渚~another sea~ 1-3
※・本作は艦隊これくしょんの二次創作作品です。
・原作と異なる設定を含む可能性があります。
・本作に登場する“潮田渚”は暗殺教室に登場する潮田渚の姿をしています。しかし、原
作のキャラ設定は一切存在しません。お先に潮田渚の容姿を調べることをお勧めしま
す。
・執筆スピードは遅めです。
1-3『見知らぬ世界』
まだ朝早い佐世保鎮守府の廊下を、二つの影が行く。
向かっているのは食堂らしい。
渚「深海棲艦?」
渚が今日何度目か分からないキョトンとした顔で聞き返す。
金剛「そうデース。」
「私達艦娘のことを語るにはまず、深海棲艦について話さないといけないネー。」
金剛がコホンと咳払いをして話し始める。
深海棲艦、約10年前より突如として現れた人類史史上最大の敵。
その大きさは人と同程度であるにも関わらず、その身に戦艦や空母等の艦船の能力を有しており、既存の兵器を全くもって受け付けなかった。
その後、人類は敗退を続け、結果、制海権のそのほとんどを奪われ、多くの泊地や駐屯地、島を失うことになった。
渚「そんなことが・・・。」
金剛「私も提督から話を聞いた時は驚いたデース。」
「たった三年で世界中の制海権を奪われたんですからネ。」
渚「ということは、その深海棲艦に対抗するために生まれたのが・・・。」
金剛が指を鳴らして答える。
金剛「Yes!」
「かつて、祖国を護るために戦った艦船達の魂を持つ存在、艦娘デース!」
渚「なるほど、じゃあ、金剛さんも・・・。」
金剛「ハイ、私は旧日本海軍の高速戦艦、金剛型戦艦の一番艦、金剛の魂を受け継いでいマース!」
艦娘、在りし日の艦船達の魂を持つ人達、この鎮守府は彼女達が戦うための拠点だった。
そうなると、なおさら気になることがある。
渚「じゃあ、艦娘でも、軍属の人間でもない僕が、なぜここにいるんだろう?」
渚の小さな独り言は聞こえてくる喧噪に掻き消された。
金剛が大きな扉の前で歩みを止める。
金剛「到着デース。」
「ここが・・・。」
金剛が扉を開けるとそこには食事を取っている多くの艦娘がいた。
金剛「食堂デース!」
渚は改めて驚いた。
なんとなく予想はしていたが、艦娘と言うからには女性しかいない。
すると、数人が渚の方に気付いた。
それは徐々に全体へと伝播し、やがて食堂はざわつき始めた。
渚(あれ、なんかまずい?)
??「失礼、ここは艦娘のみが利用できる食堂だ。」
「部外者の立ち入りは禁じられている。」
腰まであるロングストレートの黒髪と真紅の瞳を持った背の高い艦娘が声をかけてきた。
頭にはアンテナのようなものがついている。
金剛「NoNo!」
「長門、部外者じゃないデース!」
「応接室から出て来るところを見ましたから。」
黒髪の艦娘は長門と言うらしい。
長門「むっ、提督の客人か。」
「これは失礼した。」
長門が頭を下げる。
渚「あっ、いえ、大丈夫です。」
「正直、自分でも客人かどうかわからないところなので・・・。」
長門「それはどういう・・・?」
艦娘達「「「おはようございます!!」」」
「「「提督!」」」
艦娘達が大きな声で挨拶をする。
渚が艦娘達の視線の先を見ると、食堂の入り口に昨日会った女提督がいた。
脇にはなぜか、大きなうさ耳リボンを付け、鼠蹊部をかろうじて隠す程度の超ミニスカートをはいた艦娘が抱えられている。
渚(あれは昨日の・・・!)
-続く-
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