最高の思い出をあなたに
前作翔誠「俺も半分深海棲艦だから」とその次に予定している作品の間の話です。前作を読まなくても楽しめると思いますが細かいキャラ同士の絡みなどは前作を読んだ方がスムーズかと思います
ガバガバな所とかも出てくるとは思いますが暖かく見守ってください
翔誠達がトラック泊地に住み早くも2週間が経った。そんな時唐突に事は動き出した
翔誠「観艦式をやりたいの?」
春雨「はい!駆逐艦の中でそう言う話になってたので・・・」
翔誠「俺は別にかまわないけどさ?ほら、こういう事って大淀さんとか練巡の鹿島さんとかに聞いた方が良いんじゃない?」
2週間の間に様々な艦娘が増えていた
春雨「その2人は翔誠さんがやりたいならって言ってました!だからやりましょう!観艦式!」
翔誠「んー具体的に観艦式って何すりゃいいかわからないからなぁ・・・」
大和「どうしたの?」
翔誠「お姉ちゃん、観艦式って何すれば良いの?」
2週間の間に翔誠は大和、武蔵のことを姉さんではなくお姉ちゃんと呼ぶように躾けられていた
大和「観艦式?んー?わからないわ。ごめんね?」
翔誠「やっぱしわからないよね。んー困ったなぁ」
大和「海外艦に聞いたらどう?他の国の観艦式を取り入れるっていうのも面白いかもよ?」
翔誠「確かに!行こ!春雨ちゃん!」
春雨「はい!」
~海外艦寮~
翔誠「ウォー様ー?いますかー?」
ウォースパイト「あら?どうしたの?翔誠」
翔誠「実は・・・」
~~~~
翔誠「って事になったんですよ」
ウォースパイト「観艦式・・・私達は普通に食事してたりしたかしら?」
アークロイヤル「どうしたんだ?ウォースパイト」
ウォースパイト「アーク!良いところに来たわね!私達って観艦式どうしてたかしら?」
アークロイヤル「観艦式?食事したりしてなかったか?」
ウォースパイト「そうよね・・・悪いのだけれどアイオワとかガングートにも聞いてきた方が良いわ。力になれなくてごめんなさいね?」
翔誠「全然平気です!むしろ参考になりました!ありがとうございます!」
~~~~
翔誠「アイオワさーん?」
アイオワ「翔誠じゃない!今からサラ姉と腕相撲するんだけど一緒にどう?」
翔誠「いや俺腕力じゃ2人に敵わないですよ」
サラトガ「それで翔誠?何か用があってきたんじゃ無いの?」
翔誠「そうでした!実は・・・」
~~~~
サラトガ「観艦式・・・」
アイオワ「私達は酒ガブ飲みして全裸で泳いでたわ!」
サラトガ「それは貴女だけよ・・・」
アイオワ「私だけじゃないわよ!ガンビーも一緒にやったわ!」
サラトガ「ガンビーは貴女に無理矢理やらされてたわ。それにガンビーその後行方不明になったじゃない」
翔誠「さらっと凄いこと言いましたね!?」
アイオワ「サラ姉だけに?」
翔誠「いえ・・・そう言う訳じゃなくて」
サラトガ「翔誠を困らせること言わないの。それに今のホントにつまらないからやめた方が良いわよ?」
アイオワ「エー?私は面白かったけど?」
サラトガ「兎に角私達はそんな大それた事はしてなかったかしら」
翔誠「わかりました。ありがとうございます!」
~~~~
翔誠「んーどの国も似たような感じなのかなぁ・・・」
春雨「ロシアに関しては全裸でウォッカのショット対決とかもはや原型を原形をとどめていませんでしたしね・・・」
翔誠「ン~~~~困ったなぁ」
♪♪♪♪
翔誠「お?どこからか歌が聞こえてくるね」
春雨「行ってみましょう!」
~~~~
瑞鶴「2羽の鶴を~♪」
翔誠「瑞鶴さんが歌ってたんですか!」
瑞鶴「およ?翔誠に春雨じゃん!何?デートでもしてんの?」
翔誠「違います!観艦式の事を聞いて回ってたんです!///」
春雨「///」
瑞鶴「2人共顔赤くしちゃって可愛いなぁ。それで観艦式だっけ?」
翔誠「そうです!観艦式です!」
瑞鶴「んー私達は酒瓶投げたりしてたかなぁ・・・」
翔誠「危ないですね・・・」
瑞鶴「それかもう無難にカラオケ大会とかにしちゃえば?観艦式って言っても私達だけでしょ?」
翔誠「それだ!そうしましょう!」
春雨「カラオケ大会!良いですね!」
瑞鶴「お?中々良さげな提案だった?」
翔誠「はい!ありがとうございます!」
春雨「大淀さんに企画書提出しに行きましょう!」
翔誠「そうだね!瑞鶴さんありがとうございました!」
瑞鶴「いえいえ~」
~~~~
翔誠「と言うわけで!」
武蔵「なるほどな・・・カラオケ大会か。しかも誰でも参加OKで観客は飲食自由。ユニットを組むのもあり、ソロでもOK。楽器演奏をしてもOKか。よく思いついたな」
翔誠「瑞鶴さんが良い案を出してくれたんです!」
大和「瑞鶴さんが?」
武蔵「珍しいこともある物だな」
翔誠「あとは大淀さんに頼んで許可をもらってその後青葉に告知してもらうって感じかな」
武蔵「なかなか気合い入ってるじゃないか」
翔誠「春雨ちゃんがやりたいって言ってたからさ!」
武蔵「バカップルというか何というか・・・」
大和「ホントに仲が良いのね?」
翔誠「まぁね!大淀さんの所に出してくる!」
大淀は快く引き受けてくれた。そして──
翔誠「8月の最初の金曜にやることになったのか・・・ん?」
ポスターに書かれていたのは開催日と何をやるか。そして
翔誠「優勝者には景品として誰とでも1日好きに出来る権利が与えられる・・・か。しかもこれを使われた相手は拒否権がないし人数の指定もないのか・・・大淀さん気前が良いなぁ~」
そして2週間後の8月最初の金曜日になった
8月最初の金曜日正午
大淀「と言うわけで第1回観艦式を始めたいと思います!」
景気の良い花火の音と共にそれは始まった
大淀「観艦式と言ってはいますがルールを確認します!まずポスターにもあるようにカラオケ大会となりますが厳密には採点は機械ではなく私達全員で点数を付けていくことにします!事前に渡した腕時計は持っていますね?曲を聴いたあとにその腕時計を使って1人10点満点で送信していただきます!その合計によってその人の得点が変わります!点数は最大で100です!そして栄えある優勝者には景品として誰とでも1日好きに有給を与えます!」
歓声が凄まじい
大淀「では皆様!武運長久を!観艦式スタートです!」
開会式の締めの如く花火が上がった
翔誠「しかし凄いステージだなぁ・・・まるで日本武道館だな」
春雨「最初の演奏はいつですか?」
翔誠「今から10分後かな?最初は・・・武蔵お姉ちゃんか・・・歌う曲は・・・LEO?」
金剛「HEY!翔誠!楽しんでル?」
翔誠「金剛さん!まだ始まったばかりですよ?楽しむも何もまだまだですよ」
金剛「そんなんじゃダメネ!もうお祭りは始まってるノ!今から楽しまなきゃ損するヨ!」
翔誠「わ・・・わかりました」
金剛「それから私達も歌うから全力で聴いててネ!」
翔誠「金剛さん達も歌うんですか!?」
金剛「当たり前ヨ!優勝して翔誠を丸一日独り占めにするんですカラ!」
翔誠(迫力すげぇ・・・)
金剛「じゃ!またあとでネ~」
翔誠「あ・・・行っちゃった・・・」
~~~~
大淀「さぁ!記念すべき最初の1曲は武蔵さんでLEOです!」
武蔵「あぁ!優勝はもらったな!」
大淀「それではお願いします!」
武蔵「すっ・・・はぁ・・・」
時間にして約4分半。武蔵お姉ちゃんはとんでもなく格好良く歌っていた。静かなテンポから始まりはサビの頃には激しいテンポに移り変わる。感情が伝わりやすい曲だと思った。
武蔵「・・・うむ!大勢の前で歌うのはなかなか恥ずかしい物だな!」
大淀「それでは得点の採点に移ります!・・・おおっと!?これは凄いです!92点!スタートとしてはかなり高い壁が築きあげられました!」
武蔵「92点!まぁまぁだな!ハッハッハ!」
翔誠「92点で慢心しねぇのがすげぇや・・・」
大和「まぁ武蔵は昔からあんな感じだから・・・翔誠は歌う予定とかあるの?」
翔誠「んー無いかなぁ・・・俺歌下手だし」
大和「ちょっと残念ね。私は聴きたかったわよ?」
翔誠「それでもなぁ・・・」
大淀「次の曲に参ります!次は神通さんで華の二水戦です!」
神通「神通・・・参ります!」
翔誠「曲と曲の間けっこう短いんだね・・・」
神通さんの華の二水戦は何というか・・・思い?願い?が隠った曲に聞き取れた。それにラストのサビが最高に格好良かったし何より神通さん自身すっごく凛々しかった。多分艦娘でも惚れる人がいるんじゃないかな?
大淀「これは凄いですね・・・武蔵さんの92点を上回る94点です」
武蔵「ハッハッハ!してやられたな!」
神通「いえ・・・たまたまですよ武蔵さん」
武蔵「なぁに!自信を持て!神通は実力があるのにうじうじしてるから弱そうに見えるんだぞ?」
川内「そーだそーだ!だいたいお堅い雰囲気漂わせてる癖に1番ガードの緩そうな服着ちゃって~このムッツリスケべ!」
神通「それは今関係ないです!もう!」
その後も90点越えが続出した。時雨ちゃんの大不正解、赤城さんのflavorflavor、加賀さんの加賀岬、大和お姉ちゃんのシャルル。とんでもない鎮守府だ
大淀「さて・・・事前にえんとりーされてた方達は以上です。これからは今日エントリーされた飛び入り参加の方達です!まずは翔鶴さん、瑞鶴さんの五航戦姉妹による二羽鶴です!」
加賀「五航戦達も参加してたのね」
瑞鶴「あんたが出てて私達が出ないわけにはいかないじゃん!見てなさい!あんたの点数越えてやるんだから!」
翔鶴「もう・・・瑞鶴ったら・・・」
加賀「楽しみにしてるわ。それじゃ」
瑞鶴「ムッキー!いけ好かない奴!行こ!翔鶴姉!」
翔鶴「え?ちょっ・・・待って瑞鶴!」
初のデュエットでどんな曲になるのかって思ったら想像を遙かに超える曲だった。普段騒がしい瑞鶴さんがすっごく静かで、だけど熱さは感じた。それに前半と後半で1人ずつ歌ったあとラストのサビで2人が一緒に歌うのは本当に胸が熱くなった。
瑞鶴「はぁ・・・はぁ・・・点数は!」
大淀「えっと・・・91点です!」
瑞鶴「キィー!!!あの女に負けたぁ!!悔しい!!」
加賀「でもよく歌えてたわ。私は好きよ」
翔鶴「ホントですか?ありがとうございます!」
瑞鶴「あ・・・当たり前じゃない!」
大津田「捻くれなきゃ可愛いんだがなぁ~」
瑞鶴「あんた!この野郎!」
大津田「わっはっは!本当のことだろ!」
瑞鶴「絶対殺す!死んでも殺す!」
翔鶴「あ・・・また勝手に行っちゃった」
大淀「さて・・・お次は・・・あきつ丸さん?」
翔誠「お前演歌でも歌うのか?」
あきつ丸「ふっ・・・自分を舐めてもらっちゃ困るでありますよ・・・」
翔誠「お前いつにも増してめんどくせぇな」
あきつ丸「まぁそう言わないでくだされ。こう見えて実はかなり楽しんでるんでありますよ」
翔誠「ふーん。まぁやるからには勝ちを狙ってるんだろうし俺は黙って聴いてるよ」
あきつ丸「おぉ!ありがたいでありますなぁ!」
大淀「やっと見つけました・・・あきつ丸さんでBe The oneです!」
あきつ丸「よし!」
その曲はあきつ丸には似合わない英語の歌詞が出てくる曲だった。でも不思議とあきつ丸が歌っていて違和感が無かった。むしろあきつ丸じゃなきゃこの良さは生かせない気もした
大淀「得点の方は・・・これまでの記録を破る95.5点です!」
あきつ丸「やったであります!」
ウォースパイト「なかなか良い名前の曲を選んだのね?」
あきつ丸「まぁ?気持ちの表れと言いますか?何と言いますか?」
ウォースパイト「貴女もけっこう可愛らしいところがあるのね」
あきつ丸「褒め言葉として受け取っておくでありますよ、oldlady?」
ウォースパイト「フフフ♪」
大淀「次の曲に参ります!次は・・・春雨ちゃんでunravelです!」
春雨「翔誠さん!」
翔誠「どうしたの?」
春雨「私が優勝したら優勝の景品で私とデートしてください!」
ヒュー!
翔誠「あ・・・うん。わかった///」
大淀「春雨ちゃんの気合いも見れた所で音楽スタート!」
春雨「すぅ・・・はぁ・・・教えて教えてよその仕組みを────」
~~~~
春雨「──鮮やかなまま♪忘れないで、忘れないで、忘れないで、忘れないで。変わってしまったことにPARALYZE。変えられないことだらけのPARADISE。覚えていて、僕のことを・・・」
春雨ちゃんが歌いきった瞬間、この日1番の歓声があがった。unravel・・・解明する、解き明かすって意味があったっけ?きっと春雨ちゃんは自分のことを解き明かしたいのかな
春雨「翔誠さん!いかがでしたか!」
翔誠「すっごい良かった!普段の可愛らしい春雨ちゃんじゃなくてカッコいい春雨ちゃんが見れた感じがしたよ!」
春雨「良かったです!でも・・・ちょっと照れちゃいますね///」
これだよ!こういう所が可愛いんだよ!
大淀「それでは得点の採点に参りましょう!果たして春雨ちゃんは翔誠とデートができるのか・・・点数は・・・95.6点!あきつ丸にわずか0.1点の差で現在トップに躍り出ました!」
春雨「やったぁ!やりましたよ!翔誠さん!」
翔誠「うん!おめでとう!」
ぴょんぴょん跳ねて喜んでる春雨ちゃん可愛い
大淀「さて・・・お次は・・・と言いたいのですがそろそろ時間が迫ってきましたね・・・あと二組で本日はお開きにいたしましょう。では金剛さん。お願いします!」
金剛「OK!私達はこの曲を歌うネ!貴方(提督)との絆───」
貴方との絆という曲が始まった瞬間金剛型の姉妹が全員ステージにあがった。姉妹全員で歌う曲がどんな曲なのか聴いていたが・・・
霧島「──紅い時の炎、貴男となら怖くはない・・・思いを心に響かせて♪未来(明日)へ駆けていくの♪」
金剛「私が守り抜くヨ・・・貴男を1人にはしない。硝煙も、この痛みさえ、私のドレス♪」
4人「青い時の風と、貴男の優しい微笑み。いつでも心に抱いて、希望(明日)へ駆けてゆくの。貴男の眼差しにきっとこの時代(時)で応える。信じてる・・・ねぇいつまでも・・・」
榛名「───手を握っていて・・・」
拍手喝采。それも自然な流れで巻き起こった
金剛「HEY!翔誠!ちゃんと聴いてタ?oh!?」
翔誠は泣いていた
比叡「ひえ!?どうしたんですか!?」
翔誠「・・・あの時紅茶を飲んだみたいな感覚です・・・泣いてるのに何故か心地が良いんです。悲しいんじゃなくてむしろ嬉しいのかな?はは・・・自分でもよくわかんねぇや」
金剛「・・・大淀。採点はしなくていいですヨ」
大淀「え!?どうしてですか?」
金剛「比叡達は何て思うかわかりませんが・・・私は点数や景品よりもよっぽど良い物を見れましタ。なので私は辞退するヨ」
比叡「私も同じですよ!お姉様!」
榛名「榛名も懐かしい物が見れましたから大丈夫です!」
霧島「まぁ・・・確かにそうですね。懐かしい物と言うよりかは懐かしい物の片鱗?は見れましたからね」
大淀「皆さんがそれで良いならかまいませんが・・・」
金剛「それじゃあ最後の曲よろしくネー!」
大淀「そうですね!気を取り直して最後の曲としましょう!最後は・・・大津田さんと鳳凰院さんでMONSTERSです!」
大津田「よっしゃ!」
鳳凰院「やってやりましょうぜ!」
金剛「HEY翔誠?」
翔誠「金剛さん?」
金剛「ちょっとこっち来て?」
翔誠「え?あっ・・・はい」
~~~~
大津田「MONSTER!MONSTER!Tonight!」
鳳凰院「熱い衝動!」
大津田「MONSTER!MONSTER!Tonight!」
鳳凰院「胸の鼓動!」
2人「追いかけて傷を負ったままで!この夜の果てまでUntil End of the World!MONSTER!MONSTER!To night・・・君の元へ・・・」
大津田「よっしゃ!どんなもんだ!」
鳳凰院「なかなか良かったんじゃねぇっすか?」
大淀「それでは最後の採点に参ります!得点は───95点です!」
鳳凰院「マジかよ!?」
大津田「くっそー!悔しいが春雨に今回は譲るか」
金剛「ちょっと待つネ!まだ1人いるヨ!」
大淀「金剛さん?もう1人とは・・・翔誠のことですか?」
金剛「YES!これがホントのラストエントリーネ!」
大淀「わかりました。えっと曲名は・・・金剛さん読んでもらって良いですか?私が読んだことない英単語ですし読み方も書いていないので・・・」
金剛「OK!では皆サン?本日ラストを飾るのは我らが翔誠でKatharsisネ!さぁ!盛り上げて行きまショウ!」
翔誠「───例えば目が覚めて・・・すべては幻だって・・・奇跡めいた妄想を・・・叶えてほしいんだ・・・oh───僕が描いた罪で、oh───結末を乱さないで」
~~~~
翔誠「解けるように刺して、光に満ちたさよならをI will miss you、I will miss you罰は何時か滅びる・・・僕のせいで、壊れたのもだけが。写る・・・溢れる・・・敵わない妄想───すべての綻びは・・・僕が選んだ運命だったんだ!追いかけて、追いかけて、いつの間にか囚われても・・・君はまだ、僕を愛してはくれるの?『僕じゃなきゃ』『僕じゃダメだ』『僕じゃなきゃ』がループする!!僕を刺した、ナイフさえも!何時かきっと、光を射すから!!」
曲が終了と同時に沸き起こるは万雷の喝采
大津田「やるじゃねぇか翔誠!」
春雨「これは負けても文句言えないです!」
武蔵「とても良い曲だったぞ!」
アイオワ「元は誰が歌ってる曲なの?」
翔誠「えっと・・・凛として時雨って言うグループの方達が歌ってます・・・春雨ちゃんのunravelもそうですよ?」
ウォースパイト「へぇー!そうなの?これから聴いてみたいわ!アーク!良いでしょ?」
アーク「私に聞かず好きにすれば良いだろ」
大淀「では満場一致で翔誠が優勝と言うことで良いですね?」
問題ない!
大淀「では優勝者の翔誠には景品を差し上げます!」
翔誠「ありがとうございます・・・」
大淀「ただいまを持ちまして第1回観艦式を終了させていただきます!」
やいのやいの!
翔誠「金剛さん・・・」
~回想~
金剛「翔誠だけが歌わないなんてつまんないデース!翔誠も歌ってくださいヨ!翔誠!この曲歌ってくだサイ!この曲なら絶対優勝できマース!」
翔誠「Katharsis?聴いたことない曲名ですね・・・誰が歌ってるんですか?」
金剛「凛として時雨ネ!そんな事よりすぐに覚えテ!それで絶対優勝してきてネ!」
翔誠「優勝できる曲なら何で金剛さんが歌わなかったんですか?」
金剛「・・・この曲は翔誠に歌って欲しかったノ・・・無責任なお願いで悪いとは思ってるけどサ・・・どうしても翔誠の声で聴きたかったノ」
翔誠「・・・わかりました!俺はこの曲を勝ち負け関係なく金剛さんのために歌ってきます!」
金剛「realiy!?良いノ!?」
翔誠「期待されるのは悪い気はしませんから!あ!優勝できなくても怒らないでくださいね?」
金剛「わかってるヨ!」
~回想終了~
翔誠「あっ・・・珍しいですね。金剛さんがこの喫煙所にいるの」
金剛「ここなら翔誠にすぐ会えると思ったからサ?予想は的中ネ♪」
翔誠「・・・金剛さんのおかけで優勝することができました。ありがとうございます」
金剛「いいえ・・・私の方こそありがとうネ。翔誠があの曲を歌ってくれてすっごく嬉しかったヨ」
翔誠「そんなにですか?照れますね///」
金剛「えへへ。それで?そのチケットはどうするノ?」
翔誠「そうですね・・・金剛さんにあげますよ」
金剛「エ!?どうして!?」
翔誠「さっきも言いましたけど俺が優勝できたのは金剛さんが教えてくれた曲があったからです。なのでこの景品は俺じゃなくて金剛さんに相応しいのかなって」
金剛「ホントに優しい子ネ・・・翔誠は」
翔誠「ありがとうございます」
Katharsis・・・意味は(感情などの)浄化。金剛が何を意図してこの曲を翔誠に歌わせたのかはわからない。だけど彼女は翔誠の心を浄化しようとしたのだろうか?否。答えは彼女のみが知る
観艦式から1日後。優勝の景品を手にした金剛に翔誠は呼び出された
翔誠「金剛さんどうしたんですか?」
金剛「えっとネ?これを使いたいノ」
翔誠「昨日の景品ですか?わかりました!何をすれば良いんですか?買い物ですか?」
金剛「NO!デートよデート!」
翔誠「デート・・・デート!?」
翔誠は産まれてから今までデートの経験がない。まぁ翔誠としての人格が生まれてたったの4年しか経ってない事もあるが
金剛「YES!デート!それでネ?急な話なんだけどサ?明日デートに行きませんカ?」
翔誠「明日・・・予定は無いのでかまいませんが・・・別にデートのお誘いなら景品を使わなくても応えますよ?」
金剛「でもサー?翔誠には春雨ちゃんがいるじゃない?ちょっと申し訳ないかなーって思ってサ」
翔誠「べ・・・別に俺は春雨ちゃんと付き合ってるわけじゃないですよ!///」
金剛「照れちゃって可愛いネェ~」
翔誠「からかわないでください!兎に角明日ですね!」
金剛「YES!09:00に正門で待ち合わせしてそのまま本土に行って形で良いカナー?」
翔誠「え・・・本土ですか?」
金剛「トラック諸島・・・まぁこの辺だと何にもありませんからネ・・・それに本土に行って憲兵に見つかっても私が守り抜くヨ!」
翔誠「ありがとうございます・・・それにしても昨日の金剛さん達が歌ってた曲を思い出しますね」
金剛「覚えててくれたノ?」
翔誠「当たり前じゃないですか!」
金剛「ふふっ・・・嬉しいヨ」
優しい眼差しで金剛は言った
翔誠「///兎に角明日の9時ですね!楽しみにしてます!それじゃ!」
金剛「私も楽しみにしてるヨ!」
~翔誠自室~
翔誠「デートか・・・どんな服装で行ったら良いんだろ?」
あきつ丸「まぁ1つ言えるのは今のその格好はダメって事でありますな!」
翔誠「・・・ここ俺の部屋なんだけど?何でいるの?」
あきつ丸「悩める青年のオーラを察知したからでありますよ」
翔誠「まぁいいや。とりあえず服どうしたら良いと思う?」
現在の翔誠の服装は、下から黒いデニム、黒のタンクトップ、憲兵のコートを少し改造した物
あきつ丸「んー難しいでありますなぁ・・・何分翔誠殿は体の線が細いでありますし身長がやや足りないでありますからなぁ・・・」
翔誠「お前馬鹿にしに来たのか」
あきつ丸「とんでもない!むしろ助けに来たと先程伝えたではありませぬか!」
翔誠「この野郎」
あきつ丸「ですが・・・そうでありますなぁ・・・下のデニムは良いとして・・・白いシャツに青のノースリーブのパーカーなどはいかがでありますか?翔誠殿位の年代なら不思議じゃない格好だと思うでありますよ?」
翔誠「おぉ・・・あきつ丸にしてはなかなか良いセンスじゃん」
あきつ丸「春雨殿が読んでたファッション誌に載っていたんでありますよ」
翔誠「春雨ちゃんは何でメンズ用のファッション誌なんか読んでるの?俺で着せ替え人形遊びでもしようとしてるのかな?」
あきつ丸「意図は読み取れないにしろ結果ピンチを打開できたではありませぬか」
翔誠「まぁそうだけどさ」
あきつ丸「では自分はこれにて!デート楽しむんでありますよ~」
翔誠「余計なお世話!」
そして迎えたデート当日。時刻は8時30分、正門前
翔誠「流石に早かったかな」
鳳凰院「お!翔誠君!良い感じに格好付けて何処に行くんだい?」
翔誠「鳳凰院さんおはようございます。今日は金剛さんと・・・その、で・・・デートです」
鳳凰院「ほう!春雨ちゃんがいながら罪深い人ですなぁ!」
翔誠「うっ・・・何にも言い返せません」
鳳凰院「まぁ何事も経験だよ。今の内しか楽しめないことだからさ?全力で楽しんじゃった方が良いよ」
翔誠「そうですよね・・・タバコ吸いませんか?」
鳳凰院「良いねぇ!」
ジュボッ
翔誠「ふぅ・・・ここには慣れましたか?」
鳳凰院「そうだねぇ~慣れたっちゃ慣れたかなぁ」
翔誠「なら良かったです・・・」
鳳凰院「翔誠君はどうなんだい?」
翔誠「俺ですか?俺はもうとっくに慣れましたよ。みんな良い人達ですし」
鳳凰院「違いない!・・・っと翔誠君。どうやら待ち人が来たみたいだよ」
翔誠「ホントですか?」
金剛「オ?もしかして待たせちゃってタ?」
翔誠「金剛さん!おはようございます。俺も少し前に来たので全然待ってませんよ」
金剛「そうみたいネ!それじゃちょっと早いけど行こうカ!・・・の前に」
翔誠「?」
金剛「ハイ!これ掛けておけば多少憲兵の目も誤魔化せるでショ?」
翔誠「これは・・・伊達眼鏡?」
鳳凰院「おぉ・・・以外と似合ってる」
金剛「でしょー?さっ!早く行コ!」
翔誠「そうですね!それじゃ鳳凰院さん行ってきます」
鳳凰院「気をつけてなー」
~トラック諸島軍港~
翔誠「それでどうやって本土まで行くんですか?」
金剛「小型の船ダヨ!自動操縦で行けるから免許が無くても大丈夫!」
翔誠「おぉ・・・凄いですね」
金剛「YES!」
船に乗り込んで波に揺られる事およそ1時間半。船の上で海風に煽られながら俺と金剛さんは他愛ない話をしていた
金剛「もうすぐ着きますヨー忘れ物はないデスネ?」
翔誠「無いですね」
金剛「OK!着いたらまずどこ行きますカ?」
翔誠「なら軽く食事でもしませんか?早く出てきてまだご飯食べてないですよね?」
金剛「良いアイデアネ!」
~上陸後~
金剛「ここのファミレスで良いデスカ?」
翔誠「俺は平気ですよ?」
金剛「じゃあここで軽く食べまショ!」
金剛さんはサンドウィッチとコーヒーのセット。俺は・・・
金剛「朝からハンバーグなんて翔誠はかなり食べるのネ!」
翔誠「すみません。朝は大量に食えって言われてきたんで・・・」
金剛「気にすること無いヨ!元気な証拠デース!」
翔誠「そう言ってもらえて嬉しいです///」
金剛「赤くなっちゃって可愛いネ♪」
翔誠「からかわないでくださいよ///」
金剛「それにしても・・・食べ方やフォークとナイフの使い方が綺麗ネ?」
翔誠「・・・これも教えられてきたので」
金剛「憲兵にいた頃?」
翔誠「正確には入る前ですけどね・・・それでも今は教えてもらったことを感謝してますよ。金剛さんに褒めてもらえるので」
金剛「フフ♪やっぱり可愛いネェ~」
翔誠「///」
食事を済ませ向かったのはショッピングモール
翔誠「ここで何買うんですか?」
金剛「ん~服とか食器カナ?」
翔誠「あっ!紅茶入れるティーカップとかですか?」
金剛「よくわかりましたネ!」
翔誠「なんとなく考えてることがわかり始めてきました!」
金剛「うふふっまるで夫婦ネ?」
翔誠「え?あ・・・確かに///」
金剛「もう・・・そんなに可愛い顔しちゃっテェ~翔誠はもう少し男らしい顔つきになった方が良いヨ?」
翔誠「そう言われましても・・・どうしたら良いですかね?」
金剛「手っ取り早いのは死にかけるとかジャナイ?」
翔誠「怖いこと言わないですくださいよ・・・」
金剛「まぁまぁ・・・あとは・・・そうねぇ~ベットの夜戦をするトカ?」
翔誠「ベットの夜戦って・・・つまり」
金剛「S◯Xネ」
翔誠「///」
金剛「おぉ?顔が赤いヨ?あ!もしかして翔誠童貞デスカ?」
翔誠「・・・夕方くらいになったら答えるので今はこの話やめましょ?人の目もありますし」
赤面して言った。そしてティーカップ選びが始まった
金剛「なかなか良いのがありませんネ」
翔誠「何個買う予定なんですか?」
金剛「2つネ!」
翔誠「2つ?金剛さんは4姉妹でしたよね?」
金剛「私達じゃなくて翔誠と春雨のダヨ!2人もお茶会に呼びたいなーッテ」
翔誠「それはありがたいです・・・春雨ちゃんのならこのピンクのラインが入ったカップなんかどうです?」
金剛「Oh!意外に見る目があるみたいですネ!なら翔誠のは・・・この赤と青がクロスしてるのはどうデスカ?」
翔誠「俺の目みたいですね。それに綺麗ですしなんか俺には勿体ないですよ」
金剛「NO!勿体なくなんかないヨ!私は翔誠がこれを使っている姿を見たいノ!」
翔誠「そこまで言われたら・・・仕方ないですね///」
その後ショッピングモール内を見て回ってる最中
「ねえねえ!あのカップル凄くない?」
「2人共超美形!モデルかな?」
「おい。お前女の方に声かけてこいよ」
「てか両方とも女に見えない?」
などという声が聞こえてきた
翔誠「やっぱりこうして並んで歩いてるとカップルに見えるんですかね?」
金剛「翔誠は私みたいな彼女は嫌デスカ?」
翔誠「まさか!むしろ金剛さんが彼女だったら嬉しいですよ!」
金剛「really?」
翔誠「本当ですよ」
金剛「やっぱり昔から変わらないネェ~真っ直ぐすぎる所や嘘がつけない所。そこにみんな惹かれるのかもネ?」
翔誠「みんな?」
金剛「おっと・・・口が滑りマシタ。兎に角翔誠はみんなに愛されてマース!今も昔も、そしてこれからも」
翔誠「ありがとうございます。金剛さん」
それからショッピングモールを回ったりゲームセンターに行ったりしている内に時刻は夕暮れになった
金剛「さて!帰る前に聞いとかなきゃイケないことがありますネ」
翔誠「げっ・・・」
金剛「・・・まぁここじゃなんデスシ場所を変えまショ?」
翔誠「そう・・・ですね」
そうして金剛が選んだ場所は──
翔誠「えっと・・・金剛さん?」
金剛「ん?どうしたノ?」
翔誠「ここって・・・」
金剛「翔誠はラブホテルに来るのは初めて?」
翔誠「初めてです」
金剛「それは意外デシタ!てっきりもう春雨と来てるのかと思いマシタ!」
翔誠「そ・・・そう言う金剛さんは初めてじゃないんですか?」
金剛「私?初めてダヨ?」
翔誠「・・・」
金剛「まぁ兎に角・・・翔誠はまだ童貞ナノ?」
翔誠「童貞ですよ」
金剛「良いネェ~それじゃあ童貞の翔誠に1つ質問するから答えてネ?」
翔誠「・・・わかりました」
そうすると金剛さんは俺の耳元でこう呟いた
金剛「これから私と・・・『どこまで』したいデスカ?」
翔誠「!?///」
想像していなかったわけではないけど流石に驚いた
金剛「私はこのまま何事もなく鎮守府に戻るでも良いヨ?」
翔誠「~~~~~!」
悩んだ。悩みに悩んで導き出した答えは──
翔誠「・・・俺は金剛さんの事が大好きです。でも・・・俺の最初は・・・金剛さんには渡せません」
金剛「どうして?」
翔誠「その・・・初めては春雨ちゃんが・・・良いです」
金剛「・・・」
翔誠「加賀美翔誠って言う人格ができて初めて恋をして自分の身を投げ打ってでも守りたい、救いたい、一緒に居たいって思えたのが彼女なんです。だから・・・金剛さんには本当に申し訳ないんですが・・・」
金剛「それを聞いて安心しましタ。ここでもし私を抱いてたら私はただの女誑しに恋をしていた事になってしまいまス・・・でも」
翔誠「!?」
金剛「少しだけ・・・寂しいデース」
そう囁いた金剛さんの目には涙が浮かんでいた
金剛「恋は叶うのが1番気持ちが良いと思ってましタ。ですが今初めて叶わない恋、届かない恋が気持ちいいと思ってしまいましタ。翔誠?私に新しいことを教えてくれてありがとう」
涙ながらに金剛さんは笑みを浮かべた。そんな矛盾した表情の彼女の思いに答えられないことの悲しさがこみ上げてきた。そして次の瞬間
翔誠「金剛さん」
金剛「何?しょうせ・・・んむ!?」
翔誠「ん・・・ちゅ・・・」
金剛「んん・・・ちゅるっ・・・んっ」
翔誠「はぁ・・・はぁ・・・金剛さんごめんなさい。今はキスしかできない俺を許してください」
金剛「フフ・・・翔誠。ありがとう」
翔誠「・・・こちらこそ」
その後俺と金剛さんは鎮守府に戻った
鳳凰院「翔誠君おかえりーデートどうだった?」
翔誠「貴重な体験ができました///」
鳳凰院「なんで赤くなってるの?」
~金剛型の部屋~
榛名「お姉様お帰りなさいませ!」
比叡「デートはどうでしたか?」
金剛「・・・あの子は男の子じゃなくて男だったヨ」
霧島「それはどういう意味でしょうか?」
金剛「不器用ながらに自分の道を歩いてるって意味ヨ」
榛名「?榛名にはよく理解ができません」
金剛「まぁ・・・あれネ。私はあの子に惚れて良かったって事ダヨ」
~次の日~
翔誠(金剛さんに会うの気まずいなぁ・・・いきなりキスしちゃったし・・・泣かせちゃったし)
金剛「HEY!翔誠!朝ごはん一緒に食べに行きまショー!」
翔誠「わっ!金剛さん!?」
金剛「何をそんなに驚いてるノ?」
翔誠「いえ・・・勢いが凄かったので・・・朝ごはんなんですが春雨ちゃんと一緒に食べる予定なので・・・」
金剛「私も混ざって良い?」
翔誠「俺はかまいませんが・・・」
金剛「なら春雨も問題ないネ!」
翔誠「そうですかね?」
~食堂~
春雨「い~や~で~す~!」
翔誠(だよね~)
春雨「金剛さん昨日翔誠さんとデートしたじゃないですか!!今日1日は私に独り占めさせてください!!」
金剛「Oh~ここに来てから欲に忠実になってしまったネ・・・」
翔誠「けど春雨ちゃんの言うこともわからなくないですね・・・」
金剛「ムゥ~」
翔誠「明日の朝は一緒に食べましょ?」
金剛「約束ヨ!」
その後朝食は春雨ちゃんと金剛さんが日替わりで俺と食べるようになった。まぁたまにお姉ちゃんや他の人達もいるけど
8月も残り1週間ほどとなったある日の事。何もすることがなく鎮守府内をふらついている時にふと駆逐艦達の会話が耳に入った
夕立「夕立も恋してみたいっぽい!」
村雨「テレビの俳優さんとか見ててカッコいいって言ってるじゃない」
夕立「あれは憧れみたいな物であって恋とは言わないっぽい!」
時雨「こうなってくると春雨が羨ましくなってくるね」
吹雪「初恋相手とお付き合いしているからね~」
夕立「春雨はズルいっぽい!夕立も恋したい!」
恋がしたいって何とも女の子らしいなぁ。
時雨「なら大津田さんはどうだい?」
夕立「ん~悪くわないけど・・・何か違うっぽい」
吹雪「なら蓮司さんは?」
夕立「あの人はロリコンっぽい!」
翔誠(確かに)
村雨「なら翔誠さんは?」
夕立「・・・確かに1番歳が近くて背丈も近いし良いっちゃ良いけど・・・」
翔誠(けど・・・?)
夕立「あの人には春雨がいるからダメっぽい!」
翔誠(純粋!可愛い位に純粋!)
時雨「でも僕達って人を好きになることってあるのかな?」
村雨「?」
時雨「いつ終わるかもわからないくていつ死んでもおかしくない戦争。そんな中で普通の女の子みたいに人を好きになったり恋をすることってできるのかな?」
翔誠(・・・)
その時翔誠は確かにと思った。そして彼女達をこの戦争から解放したいと思った
時雨「まぁ・・・暗い話はこの辺で終わらせるとして・・・みんなはまだ恋とかってしてないよね?」
村雨「当然じゃない。産まれてからずっと艦娘だもん」
吹雪「・・・私はあるよ」
ガタ!
吹雪「!?」
夕立「詳しく聞かせるっぽい!」
村雨「いつ!いつなの!?」
吹雪「えっと・・・艦娘になる前・・・私は元々民間人で艦娘に応募したから」
時雨「そこは良いんだ!どんな感じ何だい!どんな人だったんだい!」
吹雪「中学校が同じの・・・サッカー部の子だったかな?エースストライカーで格好良かったんだ」
夕立「告白はしたっぽい!?」
吹雪「する前にこっちに来ちゃった。当時は後悔したけど今はしてないかな」
そう言う吹雪の顔はどこか寂しげで、でも少し安心したような顔だった
~翔誠の自室~
翔誠「・・・ねぇ大津田さん」
大津田「何だ?翔誠」
翔誠「大津田さんって初恋いつですか?」
大津田「俺の初恋?あーいつだっけかなぁ」
いつになく真剣に悩んでいる。それを少しでも仕事に回せないのかとツッコみたくなる
大津田「中坊の時か?海で溺れてんのを助けてくれた人がいたんだよ」
翔誠「何で溺れてたんですか?」
大津田「その辺の記憶がごっちゃごちゃでよ。んでまぁその助けてくれた女の人がすげー美人で胸がデカかった記憶があるんだよ」
翔誠「胸はどーでもいいです」
大津田「うるせぇぞロリコン」
翔誠「俺はロリコンじゃねぇっすよ!」
大津田「で、まぁその助けてくれた人が初恋だな」
翔誠「その人は今どうしてるんですか?」
大津田「知ってたらとっくに礼の1つや2つ言ってる」
翔誠「確かに」
大津田「まぁこの曖昧な感覚はいつまで経っても慣れないし忘れられなくて良い物だって事は確かだな」
翔誠「そうなんですか?」
大津田「まぁお前の場合は春雨が初恋だからなぁ?何とも言えねぇだろうけど」
翔誠「その事なんですが・・・」
大津田「ん?」
翔誠「これ言って良い事かわからないんですけどね・・・」
大津田「何だよ。勿体ぶんねーで早く言ってみろよ」
翔誠「俺が春雨ちゃんに抱いてる感情・・・感覚?って実は恋じゃ無いんじゃないかなって」
大津田「どういう事だ?」
翔誠「憲兵に入る前からですけど俺ってほとんど女の人と接触しなかったじゃ無いですか。それで初めてまともに話した女の人・・・女の子が春雨ちゃんだったってだけで本当は・・・」
~翔誠の自室前の廊下~
春雨「・・・え?」
翔誠を間宮に誘おうとやってきた春雨が偶然それを聞いてしまっていた
翔誠「何て言えば良いんですかね・・・こんな感覚初めてなもんで」
春雨「・・・」
春雨はその場から走り去った
大津田「・・・春雨か?」
それは小声で囁かれた
翔誠「何か言いました?」
大津田「あぁ?いや・・・んーーそうだなぁ・・・なぁ翔誠」
翔誠「何ですか?」
大津田「お前は春雨のことを考えるとどんな感じになる?あとどんな時に春雨のことを考える?」
翔誠「そうですね・・・」
数分の沈黙が訪れた
翔誠「綺麗な景色を見たり・・・美味しい物を食べたり、楽しいことをしてたりする時俺は春雨ちゃんと一緒にいたいって思います」
大津田「おう」
翔誠「あとは・・・戦場にいる時や悲しいこと・・・負の感情を抱いてる時には絶対にこんな目に遭わせたくないって思います。それから・・・関係あるかわからないですが春雨ちゃんと一緒にいると時々胸が熱くなったり逆に胸を締め付けられて息苦しくなる時があります」
大津田「なるほどな・・・そんな風に考えているなら大丈夫だろ。それからお前が春雨に抱いてる感情は恋じゃねぇ」
翔誠「じゃあ何ですか?」
大津田「俺もこういうのはあんま詳しくねぇから何とも言えねぇけど、お前が春雨に抱いてる感情は・・・」
鎮守府屋上喫煙所。そこに少女はいた
春雨「翔誠さんにとって・・・私は・・・」
ガチャン
翔誠「春雨ちゃん?喫煙所でどうしたの?」
春雨「・・・翔誠さんは私のことどう思ってるんですか?」
翔誠「え?」
春雨「さっき聞いちゃったんです」
翔誠「え!?マジか・・・」
春雨「だから正直に言ってください!私のことどう思ってるのか!」
翔誠「話聞いてたならわかると思うんだけどなぁ・・・」
春雨「やっぱり・・・」
春雨の目は涙で潤んできた
翔誠「どう思ってる・・・か。言葉にするのは難しいなぁ・・・」
春雨「・・・」
翔誠「大津田さんに言われた言葉をそのまま伝えるようになるけど・・・俺が春雨ちゃんに抱いてる感情って言うのはね・・・恋ではないんだ」
春雨「・・・」
翔誠「恋とは違ってもっと深い・・・愛。それが大津田さんに教えてもらった言葉かな。それでいて俺が春雨ちゃんに抱いてる感情は恋心じゃなくて愛情。これで平気かな?」
春雨「・・・じゃあ翔誠さんは私のことが嫌いじゃないって事ですか?」
翔誠「当たり前じゃん!何で嫌いになると思ったの?」
春雨「・・・!」
翔誠「!?」
春雨「私は何か勘違い・・・してたみたいです」
真っ赤になった顔を隠しながら春雨は言った
翔誠「ま・・・まぁ、勘違いは誰にでもあるしね?」(照れてる春雨ちゃん可愛い)
春雨「うぅ~」
翔誠「そう言えばさ?」
ふと話題を変えるように話しかけた
翔誠「春雨ちゃんの初恋の相手って・・・誰なの?」
春雨「私の初恋ですか?」
翔誠「うん」
春雨「ん~~~ナイショです!」
翔誠「うぇ!?なんで!?」
春雨「私を勘違いさせたからです♪」
翔誠「勘違いさせたわけじゃないんだけどなぁ・・・」
春雨「それに・・・深く詮索する人はモテませんよ?」
そう言い終えるとクスりと笑った
私の初恋・・・それは今から5年ほど前でしょうか?当時の私は艦娘ではなくただの町娘の1人でした。でも人と違うところをあえて言うなら私には親がいませんでした。物心ついた頃には私は施設にいました。その施設はお世辞にも良い施設とは言えませんでしたからしょっちゅう抜け出してました。そんなある日のことでした。立ち入り禁止地区の浜辺で1人で砂のお城を作ってたときに声をかけられました。
「そろそろ帰った方が良いんじゃない?」
その人が何を思って声をかけてきたのかはわかりませんし私は帰りたくなかったので無視しました。それからしばらくして・・・私達の目の前に深海棲艦が現れたのです。蒼白い肌に不気味な雰囲気。多分戦艦級の深海棲艦だと思います。そいつがこちらに主砲を向けているのがわかった途端彼は囮になって私を救おうとしてくれたんです。
「狙うなら俺を狙え!」
確かこんな感じの言葉でした。それから私は振り向かないで必死に走りました。施設に戻った時には彼は無事なのか心配でした。施設の管理人の人達には怒られましたがそれよりも彼が生きているのかどうかが気になってました。
それから私は常に彼のことを考えてました。何故自ら囮になったのか?生きているのか?死んでいるのか?誰だったのか?初めは憧れだったのかもしれません。あんな風に誰かを守るために自分を盾にできる人になりたい。でもいつしかそれが恋心になっていったのですね。───不思議です
その出来事から3年ほどして私は艦娘になりました。艦娘になった直後に私は艦娘収容所に投獄されました。1年ほどの実験や拷問・・・夜の作法を体に叩き込まれていた日常に光が差し込みました。憲兵の新人さんらしいその人は怯えていた私と同じ目線で話をしてくれました。その人は私の初恋の人に似ている気がしました。その所為かその人を気になり始めました。そして今では・・・
翔誠「春雨ちゃん?どうしたの?何か考え事?」
春雨「はい!少し昔のことを思い出してました!」
今ではこの人に恋をしています。もしかしたらこの人が私の初恋の人だったりして?
to be continued
発育良いとはいえ春雨みたいな幼女と外に出掛けてイチャくのは絵面的に
犯罪臭しゅんごい。
春雨!素晴らしい!