2015-09-11 00:24:20 更新

概要

けいおん!のその後(社会人編)を勝手に作ってみました。
(その1)(その2)の続編です。
読んで無くても読めなくはありませんが、ちょっとわかりにくいかもです。


前書き

今回の作品は思いのほか、長くなってしまいました。
ε=( ̄。 ̄;A フゥ…
それでも読んで頂けると嬉しいです。

続編ですので、読めない事はないですが、出来れば(その1)(その2)を先に読んで下さい。


『琴吹紬の日記、その3』


  皆さん、お久しぶりです。琴吹紬です♪

  さてさて、いつもの通り【けいおん!】のメンバーのその後をお見せしますね。


  今回は芸能プロダクション(放課後ティータイム)の設立時の事です♪

  この時は色んな事が重なって大変だったのよ~。


  でもね、そんな時期が合ったから今の私たちがあるの。

  ちょっと長くなるけど、最後まで聞いてくれたら嬉しいかな。

 

  一応、この物語には『琴吹紬の日記』の続きです。

良かったらそちらを先に読んでくださいな♪


  では、始まり始まり~



~~芸能プロダクション【放課後ティータイム】事務所内~~


紬「うわぁ~懐かしいな~♪」


 ドア、バタンッ

律「何見てるんだ、ムギ?」


紬「あっ、律ちゃん。あのね、この会社を作った時の写真が出てきたから、それを見ていたの~♪」


律「どれどれ…若いな~。でも、唯と梓は全く変わらないな。あいつらはきっと2次元の住人だぜ」笑


紬「うふふ、あの二人はきっとピーターパンなのよ~」


 ドア、ガシャ!

唯「律ちゃん! 今、私の悪口を言ってたでしょ!」ふんすっ


律「うわ! 脅かすなよ、唯。あれ? 梓と和は?」


唯「忘れてきた」


律「相方とマネジャーを忘れてくるって・・・想像していた事よりすごい展開だったわ」


 ドア、バタン

梓「もう~唯先輩ったら酷いです。荷物を全部、私に押し付けるんですもん」ぷん


和「事務所に到着したら、いきなり走り出して事務所に入っていくからビックリしたわ」


律「やっぱり唯は何も変わらない。たぶん、これからも変わらないんだろうな」(ため息)


ムギ&梓&和(しみじみ)「それ、わかるわ~」


唯「あっ、めっちゃ納得された。なんで?」


和(写真を見て)「あれ? 創設時の会社の名前が違う【Thank】・・・【サンク】?」


紬「そっか。和ちゃんは創設の時はアメリカだったわね~」


和「気になるわね。まあ意味的には【感謝する】するとかだからわからなくはないけど・・・なんでこの名前だったの?」


 ドア、バタン

澪「そんな面白い話でもないぞ、和」


唯「あっ澪ちゃん、おはよ~♪」


和「でも、とっても興味があるわ。良かったら聞かせてくれない?」


紬「そうね。せっかくだからみんなでお茶にしながら思い出話しようよ。私、みんなで思い出話をする事が夢だったの~♪」



~~6年前(唯たち21歳、3回生)、軽音部、部室内~~


紬「・・・・・・」


澪「どうしたんだ、ムギ? 体調でも悪いのか? なんかあったのか?」


律「澪、察してやれよ。お前と同じで太ったんだよ」


紬&澪「太ってない!! ちょっと体重が増えただけ!」


梓「その情報は後輩としても女性としても聞きたくなかったです」お茶、ズ~


紬「あのね、昨日、お父さんに呼び出されて実家に帰ったでしょ。そこで

   『お前は将来、この琴吹グループをまとめる身。

    だが世の中はそんなに甘くはない。

    とりあえず1つ会社を作って経営してみろ』

   って言われたの。でも、どうしたらいいのかさっぱりわからなくて・・・」


律「金持ちってやっぱすげ~な」


澪「漠然でもいいからムギがやりたいことでもあればな・・・」


紬「私はみんなといるこの時間が楽しいからやりたいことって言われてもね・・・」


 バタバタバタ、ドア、ガシャ!

唯「みんないる? ○○芸能プロダクションの営業の人が【放課後ティータイム】と話がしたいって!」



  私たち【放課後ティータイム】はこの時期、色んな会場でライブをしていたの♪

  梓ちゃんが来て、みんな実力をつけて、音楽が楽しくて仕方がない時期だったんだよ♪



澪「わ、私たちが・・・プ、プロ? ア、アーティスト?」ガクガク


梓「ほ、本当なんですか、唯先輩?」


唯「ほんとだよ! 今、案内してきたんだもん!」


律「ってことは・・・」


紬「外にいるって事よね・・・」


唯「うん!」エッヘン


澪「ど、どうする、どうすればいい? 律~」ギュ~


律「とりあえず離せ。・・・まあ、話を聞いてみるのもいいんじゃないか?」


梓「そ、そうですよね。は、話を聞いてみないとわかりませんもんね」


律「うん、お前ら、落ち着け。そして唯とムギを見習え」


唯「ムギちゃん。私、こっちのケーキがいいな~」エヘヘ


紬「わかったわ~♪ 今、お茶を入れるね」


澪(アイコンタクト)(梓、ツッコめよ・・・)


梓(アイコンタクト)(いえいえ、澪先輩に譲ります・・・)


唯「ムギちゃん、このケーキ、おいしいね♪」ニコニコ


澪&梓(大きくため息)「はあ~~~~~」



  私達は○○芸能プロダクションの営業さんのお話を聞いたのよ。

  当然、即決はせずにみんなで話し合うことに。

  でもね、話を聞いていて私は思ったの。

  (あっ、この話は絶対に受けることはないわ)って・・・



澪「なんなんだよ! 私たちの音楽性は関係ないのかよ!(怒)」


梓「失礼しちゃいますよね。バンドじゃなくアイドルとして売り出したいって!(激怒)」


律「しかも、メインは唯で私達はバックダンサーだと! なめるな! って感じだよな!(超激怒)」


紬「まあまあ。でも唯ちゃんの実力は他の人からも認められてるのね~。凄いわ~♪」


唯「見る人が見るとわかっちゃうのかな~」エヘヘ


律「なんだろ? 悔しくないけど、イラっとする」


梓「ならもっと練習してインディーズでCDを出しませんか? もっと知名度を上げて、それからみんなでプロデビューとか」


唯「それいいかも~」


律「・・・いいんじゃないか? プロを目指すやつがいても。でも、私はそれには参加しないから。じゃあ、お疲れ~」


澪「ま、待てよ。律! まだ話は終わってないぞ!」


律「プロとか興味ない。お前らでやればいいだろ。先に寮に戻ってるから~」ドア、バタン


唯&澪&紬&梓「・・・」



~~N女大学寮、夜~~


澪「律はいたか?」


紬「ううん、どこにもいないわ」


澪「まったく。携帯の電源は切れているみたいだし。何処へ行ったんだ?」


唯「晶ちゃんたちにも聞いたけど、知らないって」


梓「この感じだと外ですかね? もうすぐ門限になっちゃいますけど」


澪「外か・・・。なら唯と梓は寮内をもう少し探してくれ。私とムギは外に探しに行くけど、門限には戻ってくる」


梓「私たちが残るのはすれ違いで律先輩が帰ってくるといけないからですね」


澪「そうだ。もし、帰ってきたり、見つけたりしたらメールしてくれ。行くぞ」


唯&紬&梓「おー!」



~~N女寮近くの川原~~


澪(バカ律、どこに行ったんだ。・・・あの後姿は・・・律!!)



 堤防に座っている律に後ろから近づく澪

澪「なにやってるんだ、帰るぞ、律」


律「おぉ~澪か。うん、かえ・・・帰る? どこへ?」


澪「寮に決まってるだろ。みんな心配してるぞ。ってみんなにメールしないと」ピッピッピ


律「なあ、澪。私に帰る場所なんてあるのかな? みんな、私を置いて先に進んでいくんだよな」


澪「はあ? なに言ってんだ?」


律「私には音楽の才能がないのは誰よりも知ってる。あの去年の学園祭が私のピーク」(その2、参照)


澪「・・・・・・」


律「梓がインディーズでCDを出したいって言った時、私がメンバーに入っている事が物凄く嬉しかった」


律「でも、駄目なんだ。【放課後ティータイム】がプロになるには私は邪魔になる。確実に足を引っ張る」


律「唯の才能は誰もが認める所だし、なんだかんだで澪もムギも梓もそのレベルについて行けてる」


律「澪もわかってるんだろ? 私のレベルが上がっていないことに」


澪「・・・・・・」(下を向く)


律「私、澪のそういう正直な所、好きだよ(苦笑)」


律「でもさ、でもさ、私はみんなと一緒にいたい。澪と、唯と、ムギと、梓と」グズッ


律「ずっとずっと、ライブして、バカやって、お茶飲んで・・・」涙、ボロボロ


律「でも、私がいる事でみんなの可能性を潰すなんて出来ない。だったら私は唯たちの傍にいちゃいけないんだって」涙ボロボロボロ


澪「律・・・・・・」


 澪、律の頭にチョップ


律「痛っ!  なにすんだよ、人が真剣な話をしている時に!」


澪「律、1つ誤解しているぞ。メンバーの中でプロになれるのは多分、唯だけだぞ」


律「へっ?」


澪「正直に言ってしまえば、私は唯の才能に嫉妬している」


澪「高校に入ってからギターを始めた人間が、あのレベルになるなんて誰が思う?」


澪「ムギも梓も幼い頃からの親の影響や習い事をして、今のレベルなんだぞ」


澪「私達みたいに独学でやっていた人間があのレベルにそう簡単になれると思うか?」


澪「でも、唯は何も考えずにあのレベルにいたった。才能ってこういう事なんだろうなって何回も思ったさ」


澪「プロなんてそんな才能を持った人間の集まった集団だろ? 私も無理だ」


律「澪・・・」


澪「それに、律のいないバンドに私は興味がない。私と律はリズム隊でずっと合わせてきた」


澪「私と一緒にリズムを取る人は律だけなんだよ」


澪「だから、律がバンドを辞めるって言うなら私も辞める。どうせ、もうすぐ就職活動しないといけないしな」


律「澪ぉぉぉぉ~~~~~~」(号泣)


澪「よしよし、落ち着いたら帰ろう。みんなが待ってる」ナデナデ



  紬です。実はね、私、この時、2人の会話を隠れて聞いていたの。

  ううん、正確には耳に届いたって感じだったんだけど・・・

  でも、律ちゃんや澪ちゃんがそんな風に思っているなんて知らなかった。

  どんな顔して2人に話しかけたらいいかわからなくて・・・

  それで、そのまま2人には声をかけず、寮に先に戻ったの

 


唯「あっ、ムギちゃん。お帰り~」


梓「ムギ先輩、お帰りなさい。律先輩たちは?」


紬「もうすぐ帰ってくるんじゃないかな?」


 ドア、ギィ~

澪「ただいま」


律「ごめんごめん。心配させたみたいだな」


梓「本当ですよ。どこ行ってたんですか!」プンッ


澪「梓、その辺にしてやれ。私がよく言っておいたからさ」


唯「まあまあ、あずにゃん。律ちゃんだってボーカルがしたいんだよ。そうすれば一緒にCD出してくれるよ」


律「お前の思考回路を頭を開いて見てみたいわ」


紬「今日はもう遅いから寝ましょう。ね」


澪「そうだな。また、明日みんなで話をしよう。感情的になっていたらちゃんと話あえないしな」


梓「・・・わかりました。じゃあ、私も部屋に戻りますね」


唯「あずにゃん。今日は私の部屋で一緒に寝よ」ギュ~


  てくてく・・・イヤデスヨ。ユイセンパイ、スグダキツイテクルカラ…


澪「じゃあ、私たちも寝るか」


律「・・・あぁ、そうだな」


紬「・・・じゃあ、おやすみなさい」



~~深夜、寮内、リビングルーム~~


梓「・・・・・・」


紬「・・・・・・梓ちゃんなの?」


梓「あっ、ムギ先輩。こんな時間にどうしたんですか?」


紬「ちょっと喉が渇いてね。梓ちゃんは?」


梓「なんか寝付けなくて」


紬「そっか。隣、いいかな?」


梓「あっはい、どうぞ」ススッ


紬「・・・・・・」


梓「・・・・・・」


 2人同時に 紬「あのね」梓「あの」


紬(クスクス)「梓ちゃんからどうぞ」


梓(クスクス)「あ、はい。では・・・・・・」


梓「私、何で1年遅く生まれたんでしょうね」


梓「あと1年早く生まれていたら先輩たちと一緒に音楽をする時間がもっとたくさんあったのに」


梓「私は正直、プロデビューにはこだわっていません。ただ・・・」


 沈黙・・・


紬「ただ、何?」


梓「ただ・・・・・・私は、私は先輩たちとずっと一緒にいたいんです」


梓「こ、このままだとまた1人になっちゃう」ウルウル


梓「先輩たちが卒業して、私1人になって、先輩たちはお仕事で音楽から離れて、そして私とも・・・」涙ポロポロ


紬「そっか。梓ちゃんはそんな風に思っていったんだね」頭ナデナデ



  私も梓ちゃんと同じ気持ちだったわ。もうすぐ始まる就職活動。

  そしてみんな、お仕事やそれぞれの事情で離れ離れになっていく。

  こんなにみんな大好きなのに離れちゃうなんて悲しすぎる・・・

  この時、私の頭の中にある事が閃いたの♪



紬「そっか、そうよ。それなら・・・・・・」


梓「ム、ムギ先輩、どうかしたんですか?」ビックリ


紬「梓ちゃん、私、頑張るわ」


梓「え、えぇ」キョトン


紬「そうよ。私のやりたい事。私の望み。うん、梓ちゃん。もう少しだけ我慢してね。じゃあ」ダッシュ、ダダダ~


梓(ぽか~ん)



~~寮内、紬の部屋~~


紬(ピッ)「斉藤? 今から言う物を準備して・・・」


紬「そうよ。それはこっちでやるから、大丈夫」ピッ


紬「これで良し。まずは律ちゃんの説得からよね。頑張らなくちゃ」フンスッ



~~寮内、律の部屋、明け方~~


 コンコン、コンコン

律(ふわぁ~)「こんなに朝早く、誰だよ・・・」


紬「律ちゃん、私。起きてる? 開けて」


 ドア、ガシャ

律「起きてるって言うか、ムギに起こされたんだろ。何だよ。まだ6時だぜ」


紬「律ちゃんにお願いがあるの。ううん、違う。スカウトに来たの」


律「スカウト? 何言ってんだ、ムギ? 寝ぼけてるのか?」


紬「寝ぼけてないわ。内密な話なの。入っていい?」


律「あぁ、汚くていいならいいぞ」


紬「お邪魔します~♪」

 

律「んで、何だよ。唯のようにくだらない話ならムギでも怒るぞ」


紬「あのね・・・ゴニョゴニョ」



~~N女大学、けいおん部、部室~~


澪「律とムギ、遅いな。このままだと時間がなくなるぞ」


 ゴハンハスゴイヨ、ナイトコマルヨ、ムシロゴハンガオカズダネ♪

唯「あ、私の携帯だ。ムギちゃんからだ」


梓「なんで自分達の曲が着信音なんですか? しかも他にも曲はあるのに、なぜその選曲?」


唯「もしもし、ムギちゃん? うん、うん。わかった。んじゃね」ピッ


澪「ムギか? なんだって?」


唯「うん、今日、ムギちゃんと律ちゃん、練習来れないって。一緒にいるから安心してだって」


梓「そうなんですか?」


澪「まあ、いないものはしょうがない。晶たち、部屋、使うか?」


晶「じゃあ、遠慮なく使わせてもらうかな。そうだ、一緒にやるか? セッション的な感じでさ」


梓「やりたいです」ハイッ!


唯「ふっふっふ。晶ちゃん、いいの~? 私とギー太のコンビが恩那組に入ったら自信無くなっちゃうかもよ~」ニヤニヤ


晶「面白れぇ。勝負だ。唯!」ジャーン♪



 Let's Play コノユビハネ、タブン キミニフレルタメニアッタノ

 キョウウツウゲンゴハTABフダケ デモネ ツウジアエル


澪(唯・・・凄い・・・・・・本当に上手くなった。って言うか、レベルが違う)


晶(な、なんだと・・・・・・唯、いつの間にこんなにレベルが上がったんだ?)


梓(くっ! 唯先輩についていくのがやっとだ。こんなんじゃ唯先輩に偉そうなこといえない)


菖(唯ちゃんの音に引っ張られる。私がドラムなのに・・・・・・)


幸(凄い。才能が開花するってこういう事を言うのかな)


澪(確かにこのレベルの音は私や律には無理だよな・・・・・・)



 イマ カソクシテイクピッキング カラダジュウガアツクナルヨ

 ダレニモトメラレナイ ギータニモウクビッタケ~♪



晶「ふぅ~充実した練習だったな~」


唯「えぇ~、まだ物足りないよ。もう少しやろうよ、晶ちゃん」


晶「マジか、唯? お前、熱でもあるんじゃねえの?」


澪「楽しかったのか、唯?」


唯「うん、いつもと違う感じもいいね。律ちゃんと澪ちゃんとは違った感じのリズム隊も面白かったよ」


菖&幸「ありがと、唯ちゃん」


梓(唯先輩、それは違いますよ。それは多分、HTTより恩那組みのほうがレベルが高いから・・・)


澪(もう唯はHTTの枠には収まらなくなってきてるんだろうな・・・)



~~N女寮内、夜、律の部屋~~


澪「律、今日はどこ行ってたんだよ」


律「ん~。その内わかるから今は何も聞くな。これじゃあ駄目か?」


澪「駄目だ。って言ってもどうせ言う気はないんだろ」 


律「えへへ、さすが澪。私の事をよくわかってるな」


澪「大丈夫なんだな?」


律「あぁ、大丈夫だ」


澪「ならいいけど・・・」


律「全部決まったらちゃんと言うからさ。それまで練習に出れないかも。ムギもな」


澪「ムギまで巻き込んでるのかよ(ため息)本当大丈夫なのか?」


律「巻き込まれたのは私のほうだって。もう少ししたら分かるから、今は何も聞かないでくれ」


澪「分かった。律とムギを信じるよ」


律「サンキュ~、澪」



~~1週間後、N女けいおん部、部室内~~


梓「今日も3人だけですね・・・」


唯「ムギちゃんのお茶が飲みたいよ~。お茶成分が足りない~」


澪「今日は晶たちもいないしな。ここにいても仕方がない。寮に戻るか?」


唯「でも、私、なんか掴めそうなんだよね。ちょっと聞いてくれる?」ギー太を持つ



 ラララ~♪ ラララ~ララララ♪ ラララ~ラ~ララ♪


梓(ゆ、唯先輩、どこまで先に行くんですか・・・)


澪(もう何も言えない。唯はどこまでも先に進むんだな)


 ララ~ラ~ラララ♪ ララ~ラ~ラララ♪ ラララ、ララララララ~♪ ジャン


梓&澪 拍手~パチパチパチ


唯「ねえねえどうだった? 今の曲、良くなかった?」


澪「いや、本当にすごいよ、唯は・・・・・・」


梓「わ、私は絶対に唯先輩に追いつきますから!」


 ドア、バタン!

律「こ、こんにちわ」キリッ!


紬「律ちゃん、緊張しすぎよ~」


梓「律先輩、ムギ先輩。ど、どうしたんですか、その格好?」


澪「なにやってんだ、お前ら? スーツを着て就職活動の練習か?」


律「ま、まあ、待て。えっと、えっと最初は・・・」


紬「律ちゃん、落ち着いて」


律「あっ、えっ、そうだ。ワタシ、コウユウ者デス」(名刺を差し出す)


唯「あはは、律ちゃん、片言になってるよ」


澪「なになに、(仮)琴吹芸能事務所、営業・・・田井中律?」


紬「はい、梓ちゃん」(名刺を差し出す)


梓「(仮)琴吹芸能事務所、代表取締役社長、琴吹紬?」


澪「・・・」


梓「・・・」


唯「・・・」


澪&梓&唯(首を横に傾げて)「で?」


紬(≡д≡) ガーン


律「なんだ、それ! 反応、薄っ!!」


紬(気を取り直して)「コホン、えっと秋山澪さんですね?」


澪「あ、あぁ」


紬「秋山澪さん。あなたをモデルとしてスカウトに来ました」


澪「はぁ? 何言ってんだムギ?」


律「平沢唯さん、中野梓さん」


唯「ほぇ?」


梓「は、はい」ビクッ!


律「私たちの事務所でデビューしてみませんか? 悪いようにはしませんので」


澪「えっと、つまりなんだ。ムギが芸能会社を作ったと」


梓「それで私達をスカウトに来たと」


唯「で、何が変わるの?」


紬&律 Σ(T▽T;) ぐわわぁぁ~ん!


律「とりあえず、そこは『よろしくお願いします』だろ!」


澪&梓&唯「じゃあ、お願いします・・・」


律「じゃあ、って何だよ。じゃあってよ。これでも色々考えたんだからな!」


紬「まあまあ。律ちゃん、いいじゃない」


律「社長のムギがそう言うなら・・・・・・いいけどさ」


紬「では指しあったっての今後のスケジュールを言いますね」


律「まずは1ヶ月後に放課後ティータイム活動休止ライブ。ライブハウスは押さえてある。これに向けて練習な」


紬「そこでついでに【Yui&Azusa】の発表もします。琴吹グループの総力を挙げて売り出します」


梓「私と唯先輩でユニットを組むんですか?出来るわけないじゃないですか!」


紬「唯ちゃんの才能に付いて行けるのは梓ちゃんだけ。唯ちゃんをサポート出来るのも梓ちゃんだけなのよ♪」


律「澪は私がサポートしながらモデルとして売り込む。もちろん唯たちもな。私はこの事務所のマネージャー兼営業だ」


紬「唯ちゃん達はとりあえずインディーズからだけど、琴吹グループがしっかりサポートするわ」


律「ってわけで、【放課後ティータイム】解散ライブに向けて練習するぞ!!」


紬「おぉ~♪」


唯&澪&梓「お、おぅ・・・・・・」



  今でも唯ちゃんたちの戸惑った顔は忘れられないわ。

  この時は律ちゃんも正社員じゃなくアルバイトでした。

  まだまだ会社としては不十分でちゃんとした会社とは言えなかった。


  でもね、私たちは確かにこの時、新しい1歩を歩み始めたの。

  5人でならどんな道でも歩いていける。私はそう確信していたわ♪



~~次の日、N女大学部室内、練習中~~


澪「ふぅ・・・さすがに最後のライブだから気合を入るな」


律「なあ、ムギ。じゃなかった。社長だな(笑)1ついいか?」


紬「ムギで全然いいのに(笑)何、律ちゃん?」


律「唯も梓も澪も契約してくれたんだ。(仮)を外してちゃんとしたプロダクションにしないか?」


紬「そうだね。名刺も(仮)だしね」ウフフ


梓「確かに、その名前が所属事務所って言うのはちょっと恥ずかしいです」


唯「そうだな~う~ん・・・」


 メンバー、唯に注目。期待の目


唯「何も思い浮かばないや」アハハ


澪「うぉい~!」


律「やっぱ唯は唯だな」


紬「じゃあ、私が決めるね。《Thank》って言うのはどうかな?」


梓「直訳で<感謝する>って感じですか? いいと思います」


紬「それだけじゃないわよ。だって

   T ainaka Ritu(田井中律)

   H irasawa Yui(平沢唯)

   A kiyama Mio(秋山澪)

   N akano azusa(中野梓)

   K otobuki tumugi(琴吹紬)

  ほら、みんなの頭文字で<Thank>だから」



唯&澪&律&梓「おぉ~~~~」(驚愕)


律「それだ!」


唯「じゃあ、今日から私達は<Thank>所属だね。あずにゃん」


梓「そうですね。これからもよろしくお願いします。唯先輩」


 

~~1ヵ月後、放課後ティータイム解散ライブ~~



  本能に従順忠実 翻弄も重々承知 

  前途洋洋だし・・・ だからたまに休憩しちゃうんです!


  じゃっじゃっじゃじゃじゃっじゃーじゃん♪ ジャジャ♪



唯「みんなありがとう~! えっと、えっと今日で放課後ティータイム活動休止となりますが、

   解散じゃありません。

   メンバーみんなで新しい1歩を踏み出すんです。

   だから笑顔でこのライブをやれるんです。

   最後のライブに来てくれてありがとうございます。

   ではラストの曲になりますUtauyo♪MIRACLEです!」



  大好き 大好き 大好きをありがと

  歌うよ 歌うよ 愛をこめてずっと歌うよ!


  ジャッジャッジャジャ~ン♪



(」゜ロ゜)」(」゜ロ゜)」(」゜ロ゜)」オオオオオッッッ


唯「みんなありがとう~~~」


澪「またどこかで~」


律「必ず戻ってくるから~」


紬「ありがとうございました~」


梓「楽しかったで~す~~」



 袖に引っ込むメンバーたち。しかし、唯と梓だけ戻らず


澪「唯?」


紬「唯ちゃん?」


律「何してんだ、あいつら?」


 ステージ上

唯「えっとですね・・・さっき言ったとおり、私達はこれから

   【Yui&Azusa】として活動するんですよね。

   やっぱり不安というか、ちょっと怖いって言うか・・・

   いつも5人でいて、振り向けば澪ちゃん、ムギちゃん、律ちゃんがいて・・・

   でも今はあずにゃんしかいない。

   これからは2人でやっていかないといけないんですよね。

   それでですね、今から1曲、歌います。


   これは律ちゃんたちへの感謝の気持ちを込めて。

   そして私達がこれから2人でやっていくと言う意思表明の歌です。

   大好きな澪ちゃん、律ちゃん、ムギちゃんの為に・・・心を込めて歌います。

   聞いてください。《君にありがとう》」


 

  はじめて君に出逢った日から どれだけ時間が流れたのかな

  言葉に出来ない気持ちを 君は知ってくれたね

  

  夕暮れ染まる田んぼの畦道を 君と一緒に歩いたね

  遠くの街で 一人頑張ることを あの日決めたんだよ


  ありがとう いつも傍で君が笑ってくれたから

  涙こぼれた日も 負けそうな日も ずっと乗り越えられたの

  いつまでも 忘れないよ 温かい君の温もりを

  会いたい時は 寂しい時は 空を見上げるから 君に続く空を



  嬉しそうな君の横顔 子供みたいにはしゃぐ姿が

  昨日あった事みたいに 全部思い出せるよ


  もっと一緒に君といたかったな もっと優しく出来たかな

  大好きだよと 抱きしめてくれた あの日々が輝いてる


  ありがとう どんな時も 君を想っているから

  真っすぐな目で信じてくれたね だから強くなれたよ

  いつまでも 忘れないよ 私を呼んだ君の声を

  夢の中で 会えない時は 空を見上げるから 君が眠る空を


  ありがとう いつも傍で君が笑ってくれたから

  涙こぼれる日も 負けそうな日も きっと乗り越えてゆくよ

  いつまでも 忘れないよ あたたかい君の温もりを

  会いたい時は 寂しい時には 空を見上げるから 


  ずっと見守っていてね 君にありがとう



 梓ちゃんの弾き語りで歌う唯ちゃん。

 私はこの歌を聴いて思いっきり泣いたの。もちろん、澪ちゃんも、律ちゃんも・・・

 私たちも本当は唯ちゃんの一緒に音楽を続けたかったから・・・


 鳴り止まぬ歓声。そしてステージの上で、私達はみんな、肩を組んで涙を流したの・・・



~~大学卒業して半年、とあるビル内~~


澪「なあ、ムギ。そろそろ<Thank>の名前を変えないか?」


紬「澪ちゃん、どうして?」


律「確かに、晶たち【恩那組】も契約してくれたし、憂ちゃんや菫も手伝ってくれてる」


唯「うん。もう私たちだけじゃないしね」


梓「なら事務所名は1つしかありませんね」


紬「そうね。私も1つしか思い浮かばないわ」


澪「そうだな。私もだ」


唯「じゃあ、せ~ので言おうよ。行くよ。せ~の!」


唯&澪&律&紬&梓「放課後ティータイム!!」



~~回想終了、芸能プロダクション【放課後ティータイム】事務所内~~


和「へぇ~そんな事があったのね~」


唯「えへへ、なんか照れますな~」


 ドタドタドタ、ガチャ!

純「澪先輩、こんな所にいた! 収録に遅れますよ!!」


澪「うわぁ~忘れてた~」


 ドタドタドタ、ガチャ!

憂「律先輩! イベント会場の申請書類、忘れてますよ!」


律「なにぃ!」


 ドタドタドタ、ガチャ!

直「和さん、唯さん、梓先輩! 曲の編曲、頼みましたよね?」


和&唯&梓「・・・ごめんなさい。すぐ行きます」


  あ~あ、みんな慌しいな~♪

  なんか今までみんなでお茶していたのに、

  誰もいなくなるなんてちょっと寂しいかな(苦笑)

  まあ、それだけこの事務所に仕事があるってことだから良い事なんだけどね♪


 ドタドタドタ、ガチャ!

菫「お姉ちゃ・・・じゃない、社長! オーディションがあるって言ったじゃないですか!」


紬「あっ・・・ごめんなさいね」


  忘れていたわ。

  今日は次世代の放課後ティータイムを作る為のオーディションがあったんだったわ~(てへっ)

   って事で、今日はここまで筆を置きますね。


  また機会がありましたら日記の続きをお見せしますね♪

 

  以上、琴吹紬の日記(その3)でした♪





後書き

書きたい事を書いたら、思いのほか長くなってしまいました。
すいませんです。ぺこ <(_ _)>
こんな駄文に付き合って頂き、ありがとうございました。

えっと、1つ言っておきます。<Thank>のネタですが、自分で考えたわけではありません(苦笑)
どっかのサイトに載っていた小ネタを使いました。
誇大評価を受けると嫌なので先に言っておきます。

(けいおん!)ファンなら結構有名な話なんですが、意外に知らない人が多いみたいで、
「凄いね!良いネタじゃん!」とか言われるので、ここに載せる時には言ってしまえって感じです(笑)

作中でYui&Azusaが歌っている曲は平沢唯役の声優、豊崎愛生さんが実際に歌っている曲です。
作詞作曲が奥華子さんで私、大好きな曲なんです。
某サイトでPVも見れますので、良かったら聞いてみてください。

本当はここで最終回の予定でしたが、別サイトで意外に閲覧して頂けたので、
調子に乗って、(その4)(その5)まで書いてあります。
今は自分のパソが壊れているため、すぐにはアップ出来ません。
そして読むときにはハードルは絶対に上げないでくださいね。

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