2015-12-31 16:16:22 更新

ラビットハウスにて


青山「ふぅ、ここは落ち着くわねー」


リゼ「お待たせしました、ご注文の特製カフェラテです」


青山「どーもー」


青山「ココアさんも、随分ラテアートがお上手になったわー」ズズズ...


青山「おいしいわー」


青山「あら?」


青山「あららら?」


青山「なんだかーお腹がー」バタリ


          *


リゼ「・・・ということで、青山さんがうちのカフェラテを飲んで倒れた」


ココア「それは大変だよ!」


チノ「うちの評判が悪くなってしまいます」


千夜「お邪魔しまーす」


シャロ「先輩!大丈夫ですか!?」


リゼ「わ、私は大丈夫だ・・・いや、心理的には大丈夫じゃないかもしれんが・・・てか二人はなんで来たんだ?」


千夜「何かお力になれるかもと思って」


千夜「私、推理は得意なの」


リゼ「推理って・・・」


千夜「まず、状況を確認しましょう」


千夜「青山さんが飲んだカフェラテは、誰が作ったの?」


チノ「抽出したのは、私です」


ココア「その後、私がミルクでラテアートしたよ!」


リゼ「運んだのは私だ」


シャロ「この中に・・・犯人が・・・」


ココア「そんな!私は犯人じゃないよ!信じて!」


リゼ「わっ、私だって違うぞ!客を腹痛にさせる動機が無い!」


チノ「動機で考えるならマスターの娘である私が一番犯人から遠いはずです」


シャロ「み、みんな落ち着いて!」


千夜「じゃあ、その時の再現してみてくれないかしら」


チノ「もう一度カフェラテを作るんですね、分かりました」


ココア「頑張るよ!」


チノ「私が抽出して・・・」


ココア「それを私がラテアートして・・・」


リゼ「それを私が運んで・・・」


千夜「それを私が飲む」


シャロ「千夜ぁ!」


リゼ「おっ、おい!それでさっき人が倒れたんだぞ!」


千夜「おいしいわぁ。いつもの味よ」


シャロ(まさか、タダで飲みたいがために・・・)


千夜「青山さんがその時倒れたのは、ラビットハウスのせいじゃなくて、たまたまじゃ・・・うっ」


シャロ「・・・千夜?」


千夜「うううう・・・」バタリ


ココア「千夜ちゃんが倒れた!?」


リゼ「そんな!不可能だ!」


チノ「皆さんカフェラテを作る過程は全部見てましたよね?怪しいところは無かった筈です!」


シャロ「でも・・・千夜は倒れた・・・。」


チノ「・・・・・・」


チノ「こうなったら、私だけでも身の潔白を証明します」


ココア「チノちゃん・・・?」


チノ「もう一度、豆を抽出して・・・」


チノ「ココアさんがラテアートする前の、この段階のエスプレッソを私が飲めば、少なくとも私は犯人じゃありませんよね?」


リゼ「確かにな・・・一回目再現の時と、全く同じように抽出したようだし・・・」


チノ「では、飲みます」


ココア「チノちゃん!駄目だよ!」


チノ「ココアさんは、私のことが信用出来ないんですか?」


ココア「そうじゃないけど、チノちゃんにもしものことがあったら・・・私お姉ちゃん失格だよ・・・」


チノ「大丈夫です、自分の無実くらい自分で証明します」


チノ「では」グビッ


ココア「・・・・・・」


リゼ「・・・ち、チノ・・・」


シャロ「・・・ど、どう?」


チノ「変わりません、いつも通りのエスプレッソです」


ココア「よかったー」


チノ「ほら、私は何も・・・」


チノ「・・・うっ」


ココア「チノちゃん!」


チノ「うううう・・・」バタリ


ココア「チノちゃんが倒れた!」


リゼ「そんな馬鹿な!」


シャロ「じゃあ犯人は・・・チノちゃん自身?」


リゼ「チノは倒れるって分かってて飲んだのか?」


ココア「チノちゃんがそんな自傷行為まがいのことする筈ないよ!」


リゼ「じゃ、じゃあ原因は他にあるのか・・・」


リゼ「くそぅ・・・くそぅ・・・」


シャロ「せせ先輩、おおお落ち着いて下さい」


シャロ「そうだ、二人とも事件が発生してから何も飲んでないでしょう?私が心を落ち着けるハーブティーを淹れましょうか?インスタントですけど」


ココア「確かに、いつもならこの時間帯は休憩で、みんなでコーヒー飲んでる頃だけど・・・」


リゼ「今はコーヒーは・・・ちょっとな・・・」


リゼ「じゃあお願いするよ、シャロ」


シャロ「任せてください。カップお借りしますねー」


ジョボボボ...


シャロ「濃くないかな・・・?ちょっと味見しよう」ズズッ


シャロ「よし、うまく出来・・・うっ」


リゼ「あれ?シャロ?」


シャロ「うううう・・・」バタリ


リゼ「シャロが倒れた!」


ココア「そんな馬鹿な!コーヒーですらないのに!」


リゼ「いや、原因はこのカップだったんだ・・・」


リゼ「昨夜カップを洗ったのは?」


ココア「マスター・・・だけど・・・」


リゼ「マスターが犯人?いや、そんなわけないよな・・・」


リゼ「カップに関して、最近変わったことはあったかな・・・」


ココア「そういえば最近、洗剤が変わったよ!」


リゼ「それが危険製品だったのか・・・」


リゼ「じゃあマスターに、その洗剤を使うのをやめるように言おう。今あるカップは全部洗い直しだ」


ココア「うん」


           *


数時間後


ココア「洗い終わったよ」


リゼ「やっと落ち着いてコーヒーが飲めるな・・・」


ココア「うん」


リゼ「私がさっきちゃちゃっと淹れたインスタントだけど・・・飲むか?」


ココア「うん、ありがとう」


ココア「いただきます」ズズズ...


リゼ「四人犠牲になったが、真相が分かってよかったな・・・」


ココア「」ビシャッ


リゼ「おいココア、コーヒーこぼしたぞ」


リゼ「まったく仕方ないな・・・雑巾を・・・」


リゼ「・・・ココア?」


ココア「・・・うっ」


ココア「うううう・・・」バタリ


リゼ「ココアが倒れた!」


リゼ「馬鹿な!どういうわけだ!」


リゼ「ん?よく見たらこの雑巾の柄、どこかで見たような・・・」


リゼ「これはさっき洗ったカップを拭いてたタオルの柄と一緒じゃないか。雑巾と間違えて綺麗なタオル持ってきちゃったかな?」


リゼ「いや、ま、まさか・・・」


リゼ「今まで、タオルと間違えて雑巾でカップを拭いてたのか!みんなが倒れた原因はそれだ!」


リゼ「やった!ついに真相を突きとめたぞ!ばんざーい!」



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