2022-09-23 08:34:04 更新

概要

※・本作は艦隊これくしょんの二次創作作品です。
 ・原作と異なる設定を含む可能性があります。
 ・本作に登場する“潮田渚”は暗殺教室に登場する潮田渚の姿をしています。しかし、原
  作のキャラ設定は一切存在しません。お先に潮田渚の容姿を調べることをお勧めしま
  す。
 ・執筆スピードは遅めです。


1-3『見知らぬ世界』


まだ朝早い佐世保鎮守府の廊下を、二つの影が行く。

向かっているのは食堂らしい。

渚「深海棲艦?」

渚が今日何度目か分からないキョトンとした顔で聞き返す。

金剛「そうデース。」

  「私達艦娘のことを語るにはまず、深海棲艦について話さないといけないネー。」

金剛がコホンと咳払いをして話し始める。

深海棲艦、約10年前より突如として現れた人類史史上最大の敵。

その大きさは人と同程度であるにも関わらず、その身に戦艦や空母等の艦船の能力を有しており、既存の兵器を全くもって受け付けなかった。

その後、人類は敗退を続け、結果、制海権のそのほとんどを奪われ、多くの泊地や駐屯地、島を失うことになった。

渚「そんなことが・・・。」

金剛「私も提督から話を聞いた時は驚いたデース。」

  「たった三年で世界中の制海権を奪われたんですからネ。」

渚「ということは、その深海棲艦に対抗するために生まれたのが・・・。」

金剛が指を鳴らして答える。

金剛「Yes!」

  「かつて、祖国を護るために戦った艦船達の魂を持つ存在、艦娘デース!」

渚「なるほど、じゃあ、金剛さんも・・・。」

金剛「ハイ、私は旧日本海軍の高速戦艦、金剛型戦艦の一番艦、金剛の魂を受け継いでいマース!」

艦娘、在りし日の艦船達の魂を持つ人達、この鎮守府は彼女達が戦うための拠点だった。

そうなると、なおさら気になることがある。

渚「じゃあ、艦娘でも、軍属の人間でもない僕が、なぜここにいるんだろう?」

渚の小さな独り言は聞こえてくる喧噪に掻き消された。

金剛が大きな扉の前で歩みを止める。

金剛「到着デース。」

  「ここが・・・。」

金剛が扉を開けるとそこには食事を取っている多くの艦娘がいた。

金剛「食堂デース!」

渚は改めて驚いた。

なんとなく予想はしていたが、艦娘と言うからには女性しかいない。

すると、数人が渚の方に気付いた。

それは徐々に全体へと伝播し、やがて食堂はざわつき始めた。

渚(あれ、なんかまずい?)

??「失礼、ここは艦娘のみが利用できる食堂だ。」

  「部外者の立ち入りは禁じられている。」

腰まであるロングストレートの黒髪と真紅の瞳を持った背の高い艦娘が声をかけてきた。

頭にはアンテナのようなものがついている。

金剛「NoNo!」

  「長門、部外者じゃないデース!」

  「応接室から出て来るところを見ましたから。」

黒髪の艦娘は長門と言うらしい。

長門「むっ、提督の客人か。」

  「これは失礼した。」

長門が頭を下げる。

渚「あっ、いえ、大丈夫です。」

 「正直、自分でも客人かどうかわからないところなので・・・。」

長門「それはどういう・・・?」

艦娘達「「「おはようございます!!」」」

   「「「提督!」」」

艦娘達が大きな声で挨拶をする。

渚が艦娘達の視線の先を見ると、食堂の入り口に昨日会った女提督がいた。

脇にはなぜか、大きなうさ耳リボンを付け、鼠蹊部をかろうじて隠す程度の超ミニスカートをはいた艦娘が抱えられている。

渚(あれは昨日の・・・!)


-続く-


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