カトレア「通常、どんなに魔力を抑えても、私の体へのダメージは避けられないでしょう」
真少年「うん」
カトレア「ところが、マスターと契約を交わしたところ、押さえた魔力ならば、体に損傷を負うことなく撃てるようになりました」
真少年「そう考えると、僕との契約も意味があるのか」
カトレア「はい」
真少年「・・・」
カトレア「何か?」
真少年「・・・うん、じゃあ、ちょっと手を出して」
カトレア「?」
真少年「契約の追加条項を加えたい」
カトレア「はい」
真少年「・・・握り」
カトレア「握られ」
真少年「カトレアに命ず、以後、カトレアの魔力の負担損傷は僕が負う」
カトレア「!!」
真少年「カトレアに命ず、以後、僕の生命を越える魔力は出せない」
カトレア「いけません!マスター!」
真少年「以上」
カトレア「マスター!」
真少年「ま、これでカトレアにはリミッターが掛かるわけ」
カトレア「・・・」
真少年「命預けたからね」
カトレア「・・・マスター」
真少年「これからよろしくね」
カトレア「・・・」
真少年「カトレア」
カトレア「・・・はい、お命預かりました」
真少年「うん、・・・さて、そろそろ敵魔物が来るかな」
カトレア「はい」
真少年「初陣だし、様子を見ながら戦おう」
カトレア「これで、力加減を誤って、いきなりマスターが消し飛べばウケるでしょうか・・・?」
真少年「それはやめて」
第78話 ナムココラボ
市街地~
ロザリー「ねぇ、あんた」
真少年「なーに?」
ロザリー「なんかコラボイベントが始まってるわよ」
真少年「あー、ナムコのね」
ロザリー「あれ、乗り気じゃないの?」
真少年「うーん、懐かしいけど、それほど思い入れがある訳じゃないし・・・」
ロザリー「そうなの?」
真少年「うん、ま、聖霊石を回収して良しかな」
ロザリー「ふーん、ほら、チラシがあるわよ」
真少年「へー、フムフム、パックマンに、マッピー、ワルキューレねぇ」
ロザリー「みんな、可愛い魔法乙女化してるわね」
真少年「うーん、いっそのこと、そのままのキャラで出してくれれば楽しいのにね」
ロザリー「黄色の丸い物質と契約したい?」
真少年「・・・やっぱりヤダ」
ロザリー「でしょ」
真少年「そう考えると、魔法乙女化もやむなしか」
ロザリー「そりゃそうよ、私も仲間にネズミとかいたら、扱いに困るわ」
真少年「だろうね」
ロザリー「世界観ぶち壊しよ」
真少年「確かに・・・ん、このパックマン・・・」
ロザリー「どしたの」
真少年「お胸に2つのパックマンがブルンブルンしてる!凄い!大きいよロザリー!」
ロザリー「ちょっと歯を食いしばってみて、マスター」
真少年「冗談だよ、マスターをグーで殴ろうとしないで」
ロザリー「・・・ふん」
真少年「ごめんごめん、ちょっと下品だったね」
ロザリー「・・・分かればいいのよ」
真少年「また、ロザリーを号泣させてしまうところだった」
ロザリー「なっ!?」
真少年「フムフム、ワルキューレがメイン報酬みたいだな」
ロザリー「・・・みたいね」
真少年「ワルキューレのデザインは当時のままか」
ロザリー「女性キャラだし、わざわざ変える必要がなかったのね」
真少年「ん?なにこれ、限界突破が9体だって」
ロザリー「普通は4体よね」
真少年「うん、それを9体って、どんだけ手間暇なんだよ」
ロザリー「結構大変ね」
真少年「きついと思うよー、僕はそれほど思い入れもないから、今回はパスだ・・・な・・・」ジーッ
ロザリー「ん?」
真少年「・・・」
ロザリー「どうしたの?」
真少年「・・・」
ロザリー「おーい」
真少年「ロザリーッ!!!」
ロザリー「な、何よ」
真少年「ワルキューレの声が井上喜久子だっ!!」
ロザリー「へ?な、何?」
真少年「いーのーうーえーきーくーこーだっ!!」
ロザリー「へ?へ?」
真少年「ちくしょう!やりやがったな!!いくぞロザリー出撃だ!!!」
ロザリー「どうしたのよ、急に」
真少年「9体集めるぞ」
ロザリー「えー」
真少年「ついにベルダンディと出撃できる時が来たか・・・」
ロザリー「いや、ワルキューレよ?」
真少年「構わない、関係ない、勝手に脳内補完する」
ロザリー「おい」
真少年「ほら、行くよ」
ロザリー「・・・なんか複雑だわ、そんなに好きなの?」
真少年「いや、好きとか、そんな気持ちじゃなくて、ファンなだけ」
ロザリー「それ、好きってことだよね?」
真少年「違う違う、えーっと、僕がロザリーとイチャイチャしてチュッチュッしたいと思うのは、好き、ラブじゃん」
ロザリー「ぬっ!」ポッ
真少年「それとは違う、食べたい好物だったり、見たい映画だったりの好きに近い、ライクかな?」
ロザリー「うーん、分かるような、分からないような」
真少年「だからロザリーが嫉妬することはないんだよ?」
ロザリー「べ、別に嫉妬なんかしてないし」
真少年「まーまー、ね、行こ」
ロザリー「まあ、そこまで思い入れがあるなら協力してあげるけどさ、9体も集める必用無くない?」
真少年「え?だって井上喜久子キャラだから、最高の状態でお迎えしないと失礼じゃん、不敬じゃん」
ロザリー「崇拝だ!?」
ちょっと周回してきます、10日間ほど・・・
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