『この銀河が静寂に包まれるその時に、星神と宇宙神の間で紡がれる運命の序曲』ヒットチャート速報
宇宙の秩序と混沌の狭間で、星神と宇宙神の間の古代から続く対話が今、新たな局面を迎える。宇宙神が掲げる平和の使命と、星神の自由意志が交錯する中、銀河の未来は一つの選択を迫られていた。不滅の星を望む者、自然の摂理に身を任せる者、その思惑が織り成す物語の行方は――。
宇宙は、永遠にも見える星々の輝きに満ち、しかし同時に無限の闇を抱えていた。そんな宇宙の片隅で、星神と宇宙神の会話が静かに続いている。星神は、自らの管理する星々が、宇宙神の意志に沿う形でのみ繁栄し、その終焉を迎えることに疑問を感じ始めていた。
「星神よ、お前の考える平和とは?」宇宙神の声は深遠で、星々の間を渡り、星神の心に響く。
「平和とは、存在する全てがその意志で選ぶことができる状態です。それが私の探求する答えです。」星神の答えは静かだが、その言葉には強い決意が込められていた。
両神の会話は、銀河の命運を左右する重大なものでありながら、あまりにも穏やかで、まるで遠い記憶の中の夢のようだった。それは、星神が探求する平和への道が、必ずしも宇宙神の意志と一致するとは限らない、という複雑な真実を示していた。
この世は混沌の中にある。
「では、その方法とは?」
「それは言えない」
「どうしてだ。教えてくれても……」
「星神よ、宇宙神がこの星に与えた使命を果たせ」
「その使命とはなんでしょうか」
「この星に住まうすべての人間が、平和を望むことじゃ」
「それは、宇宙神の言う通りだ。しかし、星神にだって、宇宙神の言いなりにはならない権利がある」
「そうかもしれんな」
「星神の役割はなんだ」
「それは、すべての星が正常な状態に戻るようにすること」
「宇宙神が星神に管理者を任せたということは、宇宙神の意思は正常に戻すということにあるのですね」
「そういうことだ」
「でも、星には寿命がある。それは仕方のないことなのか」
「宇宙神は星に不死性を与えることもできる。宇宙神の力を利用すれば星は永遠に存続させることができる。しかし、星に永遠の繁栄を求めるか、滅亡の危機に瀕しても、星の未来を選択するかは、星の運命に委ねられるべきだ」
「では、銀河の正常を取り戻すためにも星を正常な状態に戻さなければならないということか」
「銀河の正常化には時間がかかりそうだ。その間、星の管理ができるかどうか……。銀河は銀河でもいろいろとある。その星の管理者に話を聞く必要がある」
「その星の管理者に会わせてくれるのか?」
「星の管理者に会うためには、その星の星神の力が必要だ。星神よ、お前の力で管理者を呼び出してもらうしかない」
「その管理者をどうやって呼び出す?」
「その星神にもわからないようだ。星の管理者と会うには星の管理者になるしか道はない。お前は星の管理者になりたいのか?」
「私は、銀河の管理者になるべき者だと思っている。しかし、それは私自身が望んでいるわけではない。ただ、星の管理を行うのであれば星の管理者になる他ないだろう」
「星の管理者になる方法は一つ。それは宇宙神になることだ」
「それが、私の望むことではない。星神でいることが私にはふさわしいし、また星の管理者になることも相応しいとは思わない」
「では、星神よ、その星の管理者を呼んできてほしい」
「あなたは、星の管理者を呼び出せるのですか」
「できる」
「その方法を私に伝授して下さい」
「わかった。では、星神よ、お前に力を貸し与えよう。今から、私が教える通りにやればうまくいくはずだ」
女は男の肩に触れて何かを唱えたあと、「これが星の管理者になるための呪文だ」と告げたのだった。すると、男は眩いばかりの光に包まれる――……
その日以来、彼の姿を見た者はいない。
ただ、ある星の異常を解決するために、星の管理者は旅立ったのだと伝えられるのみである。
宇宙神が死んでから約2年が経過した2016年の8月13日の午後11時58分、空を見上げると一筋の流れ星が落ちていくのが見える。それは大気圏に突入して燃え尽きるのだが、その時に流れ星に向かって光の粒子が集まっていき吸い込まれていった。その光が消えたとき、その場所は異次元空間となり、時空が歪み始める。そして、時間の流れが狂い始めたのである。
人々は流れ星を見ると幸せになれるとか、金運がアップするなどと言われることがあるが、それは間違いである。それは、宇宙からの贈り物なのだ。それは、宇宙神の死を意味するものであるからだ。
この世界に神は一人だけいるが、この世界の管理者である「宇宙神」がいなくなったことでこの世界の秩序が崩れ始めていた。宇宙神は宇宙に存在する9つの惑星を管理しており、そのうちの7つは宇宙神の管理下にあり、この惑星もその中の一つだ。残り3つの惑星は宇宙神のコントロール下にある惑星であるが、他の惑星を管理するシステムが存在している。宇宙神はそのシステムを利用して、この惑星の状態を管理しているのだ。このシステムは宇宙管理システムと呼ばれている。このシステムを構築、管理するのが「星神」と呼ばれる存在である。宇宙神が死んだことによって星神が管理するシステムが停止してしまったのだ。この惑星が地球と呼ばれていたころ、この惑星は地球管理システムに組み込まれていた。そのため地球管理システムのコマンドを受け付けず暴走してしまっていた。そして宇宙管理システムのバックアップも受けられなくなってしまったのだ。そして、星神が宇宙管理システムの代わりとして機能させることとなる。星神の仕事はこの惑星の生命を守ることである。この惑星が正常化されるまで、この惑星を守り続けなければならないのだ。
宇宙管理システムが起動できない以上、惑星の異常は解消されることはない。そして、宇宙神のように宇宙神システムのメンテナンスを行える人材もいないため、宇宙神の作ったシステムがそのまま残されているのだ。この惑星を宇宙神に代わって守る者が必要だった。星神に求められたのは、宇宙神と同じ役目を果たすことだった。宇宙神と同じように宇宙管理システムを再構築し直すことが求められた。星神にしかできないことなのだ。この惑星が正常化されない限り、この世界を救うことはできないのだから。
この惑星の生物たちは、地球という環境に慣れてしまっているので、このまま放置してしまうと、地球の生き物よりも凶暴化しやすくなる。地球管理システムによって管理されている惑星なら、地球の生態系の影響を受けているが、そうでないこの世界は地球とは異なる環境のため地球と同じような環境を維持することが困難になってくる。つまり、この世界が本来の姿を保とうとすれば、宇宙の環境をこの世界に適用させなくてはならないのだ。それは星神には難しいことではなかった。なぜなら、宇宙神のシステムを使ってこの世界を管理しているためだ。星神がこの世界で生き続ける限り、この世界もこの世界のまま維持し続けることができる。しかし、星神もいずれは死ぬ運命だ。それはこの世界が存在するかぎり逃れられない定めなのである。だからといってこの世界を放棄することは許されない。放棄すれば宇宙全体が崩壊する危険があった。この世界が崩壊してしまうと星神も消滅してしまい、この世界は宇宙に存在しなくなってしまうだろう。
この世界を維持するためには星神が不可欠だ。除けば破滅する。
すると管理システムに異常が生じに他の星々も宇宙の藻屑になる。秩序の守護神なのだ。
そう言われて男はとっさに口から出まかせを言った。
「こ、この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係ありません」
「ほう? じゃ、―――『宇宙戦争』という小説を知っているだろうか???」 「え!?」
男は思わず絶句した。
(なぜ、そのタイトルが出てくるんだ)
「いや、知らない」
「では、『宇宙戦争は現実に起こるか?』という本を読んだことがあるか?」
「ない」
「では、――『銀河ヒーロー列伝』は読んだか?」
「……」
「やはり、読んでいないようだ」
「いや、ちょっと待ってくれ」
「なんだ?」
「お前は電気勇者か?どうしてそのタイトルを次から次に出すんだ」
「それは君の記憶が、この本の内容を憶えてるということだ」
「まさか!」
「君は、自分の記憶力について考えたことがあったのか?」
「そんなこと、あるわけないだろう」
「それはどうだかな」
「なんでお前がそれを言える?」
「それは、私には、君の心の声が聞こえているからだ」
「嘘をつくな! 心が読める人間など存在するはずがない!!」
「そうだ、普通の人には無理だ。しかし、私は特別な存在なのだ」
「それはどういう意味だ」
「私の名前は銀河神だ」
「はあー? ふざけるのもいい加減にしろ」
「ふむ、では質問を変えよう。私の顔を見てどう思う?」
「お前の顔だと?」
改めて相手の顔を眺めるが……、まったくもって見覚えのない人物だった。顔のつくりは日本人に近い。髪の色は黒ではなく茶色だ。瞳の色も青っぽい色をしている。しかし、肌は黄色人種とは違い真っ白だ。そのせいなのか、とても目立っている。身長は180センチほどあり筋肉質で、よく見ると鍛え上げられた肉体の持ち主だ。それに、かなりのイケメンだ。女性にモテそうな感じだ。
この男が何者なのかは分からないが、おそらく宇宙人であろう。それくらいしか分からなかった。
男は混乱していた。
相手はいったい何者なのだろうか。
しかし、一つだけ分かることはあった。
それは、自分が追い詰められているということだった。
目の前にいる銀河神と名乗る男は、なぜかはわからないが、こちらの心が読めているようだ。
しかし、自分には、相手の名前も素性も年齢も何もかもわからない。
そのことが相手に知れ渡ったら殺されてしまう。何しろ宇宙電気勇者は覚醒剤密輸組織のボスだ。そして、拳銃を所持する危険な人物である。
何か良い方法はないのか……。
必死で考えるが思いつかない。
その時、ふと思い出したように、ポケットの中に手を入れた。
――あった!! ポケットの中には一枚のコインが入っていた。
このコインは子供の時に遊んでいたおもちゃの通貨だった。裏表で絵が違っており、その図柄を当てる遊びだった。子供の頃は絵柄がすぐに分かったが、大人になった今では、
「これは……、猫だ」
「正解だ」
「え?」
「お前は、私の名前を言えたはずだ」
「お前は、もしかして俺のことを試したのか?」
「ああ、その通りだ」
「それで、俺は合格だったのかい」
「もちろん、合格だ」
「それは良かった」
「では、私から君に一つ提案がある」
「なんだ?」
「私から君に特別な力を与えよう。この力を使って、宇宙戦争を阻止し、星神を救えるのだ。君は宇宙電勇者だから、その力を使うことができるはずだ。ただし、力を使うことによる代償もある。君の運命を変える覚悟はあるか?」
男は銀河神の言葉に戸惑いながらも、自分の運命を変えるチャンスを手に入れたことに興奮していた。彼は少し考えた後、決断を下した。
「私は宇宙を救うために、その力を使います。どんな代償が待ち受けていようとも、私は受け入れます」
銀河神は微笑みながら頷き、男に手を差し伸べた。
「よし、では契約を結びましょう。この力を使って、星神の復活を果たすのだ」
男は銀河神の手を握りしめ、心の中で覚悟を決めた。彼は新たな冒険に身を投じる覚悟を持ちながら、未知の力に身を委ねていった。
そして、宇宙の運命は彼の手に託された。
「では、今から私の能力を与える。まずは心を落ち着かせてくれ」
「はい」
「目を閉じ、精神を集中させ、宇宙神の姿を思い浮かべるのだ」
「わかりました」
「いいぞ、そのまま続けてくれ」
「……」
「そろそろいいか」
「はい」
「よし、これから君に、特殊な能力を授ける。君に与える能力は『テレパシー』だ」
その瞬間、彼の頭の中に宇宙神の姿と声が流れ込んできた。その映像と音声は鮮明であり、本物と変わらないものであった。宇宙神と直接、交信しているような不思議な感覚であった。
宇宙神は男の頭に語りかけた。
――これが星神との会話だ。理解できたかね? 男は宇宙神に問いかけられたことで我に返った。そして宇宙神に返事をした。
――はい、なんとか理解できました。ありがとうございます。
すると、また宇宙神の声が脳内に流れてきた。
――では、この力で星神を救うのだ。
――はい、必ず使命を全うします。
すると、男は不思議な光景を目にした。それは、目の前にあるはずのものが透けて見え、背後の風景がはっきりと見えたのだ。
(なんだ、これは?)
さらに、男は宇宙空間を飛んでいるかのような錯覚に陥った。まるで空を飛んでいる気分になっていた。
そこで
「どうやら上手くいったみたいだな」
と、銀河神が声を掛けた。
男はハッとして銀河神を見つめると、そこには銀河神の姿はなかった。男は辺りを探したがどこにもいない。
男は慌てて周りを見たが銀河神を見つけることができなかった。
――銀河神様? どこへ行かれたのですか? 銀河神を呼んでみるが返事がなかった。
すると今度は宇宙の景色に変化が訪れた。星が輝き
「おーい」
と、呼ぶ声が聞こえた。
その声は、先ほどまで聞いていた銀河神の声だった。
「銀河神様、ここですよ」
男は銀河神に呼びかけた。しかし、銀河神は姿を見せることはなかった。
――星神よ、聞こえるか?
「はい、聞こえています」
――星神よ、君はこの世界を守るのだ。それが君の運命なのだ。
「分かりました」
――星神よ、私にできることは少ない。しかし、私は君の味方だ。いつでも相談に乗る。困ったことがあったら連絡するんだ。
「はい、銀河神様、ご協力に感謝いたします」
男は銀河神のアドバイスに礼を言った。
――では、さらばだ。星神よ、幸運を祈る。
銀河神はそう言うと、星神に別れを告げて消えてしまった。
男は銀河神と別れたことを残念に思った。しかし、銀河神に会えてよかったとも思っていた。
男は銀河神との出会いによって、この世界の真実を知ることができた。
この宇宙には銀河と呼ばれる大きな塊があり、その中に無数に存在する小さな惑星の一つに地球が存在する。
この世界は銀河の中にある無数の星の中の一つであり、銀河は銀河系と呼ばれ、その銀河系の中には太陽系を含む多くの惑星が存在する。
この宇宙は複数の銀河が集まっており、それらの一つ一つに別の宇宙が存在している。
銀河の集合体である宇宙は、その大きさや性質が異なる。
この宇宙は、一つの銀河を中心にして、その銀河を取り囲むように、他の銀河がいくつも存在している。
この銀河の中心には、この宇宙を支配する巨大なエネルギーが存在する。そのエネルギーは、この宇宙全体を維持する役目を果たしている。
そのエネルギーは、光や熱や音などの様々な形を取り、この宇宙のあらゆる場所に影響を与えている。
その力は絶大で、全てのものを創造することができる。
この力を利用して、この世界を正常化させることができる。
しかし、力を使えば使うほど、宇宙のエネルギーが減少していく。そのため、宇宙の維持に必要な力が減少すれば、いずれはこの宇宙自体が崩壊してしまう。
その危機を回避するためには、宇宙のバランスを保つことが必要だ。
そのバランスを保つために、宇宙には特別な存在が必要になってくる。
その存在が星神だ。彼らは、宇宙の平和を維持するために存在している。
宇宙神は
「私の名前は銀河神だ」
と名乗っていた。その正体は分からないが、おそらくは、人間とは違う種族の存在なのだろう。この世の法則とは異なる原理に基づいて行動しているようだ。そして、この宇宙を管理する重要な役割を担っているのだろう。
男はそのことを知った時、なぜ自分がこの世界に呼ばれたのか理解した。それは、この世界が危機に瀕しているため、この世界での役割を与えられたということなのだ。この役割とは、宇宙の崩壊を防ぐことである。
男は宇宙神から与えられた使命を胸に、力を借りるための方法を求めて旅を続けていた。
彼はさまざまな星々を訪れ、知識と情報を収集しながら、自身の力を高める方法を探していた。そんな中、ある星に辿り着いた男は、そこで古代の書物を見つけた。
その書物には、星神たちが使う特別なエネルギーの源である「星の核」というものが記されていた。星の核は、宇宙のエネルギーを集め、蓄える役割を果たしており、星神たちはその力を借りて宇宙のバランスを保っていたのだ。
男は興奮しながら、星の核を見つけるための手がかりを探し始めた。書物には、星の核があるとされる場所や、その力を使う方法についてのヒントが記されていた。
彼は星々を巡りながら、星神たちが残した謎解きや試練に挑み、星の核を見つけるための鍵を手に入れていった。
そして、数年が経ったある日、男はついに星の核があるとされる星に辿り着いた。その星は美しい光に包まれ、神秘的な雰囲気が漂っていた。
男は心を落ち着け、星神たちの教えに従い、星の核にアクセスする方法を探り始めた。しかし、星の核は容易に手に入るものではなかった。
彼は星の中に入り込み、複雑な迷宮やトラップに立ち向かいながら、最終的に星の核の場所を見つけ出すことができた。
しかし、男は驚くべき事実を知ることになる。星の核に触れると、その力を借りる代わりに、自らの命を捧げる必要があるというのだ。
男は迷いながらも、宇宙の命運を背負い、星の核に手を伸ばした。彼の身体は光に包まれ、彼自身も宇宙の一部となっていった。
そして、男は新たな力を手に入れた。その力は宇宙のバランスを保つために使うことができるものであり、彼は星神たちと共に宇宙の平和を守る使命を果たすこととなった。
彼の旅はまだまだ続くが、彼は決して諦めることなく、宇宙の未来のために戦い続けるのであった。
「君に与える能力について説明しよう」
と言って話を始めた。その能力というのが、『テレパシー』である。これは自分の心で念じるだけで相手にメッセージを送れる能力らしい。しかも、相手との距離に関係なく、どんなに遠く離れていても問題なくコミュニケーションが取れるそうだ。
ただし、相手が応答してくれなければ意味がない。
また、自分の心を相手に届けることはできても、相手の心を読み取ることはできないようだ。相手の心の状態を探ったり、心を覗いたりすることはできない。あくまでも自分の心を相手に送るだけである。この能力は、相手と会話するためのものではないのだ。
ちなみに、相手の心に話しかけることもできる。しかし、相手は返事をすることができないのがデメリットだ。つまり、一方通行になってしまうのである。
この能力は相手を洗脳することもできるらしく、使い方によっては悪用される恐れもあった。
宇宙は広いからなあ。俺以外の宇宙人がいても不思議ではないし、その能力を使われたら面倒なことに巻き込まれる
「君に与える能力については以上だが、何か質問はあるかね?」
と銀河神が訊ねてきたので、
「はい、宇宙神さま」
と返事をした。
「何かね? 何でもいいぞ」
「はい、それでは一つだけ。あの、僕が持っているコインって……」
「ああ、あれか。君の星では通貨として使われているものだろ」
「はい、そうです」
「君の星では、物の価値を数字で表すのだよね」
「はい、その通りです」
「君の星では、お金はどうやって手に入れるのだ? 紙幣や硬貨などを使って取引を行うのだろ」
「えっ、まぁ、そうですね」
僕は答えに困ってしまった。この世界の人たちは、いったいどこから金や銀を調達しているのだろうか。
「それはどういうことだ。まさか、どこかの星と戦争でもしているのか」
「いえ、そういうわけではありませんが」
「では、どうなっているんだ? 貨幣制度を統一した方が管理しやすいのではないか」
うーん、これはどうしたものかな……。
「あのぉ、この星には銀行とかありませんか」
「ぎんこ……なんだ? それは」
「はい、銀行というのは、簡単に言うと、お金持ちがお金を預けておく場所のことです」
僕は銀行の仕組みを説明した。すると、銀河神は納得してくれたようで、
――なるほど、そのようなものか。
と言った。
それからしばらく話をして、そろそろ帰る時間になった。銀河神は
――また来るといい。いつでも歓迎するよ。
と言い残し、消えてしまった。
銀河神との謁見を終えた俺は、この世界のことや、この星のことをいろいろ調べてみた。
この世界は、地球と同じ環境になっているが、文明のレベルは地球の中世くらいで、魔法が存在している。しかし、この星には科学力がほとんど存在しないので、高度な科学技術を使える地球人にとっては住みやすいところかもしれない。
ただ、不便さを感じる部分も多くある。たとえば食事のことで言えば、米が食べたくなったら水田を探して栽培しなければならない。パンなら小麦畑を探せばよいが、稲作をするとなると大変な手間と時間がかかるだろう。そもそも水場の確保が大変だし、水質汚染の問題もある。この世界の植物が地球に存在しているものとは限らない。仮に地球に存在する植物が存在しなかった場合、品種改良なども必要になるだろう。そう考えると、かなり苦労することになるだろう。農業改革にも乗り出さなければならない。それに、化学肥料が使えないから栄養不足になりかねない。その点を考慮して食料を生産しなければならない。そうなると、ますます人口が増えていくことになる。食糧難に陥った場合の対策も考えなくてはならない。さらに、この星には存在しない病原菌などの可能性もある。未知の病気に対する予防策を講ずる必要もあるだろう。そう思うと気が重くなるが、何とか解決するしかない。まずは、この世界の生態系を調べておかないと。この星は、人間が生活するうえで、あまり向いていないような気がするな。
そんなことを考えていた矢先、一人の男がやってきた。
男は黒いローブに身を包み、フードを被っているので顔がよく見えない。
――誰だ? この男。怪しいな。と思っていると、その男はいきなり土下座して地面に頭を擦りつけた。
――おい、何やってんだよ! これじゃ、どっちかっていうと不審者じゃないか。
この世界にはこんなヤツもいるのか。油断できないな。
男は僕の反応を無視して謝罪を続けた。
その男は突然やってきて謝り始めた。よく見ると震えており、全身汗びっしょりだった。呼吸も乱れて苦しそうだ。よっぽど急いでここまで来たのであろう。とにかく、このまま放っておくと、死んでしまうんじゃないかという感じがしたので、話を聞くことにした。その前に、この男は一体何者か聞いてみることにした。すると、その男は、自分はこの国の王子であり、王からの命令でここへやって来たと答えた。
――この国というと、アメーリカ王国か。ということは……。
そう思い、男の顔をよく見てみると、確かにその男の顔に見覚えがあった。
彼は以前、僕に手紙を渡してくれた人物である。たしか名前は……
思い出した。彼はこの王国の第3王子のはずだ。
彼がなぜここにいるのかという理由が気になったが、今はそれよりも、もっと別のことが気にかかっていた。それはこの男が、なぜ自分に助けを求めるようなことをしたのかということである。もしやと思い、この世界に来た目的を聞いてみると、やはりこの世界に召喚された理由について知りたいようだ。そして、この世界にやってくる直前の記憶がなくなっているのだとか。おそらく、銀河神の力で記憶を消されている可能性が高いとのことだった。
僕はその話を聞きながら、やっぱりと思った。
おそらくこの男は、何か重大な事件に巻き込まれたのだろう。それで記憶を失ってしまったのだ。だから、この世界にやってきたのだ。銀河神が言っていたように、この世界を救う使命を与えられているのかもしれない。そして、彼はそのために僕のもとへ訪れたのだ。
その後、彼にいろいろ質問をして分かったことは、次のようなことだった。彼はアメリカにあるハーバード大学の経済学部に所属している学生である。専攻は金融学だ。
彼は現在19歳で大学2年生である。
趣味はサッカーと映画鑑賞で、特にホラー映画を好んで見ているらしい。
ちなみに、彼曰く、この世界で目覚める前の最後の記憶は自宅の部屋の中で、ベッドの上で眠っていたらしい。そして、目が覚めた時には見知らぬ洞窟の中にいたのだという。
――もしかしたら、この洞窟に転移させられたのではないか? そう思った僕は、その洞窟の中を調べようとした。すると、その時、外から誰かが走ってきた。そして、勢いよく扉を開けると、僕たちの目の前に現れた。その人物は女で、彼女は手に持った剣を僕に向けて構えている。
――うわぁぁぁ!! ちょ、ちょっと待ってくれぇ~!!! と僕は叫んだ。
その叫び声に驚いて、彼女もまた、 キャァーーーッ! という悲鳴を上げた。
第3王子は一息ついて言った。「私の名前はアレクサンダー。あなたがこの世界に送り込まれた理由と同じく、私もまたこの世界を救う使命を担っています。」
主人公は答えた。「だとしたら、私たちは協力するべきですね。」
その瞬間、扉が勢いよく開き、一人の女性が剣を持って入ってきた。しかし、彼女は主人公と王子を見て、剣を下ろした。
「ごめんなさい、私はリリア、この地の守護者です。あなたたちはこの世界を救うために来たのでしょうか?」
主人公とアレクサンダーは頷いた。
「それならば、私たち三人で力を合わせましょう。この世界の存続がかかっているのですから」とリリアは言った。
数ヶ月後、三人は多くの困難を乗り越え、この新しい世界に平和をもたらす方法を見つけ出した。科学と魔法、二つの力を組み合わせて、新しい秩序を築いたのだ。
主人公はアレクサンダーとリリアに感謝の意を示し、「私たちがこの世界に来た理由は、何か大きな計画の一環であったのかもしれません。しかし、それが何であれ、私たちはこの世界をより良い場所にした。それだけで十分です。」
アレクサンダーとリリアは同意し、「私たちの使命は終わりましたが、この世界の未来はこれからです。新たな課題が待ち構えているでしょうが、それもまた新しい冒険ですね」と笑顔で言った。
そして、三人はそれぞれの世界へと帰っていった。だが、その心には新しい世界での冒険と友情、そして達成感が刻まれていた。
星神と宇宙神の調和のスープ
宇宙の元素と星々の輝きを表現するためのものです。混沌と秩序が交錯する宇宙のエッセンスを食通のために再現します。
材料
星の輝きを表すためのエディブルゴールド(金箔)
宇宙の深淵を象徴する黒いセスキナ(スキナの黒い品種)
銀河を模したクリーム色のセスキナ
星神の清らかさを表すクリスタルソルト
宇宙神の深遠さを象徴するミッドナイトブルーの食用花
レシピ手順
セスキナを細かくスライスし、星座の形に整える。
水を沸騰させ、星座の形に整えたセスキナを優しく入れ、透明感を出すためにさっと火を通す。
スープを静かに器に注ぎ、セスキナの星座を浮かべる。
エディブルゴールドと食用花で銀河の輝きと深淵を表現し、仕上げにクリスタルソルトを星のように散りばめる。
完成品
このスープは、銀河の秩序と混沌が混在する宇宙を表現しています。星神の清らかさと宇宙神の深遠さが一つの器に調和し、食べる人に宇宙の壮大さと神秘を感じさせることでしょう
このSSへのコメント