青葉「私が艦娘になりたいと思った理由?」
その時は、まだ深海棲艦による本土襲撃が頻繁に続いていたころ。青葉さんの昔話
みなさまお久しぶりです、え?なぜリアル鬼ごっこドッキリのほうを出さないかですって?
それはですね、実はまだ全然完成していなくてですね。でも読者様を待たせるわけにはいかないので、昔書いたこのSSをアップすることにしました。リアル鬼ごっこ続編はしばらくお待ちください!では、青葉さんの過去、どうぞ!
青葉「彼と付き合い始めて三か月、今日は彼の誕生日」
青葉「プレゼント.....気にいってもらえるとうれしいな.....」
彼氏「やあ」
青葉「あ、彼氏くん、今日彼氏君の誕生日だよね」
彼氏「ああ!もしかしてなにかくれるのか?」
青葉「うん.....これなんだけどね」
そういって青葉が差し出したものは、今までの彼との思い出の写真などを厚紙に貼り付け、
一つ一つの写真にその時の出来事などをつづったアルバムだった。
彼氏「.....」
青葉「そ、それでね!えっと....気に入ってもらえると...いいんだけど」
彼氏「....あのさあ」
彼氏「なにこれ?バカにしてんの?」
青葉「....え?」
彼氏「お前、俺がお前の誕生日にあげたプレゼント覚えてる?」
青葉「う....うん、カメラ....だよね、一眼レフ」
彼氏「いくらするかしってんの?」
青葉「わからない....けど、すっごく高いんだよね...」
彼氏「わかってるんじゃねえか、だったらこのゴミみたいなプレゼント.....釣り合うわけねぇだろ?」
青葉「.....」
彼氏「お前がこの写真にどんな思い出があるかしらねえけどよ、せめて一眼レフに釣り合うプレゼントが欲しかったね」
青葉「.....そ、そうだよね.....ごめんなさい.....」
彼氏「...で?なんか買ってくれんの?」
青葉「え....い、今、お金持ってなくて...」
彼氏「あっそ、じゃ、来週までになんか用意しとけよな」ポイ
青葉「あ....」
彼氏「なんだ?こんなゴミいらんだろ」
青葉「そ...そうだよね...ごめんn「いや、それはおかしいだろ」
青葉「へ?」
チンピラ「話聞いてたけどよ、ねーちゃん、お前なんも悪くねぇよ」
彼氏「は?どういうことだよ。こいつは一眼レフあげた俺に対してこんなゴミ渡してきやがったんだぜ」
チンピラ「....はぁ....お前にとってのそこのねーちゃんとの思い出はたかだか一眼レフ以下なんだな」
彼氏「は?一眼レフって高いんだよ、それをこんなので返されて喜べるわけねーだろ」
チンピラ「ったく話がわかんねぇやつだな。お前たち、ねーちゃんに非があると思うか?」
彼氏「え」
ゾロゾロ
チンピラ2「ねーな、ねーちゃんは何も悪くない」
チンピラ3「だな、この男の言ってることは訳が分からん」
チンピラ4「.....こいつ....しばいていい?」
チンピラ「まあまて、お前が暴れるとシャレにならん」
チンピラ4「じゃあ....寝るわ.....あと、ねーちゃんは何も悪くねぇ......ぞ」zzz
チンピラ「こいつ自由すぎるだろ」
チンピラ2「じゃあ俺らだけでやりますか」
青葉「.......えっと?」
彼氏「あー.....俺用事思い出したから帰るわ!」
チンピラ「あーそうか、じゃーな」
彼氏「お、おう、で、では!」タッタッタ
チンピラ「.....こちら横須賀公園前より横須賀第四信号前へ。灰色のコートを羽織った男がそっちへ向かった。見つけ次第頼んだ」
『了解』
チンピラ「....さてねーちゃん、さっきの話を聞いた限りでは、お前さんにはかけらの非もない。それどころか
このプレゼント、よくできてるじゃないか、時間かかったんだろ?」
青葉「....一か月かけて作ったんです」
チンピラ「そっか.....残念だったな.....その....こんなになっちまって」
青葉「あ....あの」
チンピラ「なんだ」
青葉「あなた方、見た限りいわゆるチンピラってやつですか?」
チンピラ「なーんだずいぶん直球だな!ハハハ!」
青葉「す...すみません」
チンピラ「いいよいいよ、実際その通りだしな!ハハ」
青葉「見た感じ.....悪い人には全然見えません....」
チンピラ「.....俺たちも前までは一般人だった、ごく普通のな」
青葉「え?」
チンピラ「深海棲艦っての、あいつらが沿岸部を爆撃しちまったせいで家族も死んじまったし.....家も、会社もなくなっちまってな」
青葉「.....」
チンピラ「でもどうにかして生きなきゃいけねぇ。すると自然とそういうやつらで集まるようになるんだ」
青葉「でも....それじゃ...」
チンピラ「そう。人が集まれば集まるほど食糧なんかの確保は厳しくなってくる」
青葉「.....」
チンピラ「そこで、俺たちはボロボロになった住宅街や沿岸のビル、コンビニから缶詰やらなにやらを盗み出さなきゃいけないんだ」
青葉「...」
チンピラ「でもな....町には死体がいっぱい転がってる。そんな光景に目がなれるようになっちまう」
青葉「そんなのって、あんまりじゃないですか...」
チンピラ「そーだな、まあ、なんか言ってもしょうがないだろ、....そうだねーちゃん、なんか食っていこうぜ」
青葉「え?」
チンピラ「いいってば、って言っても握り飯だけどな!ガハハ!」
青葉「あはは....」
チンピラ「じゃいくか、あ、そうだお前らはどうする?」
チンピラ2「俺は早くしないとママが怒るから.....」
チンピラ「お前んとこのかーちゃん過保護だもんな!はは」
チンピラ3「俺はこいつを連れて帰んなきゃいけん」
チンピラ4「」zzz←こいつ
チンピラ「そーだったな!じゃあなお前ら、また明日」
チンピラズ「うーい」
青葉「....あの、本当にいいんですか?」
チンピラ「おうおう、気にすんな!ほれ!」ズイ
青葉「お、おいしそう」
チンピラ「だろ?ここの配給所、結構気に入ってるんだわ」
青葉「すごいおいしいです!」
チンピラ「そりゃあよかった!」
青葉「あ、ごはんは感謝しますけど、襲わないでくださいね!?」
チンピラ「なんだ急にどうしたよ!不安か?はは」
青葉「いえ、やっぱり大丈夫そうなのでいいです」クスッ
チンピラ「ねーちゃん見た感じいいとこの令嬢って感じだしな、襲ったりしたら抹殺されそうだからやめとく」
青葉「えー!本当に私お金もってないですよー」
チンピラ「そーだったな!」ハハハ
チンピラ「...おっと、こんな時間か、いかねぇとな」
青葉「どこにですか?」
チンピラ「ちょっとした野暮用だ。じゃあなねーちゃん」タッタッタ
青葉「あ、まだお名前を....」
青葉「...行っちゃった」
青葉「私も....帰りますかね」
後日
『えー、本日、日本政府は、深海棲艦に対抗するべく、新たな兵器として、`艦娘`というものを作り出すことに成功したそうです』
青葉「」ボーッ
『えー....政府によると、志願された女性より適性のある方を艦娘に。男性の志願者からはそれを指揮する提督に、とのことです。現時点では状況が把握しきれておりませんので、
詳しい情報が入り次第.....』ピッ
青葉「......このままじゃいつまでたっても同じだ......やってみようかな」
青葉「艦娘適性検査を....受ければ....なにかかわるかも」
二年後
青葉「ども!青葉です!恐縮です!」
提督「青葉さんか....よろしく」
青葉「はい!よろしくです!」
青葉「......」
提督「どうした?」
青葉「い、いえ!なんでも!」
提督「そうか」
青葉「提督はいつからここに?」
提督「結構長いな....もう一年くらいか」
青葉「へえ、そうなんですn」ウゥーウゥー
提督「!!」
青葉「なんですか!?」
提督「こちら指令室!状況報告!」
『深海棲艦が沖合10kmに出現!横須賀沿岸都市を爆撃中!!』
提督「わかった!すぐに第一艦隊を派遣!」
『了解!』
提督「青葉、お前は都市の方へ行って市民を救助してくれ」
青葉「で、でも!」
提督「今の君では練度が足りない!行っても沈むだけだ!」
青葉「....わかりました」
提督「頼んだ....」
青葉「青葉、いきます...」
青葉「(ここ、懐かしい.....あの人に出会ったのもこのあたりだったなあ)」
老人「お、おーい!そこの人!助けてくれぇ!」
青葉「!!待ってください!今行きます!」
数時間後
青葉「ふう....瓦礫がひどいけど....たくさん人を助けられた.....みんなお礼を言ってくれて....青葉、うれしいです」
老人「ああ、助かった.....ありがとうさん.....あのお兄さんにもお礼を言わなくてはな」
青葉「?」
老人「なんじゃ、彼と一緒じゃなかったのか、最後まで避難指示を出し続けてくれてたあの青年じゃ、まあ逃げても瓦礫に埋まっちまったがのう」
青葉「い、いえ......名前はわかりますか?」
老人「いや....そんなこと聞く暇なかったわい」
青葉「そ、そうですよね(なんだろう、この胸騒ぎ)」
老人「もし出会ったらお礼を言っておいてくれないか?」
青葉「わかりました!伝えておきますね!」
老人「ああ、頼むよ、ありがとうね」
青葉「いえいえ!」
青葉「(なんだろう......何か普通じゃない....いや、でもそんなはずは)」
男「おいそこのねえちゃんなにしてんだ!」
青葉「!?」
男「おめぇだよ、そこの...........え?」
青葉「え?」
男「おめぇ!あのときのねーちゃんか!久しぶりだなあ!!」
青葉「.....!?!?!?!?」
男「いやあ、まさかこんな日にこんな場所でまた会うなんてな!」ハハハ
青葉「....あの」
男「?なんだ?」
青葉「貴方ですよね?避難誘導をずっとしてたのって。」
男「....うぅん、まあ、そうだな」
青葉「なんでそんなことしてたんですか!危ないです!」
男「いや、なんでっつてもよ.....できるだけ助けたいんだよ」
青葉「....助けたい?」
男「ああ、俺は深海棲艦によって何もかもを奪われたんだ」
青葉「ええ、聞きました.....あの日」
男「でもな、それは失ったんじゃなくて俺が見捨てたんだよ。家も、家族も」
青葉「.....」
男「本当は助けられた。でも、怖気づいて逃げ出した。17歳になったばっかの妹やおやじを置いてな......」
青葉「でもそれは!」
男「ああ。元をたどればあいつらがすべて悪い....でも、俺には復讐ができねえんだ」
青葉「.....?」
男「提督になれば戦える。そう思ってるのか?」
青葉「ええ...戦えるとまではいかなくとも、深海棲艦を滅ぼす手伝いができます」
男「できればそうしてぇけどな....」
彼はそう言って、サングラスを外した
青葉「...ッ」
男「わかったか?こんな目じゃどうしようもねえ」
青葉「...見えないんですか?....目」
男「そーだな!きれいになくなっちまったよ」ハハ
青葉「いつ....ですか.....なくなったの」
男「さぁな」
青葉「初対面の時は.....見えていた風だったけど....」
男「あれか?まあ、長年目が見えなきゃそりゃあ雰囲気で相手の居場所くらいわかるってもんよ」
青葉「ということは......」
男「言っちまえば、お前さんと出会った時にはもう見えてなかった。でも雰囲気でいろんなことがわかる」
青葉「....」
男「目が見えなくても、音は聴こえる」
男「知ってるか?目が見えない人って、その分音に敏感らしいぞ」
青葉「そう....なんですか」
男「なんでも人によっちゃあ、葉っぱの落ちる音すら聴けるらしいな」
男「俺も結構耳は敏感だぞ!」ハハハ
青葉「.....」
男「でもな、ねーちゃん」
青葉「....」
彼は真剣そうな表情で青葉に向き直る
男「見える方が......いいよな」
青葉「.....どうでしょうか....見ない方が幸せな光景だってあるかもしれないです」
男「隣の芝は青く見えるってのはこういうことを言うのかしらねぇが、それでも俺は....見てみたいよ」
青葉「....なにを、ですか?」
男「お前さんの、顔だな」
青葉「......」ギュ
男「なんだ!どうした!え!?」
青葉「...い、いえ、なんでも、ないです」ニコッ
男「お前、表情は見えないけど、今、笑ってるだろ」
青葉「ええ。少しでも紛らわせたいんです、言わせないでくださいよ!」
男「そうかもな......」
男「というか、結構恥ずかしいセリフいったんだが!?」
青葉「そうですね」
男「この状況も結構恥ずかしいんだが!?」
いつしか夜は明け、周囲は太陽の光で照らし出される
青葉「朝です.....」
男「言われなくてもわかるっての!」
青葉「雰囲気的に言うべき雰囲気でしたから!」
男「そうなのか?よくわかんねぇや」
青葉「とまあ、こんな感じです」
提督「ほーん」
青葉「どうですか?面白かったです?」
提督「いや、なんつか、実際にその場所にいたわけだし思い出しただけだけどな」
青葉「えー!そこは嘘でも良い話だったっていうべきでしょう!!」
提督「で、結局艦娘になりたかった理由って何なん?」
青葉「そうですね、一言で言うなら、守りたかったんです」
提督「何を?」
青葉「私を救ってくれた、あなたをです。そのために艦娘になりました」
提督「....そうかよ/////」
青葉「ええ」
青葉(あのあと、数週間たって、私の所属していた鎮守府の提督は別の場所へと異動になり、
代わりにあのときのチンピラさんがやってきました。え?なんで彼が鎮守府に来れたのか?そうですねぇ.....それは...秘密です!)
今回はかなりシリアスめにしてみました。深海棲艦抜きにすればありがちな話ですよね~.....え?ない?
ところで、最近夏休みが終わり、とても面倒くさい学校というのが始まってしまいましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?私は学校が始まって三日目にして休日を取りました。ええ、休んでしまったんです。この内申が大事なこの時期に。しかも四月から数えて六日目。やばいですね、ということは置いておきまして、この作品を最後まで見てくださった皆様、お疲れさまでした!そして、ありがとうございます!いつかまたお会いしましょう!
話の始まり方がツイッターかなんかで見たなぁ。参考っていうかそんな感じなのかな。
コメントありがとうございます!
実はある知恵袋の質問を元にした作品です!ツイッターで載っていたというのは知らなかったのですが、もしかしてなにか共通しているかもしれませんね
艦娘になりたいと思った理由?
『就職が無かったから。』
小唄
『人の嫌がる軍隊に、志願してくる馬鹿がいる。♪』
就職難な世界()