にこ「にこの声で世界を救うにこ」
にこ中心の話
矢澤先輩の声は世界を救う
それは、ある日の昼休みだった。
生徒A「…でしょ!あなたが……」
生徒B「なによ!あなたこそ…」
にこ「ん?何か外がうるさいわね。」
ガラッ
にこ「ちょっと!そこの2人!言い争いは止めなさい!」
生徒A「え?あ…ごめんなさい生徒B」
生徒B「こっちこそごめんね。」
にこ「ふん。わかればいいのよ。」
部活にて
凛「真姫ちゃん!ここはこうでしょ!」
真姫「違うわよ!ここはこうしてこうよ!」
にこ「ほらほらあんたら、言い争いしないの。」
凛「あ…ごめん真姫ちゃん。」
真姫「私も言いすぎたわ。」
にこ「あら、妙に素直ね。」
絵里「そうね、何かあったのかしら。」
帰り道…
不良A「アア!?ヤンノカゴラ!」
不良B「アア!?カクゴデキテンダロウナゴルア!」
にこ「うわ、不良達が喧嘩してるし…」
にこ「仕方ないわねー」
にこ「ちょっとあんた達!止めなさい!」
不良A「あー、確かにこんなことしてても意味ねえな、悪かったよ。」
不良B「そうだな、家に帰るか。」
にこ「あら?大人しく帰った…?」
にこ「なんか今朝からいとも簡単に喧嘩とか言い争いを止めてるわね…、まさか…」
真姫「にこちゃんの声に争いを止める力がある?」
にこ「そうよ!」
真姫「にこちゃん、前から頭おかしいと思ってたけど、ついに悪化した?」
にこ「してないわよ!なんか昨日私が一声かけただけで言い争いとか喧嘩が止まったのよ。」
真姫「そういえば…」
真姫「仕方ないわね、調べてあげる。」
絵里「ええっ?!にこの声に争いを止める力がある?」
真姫「ええ。調べてみてわかったわ。」
ことり(一体どんなふうに調べれば分かるんだろう…)
真姫「あと少しの帰省本能を掻き立てる力があることもわかったわ。」
海未「それはすごいことではないですか!この世界から争いを無くすことも可能かも知れません!」
真姫「そうね。にこちゃん、行ってらっしゃい。」
にこ「なんでよ!私は今までどおりμ'sとして活動するわよ!」
真姫「冗談よ。」
にこ「私宛てに手紙?学校に?」
絵里「ええ、渡して欲しいって頼まれたわ。」
にこ「どれどれ」
にこ「……」
にこ「はぁ?!」
絵里「何が書いてあったの?」
にこ「読んでみれば分かるわ…」
凛「ええー!にこちゃんに戦争を止めてほしい?」
希「そう手紙が来たんか?」
にこ「ええ。」
花陽「危険だよ、行かない方がいいよ!」
にこ「いいえ、私は行くわ!」
絵里「…本気で言ってるの?」
にこ「ええ、そしてμ'sをもっと有名にしてみせるわ!」
海未「命を落とすかもしれないんですよ!?」
にこ「私がその程度で命を落とすわけないでしょ?」
真姫「その自信はどこからくるのよ…」
にこ「とにかく私は行くわ。」
絵里「仕方ないわね、ただし、絶対に生きて帰って来ること。」
にこ「まっかせなさい!」
その後、私はいろんなところに行った。知ってる国から知らない国まで。そして沢山の戦争をとめた。時々日本に戻って音ノ木坂学院に戻ったりした。そんなある日…
にこ「ただいま!」
穂乃果「おかえりにこちゃん!」
にこ「やっと戻ってこれたわ!」
真姫「ニュースも凄いわよ、「一声で戦争を止めた少女」だって。」
凛「世界の争いもほとんどなくなったんだってね!」
花陽「戦争で国を離れていた人も、ほとんどの人が国に帰れたんだって!」
真姫「国を離れると言えば、最近この近くで外国人を見ないわね。」
ことり「そういえば…」
海未「秋葉原は外国人にも人気のはずです。なぜ見ないのでしょうか…」
ガチャ
絵里「…」
穂乃果「絵里ちゃん!どうしたの?元気ないね?」
絵里「…話があるの。」
7人「ええー!?」
にこ「う、嘘でしょ?」
絵里「嘘じゃないわ。」
ことり「絵里ちゃん、国に帰っちゃうの?」
凛「どうして?」
絵里「…私の居場所は、ここじゃない気がするの。」
穂乃果「そんな…」
希「今日は1回、みんな家に帰ろうか。」
ことり「うん…」
にこ「なんで絵里が帰っちゃうの?」
にこ「はぁ…」
絵里(ええっ?!にこの声に争いを止める力がある?)
真姫(ええ。調べてみてわかったわ。)
真姫(あと少しの帰省本能を掻き立てる力があることもわかったわ。)
にこ「ん?帰省本能?」
にこ「絵里が国に帰る…まさか…にこの声のせい…?」
にこ「そんな…」
絵里(にこのニュース、いつも見てるわよ。)
にこ(そう?ありがと。)
絵里(すごいわよね、一声で争いを止められるなんて。)
にこ「テレビ越しても、力がある…?」
にこ「そんな…私の……せいで…?」
にこ「嫌…嫌だ……そんな…」
にこ「なら…こんな力は、いらない!」
にこ「いやあああああああぁぁぁ!」
私の意識は、ここで途切れた。
にこ「う……ここは…」
???「ねえ、絵里が帰って欲しくない?」
にこ「あんたは…誰?」
???「ねえ、答えて?」
にこ「あんたは…私?!」
???「……」
二コ「そう、争いを止める力を得る前のあなた。」
二コ「質問に答えて?」
にこ「当たり前よ、帰って欲しくないわ。」
二コ「世界の平和に自分の地位、それと絵里と一緒にいる、どちらを選ぶ?」
にこ「世界の平和と自分の地位ーー
と言うとでも思った?」
二コ「思わない。と言うか言ってたら殺してる。」
にこ「物騒なこと言わないの。アイドルでしょ?」
二コ「じゃあ物騒なこと言わせないの。あなた私でしょ?」
にこ「返す言葉もないわ。」
二コ「じゃ、いいのね?」
にこ「もちろんよ、今の私が1番大切なのは、9人の女神、μ'sだから。」
二コ「そう、じゃ、さよなら。」
にこ「ええ。」
にこ「…ん」
にこ「あれ、ここは…」
にこ「ってもうこんな時間じゃない!学校行かなきゃ!」
希「おはようにこっち。」
絵里「おはようにこ。」
にこ「ええ、おはよう。」
にこ(きっと、これが1番正しいわよね。)
その誰に言ったかもしれない質問のあと、誰かの笑った声がした……そんな気がした。
矢澤先輩の中では世界平和<μ'sでした。
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