少女達の未来に、光あれ
これは、1人の剣士と艦娘達が共に紡ぐ、輝く未来への物語…………。
㊗️仮面ライダーセイバー完結‼︎
と言う訳でこんにちは、一条玲です。
いや〜セイバー終わりましたね………
何というか………うん…………
ユーリさんロスです(泣)
本当にユーリさんは『セイバー』の中で1番好きなキャラでした……
ユーリさんが最終回で死んだ時は、本当に泣いた……
(まあ、死んだ一年後にシレッと生き返った時には、『涙返せや‼︎』と安堵の笑いを溢しながらツッコみましたがw)
ただ、ここで筆者は考えた訳です。
『……ユーリさん、復活するまでの一年間どうしていたんだろう?』と。
……ここまでの話で、大方の予想がついた方も居るのではないでしょうか?
そう、この作品は『ユーリの過ごした空白の一年間』がテーマになっています。
ユーリが何を見、感じ、動き、それから仲間達の元へ帰還したのか。
それを追体験するから形で書こうと思います。
※注意
・『セイバーの世界』と『艦これの世界』の時間軸は違います。(「片方の24時間はもう片方の24時間と同じとは限らない」という事です)(……べ、別に『何時でも切り上げられるから』なんて理由じゃないデスヨ⁉︎)
・あくまで『こんな感じ……かなぁ?』という筆者の妄想100%で構成されている事をご理解下さいm(_ _)m
・今回は、『シリアス:ほのぼの』=『3:7』位の比率で行こうと考えています‼︎
・キャラ崩壊、誤字脱字注意‼︎
・本作は、『仮面ライダーセイバー』本編を観ていないと理解出来ない描写等が少し多めに含まれています、ご了承下さい。
以上の点を踏まえた上で、『読んでもいいよ‼︎』という人は、本編をどうぞ‼︎
???(……うっ………)
ーーー気が付いた直後、真っ先に感じたのは『寒気』だった。
身体も、心も、何もかも凍てつかせる様な、そんな『寒気』。
次に感じたのは、『感覚』。
ほんの僅かな重力が、俺の身体を下へ下へと少しずつ、だが確かに引き摺り込んで行くーーーそんな『感覚』。
???(俺は………………沈んでいるのか?)
???(一体…………ここは何処だ?)
そう思い目を開けようにも、瞼がとてつもなく重い。
やっとの思いで、視界が開かれる。
………そこに広がっていたのは、光一つすら差さない『深淵』。
何処を見渡しても何も存在しない、漆黒の『虚無』。
???(俺は、何故こんな所に……………ウッ‼︎)
疑問と共に、突如起こるフラッシュバック。
戦場で巻き起こる、無数の剣戟。
己の矜持と世界の運命を背負った剣士達の、魂の雄叫び。
そして死闘の果てに力尽き、満身創痍で事切れていく仲間達。
…………そんな中、ズタズタな身体を引きずりながら、最後の力を振り絞り仲間達を蘇生させ、光の粒子となって消えた『俺自身』。
???(そうか…………)
???(俺は、死んだのか。)
不意にそう悟る。
暫くし、俺は過去の追憶を脳裏に甦らせていった。
ーーー
………この1000年、様々な物を見てきた。
ーー闇に魅入られた友人が、同志にとってかけがえの無い家族を手に掛けた姿。
ーーそしてその一件で人間に絶望し、世界そのものを破壊すべく、同じくその身を闇へと堕とした同志の悲痛な佇まい。
ーー『世界の均衡を保つ』という本来の意義すら失われ、たった1人の歪んだ思想の為に狂い、変わり果ててしまった組織。
ーー己の原点すら見失い、暴走した果てにその身を滅ぼした者達。
…………本当に、様々な苦難をーーー人の『闇』を、これまで見てきた。
何度も、心が折れそうになった。
だが、俺が見たのはそれだけでは無い。
ーー戦乱の中、己の使命・信念・矜持を最後まで貫き通した剣士達の勇姿。
ーー1000年の間で、人々が形作っていく物へと在り方を変えていった『世界』。
ーー人間が試行錯誤の末に生み出した、様々な叡智。
そう、俺は輝かしく尊い『光』も見てきた。
だからこそ、俺は心折れる事無く戦えた。
己の使命を、ここまで全うする事が出来たのだ。
---
???(……俺の人生………いや、『剣』生か?まあ、どちらでも良いか………)
???(終わるんだな………遂に。)
……実を言うと、俺が消滅するーーー死ぬのはこれで二度目だ。
だがその時は、俺の意思と記憶を、死の直前に手にしていた俺の剣ーーー『光剛剣最光』に移し、剣の内部に保護した為、幸い復活する事が出来た。(現代の言葉では『ばっくあっぷ』と言うらしい。)
だが今回は、力を使い果たしたが故の完全な消滅。
恐らく『俺』という存在は既に消えて無くなっており、今の俺は『残留思念』の様な物なのだろう。
???(『剣』から『剣士』に戻ってから、『痛みを感じる』『食事を摂ることが出来る』等の、久しく忘れていた『生』に対する感覚を覚える事は、俺にとってサイッコーに楽しい事だったんだが…………)
???(……今感じているこの『感覚』は、どうも好きになれそうに無い。)
???(そうか………これが、『死』なんだな。)
俺は、最初で最期に味わう人としての『感覚』を、深く噛み締める。
だが、不思議と『後悔』や『恐怖』は抱かなかった。
???(俺は、自分に出来る事をやり切った。)
???(もう、あの世界に未練は無いし、心配も無い。)
???(あの世界には………世界を守る立派な剣士達が居るのだから。)
彼らならば、世界の『守護者』『調停者』としての役割を果たし、そしてそれを後世の代に正しく受け渡す事が出来るだろう。
???(何と言っても……『最古』の剣士である俺が認めた、『サイッコー』な奴らだからな。)
???(……………。)
???『今のは、俗に言う所の『駄洒落』と言う物なのだろうか……』
???『どうなんだ、飛羽真?』
俺が知る中で、最も熱く、真っ直ぐだった剣士[友]の名を呼ぶ。
だが、その呼び声に応える声は無かった。
???『………そう、か。』
???(ここには、俺1人しか居ないんだったな………)
ふと胸中に沸き起こる郷愁。
???(……………?)
ふと、目元に何かが動く感覚を覚え、右手で目を拭った。
右手に付いていたのは……………『透明な液体』。
???(これは……………)
俺は、その液体の正体を知っている。
だが、それはあくまで『知識』としてであって、『経験』としては今まで知らなかった物。
???(…………これが、涙?)
???(……涙は、感情が昂った時に出るものと聞くが………)
???(………………。)
何故俺が涙を?
暫く考えた後、俺はある結論に至る。
そして、俺の口から自然と溢れたのは笑みだった。
???『…………ハハッ』
そして、声を大にして想いを口にする。
???『……サイッコーだな‼︎‼︎』
……だってそうだろう?
この涙は、ここまで感情を揺り動かされる程の良き仲間達と巡り合った『証』なのだから。
???(俺は、良い仲間を持ったんだな。)
???(永遠の別れを、涙を流してまで拒む程、離れたく無いと思える仲間達と。)
最後に『俺の1000年の人生は、この上無く最高な物だった』事を証明する事が出来た。
それだけであの世への土産話は十分だ。
???(あの世で、古き友人達に自慢してやるとしよう。)
そこまで考え、俺は気付く。
……俺の自我が、段々と薄くなっている事に。
???(……どうやら、時間の様だな。)
???(もう、俺の声は届かないだろうが………)
???『倫太郎、賢人、尾上亮、大秦寺、緋道蓮、神代凌牙、神代玲花、ソフィア……………飛羽真。』
???『お前達の未来に……………光あれ。』
最後に仲間達に贈るのは、未来への祝福の言葉。
そこで、俺ーーー『光の剣士』ユーリの意識は途切れた。
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