2015-10-02 09:42:09 更新

概要

はじめてのうみまき。
9/7のラブライブ版深夜の真剣ss書き60分一本勝負にて。テーマは「耳に残る」

すっげーどうでもいいんですけど、ここで真姫ちゃんが歌ってたのが「好きですが好きですか?」とか面白くないですかね。


寝返りをうつ、もう何度目だろう。寝る前に紅茶を飲んだから。リネンがすごくいい匂いだから。隣にいるのが真姫だから。

半端なホテルよりもずっと寝心地の良いこのベッドは、私の寝返りを音も立てず受け止める。電気を消してから何分経ったのだろう。明日も早いのにこうも寝付けないとは。

「…海未って枕変わるとダメな人?」

「え?あ、いえ……すみません起こしてしまいましたか」

「そんなにもぞもぞされたらこっちも落ち着かないわよ」

「…すみません…」

いや、ほんとごめんなさい。別に泊まるのが初めてなわけでないのに。なんだか今夜は妙にドキドキする。

「紅茶、お代わりまでしたせいじゃない?」

「あ……そうかも、しれませんね、美味しかったです」

「ママの趣味だからよく知らないけど。良いやつみたいよ」

「この家でスーパーに売ってるお茶飲む事無いでしょう」

「そうね」

紅茶のせいにした、といえばそうなのですが。本当はあなたのせいですよ。寝巻きに香水振ったでしょう。


曲作りと並行して、打ち合わせも兼ねてこうして真姫の家にお邪魔することがあって、たまにこうして朝までお世話になることも増えた。μ'sだから、園田さんのところの娘さんだからと歓迎された。最初は本当にただ遅くまで曲を作っていただけだったけれど、お互いに変な意識をし始めて、それに気づいてからは早かった。

実際、書ける歌詞に幅が出るようになった。真姫も新しいフレーズが出てくると。普通の恋とはちょっと違うかもしれないけれど、誰にも秘密でこっそりと火のついた恋は楽しいものだ。


「真姫、お願いがあるのですが」

「トイレはついていかないわよ」

「……子守唄歌ってください、寝付けないので。」

「いい、けど…さっきできた曲でいい?」

「いいですね」


私が書いた歌詞。恥ずかしさが無いわけではないけれど、真姫のメロディーで、私のためだけに歌ってくれる。それがどんなに嬉しいことか。

真姫が歌い始める。私どんな歌詞書いたんだっけ。あなたのことが好きだって、そういう歌。

どさくさに紛れてそっと抱きついてみましたが失敗でした。真姫の匂いと香水が混じり合って、私の脳を溶かす。あぁ、せっかく真姫が私に好きだって歌ってるのに。

それでも、歌声だけは蕩けた脳にするりと入り込む。耳に残る、甘い歌声。


「……どう?」

「素敵、ですね」

「………ありがと。歌詞も、素敵よ?」

「…好き、です」

「う、ん………好き」

「あの」

「………ん?」

「トイレ、お借りしても?」

「ムードって知ってる?」











9/7 #ラブライブ版深夜の真剣ss書き60分一本勝負「耳に残る」


このSSへの評価

このSSへの応援

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください