青葉「ずばり!司令官のお昼寝です!」
『青葉「ずばり!司令官の好みとは!?」』シリーズの番外編です。
短めです。
番外編ですので特に何も考えていません。思い付きの箸休めとも言います。
…寝たい。
提督「こう…さ?あるじゃん?」
妙高「は?」
提督「だからさ?漫画とかゲームとかで、ベッドで寝ると体力全快するシステムがありますやん?」
妙高「そんなシステムがあるんですか」
提督「あるんすよ。そういう便利なシステムが」
妙高「どうでもいいですからさっさと終わらせてください」
提督「これも仕事ですのに…」
妙高「こういったことは下々の者にやらせればいいですのに」
提督「下々って誰すか。うちに下々なんて階級はないですのに」
妙高「言葉の綾です。お手すきの艦娘はいるでしょう?皐月さんとか天龍さんとか」
提督「あいつらはれっきとした予備戦力です」
妙高「こういう時に任せないで何が予備ですか」
提督「そうは言って…も!「体裁」がありますので」ヨイショット
妙高「それなら私に対する口調を改めては?その箱の番号はいくつですか?」
提督「211っすね」
妙高「211、211…ありました。潜水艦用の特殊電探ですね。明石さんのところです」
提督「あい」
妙高「こちらの艦載機群は空母に、こちらは…弾薬ですから備蓄へ。燃料のところにまとめておきましょう。これは…支給品の類ですか。私の方で処理をしておきます」
提督「お願いします」
妙高「これで工場からの納品は全てですね。確認しました。提督、私は業者さんのところにサインしに行ってきますね。何かお伝えすることなどありますか?」
提督「次からもっと運搬用のトラックを鎮守府側に寄せて停めてほしいと」
妙高「前も言ってませんでしたか?」
提督「海が怖いのは分かりますけど、ここは鎮守府。危ない中では比較的安全なのに…」
妙高「刻み込まれた恐怖は、なかなか払拭できるものではありませんね…」
提督「艦娘が生まれるまで、ぼっこぼこのぼこでしたからねぇ。海に出れば人は帰ってこず、人口ばかりが減る一方。そりゃ怖がりますって」アー、コシイテェ
妙高「よくここまで盛り返せたものです」
提督「艦娘の誕生に万歳ですよ」
妙高「……提督の指揮に、万歳」
提督「お、デレ?」
妙高「私はいつでもデレてますよ」
提督「だったらもっとセクハラ許容してくださいよ…」
妙高「チョットハワタシニモ…」
提督「え?何か言いました?」
妙高「いーえ!さ、それは執務室でも出来る作業です!戻りますよ!」
………
……
…
コンコン
ガチャ
提督「たでーまー」
卯月「おかえりなさいっぴょん」
提督「……。あれ、おかしいな見間違いかな。神通がバニーコスして緊縛猫耳にゃんにゃんしているように見えるぞ…?」
神通「それは確実に見間違いですね」
卯月「バニーコスで猫耳にゃんにゃんってなんにゃんぴょん?」
神通「あなたは黙っていなさい」
卯月「司令官~。これ解いてぴょん~」シバラレ
提督「今度はなにやったんだこのド淫乱ウサギは」
卯月「根も葉もないこと言わないでほしいっぴょん!うーちゃんまだ処女っぴょん!」
妙高「はしたないこと言わないでください」
提督「そうだぞ慎みをもて」
妙高「提督に言ったんです」
提督「あ、はい…」
神通「またぞろこのウサギが執務室に入り込んでいたので、こうして縛り上げていました」
卯月「うごご…神通さんはまだ演習中だと思ったぴょん…」
妙高「今度はなにをしたんです」
神通「さぁ?」
卯月「そうそう簡単に見破られてたまるかっぴょん…」
提督「どうせまたお菓子じゃろ。どれ、これかな…」ガサッ
妙高「分かっていてどうして手を出すんですか…」
提督「罠はかかって潰すもの!」モグッ
妙高「はぁ…」
モグッ
モグモグモグ…
提督「あれ?普通の餃子味のどら焼きだ」
妙高「普通とは」
提督「慣れると美味しんですよ、これ」
神通「慣れる必要性がないんですが…」
提督「じゃあこれか?炒飯味のせんべい」バリッ
妙高「ちょっと合いそうですね、もとが米なだけに」
提督「…普通だ。じゃあこれ?回鍋肉味のたい焼き」ハムッ
妙高「おかず代わりの菓子パンみたいですね」
提督「…うん?じゃあ、ラーメン味のかりんとう?」カリッ
妙高「もう普通に中華食べましょうよ」
提督「長波め、どこでこんなお菓子を見つけてくるんだ…。しかし不思議だ、どこもおかしくない」
卯月「味のラインナップが不思議ぴょん」
提督「しかしいったい何を…あ、このスコーンは金剛のか。最近糖尿病を気にして減糖スコーンにしてくれてんだよ」ツイッ
神通「もしやそれでは…」
提督「いただきます」モグッ
モグモグ…
提督「あ、普通にスコーンだ。減糖でも甘さが変わらないハチミツ風味のスコーンだ」
妙高「ハチミツは健康にいいですもんね」
提督「姉はこうなのにどうして妹は…」ハァ
神通「比叡さんは味見することを覚えるべきです」
提督「そもそもあいつの味蕾がどうにかなってそう…」ズズッ
ブーッ
提督「あ゛っまッ!?これ紅茶じゃねぇ!」
卯月「うっひゃっひゃっひゃっひゃ!ひっかかったー!」
提督「おま、これ…!なにこれ!?」
卯月「モンエナぴょん。炭酸抜きぴょん」
提督「ゲロ甘ぇ…」ウエェェ
卯月「匂いで分からないようにモンエナを薄めてダージリンの香料いれて、それでも甘ったるい匂いを隠すためにスコーン置いといたっぴょん。あと砂糖加えたっぴょん」
提督「周到…つかスコーンまで…」
卯月「罠にハメるためには手を抜かない、相手の油断したところを狙う。基本だぴょん」
提督「お前将来アサシンになれるよ…」
卯月「あ、これ本物のスコーンだぴょん。うーちゃんが焼いたのより味気なかったぴょん」スッ
提督「かじりかけ…。お前いつか金剛に殴られるぞ」
卯月「あー楽しかった。それで、今回はどんな罰則ぴょん?」
提督「悟りよる」
妙高「まったく反省の色がないですね。ではそうですね、また比叡カレーの刑で」
卯月「えっ」
提督「死罪まったなしか…せめて一口で逝けるように祈っとく」
妙高「最近彼女も「腕」を上げましてね?ちょっとは毒物の量が減ったんですよ。だから即死できない程度のマズさです。赤城さんが泣いて許しを乞うていましたから、ホンモノです」
卯月「う、うううっ」ガタガタガタ
提督「さりげなく赤城またギンバイしてるし」
神通「ではさっそく比叡さんの所にいきましょうか♪」
卯月「まっ!せ、せめて覚悟を!覚悟を決めさせてほしいっぴょん!あ!一筆!!辞世の句を!!」
神通「天に裂く 卯なる欠け月 雲隠れ 浮きし十五夜 紅き様かな」
卯月「物騒なの詠まないでほしいぴょん!!」
神通「つべこべ言わず行きますよ」
卯月「いやああああああああああああああああああああああ」ズルズルズル…
提督「あいつ最近腕上げてきたな…」
妙高「提督の似なくていい所に似てきましたね」
提督「そーぉ?」
妙高「ええ、あの小賢し…無駄に小回りの利く頭の回転は、間違いなく提督譲りかと」
提督「いま小賢しいって…」
妙高「さて提督、先ほどの続きに戻りましょう。私は明石さんの所へ在庫を確かめに行くので、こちらとこちらの書類にサインをお願いしますね」ピラッ
提督「あい」
妙高「では、失礼します」
ガチャ
パタン
提督「サインサイン~っと」カリカリカリ
ピラッ
提督「ん?これ…えっと、なんだっけかな?最近情報量が多くて覚えきれん。確かこっちのファイルに…」ガタッ
クラッ
提督「っとと。緑だっけか。っと……あ、そうだそうだ。思い出したぞ」カリカリ…
………
……
…
天龍「おーっす」ガチャ
提督「よっす。元気にしてたか」
天龍「元気すぎて疲れてる。なぁ、なんかオレの出番ないの?」
提督「嬉しいことに今日の海は穏やかだ。あ、かりんとう食べる?ラーメン味」
天龍「ラーメン…?どれどれ…あ、醬油ラーメンじゃん。目ぇつぶって食うと…食感以外美味いな」モグモグ
提督「こういうのどこで売ってるんだろうね」
天龍「さぁな。ネットじゃねーの?」
提督「さすがArmor Zone…半端じゃねぇな」
天龍「すげー時代になったもんだぜ」
提督「戦時中だってのに、しっかり強かに金を稼ぐ…はてさて、これは喜ばしいのかね」
天龍「さぁ?「昔」とは違うんだ、オレからはなんとも」
提督「「生きよう」という強い意志を抱いてくれるようになったぶん、この国はまだ終わらんってことか」
天龍「だな」
提督「オレも見習うか。もう少し頑張るよ」
天龍「おう。んじゃ帰るわ」
提督「おつかー」
天龍「ン。おつかー」
………
……
…
比叡「さ!どうぞどうぞ!ちょっとは上手になったんですよ!」キラキラ
卯月「う゛ひ゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」タイハシングン!
………
……
…
提督「サインするだけだからもう終わっちゃった。今日の予定は…うん。無いな。暇。よっし、ちょっと早いが見回るか」ガタッ
クラッ
提督「んんっ」
………
……
…
雪風「ぱぱぁ!」ガッ
提督「はぁいパパですよぉ!」ウグッ
雪風「あれ、もうお仕事終わりですか?」
提督「うん。今日ね、暇なの」
雪風「平和ですね!」
提督「いいことじゃ」
天津風「まったく雪風はどこに…あら、提t…ぱ、ぱぱ///」
提督「はいパパですよ」
天津風「呼び方になんの抵抗もないのね」
提督「むしろやっと娘が認知してくれたと喜んでるまである」
天津風「娘側が認知するんだ…」
提督「ほれ、もっと呼んでみなさいパパですよ」
雪風「ぱぱぁ!」
提督「おーよしよし」ナデナデ
天津風「うっ…」
提督「……」キラキラ
天津風「そ、そんなキラキラした瞳でみないでよ……ぱ、ぱぱ…///」
提督「よーしよしよし」ナデナデナデ…
天津風「うっ、吹き流しとれちゃうからやめて…」
提督「やっと素直になりおって。愛い奴め」ワシャワシャ
天津風「あ、頭ぐわんぐわんする…」
雪風「しれぇ!じゃなかったぱぱぁ!雪風ももっと撫でてください!」
提督「おーよしよし」
初風「(-"-)」ジーッ
提督「わ、どうした初風。渋い顔をして」
初風「見てるだけよ。分からない?」
提督「まったく」
初風「何の抵抗もなくパパ呼ばわりを受け入れて…。どうしてこんなことになってるか分かる?」
提督「え?認知してくれたんじゃないの?」
初風「するかァ!……あれだよ、秋雲」
提督「(-"-)」ムッ
初風「察したね」
提督「うん、十割。またなんか拗らせたな」
初風「当たり。父娘ものの同人誌描いてみたいとか訳の分からないこと言いだして、何人か焚きつけたのよ」
提督「あいつは…まぁ拒まんが。うん、愛しているぞ」ナデナデ
天津風「アッ…///」
初風「分かっててその発言はNG」
提督「そう言うなよ。ほれ、お前も言ってみ?ぱ・ぱ」
初風「イヤ。絶対に言わない」
提督「オレとお前の仲ジャマイカ」
初風「そんなに絡んだことないでしょ」
提督「だからこれを機に絡むーちょ?」
初風「そのお申し出は嬉しいけど語尾がウザい」
提督「もっとやかましい語尾を知っているくせに」
初風「それを上司にも使われるこっちの修羅場も考えて」
提督「んもぅ、いけずぅ」
初風「はいはい。ほら雪風、離れて。提督も忙しいんだから」
雪風「え?でもしれぇは暇って」
初風「暇だから忙しいのよ、この人は。静かに眠るってタチじゃないでしょ」
雪風「ぅぅぅ…」
天津風「ほーら。もう十分甘えたでしょ」
初風「ジブンガイチバンアマエテタクセニ」
天津風「なに?」
初風「んーん。なんでも」
天津風「じゃ、じゃああなた。見回りもいいけど、無理しないでね?」
提督「ああ、そうするよ」
雪風「しれぇ!ばいばーい!」ノシ
提督「ばぁ~い」ノシ
タタタタタタ~
提督「はぁ…いい娘たちだよ」ウンウン
クラッ
提督「っとと。立ち上がりは気を付けねーとな」
………
……
…
山城「だからここはね?奇襲による短期殲滅がいいと思うのよ」
満潮「うーん、まだよく分からないわ…。ここは戦術的撤退をして誘い込んで合流した火力で包囲殲滅、こっちのが安定しない?」
山城「それだと成功率が低いと思うわ。敵が誘いに乗らなかったらどうするのよ」
満潮「だからって数的不利を前に突っ込んでいくのはどうかと思うわ」
山城「だからこそ、よ。数的不利を覆すには乱戦よ。うまくすれば敵が同士討ちをやるかもしれないわ」
満潮「そっちも希望的観測あるじゃない」
山城「じゃあどっちがいいのかしら…山雲。どう思うかしら?」
満潮「あんたの意見を聞きたいわ」
山雲「え、えっとぉ~…。ど、どっちでしょう…?」
満潮「はっきりしなさいよ」
山雲「き、奇襲って言っても、どうやってやるのかしらぁ」
山城「そ、それはあれよ。バッと行ってガッと叩くのよ」
山雲「…???」
満潮「分かってないわよ」
山城「ええっと、だから…」
提督「そこだッ!!」ガッ
山城「ぅふゃぅ!?」ビクンッ
満潮「!?」
山雲「!?」
提督「説明しようッ!奇襲とは!!こうやるのだッ!!」ムギュッ
山城「ちょ、や…ッ!?て、提督!?後ろから…!?」
提督「いいか?まず奇襲とは勢いも大切だが、的確に急所を突くことも大切だ。まずこうやって突然飛びかかり、相手を怯ませる!このとき出来れば視界外から、すなわち背後からが効果的だ!」スルッ…スルスルッ
山城「ヤッ…!?て、提督!どうして服を…!?え!?ど、どうして手を滑り込ませるんです!?」
提督「こうして怯ませることで相手は一時的に判断力を失う!この隙に出来るだけ敵中核に潜り込む。事前にどこが弱点かを調査しておくことが前提だぞ?」シュルッ…サワサワサワ
山城「ァン!?て、てぇ……ハァ…ハァ…!?」ビクッ
山雲「わ…わ…!?」
提督「奇襲は短時間であればあるほど効果的だ。ここでどれだけ深く潜り込み、そして急所を叩けるかがキモだ」サワッ…
山城「ンッ!?」
提督「そしてたどり着いたら!わき目を振らずに一点集中!」コリッ…コリコリコリッ!
山城「やっ…!?あ、あア…っ!!そ、そんなトコ、やめ、ヤ、ァァン…///」ビクンビクン
提督「攻めて攻めて攻め続ける!!」サワサワサワサワサワ…!!
山城「ア…!!アアア…っ、や、イ、イっちゃ…ア!だ、だめ!らめぇ!!」ゾクゾクゾクッ
満潮「う、わぁ…」
ゾクッ…!
山城「あっ……!!」ピクンッ
提督「そして撃滅」パッ
ドサッ
山城「あ、ひゃ…」ビクッ…ビグンッビグンッ
提督「常に敵を機能不全にして、ずっとオレのターンにする。これが理想だ」
山城「ひ、ひもひぃ……///」ビクビク
満潮「ちょ、ちょっと腰砕けてんじゃ…ていうかこれイって…?///」
提督「実演込みの解説だ。分かったか?」
山雲「はいっ!…はいっ!?………あ、はい、分かりました!///」ワタワタ
提督「よろしい」ウンウン
満潮「よろしいじゃ、ないわよッ!」ゲシッ
提督「あふん。ナイスローキック」
満潮「妹になんてもん見せるのよ!教育に悪いわ!」
提督「そんな本気でやってないよ?」
満潮「山城さんの顔見て同じこと言えるの!?明らかにダメな顔してるじゃない!」
提督「えー?そんなにぃ?……おわ、トロ顔だ。え?あれ?いつもと同じやつだよ?」
満潮「なにがいつもと同じやつよ」
山城「え、えっひょぉ…。か、かいはつ、されひゃい…まひたぁ…///」ビクンビクン
提督「開発?だれに?」
山城「て、てーとくにぃ…」トロー
満潮「あんた…」ジトー
提督「そっかぁ。お前も敏感体質になっちゃったかぁ。すまんな」
満潮「「も」ってところに引っかかりを覚えるんだけど」
提督「コラテラル・ダメージ。ところで、いったい何を議論していたんだ」
満潮「ん。仮想海戦。机上の空論だけど、ちょっとでも戦術を覚えたくて」
提督「おお、感心感心。いい休暇の使い方だな」
満潮「さ、ちょうどいいから正解を教えてちょうだい」
提督「この海図か?ふむ…多勢に無勢の戦闘か。遠方に支援艦隊あり。教本通りなら、自艦隊で時間を稼いで支援を仰ぐが…。この小島を利用して、敵の死角に入るところに支援艦隊を配備。自艦隊による敵中突破で撹乱しつつ隙を作り、支援艦隊で囲む。こんな手もありっちゃあり。引いて釣るのも手だが、それをやるなら最初から戦闘回避のが安全かも」
満潮「戦わないとか…軍属としてどうなのよ」
提督「偶発的遭遇なら、むやみに戦う方がアウト。ここらへんは遠征部隊で覚えがあるだろ?」
満潮「まぁ…あるけど」
山雲「あります~」
提督「弾薬は消耗品だ。使いすぎれば、枯渇する。この敵編成なら無理に撃破する必要はないから、安全第一がうちの方針かねぇ。舞鶴ならまだしも」
満潮「まだその辺があんまり理解できないのよね…敵を放置だなんて」
提督「やるときはやる。やらないときはやらない。線引きをはっきりさせておかなきゃ、部隊が危ない。指図する人間が言うのは少し場違いだが、それでも部下を喜んで危ない目に合わせたいとは思わない。オレにとってお前は、お前しかいないんだから」ナデナデ
満潮「ン…あ、ありがとう」ワシャワシャ
提督「大好きだぞ」
満潮「アッ、ぐっ、すぐ、そういうこと言う…!」
山雲「照れてます~」
満潮「うっさい!」
提督「山雲も。大好きだぞ」
山雲「ありがとうございます~」
提督「じゃあ、今後も励めよ」ノシ
山雲「はぁい」ノシ
テクテクテク…
山城「アッ……アッ……」ビクビク
満潮「まだ痙攣してたの…」
山城「やられてみれば分かるわよ…♡」ハァハァ
満潮「サレタイワヨ…」ボソッ
………
……
…
金剛「ヘエエェェェェイ!!!」ダッ
提督「ンヨッこいしょおおおおおおおおお!?」ダイブ!
ビタン!
ゴロゴロゴロ…
提督「お、おま!殺す気か!!?」
金剛「のんのん!私は提督に熱ぅいラァブをぶつけたいだけデース!」
提督「なんで物理なの!?」
金剛「艦娘だからデース!」
提督「理由になってるようでなってねぇ!」
金剛「愛は全てを貫くデース!」
提督「だからなんで物理なの!!」
金剛「デース…提督は、私のこと、嫌いデース…?」シュン
提督「好きだよ、大好きだよ。いい女だと思ってるよ!」
金剛「じゃあ…!」パァ…!
提督「だからなんでそこでクラウチングスタートの構えすんの!?おかしいだろ!もっとこう、両手を広げてハグとかできねぇの!?」
金剛「は…ぐ…?」
提督「なんでそこは無知なんだよ!さほど難しい英語じゃねーだろ!」
金剛「そ、そんな…。嫁入り前の娘が…はしたないデース」ポッ
提督「嫁入り前の娘が男に殺人タックルかまそうとする方がはしたなくない!?パンツ丸見えだったし!レースの地味に気合入ったやつだったし!あと演技わざとらしい!」
金剛「こうでもしないと、振り向いてくれないデース」ムー
提督「普通にお茶会に誘って話題作って…って王道があるじゃねえかお嬢様よ」
金剛「それじゃもう印象薄いデース。モノホンのブリテン戦艦がいちゃ、私みたいな帰国子女か帰化子女か分かんないキャラなんて…」
提督「なんでそこは卑屈なんだよ」
金剛「最近、私の影薄くなってる気がしマース…。グローバル化の波に、流されマシタ…」
提督「あいつらがまともな日本語を話せてるのはお前のおかげなんだが…気になる?」
金剛「デース」
提督「そっか。オレはお前ほど燦々と輝いている奴はそうはいないと思うぞ。何をするにもエネルギッシュで、皆を引っ張るカリスマ性もある。艦種や先輩後輩なんかのビジネスライクな関係飛び越えて、お前は慕われているように見える」
金剛「自覚ないデース」
提督「そりゃ主観だしな。案外、自分の事を一番分かっていないのは、自分だったりするもんだ」
金剛「提督は、どう思ってるデース?」
提督「愛しくもやかましい飽きない奴」
金剛「………それ、評価的にはどっちデース?」
提督「いいとこも悪いとこも受け入れるよってちょっと待て、だからなんで構える!!」
金剛「今、受け入れてくれるっテ…」
提督「そういう意味じゃねーよ。なんでそこだけ物理解釈なの!?お前そんなに頭悪くねーだろ!」
金剛「賢すぎる女性より、頭悪い女性のが男性受けがいいって書いてありマシタ!」
提督「どこのどんな本に書いてあったんだよ!?あれか、ドジっ子とかそういうアレを曲解したか!?ちげーよ!!そうじゃねぇ!!お前のそれはただの危険人物だ!!」
金剛「黙ってさっさと子供産むデース!」
提督「オレは男だ!産むのはお前だ!」
金剛「よっしゃ言質とったアアアァァァァ!!!」ダッ
提督「ちげえええええええええええええええええええええ!!!!!」
………
……
…
霧島「あれ、お姉さま。どこへ行くんです?」
比叡「うーん、医務室。卯月ちゃんの全身の肌が真っ青になっちゃった」エヘヘ
卯月「……ぅ…。ぅぁ…ぅぴゃぁ……」グッタリ
霧島「…それはもはや入渠した方がいいのでは」
………
……
…
提督「ハァ…ハァ…やっぱり、オレの評価は変わらねぇよ…」ゼェゼェ
金剛「提督、意外としぶといデース…すぐ躱すデース…」ハァハァ
提督「司令官とはいえ、しっかり訓練は積んだからな。筋力はまだしも、技量はまだお前らには負けん…」
金剛「さすがデース…」
提督「あー、運動した。ったく、底知らずの体力め」
金剛「当たり前デース。艦娘だからネ」
提督「頼もしい限りだ」ヨッコイショ
フラッ
提督「っとと」
金剛「大丈夫デース?」
提督「ああ。ったくこのポンコツめ、しばらく体使わないとこれだ。オレも老いたなぁ」
金剛「まだピチピチじゃないデスか。鏡見てくだサーイ」
提督「けどこの前白髪みっけてなぁ…。ああ、とうとうなったと思ったよ」
金剛「むしろこの激務と重責で今まで白髪も円形ハゲもなかったことに驚きデース」
提督「バカはプレッシャーもストレスも感じねーんだよ。ま、そのバカもとうとう追い詰められてきたってことか」
金剛「不穏なこと言わないでくだサイ」
提督「ふふっ、職場の女性関係が一番クるぜ…」
金剛「それは自業自得デース」
提督「オレはただ仲良くしたいだけなのに」
金剛「じゃあ勘違いされることしないことデスネ。もう遅いデスが。己の業だと受け入れるデース」
提督「ちぇー。分かったよう」
金剛「後ろから刺されないよう気をつけるデース」
提督「あとタックルな。ふぅ、そろそろ行くか」
金剛「デース。また遊んでくだサイ」
提督「あいよ。喜んで」
テクテクテク…
金剛「……エッヘヘ///」
………
……
…
提督「ほーしょーさん」ヒョコッ
鳳翔「あら提督。本日はお日柄もよく。お勤め、ご苦労様です」ペコリ
提督「いやだわそんな仰々しい。もっとフランクに挨拶どうぞ?」
鳳翔「い、いえーい☆」ピース
提督「Oh yeah」b
鳳翔「は、恥ずかしいです…///」
提督「鳳翔さんも若いんだから、もっと砕けていいのよ?歳とると自然とかたっ苦しくなっちゃうんだから」
鳳翔「だったら私のこと、「さん」だなんてやめてください」
提督「毎日せっせと鎮守府全員の炊事洗濯を任せている人を、邪険に呼び捨てなどできましょうか。我が軍は鳳翔さんと間宮さんと伊良湖ちゃんで動いてると言っても過言じゃあないっすよ?」
鳳翔「それこそ仰々しいですよ。私たちは私たちに出来ることを、やっているだけです」
提督「やっぱり、任せて正解だったよ」
鳳翔「光栄です」
提督「お茶いただける?」
鳳翔「ええ、もちろん。少々お待ちください」
提督「あいあい」
トプトプトプ…
鳳翔「お茶です。今日はずいぶんとお早い見回りですね」
提督「うん、今日は特にやること少ないの。資材の搬入くらいで、あとはエマージェンシーがなきゃやることナッシン。平和平和」
鳳翔「それはいいですね。しばらく働き詰めでしたでしょう?今日くらいゆっくりお休みください」
提督「出来ることなら、もうずっと閑職でいいのに」
鳳翔「提督がいるからこそ、こんな日が訪れたんですよ?他の方では、こうはいかないと確信しています」
提督「そっか。嬉しいね。ン…美味い。やっぱ緑茶が合うなぁ」
鳳翔「もう提督の好みの加減は、心得ていますから」
提督「なつかしのお茶戦争」
鳳翔「も、もう忘れてください!」
提督「あれは楽しかった。……が、つらかった」
鳳翔「若気の至りです…」
提督「言うてそんなに経ってませんがな」
鳳翔「遠い過去にしたいですよ…」
提督「いやでもそのうち遠くなりますって」
鳳翔「光陰矢の如し、ですか」
提督「嵐のような時代も端から見りゃただのクロニクル、ってな」
鳳翔「お茶請けはいかがいたしますか?」
提督「んにゃ、今日はいいや。お茶だけで」
鳳翔「はい」
提督「ふぅ…やっぱりここは癒しだな。楽しくワイワイ騒ぐのも好きだが、こうしてゆったりするのが性に合うなぁ」フゥ
鳳翔「提督のはどちらも素でしょう?」
提督「あら。分かってらっしゃって?」
鳳翔「ええ。短くも深いお付き合いですから」
提督「じゃあもっと深淵を探り合ってみる?」
鳳翔「まだ日中ですよ?日の当たらないところを歩くには早いです」クスッ
提督「っはは、一本取られたな。これだから鳳翔さんと話すのは楽しいんDA☆」
鳳翔「もう、お上手なんですから」
提督「さて。ここもいつも通りで安心した。あんまり邪魔しちゃ悪いし、そろそろ行くとするよ」
鳳翔「もう行ってしまうんですか…?」
提督「ンな顔しないでよ。またすぐ飲みに顔だしますンバ」ヨイショット
クラッ
提督「っとと」
鳳翔「提督、大丈夫ですか?」スッ
提督「うん?まだ介護が必要なほど老いちゃいないさ」
鳳翔「確かにまだ老いてはいませんが…しかし、お顔が優れませんよ?」
提督「丁寧かつストレートにブサイクと言われた」
鳳翔「ち、違います!提督のお顔は優しくて子供のようで私の好m…そうじゃなくて!お疲れではないですか?疲労がたまっているように見えます」
提督「そうか?これくらい、いつもじゃないか。よいしょっと」
クラッ
鳳翔「ああっ!ほら、危なっかしい…提督、最近寝ていないのでは?」ダキッ
提督「よくお分かりで」
鳳翔「食であなたを支えようと勇んだ身ですよ?提督の体調が分からないようでは、務まりません」
提督「寝て作戦を思いつくなら、いくらでも寝ますとも」
鳳翔「今は会敵時ではないですのに」
提督「こういう時にこそ作戦をいくつかストックしておけば…いざって時に焦らないんで。常に考え続ける。これがオレの…」
ガクンッ
鳳翔「だからといって膝が崩れるほど無茶をしますか!さぁ、こちらへ!」グイッ
提督「うおっ!?……鳳翔さん、オレ担げたんだ…」
鳳翔「私も艦娘ですよ?……それに、お疲れになられた軍人さんを運ぶのも、今に始まったことではありません。慣れているんですよ」
提督「……??ああ、「終戦時」の…」
鳳翔「みなさん心身が壊れるほど戦って…。替えの利く鉄の体でないのに、どうしてあなたたちは無理をなさるんですか」
提督「そりゃ、そうしてまでも守りたい誰かがいたからさ…」
鳳翔「……提督にも?」
提督「ええ。今オレを担いでる人を、守りたい」
鳳翔「……ずるい人」
提督「ずる賢さが売りなんで」
鳳翔「いいえ。あなたの売りは、そのどうしようもないお人好しです。さぁ、こちらへ」スッ
提督「お、おお…?」
鳳翔「涼しいでしょう?風が通って気持ちいいんです」
提督「……っは。ああ、やっぱり和室は、こうだよなぁ」
鳳翔「立ち上がらないでください。さ、頭をこちらへ」ポンポン
提督「は?」
鳳翔「ひ、膝枕…と、いうのでしょう?こういったものを。さ、どうぞ?」ポンポン
提督「……」
鳳翔「今くらいは、私があなたを守らせてください。……それとも、お嫌ですか…?」
提督「…いや。なんか、すげー懐かしくて」クスッ
鳳翔「はい?」
提督「じゃあありがたく。失礼します」ゴロン
鳳翔「ええ、どうぞ」
提督「……」
鳳翔「……」
提督「……」
鳳翔「……」
提督「………………褒めて、ください」
鳳翔「え?」
提督「褒めてください。昔はこうやって、褒めてもらってたので」
鳳翔「提督、あなたはいつも頑張っておいでです。この背に、御国の命運だなんて重すぎるものを背負って、とんでもない重圧でしょうに、それでも負けじと奮い立って。勝ち目の見えなかった戦に、一筋の光をもたらして。あなたのご威光は、しっかりと国民の皆さんに届いていますよ」
提督「ホント?」
鳳翔「食材の仕入れの時、見るんです。卸売りの方々も、運送業の方々も…皆さん、前と比べて大変安心したお顔をしています。どころか面と向かって、お礼を言われることも。私、とても嬉しいんです。提督の歩みが、確かに人を幸せにしていることが。提督の努力が、無駄になっていないことが。……そして、そんなあなたに、仕えていることが」ナデナデ
提督「……」
鳳翔「提督。あなたの「進軍」は、いまや軍だけでなく、国民を、この国をも突き動かしています。勝てるかも。勝ちたい。勝ってやる。漁業を再開して、流通を盛んにして…皆さん活気づいて、出来る「進軍」を始めているんですよ?この国は、世界は。確実に再盛を始めています」ナデナデ
提督「……」
鳳翔「だから、誇ってください。こうして「一番槍」を勝ち取り、最前線で勝鬨をあげていることに。あなたは、よくやっていますよ」ナデナデ
提督「…………っはは。こっぱずかしい。オレは……本当に個人的な理由で、暴れているだけなのに」
鳳翔「それでもいいんです。いえ、それでいいんです」ナデナデ
提督「……そ、っか。うん、そうなんだろうね」
鳳翔「ええ、そうですとも」
提督「……ありがと。休まったよ」
鳳翔「ダメです。まだ十全ではありません」
提督「や、ホントにもう…」
鳳翔「だーめ。そうだ、耳かきなどいかがでしょう?ちょうど膝枕をしていることですし」
提督「え、や、待っ…」
鳳翔「さぁ、肩の力を抜いてください。今くらいは、私に守らせてください」
提督「……っは。ずるい人」
鳳翔「ええ、それが売りですから」クスッ
提督「……じゃ、お願いします」
鳳翔「はい、任されました」スッ
カサッ
カリカリッ…
提督「んぁ…」
鳳翔「痛いですか?」
提督「いや……むしろ逆……かなりいい…」
鳳翔「いつも駆逐ちゃんたちにせがまれるんです」
提督「……そっかぁ」ウットリ
鳳翔「続けますね」
カサッ
カリッ…
カサカサ……
提督「あ、やばい…これ……力…抜ける……」クター
鳳翔「ゆーっくりしてくださいね…」
提督「……ぁい」
カサカサ…
カリカリッ
………
……
…
龍驤「……で、そのまま寝ちゃったと」
鳳翔「ええ」
提督「……スゥ……スゥ…」
龍驤「なんとまぁ…無邪気な寝顔やな」
提督「…スゥ…」
龍驤「提督みっけ、っと…。妙高が探しとったで?」カコカコ
鳳翔「あら、お仕事の途中でしたか?」
龍驤「ん?さぁ?あんまり急ぎやないけど、でも見当たらなかったから探しとったんやろ」
鳳翔「そうですか」
龍驤「にしても珍しいやん。こんなぐっすり寝て」
鳳翔「随分お疲れだったようですね。提督、ストレスをため込む悪い癖がありますから…」
龍驤「表に出さへんからなぁ。こっちも分からんわ」
鳳翔「疲れた、くらい仰ってくれてもいいですのに…」
龍驤「いつか過労死しそうで怖いわ」
鳳翔「まったくです。今日だってギリギリでしたのに」
龍驤「……それだけやらなきゃいけないことが多いっちゅうわけやな」
鳳翔「私たちにもっとお手伝いができれば…」
提督「十分、手伝ってもらってるよ」
鳳翔「起きてらっしゃったんですか」
提督「んにゃ、今起きた。おは~」
鳳翔「おはようございます」
龍驤「おはようさん」
提督「やること多くなったのは、大本営のせいだし…つか嫌がらせだし。オレも最近自分が提督なのか管理業者なのか分からんくなってきた」
鳳翔「提督は立派な提督だと思いますけど…」
提督「他人の足を引っ張ることしか考えない奴らだよ、ったく…。うわ、陽が傾いてる。結構寝てた?」
鳳翔「はい、そこそこ」
提督「…ごめん、拘束しちゃったな」
鳳翔「いいえ、それよりも疲れはとれましたか?」
提督「ああ、すっきりと。あー!膝枕とか久しぶりだわ。やっぱいいな、膝枕」
鳳翔「これくらいでよろしければ、またいつでも」
提督「ん。そうしようかね」スクッ
鳳翔「もう、大丈夫ですか?」
提督「ん。おかげでHPもMPも全快だ。やっぱ寝ると回復すんだな」グパグパ
鳳翔「は…?」
提督「たまにゃしっかり寝ることが大事だって話さ」
鳳翔「はい、その通りですね」
提督「じゃ、また行ってくるね」
鳳翔「行ってらっしゃいませ」ペコリ
ガララッ…
龍驤「行っちゃった…忙しいなぁ」
鳳翔「ええ、今度は大丈夫そうですね」キラキラ
龍驤「…なんで自分も回復しとるん?」
鳳翔「え?……いいえ?そんなことないですけど?」ウフフッ
龍驤「……はぁ、こっちも満たされたっちゅうことか」ヤレヤレ
はい、こんな感じで。
箸休めなので短めでした。ヤマもオチもなくてすいません。
鳳翔さんに耳かきされたい欲求がパない。
あなたが神か
毎回そう思いながら読んでいます
初風「変わっててその発言はNG」
「変わってて」じゃなく「解ってて」かな?
読んでくださる皆様が神か。
毎回そう思いながら投稿しています。
誤字報告ありがとうございます!
すぐに訂正しますね!
うーちゃん...
何時目覚められるんだろうか...