2015-12-11 21:44:42 更新

前書き

三作目です! これを見て、『愛』を感じれれば、大丈夫です!


~表理一体~


 404号室 上条宅


上条「はぁ、宿題全然終わんねぇ」


上条「大体この量、一か月で本当に終わんのかよ」


上条「くそ、垣根や一方通行なんて『あのくらいなら、お前らの勉強見てる間に終わったぜ』なんて言いやがって」


上条「・・・・・・テレビでも見てみるか」ポチリ


司会者『さあ今日のゲストは、モデルの麦野沈利さんでーす』


麦野『よろしくお願いしまーす』


上条「お、麦野さんだ」


司会者『そういえば麦野さんは高校生だから、夏休みなんですよね?』


麦野『ええ、そうですね』


司会者『宿題なんかはもう終わってるんですか』


麦野『はい、七月中には終わらせました』オーーー


司会者『いやえらいですね~』


麦野『いえいえ、そんなとんでもないですよ』ニッコリ


上条「しっかし、こうやって見ると全然違うな、普段と」


N『説明しよう! 麦野沈利、とある学園高校三年生にして学園序列第四位の頭脳の持ち主。しかも見た目も綺麗で、高校一年の時からモデル活動もしている。まさに、才色兼備の言葉がぴったりの人物である! が』


上条「普段からこのくらいおとなしかったら、絶対好きなってたよな~」


N『そう、麦野沈利は、テレビと学校生活では性格が全然違う。テレビでは、綺麗で丁寧語のお嬢様な感じのキャラクター。だが、学校内では手下を何人も携える不良グループ「group」のリーダーで、性格は理不尽の文字がぴったりで、武芸に秀でて驚くほどに強い』


司会者『しかも今だから言いますけど、最初見たとき絶対大学生だと思いましたもん』


麦野『ええ~酷いな~』ピク


上条「(あ、これちょっとキレたな)」


司会者『だって見た目おちつきすぎて、とても高一には見えませんもん』


麦野『あ~、そうゆうこと言っちゃうと』


司会者『言っちゃうと?』


麦野『ブ・チ・コ・ロ・ス・ゾ♪』ニッコリ


司会者『』


上条「うわ、司会者凍りついちゃったよ」


ピンポーン


上条「ん? はいはい、どちら様ですか?」ガチャリ


滝壺「わたし」


上条「あれ? 随分と珍しい客がきたな、まあどうぞ」


滝壺「おじゃまします」


上条「飲み物、麦茶でいいですか?」


滝壺「うん、おかまいなく」


上条「で、今日はどうしたんですか、滝壺先輩一人なんて珍しいですね。他のメンツは?」


滝壺「きぬはたは映画、フレンダはフレメアと一緒に出掛けた、むぎのはわからない」


上条「ふーん。まあいいけど、どうぞただの冷たい麦茶です」


滝壺「ありがとう」ゴクゴク


上条「そういえば浜面は?」


滝壺「」ピク


上条「ほとんど暇さえあれば一緒にいるのに、今日はどうしたんです?」


滝壺「はまづらは・・・・・・」


滝壺「はまづらは・・・・・・」メキメキメキメキメキメキ


上条「(ヒィィ! ステンレスのコップが、まるで紙コップでも握り潰すかの如く形が変わった!)」


滝壺「はまづらが、最近会ってくれない」


上条「そ、それまたどうして?」


滝壺「・・・・・・わからない、いつも『今日は用事がある』の一点張り、怪しいから一回後をつけた。そしたら」


上条「そしたら」


滝壺「麦野と・・・・・・デートしてた」メキメキメキメキ


上条「マジか(やめて! そのコップの耐久値は既にゼロよ!)」


滝壺「それはもう・・・・・・楽しそうにあっちに行ったりこっちに行ったり」


上条「い、いやもしかしたら、ただ買い物に付き合わされただけかもよ?」


滝壺「それなら隠す必要はないはず」


上条「確かに、そうだよな」


滝壺「きっと、浜面は・・・・・・」


~どっかの浜辺~


麦野『浜面、私今日こそ、あなたに言いたいことがあるの』


浜面『ん? 何だい、あらたまって』タキツボホセイ百五十%


麦野『前からずっと、言いたかったの。でも、浜面には滝壺がいるから』


浜面『でも・・・・・・今は滝壺はいない』


麦野『だから言うの、私、ずっとあなたの事が!』


浜面『俺も・・・・・・実はお前の事が!』


麦野『仕上!』


浜面『沈利!』




滝壺「・・・・・・なんてことに、なってたんだよ」


上条「いやいや、浜面美化されすぎだろ」


滝壺「ううん、はまづらはカッコいい」


上条「盲目ですね~」


滝壺「カッコいいから、麦野もはまづらを・・・・・・許さない」ゴゴゴゴゴ


上条「(な、なんだこの闘気は! あの穏やかで物静かなちょっとヤンデレ気味の滝壺先輩から、激流の如き闘気が!)」


滝壺「ここからが本題、今日もはまづらは出掛けている。おそらく麦野と」


上条「ま、まさかついて来いと?」


滝壺「イエス」


上条「・・・・・・一応聞くけど、何で俺?」


滝壺「まず、はまづらと同じヘプタゴンである」


上条「たしかに、でも俺以外にいるだろ」


滝壺「消去法」


上条「消去法?」


滝壺「まず垣根、力はあるけど悪ふざけが過ぎそうだから削除」


滝壺「次に削板君、彼は一番力があるけど、こうゆう物事に鈍感すぎて削除」


滝壺「一方通行・土御門・青髪君はすべてにおいて論外」


上条「地味に最後の三人の扱いが酷い」


滝壺「いる場所は分かってる。近所の大型ショッピングモール、今からそこに行こう」


上条「まぁ、いいけどさ」



~ショッピングモール内~


滝壺「はまづら達は、二階のフロアのどこかにいる」


上条「一応聞くけど、どうしてここだって分かるんですか?」


滝壺「盗ち・・・・・・女のカン」


上条「女のカン・・・・・・ねぇ?」


滝壺「何か?」


上条「いえ! 何でもありません!」


滝壺「じゃあ私は右から見ていくね、上条は左からお願い」


上条「わかった」


滝壺「見つけたら連絡ちょうだい」




~それからそれから~


上条「すぐに見つけてしまった」


上条「まさか本当にいるとは」


滝壺「はまづら・・・・・・会話が聞こえない、もっと近づこう」



浜面「なぁ、これなんてどうだ?」


麦野「えー、なんか違う」


浜面「なんかってなんだよ」


麦野「わかってないわね~浜面は、私がなんかって言ったら全然違うって意味よ。そろそろ理解したら?」


浜面「・・・・・・わっかんねぇ~」


浜面「だってよほら、こうやって麦野に合わせてみると」ピト


麦野「!?」


浜面「全然似合うぜ、試しでいいからに着てみたらどうだ」


麦野「ま、まぁあんたがそこまで言うんなら、着てやるわよ」ピシャ



滝壺「な、なに? あの二人の会話」


上条「はたから聞いてると、まるでカップルそのものだな」


滝壺「(ボキッ!!)」


上条「せ、先輩! さすがにマネキンの腕折っちゃまずいですよ」


店員「あ、あの~お客様? 店内の備品を破壊されては困ります」


上条「あ~、やっぱり見つかった、すいません・・・・・・滝壺先輩も謝ってくださいって、先輩!?」


浜面「あの服、絶対麦野に似合うと思うんだけどな~」


滝壺「じゃあ、私にはどんな服が似合うかな?」


浜面「そうだな、やっぱ滝壺には清楚な白のワンピースなんかいいんじゃねえか」


浜面「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?」クルリ


滝壺「ヤッホー」


浜面「・・・・・・な、なんで滝壺さんが、こ、こんな所に!」


滝壺「私はむしろ、女性服売り場にいるはまづらに疑問だよ?」


滝壺「はまづらは、どうしてこんな所にいるのかな? かな?」


浜面「い・・・・・・いや~その~え~・・・・・・」


麦野「浜面、どう? って滝壺?」


滝壺「やぁ、麦野。はまづらとお買いもの? 私に黙って?」ゴゴゴゴゴゴゴ


浜面「ヒィィィ!」


麦野「あらあら、浜面と買い物するのに滝壺の許可が必要だなんて、初耳だわ」ニッコリ


滝壺「はまづらは私の彼氏、ゆえに私に同意を得るのが妥当だと思う」


麦野「あれ~? もしかして、滝壺って結構束縛系? 縛ってばっかりじゃ男は逃げたくなるだけだよ」


滝壺「違う、はまづらはそれを了承している、それにはまづらは、私みたいに丁寧な言葉使いの方が好き。猫かぶりの麦野と違ってね」


麦野「あぁぁ?」ピキピキ


滝壺「それに、私の方が強いから、はまづらを守れる」


麦野「・・・・・・おい、滝壺」


滝壺「なに?」


麦野「私の聞き違いかな? 今あんた、私より強いって言った?」


滝壺「うん、わたしは麦野より強い」


麦野「・・・・・・オーケー、分かった。浜面!」


浜面「お、おう!」


麦野「私の財布と携帯、預かっといてくれない? それと、服の精算しといて」


浜面「お前は、どうするんだよ?」


麦野「決まってんだろ? 今からどっちが強いか決めるんだよ」


滝壺「上条も、私の荷物預かって」


上条「それはいいけど、麦野さんに勝てるのか?」


滝壺「だいじょうぶ上条、私勝つよ? 愛の為に」


麦野「ここじゃあ何だし、いつもの場所行こうか?」





~とある学園 小中高共同グラウンド~


麦野「groupで大きな揉め事が起きたら、拳と拳でケリをつけろ。この掟は知ってるね」


滝壺「うん、そして勝った方が正義で負けた方が悪、それがgroupの真実」


麦野「私が勝ったら、私がgroupで№1」


滝壺「私が勝ったら、はまづらにもう手を出さないで」


麦野「じゃあ、ヤロウか? ところでよぉ~」


垣根「まさか、麦野と滝壺が戦う日が来るとはな~」ワイワイワイ


一通「実際のところ、どっちがつええんだ?」ワイワイワイ


削板「わからん! 何しろ二人が戦ってるところなんて見たことないしな」ワイワイワイ


土御門「さぁ、どっちが勝つか、張った張った!!」


絹旗「私は滝壺さんに超一票です」ワイワイワイ


フレンダ「私は麦野一票~」ワイワイワイ


黄泉川「いやいや、決闘なんて若いねぇ~」グビグビグビ


月詠「そうですねぇ~」グビグビグビ


美琴「あ、お姉ちゃん、お菓子とって~」ワイワイワイ


美爽「あいよ~」ワイワイワイ


麦野「なんでテメェらがいるんだよ! オマケに先生までいるし!」


黄泉川「私らの事は気にすることないぞ~」


月詠「そうです~、若いうちは喧嘩をバーゲンのように大安売りをしてもいいのですよ~」


???「そうだ! 若い内の過ちは、将来飲み会のイイ昔話になるんだぞ!」


麦野「いつのまにか、また増えてるし!」


一通「テメェ! いつのまに来たンだよ木原くゥゥゥゥン!?」


木原「ものの数分前だ、気にせずはじめろ二人とも!」


麦野「ったく、人の勝負を見物にしてんじゃねぇぞ、なぁ? 滝壺ぉ!?」ヒュゥゥ!


滝壺「む?」


麦野「おいおい、滝壺ぉ、振り返り間際の一発なんて、シャレたことしてくれんじゃねえか、避けたけど」


滝壺「喧嘩にルールなし、ルールがある喧嘩はただのスポーツ」


麦野「はっ! 言うじゃねぇか! はぁぁ!」シュパ!


麦野「南斗水鳥拳奥義・南斗飛鳥乱撃波!」シュシュシュシュ!


垣根「空中からの麦野の手刀が見えねぇ! 早すぎる」


絹旗「麦野は超大マジですね、まさかいきなり飛鳥乱撃波とは」


垣根「チビすけ! お前麦野の技を知ってるのか」


絹旗「麦野の組手相手を超よくしていた時に、いくつか見せていただきました。今のは南斗飛鳥乱撃波、空中から威力のある真空波を寸断することなく放つ技です」


垣根「それに対して、滝壺は!」


滝壺「・・・・・・はぁぁぁぁぁ」


滝壺「北斗破流掌」


滝壺「・・・・・・」ヒュルヒュルヒュル


麦野「!? っち!」


垣根「な、なんだよ今の! あの動きはまるで」


浜面「清流の如く、滑らかな動きだろ」


絹旗「浜面、滝壺さんの技を知ってるんですか?」


浜面「一通りは知ってる、あの技は、相手の技を見切って受け流して反撃を与える技だ、麦野が空中にいるから反撃は無理だけどな」


麦野「だったら!」


麦野「南斗獄屠拳!」


滝壺「はぁ!」


滝壺「北斗飛衛拳!」


滝麦「「はぁぁぁ!!」」


麦野「・・・・・・」シュタ


滝壺「・・・・・・」シュタ


滝麦「「・・・・・・」」ブシュゥゥ!


全員「・・・・・・・・・・・・」


垣根「おいおい」


一通「滝壺すげェな」


美琴「あの麦野さんと五分の勝負・・・・・・」


美爽「あれだけやって、互いに肩と足からの出血だけとか」


麦野「やっぱり、小手先の技じゃ無理みたいね」スゥ


滝壺「そうだね」スゥ


滝壺「天破の構え!」フォォォォ!


麦野「天翔十字鳳!」ショォォォ!


絹旗「二人がそれぞれ、構えを取りました!」


一通「どうやら、勝負を決めに来たか」


フレンダ「あれは麦野の不敗の奥義! 最強の盾とも言えるってわけよ」


浜面「対して滝壺のあれは秘奥義、あれをやるきか、滝壺!」


滝壺「ふん!!」シュゥゥバ!


垣根「先に動いたのは滝壺だ!」


麦野「ふ~ん」シュルシュルシュル


滝壺「っつ!?」


麦野「残念だけど滝壺、この奥義にあんたの拳はもう届かないよ」


麦野「ハァァ!」


滝壺「くっ!」


黄泉川「おお~、麦野の奴、大分腕を上げたじゃん」


木原「さすが、南斗神拳すべてを習得した稀代の怪物だな。あれくらいやってもらわないとな」グビグビ


黄泉川「だけど、あの滝壺がまさかここまでできる奴なんてな」


月詠「それはそうですよ~、何せ滝壺ちゃんに拳法を教えたのは、何を隠そう私なのです」グビグビグビ


黄泉川「え!? マジじゃん?」


月詠「大マジなのですよ~、彼女には教えられるだけの物は教えてあるのですよ」


木原「南斗神拳、木原神拳、そして月詠先生が教えたのは北斗神拳だな?」


月詠「正解なのです、北斗の拳は一子相伝、滝壺ちゃんにキチンと伝授したのです」


月詠「さぁ、あなたは麦野さんに勝てますか? 滝壺ちゃん」



滝壺「(次で、決める!)」


麦野「(無駄よ、私のこの奥義は絶対無敗の奥義! 誰にだって、どの流派にだって破れないわ)」


垣根「両者動かねえな、これは次で決まるかもだぞ」


削板「しかし麦野先輩のあの技、あれを破るのは簡単じゃないぞ」


浜面「仮に、軍覇だったらどうやってあの技を破る?」


削板「・・・・・・正直わかんねえ、多分全方位どこから攻撃しても、あいつは避けきって見せると思う」


垣根「じゃあ、正真正銘無敵の奥義なのかよ?」


削板「いや、一点だけある、どんな達人でも避けきれない絶対領域が」


削板「おそらく滝壺は、それをわかっている!」


一通「おい、滝壺が麦野の懐に潜ったぞ!」


滝壺「ふぉぉぉ!!」シュ!


麦野「甘い!! ハァァァァ!!」ブゥゥン


浜面「殴りかかった滝壺を、麦野がうまく受け止めてそのまま滝壺を宙にほおった!」


麦野「無駄よ! あんたどんなこと考えてるか知らないけど、私には効かない」


麦野「これで終止符をうつわ!」シュッ!


垣根「麦野も飛び上がった! あいつ得意の空中戦でケリをつけようってのか」


一通「これで滝壺の負けか!」


浜面「いや、違う」


垣一「「えっ!?」」


削板「むしろ、その逆だな」


浜面「滝壺の勝ちだ」


滝壺「」カッッ!


麦野「!?」


滝壺「北斗神拳奥義 天破活殺!!」シュボォォォ!!


滝壺「はぁぁぁぁ!!」


麦野「がっ!?」ドサァァ!


浜面「・・・・・・決まったな」


垣根「な、なんだよ今の」


一通「わからねぇ、滝壺が手を前に突き出したと思ったら、麦野の奴が地面に寝転んでた」


浜面「あれは北斗神拳奥義 天破活殺だよ、闘気を北斗七星の形に打ち込む遠距離技だ」


垣根「あれで、麦野が負けたと思うか?」


浜面「勝負は決したと思う、多分な」


浜面「(けど、あれをもろに正面から受けたんだ・・・・・・最低でも骨は二、三本折れてるはずだ)」


滝壺「麦野、最初わたしに言ったよね? 私に勝ったらあんたが一番だって、でも私には関係ない。だってこの戦いは」


滝壺「浜面を賭けた、『愛』の為の戦いなんだから」


麦野「・・・・・・愛?」ピクッ


滝壺「そう、愛」


麦野「・・・・・・くっっだらねぇぇな」ゴロン


麦野「私はこんな強気な性格だから、親以外誰からも愛らしい、可愛いなんて思われなかった」


麦野「無論、私も誰かを好きになることはなかった」


麦野「私はそれでいいと思ったよ」


麦野「でも、私の前に、浜面が現れて変わった」


麦野「あいつは違った、他の奴と違って私を一人の女として見てくれ、怒ってくれた」


麦野「誰も怖がって近づかなかった私に、普通に接して、つき合ってくれた」


麦野「groupができて、色んな奴が私の下にやってきた。浜面もその一人だよ、けど」


麦野「浜面は、あんたと付き合いだしちまった」


麦野「私はその時、寂しいって思ったんだ」


麦野「何で早くあんたに思いを言えなかったのか? 最初はそればっかり思って、荒れたもんだよ」


麦野「でも私は決意したんだ!」


麦野「この思いは胸に秘めて、今のままの私でいようと」


麦野「でもさ、駄目だったんだよ」


麦野「三年近く、この気持ち押し留めてたけど、やっぱ駄目だったんだよ」


麦野「私は三年、今年でこの学校から出ていくんだよ。そしたらもう、あいつに会えなくなると思うと、いても立ってもいられなかった」


麦野「だから、あんたに黙って逢引した。もちろん、浜面はそれにきづいてない」


麦野「それをあと何回かすれば、終わりにしようと思ってた矢先、あんた達にばれちゃった」


麦野「そして口論して考える内に、思いついたんだよ」


麦野「あんたから、文字通り力づくで浜面を奪い取ろうって」


麦野「そして、groupの頂点に君臨し続けるって。だから!」ダン!


麦野「私は女帝! 誰にも文句なんて言わせず、戦ってあんたから浜面を奪う!」


麦野「私は、一番も、浜面からも退かない!」ググッ


麦野「誰にも媚を売らずに!」ググッ


麦野「そんな生き様を、顧みたりしねぇ!」ガバッ!


浜面「麦野・・・・・・おまえそこまでして、俺の事が・・・・・・すまねぇ」


滝壺「麦野・・・・・・私は知っていた、あなたの気持ちが」


麦野「はぁ?」


滝壺「でもそれは、わたしがはまづらを好きになったあとだった」


滝壺「けど、私は多分麦野の気持ちを知っていても、告白してたと思う」


滝壺「それほどまでに、私ははまづらを愛している」


麦野「滝壺ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


滝壺「麦野ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


麦野「あああああああああああああああ!!!」シュシュシュシュ!!


滝壺「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉ!!!」シュシュシュシュ!!


麦野「がぁ!?」


滝壺「北斗 有情猛翔波!!」


麦野「がぁぁっはぁぁ!」


麦野「テ、テメェ滝壺、最後の技にどうして有情拳を使った」


麦野「なぜ・・・・・・情けをかけたぁぁぁ!」


滝壺「あなたも、同じ人を愛した女、はまづらのぬくもりを知っているはず」


麦野「ぬくもり・・・・・・」


浜面「滝壺! 」


滝壺「勝負はついた、私の勝ち」


麦野「むくもりか・・・・・・ふふふ、私の負けよ滝壺」ガクッ


土御門「けっちゃくーーー!! 勝者はgroupナンバーⅡ 滝壺先輩!」


一通「滝壺が勝ちやがった!」


垣根「これで、新たに学園の歴史が生まれた」


美琴「・・・・・・いこ、お姉ちゃん」


美爽「いいの美琴ちゃん? なんか声掛けないの?」


美琴「敗者にかける言葉なんてないよ、それに」


美琴「いつか、私も拳を交えるかもしれないし」


浜面「滝壺! 滝壺! 大丈夫か!」


滝壺「わたしは大丈夫、それより」


麦野「・・・・・・・・・・・・」


滝壺「麦野の所に行ってあげて」


浜面「いいのか?」


滝壺「うん、行ってあげて」


浜面「・・・・・・わかった」


滝壺「ふぅぅ」ドサッ


上条「滝壺先輩」


滝壺「あ、上条」


上条「これで、よかったんですか?」


滝壺「遅かれ早かれ、きっとこの勝負の時はやってきた」


滝壺「そして、私は勝っていたかどうかわからなかった」


上条「けど先輩は勝ちました」


滝壺「そう、私が勝った。でも関係ない」


上条「え?」


滝壺「今回たまたま私が勝っただけ、次は分からない」


滝壺「それに、麦野は」



浜面「麦野、大丈夫か?」


麦野「っち、これが大丈夫に見えんのかよお前には」


浜面「それだけ悪態がつけるなら、大丈夫そうだな」


麦野「けっ!」


浜面「あのな麦野、俺」


麦野「やめて」


浜面「はっ?」


麦野「何も言わないで、お願い」


浜面「あ、ああ」


麦野「一つ、わがまま言っていいか」


浜面「・・・・・・言ってみろよ」


麦野「せめて、一度でいいから、私をその腕の中で抱きしめて」


浜面「・・・・・・」ギュッ


麦野「・・・・・・これが、浜面の腕の中なんだね」


麦野「ああ、文句ねえな」


麦野「(せめて、昔のようにぬくもりをちょうだい)」



滝壺「麦野は、誰よりも愛に飢えて、愛が深いんだよ」


絹旗「見てください、麦野の顔」


フレンダ「なんか、すごい優しい顔をしてる」


上条「あれが、麦野先輩の素の顔なんだ」



~それからそれから~


N『戦いの後、約束通りgroupでは麦野に代わり滝壺を中心とした組織作りが始まった。組織作りにおいて、不思議と誰も反発する者はいなかった。その理由は、ネットにおける二人の戦う動画が流失したことにあった。なぜかその動画が、group構成員全員にURLが添付された差出人不明メールが届いた』


N『さらにその動画は、一般人の目にも触れるものとなった。ネット上では「お嬢様の以外を通り越した過激な一面!?」などとかなり有名になってしまった。その結果』


麦野「私と滝壺に、アクション映画のオファーが来た」


上条「マジですか」


垣根「ついに俺様も銀幕デビューが来たな」


一通「寝言は火葬場で言え」


浜面「それ完全アウトじゃね?」


絹旗「で、二人はその仕事受けるんですか?」


滝壺「私は受けようかなって思ってる」


フレンダ「マジで!?」


フレメア「にゃあ、たきつぼ映画に出るの?」


滝壺「うん、上映したら見に行こうね」


フレメア「にゃあ!」


絹旗「滝壺さんは超出る気満々のようですけど、麦野はどうするんですか」


麦野「そうね~、別に断る理由もないし、私も受けるわ」


N『あっさり、二人の銀幕デビュー決定! のちに二人が出演するアクション映画「女たちの仁義なき戦い」は、迫力あるアクションと滝壺さん麦野さん両名の演技力が高評価を得て、大ヒットとなる』


~その頃の御坂ファミリー~


美琴「はぁ、はぁ」


美爽「ふぅ、ふぅ」


美冬「ふぅ、ふぅ」


美春「はい! 三十分経過!」


美冬「ふひぃ~」


美爽「今日は・・・・・・このくらいにしとこうか?」


美琴「そうね・・・・・・今日はここまでね」


美冬「しかし、真夏の炎天下の中、エアコンも付けずに蒸し風呂状態となった部屋で、ひたすら体鍛えてる女子学生ってどうなんですかね?と、美冬は水分補給をしながらお姉さま方に問います」


美爽「さぁ? 少なくとも、部屋でゴロゴロしてるよりはいいと思うけど」


美冬「私はゴロゴロ食っちゃ寝していたいです。と、美冬は本音をぶちまけます」


美爽「いやね、私だって実のところそうしたいよ? でもさ~、仕方ないじゃん」


美琴「そう、仕方ないのよ」


美冬「美琴お姉様?」


美琴「あんたは、あいつに無様な姿を晒したいの?」


美冬「!?」


美琴「私はイヤ! だから、できる限りの抵抗をしたいのよ! だからこうして!」


美琴「だらける時間を削り、心身ともに鍛えているんじゃない!」


美爽「私も美琴ちゃんと同意見、あの人の前でみっともない姿は見せたくない」


美冬「美冬が・・・・・・間違ってました! 私もがんばります!」


美琴「そう、私たち姉妹で頑張るのよ!」


美爽「例え一人では挫ける事でも、私たち姉妹なら!」


美冬「乗り越えることができる!」


美爽琴冬「「「待ってなさい! 臨海学校め!」」」


美春「・・・・・・お腹減った」




EX とある昼休みの校内放送


垣根「さあさあ、今日から始まったお昼の校内放送、司会進行を務めるのは、貴女の耳の恋人 垣根帝督です」


垣根「そして、栄えある初回放送のゲストは、女子生徒はほとんどご存じ学園の種馬! 上条当麻で~す」パチパチパチ


上条「すげー不名誉だな! 俺はそんなに女生徒に名前が知れてんのか?」


垣根「何をおっしゃる上条さん、お前の悪名は学園に留まらず、他校の生徒からその辺のOLまでもが、お前の事を知っているぜ」


上条「・・・・・・一応聞くけど、何で?」


垣根「そんな上条さんにお手紙がすこ~し届いていまーす」ドサドサッ


上条「えっ? 何このダンボールの山」


垣根「これすべて、上条当麻に関するお手紙です」


上条「うそっ!?」


垣根「それじゃあいくつか紹介していきましょうか」


垣根「とある学園在校のペンネーム㎡さんからのお手紙!」


垣根「私は毎日あい、じゃなく上条さんの事を考えています。それは私だけでなく、私の双子の妹も同じです。私は何とか上条さんと話したいんですけど、なかなかうまく行きません。姉や妹に相談してみたのですが、『ふっ』と笑われる始末です。一体どうすればいいでしょうか!!」


垣根「とゆうことですけど、いかがですか当事者さん?」


上条「まさか・・・・・・上条さんの事をそんなに考えてくれる女性が母親以外に存在していたとは」


垣根「おまえどんなに周りの女子から嫌われてると思ってんだよ」


上条「だって! 好かれてるんなら、なんかそうゆう噂的なものがあるはずじゃん! なのに俺、一回も聞いたことないんだよ!?」


垣根「(そりゃあ女たちの間で暗黙のルールがあるからだって言いて~)」


上条「告白の一回もされたことないし!」


垣根「いや、それは違うぞ上条」


上条「へ?」


垣根「女が告白するのを待ってるんじゃなくて、お前が告白すればいいんだよ」


上条「!? そ、そうか! 何も告白ってのは、待ってればいいってもんじゃなかったな!」


垣根「そうだとも、待ってるだけが恋じゃねえなんて言うじゃねえか。視聴者生徒の諸君、ちゃんと聞いとけよ」


上条「お、俺は間違ってた! 今までモテなかったのは、単に俺がモテなかったってだけじゃなかったんだな」


垣根「そうだ! 男なら、なりふり構わず好きな相手に思いのたけをブチ当ててこい!」


上条「ありがとう垣根! 俺、行ってくるよ! 行って俺の気持ちを伝えてくるよ」ダダダッ!


垣根「はっ?」


上条「アドバイスありがとうな垣根!」ガラガラッ! ダー!


垣根「・・・・・・え~初回放送にもかかわらず、ゲストが放送中に飛び出ていくとゆうハプニングが起きましたが、放送は続けます」


垣根「放送を聞いてる諸君はどうだった? 今の放送を聞いて、今飛び出ていった馬鹿みたいに何か思ってくれれば幸いだな」


垣根「そんな訳で、今日の放送の終了時間が近づいてきたな。この放送は、俺が気が向いたときにランダムで放送するからな」


垣根「だから次いつやるかはしらん、だから常に放送には耳を傾けてろよな」


垣根「以上でお昼の放送を終わりにするぜ」ガチッ


放送委員「はい、オッケ~です」


垣根「ふぃ~お疲れ」


垣根「しっかし上条の奴、一体誰に何の話をしにいったんだかな」


ガラララッ!!


上条「ところで垣根! 俺はいったい誰の所に行けばいいんだ!?」


垣根「しらねぇよ」





後書き

はい、寮制シリーズの三作目です! 相変わらずの遅書で申し訳ないです。今回は、バトッてバトッてバトりまくりです。
技のおうしゅうです!! 
さて、前作の後書きでも告知した通り、質問・リクエストなど募集しております。


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