百合の園
自作の百合小説です。
最後までご覧になって頂ければ幸いです。
百合は正義や!!
5月10日月曜日。
私、楪楓は父の都合で北海道へと引越してきた。
高校2年生である私はもちろん新しい高校にも行かなくてはいけない訳で、編入試験は大変だったがこの地域では少し上の高校、市立東嶺高校へと入る事が出来た。
今は丁度新しく入るクラスの担任の先生と面談をしまいと会議室へと初登校をしているところだ。
「失礼します」
一言告げドアを開けると窓から入る僅かな風が、数歩先の椅子に座るなんとも魅力的な女性の綺麗な黒髪をたなびかせていた。
「いらっしゃい、あなたがゆずりは・・・楪楓さんね?」
「・・・」
「あっ、ごめんなさい!少し漢字に疎いもので、ゆずりはじゃなかったかしら?」
しまった、先生に見蕩れてしまいなにも聞いていなかった
「い、いえ!すみません!緊張していたもので・・・ゆずりはです・・・」
慌てて取り繕うも、その焦りが見て取れたからかくすっと笑われてしまった
「そう、よかったわ。それじゃあ楪さん、私は蓼丸栗花落、蓼丸先生でも栗花落先生でも、好きに呼んでちょうだい?」
「はい!わかりました!!」
「あら、いいお返事」
そう言うとまたもくすっと笑われてなんだかとても恥ずかしい気分になった。
そんなわけで栗花落先生に付いて教室まで歩いていくとふとドアの前で先生が立ち止まり
「あのね、楪さん、私のクラスの子達は・・・というより、この学校の子達はとっても優しくて明るくて、きっとすぐに楪さんを受け入れてくれるわ」
「はぁ・・・」
「だからしっかり、友達関係も、勉強も、運動も、一生懸命打ち込んでくれると先生としても嬉しいわ」
そうにっこりと微笑む彼女は、先生としてというか、人として、女性として憧れてしまうような儚い美しさがあった。
「さあ、入るわよ」
そう言ってドアを開け、いよいよ私の新しい学校生活が始まった。
「さあみんな!席についてー!」
「おっはよーゆりちゃん先生ー!今日も随分とべっぴんさんだねぇ!!」
「はいはい、セリカさん、席につきなさい?」
そう言って先生が苦笑を浮かべながらセリカ?さんを席に追いやる
「はいみんなー!今日からこのクラスの新しい仲間になります、楪楓さんです、面談してみたけどとってもいい子だと思うので、みんなちゃーんと仲良くしてあげてねー 」
彼女がそう言うとクラス中から返事が返ってくる
「ほら、楪さん、みんなに向かって1度自己紹介してもらえるかしら?」
「えっ、あっ、はい!」
緊張して少し声が裏返ってしまい前の席の人と先生には聞こえていたからかくすくす笑われてしまった。
「え、えっと、私は楪楓って言います、趣味は絵を描くこと、特技は暗記する事です!ええと、勉強も運動いまいちだけど、みんなと一緒に頑張って少しでも出来るようになれたらなって思います!よろしくお願いします!」
「はい、ありがとう楪さん。みんなから楪さんに質問とかはある?」
「はいはーい!はーい!はーーーい!!」
さっきの綺麗な金髪の・・・そう、セリカ?さんだ
「セリカさん・・・まともな質問をお願いしますね」
少し呆れ気味に先生が質問権を振る
私としても何が聞かれるのかわかったものじゃないので少し不安だが・・・
「楪ちゃん可愛いけど彼女とかいるー?てか楓ちゃんって呼んでいーい?」
「はいえぁっ!?」
思わず変な声が出た、彼女?え、いや、楓ちゃん?いや、楓ちゃんはいいけど、彼女?
「あ、はい、楓でいいですよ、皆さんも・・・か、彼氏はいません」
「ちがーう!楓ちゃん、彼女が、いないのかどうかをだね」
「止まりなさい、セリカさん。」
先生が静かに怒りの笑みを浮かべるとセリカはすぐに黙って席についた
「あら?杏珠さんも質問?」
「はい、大丈夫ですか?」
「ええ、どうぞ」
そう言うと少し間を置いてあんずさんが少しニヤッとして質問を飛ばしてくる
「私は椎名杏珠って言います、楓さん、あなたは女の子同士ってありだと思いますか?」
私は・・・私はとんでもない学校に入ってきてしまったのかもしれません・・・
ありがとうございました!
まだまだ頑張って執筆してるので拙い文ではありますが是非読んでいただければと思います。
尚、今回はエピローグよようなものですが、今後少しずつゆるーい百合空間が形成されていきますので、そこのところよろしくです。
僕は趣味で漫画描いてるんですが。あなたの原作で漫画を一緒に描きませんか?明日までに返事をいただければ幸いです。
ダメならいいですが