零の艦隊 ♯1 閃光のその先に
人生初のSSってやつです。
ひっどい文章ですがお付き合いいただければ…
ーこれは、血湧き肉躍る大海戦の物語ー
ここは、どこだろうか。
閃光に焼かれた眼が機能を取り戻し、窓際からの景色を確認できた時、私はそう思った。
青々とした空の下には、凪た海原が何処までも続いていた。
我々は先刻まで氷山ひしめく大荒れの北極海にいたはずだ。
あの閃光に巻き込まれたことで船ごと何処かに飛ばされてしまったらしい。
かつてはワープなんて聞いたら鼻で笑ったものだが、数々の“超兵器”と渡り合う経験をすると、意外とこの事実をすんなり受け入れることができた。
暗雲の下、少し先に見える摩天楼は、愈々最後の刻を迎えようとしていた。
艦尾からは黒煙が立ち上がり、雄大な主砲も全てが沈黙している。
「やっと終わった」と息をつく乗員も多かった。
我が軍の艦隊は兵器を超えたこれに粗方破壊されてしまっており、残ったのは遊撃艦隊として作戦に参加した自艦と指揮下の3隻、及び沈みかけの友軍艦がいくらか視認できる程度であった。
それでも敵国最強の戦艦を沈黙させるに至ったのだから、部下たちからは清々しい勝利の雰囲気が醸成されていた。
しかし、彼の船は最後の抵抗を開始してしまった。
南の方向へ指向された波動砲に光が収束され始めたのだ。
勝ち鬨を上げんとする空気から一転、コイツはまだ動きやがるのかと戦慄するこの空気が、ピリピリと身に染み入ってくる。
しかもこの方角にフルチャージで発射されると幾つの島が消し炭になるかわからない。
2隻あれば世界を滅ぼせるとまで語られた大戦艦は最後の最後にそれを成し遂げようとしているに違いなかった。
「面舵一杯!避けろぉぉぉ!」
陸地を吹き飛ばす攻撃をこの身に受けてもしょうがないので回避指示を飛ばす。
舵が効き始めた頃、左舷後方に陣取った僚艦の一隻が、耳をつんざく轟音と共に百センチ砲を発射した。
たった1発の砲弾は、見事にも波動砲の基幹部を吹き飛ばしたが、どうもそれがいけなかった。
いや日本やオーストラリアが消し炭になるよりはマシだったか。
少なくとも制御を失ったエネルギーの塊は、摩天楼の艦首で暴走を始めてしまったのだ。
副官が何やら怒号を飛ばしたが、彼の声を聴き取る前に、悪魔の兵器がこの世の“すべて”を吹き飛ばしてしまった。
そこから真っ白になった視界が復活し、モノをまともに考えられるようになって、辺りを確認して、今に至る。
次回から本格的に話をおっ広げようと思います
完結するかはわかりませんがよろです
まだ艦これ要素皆無なのはごめんさい。
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