とある未来の学園都市
とある二人の子供である少年が学園都市で暮らす未来の物語。
まだまだ初心者ですが、なるべく早く更新できるようにがんばりたいと思います。
一週間に一回は更新していこうと思います。
コメント、アドバイス、評価などしていただけると嬉しいです。
「いってぇ!!」
とある公園、いつも学校の下校にとある自販機で一服するのが少年の日課だった。
だが、今日はその辺りで事故?があったようでそこら辺一体が立ち入り禁止であった。おまけにアンチスキルまで見回っているようだ。
仕方なくその公園内にあるもうひとつの別の自販機にすることにし、向かっている途中に道に落ちているバナナの皮を踏んで転び今に至るのである。
「まさか俺ともあろうことかバナナの皮で転ぶなんて...」
幸運なことに周りには誰もいないようだ。
「不幸だ...」
少年は決して幸運ではない。むしろ不幸だ。ある人が1つの幸運を得ると少年に小さな不幸が訪れているという感じではないのか?と思うくらいに少年には不幸と一緒に生きている。
だが少年は人一倍不幸であるとともに...
「まぁ、この俺がこのバナナの皮で転ぶことがなければ、このバナナの皮がゴミ箱に行くことはなかっただろう!」
人一倍前向き(ポジティブ)である。
そして少年はそのバナナ皮を持ってゴミ箱へ放り投げる。
「いやぁーまた地球に優しいことしたなー」
と言い少年は自分の寮に帰ることにした。
まぁ、少年がわざわざ転んでバナナの皮をゴミ箱に捨てなくとも、この学園都市内に徘徊しているドラム缶のような動くゴミ箱が勝手に拾ってくれるのである。
「あれなんか忘れてるような...?まぁいいか」
と言い少年、上条真琴(かみじょうまこと)はなんのためにこの自販機まで来たのかを忘れる。
~寮~
真琴「ただいまー...って誰もいねぇーか」
真琴は玄関のドアを開け、真っ先に自分のベッドへダイブした。
真琴「はぁーようやくリラックスできるぜぇ~」
テーブルにある時計を見ると
16:30
真琴「まだ夕飯には早いしどっすかなー」
タッタッタ...!
寮の階段をもうダッシュでかけ上がる足音が響く。だが真琴は気づいていない。
真琴「まず夕飯なににすっか...」
バンっ!
玄関のドアが勢いよく開けられると、そこには少女が立っていた。そして真琴の姿を見つけると目が光り、ベットにいる真琴に飛び付いてきた。
「にぃぃちゃぁぁーーーん!!!」
真琴「おぶっあぁっ!!??」
仰向けに寝ている真琴の上におもいっきりダイブしてきたのだ。
予測もしていない攻撃?に思わず変な呻き声が出る。
真琴「朷香...なぜここに...?」
この少女の名前は上条朷香(かみじょうとうか)、真琴の妹である。
朷香「にぃちゃ...むにゃむにゃ...」
真琴「って、寝るな!!」
朷香「はっ!」
真琴「はっ!じゃねぇよ、なんでここにいんだよ?ここ男子寮だから、お前がいたらまずいだろ」
朷香「私たちの愛にそんなこと関係ないわっ!」
真琴「はいはい。何しに来たのかな?お嬢ちゃん?」
朷香「ご飯食べに来ました。」
真琴「今考えてたとこだよ」
朷香「ならどっか食べに行こうよ!」
真琴「外食か、たまには二人で食べに行くかぁ」
朷香「ごちになります」
真琴「それが狙いか...」
~ファミレス~
朷香「っただきまぁすー」
と言うと朷香はハンバーグを切り、口へ運ぶ。
朷香「んん~♪」
真琴「ホントにファミレスでよかったのかよ、別に寿司とかでもよかったんだぞ?」
朷香「んー?だって兄ちゃん、そんなにお金持ってるわけじゃないだろ?」
真琴「いや別にお前が気にすることじゃないぞ」
朷香「もぐもぐ...兄としての威厳なのか知らないけど、あんま意地張らなくてもいいんだよ?どっちらかというと私の方がお金持ってるんだし」
真琴「それ言っちゃう...?」泣
朷香「まぁ、私は美味しければなんでもいいからぁ」
真琴「安い妹だ...」
能力開発。この学園都市に来るときに全員、身体検査にかけられ一人1つの能力を得る。その能力の強さで6段階のレベルに分けられる。
超能力者(レベル5)
大能力者(レベル4)
強能力者(レベル3)
異能力者(レベル2)
低能力者(レベル1)
無能力者(レベル0)
かくいう真琴は無能力者(レベル0)である。無能力者と言っても能力自体はあるが、ほとんど使い道がない程度のものだ。
だが真琴は身体検査でも何の能力なのか、どのレベルなのかも検出されず、無能力者の烙印を押されているのであった。
なので真琴自身、自分が何の能力名なのかもわからない。
朷香は一応、真琴よりレベルは上らしいが、何の能力か、どのレベルなのかをなぜか頑なに話そうとしない。
真琴は妹の事を何もわかってはいなかった。
~寮~
朷香「ふぅ、お腹一杯だし、寝ますかぁ」
と言って、朷香は真琴のベットにダイブする。
真琴「寝るな、そろそろ帰ったらどうだ?送るぞ?」
真琴がそう言うと朷香はテーブルの時計を見た。
20:00
朷香「うーん、今日くらいここに一泊してもよくなーい?」
真琴「よくない!何度も言ってるがここは男子寮なんだから、お前がここにいる時点でダメなんだっつーの」
朷香「えぇー、しょーがない帰るかぁ」
真琴「あ、寮まで送るぞ」
朷香「え?あ、いいよ、一人で帰れるし」
真琴「だけどもう夜だぞ?兄として心配なんだが」
朷香「だからいいって、一人で帰るからさ」
真琴「だけどなぁ」
朷香「もう心配性なんだからぁ、いいから一人で帰るから!」
と言うと朷香は勢いよく玄関のドアを開けた。
真琴「あ!おい!」
バタンっ!
真琴「なんなんだ、あいつ...?」
そう言うと真琴は何か気づいたように次の一言を言った。
真琴「つかあいつ、どこの寮に住んでるか知らねぇな俺...」
ーー翌日ーー
~学校~
小萌「~なのでー...~だから、なのですよ」
学校というものは嫌いではない。特に勉強が出来ると言うことでもなく、クラスのムードーメーカーというわけでもない。それでも今いる友達と一緒に入れる場があるのは、それだけで学校が楽しいと思える。
真琴「ふぁーぁ」
今日一のあくびをし、無意識に顔を窓の外へ向ける。窓側席の特権だ。
そして真琴は昨日の朷香の事を思い出す。
朷香は真琴が寮まで送ることに頑なに拒否していた。それが気がかりで、あまり授業に集中できなく、今のようにたびたび考え事のように窓の外を見ていた。
小萌「~なのでー...って、上条ちゃん聞いてますかぁ!!」
真琴「え?あ、ふぁい!」
不意打ちのように自分の名を呼ばれ、ふと我に帰り、間の抜けた返事をしてしまった。
自分の間抜けな返事が受けたのか、がやがやとクラスにちょっとした笑いが生まれる。
キーンコンカーンコーン
担任の小萌先生が続けて何か言おうとしていたが授業終了のチャイムが鳴ったので、先に授業を終わらせる事にした。
小萌「じゃあ上条ちゃんには先生にちょっとだけお手伝いしてもらいますから、昼休みに職員室に来てくださいねー」
真琴「なん...だと」
~昼休み~
小萌「じゃ、上条ちゃん、この荷物を先生と一緒に運んで欲しいのです」
真琴「は、はい」
と言い小萌先生はそこそこ大きい段ボールを渡してきた。
身長135cm、見た目小学生の小萌先生が余裕で持っていたので、真琴は軽いんだろーなー、と思いながら渡された荷物を持つと予想以上に重く、思わずヒザをガクンと落としてしまう。
小萌「それじゃ行きますよー上条ちゃん」
そう言うと小萌先生と廊下を歩き始める。
小萌「それにしても上条ちゃんはお父さんにそっくりですねー」
真琴「え?父さん?」
小萌「あれ?上条ちゃん知らないんですか?上条ちゃんのお父さんもこの学校生で担任も先生だったんですよー」
真琴「し、知らなかった...」
小萌「いや~お父さんも上条ちゃんみたいに、やんちゃで大変でしたよー」
真琴は自分の父親の事はあまり知らない。会うことが全くと言っていいほどないからだ。
学園都市にいるからと言うものもあるが、父はほとんど海外生活らしい。しかも色々と仕事やらで海外を飛び回っているようだ。
真琴「ん?っていうか先生、父さんの世代から先生って...一体今何歳なんですか...?」
小萌「ギクッ...上条ちゃん、女の子に年齢を聞くのはあまり良くないと思うのですよー?」
真琴「女の子...ですか」
小萌「バカにしていますね...?」
荷物を運び終えると小萌先生はお礼を言い、真琴は教室へ帰って行った。
キーンコーンカーンコーン
真琴「さて、今日も終わりましたし、いつもの公園で一服しますかぁ」
~公園~
どうやら昨日の事故の検分も終わりアンチスキルもいなくなっていた。
そしていつもの自販機でヤシの実サイダーを買いベンチで一服している。
真琴「ふぁあー、なんだか眠くなってきたなぁ」
ベンチの向かいにある道に今日はイレギュラーな人物が歩いていた。
その人物は黒い修道服を着ていて赤髪で長髪、修道服のイメージには似つかないピアスや指輪などをたくさん着けている男だった。
真琴(なんだあれ...宗教かなんかの人?それにしちゃ、かなり柄の悪そうな人に見えるし、関わらないほうがよさそうだな)
真琴はそんなことを思っていると缶ジュースの中身が無くなっていたことに気づいた。
真琴「さて、帰るか」
真琴はベンチから立ち上がろうとすると、ふいに声をかけられた。
ステイル「おい、お前の名前は上条真琴で合ってるな?」
見ているとさっきの黒い修道服をきた神父が俺に話しかけていた。
真琴(うわ、さっきの柄の悪そうな神父だ...なんで俺の名前を...?とにかくここはごまかして...)
真琴「いえ、人違いです、上条真琴なんて名前聞いたことないですヨ?」
ステイル「はぁ、ったく、父親に似て全くもってイラつく面をしているうえに、口答えをしやがる」
真琴「はぁ!?人の顔見ていきなりイラつくとかなんなんだよ!それに父親に似てってどうゆう...って、え?父親?」
ステイル「あぁお前の父親、上条当麻は今はイギリス清教にいる、僕としては早く出ていってもらいたいんだがね。魔術師でもないのになんであんなやつが優遇されてるのか...まぁ父親の話はどうでもいい」
真琴(イギリス清教?魔術師?一体こいつは何を言っているんだ...?それに親父のこと知っているのか?)
ステイル「本題に入ろう、今この学園都市には一人魔術師が入り込んでいる、奴の目的はイギリス清教から持ち出した聖遺物を盗み、この学園都市を通じて別の国へ持ち出そうとしている」
真琴「お、おいちょっとまて!何かってに話をすすめているんだ!魔術師?聖遺物?全く意味がわかんねぇよ!ちゃんと一から説明しろ、そしてお前は何者なんだよ」
ステイル「はぁ、ものわかりが悪いのは父親譲りか?君にはこの学園都市のどこかにいる余所者を退治しろって言ってるんだよ、あと、僕の名前はステイル=マグヌス、イギリス清教の『ネセサリウス』所属」
真琴「やってほしいことはなんとなく理解したけど名乗ったあとが専門用語すぎんだよ!はぁ、ようはその余所者を追い出せばいいのか?それは俺に手伝えることなのか?俺は学園都市の中でも最下位の無能力者なんだぞ?」
ステイル「何を言っている、君には父親譲りのあの能力を持っているはずだが?なんだ自分のことなのに知らないのか、ならば身をもって知れ」
真琴「へ?」
ステイル「ーーーー巨人に苦痛の贈り物を!」
轟!と彼の手には突如燃えたぎる炎剣があらわれる。それを躊躇なく真琴へと薙ぎ倒してきた。
真琴「ぐッ!!」
真琴自信にも分からなかった、分からないけど気づいた時には自分の右手が炎剣を抑えていた。
真琴(なっ、なんだこれ...反射的に右手を...)
理解できない。体にはこの燃えたぎる炎の熱が痛いほど伝わってくるのに直接触っている右手には何も感じない。まるで自分の中に眠る何かが呼び覚まされようとしているかのように
ステイル「なんだ分かっているじゃないか」
すると神父の手からは炎は完全に消え去り、先程の熱もすべて無くなっていた。
ステイル「それが君の能力だ」
真琴「ハァハァ...俺の能力...?」
ステイル「あぁ君の父親も持っていた魔術師にとっちゃ忌々しい能力『幻想殺し』イマジンブレイカーだよ」
真琴「『幻想殺し』イマジンブレイカー?」
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