白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル 第8話『初めての名前。初めてのすれ違い』
08話
日が完全に暮れる前に、計佑達は雪姫の実家へと引き上げていた。
道中、まくらの格好がまた勝手にパジャマに戻ったりと相変わらず不可解な現象が起きたりしたが……
もうそんなものかと納得するしかない計佑だった。
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夕食を待っている間も、カリナと茂武市のテンションは海ではしゃいだ時のままだった。
「ご飯たべたら花火でもしない!?」
「おっ! 賛成ーー!!」
そんな会話を他所に計佑は席を立つと、
──えっとトイレは……どこだったっけ?
一度は案内してもらっていたのだが、
屋敷のあまりの広さと、何度かの移動の間によくわからなくなってしまっていた。
──あ、ここだったような気が……
見覚えのあるようなドアを見つけ、
──『ガチャッ』『ガラガラッ』
計佑が開くドアの音に、引き戸が開けられる音が続いた。
<i>「「──え……」」</i>
中に踏み入った計佑と、風呂場から上がろうとした雪姫が見つめ合う──
<b>「きゃーっ」</b>
少女の悲鳴と、パチィンッと何かが叩かれる音が響いた。
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計佑は縁側に座っていた。
──頬に、紅葉を浮かび上がらせて。
そんな少年の頬に、背後からピトっと冷たい瓶が当てられた。
「ごめんね、いきなりたたいて……」
雪姫が計佑にラムネの瓶を渡してきていた。
顔を赤らめながらも計佑が受け取ると、雪姫は計佑の隣に座ってきた。
「この家広いから、わかんなくもなるよね……」
「す……すいません。もうちょっと確認してドア開ければよかったです……」
「……もうなんかあれだね。キミのそれは、一種の才能か何かなのかな……」
ふうっとため息をついてみせる雪姫に、もはや計佑は縮こまるしかない。
「夏はやっぱラムネだよね」
ふとももの間に挟んだラムネの瓶を弄ぶ雪姫。
──湯上りの先輩……何かすげー……色っぽいな……
そんな雪姫をチラチラと見ながら、計佑はまた動悸を激しくし始めるのだった。
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──でもホントに、茂武市くんとかでなくてよかった……
計佑に見られてしまった、あの瞬間。
勿論火が出るような思いをしたが、もしあれがもう一人の少年だったりしたら──
そう思うと今度は血の気の引く思いだった。
(茂武市には申し訳ないけれど──それが正直な気持ちだった)
本当に毎度毎度とは思うが、それでも計佑がワザとやってる訳ではないのはわかっている。
となると、さっき自分が口にしたように、本当にこれは才能とか奇跡の類じゃないだろうか……?
半ば本気で、そんな事まで考えてしまう。
──運命で結ばれてる、みたいな……?
浮かんだ言葉に、思わず吹き出しそうになってしまったが、どうにか抑えた。
それよりも今、雪姫が気になってるのは少年が自分の身体を見てどう思ったのか……という事だったりした。
──食事前だから、お腹が出てたりとかはなかったと思うんだけど……
もう恥ずかしさより、そんな事ばかり考えてしまう自分に、
──やっぱり、私はもうこのヒトの事……
雪姫はあらためて、少年への想いを自覚するのだった。
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黙りこんだ雪姫に、計佑は困ってしまっていた。
会話がないのが気まずい……という訳でもないのだが、いつもより更に色っぽく感じる先輩の姿を黙って見ていると、
さっき見てしまった裸のことも思い出されてしまって……
──うおおおおおお!!!!
なんだか体の一部がマズイ変形を起こしそうになって、慌てて一気にラムネを流し込んだ。
──飲み込みきれなかったラムネが、ぶくぶくと口や鼻からこぼれていく。
「わーーっ、ちょっとこぼれてるよ!!」
気付いた雪姫が慌てて詰め寄ってくる。
「こっち向いて! ふかなきゃ」
自分のTシャツをめぐりあげて、それで拭いてくれようとする雪姫。
覗く彼女の下腹部に、計佑はまたまた慌ててしまう。
<i>「だっ大丈夫ですっ!! いいですよ、先輩が汚れちゃいますから」</i>
グズグズと涙目になりながらも、必死に雪姫を押しとどめた。
「……ぷっ」
「へ……?」
雪姫が身体を折って吹き出したので、きょとんとしてしまう。
「ふふふっ……もう。何その顔」
雪姫が、口元を抑えていた手をどけて顔を上げると、
「ほんとにかわいいね……計佑くんは」
──ドクンッ……!!
言葉こそいつものからかいのものだったが、
雪姫の表情は優しい微笑だった。先日、公園で見せてくれた時のような──
──名前……はじめて呼ばれた……
その笑顔に加えて、名前で呼ばれたことも重なって、計佑はまた赤くなってしまう。
雪姫はそんな計佑の変化に気づいたのか、
「……名前で呼ぶとか馴れ馴れしい?」
と上目遣いで尋ねてきて。
「いやっそんなっ!! 嬉しいです!!」
殆ど条件反射で答えてしまったが、
答えた後で、何かえらく恥ずかしいことを言ってしまった事に気づく。
──嬉しいってなんだよっ……なんかそれじゃまるで……!!
まるで何なのか──やっぱりその先は考えたくない少年。
そして思考停止してしまう計佑に、雪姫が改めてTシャツをめくり上げて迫ってくる。
「ほらっちゃんとふかないと」
結局、雪姫のシャツで顔を拭いてもらってしまう。
軽くパニック状態に陥り、もうさっき浮かんだ考えなど吹き飛んでしまっていた。
「わ……わわ!!」
そんな計佑を微笑んで見つめていた雪姫だったが、
拭き終わった後に、その表情をニマっとした笑顔へと変えた。
その見慣れた表情に、動揺していた計佑の意識がギクリと回復する。
「じゃあ……私のことも雪姫って呼んでもらおっかな?」
「いいっ!?」
案の定、ムチャ振りがやってきた。
「ほらっ『雪姫』って呼んでみて?」
「いやそれはっ、流石にちょっと!!」
からかわれてるだけなのはわかっていても、焦るのは止められない。
「じゃーハードル下げてあげるからー。『雪姫先輩』なら平気じゃない?」
ニマニマしたままの雪姫。絶対計佑には無理だとわかってる顔だ。
「ホント勘弁して下さいっ!!」
もうまともに雪姫の顔も見れなくなって、計佑が必死に顔を逸らすと、
「あーもー!! ホントにカワイイぞーこらー♪」
雪姫は計佑の頬をつついてきて。
──なんだよもー、このヒトはっ……!!
すげー美人なのに、言うことやる事はなんかカワイイような……
反則だろそんなのっ……!!
以前は苦手だったはずの雪姫のイタズラを、いつのまにかカワイイ振る舞いだとも感じてしまっている計佑。
なのに鈍すぎる少年は、やっぱりまだ何も自覚できないままだった。
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夕食の後、茂武市とカリナを片付け班として屋敷に残し、
計佑、雪姫、硝子の三人はコンビニへ花火やお菓子を買いに来ていた。
花火は勿論のこと、お菓子にジュースに──ついでとばかりに、雑貨なども買い物カゴに放り込んでいく三人。
そうして物色が済んだところで、雪姫が
「会計は私が済ますからっ。二人とも先に行ってていいよ」
なんだか慌てた様子で計佑や硝子の分のカゴまでレジカウンターに持っていく。
そうは言っても、計佑としても、女子一人にまかせてしまうのは抵抗がある。
硝子と二人でカウンターへ向かうと、雪姫が焦った顔をして計佑を振り返ってきた。
「? どうしました?」
「……何でもない」
そう言って店員のほうに向き直る雪姫にちょっと疑問を感じるが、
食い下がる必要も感じずに黙ってスキャン作業を見つめる。
「……あれ? 子供向けのストラップがなんで?」
ふと目についた、可愛らしいくまちゃんストラップについ疑問が口をつく。
視線は硝子のほうに向きかけたが、
「……私よ……悪い? あつめてるんだもん」
赤い顔をした雪姫が小声で答えてきた。
一瞬意外に思ったけれど、
──いや、そうでもないか……なんか振る舞いとかも子供っぽいとこあるもんな。
やっぱり意外と可愛らしいんだな先輩……
なんとなく微笑ましくなったのだが、それが顔に出てしまったらしい。
「──!? こらっ何っ!! そのニヤニヤした顔はっ!!」
雪姫の手がさっと計佑の顔に伸びかけたが、硝子の方をチラリと見て途中で止まる。
うーっ唸りだしそうな顔でこちらを睨んでくるが、
そんな悔しそうな顔をした雪姫に、怖さよりもむしろ可笑しさを感じてしまった。
「ぷっ」
こらえきれずに吹き出してしまう。
いよいよ雪姫の顔が真っ赤になってしまうが、そんな雪姫もなんだか可愛く見えてしまうのだった。
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──うーっっ……失敗したっっ……!!
隠して買うつもりだったのに、しっかり計佑に見つかってしまった。
──今まで上手くお姉さんぶれてたのにっ……!!
実はすでに『意外と子供っぽいような』と見抜かれつつあった事をつゆ知らぬ雪姫は、地団駄を踏む思いだった。
しかし、雪姫としてはここでこのアイテムを買い逃す訳にもいかなかった。
地元では売り切れてしまっているアイテム、ここで買わなければもう手に入らないかもしれなくて。
それで精算を引き受けたりしてどうにか誤魔化せないかと考えたのだが……
──従姉妹が探してるとか、いくらでも誤魔化す方法はあったのに……っ。
咄嗟に嘘がつけなかった。
あるいはそれは、計佑には素直でありたいという雪姫の深層心理も働いていたのかもしれないけれど……
そんな事は今の雪姫に自覚できるものではなくて。
──笑われちゃった……幻滅……されたのかな……
笑われた瞬間には、かっと身体が熱くなった。
けれどすぐにそんな思いに囚われると、雪姫の気分は沈んでいった。
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──あれ、どうしたんだろう……?
雪姫が、かっと赤くなったと思ったら、急に萎れてしまって。
金額を伝えてきた店員に向き直ると、のろのろとお金を差し出している。
──まさか、俺が笑ったから傷ついた……!?
そうなのだろうかと硝子に目を向けてみたが、硝子は困ったように苦笑して首を振っていた。
──う……やっぱそうなのか……!?
いよいよ焦るが、何と言ったらいいものかわからない。
ただ笑ったことを謝っても、この場合あまり意味はないだろう。
かといって何も言わないのは最悪だと考えて、精算が終わった荷物を持ちながら
「あの、先輩……」と話しかけてみる。
しかし雪姫は袋を一つ持つと、俯いたまま無言で店の外に出ていってしまう。
慌てて追いかけて店を出たところで、雪姫のケータイが鳴った。
雪姫は画面を確認すると「……先に行ってて」と計佑たちから離れて行く。
「あ、お疲れ様です……」
ケータイで話し始める雪姫を見て、硝子が計佑に話しかけてきた。
「仕事の電話とかみたいだね……じゃあ先にゆっくり行っとこうか?」
「そう……だね」
萎れさせてしまった罪悪感で後ろ髪を引かれる思いだったが、
上手い謝罪が思いつかない事もあって、結局二人でゆっくりと堤防沿いの道を帰っていった。
<b>「ギャハハハ!! チョーウケんだろそれ!!」</b>
<b>「っしょー!?」</b>
道中、ガラの悪そうな二人組が堤防に腰掛けて騒いでいた。
硝子のほうが堤防沿いを歩いていたのだが、計佑は無言で硝子と場所を入れ替わった。
そのまま足早に通り過ぎたが、一瞬チラリと計佑が視線をやると、
<b>「だっせー地味ねーちゃんダナァオイ!!」</b>
無精髭を生やした男がそんな罵声を浴びせてきた。
──うわ……ホントにろくでもないヤツだったな……
「……須々野さん大丈夫?」
「えっ!? 大丈夫、気にしてないよ」
慌てたようなその反応に、やはり傷ついているのだろうなとは思うも、それ以上何を言えばいいか分からなかった。
「優しいね……ありがとう、さっきは場所も変わってくれて」
なのに、ちょっと赤い顔で硝子が礼すら言ってくるので慌てて、
「えっ? 別に礼を言われるような事でもないと思うんだけど……」
困惑していたら、硝子は微笑むと
「……目覚くん、なんだか白井先輩と仲いいよね」
「えぇっ!? そっ……そうかな?」
思いがけない言葉に、大いに焦ってしまう。
そんな計佑を見つめる硝子の表情が、一瞬沈んだ。
自分が礼を言った時より、雪姫の話題を出した時のほうが少年の反応が大きい──
そのことに硝子は複雑な心境になったのだが、そんな事をこの少年が気づける筈もなく。
「まくらがさみしがるよ? 目覚くん取られたって」
「はぁ? いや、あいつとはそんなんじゃねーから」
計佑はあっさりと否定したが、そんな態度に硝子はちょっと困った顔をした。
「……まくらさ ああ見えて弱気なトコあるからちゃんと見ててあげないと。
まぁ幼馴染だからあえて言わなくてもわかってるんだろうけど。
まくらはヘンに強がって、思ってる事と違うこと言っちゃったりする時あるから……」
そんな硝子の言葉は、確かに計佑もわかってはいることだった。
──……そうなんだよな……
オレも前はアイツのそんなとこもわかってやれてたハズなんだけど。
でもなんだか最近のアイツはよくわからないトコがある……
霊になってしまったせい……とかなんだろうか?
そんな事を考えている内に、迎えにきていた茂武市とカリナと合流できた。
計佑はしかし、そこで別の疑問が浮かんだ。
「……先輩……遅くないか……?」
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──ピッ……
はあ……と、通話を終えた雪姫はため息をついた。
ただでさえ凹んでいたところだったのに、ダメ押しで水を差されてしまった。
──早くみんなのところに戻ろう。花火して騒げば、また楽しい気分に戻れるよね……
どんな顔をして計佑と顔を合わせたらいいか分からなかったが、
どの道戻らないわけにもいかない。とりあえず気を取り直して、小走りで屋敷へと戻る。
途中、大声で騒ぐ二人に気づいて。
目を合わせないようにしながら速度を上げたが、男達は一人きりの女などという『おいしい獲物』を見逃さなかった。
「はーいちょっと待ったー」「通行料金は5万円でーす」
二人がかりで雪姫の前に立ちふさがってきて。
「なっ……何ですか」
「おっカワイー当たりじゃねコイツ」
無精髭の男が帽子の男にニヤけた顔を向ける。
「よっしゃ今からパコろーぜ」「おいでおいで」
二人がかりで傍に停めてあった車に引っ張ろうとしてくる。
「ちょっと放してっ」
身をよじっても手を離す様子のない男達。本気で恐ろしくなってきて、
<b>「いい加減にしてくださいっ!!」</b>
切羽詰まって、思わず全力で髭男を突き放してしまった。
ヨロリとする髭男。
<i>「……オマエ何つきとばしてくれてんの?」</i>
「……え?」
低くなった男の声に雪姫が振り返る。
<b>「何調子こいてんだこのクソ女ァ!!! 超ォォムカツクわーー!!!! 」</b>
<b>──ガンガンガン!!!!</b>
髭男が、自分たちの車だろうにガスガス蹴りまくる。
その振る舞いがあまりにも怖くて、硬直してしまう。
……もう、逃げることは出来そうになかった。
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まくらは、一人でぼんやりと散策を続けていた。
海から戻る道中、パジャマに服装が戻った後
「しばらく一人で散歩したい」と計佑に告げてからずっとふらふらとしていた。
途中、中学校を見つけてそこの野球部の練習を眺めたりして。
それでもやっぱり、気分は沈んだまま──そんな時だった。
<b>「放してっっ!!」</b>
聞こえてきた悲鳴に、はっと顔を向けるとそこには雪姫と二人の男がいた。
無精髭の男が片手で雪姫の両手を抑えて、反対の手には刃物を持っている。
帽子の男は、ガムテープを手にしていた。
<b>「放し──ム!!」</b>
帽子の男が雪姫の口にガムテープを貼りつけた。
「だからお前チョーシコイテンじゃねーよ……大人しくしてりゃ、ちったぁ優しくしてやっからよ」
髭男が雪姫の顔にナイフを突きつける。
<b>「やっやめろっ!!」</b>
駆けつけたまくらは、転がっていた板切れを掴むと思い切り男へと振り回した。
──が、何の手応えもなかった。
殴った衝撃がないどころか、板切れすらその手になかった。
──え……? モノは動かせてたハズ……
まくらが振り回したつもりの板切れは、変わらず元のところにあった。
帽子の男が雪姫の手も縛ると、車に押しこむ。
「やめてーーッ!!」
本当に何も出来なくなったまくらの悲鳴は、誰にも聞こえる事はなかった。
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「先輩……?」
店への道を走ってきた計佑は、道端に落ちている買い物袋を見つけていた。
中身が一つだけ零れている。
それは、雪姫が買っていたのと同じクマのストラップだった──
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<8話のあとがき>
うーん、裸を見られた後の先輩の気持ちを妄想するのが難しかった……
ここでは、バカテスヒロイン・ピンクちゃんのセリフを改変して使わせてもらうことにしました。
今回初めて雪姫が『計佑くん』と呼びかけますが、
ここまでにそういうことがないようには一応気を使ってきたハズ……うっかりしてなければ。
雪姫の心の声とか結構盛り込んできましたが、
ここまでは『彼』とか『あのコ』とかでやりすごしてきたハズです。
やはりここは原作通り、インパクト与えたいですものね。
……といっても、原作未読でこれ読んでる人はいないだろうから、意味はあんまないのかもなんですけど。)
今回の雪姫先輩小悪魔モード・追加ネタとしては、まずは名前で呼んで──ってやつ。
ちなみに、最終回までは計佑に雪姫先輩とは呼ばせない予定です。
といってもその呼び方が特別なネタって訳でもなく、さらりとやる予定なんですけど。
あとここでは、『嬉しいです──ってそれじゃまるで……』
の所で、計佑の自覚ない恋心を上手く表現できた気がして、自分では気に入ってたりしました。
以前は苦手だったハズの雪姫の印象が、
もう殆ど反転しているという描写と合わせて、ほぼ計佑の気持ちも決まってきてるような?
後はコンビニでも、計佑×雪姫の絡みをちょっと盛りましたね。
……いや、ちょっと盛る程度のつもりで最初考えてたんですが……
書いてみたら意外と長いシーンになっちゃったかも?
ちょっと雪姫が打たれ弱くなりすぎたかなぁ……とも思うけど、
先輩は原作よりファンタジーにしていくというのは決めてたことだし。
僕の好みとしては、これくらい極端なほうが萌えられるんでいいかな、と。
それにここで雪姫と計佑がギクシャクしてると、9話での再会はより輝くかなぁとも思ったので。
雪姫の心の声で、5話では「もしかして私……」ていうのを入れましたが、今回は「やっぱり私……」が入ってます。
チンピラ事件の前に、自覚はさせておきたかったんですよね。
クズ登場のとこで、計佑が硝子を気遣って立ち位置替える描写追加してみました。
さらに、男の罵声対象を硝子限定に改変する事で、その後の計佑のフォローの重みを増して。
結果、『自分では』計佑の株を上げられた気でいます。
原作硝子の「怖……」の部分を削ったのも、僕的には理由があって。
僕には硝子ちゃんも結構コワイ人に思えているからです。
まあその辺はおいおい書いていく事になるのですが……
まくら視点は書かないつもりだったんですけど……
雪姫が襲われるシーンはまくらでいかないと、僕には難しいなぁと。
今回は『パコさん』と命名されて、どーも否定的な意見をよく見かけた気がするクズ共登場です。
しかしこの事件での計佑の『ボロボロの状態での笑顔』には、僕も惚れ込んでるんですよねー。
なので削ることは考えませんでした。
でも雪姫先輩の服の中が他の男に晒されたり触られるというのもすんごいムカつくのでヽ(`Д´)ノ
一応その辺に気を使って改変していきます。
このSSへのコメント