2022-09-09 04:52:35 更新

概要

※・本作は艦隊これくしょんの二次創作作品です。
 ・原作と異なる設定を含む可能性があります。
 ・本作に登場する“潮田渚”は暗殺教室に登場する潮田渚の姿をしています。しかし、原
  作のキャラ設定は一切存在しません。お先に潮田渚の容姿を調べることをお勧めしま
  す。
 ・執筆スピードは遅めです。


1-1『ファーストコンタクト』


潮の匂いがする。

とても懐かしい、でも、とても不安になる匂い。

名も無き少年は目を覚ます。

外は暗い、どうやら自分が寝ていたのはソファの上らしい。

豪華な家具、広い部屋、そのどれもが自分には不釣り合いに思える。

??「ここは・・・?」

何もわからない。

なぜ自分がここにいるのか、ここはどこなのか、自分は・・・誰なのか。

ガチャッ。

??「!」

ノックも無しにドアが開く。

女提督「目が覚めたのね。」

そこには美しい黒の長髪の若い女性が立っていた。

??「すみません、どなたですか?」

少年は身体を起こしながら質問した。

零理「私は倉里零理、この鎮守府の提督よ。」

??「鎮守府・・・。」

鎮守府、ここはどうやら軍の施設らしい。

??「あの、一つしつも・・・。」

彼の言葉は零理の一言によって遮られる。

零理「以後、貴方の質問に答えることはできないわ。」

??「え?」

零理が自分の前まで歩いてくる。

零理「貴方の名前は“潮田渚”、そうこれからは呼称されることになる。」

  「そして、もう一つ、現時刻をもって貴方を、佐世保海軍付きの“特殊予備兵”に任命する。」

  「拒否権の行使は認められません。」

渚「え、え?」

脳の処理が追いつかない。

零理「以上、後の詳細は明日の朝に説明するわ。」

  「この部屋を出なければ、部屋の設備は自由に使用してかまわない。」

  「何か用件があったら、部屋の前の者に伝えて。」

零理は淡々と用件を述べていく。

渚「え、ちょっと、待ってください!」

渚はソファから立ち上がる。

零理「では。」

バタン。

零理は部屋を出て行ってしまった。

渚「・・・。」

渚はその場に立ち尽くした。

訳がわからなかった。

特殊予備兵とか言うのに任命された。

ということは、元々自分は軍人だったのだろうか。

それに、

渚「名前・・・。」

“潮田渚”という名前。

これは・・・自分の本当の名前なのだろうか。

記憶のない渚には、こんな簡単な問いですら難題だ。

窓から入る潮風が渚の髪を撫でる。

・・・きっと、今考えても仕方の無いことなのだろう。

潮風の入る窓を閉める。

渚「・・・寝よう。」

渚は再び眠ることにした。

誰のものともわからないその名を抱いて。


-続く-


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