2015-10-26 00:13:08 更新

概要

いろはすSSだよ!三年生になった八幡のオリジナル展開って感じだよ。前半があるから、そっちを先に読んでね!


前書き

~前回までのあらすじ~

一色いろはの圧政に耐えかね、八幡・戸部・副会長の三人は『一色いろは・被害者の会』を結成した。
来る予算報告会で、野球部顧問の毒牙にかかる書記ちゃんを救うため、
一色を矢面に立たせ会議を円満に終わらせるため、
そして光なき世を救うため、今、被害者の会が暗躍する!


前半:




※※※※※※※※※※※※※


予算報告会、当日。



俺と戸部は早い段階で会議室に入り、肩を並べて会合が始まるのを待っていた。


すでに『一色いろは・被害者の会』メンバーであるところの、戸部・副会長と打ち合わせは済ませている。


あとはプラン通りに実行するだけだ。


「だ、大丈夫かなー、ヒキタニくんー!?俺、もう心臓がバクッバクで死んじゃいそうなんだけどー、あー、あがるわー!!燃えてくるわー!」


どっちだよ。


バッチンバッチン頬を叩いて気合を入れる戸部。

少し入れ込み過ぎているようなので、俺は声をかける。


「心配すんな、去年の林間学校の時よりかは爽やかなオチになるはずだ」


「そういうのあったなー、いやー、わかっけどさー……でも緊張するわー……」


言いつつも、あの時のことを思い出したのか戸部は苦笑する。

そういえば、こいつと謀りごとをするのは初めてじゃないんだよなー……


……だからだろうか、今回も結構無茶な仕事を振っているが、あまり気は重くない。

それに、どうせ戸部だし……


緊張した戸部を傍らに、ぼさっと座っていると、見知った顔が会議室に入ってくる。

葉山隼人……サッカー部部長だ。


入口近くの席に陣取る俺たちを見て、驚いた様子で声をかけてくる。


「お、お前ら!?……あ、ああ、そういえばなんか変な同好会つくったんだったな……」


え、何?そういうのって、どういう情報網があれば入ってくるの?

リア充ネットワークって凄い!……と思ったが、すぐに理由を思いつく。


当の一色が昨日までの間に、『一色いろは・被害者の会』のことを早速ネタにしたのだろう。


……あいつ、もしかして葉山との会話のためだけに、この同好会を認可したんじゃ……


ありえなくもない話に暗鬱とした気分になる。

まあ、お役に立てたなら結構なんですが……ねえ、本当に……


「隼人くーん!ちょりーっす!まあ、今日は俺たち、ちょっと気合はいってっから!」


襟足をわっしゃっしゃと掻きあげ、ずびしっとサムズアップを決めて、その覚悟を表明する。

もう本当うざいわ……こいつ……


続いて生徒会メンバーが入ってくる。


打ち合わせ通り、先頭にいた副会長は俺たちを見るなり「うわぁー」と驚いた振りをしている。

ちょっと大根ですね……


副会長の後から入ってきた一色も、何事かとこちらに目を向けると、俺達がいたものだから肩をビクつかせている。

……こっちは素の反応っぽい。


一色さんって、素になると、俺達を虫けらでも見るかのような目をなさるんですよね……


最後に入ってきた書記ちゃんは、笑顔でペコリと俺達に会釈をする。

うん、可愛い。(可愛い)


前の席に座った一色は、気が気でないという体で、俺達に不審な視線を投げかける。

俺と戸部は、しらっと視線を避けてやり過ごしていると、時間ギリギリに野球部の部長っぽい人と、顧問がづかづかと入って来た。


うわー、本当に来るんだなー……必死だなぁと視線を移すと、確かに他の部の顧問の姿もちらほら見かける。


俺達の隣には、手芸部と思しき優しげなおばちゃんの顧問が、部長と思しき女の子(可愛い)と、「うん、もうキンチョーしちゃうよねー、あーん!」などと、和気藹々と盛り上がっている。平和すなぁ……



やがて時間が来ると、話し声が収まっていく。

それを見計らって生徒会役員共が頷き合うと、副会長が起立した。


「――それではいいでしょうか?これより予算報告会を始めます」


副会長が議会進行役のようだ。

傍らで一色は腕を組んで、偉そうに座っている。


なんなの……あの後輩……

城廻先輩とか、積極的に自分で進行やってたような気がするんだけどな……



※※※※※※※※※※※※※


偉そうにふんぞり返っている一色はさておき、副会長による報告は順調に進んでいく。


まず最初に全体の予算枠が告げられ、次に各部の暫定予算。

くわえて増額と減額のあったクラブの、とりわけ目立ったものの理由を説明していく。


だが、同じような内容が、事前に配られたレジュメに書いてあるので退屈極まりない。


場内には早くも気だるげなムードが蔓延していた。


一色も時折こちらに警戒の目線を向けていたのだが、眠たい内容に、ついにはウトウトと船を漕ぎ始めた。

やる気あんのか。


「――説明は以上になります」


副会長が説明を終えた瞬間、会議室の空気が変わる。


ここからがお待ちかねの『相談タイム』だ。


予算見直しの最後のチャンス、俄然気合の入り方が変わってくる。

雰囲気が変わったのを察したのか、おねむでいらした一色さんも目を覚ましましたね……


「……それでは各部から、何か意見がありましたらお願いします。」


こちらも気合を入れ直し、野球部の位置を改めて確認した。

入り口付近は全体が見渡しやすいため、観察するに都合が良い。


早速、俺達のすぐ隣に位置していた手芸部のおばちゃん顧問が、手を挙げた。


隣にいる部長(可愛い)の頑張って!という声援を受けて、恥ずかしげに語られる内容はこうだ。


なんでも部員の増加と、モチベーションの高さから、今年はそれまで控えていたコンクールに、どんどん出品することにしたらしい。


要するに試合のようなものなのだろう。


それにあたって手芸用品の拡充が必要であるとのこと。


真っ当な内容に内心ほっとする。


説明を終えると、きゃいきゃい手芸部の部長(可愛い)と盛り上がっている。

予算上がるといいすなぁ……


その後も、ボチボチと他のクラブからも陳情が続く。どれも概ね控えめな要求だったが、中には切実な事情を持つクラブもある。


書記ちゃんも忙しく内容を書きとめ、時には確認のため、質問を返したりしている。

実に真摯な対応に、各クラブも書記ちゃんに好印象をもったようで、自然陳情にも熱がこもる。


うーん、一生懸命働いていますなぁ……



ちな一色さん、ここまで全く手伝う気配無しである。置物のようにちょこんと鎮座している。いろはすー。


だが俺達は俺達で勝負の刻が近づいている、一色ばかり見ている場合ではない。


そろそろ出番が来るはずだ。タイミングが遅れないよう、ターゲットに視線を集中する。


やがて各部、意見が出尽くしたのか、手を挙げる者もいなくなった時……



ついに真打ち登場と、野球部顧問が、ぬらりとその手を挙げた。


例年、このタイミングで手を挙げることは、過去の議事録で調べがついている。


同時に俺も手を挙げた。


後ろで戸部が頬を叩いて気合を入れなおす。何回叩くんでしょうね……


一方の一色はこちらに目を向け、ぎょっとしていた。




作戦開始。


高みの見物はここまでだ、一色――!


野球部顧問と俺、ほぼ同時に手が挙がったが、進行役の副会長は俺を先に指名した。


「えーとどうしようかなー、えーと、それじゃーいりぐちに、ちかいほうのきみ」


急に棒読みになる副会長。さっきまであんなにスラスラ進行してたのに……


とまれ、気を削がれたのか、野球部顧問は苛立たしげに手を引っ込めた。


――もちろん、これも打ち合わせ通りである。


指名を受けて俺は席を立つ。


人前で話すのなんて久しぶり……上手くできるかしら……


緊張しながら言葉を紡ぐ


「ありがとうございます、同好会『一色いろは・被害者の会』――会長の、ひきが……」


どっ!


……と、名前を言い終える前に会議室が湧いてしまう。


笑いを取るつもりはなかったのだが、同好会の名称にインパクトがありすぎたのか、場内大受けである。


事前に配られたレジュメには、既に我ら同好会の名前が記載されている。


所謂イロモノ同好会として、今日この場でレジュメを眺めていた各部から興味を引かれていたのだろう。


そんなイロモノが、まさか挙手して発言するとは思っていなかったのか、そこが笑いの琴線になったようだ。


自らの名を冠する同好会が大受けだったので、当の一色もジロジロと好奇の視線に晒され、顔を真っ赤にして俯いている。


実にいい気味である。恥ずかしいのかい?お前……


満足していると、隣の手芸部の部長(可愛い)が、俺に笑いつつ伺う。


「す、すみません、ブフッ、聞き取れなかったんですけど……

会長さんのお名前をもう一度……?ププ……」



笑いにかき消された俺の名前を、もう一度聞こうというのだろう。

律儀なのか、それとも後でネタにするためなのか知らないが……


お嬢さん、俺達に触れると……ヤケドするぜ?


ここで戸部が吠えた。




「ヒキタニだっつってんだろ!ちゃんと聞いとけやオメェ!!」




――突然の戸部の大声に、会議室は水を打ったようにしんと静まり返る。


謎のブチ切れ。


まさかの反応に、手芸部の部長さんはアワアワと震えている。

か、可愛いのに……


しかし、もちろん、これも打ち合わせ通りの行動である。


戸部は声が大きいし、いかつい役が結構上手い。

去年の夏休み、林間学校のボランティアで、いたいけな小学生を脅してもらった際に確認済みである。


いい感じに凍りついた会議室を見渡したのち、一色に目を向けると

その眉は釣り上がり、刺すような視線を俺達に向けている。


これまた期待通りの反応……


すべては、すべては計画通りである。


ただ、俺の名前ヒキタニじゃないんですけどねぇ……


「ヒキタニ……」


「ヒキタニ……」


あちこちから声が漏れる。どうすんだよこれ……


後顧の憂いはあるが、構わず作戦を続行する。


「我々の予算なんですが、ビックリしちゃいました、あんまりにも少ないので」


「……え、ええっ!?」


俺のあんまりといえば、あんまりな難癖に、書記ちゃんも思わず声をあげる。


二万円(仮)と記された予算は、おそらく規定通り。内容を考えると破格の予算と言っていいだろう。


「なんで、こんなに少ないんですかねー……」


にも関わらず、心底不思議そうに質問する俺に、当然ツッコミが入るはずだ。


「……いや、そらそうだろ」


何処かから上がった外野の声を、戸部はしっかり拾っていた。


すかさず怒鳴り返す。


「今言ったの誰だよ、コラァ!!」


「……」


返事はない。皆、ビビっているか、呆れているか、どっちかだろう。

書記ちゃんも戸部の剣幕に、恐れ慄きあわあわ言っている。(可愛い)


ここで一色が動いた。


あわあわしている書記ちゃんを手で制し、代わりに立ち上がる。


そう、この一色いろは……野球部の顧問は恐れても、俺達のことは決して恐れないのである。


どうしてくれようと怒り心頭な面持ちで、俺達に質問してくる。


「――ええと、『一色いろは・被害者の会』さんでしたか?」


自らの名を冠する同好会に、改めて羞恥が湧いたのか。

言いながらも顔を歪める一色に、はいと俺も頷く。


「予算が少ないというのは、どういうことでしょうか?」


「いや、もう本当ビックリしました。年間2万円とかふざけんなって感じです。」


一色が立ち上がった時点で、既に目的は半分達成したようなものである。


しかし完璧を期するためには、もう一工夫が必要だ。


この予算報告会を円満に終わらせなければいけない。


……しかし、その方法は、昨日、副会長に取り寄せてもらった、過去数年の議事録に全て書いてあった。


簡単なことだ。結論から言うと、過去に野球部の顧問が行ったことを、全て俺達が先んじてやってしまえばいいのだ。


手始めにその1。「恫喝してみる」


お尻を掻くと、戸部が叫びだすシステムである。ぽりっとな。


「なんでこんな少ねぇんだよ!こんなんじゃ、まともな活動ができゃしねぇってんだよ!!」


俺の合図に戸部も立ち上がり、なんだかよくわからない事を、無駄にいかつい感じで叫んで恫喝する。


そんな戸部の叫びに、一色は眉一つ動かさずに冷たく返した。


「はぁー、まあ、部員?会員が少ないですからね……そちらの同好会は、今、何名いらっしゃるんですかー?」


「さ、三名」


戸部の答えに、あちこちから失笑が漏れる。

ちなみに、この失笑には戸部に怒鳴り返さないよう事前に調教してある。


「公平性の観点からー、部員の数って、ある意味実績以上に大事なんですよねー。同好会は3人から発足できますけど、頭数で割ったらむしろ他の部より多いんですー……もっともまだ仮決めの段階ですけど……」


まだまだ減ることもあるんだぞ、と言外に含める。


「あ、あの、はい……」


「今後会員が増える予定は?確かなものは示せますかー?」


「あっ、はい、無いっす!」


「だったら仕方ないですねぇ……」


にぱっと挑発的に微笑む一色に、とほーーと戸部が座り込む。


これ以上はゴネない……そのように調教している。

昨日の打ち合わせの大半は、戸部の調教に充てたからな……



よく訓練された戸部にも感心するが、ここまで一色の対応も申し分無い。


構成員の少なさが予算において、いかに重要であるかが、周りにも嫌ほど周知されただろう。


続いてその2.「いかに当同好会が学校の名誉に関わるかをアピールしてみる」


ここは俺の出番になる。


「あのですねー、会長。我々は会長であるところの一色さんに、普段からいろんな迷惑を被ってるわけですが……」


「……はぁ」


やだ、怖い。その虫を見る視線やめて欲しい……


「こ、この被害を抑えるにあたってですね、総武高校が得るメリットは非常に大きいと考えるんですか……ど、どうでしょうか?」


「はー、そうですね……で、実績はなんかあるんですかー?」


「それは……これから作っていけばいいのかな……と」


「あのですねー、各クラブの予算っていうのは、基本的に去年の実績から学校側が決めてるものなんですよー、わかります?」


「あ、はい」


「当然、この同好会は去年、なーんにもしてませんよね?これからは具体的に何をなさる予定なんですかー?」


「えーと、さしあたっては生徒会長の一色いろはさんの監視……かな?」


ざわ……ざわ……


場に不穏な空気が流れている。


「変態……」


「ストーカー……」


「ヒキタニ……」


あわわキーワードから察するに、これやばい奴だ……


見やると、手芸部の部長さん(可愛い)の俺を見る視線は、完全に虫を見るそれである。


お前ら虫嫌いすぎだろ。五分の魂はあるのに……



想定外の悪評に、俺が狼狽えていると、溺れた犬を叩くように、一色が畳み掛けてくる。


「中身はともかくー、これから頑張る!……っていう意志は大変素晴らしいと思うのですがー、他にも現在進行形で頑張ってる部活があるんですよねー。予算枠は決まっているわけでしてー、そこから割かないと、あなた方の予算は増えないんですよ……これ、どういう意味かわかってます?」


「えーと……俺達のために、他の部の予算が削られるってことです」


「その通りです!えーと、これはあなた方の為を思って言ってるんですけどー……」


「……う」


「……増えちゃったら、痛みませんか?良心が、良心がが」


「ぐぬぬ……」


……こいつ、結構スラスラ出てくるんだな……

大事なところとか、二回言っちゃってるし……


活動実績のくだりはもちろん、全体の予算枠が決まっているというのは、結構重要な部分だ。


椅子取りゲームであると分かれば、そこに各部同士の遠慮や、あるいは敵愾心というものも生まれてくる。


知らない者も多かったのだろう、先ほど陳情していた代表者達が互いに顔を見合わせる。

目下の敵は実は上ではない、すぐ隣りにいるのだ。うーん分断して統治されてるなぁ……


しかし一色め、咄嗟のことにしては、かなりしっかりした反論だ……

あまりにも出来過ぎていて、俺は違和感を覚える。


副会長を見やると、俺と同じ感想を抱いているようで、一色に驚愕の視線を向けている。


とにかく完全に論破されてしまった。うなだれた体を装い、俺は席に座り込む。


まだいくつかバリエーションがあったが、一色の反論はこちらの予想以上にまとまったものだった。


ならば、次でもう終わらせてしまおう。


それに、こちらの小芝居とはいえ、一色ごときに論破されるのは精神的苦痛が思いの他大きい……


最後にその3.「机を叩いて威嚇する」


打ちひしがれた俺は尻を掻く。戸部さんお願いします。


「え?ヒキタニくん、もうやんの?」


「もう十分だろ……はよしろ」


渋々といった感じで、戸部は立ち上がり机を叩く。


バンッ!!


「いいから予算よこせよコラァ!!」


「……机叩かないでください、鬱陶しい」


冷たく一色が返す。もう誰もビビってる人はいなかった。


「……はい」


力なく座る戸部は、俺と同じく俯せの体勢を取る。

ちな台本にはありません。もう二人のライフはとっくにゼロだった。


「え、えーと、『一色いろは・被害者の会』さん……もう、これでいいかな?」


副会長が苦笑しながら、こちらに促すので、手を振って応える。

役得とはいえ羨ましい。君もメンバーの一人なんですけどねぇ……


「では、他に意見がある部はないですかー?」


さて、どうでしょうか……?


ターゲットの位置を見やると、さっき手を挙げていたはずの野球部顧問は腕組みしながら沈黙を保っている。


その表情は苦悶に満ちていたが、手を挙げる気配は無い。


……そうだろうなと思う。


野球部顧問のやり方は、過去のデータから調査済みだ。

年々内容は微妙に違うものの、煎じ詰めれば、今しがた俺達が行った難癖に集約される。


つまり、一色が行った反論で、概ねカバーできる程度の論しか持っていなかったというわけだ。


もちろん、野球部顧問の方がずっとやり方はスマートだ。


恫喝の内容にも理路があり、ただ脅すだけではない。並みの生徒では太刀打ち出来ないだろう。


野球という花型スポーツの重要性をアピールしても、十分に説得力を持ったはずだ。


机を叩くテクニックも、俺達よりずっと効果的なタイミング、効果的な話の誘導の末に行っていた。


おそらく直接対決すれば一色も、さっきのようにはいかず、苦戦を強いられていたに違いない。


しかし、そこは二番煎じの悲しさか……俺達の後に行っても、陳腐な焼き直しだと、この場にいる誰もが看破しただろう。



正直、俺はこの野球部顧問に、最初からあまり悪印象を抱いていない。


むしろクラブ思いの良い顧問で、案外、普段から部員に慕われているのではないだろうか?


隣の優しげな手芸部おばちゃんと、本質的なところでは何も変わりはないように思える。


質の悪いデフォルメで行動を封じめた事に、むしろ良心の呵責を覚えるほどだ。


しかし我々は『一色いろは・被害者の会』だ。

一色の及ぼす悪影響を封じる事こそ、最優先事項なのである。


じろりと恨めしげにこちらを見やる野球部に、内心で詫びる。


するとポンと、前方から手拍子がひとつ。


会の終焉を皆も感じていたのだろう。ほぼ全員が手を叩いた主を見やる。


「はいっ、では、これで予算報告会を終了しまーす☆

結果は来月の生徒総会で、おって連絡しますねっ♪みなさんお疲れ様でしたー!」


きゅぴるん☆と首をかしげて決める。


……ちゃっかり締めのところでは前に出てくる一色。やだ……この子あざとい……


パチパチパチ……と拍手で閉会を迎える。


――かくして、決着はついたのであった。




※※※※※※※



皆、席を立ち始め、俺達に奇異の視線を向けながら退出していく。


悪評が立つかもしれんが、まあ、七十五日もしたら皆忘れる。

そういうものだ。ソースは俺。


ただ、ちょっと長いですね、七十五日……もう少しまからないでしょうか……


「……~~~~っしゃ!」


自分に振り向かれた悪意など、どこ吹く風で

戸部が笑顔でサムズアップを俺に向ける。


「やっべーわ、これ、計画通りだべ?ヒキタニくん策士だわー!マジ孔明だわー!」


……まあ、こいつも恫喝担当として、十分に役立ってくれた。

俺がやると、どうしてもキモい感じになっちまうからな……


「お前も、お疲れさん……」


戸部にも悪評が立つかもしれない。


だが、以前、どういう経緯があったのか詳しくは覚えていないが、

戸部は自らの下駄箱にゴミクズを入れられるという痛ましい事件の被害者になったことがある。


その時も、持ち前のガッツと明るさで即座にギャグに転嫁して事なきを得ていた。

何分去年のことなので、詳しいことは思い出せないが……

まあ俺などより、ずっと上手いこと立ち回るのだろう。心配はいるまい。



それにしても、すっかり疲労困憊である。んーと背を伸ばしていると、いつの間にか葉山が、空いた手芸部の席に腰を下ろしていた。


戸部を挟んで、明らかに俺に向けて冷たい視線を投げつけてくる。


「……相変わらずのやり方だな。犠牲を周りに押し付ける」


引っかかるように、わざと言葉を選んでいるのだろう。


自分を犠牲にしたことなど、これまでただの一度もない。


少なくとも、自分にそのつもりはないし、誰がなってやるかとも思う。


それに今回は……


「……」


依然、こちらに向けた葉山の視線に、蔑んだような光が含まれているのを感じ、思わず刺を含んだ言葉で返してしまう。


「……アホか、全然違うだろうが……」


促すように前を見やると、意図に気づいたのか葉山も視線を一色に向ける。


会議が終わってからこっち、ずっとニヤニヤ俺を見ている一色。

軽く握った拳を口元に寄せている(あざとい)


しかし、葉山の視線にかち合うと慌てて視線を逸らした。


「……まんまと乗せられた」


もはや確定である。


この日、この時のためだけに、一色は同好会を認可したのだ。


書記ちゃんもグルだったのだろうか?有り得る話だ。


俺の視線に気づいた彼女も、ペコリと笑顔でこちらに会釈してくる。(可愛い)


どこまで察したのか、葉山も破顔する。


「なるほどね……前も思ったが、ヒキタニくんと、いろは……面白い取り合わせだな」


「面白くねぇよ。それにあれだ……今回は結局、誰もお前の言うところの『犠牲』になってない。空砲を打たせて悪いが、お前も考えが浅かったな」


「……そうかもな」


なんとなくピリピリした雰囲気を感じ取ってか、間にいる戸部があわあわしている(ウザい)


「ほら、隼人君……?ヒキタニくんって前から、こういうとこあっから…、なっ?」


よくわからないフォローを入れる戸部に、ふと影が落ちる。

見れば、その後ろに野球部の顧問が憤怒の表情を浮かべて屹立していた。


危機を感じ、はっと振り返る戸部。


「戸部……さっきは随分はしゃいでたようだな……

なんだ、あの態度は……お前、なめてんのか?」


強面で知られる野球部顧問。さすがのド迫力である。

俺も思わずブルブル震えちゃう。


「おぇ!?いや、さっきのは違うっていうか!?

訳あり!?訳あって、あえてしてたっつーか、人助けっつーか!?

ちょっ、マジ聞いてって!これには海より深い系の訳が……!!」


「生徒会の行事をなんだと思ってるんだ。……おまえ、いっぺんヤキいれにゃならんようだな」


首根っこを捕まれ、戸部が顧問に連行される。

あの人、確か生徒指導もやってんだっけか……


「隼人くーーーん!!ちょっ!ヒキタニくんからも、なんか言ってやって!!」


ズルズルと引き摺られ、連行される戸部を二人して見送る。


犠牲はなかったのだ……


「……比企谷と戸部ってのも、面白い取り合わせだけどな……」


さっきからお前が言ってるのって、文字通り漫才的な意味でなの……?


「ま、これからも頼むよ、あいつのことも」


「あ、いや、この同好会は今日限りだわ、残念だったな。……引き続き、まとめてお前が面倒見とけ」


俺は席を立ち、苦笑した葉山を背に出口まで歩を進める。


途中、副会長や書記ちゃんと目が合った。謝意を込めているようなので、手だけで鷹揚に返す。



そして会議室を出る間際、一色と一瞬、視線が交わる。


してやったりとドヤ顔の後輩に思わず笑みが零れそうになる。

俺はグッとこらえて、じゃあの、と視線で別れを告げた。



※※※※※※※※



一体、どこから彼女の計略は始まっていたのだろう?


冗談で被害者の会を結成した時か?


それとも俺のベストプレイスに訪れた時から既に……?


もっと前、贈答品をかさばるものに変更した時からだろうか?


あるいは予算報告会の存在を知った時から……?


……考えると恐ろしくなってくる。


思えばフリーペーパーを俺に協力させるにあたっても、随分周到な計略が用意されていた。


やはり、一色いろはに心配などいらなかった。

俺の思っていたものとは違うが、彼女は確かに成長していたのだ。



……おそらく、さっきのが彼女との最後の仕事になるのだろう。

俺と一色が交わることは、もう、無い。



しかし、この先も、一色は周りを利用し、あざとく、抜け目なく立ち回り、危機を回避し、

隙を見ては自分のやりたいことを実現していくのではないかと思った。


そして、そんなあいつの行動は、案外、学校をほんの少しだけ、楽しくしてくれるのではないか?


動機の不純はあれど、それでも、あいつを生徒会長に推した、かつての自分を、

いつか誇らしく思う日が来るんじゃないか?



ほんの一時だけ『一色いろは・被害者の会』という奇妙な同好会があったことを、

笑って話せる日がくるんじゃないか……






……そんな風に考えていた時期が、俺にもありました。


「せ~~んぱいっ!」


パンが口からこぼれた。


今日も今日とて、ベストプレイスで孤高にその身を置きながら、昼飯をモソモソ食べていると、可愛らしい弁当箱を携えて一色が走り寄ってきた。


すぐ隣にちょこんと腰を下ろすと、いそいそと弁当を広げる。


「あ、あの……一色さん?」


「昨日はありがとうございました~~!……ププ、先輩の、あの芝居……まさか、ああ来るとは……」


「へ……?」


間抜けな声が出てしまう。


あと……あの、そこでお弁当食べるのん?


「いやー、でも本当に助かっちゃいました。そりゃー、あんなやり取りの後だと、あの豚も言いにくいですよねー」


……いろ……はす?


「あれって先輩……狙ってやったんですよね?」


もぐもぐと、おかずを咀嚼しながら、興奮気味に聞いてくる。


「昨日は、もう、あれを思い出してたら……夜、全然寝られなくて……ぷくく……!」


自分で質問したことなど忘れたように、独りで進めて、独りでクスクス笑う。


んーー、これお互い、認識に相違が有るようですねぇ……


「お前は……あれ狙ってなかったのかよ?」


「ほぇ?」


あざとく小首をかしげる。(可愛い)


「いやー、あれはただ先輩たちに言い返そうとしてたら、あんな感じになってしまいまして……

我ながらあの時はムキになって……ま、結果オーライですけど!」


え、えー……?お、おかしいな……

さっきまで凄い子だと思ってたんだけどな……


俺の小芝居の三文っぷりや、戸部のヘタレさ、副会長のわざとらしさ、書記ちゃんのキョドりっぷり、

野球部顧問の憤懣やるかたない顔つき、癒し系手芸部などなど……


昨日を振り返り、楽しそうに語らう一色を、俺は呆然と眺めている。



……だが、待って欲しい。昨日の舞台が一色の計算ではないということなんて、あるんだろうか?


昨日のアレは、台本など無くて、素の返しだったというのか……?


そんな訳……ないよね?


なら『一色いろは・被害者の会』を認可した理由は?


そうだ、今のこの姿さえ演技ということも、こいつなら有りえるのだ。


たまらず聞いてみる。


「お前……、被害者の会の認可って、あれ、どういうことなんだ?」


「被害者の会?……あ、そうだ、今日はこれを渡しに来たんですよねー」


ブラウスのポケットから、ごそごそと折りたたまれた封筒を「……ん」とか言いながら取り出す。

受け取ってひっくり返すと、生温かい五百円玉がコロンと掌に収まった。


「それ、『一色いろは・被害者の会』の本年度の予算です。あの後、学校側から正式に認可されました」


「……へ?」


「生徒会への監査役みたいに捉えられたようで……無事認められました。

同好会って普通は二万円ぐらいは貰えるんですけど……ぷぷ、昨日の一件もあって、その額になっちゃいましたけどね……」


可笑しそうに笑って、腕をバンバン叩いてくる一色。


もう、何が……なんだか……わから……ない……


「いや、俺が聞いたのは、学校じゃなくて、お前が認可した理由……」


「あー、それですか……」


食べ終えた弁当をしまいながら、一色は続けた。


「んーー、いや、ほら、春休みを挟んで、学年が変わって……

私、このまま先輩と疎遠になっちゃうんじゃないかなーって思ってたんですよ」


どこを見るでもなく、そんなことを言う。

その横顔に、少し胸がざわついた。


「……それもなんか寂しいじゃないですか、――わっ!」


一瞬、風が強く吹き、一色の髪を激しく揺らす。

それを、てふてふと直しながら言葉をつなげる。


「そしたら、偶然、こんな隅っこで先輩がお昼食べてて……ちょうど困ってたから、お願いしてー……」


「……そしたら、なんか三人で変なことしてたじゃないですか?」


全部、成り行きだったということなんだろうか……?


「あー、これをネタにゆすれ……一緒に居られるなーって思ってー……」


首をかしげて、きゃるん☆とこちらを見やる。

……いや、言い直さなくて良いんですけどね……


しかし本当に、本当に、たったそれだけの事だったのか……




――ちょっと、俺達にはズレがある。


それが可笑しくて、思わず笑ってしまう。


「くく、お前も大概あれだな……変わってねーというか、進歩してねーというか……相変わらずで安心したわ……」


「むぅ、なんですかーそれ……

あ、もしかして口説いてますか!?ムードも何も無いし上から目線キモいので態度を改めてからもう一度出直してきてください、ごめんなさい」


うへぇ……それも久しぶりだなー……


「……ちげぇよ」


「むー…それに進歩してないとか、ちょっと酷くないですかー?結構しっかり生徒会長やってるつもりなんですけどー」


「よくそんな事言えるな、書記ちゃんに対応丸投げして……」


指摘すると、気まずそうに視線を逸らす一色。


なーんの策略も無かったってことは、そういうことなんだよなぁ……

もう……この子ったら……


「いや、それは……ほら!でも結局、私が対応したじゃないですかー?」


「……そうだな。あれだ、お前が生徒会や、お前の身内だけで、物事を解決できるようになったら、そん時は進歩したって認めてやるよ」


俺に頼るなと言外に含めたつもりだが、しかし一色は、ほえ?とさも不思議そうな顔で俺を見てくる。


あー、これ伝わってませんね……


「はあ……だったらやっぱり、何も問題無いですねー」


「あ?」


「……だって、先輩はー、最初から私の身内じゃないですか?」


「……」


どうだ?とばかりのドヤ顔に呆気にとられた俺を見て、一体何がそんなに可笑しいのか、またもコロコロ笑う。


そんな一色の様子に、俺は苦笑を返すしか無かった。


「もーらいっ」


笑っていたかと思えば、忙しなく俺が脇に置いていたマックスコーヒーを素早く奪い去り、ぐびっと飲んでしまう。


こいつ……何しやがる……!


「うわ、あっま……」


しかも、顔をしかめて、失礼な所感を述べる。


謝って!マッカンに謝ってよう!


「それじゃー、先輩、本年もよろしくお願いしますねっ☆」


立ち上がり、びびっと敬礼を決めると、

年始みたいな挨拶を残して走り去ってしまう。


あとに残されたのは、い、いずこへーと手を伸ばして固まった俺と

一色の飲み残したマッカンのみである。



「……」


困るわ……こういうの、すごい困る。


一色の置いた缶を持つと、まだ十分に中身が残っているようだ。


俺にマッカンを残すという発想はない。

ないんだけど……困るわー……


飲もうか、飲むまいか、缶をチャポチャポ振りながら

一色の去った方に目を向けると……


校舎の端から、ニヤニヤと嫌な笑顔を浮かべながら、一色がこちらを覗き見ていた。


歯を向いて追い払うと、今度こそ脱兎のごとく逃げていく。


それを確認して、俺はマッカンを一気に煽った。



弾みで見上げた空には、ウロウロと落とし所を求めて桜の花びらが彷徨っている。


潮目が変わったのか、花びらは新しい風に乗せられて、


高く、高く舞い上がった――





※※※※※※※※※


一色いろは・被害者の会

黎明篇 【了】



次回もあるでよ!


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8件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2015-08-24 00:31:29 ID: Zm0oi0ot

どこまでが、あざとさなのか、考え込んでしまった。

2: SS好きの名無しさん 2015-08-24 08:13:55 ID: pocGtwWl

戸部とヒッキーって案外相性いんじゃね?
次も期待してます!

3: SS好きの名無しさん 2015-08-24 12:48:01 ID: NEs2AY8f

原作の被害者の会ネタを膨らますとこんなに面白くなるのか。次も楽しみです。

4: SS好きの名無しさん 2015-08-24 15:13:55 ID: jTZKBxc3

期待の星だな。
作者クラスの文章力あると思います!

5: SS好きの名無しさん 2015-08-24 19:00:23 ID: oTXkp3Nr

50円www意外と悪評もなかったのか。次回そこらへん語られるのか。期待しています。

6: SS好きの名無しさん 2015-08-24 20:03:21 ID: GanwtrcR

拒否反応も出ずに最後まで楽しんで読めました。
ありがとう。
今後の作品も楽しみにしています。

7: SS好きの名無しさん 2015-08-24 20:40:22 ID: Mp3ywN7L

次回作も期待してますっ!!!

8: SS好きの名無しさん 2015-08-24 22:56:31 ID: XIz0YfV8

とべほんといい奴だな。
…どうでもいいけど


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1: SS好きの名無しさん 2015-08-24 20:11:02 ID: GanwtrcR

八幡が同好会の部長にッ?!
一色いろはから書記ちゃん(生徒会)と自身の尊厳を護る為、彼が繰り出す秘策とはーーー
高クオリティ!読み切りコメディラブコメ! 後編


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