2015-04-19 19:59:15 更新

概要

ちょこぉっと本気出して書いてみる


前書き

取り敢えず何巻まで書くかは気分次第ってことで


前座





目を覚ますとそこには白い空間が広がっていた。


そこには風もなく、光もない、命の欠片さえも感じられないようなそんな無機質な『何か』の中にいた。


「ここは?」


見回せば見回す程焦りが出てくる。


何に巻き込まれた?国の根幹を揺るがすようなテロ?世界すら破壊する兵器の小規模実験?

荒唐無稽な考えが頭をよぎる。


考えることすらままならない状態で今の自分の状態を、否、『歪さ』を認識するのは到底無理だった。


「落ち着きなよ、少年」


目の間にでて来たのは少年の様な、かと言って幼さを感じさせない老人の様な、男のような、それでいて女の様な曖昧な『モノ』が立っていた、置かれていた、座っていた、浮いていた、沈んでいた。


「君は一応冷静な部類の人間だと思っていたけど…いやはやなかなかに慌ててるじゃないか」


「当たり前だろ、こんなトコに閉じ込められて冷静でいられるわけ無いだろ」


言葉が尖る、鋭くなった言葉は『モノ』の耳らしき場所には全くと言っていいほど届かなかった。


「フム、この空気でよく僕につっかかるね、いやはや俺は感心したよー」


我にそんな言葉使うやつなんか見たことないから興味深かい、そう言って『モノ』は大きく手を振りあげた。


「喜べ、人間」


「君は吾に気に入られた」


「だから私が少しいい物をア ゲ ル」


『モノ』はそういい終えると手を振りおろした。


世界が終わる、始まる、明るく、暗く、変わり、停滞する。


口が軽く、脳ミソが回る、体が動いて、目が冴える。


獲物を欲する獣のように腕は空を切った。


水を得る事ができた獣のように体が癒された。


「少年、『コレ』は今から君の入った別の物語になる」


『モノ』は語る、言う、喋る。


「貴方がどう動こうが勝手ですが、お前も『コノ』世界の住人になることを忘れてくれるなよ?」


体は理解している、それなのに頭が理解しきれていない、否、覚えていない


「テメェの望んだ物は直ぐに手に入るはずだ。それまで静かにするか、騒いでことを動かすかは自分の知ったこっちゃない」


あの短い時間の中で何があった、何が起こった。

それすら分からない。


「さて前座は終わり、クライマックスまで精々楽しんでくればいいと思うべさ」


そう言うと『モノ』がいた空間が煙のように、幻想のように、元からなにもなかったかのように消えた。


そして薄れゆく景色の中で理解した。


「俺………死んでんじゃん」


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