2018-12-11 00:48:23 更新

少女が真夜中、机の上でため息をついている。

少女「はぁ…」

少女は小春。今年で19になる大学生だ。

小春「瑞鶴さんかっこいい…」

この娘は若い姉弟提督の下で暮らしている、提督志望の少女だ。

ちょくちょく鎮守府に行って様々な艦娘と話したり、遊んだりしている。

最近小春はよく空母寮に行って遊んでいる。

お目当ては五航戦の瑞鶴だ。とても小春と仲が良くある種の尊敬をされている。

小春「今度お菓子持って行こうかな」


姫菜「ん?小春ちゃんキッチン使うの?」

小春「はい!少しお菓子作ろうかなって」

姫菜「あとで少し分けてもらってもいい?」

小春「もちろんです!」

姫菜「やったぁ。小春ちゃんのお菓子美味しいからなぁ」

小春「ありがとうございます」

嬉しそうに微笑んで、材料の用意を始める。


姫菜(こんなかわいいのに浮いた話を聞かないのは少し不思議だなぁ…)

小春「~♪」

鼻歌を歌いながら調理している。

姫菜「鼻歌も可愛いなぁ」

小春「こんな感じでいいかなぁ」

材料を合わせて捏ねながら型を探す。


オーブンにクッキーを入れて焼き始める。

小春「ふぅ…あとは焼きあがるのを待ちましょう」

姫菜「お疲れ様。小春ちゃん」

自然に皿洗いをして、二人分のお茶を淹れている。

小春「姫菜さん…ありがとうございます」

姫菜「可愛いなぁ~」

頭をぽんぽんと叩きつつリビングにお茶を運んでいく。

その後ろを小春がついていく。


姫菜「あのクッキー誰にあげるの?」

小春「えーっと…空母の方々に…」

姫菜「そういえば最近よく空母寮のほう行ってるものね」

小春「えへへ…いろんなことを教えてもらってます」

姫菜「仲がいいことはいいことね」


小春「姫奈さん…瑞鶴さんと翔鶴さんってどんなお菓子が好きなんでしょうか…」

姫菜「あの二人…?」

小春「はい…いろいろお世話になっているので…」

姫菜「なるほどね。そうだなぁ…」


小春が姫菜の次の発言を聞き逃すまいと構える。

姫菜「そうだねぇ…小春ちゃん作った物なら何でも喜ぶと思うけど…。和菓子も洋菓子も二人とも好きだね」

小春「なるほど…クッキーの次は和菓子に挑戦してみようかな…」

姫菜「いいね和菓子!」

小春「本買ってきて少し練習してみます!」

姫菜「試作品できたら食べさせてね」

小春「もちろんです!」

姫菜「楽しみだわ~」


お茶を飲みつつ姫菜ととりとめのないことを話していたらいつの間にか数時間が経っていて、クッキーの焼けるいい匂いがしてきた。

姫菜「焼けてきたね」

小春「もう少しで出来上がりますね」


タイマーのアラームが鳴って焼けたことを告げてくる。

小春「とってきまーす」

クッキーを取り出すために厚い手袋をつけてオーブンを開け、鉄板を引き出す。

小春「うん。うまく焼けた!」

鉄板を下して、少し冷ましてからクッキーを一つ一つ取っていく。

今食べてしまう分と瑞鶴達に渡す分とを分けて、今食べる分を皿にのせ姫菜の前に置く。

姫菜「うん。おいそうね!」

小春「えへへ…。あとで姫菜さんのラッピング用品借りてもいいですか?」

姫菜「ん?いーよー好きに使って!」

小春「ありがとうございます!」


姫菜「いただきまーす」

小春「いただきます」

手を合わせてからクッキーを手に取る。

さくっという音がリビングに響く。

姫菜「おいしいねぇ…!上達してるよ!」

小春「上手くいきました!」

姫菜「焼き加減も味もいい感じ」

小春「これなら胸を張って渡せます」


小春「じゃあラッピング借りますね!!」

姫菜「はーい」

足早に袋に入れたクッキーを持って姫菜の部屋に向かう。


姫菜「うーん。可愛いなぁ小春ちゃん」

さくっと音を立てながらクッキーを食む。

もぐもぐ

姫菜「瑞鶴とうまくいくといいなぁ」


小春「喜んでもらえるかなぁ」

袋をテープやリボンを使ってうまくまとまるようにデコレーションする。

小春「瑞鶴さん…緑多めで作ってみよう」

がさごそといろいろなテープをひっくり返しながら作業を続ける。


小春「できたぁ!!!」

数時間経ってやっと完成したので明日持っていくためにバッグに入れる。

小春「喜んでもらえるかなぁ~」


その日の夜は、どんな風になるか楽しみでなかなか寝付けなかった。


翌日

小春「瑞鶴さーん!!」

鎮守府に遊びに来てすぐに瑞鶴の下へ向かう。

瑞鶴「ん?どうしたの?」

小春「えへへ…これ、受け取ってください!」

クッキーを両手で差し出す。

瑞鶴「これ…私に?」

小春「はいっ!」

瑞鶴「もしかして手作り…?」

小春「はい!頑張りました!」

瑞鶴「ありがとう…嬉しい!」

小春「喜んでもらえて嬉しいです…!」

瑞鶴「というかここで話してないで部屋いこっか。早く食べたいし!」

小春「行きます!」

瑞鶴「はいはいっ」


足早に階段を上り瑞鶴と翔鶴の部屋へ向かう。

瑞鶴「翔鶴姉!!小春ちゃんからクッキー貰った!!」

翔鶴「あら、よかったわね。と、小春ちゃんいらっしゃい」

小春「お邪魔しまーす」

瑞鶴「今お茶淹れてあげるねー!」

台所で手早くお茶を淹れる。

翔鶴がその間に小春を座らせる。


暫くして瑞鶴がお茶を持ってくる。

瑞鶴「お待たせ小春ちゃん。翔鶴姉」

三人分のお茶を置いて、クッキーもオシャレな皿にのせて机の真ん中に置く。


瑞鶴「いただきまーす!」

翔鶴「ありがとうね小春ちゃん」

小春「どういたしまして!」

瑞鶴が形のいいクッキーを手に取って口に入れる。

さくっといい音を立てる。

小春「どうですか…?」

瑞鶴「うん!おいしいよ小春ちゃん!」

小春「ありがとうございます!」

瑞鶴「いいお嫁さんになるね。小春ちゃんはきっと」

小春「お、お嫁!?」

瑞鶴「うんうん」

小春が頬を赤くしてしまう」

瑞鶴「小春ちゃん顔赤いけど大丈夫?」

小春「だ、大丈夫です!」

瑞鶴が小春の顔を覗き込んできたので、思わぬ瑞鶴の接近に焦って体を反らせてしまう。

瑞鶴「ならいいけど…無理しちゃだめだよ?」

小春「はいっ!」


小春が普通に戻って他愛のない話をしながらミニお茶会を楽しむ。

小春はクッキーを食べながらちらちらと瑞鶴の顔を見ている。

特に端正に整った顔を見ている。

つややかな唇。

長いまつげ。

大きくて光あふれる目。

真っ白いわけではないほんのり血色のある頬。

肌がきめ細かくて思わずほおずりしたい衝動に襲われそうになる。


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