渚~another sea~ 1-2
※・本作は艦隊これくしょんの二次創作作品です。
・原作と異なる設定を含む可能性があります。
・本作に登場する“潮田渚”は暗殺教室に登場する潮田渚の姿をしています。しかし、原
作のキャラ設定は一切存在しません。お先に潮田渚の容姿を調べることをお勧めしま
す。
・執筆スピードは遅めです。
1-2『二回目の朝』
パッパラッパパッパラッパパッパラッパパッパパー。
鎮守府中に朝六時、起床を知らせるラッパが響き渡る。
渚「ん・・・。」
なぜか知らないが、ちょっと嫌な音だ。
起きなきゃ、という気分にさせられる。
名残惜しさを残しながらも渚は毛布を畳み始める。
渚「詳細は今日の朝に伝えるって言ってたけど、部屋で待ってればいいのかな?」
身支度を終えた渚は、さっきまで自分が寝ていたソファに座り直しながら考える。
カチッ・・・コチッ・・・。
時計の針の音が静かに響く。
渚「・・・。」
~30分経過~
カチッ・・・コチッ・・・。
時計の音がうるさい。
渚「本当に大丈夫かな・・・。」
不安になってきた。
渚「そういえば、昨日、部屋の前に人がいるって言ってたような気がする・・・。」
聞いてみれば何かわかるかもしれない。
そう思って立ち上がり、ドアの前まで来てみる。
ドアノブに手をかける。
ガチャッ。
鍵はかかっていない。
ドアを開け、部屋の外を見回す。
渚「あれ・・・誰もいない。」
部屋の前には誰一人として人はいなかった。
渚(・・・。)
(どうしよう・・・ずっとこのままってわけにもいかないし。)
渚が部屋の前で立ち尽くして考えていると、誰かが声をかけてくる。
??「Hey!」
「どうしたんデスカー?」
渚「!」
振り返るとそこには巫女服?のような装いをした女性が立っていた。
??「見ない顔デスねー?」
その女性は少し屈んで顔を近づけてくる。
渚「あの~、どなたでしょうか?」
??「Oh,shit!」
「そういえばまだ名乗っていなかったネー。」
その女性は胸を大きく張ってこう答えた。
金剛「私の名前は金剛、この佐世保鎮守府で第四戦隊の旗艦を務めていマース!」
渚「金剛・・・。」
どこかで聞いたことがあるような気がする・・・。
渚「・・・ん?」
「そういえば今、旗艦って言いました?」
金剛「はい、そう言ったデース。」
渚「それは第四戦隊旗艦の艦長を務めてるってことですか?」
金剛「No,No!」
「わたし(・・・)が、旗艦デース。」
渚「??」
金剛「??」
二人の間に静寂が流れる。
――――――
金剛「What!?」
金剛「艦娘を知らないんデスか!?」
金剛が驚いた顔で再び顔を近づけてくる。
渚「はい・・・初めて聞きました・・・。」
金剛「Oh・・・surprised、びっくりネー。」
金剛がとても驚いた表情でこちらを見ている。
まさに絶句といった感じだろうか。
渚「そんなに有名なんですか?」
「艦娘っていうのは・・・。」
金剛「有名もなにも、この世界で知らない人なんてきっと赤ちゃんくらいだと思いマース。」
渚「そうなんですか・・・すみません、何分記憶がほとんどなくて・・・。」
金剛「記憶喪失、デスか?」
渚「きっと・・・そうだと思います。」
金剛が少し間を置いて話し始める。
金剛「私にはまだ分からないデスが、何か訳ありだということは分かりマシタ。」
「とにかく、立ち話もあれだから食堂にいきまショー。」
「着くまでの間に艦娘のことについても少し話すデース!」
渚「あ、ありがとうございます!」
金剛「それと、私のことは“金剛”って呼んでヨ。」
「提督も皆もそう呼ぶからネ。」
「君は?」
渚「え?」
金剛「名前、なんて呼べばいいデスか?」
渚「あっ、渚、潮田渚です!」
金剛「渚・・・ふふっ、いい名前デスネ。」
「よろしくデス!」
「渚!」
金剛が手を差し出してくる。
渚「はい、よろしくお願いします!」
渚もその手を強く握り返す。
この時、渚は目覚めて初めて笑った。
-続く-
このSSへのコメント