2022-08-09 22:49:05 更新

概要

この作品は、一人の青年が様々な難題に遭遇しながら必死に提督として成長していく物語です。


前書き

※誤字、脱字または文脈の乱れ等、至らない点が多々あると思いますが、どうか温かい目で見てやってください。
※キャラ崩壊ありです
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。


―― 雨が降る。

 血の雨が降る。

 敵も味方も、血を撒き散らして沈んでいく。

 そんな中、数多の生命が消えゆく地獄の海の上で少女が一人、呟く。

「この雨は、いつになったら止むのかな……」――


 


 季節は冬。

 冷たい潮風が辺りを通り抜ける中、1人の青年が海を眺めていた。 

 否、青年は「海を眺めること」しかできなかったのだ。

『提督になるために遥々来たのに・・・何故だ』

 この青年、本日からとある鎮守府に着任する予定の提督である。だが、肝心の着任予定の鎮守府に着けず、座り込んでいる。

 風に飛ばされそうになる帽子を押さえつつ、朝の海を眺める。自身の零す息と波のさざめきだけが、一定のリズムを刻む。

「……」

 青年はどうやって鎮守府にたどり着くかを必死に考える。

 携帯は電池切れ。案内板らしきものを発見したがとても読める状態ではなかった。駅の中を調べても手がかり一つなく、辺りを見渡すが人っ子一人いなかった。

 こうなれば歩き回ってでも鎮守府を探すしか。そんな考えが青年の脳裏によぎったその時、ふと周囲のリズムが変わった。

 

『あんなところで何してるんだろう?』

 少女は、先程から海を見たまま全く動かない男の事がどうも気になった。

「あの、どうかしたんですか?」

 離れているせいか、男からの返事はない。

「もしも~し」

 距離を縮めて声をかけてみるも、目先の男からの返答は一向にない。

『大丈夫かな?』

 もしかして、どこか体調でも悪いのではないか? そんな一抹の不安が頭をよぎる。

「大丈夫?」

 心配になった少女は、少しばかり男の背中を揺さぶってみせる。


「うぉ!!!」

 青年は背後からの予想だにしない声に呆気にとられた。

「あっ、ようやく気づいてくれた。君、そんなとこ……」

 そこから先の言葉は、強い潮風によって散らされ、聞き取ることが出来なかった。

「……すまない。風でよく聞こえなかった。もう一回言って、ゑ?」

 青年の目に飛び込んできた光景は、彼の身体に電流を走らせた。

 それが背後の人物の風貌による驚愕か、はたまた風になびくスカートとその中の下着の見え隠れによる興奮か。

 凄まじく速い平手打ちの衝撃かを青年が把握することはなく、その身体は弾け飛んた。

 バッチーン!!

「ぉおうぇ・・・」

 青年は 目の前が 真っ白になった……

「ごめん!大丈夫!?」

 咄嗟にぶってしまったことを申し訳なく思い、少女は男の元に駆け寄る。

「ぅん、だいじょう゛」

痩せ我慢すらままならぬ程の威力だったが、男はよろけつつも立ち上がる。

「……すまなかった」

 腫れ顔の男が謝罪の意を述べる。

「こちらこそ、急に叩いたりしてごめん」

 お互い謝罪の言葉を交わし、改めて少女は目前の青年に尋ねる。

「それで、こんなところで何してるの?」

「あぁ、僕はこの辺りにある鎮守府に配属されることになった提督。なのだが、恥ずかしいことに道がわからなくてな」

「地図も電話もなく途方に暮れてたんだ。周りに人の気配もなくて困ってて・・・ってどうしたの?」

 青年の言葉を聞いた途端、少女が敬礼したままこちらを見ている。

 その敬礼は断じて「形」だけのものではない。

 

「私は舞鶴鎮守府所属。白露型駆逐艦、時雨です」


 予想だにしない事態に青年の声が荒くなる。

「えぇぇ!?君が時雨!?」

「はい、これからよろしくお願いいたします」

 青年は、本来鎮守府で出会うはずだった艦娘との思わぬ出会いに戸惑う。

「あ、ああ・・・よろしく」

『驚いた・・・実際に見てみると普通の女の子と大差ないじゃないか』

 一瞬言葉が詰まった青年だったが、鎮守府の人間に会えたことで寧ろ安心の方が大きくなってきた。

「とりあえず、鎮守府に案内してくれるか?」

 当初の問題も、鎮守府所属の艦娘がいれば解決したようなものだ。

「わかりました。私の後に付いてきてください」

 振り返って先導する彼女の瞳は、どこか複雑な模様を浮かべていた。

「う、うん」

 青年は、妙な違和感を感じざるを得なかった。


 あれから約20分。

「此処が舞鶴鎮守府です」

「おお……」

『すごく……大きい』

『大きいのに、ありえないくらい静かだ・・・』

 この地「舞鶴」に着いてから鎮守府に着いても尚、青年の脳裏にずっとあった違和感。

 それは異様なまでの「静寂」。

 民家や施設など、人が暮らした形跡はある。

 だが聞こえるのは波の音と木々や小鳥のさえずりといった環境音だけ。

『結局、此処に来るまでに彼女以外の人影を見なかった』

『民家や店のような建物も何軒か見かけたのに、何で時雨以外の誰とも会わないんだ?』

 一抹の不安から、その疑問を吐く。

「時雨、他の艦娘たちは何処? というか、人が全く見当たらないんだけど・・・」

 時雨は曇った表情を浮かべる。

「どうした?」

「此処には、私一人しかいません」


 想像もつかない時雨からの告白。当然、青年はその言葉を信じられなかった。

 信じたくはなかった。だが、

「……本当?」

 時雨は首を縦に振る。

『じ、冗談だろ……』

 こうして、1人の青年の提督としての物語は人知れず始まりを迎えることとなった。

 

[提督が鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮を執ります!]




後書き

今回は初めての投稿ということで、少し短めにさせていただきました。これからも少しずつ投稿するようにいたしますのでどうかよろしくお願いいたします。

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このSSへのコメント

4件コメントされています

1: ポテ神提督 2018-04-05 23:25:49 ID: -dxNX6yq

青年よ。これから苦しい事や悲しい事がたくさんあるだろう。それをどう乗り越えるか、そしてどう成長していくか

君の歩み道が少しでも明るくあるように

これから楽しみにしています。お互い頑張りましょう!

2: 新米提督(f) 2018-04-06 01:19:41 ID: re_2JcSU

ポテ神提督さん、コメントありがとうございます!

応援までして頂き感激です!

ご期待に沿えるよう頑張っていきたいと思います!

3: 無陰暴流 2018-04-06 17:35:07 ID: kkB7GGyt

短いながらも、一つの話として完結できていて、文章も読みやすいです。
今後の活躍、楽しみにしております。

4: 新米提督(f) 2018-04-07 00:12:14 ID: LyA7PZ6j

無陰暴流さん、コメントありがとうございます!

これからも頑張って投稿していきますのでどうか

よろしくお願いいたします!


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