2017-06-08 01:41:04 更新

概要

提督が大事にしていた食器を秋月が割ってしまい・・・


前書き

注:思いつきで書いた「超短文」です。



ガッシャーーン!!


執務室で響く音・・・何事かと思った村雨が扉を開けると、


「・・・・・・」


割れた食器を見て、わなわなと震えながら泣いている秋月さんの姿がありました。


しかも、割ってしまった食器が・・・提督のお気に入りのお皿!!


「ああ~~」


村雨も思わず焦ってしまう。


「とりあえず、掃除しましょ!」


2人で協力して何事もなかったかの状態まで片づけることができた・・・


「う~ん・・・」


村雨が悩む。


「どうしたらいいものか・・・」


・・・・・・


実は以前に、村雨は提督のお気に入りの食器を割っていた。


素直に提督に謝ったが、その後の言い訳に提督が怒ってしまう。


「本当に申し訳ありません。」


「・・・・・・」


「でも、私だってわざとやったわけではないんです。」


「・・・・・・」


「掃除していたら、手が滑ったというか・・・まぁ棚から落ちてしまったというか。」


「・・・・・・」


村雨は焦りつつ、笑いながら、


「ほら、こんな言葉があるでしょ? ”形あるものはいつか壊れる”って・・・」


「・・・・・・」 


「・・・申し訳ありません。」


提督の真面目な顔に村雨はそれ以降口が聞けなかった・・・



・・・・・・


「・・・・・・」


秋月はまだ落ち込んでいる。


「秋月さん・・・」


村雨は肩に手をやって、


「素直に謝りましょ?」


「・・・はい。」


村雨に連れられて、秋月は提督がいる食堂へ向かった。



「司令! ご・・・ごめんなさい!」


秋月は提督に深々と頭を下げる。


「? どうしたの?」


状況が理解できない提督に、


「司令が大事にしていたお皿を・・・執務室に飾ってあったお皿を・・・割ってしまいました!!」


「・・・・・・」


「本当に・・・本当に・・・申し訳ありません!!」


「・・・・・・」


それを聞いて提督は秋月に近づく。


「・・・・・・」


秋月も怒られる覚悟はしていた・・・が、


「ケガはないか?」


「え・・・」


予想外の言葉に、


「だから、ケガはなかったか?」


「・・・はい、大丈夫です。」


「そうか・・・なら良かった。」


それだけ確認すると、提督は食堂から去っていった。


「・・・・・・」


秋月はしばらく提督の後姿を見つめていた。



・・・・・・


「あの、司令・・・。」


執務室で仕事をしていた、提督に秋月が言い寄った。


「ごめんなさい・・・」


「ああ、もういいよ。 ケガをしなかっただけ良かった。」


「司令?」


「あくまで大事なのは秋月だから・・・1枚の皿位で怒ったりはしないよ。」


「・・・・・・」


「わかったなら、もう遅いからさっさと寝なさい、 明日は早いんだろう?」


「・・・は、はい。」


秋月はそのまま執務室から出て行った。


「あまり怒らなかったわね・・・提督。」


その光景を見ていた村雨は・・・


「何で私の時はあんなに怒ったのかしら・・・」


村雨は考えていると・・・


「謝るだけでいいのに、その後弁解(言い訳)したからだ。」


「!?」


提督に聞かれてしまったのか、村雨は驚く。


「確かにそうだね・・・”形あるものはいつか壊れる”だね?」


「・・・・・・」


「でも、次やったら2人とも容赦しないぞ?」


提督の真顔に・・・


「は、はい! 気を付けます!」


村雨が返事をした。


「・・・・・・」







とは言っても・・・まだ提督に正直に話していないことがあるのよね・・・







明日以降なら、提督は機嫌を直してくれるかしら?







明日以降なら・・・







うん、明日素直に謝ろう・・・なるべく言い訳しないように・・・






・・・・・・


翌日、


村雨は残りの隠し事を素直に白状した。


当然のことながら、提督の逆鱗に触れたのは・・・言うまでもない。







「提督と大切なもの」 終









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